JP2021024583A - 電子レンジ用包装袋及びその包装体の加熱処理方法 - Google Patents

電子レンジ用包装袋及びその包装体の加熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 食品等を密封包装したまま、電子レンジで加熱することができ、内圧を自動的に包装袋の外に排出でき、破袋することがない電子レンジ用包装袋及び火傷等の恐れのない包装体の加熱処理方法を提供することにある。【解決手段】 本発明の電子レンジ用包装袋は、外層と熱融着性樹脂からなる内層とを備えた積層体を接合して背貼り接合部と第1端縁接合部と第2端縁接合部とを備えたピロータイプの電子レンジ用包装袋であって、第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面と対向する面を構成する積層体の外層と内層との間に、ラミネート強度調整層を有するラミネート強度調整領域が形成されると共に、第1端縁接合部の背貼り接合部と平行する方向の接合幅が、第2端縁接合部のその接合幅より幅広となっている。【選択図】 図1

Description

本発明は、内容物が密封包装された包装袋のまま電子レンジで加熱することができ、電子レンジ加熱する際に発生する蒸気等によって、包装袋が破裂を起こすことなく、蒸気を包装袋の外へ自動的に逃がすことができ、内圧を低下させ、加熱調理できるピロータイプの電子レンジ用包装袋及びそれに内容物を密封包装した包装体の加熱処理方法に関するものである。
従来、調理済あるいは半調理済等の食品、たとえば、肉まん、あんまん、シュウマイ、餃子、ハンバーガー、ホットドック、ソーセージ、スパゲティー、焼きそば、焼きうどん、ビーフン等の調理済めん類等をプラスチック製の包装袋に収納して、食べるに際して電子レンジにより加熱調理する包装食品が市場に出回っている。最近、このような食品を収納する包装袋には、電子レンジで包装袋ごと加熱する際、食品から発生する蒸気や内部空気の熱膨張により包装袋内部の内圧が上昇して包装袋が破裂することのないように包装袋に種々の蒸気抜き手段が形成され使用者に利便性を与える包装袋が多く使われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平11−278558号公報 特開2015−13441号公報
特許文献1は、センターに備える背貼り部に易蒸通手段を有する包装袋であって、易蒸通手段を有する背貼り部は蒸気吐出口と蒸気案内通路を備えている。背貼り部を上にして加熱調理することにより、食品の噴き零れを防ぎ、発生した蒸気等を排出できる。しかしながら、背貼り部に易蒸通手段を設けるための特殊シール金型が必要になり、金型費用が嵩むという問題がある。特許文献2は、積層フィルムの外層にレーザー加工による脆弱加工部を設けた易蒸通手段を備えるものであり、積層フィルムにレーザー加工するためのレーザー装置が必要となり、設備投資費用が嵩むという問題がある。また、特許文献1、2では包装体を電子レンジ加熱後、取り出すときに細心の注意をもって取り扱わないと火傷等をする恐れがある。
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは食品等の内容物を密封包装したまま、電子レンジで加熱することができるとともに、加熱により発生する内圧を自動的に包装袋の外に排出でき、内圧を低下させることによって破袋することがない電子レンジ用包装袋及び火傷等の恐れのない包装体の加熱処理方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明の電子レンジ用包装袋は、外層と熱融着性樹脂からなる内層とを少なくとも備えた矩形状の積層体を、対向する一方の両端部の前記内層の側同士を対面して接合された背貼り接合部と、当該背貼り接合部に直交する両端部が接合された第1端縁接合部と第2端縁接合部とを備えたピロータイプの電子レンジ用包装袋であって、前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を有する面と対向する面を構成する前記積層体の前記外層と前記内層との間に、前記第1端縁接合部を横断する、ラミネート強度調整層を有するラミネート強度調整領域が形成されると共に、前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅が、前記第2端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅より幅広となっていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の電子レンジ用包装袋において、前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を形成する側の面に、前記第1端縁接合部の両端部に摘み位置を示す表示がなされていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、外層と熱融着性樹脂からなる内層とを少なくとも備えた矩形状の積層体を、対向する一方の両端部の前記内層の側同士を対面して接合された背貼り接合部と、当該背貼り接合部に直交する両端部が接合された第1端縁接合部と第2端縁接合部とを備えたピロータイプの電子レンジ用包装袋であって、前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を有する面と対向する面を構成する前記積層体の前記外層と前記内層との間に、前記第1端縁接合部を横断する、ラミネート強度調整層を有するラミネート強度調整領域が形成されると共に、前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅が、前記第2端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅より幅広となっていることを特徴とする電子レンジ用包装袋に加熱調理する食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理する加熱処理方法であって、前記第1端縁接合部を上方に、前記第2端縁接合部を下方にすることにより前記食品を下方に寄せる工程と、電子レンジで前記包装体を加熱処理する工程と、加熱処理された前記包装体を前記電子レンジ用包装袋の前記第1端縁接合部の両端を指で摘み、前記第1端縁接合部を上方にして電子レンジ庫内から取り出す工程と、前記包装体の前記第1端縁接合部の側から前記電子レンジ用包装袋を開封する工程と、を備えることを特徴とする包装体の加熱処理方法である。
また、請求項4記載の本発明は、外層と熱融着性樹脂からなる内層とを少なくとも備えた矩形状の積層体を、対向する一方の両端部の前記内層の側同士を対面して接合された背貼り接合部と、当該背貼り接合部に直交する両端部が接合された第1端縁接合部と第2端縁接合部とを備えたピロータイプの電子レンジ用包装袋であって、前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を有する面と対向する面を構成する前記積層体の前記外層と前記内層との間に、前記第1端縁接合部を横断する、ラミネート強度調整層を有するラミネート強度調整領域が形成されると共に、前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部に直交する側の両端部分の接合幅が幅広となっている電子レンジ用包装袋に加熱調理する食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理する加熱処理方法であって、前記第1端縁接合部を上方に、前記第2端縁接合部を下方にすることにより前記食品を下方に寄せる工程と、電子レンジで前記包装体を加熱処理する工程と、加熱処理された前記包装体を前記電子レンジ用包装袋の前記第1端縁接合部の両端を指で摘み、前記第1端縁接合部を上方にして電子レンジ庫内から取り出す工程と、前記包装体の前記第1端縁接合部の側から前記電子レンジ用包装袋を開封する工程と、を備えることを特徴とする包装体の加熱処理方法である。
本発明の電子レンジ用包装袋は、食品等の内容物を密封包装したまま、電子レンジで加熱することができるとともに、加熱により発生する内圧を自動的に電子レンジ用包装袋の外に排出でき、内圧を低下させることによって破袋することがなく、安全に加熱調理できる。また、本発明の包装体の加熱処理方法によれば、包装体を電子レンジで加熱調理する際、安全に加熱調理ができ、火傷等の恐れもなく、安心して、包装体を取り扱うことができる。
本発明に係る電子レンジ用包装袋の一実施形態を示し背貼り接合部のある側と反対側からみた斜視図である。 本発明に係る電子レンジ用包装袋の一実施形態を示し背貼り接合部のある側からみた斜視図である。 図1のX−X線の断面を図解的に示す拡大断面図である。 図1のY−Y線の断面を図解的に示す拡大断面図である。 本発明に係る電子レンジ用包装袋に加熱調理される食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱調理したときの状態を図解的に説明する断面図である。 本発明に係る電子レンジ用包装袋に食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理する加熱処理方法を示す説明図である。 本発明に係る電子レンジ用包装袋に食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理する加熱処理方法を示す説明図である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明に係る電子レンジ用包装袋の一実施形態を示し背貼り接合部のある側と反対側からみた斜視図、図2は本発明に係る電子レンジ用包装袋の一実施形態を示し背貼り接合部のある側からみた斜視図、図3は図1のX−X線の断面を図解的に示す拡大断面図、図4は図1のY−Y線の断面を図解的に示す拡大断面図、図5は本発明に係る電子レンジ用包装袋に加熱調理される食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理したときの状態を図解的に説明するための断面図、図6、図7は本発明に係る電子レンジ用包装袋に食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理する加熱処理方法を示す説明図であり、図中の1は電子レンジ用包装袋、2は背貼り接合部、3は第1端縁接合部、3iは第1端縁接合部の内縁、3oは第1端縁接合部の外縁、3rはラミネート強度調整領域、4は第2端縁接合部、5はノッチ、6は蒸気吐出口、7は蒸気の通路、8は摘み位置を示す表示、10は積層体、10aは第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面と対向する側の積層体、10bは第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面側の積層体、11は外層、12は印刷層、13はラミネート強度調整層、14は接着層、14’は破断した接着層、15は内層、15’は破断した内層、Fは食品、Pは包装体、W1は第1端縁接合部の背貼り接合部と平行する方向の接合幅、W2は第2端縁接合部の背貼り接合部と平行する方向の接合幅をそれぞれ示す。
図1は本発明に係る電子レンジ用包装袋の一実施形態を示し背貼り接合部のある側と反対側からみた斜視図、図2は本発明に係る電子レンジ用包装袋の一実施形態を示し背貼り接合部のある側からみた斜視図、図3は図1のX−X線の断面を図解的に示す拡大断面図であって、本発明の電子レンジ用包装袋1は、外層11と熱融着性樹脂からなる内層15とを少なくとも備えた矩形状の積層体10からなり、対向する一方の両端部の内層15の側同士を対面して熱接着により接合された背貼り接合部2と、当該背貼り接合部2に直交する両端部が接合された第1端縁接合部3と第2端縁接合部4とを備えたピロータイプの包装袋の形態である。
電子レンジ用包装袋1は、第1端縁接合部3の背貼り接合部2を有する面と対向する側の積層体10aの構成が、外層11と内層15との間に、第1端縁接合部3を横断する、ラミネート強度調整層13を有するラミネート強度調整領域3rが形成されると共に、第1端縁接合部3の背貼り接合部2と平行する方向の接合幅W1が、第2端縁接合部4の背貼り接合部2と平行する方向の接合幅W2より幅広となっている。
図1に示すように電子レンジ用包装袋1の背貼り接合部2有する面と対向する側の面を外から見た図であり、ラミネート強度調整領域3rを透視した状態で示している。ラミネート強度調整領域3rは第1端縁接合部3を第1端縁接合部の外縁3oから第1端縁接合部の内縁3iを横断し、さらに少し内側に食み出している(以下、塗り足しと呼ぶ)。塗り足しは第1端縁接合部3の位置ズレが発生しても第1端縁接合部の内縁3iはラミネート強度調整領域3r内に位置することを確実にすることができ、後述する蒸通が確実に達成できるので好ましい。ラミネート強度調整領域3rは左右方向の中央に背貼り接合部2と対向する位置に30mm〜80mm程度の幅で形成され、より好ましくは50mm程度である。また、ラミネート強度調整領域3r辺りに蒸気吐出口になることを注意喚起する表示が印刷されていることが好ましい。
図2は電子レンジ用包装袋1の背貼り接合部2側から見た図であり、第2端縁接合部4より幅広の第1端縁接合部3両側に摘み位置を示す表示8が印刷されている。摘み位置を示す表示8は、加熱後、電子レンジから加熱後の電子レンジ用包装袋1’を取り出すとき、摘み位置を知らせ、火傷等を防ぐものであり、設ける方が好ましい。また、第1端縁接合部の背貼り接合部と平行する方向の接合幅W1は指で摘めるであればよく、10mm〜30mm程度である。
図3に示すように積層体10は順に外層11、印刷層12、ラミネート強度調整層13、接着層14、内層15を備え、内層15同士を対向させ、背貼り接合部2で合掌シールするピロータイプの包装袋としたものである。第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面と対向する側の積層体10aは、外層11と内層15との間に、ラミネート強度調整層13を有するラミネート強度調整領域3rが形成され、第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面側の積層体10bにはラミネート強度調整領域3rがない。
ラミネート強度調整領域3rは、背貼り接合部2と対向する位置に形成することが好ましく、後述する蒸通が容易になる。なお、第1端縁接合部3または第2端縁接合部4のいずれかは内容物が充填される前は開口状態となっており、開口から内容物が充填された後、熱接着され第1端縁接合部3または第2端縁接合部4が形成されるものである。
図4は図1のY−Y線の断面を図解的に示す拡大断面図であり、図4に示すように第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面と対向する側の積層体10aは印刷層12と接着層14の間にラミネート強度調整層13を備え、ラミネート強度調整領域3rは第1端縁接合部の外縁3oから第1端縁接合部の内縁3iを横断し、さらに少し内側に塗り足しを有し、第1端縁接合部の内縁3iがラミネート強度調整層13内に位置している。
図5は、本発明に係る電子レンジ用包装袋1に加熱調理される食品F(図6参照)が密封包装された包装体P(図6参照)を電子レンジで加熱調理したときの状態を図解的に説明する断面図であり、図1のY−Y線断面に相当し図4に対応する。図5を参照しながら包装体Rを電子レンジ加熱した際、加熱によって蒸気を放散する状態(蒸通)を説明する。電子レンジ用包装袋1は電子レンジ加熱により発生する蒸気等で内圧が高まると第1端縁接合部3と背貼り接合部2が交差する部分が内圧により、まず、内層15及び接着層14がラミネート強度調整層13との協働作用により破断が発生し、この破断箇所を起点に内圧によりラミネート強度調整層13と接着層14間での剥離が進行し、剥離が第1端縁接合部の外縁3oに達したとき、蒸気吐出口6が形成され、蒸気吐出口6より蒸気が放散されると共に内圧が外部に排出され内圧を低下させることができるので電子レンジ用包装袋1が破袋することがない。ラミネート強度調整領域3rにおいて第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面と対向する側の積層体10aは破断により引き裂かれ、剥離し破断した接着層14’と破断した内層15’の一部は第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面側の積層体10bの内層15の上に一体となって転着し、剥離し破断した接着層14’とラミネート強度調整層13との間で蒸気の通路7を形成し電子レンジ用包装袋1の内部と外部が通じることとなる。また、ラミネート強度調整領域3rは第1端縁接合部3に1ケ所のみ設けることにより、蒸気吐出口6は1ケ所に限定され、蒸気吐出箇所が使用者にとって判りやすく火傷等の危険性が低くなる。なお、剥離はラミネート強度調整層13と接着層14との剥離に限定されるものではなく、ラミネート強度調整層13間の凝集剥離であってもよい。このような蒸気吐出口6が形成される作用を易蒸通とも呼ぶ。
つぎに積層体10を構成する各層について説明する。外層11としては、電子レンジ用包装袋1に内容物が充填された製品が、保管、流通過程で冷蔵ないし冷凍で保存され、使用される時点では電子レンジで加熱調理され、さらには印刷が施されるものであり、電子レンジ用包装袋1の基材層となるものである。したがって、機械的、熱的、物理的に優れた性質を有する合成樹脂フィルムが好適に使用でき、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の樹脂、あるいは、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等からなるフィルムを用いることができ、未延伸フィルム、または一軸方向ないし二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができるが、印刷適性を考慮すると一軸延伸ないし二軸延伸フィルムが好ましい。また、内容物によりバリア性を要求される場合には上記したフィルムにポリ塩化ビニリデン等のガスバリア性を有する樹脂をコーティングしたフィルム、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着し蒸着層を形成したフィルムを用いることもできる。外層11に用いるフィルムの厚みは9μm〜40μm、好ましくは9μm〜30μm程度である
また、外層11としては、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等のより優れた性質が要求される場合、上記フィルムのうち、2種以上のフィルムを適宜組み合わせて積層構成としてもよい。
内層15としては、熱融着性樹脂が用いられ、通常、電子レンジによる加熱に耐えるものであれば、使用できる。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体またはアイオノマー等の樹脂を使用できる。また、本発明においては、電子レンジで加熱調理した際に、内容物から発生する水蒸気等によって内圧が上昇し、袋が膨張した状態において、ラミネート強度調整層13と内層15の協働作用により内層15が容易に破断することが好ましく、上記熱融着性樹脂に酸化チタン等の白色顔料を含む白色フィルムを用いることがより好ましい。
内層15はこれらの熱融着性樹脂を押出ラミネート法により形成しても良いし、予め、Tダイ法またはインフレーション法等により製膜したフィルムとしてもよい。内層15の厚さは、20μm〜60μm程度である。
次に、ラミネート強度調整層13について説明する。ラミネート強度調整層13としては、室温以下の環境温度下では所定の強度を有するが、高温の環境温度下ではその強度が低下する性質を有するものである。なお、室温とは、25〜30℃である。
所定の強度を有する室温以下の環境温度下とは、通常、内容物を包装する包装工程の環境温度や、内容物を包装した電子レンジ用包装袋を冷蔵や冷凍にする工程の環境温度や、冷蔵や冷凍した状態で輸送や保管する流通段階での環境温度などである。したがって、ラミネート強度調整層13は、上記した環境温度下では、所定の強度が保持されることとなる。また、他方、所定の強度が低下する高温の環境温度下とは、内容物を密封包装した電子レンジ用包装袋1を電子レンジで加熱調理する際に加わる温度であり、こうした高い環境温度下ではラミネート強度調整層13の強度が低下することになる。
このような性質を有するラミネート強度調整層13としては、60〜90℃の融点を有する材料、たとえば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリアミド−硝化綿系樹脂、ポリアミド−硝化綿−ポリエチレンワックス系樹脂のいずれか1種を主体とする樹脂を挙げることができる。融点が60〜90℃の樹脂を用いることにより、電子レンジで加熱調理した際に、ラミネート強度調整層13と接着層14間の層間剥離を発生しやすくすることができる、あるいは、ラミネート強度調整層13の層間に凝集剥離を生じ易くさせることができる。
ラミネート強度調整層13は、ベタ印刷またはパターン印刷により、所定位置に見当合わせし印刷することにより設けることができる。パターン印刷としては格子柄、ストライプ柄、千鳥柄等が使用できる。また、ラミネート強度調整層13の形状についても、図1に示すような矩形に限定されるものではなく例えば台形状等であってもよい。
ラミネート強度調整層13は、使用する材料、ラミネート強度調整領域3rの形成するパターン、形状等により、所定の加熱時間で蒸通が発生するように適宜設計できる。
本発明の電子レンジ用包装袋1の少なくとも外層11と内層15との積層方法は、たとえば、ポリオールとイソシアネートとからなるウレタン系のアンカーコート剤やウレタン系の接着剤を用いて押出ラミネート法で内層15を積層してもよいし、サンドイッチラミネート法で予めフィルムに成形された内層15を積層してもよい。また、ドライラミネート法で予めフィルムからなる内層15を積層してもよい。
つぎに図6、図7を参照しながら本発明に係る電子レンジ用包装袋1に加熱調理する食品Fが密封包装された包装体Pを電子レンジで加熱処理する加熱処理方法について説明する。本発明の包装体Pの加熱処理方法は、第1端縁接合部3を上方に、第2端縁接合部4を下方にすることにより食品Fを下方に寄せる工程と、電子レンジで包装体Pを加熱処理する工程と、加熱処理された包装体Pを加熱後の電子レンジ用包装袋1’の第1端縁接合部3の両端を指で摘み、第1端縁接合部3を上方にして電子レンジ庫内から取り出す工程と、包装体Pの第1端縁接合部3の側から加熱後の電子レンジ用包装袋1’を開封する工程と、を備える。
図6(イ)に示すように、電子レンジ用包装袋1に食品Fが密封包装された包装体Pの第1端縁接合部3の両端を指で摘み、第1端縁接合部3を上方に、第2端縁接合部4を下方にして食品Fを下方に寄せる。
つぎに、図6(ロ)に示すように電子レンジ庫内に包装体Pを載置する。そして、加熱処理を開始する。なお、電子レンジ用包装袋1の背貼り接合部2を上面にした例を示しているが限定されるものではなく下面でもよい。
加熱処理終了後、図7(ハ)に示すように加熱後の電子レンジ用包装袋1’の第1端縁接合部3の両端に形成された摘み位置を示す表示8の部分を指で摘み、第1端縁接合部の外縁3oに形成された蒸気吐出口6を上方にして吊下げ状態で電子レンジ庫内から包装体Pを取り出す。このようにすることにより、蒸気吐出口6より放散される残存の蒸気が手にかかることがなく、安全に取り出すことができる。
図7(ニ)に示すように加熱後の電子レンジ用包装袋1’の第1端縁接合部3の側の背貼り接合部2のノッチ5より加熱後の電子レンジ用包装袋1’を引き裂いて開封し、切り取り片Kを除去する。その後、切り取り片Kを除去することにより露出した開口9より食品Fを取り出し食器等に移す。
また、電子レンジ用包装袋のその他の形態として、図示しないが、第1端縁接合部の背貼り接合部に直交する側の両端部分の接合幅が、その他の部分に比べ、指で摘むことができる程度に幅広となっている場合、両端部分の幅広部分を持ち、上記加熱処理方法を行えばよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
[実施例1]
外層11として厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ON)を用い、その一方の面にグラビア印刷を行い、蒸気吐出口(蒸気口)の表示、取り扱い時注意事項、デザイン等を印刷した印刷層12を形成し、印刷層12の面にラミネート強度調整層13を矩形状に形成しラミネート強度調整領域3rを設けた。つぎに内層15として厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用い、ONの印刷層及びラミネート強度調整層の面と2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート法(DL)で積層し、ON15μm/印刷層/ラミネート強度調整層/DL/LLDPE40μmの積層体10を作製した。ラミネート強度調整層13はポリアミド−硝化綿系樹脂(融点:83℃)を主体とする印刷インキで乾燥後3μm厚さとなるように形成した。また、ラミネート強度調整領域3rの大きさはONのMD方向に40mm、TD方向に50mmの矩形状とした。上記積層体10を外寸が縦方向(MD方向)250mm、横方向(TD方向)130mmで第1端縁接合部3の熱接着シール幅を20mm、第2端縁接合部4及び背貼り接合部2の熱接着シール幅を各10mm幅とし、冷凍炒飯200gを収容した図1に示す一実施形態のピロータイプの電子レンジ用包装袋1を作製した。
[実施例2]
内層15に厚さ40μmの白色の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いた以外は実施例1と同じとした。白色のLLDPEとしては、酸化チタン入りマスターバッチを配合しフィルムとした。酸化チタンはフィルムとして10%含むものを使用した。
実施例1、2で作製した電子レンジ用包装袋1を背貼り接合部2が上側になるようにして電子レンジの庫内に載置し出力500Wで加熱調理し、実施例1、2とも蒸気吐出口6がスムーズに形成され、蒸気が放散された。
1 電子レンジ用包装袋
1’ 加熱後の電子レンジ用包装袋
2 背貼り接合部
2’ 引き裂かれた背貼り接合部
3 第1端縁接合部
3i 第1端縁接合部の内縁
3o 第1端縁接合部の外縁
3r ラミネート強度調整領域
4 第2端縁接合部
5 ノッチ
6 蒸気吐出口
7 蒸気の通路
8 摘み位置を示す表示
9 開口
10 積層体
10a 第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面と対向する側の積層体
10b 第1端縁接合部の背貼り接合部を有する面側の積層体
11 外層
12 印刷層
13 ラミネート強度調整層
14 接着層
14’ 破断した接着層
15 内層
15’ 破断した内層
F 食品
K 切り取り片
P 包装体
W1 第1端縁接合部の背貼り接合部と平行する方向の接合幅
W2 第2端縁接合部の背貼り接合部と平行する方向の接合幅

Claims (4)

  1. 外層と熱融着性樹脂からなる内層とを少なくとも備えた矩形状の積層体を、対向する一方の両端部の前記内層の側同士を対面して接合された背貼り接合部と、当該背貼り接合部に直交する両端部が接合された第1端縁接合部と第2端縁接合部とを備えたピロータイプの電子レンジ用包装袋であって、
    前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を有する面と対向する面を構成する前記積層体の前記外層と前記内層との間に、前記第1端縁接合部を横断する、ラミネート強度調整層を有するラミネート強度調整領域が形成されると共に、
    前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅が、前記第2端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅より幅広となっていることを特徴とする電子レンジ用包装袋。
  2. 前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を形成する側の面に、前記第1端縁接合部の両端部に摘み位置を示す表示がなされていることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ用包装袋。
  3. 外層と熱融着性樹脂からなる内層とを少なくとも備えた矩形状の積層体を、対向する一方の両端部の前記内層の側同士を対面して接合された背貼り接合部と、当該背貼り接合部に直交する両端部が接合された第1端縁接合部と第2端縁接合部とを備えたピロータイプの電子レンジ用包装袋であって、
    前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を有する面と対向する面を構成する前記積層体の前記外層と前記内層との間に、前記第1端縁接合部を横断する、ラミネート強度調整層を有するラミネート強度調整領域が形成されると共に、
    前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅が、前記第2端縁接合部の前記背貼り接合部と平行する方向の接合幅より幅広となっていることを特徴とする電子レンジ用包装袋に加熱調理する食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理する加熱処理方法であって、
    前記第1端縁接合部を上方に、前記第2端縁接合部を下方にすることにより前記食品を下方に寄せる工程と、
    電子レンジで前記包装体を加熱処理する工程と、
    加熱処理された前記包装体を前記電子レンジ用包装袋の前記第1端縁接合部の両端を指で摘み、前記第1端縁接合部を上方にして電子レンジ庫内から取り出す工程と、
    前記包装体の前記第1端縁接合部の側から前記電子レンジ用包装袋を開封する工程と、
    を備えることを特徴とする包装体の加熱処理方法。
  4. 外層と熱融着性樹脂からなる内層とを少なくとも備えた矩形状の積層体を、対向する一方の両端部の前記内層の側同士を対面して接合された背貼り接合部と、当該背貼り接合部に直交する両端部が接合された第1端縁接合部と第2端縁接合部とを備えたピロータイプの電子レンジ用包装袋であって、
    前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部を有する面と対向する面を構成する前記積層体の前記外層と前記内層との間に、前記第1端縁接合部を横断する、ラミネート強度調整層を有するラミネート強度調整領域が形成されると共に、
    前記第1端縁接合部の前記背貼り接合部に直交する側の両端部分の接合幅が幅広となっている電子レンジ用包装袋に加熱調理する食品が密封包装された包装体を電子レンジで加熱処理する加熱処理方法であって、
    前記第1端縁接合部を上方に、前記第2端縁接合部を下方にすることにより前記食品を下方に寄せる工程と、
    電子レンジで前記包装体を加熱処理する工程と、
    加熱処理された前記包装体を前記電子レンジ用包装袋の前記第1端縁接合部の両端を指で摘み、前記第1端縁接合部を上方にして電子レンジ庫内から取り出す工程と、
    前記包装体の前記第1端縁接合部の側から前記電子レンジ用包装袋を開封する工程と、
    を備えることを特徴とする包装体の加熱処理方法。
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