JP3105101B2 - 多層フィルム及び容器 - Google Patents

多層フィルム及び容器

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JP3105101B2
JP3105101B2 JP05064254A JP6425493A JP3105101B2 JP 3105101 B2 JP3105101 B2 JP 3105101B2 JP 05064254 A JP05064254 A JP 05064254A JP 6425493 A JP6425493 A JP 6425493A JP 3105101 B2 JP3105101 B2 JP 3105101B2
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克司 渡辺
英志 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層フィルム及びそれ
を用いて成形された容器に関する。詳しくは、医療の分
野において、特に薬液や血液などを収容するために用い
られるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の医療用ポリエチレン系多層容器の
例として、以下のものを挙げることができる。 *特開昭62−64363号* 直鎖状低密度ポリエチレンからなり、内外層の密度が
0.920g/cm3 以上、中間層の密度が0.920g
/cm3 未満である3層の袋。
【0003】*特開昭63−248633号* 直鎖状低密度ポリエチレンからなる3層で、内外層の密
度が0.910〜0.940g/cm3 、中間層の密度が
0.880〜0.905g/cm3 で、両者の密度差が
0.01g/cm3 以上である容器。 *特開平3−277365号* 外層が密度0.920g/cm3 以上の直鎖状低密度ポリ
エチレン、中間層が密度0.915g/cm3 以下の直鎖
状低密度ポリエチレン、内層が密度0.918g/cm3
以上の分岐状低密度ポリエチレンである3層袋。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のもの
は、以下のような欠点を少なくとも一つ有している。 ・内外層を低密度のポリエチレン樹脂で構成しているた
めに耐熱性が充分でなく、高圧蒸気滅菌や熱水滅菌など
の高温条件の滅菌により、シール強度及び落下強度が低
下する。 ・特に高温滅菌後にブロッキングを起こし易い。 ・フィルム全体の強度をもたせるために、肉厚を厚くす
る必要がある。 ・引っ張り強度が充分でないので、製袋速度を上げるこ
とができない。 ・ヒートシールする際、ヒーターの温度を高くできない
ので、短時間でシールできない。 ・滅菌後などに透明性が低下することがある。
【0005】そこで、本発明においては、上記の欠点を
一掃した医療用に適したフィルム及び容器を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による多層フィルムとしては、外層となるポ
リオレフィン樹脂が2軸延伸された密度0.960g/cm
3 以上のエチレン・α−オレフィン共重合体又は2軸延
伸されたポリプロピレンであり、中間層となる柔軟性ポ
リオレフィン樹脂が密度0.920g/cm 3 以下の直鎖状
エチレン・α−オレフィン共重合体であり、内層となる
耐熱性ポリオレフィン樹脂が密度0.925g/cm 3 以上
0.950g/cm 3 以下の直鎖状エチレン・α−オレフィ
ン共重合体であることを特徴とする
【0007】更に、本発明による容器としては、上記の
多層フィルムを用いて成形されていることを特徴として
いる。以下、本発明を更に詳しく説明する。本発明フィ
ルムに用いるエチレン・α−オレフィン共重合体におい
て、α−オレフィンとしては例えばプロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、
1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の炭素数
3〜12のものを挙げることができる。そして、各層を
構成する樹脂はそれぞれ以下の性質を有するものであ
る。 *外層としては、機械強度、透明性、耐熱性を必要とす
るので、ポリオレフィン樹脂フィルムを公知の方法によ
り2軸延伸加工したものを用いる。ポリオレフィンとし
ては、ポリプロピレンあるいは密度0.960g/cm3
以上の高密度ポリエチレンとなるエレチン・α−オレフ
ィン共重合体が用いられ、特に後者が好ましい。ポリプ
ロピレンを用いる場合は、ホモポリマー或いは少量のエ
チレン又はα−オレフィンを含む共重合体のいずれでも
よい。いずれの樹脂を用いても、延伸は縦横方向に5〜
40倍程度とするのが一般的である。厚みは全体の5〜
25%とするのがよい。 *中間層としては、高い柔軟性と透明性を兼ね備えたポ
リオレフィン樹脂の層を配する。該ポリオレフィンとし
ては、密度0.920g/cm3 以下、好ましくは密度
0.905g/cm3 以下の直鎖状エチレン・α−オレフ
ィン共重合体(LLDPE)が用いられ、特にエチレン
・α−オレフィン系エラストマー又はそれを配合した樹
脂組成物を用いるのがより好適である。いずれの場合
も、柔軟性ポリオレフィン樹脂層の厚みは全体の60〜
85%とするのがよい。 *内層としては、耐熱性、耐ブロッキング性ポリオレフ
ィン樹脂を配し、高温条件の滅菌に耐え得るうえに、シ
ール強度を保つようにする。具体的には密度0.925
g/cm3以上0.950g/cm3 以下の直鎖状エチレン
・α−オレフィン共重合体を用いる。厚みは全体の5〜
25%とするのがよい。 *本発明による多層フィルムの製造方法としては、通常
の共押出しラミネーションにより製造できる。即ち、ま
ず外層となる2軸延伸ポリオレフィン樹脂フィルムをT
ダイ法等の公知の方法により製造し、その上に共押出し
インフレーション法や共押出しTダイ法により製造した
中間層と内層のフィルムを溶融状態で重ねていくことに
より製造する。
【0008】上記により製造される本発明による多層フ
ィルムの厚みは、一般に100〜300μであるが、使
用目的等に応じて適宜増減でき、140μ程度の厚みで
も充分な強度を保持している。 *本発明による多層フィルムから成形される容器の製造
方法としては、上記により得られるチューブ状あるいは
シート状フィルムを、通常の方法により裁断、ヒートシ
ールし、更に口部材などをヒートシール等の手段により
取り付け、所定の形状、寸法の容器を製造する。フィル
ムのヒートシールの条件としては、温度は130℃から
180℃程度まで上げることができ、例えば200μ前
後の厚さのフィルムの場合、前記の温度範囲では0.5
〜3秒という短い時間でシールできる。尚、口部材をエ
チレン・α−オレフィン共重合体樹脂製とすれば、本発
明フィルムの内層とよく溶着するので好ましい。
【0009】
【実施例】本発明の実施例について、以下に説明する。
まず外層の2軸延伸フィルムを成形し、次に中間層と内
層からなるフィルムを共押出しラミネートして表1に示
す合成樹脂及び層構成の積層シートを製造した。続い
て、これらを用いて内容量500mlの医療用容器を成
形した。尚、容器成形の際のフィルムのヒートシール
は、140℃で2秒間行なった。更に、得られた医療用
容器について、各種特性を以下の方法により評価した。
即ち、耐熱性は、内容液を充填した後に、110℃、4
0分間の高圧蒸気滅菌処理を施した後の変形、破袋、シ
ール漏れの状態を目視観察した。
【0010】落下試験は、約4℃に冷蔵した後、容器を
3方向から各5回、1.2mの高さから落下させた場合
の破袋、シール漏れの状態を目視観察した。柔軟性は、
内容液の自然排出性を目視観察した。透明性は、蒸留水
充填して高圧蒸気滅菌処理を施した後に目視観察を行な
い、更に450nmでの水中光透過率を測定した。
【0011】加えて、全体的に外観の目視観察を行な
い、しわ、ブロッキング、変形、破袋の状況を調べた。
尚、表1中の略号は、それぞれ以下の通りである。 ・HDPE=高密度ポリエチレン(エチレン・1−ブテ
ン共重合体) 〔東燃石油化学製;密度0.960g/cm3〕 ・LL=直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1−
ブテン共重合体) 〔三井石油化学製;密度0.905g/cm3,MFR2.9g/10min〕 ・LL=直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1−
ブテン共重合体) 〔三井石油化学製;密度0.905g/cm3,MFR2.1g/10min〕 ・LL=直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1−
ブテン共重合体) 〔三井石油化学製;密度0.910g/cm3,MFR2.0g/10min〕 ・LL=直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1−
ブテン共重合体) 〔三井石油化学製;密度0.920g/cm3,MFR2.1g/10min〕 ・LM=直鎖状中密度ポリエチレン(エチレン・1−
ブテン共重合体) 〔三井石油化学製;密度0.930g/cm3,MFR2.1g/10min〕 ・LM=直鎖状中密度ポリエチレン(エチレン・1−
ブテン共重合体) 〔三井石油化学製;密度0.935g/cm3,MFR2.1g/10min〕 ・LM=直鎖状中密度ポリエチレン(エチレン・1−
ブテン共重合体) 〔三井石油化学製;密度0.940g/cm3,MFR2.1g/10min〕 また、◎は非常に良好、○は良好、△はやや不良、×は
不良を示す。
【0012】
【表1】
【0013】上記表1より、本発明フィルム及び容器は
柔軟性、耐熱性、強度、透明性に優れていることが明ら
かである。
【0014】
【発明の効果】本発明による多層フィルム及び容器は、 *高圧蒸気滅菌や熱水滅菌などの高温滅菌に耐え得る *フィルム全体の厚みを薄くすることができる *引っ張り強度が優れ高速で製袋が可能である *ブロッキングを起こしにくい *高温で短時間でヒートシールができ、シール性も良好
である *すぐれた柔軟性や透明性を維持できる などの利点を有し、輸液バッグ、血液バッグなどの医療
用容器として好ましく用いることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−77116(JP,A) 特開 平2−141238(JP,A) 実開 昭63−141729(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A61J 1/10 B65D 65/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外層となるポリオレフィン樹脂が2軸延伸
    された密度0.960g/cm3 以上のエチレン・α−オレ
    フィン共重合体又は2軸延伸されたポリプロピレンであ
    り、中間層となる柔軟性ポリオレフィン樹脂が密度0.
    920g/cm3 以下の直鎖状エチレン・α−オレフィン共
    重合体であり、内層となる耐熱性ポリオレフィン樹脂が
    密度0.925g/cm3 以上0.950g/cm3 以下の直鎖
    状エチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴
    とする多層フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1記載の多層フィルムを用いて成形
    されたことを特徴とする容器。
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AU2003248113A1 (en) * 2002-07-25 2004-02-16 Toppan Printing Co., Ltd. Laminated packaging material and packaging bag

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