JPH0691808A - 機能性食品包装材料及びそれを用いた食品容器 - Google Patents

機能性食品包装材料及びそれを用いた食品容器

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JPH0691808A
JPH0691808A JP4269294A JP26929492A JPH0691808A JP H0691808 A JPH0691808 A JP H0691808A JP 4269294 A JP4269294 A JP 4269294A JP 26929492 A JP26929492 A JP 26929492A JP H0691808 A JPH0691808 A JP H0691808A
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film
food
container
elastomer
packaging material
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JP4269294A
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English (en)
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Masahiko Yoshikawa
政彦 吉川
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性、耐菌性を有するとともに、常圧下に
加熱した際に蒸気圧により微細な開裂が生じることによ
り、内圧の増大を防止することができる食品包装材料を
提供する。 【構成】 特定のエラストマー組成物からなるフィルム
を有孔フィルムの管状バリ突出面にラミネートしてなる
機能性食品包装材料であって、このエラストマーフィル
ムの厚さは、有孔フィルムの管状バリの突出高さよりも
大きく、もって管状バリがエラストマーフィルムに食い
込むことにより、エラストマーフィルムが局部的に薄膜
化している食品包装材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機能性食品包装材料及び
それを用いた食品容器に関し、特に耐水性、耐菌性を有
するとともに、常圧下に加熱した際に蒸気圧により微細
な開裂が生じることにより、内圧の増大を防止すること
ができる食品包装材料、及びそれを蓋材として用いた電
子レンジでそのまま加熱することができる食品容器に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
沸騰水や電子レンジにより加熱するだけで食事に供する
することができる種々の食品が商品化されるようになっ
てきた。この中には、レトルト食品のように従来から一
般的であったカレー、ミートソース等に限らず、スープ
類、ご飯類、麺類等従来にはないものもある。
【0003】これらの食品の包装材料としては、例えば
カレー、ミートソースなどのレトルト食品においては、
ポリチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリプロ
ピレンの多層ラミネート品が主に用いられており、また
ハンバーグやミートボール等には、ナイロン/ポリプロ
ピレン等のラミネート品が使用されている。
【0004】このようなレトルト食品は、あらかじめ調
理しておいた食品を包装した後、加熱により滅菌し、ス
ーパー等の小売り業者を経由して消費者に到る。そして
消費者は、これをボイルするか、袋から取り出して別の
容器に移した後電子レンジ等により温めて食する。した
がって、レトルト食品の包装材料は、ある程度のシール
強度がありボイルできる程度の耐熱性を有していればよ
かった。
【0005】このようなレトルト食品の調理済食品にお
いて、袋ごとボイルしたり、容器に移し代えてからオー
ブンで加熱するものは幾分面倒であるので、電子レンジ
で加熱するだけで食事に供することができる滅菌包装食
品が待望されている。しかしながら、電子レンジにより
加熱する場合、内容物の水分が蒸発して蒸気圧により包
装体が破裂してしまうという問題がある。
【0006】したがって、本発明の目的は、耐水性、耐
菌性を有するとともに、常圧下に加熱した際に蒸気圧に
より微細な開裂が生じることにより、内圧の増大を防止
することができる食品包装材料、及びそれを用いた電子
レンジでそのまま加熱することができる食品容器を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、特定のエラストマー組成物から
なるフィルムと有孔フィルムとを、有孔フィルムの孔部
管状バリの突出面でラミネートしてなる複合フィルムで
は、管状バリがエラストマーフィルム内に食い込み、そ
の分だけ薄くなっているので、保存・搬送時、または加
圧条件下での加熱時には、この複合フィルムに開裂が生
じないが、電子レンジ等により常温下で加熱した場合に
は、内圧の増大によりエラストマーフィルムが薄膜部分
で開裂し、容器が破裂することがないことを見出した。
また、本発明者らは、上記食品容器は、未調理の食品材
料を個別に包装した後、加圧下で加熱することにより調
理すれば、エラストマーフィルムが薄膜部分で開裂する
ことがなく、調理工程と滅菌工程とを同時に行うことが
できることを見出した。以上の発見に基づき本発明に想
到した。
【0008】すなわち、本発明の機能性食品包装材料
は、(A) (a) エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム30〜70重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニル共重合体
70〜30重量%とからなるエラストマー組成物より空冷イ
ンフレーション法により製膜してなるフィルムを、(B)
有孔フィルムの管状バリ突出面にラミネートしてなる機
能性食品包装材料であって、前記(A) エラストマーフィ
ルムの厚さは、前記(B)有孔フィルムの管状バリの突出
高さよりも大きく、もって前記管状バリが前記エラスト
マーフィルムに食い込むことにより、前記エラストマー
フィルムが局部的に薄膜化していることを特徴とする。
【0009】また本発明の食品容器は、耐熱性プラスチ
ック製部材と、上記機能性食品包装材料とを食品が充填
できるように接着してなるものであって、食品充填後常
圧下で前記食品容器を加熱すると、前記エラストマーフ
ィルムの薄膜部分が内圧の増大により開裂し、もって蒸
気が流出することにより容器の破壊が防止されることを
特徴とする。
【0010】本発明を以下詳細に説明する。〔1〕機能性食品包装材料 本発明の機能性食品包装材料は、(A) 特定のエラストマ
ー組成物より空冷インフレーション法により製膜してな
るフィルムと、(B) 有孔フィルムとを、前記(B) 有孔フ
ィルムの孔部管状バリの突出面でラミネートしてなる。
【0011】(A) エラストマーフィルム 本発明の機能性食品包装材料に使用するエラストマーフ
ィルムは、(a) エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
ゴム30〜70重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニル共重合
体70〜30重量%とからなる。
【0012】上記(a) エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴム(EPDM)とは、エチレン、プロピレン及びジ
エン化合物を含む共重合体のことである。前記ジエン系
化合物としては、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキ
サジエン、及びジシクロペンタジエンなどがある。
【0013】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム(EPDM)は、エチレンの含有率が59〜69モル%、プロ
ピレンの含有率が30〜40モル%、及びジエン系化合物の
含有率が1〜10モル%であることが好ましい。より好ま
しい範囲は、エチレンが62〜66モル%、プロピレンが33
〜37モル%、及びジエン系化合物が1〜6モル%であ
る。
【0014】またメルトインデックス(190 ℃、2.16kg
荷重)が 0.1〜5.0 g/10分の範囲内にある共重合体が
好ましく、より好ましくは0.30〜1.0 g/10分である。
【0015】(b) エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
は、酢酸ビニルの含有率が5〜30重量%の共重合体が好
ましい。特に本発明においては、酢酸ビニルの含有率が
15〜30重量%の範囲内にあるエチレン−酢酸ビニル共重
合体を用いるのが好ましい。このような共重合体のメル
トインデックス(190 ℃、2.16kg荷重)は、0.2 〜25g
/10 分、特に15〜25g/10 分であるのが好ましい。
【0016】上述したような(a) エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体ゴム(EPDM) と、(b) エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)との配合割合は、エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合体ゴムが30〜70重量%、好ましく
は50〜60重量%であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体
が70〜30重量%、好ましくは50〜40重量%である。エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムが30重量%未満
では (エチレン−酢酸ビニル共重合体が70重量%を超え
ると) 、得られるフィルムの弾力性が低下し、またエチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムが70重量%を超
えると (エチレン−酢酸ビニル共重合体が30重量%未満
では) 、得られるフィルムの成形性及びソフト感が低下
する。
【0017】さらに、本発明においては上記樹脂成分の
他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色剤等
を適宜配合することができる。ただし、本発明において
無機充填材は薄膜化を困難にするため添加しない。
【0018】上述したような樹脂成分からなるエラスト
マーフィルムは、以下のような方法により製造すること
ができる。まず、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
の成分を混練する。上記混練は150 〜175 ℃程度の樹脂
温度で行うのが好ましい。
【0019】混練を行った後、フィルム状に成形する。
成膜は空冷インフレーション成形法により 120〜165 ℃
の樹脂温度でブロー比(バッブルの直径/ダイスリット
の直径)が2.0 〜5.0 の範囲となるように行うのが好ま
しい。
【0020】このようにして得られるフィルムの厚さ
は、後述する有孔フィルムの孔部の管状バリの突出高さ
より大きい必要がある。管状バリの突出高さよりフィル
ムが薄いと、管状バリがフィルムを貫通してしまう。こ
のようなフィルムの厚さは、一般に20〜100 μmとする
のが好ましい。20μmより薄いとフィルム強度が低下
し、100 μmより厚いと空冷インフレーション法による
製膜が困難である。
【0021】(B) 有孔フィルム 有孔フィルムの材料としては、レトルト食品包装材料と
して滅菌工程を経て電子レンジによる加熱に耐える必要
があることから、115 ℃、1.7 気圧の滅菌条件に耐えら
れ、ヒートシール性の良好なセミレトルトタイプの線状
低密度ポリエチレンフィルムが好ましい。
【0022】また、上記フィルムの厚さは、30〜80μm
が好ましく、特に30〜60μmが好ましい。フィルムの厚
さが30μm未満では、強度的に不十分であり、一方80μ
mを越えると、ヒートシール性が低下するため好ましく
ない。
【0023】上述したようなフィルムに孔を穿つ手段と
しては、特に制限はないが、例えば、加熱ニードルを有
するロールと、弾性ロールとの間を通過させることによ
ればよい。通常ニードル等によりフィルムに孔を穿つ
と、ニードルによる有孔面の反対側に樹脂の管状バリを
生じる。この管状バリの突出高さは貫通孔径、フィルム
の厚さ等により変化するものであり、10〜50μmが好ま
しく、特に15〜40μmが好ましい。ただし、前述した通
り管状バリの突出高さは、エラストマーフィルムの膜厚
よりも小さい必要がある。
【0024】また孔径は30〜300 μmが好ましく、特に
50〜200 μmが好ましい。孔径が30μm未満では、蒸気
圧により孔部においてエラストマーフィルムに孔が開き
にくく、包装材料自身が破裂しやすくなり、また300 μ
mを越えると、得られる包装材料の強度が低下する。
【0025】また孔部のピッチは、0.5 〜4mm間隔が好
ましく、特に1〜2mm間隔が好ましい。ピッチが0.5 mm
未満では、フィルムの強度が低下し、また4mmを越える
と、孔数が少なくなりすぎる。
【0026】(C) 包装材料の製造方法 上述したような(A) エラストマーフィルムと、(B) 有孔
フィルムとは、(B) 有孔フィルムの管状バリの突出面
で、(A) エラストマーフィルムとドライラミネーション
法、熱ラミネーション法等によりラミネートする。
【0027】ラミネートは、90〜125 ℃程度、好ましく
は105 〜115 ℃で行う。ラミネート温度が90℃未満で
は、(A) エラストマーフィルムと、(B) 有孔フィルムと
の接着が十分でなく、また125 ℃を超えると、樹脂成分
が溶融し管状バリが消滅しやすくなる。なお、加熱工程
の前に予熱工程を設けてもよい。予熱工程を設ける場
合、予熱温度は50〜70℃程度である。
【0028】また、圧着速度(圧着ロールを使用する場
合には、ロールの回転速度)は5〜30m/分程度、好ま
しくは5〜15m/分である。さらに、圧着圧力は2〜6
kgf/cm2 が好ましい。圧着圧力が2 kgf/cm 2 未満では
フィルム間の接着が十分でなく、またエラストマーフィ
ルム内に管状バリが進入していかない。より好ましい圧
力条件は3〜5kgf/cm2 である。
【0029】なお、ドライラミネーション法の場合、接
着剤としては、例えば東洋モートン(株)製、アドコー
ト(主剤/硬化剤=AD1080/AD80)等のウレ
タン系接着剤等を用いるのが好ましい。上記接着剤は、
いずれのフィルムの側に塗布してもよいが、特に有孔フ
ィルム側に塗布するのが好ましい。
【0030】このようにして得られる本発明の機能性食
品包装材料の一例を図1に示す。本発明の機能性食品包
装材料1は、エラストマーフィルム2と、有孔フィルム
3とをラミネートしてなる。また有孔フィルム3の孔部
31において形成された管状のバリ4は、エラストマー
フィルム3の厚さ方向に進入してきており、このため、
孔部においてはエラストマーフィルム2の厚さの薄膜化
された薄膜部21が形成されている。
【0031】上記薄膜部分21の厚さは10〜40μmとす
る。薄膜部分が10μm未満では、エラストマーフィルム
に容易に孔が開き、内容物が漏洩しやすく、また40μm
を越えることは、フィルムの厚さと管状バリの突出高さ
とから困難である。また、薄膜部分の強化のためにエラ
ストマーフィルムに電子線照射等により架橋構造を形成
するのが好ましい。特に薄膜化部分の厚さが30μm未満
の場合、架橋構造の形成は必要である。
【0032】架橋構造の形成方法としては、α線、β線
(電子線)、γ線等の電離放射線の照射による方法を用
いるのが好ましく、特に電子線照射によるのが好まし
い。放射線の照射量は、所望とする架橋の度合い等によ
り異なるが、一般に0.1 〜50Mrad、好ましくは1〜30Mr
adである。
【0033】〔2〕食品容器 次に、上記機能性食品包装材料を用いた本発明の食品容
器について説明する。本発明の食品容器10は、図2及
び図3に例示するように食品充填用の凹部を有するプラ
スチック製容器本体5と、このプラスチック製容器本体
5の食品充填用の凹部を完全に覆うように、接着された
蓋材6とからなり、食品充填用の凹部には、食品7が充
填されている。なお、図3は、蓋材6を剥離した状態を
示し、フランジ部5aは蓋材6のヒートシール部分とな
る。
【0034】このような食品容器において、蓋材6は、
上述した通り、有孔フィルム61と、エラストマーフィ
ルム62とからなり、有孔フィルム61の側で、食品充
填用の凹部をすっぽりと覆うように(本実施例において
は、プラスチック製容器本体5の全面にわたって)ヒー
トシール等により接着されている。なお、図2中におい
て、プラスチック製容器本体5及び蓋材6の厚さは、説
明の便宜上誇張してある。
【0035】耐熱性プラスチック製容器本体5として
は、特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、
ポリスチレン等からなる複合フィルムや、シートの成形
体を用いることができる。
【0036】また、容器本体5は、耐熱性及びガスバリ
ア性に優れた樹脂層と、機能性食品包装材料6とのヒー
トシール性に優れた樹脂層との多層構造とするのが好ま
しい。上記耐熱性及びガスバリア性に優れた樹脂として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、
ポリプロピレン/エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリプロピレン/ポリ塩化ビニリデン等の積層体、
アルミ箔などを用いることができる。またヒートシール
性に優れた樹脂としては、線状低密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレンなどを用いることができる。なお、シ
ートの成形体には、あらかじめ食品充填用の凹部が形成
されるように、プレ成形しておき、これと蓋材6とを貼
り合わせてヒートシールするのが好ましい。また、前記
複合フィルムやシートを容器状に成形せず、そのままで
蓋材と貼り合わせてヒートシールした袋状のものであっ
てもよい。
【0037】このような本発明の食品容器は、既に消費
者が食することのできる状態にまで調理したものを充填
してもよいし、また未調理の食品材料を充填した後、容
器中で調理してもよい。
【0038】調理済食品の場合、調理済食品を容器内に
充填した後、1.2 〜1.7 kg/cm2 の加圧下及び115 〜12
0 ℃の温度で10〜20分間程度滅菌を行う。
【0039】また、未調理の食品材料を充填した後、容
器中で調理する場合、まず、僅かに減圧状態として食品
材料を充填した後、例えば米・おかゆ等のときには、所
定量の生米と水とを充填した後、1.2 〜2.0 kg/cm2
加圧下及び115 〜125 ℃の温度で、30〜60分間程度、加
熱・加圧すればよい。またカレー等のときには、肉、野
菜等の材料及びスープ等を所定量充填した後、1.2 〜2.
0 kg/cm2 の加圧下及び115 〜125 ℃の温度で、40〜80
分間程度、加熱・加圧すればよい。このような包装材料
を用いると、そのフィルムの薄膜化部分からスチームが
通り抜け、容器(袋を含む)中の未調理の食品を調理す
ることができる。このように未調理の食品材料を充填し
た後、容器中で調理することにより、滅菌工程を設ける
必要がなく。製造コストを低減することができる。
【0040】なお、上述したように未調理状態の材料を
充填した後、調理と滅菌とを同時に行う場合、その食品
形態による調理条件(圧力、温度、水分割合及び調理時
間等)に応じて、有孔フィルムの厚さ、孔径、管状バリ
の突出高さ、エラストマーフィルムの厚さ等を適宜設定
するのが好ましい。そうしないと加圧圧力と、蒸気圧と
のバランスにより、エラストマーフィルムの薄膜部分が
開裂して水等の内容物が漏洩することがある。このよう
に、それぞれの食品に応じた調理条件に適合した機能性
食品包装材料を用いることにより、煮え過ぎ等による食
品の味、見栄え等の低下を防止することができる。
【0041】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。実施例1 エチレン−プロンピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM、
ビスタロン3708、エクソン化学(株)製)60重量%と、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA 、DQDJ-3269 、日
本ユニカー(株)製)40重量%とからなる組成物を押出
機により溶融混練し、空冷インフレーション法により、
厚さ約50μmのエラストマーフィルムを製造した。
【0042】一方、線状低密度ポリエチレンフィルム
(厚さ35μm、東京セロハン(株)製、セミレトルトタ
イプ) に孔開け機(大江化学工業(株)製)にて孔開け
加工を施し、孔径60μmφ、ピッチ2mm、管状バリの
突出高さ15μmの孔を形成し、有孔フィルムを製造し
た。
【0043】得られたエラストマーフィルムと、有孔フ
ィルムとを105 ℃で熱ラミネーションし、機能性食品包
装材料を得た。
【0044】このようにして得られた機能性食品包装材
料の有孔フィルムの厚さ、孔径、ピッチ、管状バリの突
出高さ(h)、エラストマーフィルムの厚さ(H)、薄
膜部分の厚さ (H−h) 及び電子線照射の有無を第1表
に示す。
【0045】次にこのようにして得られた機能性食品包
装材料(12cm×22cm)と、線状低密度ポリエチレンフィ
ルム (厚さ50μm、東京セロファン(株)製、セミレト
ルトタイプ) 及びポリエチレンテレフタレートフィルム
(厚さ12μm、東レ(株)製) の複合フィルム(15cm×
25cm)とを、複合フィルム側に食品充填用のスペースが
形成されるように余裕をもたせて、それぞれ線状低密度
ポリエチレンフィルム側で張り合わせ、シール温度14
5℃で3方をシールし、10cm×20cmの袋を作製した。
【0046】このようにして得られた袋に対して、水の
重量減少率、加圧・加熱テスト、調理テスト及び電子レ
ンジテストを行った。結果を第2表に示す。
【0047】実施例2 実施例1において、機能性食品包装材料に電子線照射装
置(日新ハイボルテージ(株)製)により8Mradの
電子線を照射した以外は同様にして、袋を製造した。
【0048】このようにして得られた袋に対して、水の
重量減少率、加圧・加熱テスト、調理テスト及び電子レ
ンジテストを実施例1と同様にして行った。結果を第2
表に示す。
【0049】実施例3〜6及び比較例1 有孔フィルムの厚さ、孔径、管状バリの突出高さ
(h)、エラストマーフィルムの厚さ(H)及び薄膜部
分の厚さ (H−h) を第1表に示すように種々変化させ
た以外は、実施例2と同様にして機能性食品包装材料を
製造した。
【0050】このようにして得られた袋に対して、水の
重量減少率、加圧・加熱テスト、調理テスト及び電子レ
ンジテストを実施例1と同様にして行った。結果を第2
表に示す。
【0051】実施例7 耐熱性プラスチック製容器本体として、キャストポリプ
ロピレンフィルム(750 μm)とエチレン−ビニルアル
コール共重合体フィルム(クラレ(株)製、商品名エバ
ール、50μm)とをドライラミした後に、凹部容器が形
成されるように熱成形したものを使用した以外は、実施
例6と同様の蓋材を用いてヒートシールして食品容器を
作製した。
【0052】このようにして得られた食品容器に対し
て、水の重量減少率、加圧・加熱テスト、調理テスト及
び電子レンジテストを実施例1と同様にして行った。結
果を第2表に示す。
【0053】比較例2 実施例1において、機能性食品包装材料の代わりに線状
低密度ポリエチレン(厚さ50μm)を用いた以外は同様
にして、袋を製造した。
【0054】このようにして得られた袋に対して、水の
重量減少率、加圧・加熱テスト、調理テスト及び電子レ
ンジテストを実施例1と同様にして行った。結果を第2
表に示す。
【0055】比較例3 実施例4において、電子線を照射しなかった以外は同様
にして、袋を製造した。このようにして得られた袋に対
して、水の重量減少率、加圧・加熱テスト、調理テスト
及び電子レンジテストを実施例1と同様にして行った。
結果を第2表に示す。
【0056】比較例4 本発明の共重合製食品包装材料の代わりに、透湿性フィ
ルム(日東電工(株)製 ブレスロン、厚さ50μm:無
機フィラー充填後延伸したもの)を用いて、袋を製造し
た。
【0057】このようにして得られた袋に対して、水の
重量減少量、加圧・加熱テスト、調理テスト及び電子レ
ンジテストを実施例1と同様にして行った。結果を第2
表に示す。
【0058】 第 1 表 機能性食品包装材料 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 有孔フィルム 厚さ(μm) 35 35 35 50 50 孔径(μm) 60 60 60 200 200 孔のピッチ(mm) 2 2 2 2 2 突出高さ(h:μm) 15 15 15 40 40 エラストマーフィルム 厚さ(H:μm) 50 50 35 50 60 薄膜部分の厚さ(H−h:μm) 35 35 20 10 20 電子線照射の有無 無 有 有 有 有
【0059】
【0060】 第 1 表 (続 き)機能性食品包装材料 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 有孔フィルム 厚さ(μm) 50 50 50 40 *2 孔径(μm) 200 − 200 − 孔のピッチ(mm) 2 − 2 − 突出高さ(h:μm) 40 − 40 − エラストマーフィルム 厚さ(H:μm) 35 − 50 − 薄膜部分の厚さ(H−h:μm) −*1 − 10 − 電子線照射の有無 有 無 無 − 注) *1:管状バリがエラストマーフィルムを貫通し
た。 *2:透湿性フィルムを使用。
【0061】 第 2 表 実用テスト 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 重量減少量(1) 1.8 1.2 4.0 8.3 4.8 加圧・加熱テスト(2) 2.1 1.3 5.4 6.3 5.0 調理テスト(3) 米+水 ○ ○ − − − 肉+スープ − − ○ ○ ○ 電子レンジテスト(4) ○ ○ ○ ○ ○
【0062】
【0063】 第 2 表 (続 き)実用テスト 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 重量減少量(1) *1 0 −*2*3 加圧・加熱テスト(2) *1*4*2*4 調理テスト(3) 米+水 × × × × 肉+スープ × × × × 電子レンジテスト(4) − − − − 注) *1:孔から水漏れした。 *2:有孔部分が開裂して水漏れした。 *3:熱により収縮して水漏れした。 *4:シール部からパンクした。
【0064】(1) 重量減少量:約80℃のお湯を150 ml注
入した後、袋を封印し、その後115 ℃の熱風を30分間か
けた時のお湯の減少量を測定(単位はg)。 (2) 加圧・加熱テスト:(1) で使用したのと同様の袋
に、100 mlの水を注入した後、袋を封印し、1.3 気圧
(1.45kg/cm2 重) の圧力をかけ、106 ℃に30分間維持
した後、1気圧、90℃に20分かけて戻した際の重量減少
量を測定(単位はg)。 (3) 調理テスト:上記(2) において、水の代わりに米
60gと、水40gとを入れ、同様の条件で加熱・加圧状態
を30分間維持した後、袋を破り、ご飯が炊けているもの
を○、加熱され過ぎて軟らかいものを×として評価し
た。また肉60gと、コンソメスープ20gとを袋に入
れ、加熱・加圧状態を10分間維持した後、袋を破り、肉
がちょうどよく煮えているものを○、煮えすぎて固くな
っているものを×として評価。 (4) 電子レンジテスト:(3) で使用したサンプルを徐冷
し、冷蔵庫に1日保持した後、電子レンジに入れ、約3
分間800 wで加熱し、有孔フィルムの孔の部分でエラス
トマーフィルムに孔が開いたものを○、シール部からパ
ンクしたものを×として評価。
【0065】第2表から明らかな通り、本発明の機能性
食品包装材料は、水分の減少率が、常圧下、加圧・加熱
下のいずれの場合でも少なく、また孔部での破壊やシー
ル部でのパンク等もない。またそれを用いた本発明の食
品容器は、未調理の材料を包装した後、調理することが
でき、しかもそれをそのまま電子レンジで再加熱するこ
とが可能である。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の機能性食品
包装材料は、特定のエラストマー組成物からなるフィル
ムと有孔フィルムとを、有孔フィルムの孔部管状バリの
突出面でラミネートしてたものであり、管状バリがエラ
ストマーフィルム内に食い込み、その分だけ薄くなって
いるので、保存・搬送時、または加圧条件下での加熱時
には、この複合フィルムに開裂が生じないが、スチーム
は通り抜け、容器中の食品を調理し、また電子レンジ等
により常温下で加熱した場合には、内圧の増大によりエ
ラストマーフィルムが薄膜部分で開裂し、容器が破裂す
ることがない。
【0067】また、このような機能性食品包装材料を用
いた本発明の食品容器は、未調理の食品材料を個別包装
した後、加圧下で加熱することにより調理すれば、容器
が破壊することがなく、調理工程と滅菌工程とを同時に
行うことができる。しかも搬送時等に、内容物の漏洩等
が生じることもない。
【0068】このような本発明の食品容器は、カレー、
ミートソース、スープ、ご飯等の食品容器として好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性食品包装材料の層構成を示す概
略図である。
【図2】本発明の食品容器の一例を示す縦断面図であ
る。
【図3】本発明の食品容器の機能性食品包装材料を剥離
した状態の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1、6・・・機能性食品包装材料 2、62・・・エラストマーフィルム 3、61・・・有孔フィルム 4・・・管状バリ 5・・・耐熱性プラスチック製部材 5a・・・フランジ部 7・・・食品 10・・・食品容器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) (a) エチレン−プロピレン−ジエン
    共重合体ゴム30〜70重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体70〜30重量%とからなるエラストマー組成物
    より空冷インフレーション法により製膜してなるフィル
    ムを、(B) 有孔フィルムの管状バリ突出面にラミネート
    してなる機能性食品包装材料であって、前記(A) エラス
    トマーフィルムの厚さは、前記(B) 有孔フィルムの管状
    バリの突出高さよりも大きく、もって前記管状バリが前
    記エラストマーフィルムに食い込むことにより、前記エ
    ラストマーフィルムが局部的に薄膜化していることを特
    徴とする機能性食品包装材料。
  2. 【請求項2】 耐熱性プラスチック製容器本体と、請求
    項1に記載の機能性食品包装材料とを食品が充填できる
    ように接着してなる食品容器であって、食品充填後常圧
    下で前記食品容器を加熱すると、前記エラストマーフィ
    ルムの薄膜部分が内圧の増大により開裂し、もって蒸気
    が流出することにより容器の破壊が防止されることを特
    徴とする食品容器。
JP4269294A 1992-09-11 1992-09-11 機能性食品包装材料及びそれを用いた食品容器 Pending JPH0691808A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008538093A (ja) * 2005-01-17 2008-10-09 デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ 自己換気型複合ポリマーフィルム
US8197925B2 (en) 2003-07-16 2012-06-12 Dupont Teijin Films U.S. Limited Partnership Self-venting polymeric film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8197925B2 (en) 2003-07-16 2012-06-12 Dupont Teijin Films U.S. Limited Partnership Self-venting polymeric film
JP2008538093A (ja) * 2005-01-17 2008-10-09 デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ 自己換気型複合ポリマーフィルム

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