JP2951163B2 - 乾燥機 - Google Patents

乾燥機

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JP2951163B2
JP2951163B2 JP5193622A JP19362293A JP2951163B2 JP 2951163 B2 JP2951163 B2 JP 2951163B2 JP 5193622 A JP5193622 A JP 5193622A JP 19362293 A JP19362293 A JP 19362293A JP 2951163 B2 JP2951163 B2 JP 2951163B2
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友彦 池田
敏昭 坂本
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  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乾燥機に関するもので
あり、さらに詳しくは、可燃性溶剤を洗浄剤に使用して
洗浄した衣類や半導体装置などの物品を、引火・爆発さ
せることなく乾燥させる乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、可燃性溶剤で洗浄(洗い、すす
ぎ)した衣類を乾燥するとき、高温で乾燥運転すると残
留溶剤に引火する危険性がある。そこで、特開昭60−
2294号公報に示すように、乾燥室の出口の排気路側
にガスセンサを備え、溶剤で洗浄した衣類の乾燥か水で
洗浄した衣類の乾燥かを区別するために溶剤ガスの有無
を検知し、溶剤ガスを検知したときは、引火・爆発を防
止するため低い温度で乾燥するようにした衣類乾燥機が
提案されている。このような衣類乾燥機におけるガスセ
ンサとしては、半導体式ガスセンサや接触燃焼式ガスセ
ンサ等が用いられている。
【0003】また、特公平3−8797号公報に示すよ
うに、可燃性溶剤の引火点温度よりも低い温度で乾燥を
行い、引火・爆発の危険を防ぐようにした衣類乾燥機が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の衣類乾燥機にあ
っては、いずれの種類のガスセンサもその検知部を加熱
して検知する構成にされるので、ガスセンサが発火源に
なることがある。このため、ガスセンサの収納室には、
防爆構造を有する発火防止手段を講じなければならず、
衣類乾燥機は構造上複雑化し、高価になる。さらに、ガ
スセンサが溶剤ガスに長時間さらされるので、溶剤ガス
に起因する腐食によりガスセンサの耐久性が悪くなった
り、溶剤ガス検知精度が低下したりして信頼性に欠ける
等の問題があった。
【0005】また、後者の衣類乾燥機にあっては、引火
・爆発のおそれがなく安全ではあるが、低温乾燥を行う
ので乾燥時間が長くなるという問題があった。
【0006】このような多くの問題点は、可燃性溶剤を
用いて種々の半導体装置を洗浄する場合にも、同様に生
じていた。
【0007】本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、防爆構造で複雑化した発火防止
構造にすることもなく安価であり、また溶剤ガス検知精
度が損なわれず、さらに引火の危惧がない乾燥機を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、洗浄に使用
する可燃性溶剤の引火点とその溶剤のガス濃度とには相
関関係があること、溶剤を蒸発させると乾燥用熱風の温
度が一定温度だけ低下すること、およびガス中の溶剤を
蒸発させるのに必要な熱エネルギーを算出できることに
着目した。そして、この熱エネルギーの大きさがわかる
と、被乾燥物品の収納された乾燥室へ供給され、被乾燥
物品を乾燥させて乾燥室から排出される乾燥用熱風の低
下した温度を算出できると考えた。そのうえで、この熱
風の低下温度と引火・爆発のおそれのない安全温度差と
を比較すると、乾燥制御の基本にすることができるので
はないか、との仮説を立てた。
【0009】すなわち、乾燥室へ供給する熱風の温度と
乾燥室から排出される熱風の温度とを2つの温度センサ
により検出し、両者の熱風温度差を上記の熱風低下温度
に満たないように制御すれば、引火・爆発のおそれなく
乾燥制御ができるであろうと推論し、その推論に基づい
て試行錯誤を重ねた後に本発明を完成させた。
【0010】上記の仮説および推論は、以下に述べる実
施例からわかるように、正しいものであることが実証さ
れた。
【0011】本発明に係る乾燥機は、次の2つの形態を
とる。すなわち、第1の形態は、可燃性溶剤を洗浄剤に
使用して物品を洗浄・乾燥させ、または可燃性溶剤を洗
浄剤に使用して洗浄した物品を乾燥させるための乾燥室
と、この乾燥室に連設された熱風供給路と、この熱風供
給路に設けられた加熱器と、乾燥室に連設された熱風排
出路と、熱風供給路および熱風排出路の任意の箇所に設
けられた熱風移送手段と、加熱器の駆動制御を行う制御
手段とを備え、第1温度センサが熱風供給路のうちの加
熱器の下流側箇所に設けられ、第2温度センサが熱風排
出路のうちの乾燥室寄り箇所に設けられ、制御手段が、
第1温度センサにより検出された温度と第2温度センサ
により検出された温度との差を安全温度差未満に維持す
るように加熱器の制御を行うことからなる乾燥機であ
る。
【0012】第2の形態は、可燃性溶剤を洗浄剤に使用
して物品を洗浄・乾燥させ、または可燃性溶剤を洗浄剤
に使用して洗浄した物品を乾燥させるための乾燥室と、
この乾燥室に連設された熱風供給路と、この熱風供給路
に設けられた加熱器と、乾燥室に連設された熱風排出路
と、熱風供給路および熱風排出路の任意の箇所に設けら
れた熱風移送手段と、加熱器の駆動制御を行う制御手段
とを備え、第1温度センサが熱風供給路のうちの加熱器
の下流側箇所に設けられ、第2温度センサが熱風排出路
のうちの乾燥室寄り箇所に設けられ、更に、前記熱風排
出路および前記熱風供給路の間に設けられ、これらに連
通する熱風循環路と、この熱風循環路に設けられた凝縮
器と、この凝縮器の下流側箇所に設けられ、凝縮後の風
の温度を検出する第3温度センサとを具備し、制御手段
が、第3温度センサにより検出された温度に基づいて熱
風循環路における可燃性溶剤ガスのガス濃度を判定し、
その判定ガス濃度と所定の安全ガス濃度との差に基づい
て安全温度差を算出するとともに、第1温度センサによ
り検出された温度と第2温度センサにより検出された温
度との差を前記安全温度差未満に維持するように加熱器
の制御を行うことからなる乾燥機である。
【0013】
【作用】第1の形態に係る乾燥機では、ガスセンサを用
いることなく温度センサにより乾燥温度を制御する。こ
の温度センサにより、防爆構造で複雑化した発火防止構
造を省略することが可能になる。そして、乾燥機が安価
になる。また、温度センサは溶剤ガスによっては劣化し
ないので、溶剤ガス検知精度が損なわれず、さらに引火
の危惧がない。加えて、乾燥室へ供給した熱風の温度と
乾燥室から排出された熱風温度との熱風温度差を所定の
安全温度差に比較して、前者の温度差が後者の温度差よ
りも大きくならないように、安全な熱風温度制御を行う
ことができる。
【0014】第2の形態に係る乾燥機では、ガスセンサ
を用いることなく温度センサにより乾燥温度を制御す
る。この温度センサにより、防爆構造で複雑化した発火
防止構造を省略することが可能になる。そして、乾燥機
が安価になる。加えて、凝縮後の風の温度から、溶剤回
収後の熱風に含まれる溶剤ガスのガス濃度を判定して安
全温度差を算出し、その算出結果に基いて安全な熱風温
度制御を行うことができる。
【0015】
【実施例】本発明は、可燃性溶剤を洗浄剤に使用して物
品を洗浄・乾燥させ、または可燃性溶剤を洗浄剤に使用
して洗浄した物品を乾燥させるための乾燥機に係るもの
であるが、衣類洗浄乾燥機を例にとり、以下、その3つ
の実施例を各図面に基づいて詳しく説明する。なお、こ
れらによってこの発明が限定されるものではない。
【0016】図5において、1は溶剤タンクであり、ソ
ープ等の洗浄剤を含む可燃性の石油系溶剤(工業用ガソ
リン5号)が収容されている。2は溶剤タンク1の上方
に配設された収納槽、3は収納槽2内に回転可能に配設
された洗浄室兼乾燥室となるドラムであり、周壁には多
数の透孔が設けられている。ドラム3内には洗浄・乾燥
すべき物品としての衣類が収容される。
【0017】溶剤タンク1内の溶剤を、図示しない溶剤
給液路を介して収納槽2内に送り出し、ドラム3を回転
させることによりドラム3内の衣類を洗浄(洗い、すす
ぎ)する。次いで、収納槽2内の溶剤を溶剤タンク1に
戻した後、ドラム3を高速回転させることにより、衣類
に含まれている溶剤を遠心力で脱液する。
【0018】5は乾燥工程時に乾燥用熱風が循環する熱
風路である。この熱風路5は、収納槽2の上方に連通し
た熱風供給路5aと、収納槽2の下方に連通した熱風排
出路5bと、両路5a,5bを連結した熱風循環路5c
とからなる。図5における矢印は、熱風路5を循環する
熱風の流れる方向を示すものである。熱風路5内には、
リントフィルタ6、熱風移送手段としての送風装置7、
凝縮器8、加熱器9が熱風排出路5b側から順に配設さ
れている。凝縮器8は、冷却管10から冷水が供給され
るようになっている。加熱器9は、蒸気管11から蒸気
が送られて加熱されるようになっている。
【0019】12は冷却管10に介装した弁、13は蒸
気管11に介装した蒸気導入弁、14は蒸気管11に介
装した排蒸弁である。15は熱風路5内において、送風
装置7と凝縮器8との間を仕切る仕切壁であり、連通孔
16を有している。17は熱風路5内において凝縮器8
と加熱器9との間を遮蔽する遮蔽壁であり、連通孔18
を有している。
【0020】19は熱風路5内において、凝縮器8と加
熱器9との間から外気を導入するための吸気ダクトであ
り、吸気弁20により開閉される。この吸気弁20は吸
気ダクト19を開放すると同時に、連通孔18を閉塞す
る。21は熱風路5内において、送風装置7と凝縮器8
との間から熱風路5内の熱風を機外に排出するための排
気ダクトであり、排気弁22により開閉される。この排
気弁22は、排気ダクト21を開放すると同時に、連通
孔16を閉塞する。24は凝縮器8の下方に連通する水
分離器であり、凝縮器8で凝縮された溶剤を回収して水
と溶剤とに比重分離し、溶剤のみを溶剤タンク1に戻す
ためのものである。
【0021】23は加熱器9と収納槽2との間の熱風供
給路5aに装着した負特性サーミスタからなる第1温度
センサとしての供給熱風温度センサである。44は収納
槽2に近い部分の熱風排出路5bに装着した負特性サー
ミスタからなる第2温度センサとしての排出熱風温度セ
ンサである。48は凝縮器8に近い部分の下流の熱風循
環路5cに装着した負特性サーミスタからなる第3温度
センサとしての凝縮風温度センサであり、凝縮器8を通
過した後の凝縮風の温度を検知するものである。
【0022】図6における25は制御手段としてのマイ
クロコンピュータ(マイコン)であり、図7に示すよう
に、CPU(Central Processing Unit)26、RAM
(Random Access Memory)27、ROM(Read Only Me
mory)28、タイマー29、システムバス30および入
力・出力ポート31・32から構成されている。
【0023】CPU26は、制御部33と演算部34と
から構成されている。制御部33は命令の取出しおよび
実行を行う。演算部34は、制御部33からの制御信号
によって入力機器やメモリから与えられるデータに対
し、二進加算、論理演算、増減、比較等の演算処理を行
う。RAM27は、機器に関するデータを記憶するため
のものである。ROM28は、予め機器を動かすための
手段、判断のための条件の設定、各種情報の処理をする
ためのルール等を記憶させておくものである。
【0024】マイコン25は、図6に示すように、各種
操作キー群から構成される入力キー回路35、温度設定
装置36、液位センサ37、第1温度検知装置38等か
らの入力情報に基づいて、各種開閉弁12・13・14
・20・22、モータ、送風装置7等の負荷39や表示
装置40、ブザー回路41等の動作を制御する。
【0025】第1温度検知装置38は、抵抗42と供給
熱風温度センサ23との抵抗値で決定される電圧値を、
A/D変換回路43を通してマイコン25に入力する。
第2温度検知装置45および第3温度検知装置49は、
第1温度検知装置38の構成と同じであるが、各種抵抗
の値は異ならせてある。第2温度検知装置45は、抵抗
42と排出熱風温度センサ44との抵抗値で決定される
電圧値を、A/D変換回路43を通してマイコン25に
入力する。また、第3温度検知装置49は、抵抗42と
凝縮風温度センサ48との抵抗値で決定される電圧値
を、A/D変換回路43を通してマイコン25に入力す
る。
【0026】そして、マイコン25は、これらの温度検
知装置38・45・49からの信号値を、ROM28に
記憶している各基準値と比較したりして、乾燥温度を制
御する。
【0027】温度設定装置36は、乾燥工程時の熱風供
給路5aと熱風排出路5bの温度をそれぞれ、あらかじ
め安全温度差内で設定するためのもので、0〜9のテン
キーにより行う。この温度設定装置36により設定され
た温度は、マイコン25のRAM27に格納される。
【0028】このような構成において、本実施例の衣類
洗浄乾燥機にあっては、マイコン25の制御の下に、洗
浄(洗い、すすぎ)−脱液−乾燥からなるクリーニング
プログラムが逐次実行される。
【0029】まず、代表的なドライクリーニング用の可
燃性石油系溶剤である工業用ガソリン5号の性状につい
て説明する。例えば、分子量143、引火点43℃、爆
発下限界ガス濃度0.6vol%、蒸発熱80kcal/
kgである溶剤で洗浄した衣類を乾燥する場合、爆発下
限界ガス濃度を、安全ガス濃度としての0.6vol%
以下に管理する必要がある。
【0030】0.6vol%とは、空気1m3 中に6リ
ットル(約33g)の溶剤ガスが含まれていることであ
る。このような乾燥用熱風に含まれている溶剤を蒸発さ
せるに必要な熱エネルギーを算出すると、約2.4kca
lの熱量となる。そして、その時の乾燥用熱風温度は約
8℃低下することが算出できる。故に、供給熱風温度
は、排出熱風温度に対して約8℃高めることができる。
【0031】したがって、供給熱風温度を排出熱風温度
より8℃まで高くなるように熱風温度を制御すると安全
運転が確保できる。すなわち、この8℃を、安全温度差
として乾燥制御時の基本値にすることができる。
【0032】図4は、乾燥時間の経過に伴い変化する供
給熱風温度、排出熱風温度および収納槽2内における溶
剤ガス濃度の関係を示す。すなわち、室内温度20℃、
供給熱風温度60℃、送風量20m3 /分、負荷量25
kg、溶剤含有量4kg時の乾燥実験データである。図
4からわかるように、供給熱風温度と排出熱風温度との
熱風温度差を約8℃に維持すれば、収納槽2内の溶剤ガ
ス濃度を0.6vol%以下に抑えることができる。
【0033】次に、3種類の技術手段による乾燥工程の
動作を図1〜図3に基づいて説明する。
【0034】実施例1 図1は、第1の技術手段による制御のフローチャートで
ある。このフローチャートは、乾燥用熱風を循環させて
溶剤を回収する溶剤回収方式と、乾燥用熱風を循環させ
ることなく排出し溶剤を回収しない溶剤非回収方式との
両方に共通して用いることができる。以下では、溶剤回
収方式で説明する。
【0035】ここで、石油系溶剤の引火点が43℃であ
って、この引火点におけるガス飽和濃度は爆発下限界ガ
ス濃度に等しいという関係から、排出熱風温度が43℃
以下であれば、溶剤ガスの濃度は爆発下限界ガス濃度
0.6vol%以上にはならない。
【0036】乾燥工程を開始し送風装置7、凝縮器8お
よび加熱器9を駆動し、収納槽2および熱風路5内に乾
燥用熱風を循環させる(S−1)。これとともに、温度
設定装置36により、引火点温度を考慮して排出熱風温
度Tbの基準設定値を40℃に設定して運転する(S−
2)。
【0037】そして、供給熱風温度センサ23により検
知した供給熱風温度Taと、排出熱風温度センサ44に
より検知した排出熱風温度Tbとの熱風温度差(Ta−
Tb)を、安全温度差8℃と比較する(S−3)。熱風
温度差が8℃より小さい場合は、安全温度範囲内である
ので、所定の運転時間が経過するまで駆動し(S−
4)、所定運転時間を経過すると、送風装置7、凝縮器
8、加熱器9をOFFし(S−5)、乾燥を終了する。
【0038】しかし、熱風温度差が安全温度差の8℃よ
り大きい場合あるいは8℃に等しい場合には、加熱器9
をOFFする(S−6)。その後、所定運転時間を判断
する(S−7)。そして、所定運転時間が経過すると、
送風装置7、凝縮器8をOFFし乾燥工程を停止する。
所定運転時間が経過しない間は、S−3にもどる。
【0039】このように、供給熱風温度Taと排出熱風
温度Tbとの熱風温度差を安全温度差と比較制御すると
ともに、熱風温度差を安全温度差内で制御するので、図
4からもわかるように、排出熱風温度が引火点40℃を
超えていても、熱風温度差が安全温度差8℃以内であれ
ば、供給熱風温度Taをより高くできる。そして、ガス
濃度が0.6vol%未満に抑えられるので、爆発や引
火をする恐れがなくなる。
【0040】安全温度差内で制御を行うことを前提とし
て供給熱風温度Taが徐々に高くなることにより、乾燥
開始時の早い時期から溶剤蒸発を促進できかつ、気化し
た溶剤を安全に熱風排出路5bに導入して、凝縮器8で
溶剤を凝縮して回収・除去できる。なお、凝縮器8を含
む熱風循環路5cを備えていない衣類洗浄乾燥機におい
ては、気化した溶剤は直接機外に排出される。
【0041】実施例2 第2の技術手段は、乾燥用熱風を循環させて溶剤を回収
する溶剤回収方式に適応するもので、この制御のフロー
チャートは図2の通りである。(S−9)は図1の(S
−1)、(S−10)は図1の(S−2)に相当する。
従って、(S−11)から説明する。
【0042】(S−10)で排出熱風温度Tbと基準設
定値の40℃とを比較し、Tbが40℃を超えると、凝
縮器8を通過した後の凝縮風の温度Tcを凝縮風温度セ
ンサ48で検知する。そして、この凝縮風温度Tcによ
ってガス濃度を判定する(S−11)。すなわち、凝縮
器8の温度がT℃であれば凝縮器8を通過した後の溶剤
ガスの温度は、T℃の飽和状態であり、この溶剤ガスは
T℃に対応する飽和蒸気圧Ptを持っている。外圧(ほ
ぼ大気圧に等しい乾燥風路内の気圧)をPとすれば、凝
縮器8を通過した後の溶剤ガス濃度はPt/Pである。
従って、循環中の加熱器9に送風する前の乾燥用熱風の
ガス濃度は、外圧Pがほぼ一定のため、凝縮器8を通過
した後の凝縮風温度センサ48の凝縮風温度Tcから判
定できる。
【0043】前記の標準溶剤の爆発下限界ガス濃度であ
る0.6vol%(安全ガス濃度)に対応して換算され
る安全温度差(8℃)を基準にする。そして、爆発下限
界ガス濃度0.6vol%から、凝縮器8を通過した後
の凝縮風温度Tcにより判定される残留溶剤ガス濃度を
減算する。この減算で得たガス濃度差を、溶剤の単位ガ
ス濃度当りの温度(約0.1vol%=1.33℃)に
基づいて、安全温度差Tsとして算出する(S−1
2)。
【0044】この安全温度差Tsと、供給熱風温度Ta
から排出熱風温度Tbを減算して得た熱風温度差とを比
較する(S−13)。そして、安全温度差Tsよりも熱
風温度差(Ta−Tb)の方が小さい場合は、安全温度
範囲内であるので、所定の運転時間が経過するまで駆動
し(S−14)、所定運転時間が経過すると送風装置
7、凝縮器8、加熱器9をOFFし(S−15)乾燥を
終了する。
【0045】前記の安全温度差Tsと、熱風温度差(T
a−Tb)とを比較し(S−13)、両者が等しいか熱
風温度差の方が高かった場合には、加熱器9をOFFす
る(S−16)。その後、所定運転時間を判断する(S
−17)。そして、所定運転時間が経過すると、送風装
置7、凝縮器8をOFFし(S−15)乾燥工程を停止
する。所定運転時間が経過しない間は、S−11にもど
る。
【0046】以上のように、凝縮器8を通過した後の凝
縮風の温度Tcから、凝縮風に含まれる溶剤ガス濃度を
判定し、この溶剤ガス濃度と安全ガス濃度0.6vol
%との濃度差から安全温度差Tsを算出する。すなわ
ち、凝縮風に含まれるガス濃度を加味して供給熱風温度
Taを制御して、安全温度差Ts内に熱風温度差が収ま
るように安全温度差Tsと比較し乾燥制御を行う。した
がって、更に安全面の精度を高めた制御となる。
【0047】実施例3 次に、乾燥用熱風を循環させて溶剤を回収する溶剤回収
方式と、乾燥用熱風を循環させることなく排出し溶剤を
回収しない溶剤非回収方式との両方に共通して用いるこ
とのできる、第3技術手段について説明する。その制御
のフローチャートは図3の通りである。乾燥工程を開始
し、送風装置7、凝縮器8および加熱器9を駆動する
(S−19)。
【0048】乾燥制御時の基本値とする8℃を安全温度
差にした場合、乾燥運転を開始すると排出熱風温度Tb
よりも供給熱風温度Taの方が速く温度上昇するため
に、正しく安全温度差を保持することができなくなる。
本発明の制御方式は、安全温度差を保持しながら排出熱
風温度Tbが基準設定温度に到達すると、供給熱風温度
Taと排出熱風温度Tbの各基準設定温度を一定値(例
えば2℃)上昇させて設定温度を変更更新した後に制御
を行う。
【0049】すなわち、基準設定値を設定変更した後に
供給熱風温度Taが急激に2℃上昇しても、温度差は8
℃内に収まるので、この温度差を考慮して6℃を安全温
度差とする。そして、供給熱風温度Taの基準設定温度
TaQを46℃に(S−20)、排出熱風温度Tbの基
準設定温度TbQを引火点温度の40℃(S−21)に
各々設定する。
【0050】乾燥運転開始当初の供給熱風温度Taが基
準設定温度TaQより高くならないように、加熱器9の
ON・OFFにより加熱制御を行なう(S−22)。そ
の後、基準設定温度TbQと排出熱風温度Tbとを比較
する(S−23)。そして、排出熱風温度Tbの方が高
くなると、供給熱風温度Taと排出熱風温度Tbとの所
定安全温度差6℃を維持した状態で、2つの基準設定温
度TaQ,TbQの設定値が例えば2℃各々高く自動的
に設定更新される(S−24)。供給熱風温度Taが設
定更新された基準設定値に速く到達し、排出熱風温度T
bの上昇が遅れて追従しても、8℃以上の温度差にはな
らない。
【0051】そして、再び基準設定温度TbQに対して
排出熱風温度Tbの方が高くなると、同じように2℃高
めた設定値に自動的に再更新を行いながら制御される。
そして、所定の運転時間を経過すると(S−25)、送
風装置7、凝縮器8および加熱器9を停止し(S−2
6)乾燥工程を終了する。
【0052】このように、安全温度差を超えない範囲で
設定更新を行い、供給熱風温度Taを順次高く変更して
いくので、所定の乾燥状態になるまでの所要時間が短く
なりかつ、安全に乾燥制御をすることができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1記載に係る乾燥機は、
上記のように構成されており、ガスセンサを用いること
なく温度センサにより乾燥温度を制御するようにしてい
るので、防爆構造で複雑化した発火防止構造にすること
もなく、製品コストを下げることができる。また、温度
センサは溶剤ガスによっては劣化しないので、検知精度
が損なわれず、さらに引火の危惧がない。加えて、乾燥
室へ供給した熱風の温度と乾燥室から排出された熱風温
度との熱風温度差を所定の安全温度差に比較して、前者
の温度差が後者の温度差よりも大きくならないように、
安全な熱風温度制御を行うことができる。
【0054】本発明の請求項2記載に係る乾燥機は、上
記のように構成されており、ガスセンサを用いることな
く温度センサにより乾燥温度を制御するようにしている
ので、防爆構造で複雑化した発火防止構造にすることも
なく、製品コストを下げることができる。また、温度セ
ンサは溶剤ガスによっては劣化しないので、検知精度が
損なわれず、さらに引火の危惧がない。加えて、凝縮後
の風の温度から、溶剤回収後の熱風に含まれる溶剤ガス
のガス濃度を判定して安全温度差を算出し、その算出結
果に基いて安全な熱風温度制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る衣類洗浄乾燥機の衣類
乾燥工程を示すフローチャート。
【図2】本発明の実施例2に係る衣類洗浄乾燥機の衣類
乾燥工程を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施例3に係る衣類洗浄乾燥機の衣類
乾燥工程を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施例1〜3に係る衣類洗浄乾燥機に
おける、溶剤ガスのガス濃度、熱風温度および乾燥処理
時間の関係図。
【図5】本発明の実施例1〜3に係る衣類洗浄乾燥機の
内部構成説明図。
【図6】本発明の実施例1〜3に係る衣類洗浄乾燥機に
おける制御機構のブロック図。
【図7】本発明の実施例1〜3に係る衣類洗浄乾燥機に
おける制御機構のマイコンのブロック構成図。
【符号の説明】
3 ドラム(乾燥室) 5 熱風路 5a 熱風供給路 5b 熱風排出路 5c 熱風循環路 7 送風装置(熱風移送手段) 8 凝縮器 9 加熱器 23 供給熱風温度センサ(第1温度センサ) 25 マイクロコンピュータ(制御手段) 44 排出熱風温度センサ(第2温度センサ) 48 凝縮風温度センサ(第3温度センサ)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可燃性溶剤を洗浄剤に使用して物品を洗
    浄・乾燥させ、または可燃性溶剤を洗浄剤に使用して洗
    浄した物品を乾燥させるための乾燥室と、 この乾燥室に連なるように設けられた熱風供給路と、 この熱風供給路に設けられた加熱器と、 乾燥室に連なるように設けられた熱風排出路と、 熱風供給路および熱風排出路の任意の箇所に設けられた
    熱風移送手段と、 加熱器の駆動制御を行う制御手段とを備え、 第1温度センサが熱風供給路のうちの加熱器の下流側箇
    所に設けられ、 第2温度センサが熱風排出路のうちの乾燥室寄り箇所に
    設けられ、 制御手段が、第1温度センサにより検出された温度と第
    2温度センサにより検出された温度との差を安全温度差
    内に維持するように加熱器の制御を行うように構成され
    てなる乾燥機。
  2. 【請求項2】 可燃性溶剤を洗浄剤に使用して物品を洗
    浄・乾燥させ、または可燃性溶剤を洗浄剤に使用して洗
    浄した物品を乾燥させるための乾燥室と、 この乾燥室に連なるように設けられた熱風供給路と、 この熱風供給路に設けられた加熱器と、 乾燥室に連なるように設けられた熱風排出路と、 熱風供給路および熱風排出路の任意の箇所に設けられた
    熱風移送手段と、 加熱器の駆動制御を行う制御手段とを備え、 第1温度センサが熱風供給路のうちの加熱器の下流側箇
    所に設けられ、 第2温度センサが熱風排出路のうちの乾燥室寄り箇所に
    設けられ、 更に、 前記熱風排出路および前記熱風供給路の間に設けられ、
    これらに連通する熱風循環路と、 この熱風循環路に設けられた凝縮器と、 この凝縮器の下流側箇所に設けられ、凝縮後の風の温度
    を検出する第3温度センサとを具備し、 制御手段が、第3温度センサにより検出された温度に基
    づいて熱風循環路における可燃性溶剤ガスのガス濃度を
    判定し、その判定ガス濃度と所定の安全ガス濃度との差
    に基づいて安全温度差を算出するとともに、第1温度セ
    ンサにより検出された温度と第2温度センサにより検出
    された温度との差を前記安全温度差内に維持するように
    加熱器の制御を行うように構成されてなる乾燥機。
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