JP2950801B2 - 超格子半導体装置 - Google Patents

超格子半導体装置

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JP2950801B2 JP9250332A JP25033297A JP2950801B2 JP 2950801 B2 JP2950801 B2 JP 2950801B2 JP 9250332 A JP9250332 A JP 9250332A JP 25033297 A JP25033297 A JP 25033297A JP 2950801 B2 JP2950801 B2 JP 2950801B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超格子層を有する
ダイオード型半導体素子を備え、発振動作を行う超格子
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超格子構造を用いたダイオード型半導体
素子を備え、発振動作を行う従来の超格子半導体装置に
は、不純物をドープした超格子と、不純物をドープしな
い超格子を用いたものがある。前者は、レーザ光による
キャリア励起や半導体層を挟む2つの電極にある一定の
電圧を印加することで連続発振を生じる。また、後者
は、レーザ光によるキャリア励起によって連続発振を生
じる。その発振周波数は励起光強度や直流バイアス電圧
を変化させることで調整できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】超格子構造を有する従
来の半導体発振素子では、励起光強度や直流バイアス電
圧を変化させることで発振周波数を調整できるが、その
調整できる周波数範囲は素子構造により制限されるとい
う問題点があった。また、超格子構造は数十ナノメート
ル程度の薄膜を有する微細構造であるため、作製された
素子の膜厚には設計値とのずれ、及び揺らぎが必ず生じ
る。従って素子の発振周波数が不安定であるという問題
点があった。
【0004】本発明の目的は以上の問題点を解決し、周
波数の調整範囲が従来の素子より広く、かつ安定な発振
動作を行う超格子半導体装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の超格子半導体装置は、2つの電極間に、障壁層と量
子井戸層が交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ
電子のトンネル効果を有する真性半導体i層である第2
の半導体層をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟
設してなる超格子半導体素子を備え、上記2つの電極を
介して、上記超格子半導体素子に対して直流電圧に交流
電圧を重畳させた所定のバイアス電圧を印加し、かつ、
一方の電極側から所定の励起光を用いて光注入を行って
キャリアを励起して動作させることにより、上記超格子
半導体素子において発振動作をさせることを特徴とす
る。
【0006】また、本発明に係る請求項2記載の超格子
半導体装置は、2つの電極間に、障壁層と量子井戸層が
交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ電子のトン
ネル効果を有する真性半導体i層である第2の半導体層
をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟設してなる
超格子半導体素子を備え、上記2つの電極を介して、上
記超格子半導体素子に対して直流電圧の所定のバイアス
電圧を印加し、かつ、一方の電極側から交流信号で変調
された励起光を用いて光注入を行ってキャリアを励起し
て動作させることにより、上記超格子半導体素子におい
て発振動作をさせることを特徴とする。
【0007】さらに、本発明に係る請求項3記載の超格
子半導体装置は、2つの電極間に、障壁層と量子井戸層
が交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ電子のト
ンネル効果を有する真性半導体i層である第2の半導体
層をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟設してな
る超格子半導体素子を備え、上記2つの電極を介して、
上記超格子半導体素子に対して直流電圧に交流電圧を重
畳させた所定のバイアス電圧を印加し、かつ、一方の電
極側から交流信号で変調された励起光を用いて光注入を
行ってキャリアを励起して動作させることにより、上記
超格子半導体素子において発振動作をさせることを特徴
とする。
【0008】また、上記超格子半導体装置において、上
記超格子半導体素子は、好ましくは、p−i−n型、n
−i−n型、又はn+−n-−n+型である。さらに、上
記超格子半導体装置において、好ましくは、上記量子井
戸層はInGaAs又はGaAsにてなり、上記障壁層
はInAlAs又はAlAsにてなる。またさらに、上
記超格子半導体装置において、好ましくは、一方の電極
に、上記超格子半導体素子を励起するための励起光を入
射するための開口を形成する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0010】図1は、本発明に係る一実施形態である超
格子半導体素子10を備えた超格子半導体装置を示す断
面図である。本実施形態の超格子半導体装置は、2つの
電極11,12間に、障壁層21−0乃至21−N(以
下、総称の符号として21と付す。)と量子井戸層22
−1乃至22−N(以下、総称の符号として22と付
す。)とが交互に積層されてなる超格子構造を有する真
性半導体i層15をそれぞれn型クラッド層14及び1
6を介して挟設し、さらにn型キャップ層13とn型バ
ッファ層17を介して挟設するヘテロ接合n−i−n型
ダイオード素子である超格子半導体素子10を備え、電
極11,12間に直流電源30及び交流電源31によっ
てバイアス電圧を印加し、超格子構造を有する真性半導
体i層15にキャリアを励起するレーザ励起光は交流信
号で強度変調されたものを用いることを特徴としてい
る。ここで、バイアス電圧に交流電圧を重畳させること
と、レーザ励起光を交流信号で強度変調させることの、
少なくとも一方を実行することにより、当該超格子半導
体素子10において発振動作を生じさせる。
【0011】従来技術の超格子半導体素子では、発振を
得るためにバイアス電圧に直流電源のみを用い、励起光
は時間一定強度であったが、本実施形態においては、バ
イアス用の電源に可変交流電源31を併用し、励起光強
度は交流成分を重畳した信号で強度変調させる。本実施
形態の超格子半導体素子10は、図1に示すように、裏
面に平板形状のAuからなる電極12が形成され、Si
にてなるn型不純物イオンが例えば注入量1018/cm
3だけ注入されたn−GaAsにてなる厚さ300μm
のn型半導体基板20上に、以下の各層が順次、n型半
導体基板20から近接した側から積層されて形成され
る。 (a)Siにてなるn型不純物イオンが例えば注入量1
18/cm3だけ注入されたn−GaAsにてなる厚さ
200nmのn型バッファ層17; (b)Siにてなるn型不純物イオンが例えば注入量5
×1017/cm3だけ注入されたn−Al0.4Ga0.6
sにてなる厚さ500nmのn型クラッド層16; (c)上述の超格子構造を有する厚さ約600nmの真
性半導体i層(i−SL)15; (d)Siにてなるn型不純物イオンが例えば注入量5
×1017/cm3だけ注入されたn−Al0.4Ga0.6
sにてなる厚さ200nmのn型クラッド層14; (e)Siにてなるn型不純物イオンが例えば注入量2
×1018/cm3だけ注入されたn−GaAsにてなる
厚さ110nmのn型キャップ層13;並びに、 (f)厚さ方向に貫通する開口11hが中央部に形成さ
れたリング形状のAuからなる電極11。
【0012】なお、電極11をリング形状にするのは、
上記の積層を行った後に所定のエッチング方法により行
われる。また、上記真性半導体i層15は、例えば、量
子井戸層22−Nがn型クラッド層16に隣接するよう
に、GaAsにてなり12原子層の厚さ3.4nmの量
子井戸層22と、AlAsにてなり18原子層の厚さ5
nmの障壁層21とを交互に、例えばN=75周期(す
なわち75対)で積層されて形成される。そして、電極
11は逆バイアス電圧Vbの可変直流電源30の負極及
び正極と、可変交流電源31と、負荷回路となる負荷抵
抗32を介して電極12に接続される。これによって、
超格子半導体素子10の電極11,12間に所定の電界
が印加されることになる。可変交流電源31は、上述の
ように、その電圧を0に設定してもよい。
【0013】以上のように構成された超格子半導体装置
において、超格子半導体素子10の両端の電極11,1
2にバイアス電圧を印加すると、超格子に対して垂直な
方向に電界が印加され、加速された電子はトンネル効果
によって隣の量子井戸層22に進むが、電流密度が十分
に高い場合、電子自身の持つ負の電荷によって空間電荷
効果を起こす。このとき電子の分布は超格子内部で不均
一になり、ある場所において電子密度が高くなりモノポ
ールを形成する。このモノポールが超格子内部の電界分
布を不均一として電界ドメインを形成する。モノポール
はやがて一方の電極方向に進み消失するが、新しいモノ
ポールが他方の電極からあらわれて電界ドメインを維持
する。このモノポールのサイクルに同期した周波数で電
流発振を起こす。当該電流発振の発振信号は負荷回路で
ある負荷抵抗32に出力される。
【0014】本発明においては、超格子層である真性半
導体i層15に様々な材料を用いることができる。また
超格子層の材料は、例えばGaAs、AlxGa1-xAs
(ただし、0<x<1)、AlAsを用いて3種類以
上の組み合わせでもよい。
【0015】
【実施例】本発明者は、図1に示す実施形態の超格子半
導体素子を製作して実験を行った結果を以下に示す。ま
ず、図2に、強度約15mWのヘリウムネオンレーザ光
で光励起し、直流バイアス電圧を7.4Vに固定したと
きの超格子半導体素子10に印加されるバイアス交流電
圧の振幅に対する発振周波数スペクトルを示す。変調に
用いる交流電圧の周波数は14MHzである。図2の黒
い部分が振幅の大きい周波数成分に対応しており、交流
電圧振幅に対して太い直線が安定した発振状態を示す。
【0016】図2から明らかなように、交流電圧が零の
ときは発振周波数8.6MHzが得られている。交流振
幅が0.1Vから0.3Vの間ではカオス発振が見られ
る。しかし0.3Vから0.44Vの間では交流印加電
圧の1/3の倍数の発振周波数をもつ電流発振が得られ
る。
【0017】更に交流振幅を増加させると各周波数ピー
クは分裂し、背景ノイズを伴うカオス発振を示す。0.
6Vから0.67Vの間では交流印加電圧の1/4の倍
数の発振周波数をもつ電流発振が得られる。0.67V
から0.69Vの間は再び背景ノイズを伴うカオス発振
を示す。0.69Vから0.72Vの間では交流印加電
圧の1/5の倍数の発振周波数をもつ電流発振が得られ
る。0.72Vから0.8Vの間は再び背景ノイズを伴
うカオス発振を示す。0.8V以上では発振は起こらな
い。
【0018】以上のように発振周波数は、バイアス電圧
の変調交流電圧の振幅を増加させると、変調信号の周波
数の分数倍となる安定した状態と不安定なカオス発振を
交互に繰り返す。これは変調交流電圧が零のときの素子
が示す発振モードと、変調信号のモードが同調するとき
に安定した発振を示し、両者が反発するときにはカオス
発振となる。変調信号に同調して得られた発振は、超格
子構造のずれに起因する発振周波数の揺らぎは起こらず
安定したものとなっている。安定した状態が複数存在す
ることから、安定状態を選択することで発振周波数を調
整することができる。例えば0.7Vでの発振周波数は
交流信号の周波数の1/5の周波数を基本波としてその
高調波の重ね合わせとなっている。従って、帯域通過フ
ィルタを用いれば、その周波数列の中から任意の周波数
成分を抽出できる。
【0019】図3には図1に示す実施形態の超格子半導
体素子を製作して実験を行った結果を以下に示す。固体
レーザ光(波長635nm)で光励起し、直流バイアス
電圧を1.9Vに固定し、レーザ励起光を、直流電圧に
交流信号を重畳させた信号で強度変調させたときの超格
子半導体素子10の発振周波数スペクトルを示す。固体
レーザの光強度は8mWであるがレーザ駆動信号に交流
信号を加えることで、その周波数に同期した矩形状の出
力が得られる。交流信号100mVの増加がレーザ励起
光の交流成分の振幅約80μWの増加に対応する。変調
に用いる交流電圧の周波数は23MHzである。図3の
黒い部分が振幅の大きい周波数成分に対応しており、振
幅に対して太い直線が安定した発振状態を示す。
【0020】図3から明らかなように、レーザ駆動信号
の振幅を増加させていくと、160mVから190mV
の間では背景ノイズを伴うカオス発振に変化し、190
mVから220mVよりレーザ駆動信号の周波数の1/
2倍の周波数を伴う安定した発振となる。220mVか
ら290mVの範囲では再びカオス発振となり、290
mVから320mVの範囲ではレーザ駆動信号の周波数
の1/3分周を伴う安定した発振となる。320mV以
上ではカオス発振が得られる。
【0021】以上のように発振周波数は、レーザ励起光
の交流成分の振幅を増加させると、変調信号の周波数の
分数倍となる安定した状態と不安定なカオス発振を交互
に繰り返す。これは図2に示した例と類似しており、す
なわち、変調交流成分が零のときの素子が示す発振モー
ドと、変調信号のモードが同調するときに安定した発振
を示し、両者が反発するときにはカオス発振となる。
【0022】<第1の変形例>以上の実施例において
は、バイアス電圧に交流電圧を重畳させることと、レー
ザ励起光を交流信号で強度変調させることについて、実
験を行ったが、これら両方を実行することにより、発振
動作を生じさせるように構成してもよい。
【0023】<第2の変形例>以上の実施形態におい
て、超格子層の量子井戸層22及び障壁層21を構成す
るために、例えば、次の表に示す材料を用いてもよい。
【0024】
【表1】 超格子層の材料の例 ─────────────────────────────────── 量子井戸層22/障壁層21 ─────────────────────────────────── AlxGa1-xAs/AlzGa(1-z)As GaAs/AlxGa1-xAs1-yy In1-xGaxAsy1-y/InP InAs/In1-xGaxAs1-yy InxGa1-xAs/InyAl1-yAs InxGa1-xN/AlyGa1-yN InzGa1-zN/InxGa(1-x)N HgTe/CdTe GaP/AlP GaSb/AlSb InSb/GaSb Si1-xGex/Si InxGa1-xSb/InyGa1-yAs ─────────────────────────────────── (注1)0≦x≦1,0≦y≦1。 ただし、xとyは同時に0にはならない。 (注2)x<zかつ0<z≦1。
【0025】<第3の変形例>以上の実施形態において
は、GaAs/AlAsからなる超格子層を有するn−
i−n型ダイオード素子である超格子半導体素子10に
ついて述べているが、本発明はこれに限らず、表2及び
表3に示すp−i−n型超格子半導体素子又はn+−n-
−n+型超格子半導体素子であってもよい。表2及び表
3において、組成比はこれに限定されない。クラッド層
は真性半導体であってもよい。
【0026】
【表2】 p−i−n型超格子半導体素子 ─────────────────────────────────── 層又は基板 組成 厚さ 不純物のドープ量 (/cm3),不純物 ─────────────────────────────────── キャップ層13 p−GaAs 110nm 2×1018,Be クラッド層14 p−Al0.4Ga0.6As 200nm 5×1017,Be 半導体i層15 GaAs/ 3.4nm AlAs 5nm 周期N=75 クラッド層16 n−Al0.4Ga0.6As 500nm 5×1017,Si バッファ層17 n−GaAs 200nm 1018,Si 半導体基板20 n−GaAs 300μm 1018 ───────────────────────────────────
【0027】
【表3】 n+−n-−n+型超格子半導体素子 ─────────────────────────────────── 層又は基板 組成 厚さ 不純物のドープ量 (/cm3),不純物 ─────────────────────────────────── キャップ層13 n+−GaAs 110nm 5×1018,Si クラッド層14 n-−Al0.4Ga0.6As 200nm 1×1017,Si 半導体i層15 n-−GaAs/ 3.4nm 1×1017,Si n-−In0.2Al0.8As 5nm 1×1017,Si 周期N=30 クラッド層16 n-−In0.2Al0.8As 500nm 5×1017,Si バッファ層17 n+−GaAs 200nm 1018,Si 半導体基板20 n+−GaAs 300μm 1018,Si ───────────────────────────────────
【0028】なお、電極11に励起光を入射する開口1
1hを形成しなくてもよく、その場合は、電極11を薄
く形成することにより、励起光を通過させる。
【0029】以上説明したように、本発明に係る実施形
態によれば、2つの電極11,12間に、障壁層21と
量子井戸層22とが交互に積層されてなる超格子構造を
有する真性半導体i層15をそれぞれn型クラッド層1
4及び16を介して挟設し、さらにn型キャップ層13
とn型バッファ層17を介して挟設するヘテロ接合n−
i−n型ダイオード素子である超格子半導体素子10を
備え、電極11,12間に直流電源30及び交流電源3
1によってバイアス電圧を印加し、及び/又は、超格子
構造を有する真性半導体i層15にキャリアを励起する
レーザ励起光は交流信号で強度変調されたものを用いて
いる。従って、バイアス交流電圧の振幅及び/又は励起
光の駆動信号の交流信号の振幅を選択することにより、
発振周波数を比較的自由に設定でき、かつ発振周波数を
安定に維持できる超格子半導体装置を提供することがで
きる。例えば、交流電圧の振幅を増加させることによ
り、発振周波数が交流信号の周波数の1/m倍の高調波
の組み合わせ(ここで、mは3、4、5)に設定するこ
とが可能であり、その周波数は交流電圧の周波数によっ
て定まるために、周波数変動が従来より少ない超格子半
導体装置を実現できる。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載の超格子半導体装置によれば、2つの電極間に、
障壁層と量子井戸層が交互に積層されてなる超格子構造
を有しかつ電子のトンネル効果を有する真性半導体i層
である第2の半導体層をそれぞれ第1と第3の半導体層
を介して挟設してなる超格子半導体素子を備え、上記2
つの電極を介して、上記超格子半導体素子に対して直流
電圧に交流電圧を重畳させた所定のバイアス電圧を印加
し、かつ、一方の電極側から所定の励起光を用いて光注
入を行ってキャリアを励起して動作させることにより、
上記超格子半導体素子において発振動作をさせる。
【0031】また、本発明に係る請求項2記載の超格子
半導体装置によれば、2つの電極間に、障壁層と量子井
戸層が交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ電子
のトンネル効果を有する真性半導体i層である第2の半
導体層をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟設し
てなる超格子半導体素子を備え、上記2つの電極を介し
て、上記超格子半導体素子に対して直流電圧の所定のバ
イアス電圧を印加し、かつ、一方の電極側から交流信号
で変調された励起光を用いて光注入を行ってキャリアを
励起して動作させることにより、上記超格子半導体素子
において発振動作をさせる。
【0032】さらに、本発明に係る請求項3記載の超格
子半導体装置によれば、2つの電極間に、障壁層と量子
井戸層が交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ電
子のトンネル効果を有する真性半導体i層である第2の
半導体層をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟設
してなる超格子半導体素子を備え、上記2つの電極を介
して、上記超格子半導体素子に対して直流電圧に交流電
圧を重畳させた所定のバイアス電圧を印加し、かつ、一
方の電極側から交流信号で変調された励起光を用いて光
注入を行ってキャリアを励起して動作させることによ
り、上記超格子半導体素子において発振動作をさせる。
【0033】従って、本発明によれば、バイアス交流電
圧の振幅及び/又は励起光の駆動信号の交流信号の振幅
を選択することにより、発振周波数を比較的自由に設定
でき、かつ発振周波数を安定に維持できる超格子半導体
装置を提供することができる。例えば、交流電圧の振幅
を増加させることにより、発振周波数が交流信号の周波
数の1/m倍の高調波の組み合わせ(ここで、mは3、
4、5)に設定することが可能であり、その周波数は交
流電圧の周波数によって定まるために、周波数変動が従
来より少ない超格子半導体装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態である超格子半導体
素子10を備えた超格子半導体装置を示す断面図であ
る。
【図2】 図1の超格子半導体素子10に印加される交
流電圧の振幅に対する発振周波数スペクトルを示すグラ
フである。
【図3】 図1の超格子半導体素子10に入射されるレ
ーザ励起光の駆動信号に含まれる交流信号の振幅に対す
る発振周波数スペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
10…超格子半導体素子、 11,12…電極、 13…n型キャップ層、 14…n型クラッド層、 15…超格子構造を有する真性半導体i層、 16…n型クラッド層、 17…n型バッファ層、 20…n型半導体基板、 21−0乃至21−N…障壁層、 22−0乃至22−N…量子井戸層、 30…可変直流電源、 31…可変交流電源、 32…負荷抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−125215(JP,A) 特開 平9−260691(JP,A) 特開 平10−135505(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 33/00 H01L 31/00 H03B 7/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの電極間に、障壁層と量子井戸層が
    交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ電子のトン
    ネル効果を有する真性半導体i層である第2の半導体層
    をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟設してなる
    超格子半導体素子を備え、 上記2つの電極を介して、上記超格子半導体素子に対し
    て直流電圧に交流電圧を重畳させた所定のバイアス電圧
    を印加し、かつ、一方の電極側から所定の励起光を用い
    て光注入を行ってキャリアを励起して動作させることに
    より、上記超格子半導体素子において発振動作をさせる
    ことを特徴とする超格子半導体装置。
  2. 【請求項2】 2つの電極間に、障壁層と量子井戸層が
    交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ電子のトン
    ネル効果を有する真性半導体i層である第2の半導体層
    をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟設してなる
    超格子半導体素子を備え、 上記2つの電極を介して、上記超格子半導体素子に対し
    て直流電圧の所定のバイアス電圧を印加し、かつ、一方
    の電極側から交流信号で変調された励起光を用いて光注
    入を行ってキャリアを励起して動作させることにより、
    上記超格子半導体素子において発振動作をさせることを
    特徴とする超格子半導体装置。
  3. 【請求項3】 2つの電極間に、障壁層と量子井戸層が
    交互に積層されてなる超格子構造を有しかつ電子のトン
    ネル効果を有する真性半導体i層である第2の半導体層
    をそれぞれ第1と第3の半導体層を介して挟設してなる
    超格子半導体素子を備え、 上記2つの電極を介して、上記超格子半導体素子に対し
    て直流電圧に交流電圧を重畳させた所定のバイアス電圧
    を印加し、かつ、一方の電極側から交流信号で変調され
    た励起光を用いて光注入を行ってキャリアを励起して動
    作させることにより、上記超格子半導体素子において発
    振動作をさせることを特徴とする超格子半導体装置。
  4. 【請求項4】 上記超格子半導体素子は、p−i−n
    型、n−i−n型、又はn+−n-−n+型であることを
    特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の超格子
    半導体装置。
  5. 【請求項5】 上記量子井戸層はInGaAs又はGa
    Asにてなり、上記障壁層はInAlAs又はAlAs
    にてなることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つ
    に記載の超格子半導体装置。
  6. 【請求項6】 一方の電極に、上記超格子半導体素子を
    励起するための励起光を入射するための開口を形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の
    超格子半導体装置。
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