JP2877747B2 - 超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方法 - Google Patents

超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方法

Info

Publication number
JP2877747B2
JP2877747B2 JP6789396A JP6789396A JP2877747B2 JP 2877747 B2 JP2877747 B2 JP 2877747B2 JP 6789396 A JP6789396 A JP 6789396A JP 6789396 A JP6789396 A JP 6789396A JP 2877747 B2 JP2877747 B2 JP 2877747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quantum well
level
point
well layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6789396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09260723A (ja
Inventor
誠 細田
浩司 冨永
秀典 三村
直毅 大谷
敏英 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EI TEI AARU KODENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
Original Assignee
EI TEI AARU KODENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EI TEI AARU KODENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK filed Critical EI TEI AARU KODENPA TSUSHIN KENKYUSHO KK
Priority to JP6789396A priority Critical patent/JP2877747B2/ja
Publication of JPH09260723A publication Critical patent/JPH09260723A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2877747B2 publication Critical patent/JP2877747B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超格子構造を有す
る超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光通信等に多く使用されている
発光ダイオードは、半導体における電子とホールとの発
光再結合現象を利用している。最近では、発光特性に優
れた半導体結晶が開発され、また、発光領域で発生した
光を効率よく取り出す工夫も種々なされて、優れた発光
ダイオードを容易に入手することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
発光ダイオードは、伝導帯と価電子帯との間の直接遷移
を利用する直接遷移型と、禁制帯内の不純物準位を経由
する間接遷移を利用する間接遷移型とがあるが、いずれ
の場合でも、発光のエネルギーは、半導体結晶の禁制帯
幅をこえることはなく、大きいエネルギーを有する光、
すなわち、波長の短い光を発生することができないとい
う問題点があった。
【0004】本発明の目的は、以上の問題点を解決し
て、従来の発光ダイオードに比較して波長の短い光を発
生することができる超格子半導体発光素子とその発光を
オン,オフする方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の超格子半導体発光素子は、2つの電極間に、障壁層
と量子井戸層とが交互に積層されてなる超格子構造を有
する真性半導体i層を挟設してなるpin型ダイオード
素子を備えた発光素子であって、所定の第1の逆バイア
ス電圧を上記2つの電極間に印加したときに、上記障壁
層のX点の準位と当該障壁層の一方の側に隣接する量子
井戸層のΓ点の準位とが互いに共鳴して当該Γ点の準位
の電子が当該X点の準位にトラップされるように、かつ
上記第1の逆バイアス電圧より高い所定の第2の逆バイ
アス電圧を上記2つの電極間に印加したときに、当該X
点の準位と当該障壁層の他方の側に隣接する量子井戸層
の2次以上のΓ点の準位とが、互いに共鳴するように、
上記各障壁層の厚さと上記各量子井戸層の厚さとを設定
し、上記2つの電極間に上記第2の逆バイアス電圧以上
の逆バイアス電圧を印加することにより、上記量子井戸
層の2次以上のΓ点の準位に電子を注入して、当該電子
を当該量子井戸層の価電子帯の正孔と再結合させて発光
させることを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の超格子半導体発光素
子は、請求項1記載の超格子半導体発光素子において、
上記pin型ダイオード素子のp層側から光が入射され
たときに、光が入射された量子井戸層の価電子帯の電子
を、当該量子井戸層の1次のΓ点の準位及び2次以上の
Γ点の準位のうちの少なくとも1つの準位に遷移させる
ことにより、当該量子井戸層以外の量子井戸層の2次以
上のΓ点の準位に電子を注入して発光することを特徴と
する。
【0007】さらに、請求項3記載の超格子半導体発光
素子は、請求項2記載の超格子半導体発光素子におい
て、上記光が入射された量子井戸層の価電子帯の電子
を、当該量子井戸層の1次のΓ点の準位に遷移させるこ
とにより、当該量子井戸層以外の上記量子井戸層の2次
以上のΓ点の準位に電子を注入して発光することを特徴
とする。
【0008】本発明に係る請求項4記載の超格子半導体
発光素子は、2つの電極間に、障壁層と量子井戸層とが
交互に積層されてなる超格子構造を有する真性半導体i
層を挟設してなるpin型ダイオード素子を備えた発光
素子であって、所定の順方向の第1のバイアス電圧を上
記2つの電極間に印加したときに、上記障壁層のX点の
準位と当該障壁層の一方の側に隣接する量子井戸層のΓ
点の準位とが互いに共鳴して当該Γ点の準位の電子が当
該X点の準位にトラップされるように、かつ上記第1の
バイアス電圧より高い所定の順方向の第2のバイアス電
圧を上記2つの電極間に印加したときに、当該X点の準
位と当該障壁層の他方の側に隣接する量子井戸層の2次
以上のΓ点の準位とが、互いに共鳴するように、上記各
障壁層の厚さと上記各量子井戸層の厚さとを設定し、上
記2つの電極間に上記第2のバイアス電圧以上の順方向
のバイアス電圧を印加することにより、上記量子井戸層
の2次以上のΓ点の準位に電子を注入して、当該電子を
当該量子井戸層の価電子帯の正孔と再結合させて発光さ
せることを特徴とする。
【0009】本発明に係る請求項5記載の超格子半導体
発光素子の発光をオン・オフする方法は、請求項1乃至
4のうちの1つに記載の超格子半導体発光素子の発光を
オン・オフする方法であって、上記2つの電極に印加さ
れる逆バイアス電圧又はバイアス電圧を変化することに
より、上記超格子半導体発光素子の発光をオン・オフさ
せることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0011】<第1の実施形態>図1は、本発明に係る
第1の実施形態である超格子半導体発光素子10を示す
断面図である。この超格子半導体発光素子10は、図1
に示すように、障壁層21−0乃至21−N(以下、総
称する場合は21と示す。)と量子井戸層22−0乃至
22−N(以下、総称する場合は22と示す。)とが交
互に繰り返して積層されてなる超格子構造を有する真性
半導体i層15を備えたヘテロ接合pin型ダイオード
半導体素子である。ここで、当該超格子半導体発光素子
10においては、所定の第1の逆バイアス電圧Vb1を
電極11,12の間に印加したときに、量子井戸層22
−nの第1準位Γ1点と隣接する障壁層21−(n+
1)の第1準位X1点とが共鳴するように、かつ第1の
逆バイアス電圧Vb1より高い所定の第2の逆バイアス
電圧Vb2を2つの電極11,12間に印加したとき
に、障壁層21ー(n+1)の第1準位X1点と障壁層
21−(n+1)に隣接する量子井戸層22−(n+
1)の第2準位Γ2点とが互いに共鳴するように、各障
壁層21の厚さと各量子井戸層22の厚さとを設定し、
量子井戸層22−nの第2準位Γ2点の電子を量子井戸
層22−nの価電子帯の正孔と再結合させて発光させる
ことを特徴とする。
【0012】本実施形態の超格子半導体発光素子10
は、図1に示すように、裏面に平板形状のAuからなる
電極12が形成され、Siにてなるn型不純物イオンが
例えば注入量1018/cm3だけ注入されたn−GaA
sにてなる厚さ300μmのn型半導体基板20上に、
以下の各層が順次、n型半導体基板20から近接した側
から積層されて形成される。 (a)Siにてなるn型不純物イオンが例えば注入量2
×1018/cm3だけ注入されたn−GaAsにてなる
厚さ0.8μmのn型バッファ層17; (b)i−GaAsにてなる厚さ10nmのi型クラッ
ド層16; (c)超格子構造を有する厚さ約1.1μmの真性半導
体i層(i−SL)15; (d)i−GaAsにてなる厚さ10nmのi型クラッ
ド層14; (e)Beにてなるp型不純物イオンが例えば注入量5
×1018/cm3だけ注入されたp−GaAsにてなる
厚さ50nmのp型キャップ層13;並びに、 (f)厚さ方向に貫通する孔が中央部に形成されたリン
グ形状のAuからなる電極11。
【0013】なお、電極11をリング形状にするのは、
上記の積層を行った後に所定のエッチング方法により行
われる。また、上記真性半導体i層15は、量子井戸層
22−Nがi型クラッド層16に隣接するように、Ga
Asにてなり22原子層の厚さ約62Åの量子井戸層2
2と、AlAsにてなり18原子層の厚さ約50Åの障
壁層21とを交互に、例えば100周期(すなわち10
0対)で積層されて形成される。そして、電極11は逆
バイアス電圧Vbの可変直流電源30の負極に接続さ
れ、電極12は可変直流電源30の正極に接続されるこ
とによって、超格子半導体発光素子10の電極11,1
2間に所定の電界が印加されることになる。
【0014】ところで、本実施形態のように、超格子構
造を有する真性半導体i層15の部分でその障壁層21
の厚みが非常に薄いと、電界によって加速された電子は
トンネリング現象によって隣り合う離れた障壁層21中
のX点準位に遷移できる。これに対して、超格子構造で
はなく、総て単一組成のバルク型半導体である場合に
は、このX点は空間的に連続して存在するため、一旦X
点に入った電子はX点の中を流れることができる。とこ
ろが、超格子構造を有する真性半導体i層15において
は、障壁層21と量子井戸層22の組成が異なるためそ
のX点のエネルギー準位も大きく異なっており、障壁層
21中のX点の電子は量子井戸層22へは流れ込めず、
障壁層21中に局在する。一旦障壁層21中のX点に捕
われた電子は一般的にその緩和時間が非常に長いため、
障壁層21中のX点に捕われたままになる。しかし、超
格子構造を以下のようなある特殊な構造にすることによ
り、障壁層21中のX点に捕われた電子を再びΓ点の準
位に戻すことができるようになる。
【0015】まず、第1の実施形態の超格子半導体発光
素子10における真性半導体i層15のエネルギーバン
ド構造について説明する。真性半導体i層15は、各障
壁層21の厚さが各量子井戸層22の厚さに比較して薄
い半導体超格子構造を有しており、図2は、真性半導体
i層15の逆バイアス電圧Vbに対するエネルギーバン
ド図であり、図3は、真性半導体i層15の厚さ方向の
位置に対するエネルギーバンド図である。
【0016】図2及び図3において、Γは、量子井戸層
22において、波数ベクトルk=0又は(000)とな
るときの波数ベクトルk空間における伝導帯下端の点で
あり、Xは、障壁層21において、波数ベクトルk=
(100)となるときの波数ベクトルk空間における伝
導帯下端の点である。また、障壁層21がバルク型半導
体でないときの1次の第1準位、2次の第2準位、…の
X点をそれぞれX1点、X2点、…と示す一方、量子井
戸層22がバルク型半導体でないときの1次の第1準
位、2次の第2準位、…のΓ点をそれぞれΓ1点、Γ2
点、…と示している。さらに、図2及び図3において、
Γ2(0)は量子井戸層22−0におけるΓ2点を示
し、Γ2(1)は量子井戸層22−1におけるΓ2点を
示し、以下同様である。また、X1(1/2)は、量子
井戸層22−0と量子井戸層22−1との間の障壁層2
1−1におけるX1点を示し、X1(1・1/2)は、
量子井戸層22−1と量子井戸層22−2との間の障壁
層21−2におけるX1点を示し、以下同様である。
【0017】図2から明らかなように、逆バイアス電圧
Vbを高くすることにより、各層21,22における閉
じ込め効果は弱くなり、各X点及び各Γ点における準位
エネルギーは低下してくることがわかる。また、図2の
グラフからさらに、次のことがわかる。すなわち、第1
の実施形態では、逆バイアス電圧Vb≒17V(第1の
逆バイアス電圧Vb1)の所定の値において、量子井戸
層22−1の第1準位Γ1(1)と、量子井戸層22−
1に隣接する障壁層21−2の第1準位X1(1・1/
2)とを実質的に一致させ、量子井戸層22−1の第1
準位Γ1(1)と障壁層21−2の第1準位X1(1・
1/2)とを共鳴させている。また、逆バイアス電圧V
b≒34V(第2の逆バイアス電圧Vb2)の所定の値
において、障壁層21−1の第1準位X1(1/2)
と、障壁層21−1に隣接する量子井戸層22−1の第
2準位Γ2(1)とを実質的に一致させ、障壁層21−
1の第1準位X1(1/2)と量子井戸層22−1の第
2準位Γ2(1)とを共鳴させている。
【0018】図2においては、量子井戸層22−1及び
障壁層21−1,21−2のエネルギー準位を用いて説
明したが、真性半導体i層15は量子井戸層22と障壁
層21とが交互に積層された周期構造を有するので、上
述した共鳴関係は、量子井戸層22−n及び障壁層21
−n(n=1,2,…,N)について一般的に成り立
つ。すなわち、第1の実施形態において、真性半導体i
層15の量子井戸層22と障壁層21の各厚さは、以下
の(1)及び(2)の条件を満足するように設定する。 (1)所定の第1の逆バイアス電圧Vb1において、量
子井戸層22−nの第1準位Γ1点と、量子井戸層22
−nに隣接する障壁層21−(n+1)の第1準位X1
点とが実質的に一致し、量子井戸層22−nの第1準位
Γ1点と障壁層21−(n+1)の第1準位X1点とが
共鳴(以下、第1の共鳴という。)する。ここで、n=
0,1,2,…,N−1である。 (2)第1の逆バイアス電圧Vb1より高い所定の第2
の逆バイアス電圧Vb2において、障壁層21−nの第
1準位X1点と、障壁層21−nに隣接する量子井戸層
22−nの第2準位Γ2点とが実質的に一致し、障壁層
21−nの第1準位X1点と量子井戸層22−nの第2
準位Γ2点とが共鳴(以下、第2の共鳴という。)す
る。ここで、n=0,1,2,…,Nである。
【0019】以上のように構成された超格子構造を有す
る真性半導体i層15においては、まず、図1に示すよ
うに、電極11の孔からp型キャップ層13とi型クラ
ッド層14を介して、真性半導体i層15の量子井戸層
22−0に光を入射する。これによって、量子井戸層2
2−0の価電子帯の電子を量子井戸層22−0の第1準
位Γ1点に遷移させて、当該第1準位Γ1点に電子であ
るキャリアを生成する。以上の状態で、印加する逆バイ
アス電圧Vbを増加させていくと以下のような動作をす
る。すなわち、印加する逆バイアス電圧が比較的低い場
合には、量子井戸層22−0の第1準位Γ1点の電子
は、連続したトンネル効果によって、順次、量子井戸層
22−n(n=1,2,…,N−1)の第1準位Γ点か
ら量子井戸層22−(n+1)の第1準位Γ点へ効率よ
く電子が伝導されて電流が流れる。このとき、量子井戸
層22の第1準位Γ1点の電子の一部は、当該量子井戸
層22の価電子帯における正孔準位hh1の正孔と再結
合して、第1の光を発生する。ここで、第1の光は、量
子井戸層22の第1準位Γ1点と当該量子井戸層22の
価電子帯における正孔準位hh1との間のエネルギー差
に対応したエネルギーを有し、比較的長い波長を有す
る。また、価電子帯における正孔準位hh1は、いわゆ
る重い正孔の正孔準位であって、外部から注入された正
孔のうち多くの正孔が正孔準位hh1に分布する。
【0020】さらに、逆バイアス電圧Vbを上昇させ
て、逆バイアス電圧Vbが17V以上になると、第1の
共鳴により、量子井戸層22−nの第1準位Γ1点の電
子は、図3において矢印201,203で示すように、
障壁層21−(n+1)の第1準位X1点にトラップさ
れるようになる。これによって、量子井戸層22−nに
おいて、第1準位Γ1点と正孔準位hh1との間で再結
合することにより発光に寄与していた電子は、再結合す
る前に障壁層21−(n+1)の第1準位X1点にトラ
ップされるようになり、第1の光の発光は急激に減少す
るようになる。さらに逆バイアス電圧Vbを増加させる
と34V前後から、第2の共鳴により、障壁層21−n
の第1準位X1点の電子は、図3において矢印202,
204で示すように、量子井戸層22−nの第2準位Γ
2点の準位に急激に掃き出されるようになり、量子井戸
層22−nの第2準位Γ2点の準位に電子であるキャリ
アを注入できる。
【0021】量子井戸層22−nの第2準位Γ2点の準
位に注入された電子のうち多くの電子は、障壁層21−
nの第1準位X1点と量子井戸層22−nの第2準位Γ
2点のエネルギー差が小さいときには、すなわち、第2
の共鳴の共鳴点付近では、当該第1準位X1点と当該第
2準位Γ2点との間を行き来して、比較的長い時間当該
第1準位X1点及び当該第2準位Γ2点に留どまる。ま
た、量子井戸層22−nの第2準位Γ2点の準位に注入
された電子のうちの一部の電子は、図3において矢印3
02,304に示すように、量子井戸層22−nの第1
準位Γ1点に緩和するが、緩和した電子は障壁層21−
(n+1)の第1準位X1点を介して、量子井戸層22
−(n+1)の第2準位Γ2点に注入される。これは、
量子井戸層22−nの第1準位Γ1点から障壁層21−
(n+1)の第1準位X1点への緩和時間は数100フ
ェムト秒と非常に短く、量子井戸層22−nの第1準位
Γ1点から障壁層21−(n+1)の第1準位X1点へ
の散乱確率が非常に高いからである。
【0022】以上のようにして、逆バイアス電圧Vb≒
34V(第2の逆バイアス電圧Vb2)において、量子
井戸層22−nの第2準位Γ2点の電子の数を、量子井
戸層22−nの第1準位Γ1点の電子の数に比較して、
大きくすることができる。そしてさらに逆バイアス電圧
Vbを高くすると、量子井戸層22−nの第2準位Γ2
点に注入された電子は、図3において矢印301,30
3で示すように、価電子帯の正孔準位hh1の正孔と再
結合して、当該第2準位Γ2点と価電子帯の正孔準位h
h1との間のエネルギー差に対応したエネルギーを有す
る第2の光を発光する。ここで、量子井戸層22−nの
第2準位Γ2点と、正孔準位hh1との間のエネルギー
差は、量子井戸層22−nの第1準位Γ1点と、正孔準
位hh1との間のエネルギー差に比較して大きいので、
第2の光は、第1の光のエネルギーより大きいエネルギ
ーを有し、第2の光の波長は、第1の光の波長より短く
なる。
【0023】この真性半導体i層15で発生された第2
の光は、第1の実施形態においては、図1に示すよう
に、真性半導体i層15から直接、出力するように構成
する。具体的には、例えば、通常のストライプ型レーザ
ダイオード又は発光ダイオードにおける構成と同様に、
超格子半導体発光素子10の側方から光を出力させる。
しかしながら、本発明はこれに限らず、i型クラッド層
14とp型キャップ層13とを介して、電極11に設け
られた孔から第2の光を出力するようにしてもよいし、
i型クラッド層16とn型バッファ層17とn型半導体
基板20とを介して、n型半導体基板20側から出力す
るように構成してもよい。n型半導体基板20側から出
力するように構成した場合には、i型クラッド層16と
n型バッファ層17とn型半導体基板20とをそれぞ
れ、光を透過するように薄く形成し、かつ電極12に電
極11と同様に孔を形成して、当該孔から発生した光を
出力する。
【0024】本発明者らは、上述した動作を確認するた
めに、図2に示したエネルギー準位を有する真性半導体
i層15を試作して、その発光特性を評価した。その結
果を図4のグラフに示す。ここで、真性半導体i層15
は、22原子層のGaAsにてなる量子井戸層22と、
18原子層のAlAsにてなる障壁層21とを交互に、
100周期(すなわち100対)で積層して形成した。
図4のグラフでは、逆バイアス電圧Vbを30Vから4
4Vの間において1Vのステップで変化させ、それぞれ
の逆バイアス電圧Vbにおける真性半導体i層15の発
光特性を示している。図4から明らかなように、印加す
る逆バイアス電圧Vbが35V以上の時に、波長が67
0nmから680nmの比較的波長の短い光が観測され
ている。この真性半導体i層15の量子井戸層22にお
ける第1準位Γ1と正孔準位hh1との間の遷移による
第1の光の波長は、765nmであることが確認されて
おり、図4に示した、670nmから680nmの間の
比較的短い波長を有する光は、量子井戸層22における
第2準位Γ2点と正孔準位hh1の間の遷移による第2
の光であることがわかる。すなわち、第1の実施形態で
は、電極11,12の間に、第2の共鳴の共鳴点におけ
る第2の逆バイアス電圧Vb2以上の所定の逆バイアス
電圧Vbを印加することにより、670nmから680
nmの間の比較的短い波長を有する光を発生することが
できる。
【0025】以上のように、第1の実施形態の超格子半
導体発光素子10は、所定の第1の逆バイアス電圧Vb
1を電極11,12の間に印加したときに、量子井戸層
22−nの第1準位Γ1点と隣接する障壁層21−(n
+1)の第1準位X1点とが共鳴するように、かつ第1
の逆バイアス電圧Vb1より高い所定の第2の逆バイア
ス電圧Vb2を2つの電極11,12間に印加したとき
に、障壁層21ー(n+1)の第1準位X1点と障壁層
21−(n+1)に隣接する量子井戸層22−(n+
1)の第2準位Γ2点とが互いに共鳴するように、各障
壁層21の厚さと各量子井戸層22の厚さとを設定して
いる。これによって、所定の第2の逆バイアス電圧Vb
2以上の逆バイアス電圧Vbを電極11,12の間に印
加することにより、量子井戸層22−nの第2準位Γ2
点の電子を量子井戸層22−nの正孔準位hh1の正孔
と再結合させることができ、量子井戸層22−nの第2
準位Γ2と量子井戸層22−nの正孔準位hh1との間
のエネルギー差に対応したエネルギーを有する、第1の
光に比べて波長の短い第2の光を発生することができ
る。
【0026】また、第1の実施形態の超格子半導体発光
素子10において、例えば、第2の光に対して大きな反
射率を有する誘電体材料からなる反射膜を、真性半導体
i層15の厚さ方向と垂直な2つの側面に設けることに
より、発光効率を高めて誘導放出を誘因することにより
レーザ発光を行うことができる。
【0027】さらに、第1の実施形態の超格子半導体発
光素子10において、電極11の孔からp型キャップ層
13とi型クラッド層14とを介して、量子井戸層22
−0に所定の波長の光を照射して、量子井戸層22−0
の価電子帯の電子を量子井戸層22−0の第1準位Γ1
点に遷移させ、かつ超格子半導体発光素子10の電極1
1,12の間に、第2の逆バイアス電圧Vb2以上の所
定の逆バイアス電圧Vbを印加することにより、量子井
戸層22−nの第2準位Γ2点と量子井戸層22−nの
正孔準位hh1との差のエネルギー差に対応したエネル
ギーを有する第2の光を発生させることができる。この
場合、量子井戸層22−0に照射する光は、量子井戸層
22−0の正孔準位hh1と第1準位Γ1点との差より
大きいエネルギーを有していれば、第2の光の波長より
長い波長の光でよい。すなわち、第1の実施形態の超格
子半導体発光素子10は、所定の波長の光を照射して照
射した光の波長に比べて短い波長を有する第2の光を発
生することができ、光の領域における一種のアップコン
バータとして使用できる。
【0028】以上の第1の実施形態において、真性半導
体i層15の量子井戸層22と障壁層21の各厚さは、
電極11,12の間に所定の第1の逆バイアス電圧Vb
1を印加したときに、量子井戸層22−nの第1準位Γ
1点と障壁層21−(n+1)の第1準位X1点とが共
鳴するように、かつ電極11,12の間に所定の第2の
逆バイアス電圧Vb2を印加したときに、障壁層21−
nの第1準位X1点と量子井戸層22−nの第2準位Γ
2点とが共鳴するように、設定している。これによっ
て、上述したように、逆バイアス電圧Vbを17V前後
の所定の電圧に設定したとき、第1の共鳴によって、第
1の光の発光を急激に減少させて実質的に発光を停止さ
せることができ、一方、逆バイアス電圧Vbを34V以
上の所定の値に設定することにより、第2の共鳴によ
り、第2の光を発光させることができる。すなわち、第
1の実施形態の超格子半導体発光素子10は、電極1
1,12の間に印加する逆バイアス電圧Vbを変化させ
ることにより、超格子半導体発光素子10の発光をオン
・オフさせることができる。
【0029】以上の第1の実施形態において、真性半導
体i層15における各両端の層は、量子井戸層21であ
ってもよいし、障壁層22でもあってもよい。
【0030】<第2の実施形態>図5は第2の実施形態
の超格子半導体発光素子10aの構成を示す縦断面図で
ある。図5の超格子半導体発光素子10aは、以下の
(1)(2)以外は、図1の超格子半導体発光素子10
と同様に構成される。 (1)図1の超格子半導体発光素子10の電極11に代
えて中央部に孔のない電極11aを形成する。 (2)そして、電極11aは可変直流電源30の正極に
接続され、電極12は可変直流電源30の負極に接続さ
れることによって、超格子半導体発光素子10aの電極
11a,12間に所定の順方向のバイアス電圧が印加さ
れる。
【0031】以上のように構成された超格子半導体発光
素子10aに順方向のバイアス電圧を印加すると、真性
半導体i層15には、図3とは逆の傾斜を有する井戸型
ポテンシャルが形成されて、電子は量子井戸層22−N
から量子井戸層22−0の方向に流れるようになる。こ
の場合、真性半導体i層15においては、第1の逆バイ
アス電圧Vb1と等しい大きさの所定の順方向のバイア
ス電圧を電極11a,12の間に印加したときに、量子
井戸層22−nの第1準位Γ1点と隣接する障壁層21
−nの第1準位X1点とが共鳴し、かつ第2の逆バイア
ス電圧Vb2と等しい大きさの所定の順方向のバイアス
電圧を2つの電極11a,12間に印加したときに、障
壁層21−nの第1準位X1点と障壁層21−nに隣接
する量子井戸層22−(n−1)の第2準位Γ2点とが
互いに共鳴する。
【0032】従って、可変直流電源30によって、所定
の順方向のバイアス電圧を電極11,12に印加する一
方、p型キャップ層13とi型クラッド層14とを介し
て、真性半導体i層15に電流を注入することにより、
第1の実施形態と同様に、量子井戸層22−nの第2準
位Γ2点の電子を量子井戸層22−nの正孔準位hh1
の正孔と再結合させることができ、量子井戸層22−n
の第2準位Γ2点と量子井戸層22−nの正孔準位hh
1との間のエネルギー差に対応したエネルギーを有する
第2の光を発生することができる。また、第1の実施形
態と同様に、電極11a,12の間に印加するバイアス
電圧を変化させることにより、超格子半導体発光素子1
0aの発光をオン・オフさせることができる。
【0033】以上の第2の実施形態は、第1の実施形態
と同様の効果を有するとともに、光を照射することな
く、量子井戸層22−nの第2準位Γ2点と量子井戸層
22−nの正孔準位hh1との間のエネルギー差に対応
したエネルギーを有する第2の光を発生することができ
る。
【0034】<変形例>以上の第1と第2の実施形態で
は、上述したように、GaAsを用いて超格子半導体発
光素子10を形成したが、本発明はこれに限らず、Ga
Asに比較して禁制帯幅の大きいAlGaInP等の他
の化合物半導体材料を用いて超格子半導体発光素子を構
成してもよい。以上のように構成しても、第1と第2の
実施形態と同様の効果を有するとともに、第1と第2の
実施形態に比較して、波長の短い光を発生して出力する
ことができる。
【0035】以上の第1の実施形態では、第1の共鳴に
おける第1の逆バイアス電圧Vb1を約17Vに設定
し、第2の共鳴における第2の逆バイアス電圧Vb2を
約34Vに設定したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、第1の逆バイアス電圧Vb1<第2の逆バイ
アス電圧Vb2を満足するように任意の値に設定でき
る。また、第1の逆バイアス電圧Vb1と第2の逆バイ
アス電圧Vb2とを比較的離れた値になるように設定し
ているが、本発明はこれに限らず、互いに近接するよう
に設定してもよい。このことは、第2の実施形態につい
ても同様である。以上のように構成しても第1と第2の
実施形態と同様の効果を有する。
【0036】以上の第1と第2の実施形態では、所定の
第2の逆バイアス電圧Vb2又は所定のバイアス電圧を
印加したときに、障壁層21−nの第1準位X1点と量
子井戸層22−nの第2準位Γ2点とが共鳴するよう
に、障壁層21の厚さと量子井戸層22の厚さとを設定
した。しかしながら、本発明はこれに限らず、所定の逆
バイアス電圧Vb又は所定のバイアス電圧を印加したと
きに、障壁層21−nの第1準位X1点と量子井戸層2
2−nの3次以上のΓ点の準位とが共鳴するように、障
壁層21の厚さと量子井戸層22の厚さとを設定しても
よい。以上のように構成することにより、第1と第2の
実施形態の第2の光に比べて波長の短い、量子井戸層2
2−nの3次以上のΓ点の準位と当該量子井戸層22−
nの正孔準位hh1とのエネルギー差に対応したエネル
ギーを有する光を発生させることができる。
【0037】以上の第1の実施形態の超格子半導体発光
素子10において、電極11の孔からp型キャップ層1
3とi型クラッド層14とを介して、量子井戸層22−
0に所定の波長の光を照射して、量子井戸層22−0の
価電子帯の電子を量子井戸層22−0の第1準位Γ1点
に遷移させ、かつ超格子半導体発光素子10の電極1
1,12の間に、所定の逆バイアス電圧Vbの電圧を印
加することにより、量子井戸層22−nの第2準位Γ2
点と量子井戸層22−nの正孔準位hh1との差のエネ
ルギー差に対応したエネルギーを有する第2の光を発生
させた。しかしながら、本発明はこれに限らず、量子井
戸層22−0に所定の波長の光を照射して、量子井戸層
22−0の価電子帯の電子を量子井戸層22−0の2次
以上のΓ点に遷移させ、かつ超格子半導体発光素子10
の電極11,12の間に、所定の逆バイアス電圧Vbの
電圧を印加することにより、量子井戸層22−nの第2
準位Γ2点と量子井戸層22−nの正孔準位hh1との
差のエネルギー差に対応したエネルギーを有する第2の
光を発生させてもよい。以上のように構成しても、第1
の実施形態と同様の効果を有する。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の超格子半導
体発光素子は、2つの電極間に、障壁層と量子井戸層と
が交互に積層されてなる超格子構造を有する真性半導体
i層を挟設してなるpin型ダイオード素子を備え、所
定の第1の逆バイアス電圧を上記2つの電極間に印加し
たときに、上記障壁層のX点の準位と当該障壁層の一方
の側に隣接する量子井戸層のΓ点の準位とが互いに共鳴
して当該Γ点の準位の電子が当該X点の準位にトラップ
されるように、かつ上記第1の逆バイアス電圧より高い
所定の第2の逆バイアス電圧を上記2つの電極間に印加
したときに、当該X点の準位と当該障壁層の他方の側に
隣接する量子井戸層の2次以上のΓ点の準位とが、互い
に共鳴するように、上記各障壁層の厚さと上記各量子井
戸層の厚さとを設定し、上記2つの電極間に上記第2の
逆バイアス電圧以上の逆バイアス電圧を印加することに
より、上記量子井戸層の2次以上のΓ点の準位に電子を
注入して、当該電子を当該量子井戸層の価電子帯の正孔
と再結合させて発光させている。これによって、禁制帯
幅以上のエネルギーを有する光を発生することができ、
従来の発光ダイオードに比較して波長の短い光を発生す
ることができる。
【0039】また、請求項2記載の超格子半導体発光素
子は、上記pin型ダイオード素子のp層側から光が入
射されたときに、光が入射された量子井戸層の価電子帯
の電子を、当該量子井戸層の1次のΓ点の準位及び2次
以上のΓ点の準位のうちの少なくとも1つの準位に遷移
させているので、当該量子井戸層以外の量子井戸層の2
次以上のΓ点の準位に電子を注入することができ、上記
量子井戸層の2次以上のΓ点の準位にある電子を、当該
量子井戸層の価電子帯の正孔と再結合させて発光させる
ことができる。
【0040】さらに、請求項3記載の超格子半導体発光
素子は、上記光が入射された量子井戸層の価電子帯の電
子を、当該量子井戸層の1次のΓ点の準位に遷移させる
ことにより、当該量子井戸層以外の上記量子井戸層の2
次以上のΓ点の準位に電子を注入して発光する。これに
よって、入射された光より短い波長を有する光を発生す
ることができる。
【0041】本発明に係る請求項4記載の超格子半導体
発光素子は、2つの電極間に、障壁層と量子井戸層とが
交互に積層されてなる超格子構造を有する真性半導体i
層を挟設してなるpin型ダイオード素子を備え、所定
の順方向の第1のバイアス電圧を上記2つの電極間に印
加したときに、上記障壁層のX点の準位と当該障壁層の
一方の側に隣接する量子井戸層のΓ点の準位とが互いに
共鳴して当該Γ点の準位の電子が当該X点の準位にトラ
ップされるように、かつ上記第1のバイアス電圧より高
い所定の順方向の第2のバイアス電圧を上記2つの電極
間に印加したときに、当該X点の準位と当該障壁層の他
方の側に隣接する量子井戸層の2次以上のΓ点の準位と
が、互いに共鳴するように、上記各障壁層の厚さと上記
各量子井戸層の厚さとを設定し、上記2つの電極間に上
記第2のバイアス電圧以上の順方向のバイアス電圧を印
加することにより、上記量子井戸層の2次以上のΓ点の
準位に電子を注入して、当該電子を当該量子井戸層の価
電子帯の正孔と再結合させて発光させている。これによ
って、禁制帯幅以上のエネルギーを有する光を発生する
ことができ、従来の発光ダイオードに比較して波長の短
い光を発生することができる。
【0042】本発明に係る請求項5記載の超格子半導体
発光素子の発光をオン・オフする方法は、請求項1乃至
4のうちの1つに記載の超格子半導体発光素子の発光を
オン・オフする方法であって、上記直流電源による上記
2つの電極に印加される逆バイアス電圧又はバイアス電
圧を変化することにより、上記超格子半導体発光素子の
発光をオン・オフさせる。これによって、比較的高速で
発光をオン・オフすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である超格子半
導体発光素子10を示す断面図である。
【図2】 図1の超格子半導体発光素子10に対して逆
バイアス電圧Vbを印加したときの真性半導体i層の各
点における準位エネルギーを示すエネルギーバンド図で
ある。
【図3】 図1の超格子半導体発光素子10の真性半導
体i層の厚さ方向の位置に対する準位エネルギーを示す
エネルギーバンド図である。
【図4】 図1の超格子半導体発光素子10の発光特性
を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る第2の実施形態である超格子半
導体発光素子10aを示す断面図である。
【符号の説明】
10,10a…超格子半導体発光素子、 11,12…電極、 13…p型キャップ層、 14…i型クラッド層、 15…超格子構造を有する真性半導体i層、 16…i型クラッド層、 17…n型バッファ層、 20…n型半導体基板、 21−0乃至21−N…障壁層、 22−0乃至22−N…量子井戸層、 30…可変直流電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三村 秀典 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール光 電波通信研究所内 (72)発明者 大谷 直毅 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール光 電波通信研究所内 (72)発明者 渡辺 敏英 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール光 電波通信研究所内 (56)参考文献 特開 平5−218577(JP,A) 特開 平4−211188(JP,A) 特開 平6−164067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 33/00 H01S 3/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの電極間に、障壁層と量子井戸層と
    が交互に積層されてなる超格子構造を有する真性半導体
    i層を挟設してなるpin型ダイオード素子を備えた発
    光素子であって、 所定の第1の逆バイアス電圧を上記2つの電極間に印加
    したときに、上記障壁層のX点の準位と当該障壁層の一
    方の側に隣接する量子井戸層のΓ点の準位とが互いに共
    鳴して当該Γ点の準位の電子が当該X点の準位にトラッ
    プされるように、かつ上記第1の逆バイアス電圧より高
    い所定の第2の逆バイアス電圧を上記2つの電極間に印
    加したときに、当該X点の準位と当該障壁層の他方の側
    に隣接する量子井戸層の2次以上のΓ点の準位とが、互
    いに共鳴するように、上記各障壁層の厚さと上記各量子
    井戸層の厚さとを設定し、 上記2つの電極間に上記第2の逆バイアス電圧以上の逆
    バイアス電圧を印加することにより、上記量子井戸層の
    2次以上のΓ点の準位に電子を注入して、当該電子を当
    該量子井戸層の価電子帯の正孔と再結合させて発光させ
    ることを特徴とする超格子半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 上記pin型ダイオード素子のp層側か
    ら光が入射されたときに、光が入射された量子井戸層の
    価電子帯の電子を、当該量子井戸層の1次のΓ点の準位
    及び2次以上のΓ点の準位のうちの少なくとも1つの準
    位に遷移させることにより、当該量子井戸層以外の量子
    井戸層の2次以上のΓ点の準位に電子を注入して発光す
    ることを特徴とする請求項1記載の超格子半導体発光素
    子。
  3. 【請求項3】 上記光が入射された量子井戸層の価電子
    帯の電子を、当該量子井戸層の1次のΓ点の準位に遷移
    させることにより、当該量子井戸層以外の上記量子井戸
    層の2次以上のΓ点の準位に電子を注入して発光するこ
    とを特徴とする請求項2記載の超格子半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 2つの電極間に、障壁層と量子井戸層と
    が交互に積層されてなる超格子構造を有する真性半導体
    i層を挟設してなるpin型ダイオード素子を備えた発
    光素子であって、 所定の順方向の第1のバイアス電圧を上記2つの電極間
    に印加したときに、上記障壁層のX点の準位と当該障壁
    層の一方の側に隣接する量子井戸層のΓ点の準位とが互
    いに共鳴して当該Γ点の準位の電子が当該X点の準位に
    トラップされるように、かつ上記第1のバイアス電圧よ
    り高い所定の順方向の第2のバイアス電圧を上記2つの
    電極間に印加したときに、当該X点の準位と当該障壁層
    の他方の側に隣接する量子井戸層の2次以上のΓ点の準
    位とが、互いに共鳴するように、上記各障壁層の厚さと
    上記各量子井戸層の厚さとを設定し、 上記2つの電極間に上記第2のバイアス電圧以上の順方
    向のバイアス電圧を印加することにより、上記量子井戸
    層の2次以上のΓ点の準位に電子を注入して、当該電子
    を当該量子井戸層の価電子帯の正孔と再結合させて発光
    させることを特徴とする超格子半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうちの1つに記載の超
    格子半導体発光素子の発光をオン・オフする方法であっ
    て、 上記2つの電極に印加される逆バイアス電圧又はバイア
    ス電圧を変化することにより、上記超格子半導体発光素
    子の発光をオン・オフさせることを特徴とする超格子半
    導体発光素子の発光をオン・オフする方法。
JP6789396A 1996-03-25 1996-03-25 超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方法 Expired - Lifetime JP2877747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6789396A JP2877747B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6789396A JP2877747B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09260723A JPH09260723A (ja) 1997-10-03
JP2877747B2 true JP2877747B2 (ja) 1999-03-31

Family

ID=13358037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6789396A Expired - Lifetime JP2877747B2 (ja) 1996-03-25 1996-03-25 超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2877747B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010011207A1 (en) * 2008-07-25 2010-01-28 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Light-emitting devices

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09260723A (ja) 1997-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7539227B2 (en) External cavity surface emitting laser device having a plurality of quantum wells
JPH03191579A (ja) オプトエレクトロニクス・デバイス
US20060215718A1 (en) Quantum cascade laser
US7030407B2 (en) Photon emitter and data transmission device
JP2008060396A (ja) 量子カスケードレーザ
Barbieri et al. Design strategies for GaAs-based unipolar lasers: optimum injector-active region coupling via resonant tunneling
US5877510A (en) Spin polarized electron semiconductor source and apparatus utilizing the same
US7539229B2 (en) Surface emitting laser device having double channeled structure
US7266279B1 (en) Optically pumped stepped multi-well laser
JP2002134835A (ja) トンネル接合面発光レーザ
US20140227007A1 (en) Surface-emitting laser and image forming apparatus using the same
US6483100B1 (en) Photonic device
JP2877747B2 (ja) 超格子半導体発光素子とその発光をオン・オフする方法
EP0279815B1 (en) Quantum well laser with charge carrier density enhancement
US7756176B2 (en) Interband tunneling intersubband transition semiconductor laser
US8143615B2 (en) Electron beam emitting device with a superlattice structure
JP4620007B2 (ja) アバランシェ量子サブバンド遷移半導体レーザ
JP5740865B2 (ja) 半導体発光素子
WO2002021642A2 (en) Infrared generation in semiconductor lasers
JP2941270B1 (ja) 超格子半導体発光装置
JP2765629B2 (ja) 負性抵抗を有する超格子半導体装置と負性抵抗を変化するための方法及びマイクロ波発振回路
JP2877750B2 (ja) 超格子半導体発光素子
JP2950801B2 (ja) 超格子半導体装置
JP2011151249A (ja) 量子カスケードレーザ
JP3223969B2 (ja) 半導体レーザ