JP2950677B2 - 鉛又は有機錫化合物を含む安定化されたハロゲン化ポリマー組成物 - Google Patents

鉛又は有機錫化合物を含む安定化されたハロゲン化ポリマー組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ハロゲン化されたポリマー及び
より特定には、塩素化されたポリマーに基づく新規の安
定化された組成物に関する。
【0002】塩素化されたポリマー及び特にポリ塩化ビ
ニル(PVC)は、加熱により処理される場合、脱塩酸
化し、塩酸を開放する傾向があり;これは、前記ポリマ
ーの色彩の原因であるポリエン二重結合の形成をもたら
す。
【0003】多くの添加剤は、一方では、塩酸の形成を
制限し、又はそれを固定し、そして他方、ポリエン二重
結合の生成反応を遅めることが知られている。
【0004】F.Chevassus(1957-Amphora出版)による
“ポリ塩化ビニルの安定化”の研究が言及されている。
これまで知られており、そしてひじょうに広く使用され
る化合物の中には、鉛化合物及び有機第二錫化合物が言
及される。
【0005】それらの毒性のために、鉛化合物は、塩素
化されたポリマーの非消化性用途、特にたとえば種々の
形材、たとえばパイプ、建築産業のための形材のための
配合物又は電線の保護のための配合物に制限される。有
機第二錫化合物は、消化性又は非消化性であるので、塩
素化されたポリマーの主要用途に用いられる。塩素化さ
れたポリマー及びより特定には、ほとんどの場合、PV
Cの許容できる安定化は、補足的及び時々、相剰的態様
で作用する多くの安定剤の使用を必要とする。
【0006】本発明は、塩素化されたポリマーに基づく
安定化された組成物に関し、ここで、それらは、 a)有効量の少なくとも1種の鉛化合物又は少なくとも
1種の有機錫化合物、及び b)下記一般式(I):
【化3】 〔式中、yは0<y≦1.7であるような整数又は分数
でのモル数を表わし、xは、0<x≦0.7であるよう
な整数又は分数でのモル数を表わし、zは、3以上の又
は3に等しい整数又は分数を表わす〕により全体的に示
される、有効量の少なくとも1種の非晶性の塩基性アル
ミニウムマグネシウムカーボネートを含むことを特徴と
する。
【0007】実質的に非晶質の塩基性アルミニウムマグ
ネシウムカーボネートは、従来技術のマナセアイトに比
べて、非結晶性化合物であり、その一次元構造体の分析
は一般的に、アルミニウム担持のカーボネートの一原子
層を交互に有するブルース石タイプの一原子MgO層と
して解釈される。
【0008】X回折分析によれば、本発明の塩基性アル
ミニウムマグネシウムカーボネートは、非晶質性塩基性
アルミニウムカーボネート及び又は非晶性水酸化アルミ
ニウムにより囲まれる酸化マグネシウム、水酸化マグネ
シウム又は炭酸マグネシウムから成る。非晶質又は実質
的に非晶質の化合物は本明細書に言及され、すなわち酸
化マグネシウム又は水酸化マグネシウムは結晶構造を有
するが、しかし完全な式(I)の化合物は結晶性構造を
有さない。
【0009】結果として、式(I)において、非晶質と
は、多くとも1/4、好都合には1/10、好ましくは
1/20、最っとも好ましくは1/100のアルミニウ
ムが非−非晶質形(すなわち結晶形)で存在し、好まし
くはマグネシウム担持種は結晶性であることを意味す
る。
【0010】本発明によれば、アルミニウム種の結晶性
になることを妨げるためには、以下に示すアルミニウム
マグネシウムカーボネートの同時沈澱物を形成する際
に、この同時沈澱物にポリオール、好ましくは6個の炭
素原子のポリオール、最っとも好ましくは糖を添加する
ことが好都合である。糖の中で好ましいものは、ソルビ
トールの種類である。ポリオールの重量による濃度は、
式(I)の非晶質塩基性アルミニウムマグネシウムカー
ボネートの重量に対して、0.1〜20%、一般的には
少なくとも0.25%、好ましくは1〜10%の範囲で
存在する。
【0011】式(I)の非晶質塩基性アルミニウムマグ
ネシウムカーボネートが、マグネシウム誘導体、たとえ
ば水酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムによる塩基
性炭酸アルミニウム(又はアルミニウムヒドロキシ−カ
ーボネート)の必要な割合での同時沈殿により調製され
得る。
【0012】そのようにして得られた同時沈殿物は安定
剤としてのそれらの性質のためには必要ではないが、そ
れは、式(I)の塩基性アルミニウムマグネシウムカー
ボネートの粒子のある種の被膜を形成する種々の化合物
に添加されて来た。
【0013】従って、たとえばステアリン酸又はその誘
導体の1つ、特に金属ステアレート又はポリオール、た
とえばソルビトールを添加することが可能である。これ
らの化合物は、塩基性アルミニウムマグネシウムカーボ
ネートの分散を改良し、又は適切な場合、前記カーボネ
ートの安定性を改良することを可能にする。塩基性アル
ミニウムマグネシウムカーボネートの乾燥は、湿分に関
して、必要とされる規格を達成するために行なわれる。
【0014】本発明の組成物は、一般的に、塩素化され
たポリマーの重量に対して、式(I)の非晶性塩基性ア
ルミニウムマグネシウムカーボネート0.005〜5重
量%及び好ましくは0.01〜2重量%を含む。
【0015】塩素化されたポリマーは特に、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニルから
得られた塩化ビニル単位主要部と他のモノマーを含むコ
ポリマー及び主要部が塩化ビニルから得られるポリマ
ー又はコポリマーの混合物、からなる群より選択され
。一般的な規則として、その調製方法、すなわちバル
ク重合、懸濁重合、エマルジョン重合又はいづれかの他
のタイプの重合が何であれ、そしてその極限粘度数が何
であれ、いづれのタイプのPVCでも適切である。塩化
ビニルホモポリマーはまた、たとえば塩素化により化学
的に変性され得る。
【0016】多くの塩化ビニルコポリマーはまた、熱の
効果、すなわち黄化及び劣化に対して安定化され得る。
それらは、特に、重合可能なエチレン性結合を有する他
のモノマー、たとえば酢酸ビニル又は塩化ビニリデン、
マレイン酸又はフマル酸又はそれらのエステル、オレフ
ィン、たとえばエチレン、プロピレン及びヘキセン、ア
クリル酸又はメタクリル酸エステル、スチレン及びビニ
ルエーテル、たとえばビニルドデシルエーテルと塩化ビ
ニルとの共重合により得られるコポリマーである。
【0017】これらのコポリマーは通常、塩化ビニル単
位少なくとも50重量%及び好ましくは少なくとも80
重量%を含む。本発明の組成物はまた、少量の他のポリ
マー、たとえばハロゲン化されたポリオレフィン又はア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーを含
む塩素化されたポリマーに基づく混合物も含むことがで
きる。
【0018】単独で又は他のポリマーと共に混合された
PVCは、本発明の組成物に最っとも広く使用される塩
素化されたポリマーである。鉛化合物はしばしば、無機
化合物であるが、しかしまた、有機化合物でもある。そ
れらは特に、Leonard I.Nass, Encyclopedia of PVC (1
976)299 〜303 ページに記載される。
【0019】それらはひじょうに多様な化合物であり、
それらのうち、次の化合物が最っとも通常に使用され
る:二塩基性炭酸鉛、三塩基性硫酸鉛、四塩基性硫酸
鉛、二塩基性亜リン酸鉛、鉛オルトシリケート、塩基性
珪酸鉛、珪酸鉛及び硫酸塩の同時沈殿物、塩基性鉛クロ
ロシリケート、シリカゲル及び鉛オルトシリケートの同
時沈殿物、二塩基性フタル酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩
基性ステアリン酸鉛、四塩基性フマル酸鉛、二塩基性マ
レイン酸鉛、鉛2−エチルヘキサノエート及びラウリン
酸鉛。
【0020】本発明の組成物中の鉛化合物の量は、一般
的に、塩素化されたポリマーの重量に対して0.005
〜5重量%及び好ましくは0.05〜2重量%である。
鉛化合物を含む本発明の組成物はまた、有機カドニウム
及びバリウム化合物を含むことができる。有機カドニウ
ム及びバリウム化合物は、特にカドニウムカルボキシレ
ート及びフェノラート及びバリウムカルボキシレート及
びフェノラートである。
【0021】最っとも通常に使用されるものは、たとえ
ばマレイン酸、酢酸、二酢酸、プロピオン酸、ヘキサン
酸、2−エチレンヘキサン酸、デカン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸(ドコサ
ン酸)、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシウンデカ
ン酸、安息香酸、フェニル酢酸、パラ−tert−ブチル安
息香酸及びサリチル酸のカドニウム又はバリウム塩、及
びフェノール及び1又は複数のアルキル基により置換さ
れたフェノール、たとえばノニルフェノールからのカド
ニウム又はバリウムフェノラートである。
【0022】実際の又は経済的理由のために、上記有機
バリウム化合物から選択された化合物は、好ましくはバ
リウムプロピオネート、バリウム2−エチルヘキサノエ
ート、バリウムラウレート、バリウムステアレート、バ
リウムオレエート、バリウムリシノレエート、バリウム
バコサノエート、バリウムベンゾエート、バリウムパラ
−tert−ブチルベンゾエート、バリウムサリチレート、
バリウムモノ(2−エチルヘキシル)マレエート、バリ
ウムノニルフェナート、バリウムナフテネート、及び上
記有機カドニウム化合物、たとえばカドニウムプロピオ
ネート、カドニウム2−エチルヘキサノエート、カドニ
ウムラウレート、カドニウムステアレート、カドニウム
オレエート、カドニウムリシノレエート、カドニウムド
コサノエート、カドニウムベンゾエート、カドニウムパ
ラ−tert−ブチルベンゾエート、カドニウムサリチレー
ト、カドニウムモノ(2−エチルヘキシル)マレエー
ト、カドニウムナフテネート及びカドニウムノニルフェ
ナートである。
【0023】有機カルシウム及びマグネシウム化合物は
また、バリウム化合物と共に使用され得る。これらの化
合物は一般的に、バリウムの場合、上記塩及びフェノラ
ートから選択される。有機カドニウム化合物は、塩素化
されたポリマーの重量に対して0〜1重量%及び好まし
くは0.1〜0.6重量%の量で存在し、そしてバリウ
ム化合物は、0〜5重量%及び好ましくは0.02〜2
重量%で存在する。
【0024】カルシウム又はマグネシウム化合物はま
た、塩素化されたポリマーの重量に対して0〜5重量%
及び好ましくは0.02〜2重量%の量で存在する。本
発明の組成物は、式(I)の塩基性アルミニウムマグネ
シウムカーボネートと一緒に有機第二錫化合物を含むこ
とができる。
【0025】これらの有機第二錫化合物は、特にGachte
r /Muller, Plastics Additives Handbook(1985)204〜
210 ページ又はLeonard I.Nass, Encyclopedia of PVC
(1976)313〜325 ページに記載される。それらは、より
特定には、ジアルキル錫カルボキシレート及びジアルキ
ル錫メルカプチドである。
【0026】これらの化合物の中で、最っとも通常に使
用されるものは次のものである:ジ−n−ブチル錫又は
ジ−n−オクチル錫誘導体、たとえばジブチル錫ジラウ
レート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ラウレート
マレエート、ジブチル錫ビス(モノ−C4 −C8 −アル
キルマレエート)、ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプ
チド)、ジブチル錫ビス−S,S′−(イソオクチルメ
ルカプトアセテート)、ジブチル錫β−メルカプトプロ
ピオネート、ポリマー性ジ−n−オクチル錫マレエー
ト、ジ−n−オクチル錫ビス−S,S′−(イソオクチ
ルメルカプトアセテート)及びジ−n−オクチル錫β−
メルカプトプロピオネート。
【0027】有機第二錫化合物は、塩素化されたポリマ
ーの重量に基づいて0.005〜5重量%及び好ましく
は0.01〜2重量%の量で存在する。有機第二錫化合
物及び塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネートを
含む組成物はまた、エポキシ化合物も含む。
【0028】エポキシ化合物は特に、エポキシ化された
ポリグリセリド、たとえばエポキシ化された大豆油、エ
ポキシ化されたアマニ油、エポキシ化された魚油及びエ
ポキシ化されたタロールから選択され得る。エポキシ化
合物は通常、塩素化されたポリマーの重量に対して0〜
5重量%及び特に0.1〜2重量%の量で存在する。本
発明の組成物は、他の第2有機熱安定剤、たとえば特
に、γ−ヒドロキシアルキル化されたポリオルガノシロ
キサン油を含むことができる。
【0029】γ−ヒドロキシアルキル化されたポリオル
ガノシロキサン油は、特に、下記一般式(II):
【化4】 〔式中、基Rは、同一であっても又は異なっていても良
く、メチル又はフェニル基を表わし、少なくとも60モ
ル%の基Rがメチル基であり、R′は2〜6個の炭素原
子を含む線状又は枝分れ鎖のアルキレン基であり、pは
1〜30の平均数であり、そしてqは1〜100の平均
数である〕で表わされるものである。
【0030】Rがメチル基であり;R′がトリメチレン
又は2−メチルトリメチレン基であり;pが2〜20の
平均数であり;そしてqが2〜30の平均数である式
(II)の油が好ましい。
【0031】γ−ヒドロキシアルキル化されたポリオル
ガノシロキサン油は一般的に、塩素化されたポリマーの
重量に対して、0〜5重量%及び好ましくは0.01〜
2重量%の量で存在する。
【0032】γ−ヒドロキシアルキル化されたポリオル
ガノシロキサン油の存在は、混合された滑剤、たとえば
エステルワックスの内部滑剤、たとえば水素化されたヒ
マシ油及び外部滑剤の量の組成物における適切な減少を
可能にし、そしてポリマーの衝撃強さを改良する。
【0033】本発明の組成物はまた、通常のアジュバン
ト、たとえば他の熱安定剤、フェノール酸化防止剤、抗
UV剤、たとえばベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール
又はステアリン性ヒンダードアミン(通常、HALSと
に知られる)を含むことができる。
【0034】本発明の組成物は硬質の配合物、すなわち
可塑剤を含まないもの又は半硬質の配合物、すなわち減
じられた可塑剤含有量のもの、たとえば建築産業種々の
部材又は電線の製造への適用のために又は消化性添加剤
のみを含む配合物の場合、ビンの製造のためのものであ
り得る。ほとんどの場合、これらの配合物は、耐衝撃性
改良剤、たとえばメタクリレート/ブタジエン/スチレ
ンのコポリマーを含む。
【0035】それらはまた、可塑化された配合物、たと
えば農業的使用のためのフィルムの製造のためのもので
もあり得る。使用される可塑剤は、既知の化合物、たと
えばアルキルフタレートである。ジ(2−エチルヘキシ
ル)フタレート(通常ジオクチルフタレートと呼ばれ
る)が、最っとも通常に使用される。
【0036】組成物が可塑剤を含む場合、その含有率
は、一般的に、塩素化されたポリマーの重量に対して5
〜120重量%の量で存在する。
【0037】従って、鉛化合物を含む組成物において、
式(I)の塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネー
トは、鉛化合物の量及び存在するなら、場合によっては
カドニウムの量を、ポリマーの熱安定性を低めないで減
じることを可能にし、これは、一定の毒性を示す化合物
が実質的に消化性の化合物により一部置換されるので、
陽性の特徴である。
【0038】有機第二錫化合物を含む組成物において、
式(I)の塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネー
トの存在は、適切な場合、一般的に液体化合物であるエ
ポキシ化合物の量の低下を可能にする。液体化合物の一
部の置換は、硬質の組成物から製造される形成品の硬度
及びVicat度(耐衝撃性強度のインデックス)の改
良を可能にする。
【0039】種々の安定剤又はアジュバントの導入は通
常、塩素化されたポリマーに基づいて粉末形で行なわれ
る。もちろん、それらが塩素化されたポリマー中に導入
される前、本発明の組成物中の複数の成分化合物の混合
物を調製することが可能である。
【0040】ポリマー中に種々の安定剤又はアジュバン
トを導入するための通常の方法のいづれかが使用され得
る。たとえば、ポリマー組成物の均質化は、PVCの場
合、組成物が流体になるような温度、通常150℃〜2
00℃の温度で及び数分〜数10分の十分な時間、ニー
ダー又はロールミル上で行なわれ得る。
【0041】塩素化されたポリマー及びより特定にはP
VC組成物は、通常使用されるいづれかの技法、たとえ
ば押出し、射出成形、吹込成形、カレンダリング又は回
転成形により処理され得る。次の例は、本発明を例示す
るものである。
【0042】
【実施例】例 1 塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネートの調製。
水酸化マグネシウム608gを含む水性ゲルを、200
回転/分で攪拌しながら、5000cm3 のビーカー中に
導入する。次に、アルミニウムヒドロキシカーボネート
2915gを含む水性ゲルを、5分間にわたって添加す
る。その混合物を、室温で約30分間、攪拌し続ける。
【0043】乾燥を、70℃で2時間、オーブン中で行
なう。 式(I)〔x=0.37,y=0.84,z=6.5
4〕の白色粉末を得る。 この化合物の粒子の平均粒度は3ミクロンである。サン
プルをx回折により試験する。回折スペクトルは、水酸
化マグネシウムに対応する十分に結晶化され且つ比較的
強度の相を示す。水酸化アルミニウム及び/又はカーボ
ネートに対応する回折ピークは見られず:非晶性質の化
合物である。
【0044】例 2 塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネートの調製。
水性炭酸マグネシウムゲル(6%重量/重量の水酸化マ
グネシウムとして表わされる濃度を有する)1080g
を、攪拌機を備えた5lの反応器中に充填する。水性水
酸化アルミニウムゲル(9%重量/重量のAl2 3
して表わされる濃度を有する)2520gを、ゆっくり
攪拌しながら添加する。攪拌を、高速度で10分間行な
う。噴霧乾燥を行なう(出口温度:100℃)。
【0045】式(I)の塩基性アルミニウムマグネシウ
ムカーボネートは、次の特性を示す: −x=0.65(CO2 /Al2 3 のモル比) −y=0.47(MgO/Al2 3 のモル比) −z=5.18(H2 O/Al2 3 のモル比)
【0046】サンプルをx回折により試験する。回折ス
ペクトルはMgCO3 ・3H2 Oに対応する低い強度の
相を示す。酸化アルミニウム及び/又はカーボネートに
対応する回折ピークは観察されない:水晶質性質の化合
物。
【0047】例3及び4 種々の次の成分の3種の配合物を、室温での高速ミキサ
ーによる均質化により調製する: −60のk値を示す、懸濁重合により調製されたPVC :100g −耐衝撃性改良剤 (メタクリレート/ブタジエン/スチレンのコポリマー):7g −TiO2 :4g −CaCO3 :4g −溶剤ワックスE及びワックスOP (長い脂肪酸鎖を含むアルキルエステルワックス) :1g −ステアリン酸鉛 :表1を参照のこ と −亜リン酸鉛 :表1を参照のこ と −例1で調製され、そして3μmの平均粒度を有する式 (I)の塩基性AlMgカーボネート :表1を参照のこ と
【0048】良好な均質化のために必要とされる時間
は、約10分である。このようにして得られた均質混合
物を、ポリマー及び添加剤を混練するために、逆転翼が
回転する加熱された容器から成るPlastograph(Brabende
r の商標)中に導入する。
【0049】その容器は32gの組成物を含み;温度を
180℃に維持し、そして翼の回転速度は60回転/分
である。サンプルを、これらの条件下で5分、10分及
び15分間の混練の後、採取し、そしてその取られたサ
ンプルの色を、Minoltaの比色計により測定し、
そしてASTM標準D1925−70に従って、黄化イ
ンデックスとして表わす(このインデックスの値が高く
なるほど、サンプルはより着色される)。
【0050】個々の配合物のために測定された黄化イン
デックス及びそれらの配合物が180℃での処理の後、
黒くなる、分での時間の長さ(長期安定性)が下記表1
に示される。
【0051】
【表1】
【0052】式(I)の塩基性アルミニウムマグネシウ
ムカーボネートの存在は、鉛化合物の量の低下を可能に
し、そして色の進行を遅め、そして組成物の長期安定性
を維持し又は高める。
【0053】例 5 次の成分を含む2種の配合物を、例3及び4に記載され
る操作方法に従って調製する: −60のk値の、懸濁重合により調製されたPVC :100g −耐衝撃性改良剤 :7g −TiO2 :4g −CaCO3 :4g −溶剤ワックスE及びワックスOP :1g −ステアリン酸カルシウム :0.4g −カドニウムラウレート/バリウムラウレート (重量比 2/1) :表2を参照のこ と −亜リン酸鉛 :表2を参照のこ と −例1で調製された式(I)の塩基性AlMg カーボネート :表2を参照のこ と この方法は例3及び4における通りである。個々の配合
物に対して測定された黄化インデックスが下記表2に示
される。
【0054】
【表2】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/57 C08K 5/57 (72)発明者 ピエール ペナ ポルタ フランス国,13320 ブー ベル エー ル,ラ グランド ビニュ 7アー (72)発明者 フランソワ プーナ フランス国,75016 パリ,リュ ドゥ ラヌラグ 33 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/04 C08K 3/00 C08K 3/26 C08K 5/09 C08K 5/57

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化されたポリマーに基づく安定化さ
    れた組成物であって: a)有効量の少なくとも1種の鉛化合物又は少なくとも
    1種の有機錫化合物、及び b)下記一般式(I): 【化1】 〔式中、yは0<y≦1.7であるような整数又は分数
    でのモル数を表わし、xは、0<x≦0.7であるよう
    な整数又は分数でのモル数を表わし、zは、3以上の又
    は3に等しい整数又は分数を表わす〕により全体的に示
    される、有効量の少なくとも1種の非晶性の塩基性アル
    ミニウムマグネシウムカーボネートを含むことを特徴と
    する組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化されたポリマーが、ポリ塩化ビニ
    ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニルから得られた塩化
    ビニル単位主要部と他のモノマーを含むコポリマー
    び主要部が塩化ビニルから得られるポリマー又はコポリ
    マーの混合物、からなる群より選択されることを特徴と
    する請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 塩素化されたポリマーの重量に対して、
    式(I)の非晶性塩基性アルミニウムマグネシウムカー
    ボネート0.005〜5重量%を含むことを特徴とする
    請求項1又は2のいづれか1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記鉛化合物が、二塩基性炭酸鉛、三塩
    基性硫酸鉛、四塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、鉛
    オルトシリケート、塩基性珪酸鉛、珪酸鉛及び硫酸塩の
    同時沈殿物、塩基性鉛クロロシリケート、シリカゲル及
    び鉛オルトシリケートの同時沈殿物、二塩基性フタル酸
    鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、四塩基
    性フマル酸鉛、二塩基性マレイン酸鉛、鉛2−エチルヘ
    キサノエート及びラウリン酸鉛から選択された無機又は
    有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいづ
    れか1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記鉛化合物の量が、塩素化されたポリ
    マーの重量に対して0.005〜5重量%の量で存在す
    ることを特徴とする請求項1〜4のいづれか1項記載の
    組成物。
  6. 【請求項6】 有機カドニウム及びバリウム化合物を含
    むことを特徴とする請求項1〜5のいづれか1項記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】 前記有機カドニウム及びバリウム化合物
    がカドニウムカルボキシレート又はフェノラート及びバ
    リウムカルボキシレート又はフェノラートであることを
    特徴とする請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記有機カドニウム化合物が、塩素化さ
    れたポリマーの重量に対して0〜1重量%で存在し、そ
    して前記バリウム化合物が0〜5重量%で存在すること
    を特徴とする請求項1〜7のいづれか1項記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】 前記有機第二錫化合物がジアルキル錫カ
    ルボキシレート及びジアルキル錫メルカプチドから選択
    されることを特徴とする請求項1〜3のいづれか1項記
    載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記有機第二錫化合物が、ジ−n−ブ
    チル錫又はジ−n−オクチル錫誘導体から選択されるこ
    とを特徴とする請求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記有機第二錫化合物が塩素化された
    ポリマーの重量に対して0.005〜5重量%の量で存
    在することを特徴とする請求項1〜4、9又は10のい
    づれか1項記載の組成物。
  12. 【請求項12】 一般式(II): 【化2】 〔式中、基Rは、同一であっても又は異なっていても良
    く、メチル又はフェニル基を表わし、少なくとも60モ
    ル%の基Rがメチル基であり、R′は2〜6個の炭素原
    子を含む線状又は枝分れ鎖のアルキレン基であり、pは
    1〜30の平均数であり、そしてqは1〜100の平均
    数である〕で表わされるγ−ヒドロキシアルキル化され
    たポリオルガノシロキサン油の有効量を含むことを特徴
    とする請求項1〜11のいづれか1項記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記Rがメチル基であり;R′がトリ
    メチレン又は2−メチルトリメチレン基であり;pが2
    〜20の平均数であり;qが2〜30の平均数であるこ
    とを特徴とする請求項12記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記γ−ヒドロキシアルキル化された
    ポリオルガノシロキサン油が、塩素化されたポリマーの
    重量に対して0〜5重量%で存在することを特徴とする
    請求項12又は13記載の組成物。
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