JP2949023B2 - 脱穀装置における揺動選別装置 - Google Patents

脱穀装置における揺動選別装置

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JP2949023B2 JP6827594A JP6827594A JP2949023B2 JP 2949023 B2 JP2949023 B2 JP 2949023B2 JP 6827594 A JP6827594 A JP 6827594A JP 6827594 A JP6827594 A JP 6827594A JP 2949023 B2 JP2949023 B2 JP 2949023B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、扱室から漏下した処理
物をチャフシーブで受け止めて揺動移送しながら粗選別
を行う粗選別部を設け、前記粗選別部から漏下した選別
処理物を揺動移送して穀粒を一番物回収部に選別漏下さ
せ、かつ、二番物を移送方向下手側下方に配置した二番
物回収部上に落下させる精選別部を設けてある脱穀装置
における揺動選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の脱穀装置における揺動選別
装置では、それぞれのチャフ板の高さを同じに設定し
て、全てのチャフ板の頂部が同じ高さに揃うようにして
あった〔例えば、特開平6‐24号公報〕。そのため
に、チャフシーブ上での処理物のほぐし作用やワラ屑類
の後方への送り作用を、それぞれのチャフ板がほぼ均等
に分担していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成によれば、チャフシーブ上での処理物のほぐし
作用やワラ屑類の後方への送り作用を、それぞれのチャ
フ板がほぼ均等に分担することになるために、例えば、
隣接するチャフ板同士の間隔を広く設定した場合、処理
物がチャフ板に引掛かってよくほぐされるものの、チャ
フ板の間を漏下していくワラ屑類を多く出しやすく、一
方、隣接するチャフ板同士の間隔を狭く設定した場合、
チャフ板の間を漏下していくワラ屑類を少なくできるも
のの、処理物のチャフ板への引掛かかりが不十分で、処
理物を十分にほぐしたり、後方にワラ屑類を効率よく送
ったりすることが困難であった。また、隣接するチャフ
板同士の間隔を、上記の二通りの場合の長所をいずれも
発揮できるように設定するということも困難である。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、処理物がチャフ板でよくほぐされると
ともに、ワラ屑類が後方に送られやすく、しかも、チャ
フ板の間を精選別上まで漏下していくワラ屑類を少なく
できる脱穀装置における揺動選別装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、隣
接するチャフ板の頂部同士を、全てのチャフ板にわたっ
て結んで引いた仮想線が側面視で波形になるように、そ
れぞれのチャフ板の高さを設定してあることにある。
【0006】
【作用】隣接するチャフ板の頂部同士を、全てのチャフ
板にわたって結んで引いた仮想線が側面視で波形になる
ように、それぞれのチャフ板の高さを設定してあるか
ら、処理物は頂部の高いチャフ板に引掛かり、主として
これらのチャフ板によって処理物がほぐされ、ワラ屑類
が後方へ送られる。この場合、隣接するチャフ板同士の
間隔が、それらの間にワラ屑類を多く漏下させない程度
に狭く設定してあっても、頂部が高いチャフ板同士の間
隔は広くなるから、処理物がこれらのチャフ板に引掛か
かりやすくなってよくほぐされるとともに、ワラ屑類も
後方に送られやすくなる。つまり上記の構成によれば、
処理物がチャフ板に引掛かってよくほぐされるから、穀
粒がワラ屑類と分離してチャフ板の間から精選別部上に
落下しすく、またワラ屑類は後方に送られやすくなり、
さらに隣接するチャフ板同士の間隔を広すぎないように
設定できるから、チャフ板の間を精選別上まで漏下して
いくワラ屑類を少なくすることができる。
【0007】
【発明の効果】従って、穀粒がチャフ板の間から精選別
部上に落下しすくなり、ワラ屑類が後方に送られやす
く、チャフ板の間を精選別上まで漏下していくワラ屑類
を少なくできるから、選別能力を向上させることができ
る脱穀装置における揺動選別装置を提供することができ
た。
【0008】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図1
にコンバインにおける脱穀装置を示している。この脱穀
装置は、脱穀フィードチェーン1により株元を挟持しな
がら搬送される穀稈の穂先部を扱室2内で駆動回転する
扱胴3により扱き処理するよう構成するとともに、扱き
処理され受網4を漏下した処理物がその下方側の選別部
において、穀粒、枝付き籾等の二番物及び排ワラ屑等に
選別されて、穀粒は図示しない穀粒タンクに貯溜され、
二番物は選別部内で還元されて再処理され、排ワラ屑等
は機体外方に排出するよう構成してある。
【0009】前記選別部は、漏下処理物を揺動移送しな
がら篩い選別する揺動選別装置6、この揺動選別装置6
にワラ屑等を移送方向下手側に吹き飛ばす選別風を供給
する唐箕7、選別漏下される穀粒を回収して図示しない
タンクに貯溜するスクリュー搬送式一番物回収部8、下
方に落下する二番物を回収して揺動選別装置6の移送方
向上手側に還元させるスクリュー搬送式二番物回収部
9、前記唐箕7によって吹き飛ばされた細かな塵埃を排
塵口10から機体外方に排出させる排塵ファン11等で
構成されている。
【0010】次に揺動選別装置6の構成について説明す
る。この揺動選別装置6はスライド案内機構12とクラ
ンク揺動機構13とによって揺動駆動される中抜き枠形
の揺動選別ケース14の内部に、扱室2から漏下した処
理物を受け止めて揺動移送しながら粗選別を行う粗選別
部15と、この粗選別部15から漏下した選別処理物を
揺動移送しながら穀粒を一番物回収部8に選別漏下さ
せ、二番物を移送方向下手側下方に配置した二番物回収
部9上に落下させる精選別部16とを設けて構成してあ
る。
【0011】詳述すると、扱室2における穀稈搬送方向
上手側において扱き処理され受網4から漏下した処理物
を受け止めて比重差選別する第1グレンパン18と、こ
の第1グレンパン18の移送方向下手側に連なる状態で
配備されたチャフシーブ19と、その下手側に連なり扱
室2の送塵口2aから落下する処理物を受け止める第2
グレンパン20及び送塵口2aから落下する処理物のワ
ラ屑を下手側に送り出す第1ストローラック21によ
り、前記粗選別部15を構成してある。図2に示すよう
に、前記チャフシーブ19は夫々横軸芯周りで揺動調節
自在な複数のチャフ板19aを並列配備して成り、各チ
ャフ板19aはワイヤを介して電動モータMにより一体
的に揺動作動して、処理物の漏下開度を変更調節できる
よう構成してある(図2参照)。
【0012】そして図2に示すように、隣接するチャフ
板19aの頂部同士を、全てのチャフ板19aにわたっ
て結んで引いた仮想線が側面視で波形になるように、高
いチャフ板19aと低いチャフ板19aとを交互に配置
してある。その結果、隣接するチャフ板19a同士の間
隔を、それらの間を漏下するワラ屑類が多く出すぎない
程度の長さに設定した場合であっても、頂部が高いチャ
フ板19a同士の間隔を広くすることができる。そし
て、この場合、頂部の高いチャフ板19aに処理物が引
掛かり、主としてこれらのチャフ板19aによって処理
物のほぐし作用や、ワラ屑類の後方への送り作用が行わ
れる。
【0013】前記第1ストローラック21の終端部下方
位置から移送方向下手側に延びる第2ストローラック2
3を配設し、第1ストローラック21から送り出される
排ワラ屑を機体外方に排出させるよう構成してある。
【0014】前記第1グレンパン18の終端位置下方に
第3グレンパン26を配設するとともに、この第3グレ
ンパン26の移送方向下手側に穀粒の漏下選別用の格子
網状のグレンシーブ27を連設して、前記精選別部16
を構成してある。
【0015】前記第3グレンパン26の上面には波形状
に送り突起26aを形成し(なお第1、第2グレンパン
18,20の上面にも同様に波形状に送り突起を形成し
てある)、搬送方向下手側ほど各送り突起26aのピッ
チが広くなるように、各送り突起26aを配置してあ
る。この構成により、第3グレンパン26の後部側ほど
処理物のほぐし作用を十分に行うことができ、グレンシ
ーブ27から穀粒を一番物回収部8に落下させやすくす
ることができる。
【0016】前記チャフシーブ19の上方には、チャフ
シーブ19の上部における処理物層の厚さを脱穀処理量
のデータとして検出する処理量検出センサSを設け、こ
の検出情報に基づいて、前記電動モータMを自動制御す
る制御装置28を備えてある。つまり、処理量が多いと
きは、チャフシーブ19の開度を広くして処理物が滞留
するのを抑制し、且つ、ワラ屑を第2ストローラック2
3上に排出させるように制御する。また、処理量が少な
いときは、チャフシーブ19の開度を狭くしてワラ屑が
精選別部16に漏下しないように制御する。
【0017】〔別実施例〕一枚の高いチャフ板19aと
複数枚の低いチャフ板19aとを交互に配置して、前記
チャフシーブ19を構成してもよい。
【0018】図3に示すように、前記第3グレンパン2
6の送り突起26aについては、前後方向の幅の狭い送
り突起26cと幅の広い送り突起26dとを交互に配置
するとともに、隣接する送り突起同士の間隔pを同一に
設定してもよい。この構成によれば、処理物のほぐし作
用を十分に行うことができ、グレンシーブ27から穀粒
を一番物回収部8に落下させやすくすることができる。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱穀装置の縦断側面図
【図2】チャフシーブの縦断側面図
【図3】別実施例の縦断側面図
【符号の説明】
2 扱室 8 一番物回収部 9 二番物回収部 15 粗選別部 16 精選別部 19 チャフシーブ 19a チャフ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲谷 正美 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 松下 肇 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 河野 嘉之 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 川本 佳伸 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01F 12/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扱室(2)から漏下した処理物をチャフ
    シーブ(19)で受け止めて揺動移送しながら粗選別を
    行う粗選別部(15)を設け、前記粗選別部(15)か
    ら漏下した選別処理物を揺動移送して穀粒を一番物回収
    部(8)に選別漏下させ、かつ、二番物を移送方向下手
    側下方に配置した二番物回収部(9)上に落下させる精
    選別部(16)を設けてある脱穀装置における揺動選別
    装置であって、 隣接するチャフ板(19a)の頂部同士を、全てのチャ
    フ板(19a)にわたって結んで引いた仮想線が側面視
    で波形になるように、それぞれのチャフ板(19a)の
    高さを設定してある脱穀装置における揺動選別装置。
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