JP2948019B2 - スパッタ用ターゲット - Google Patents

スパッタ用ターゲット

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JP2948019B2
JP2948019B2 JP12206292A JP12206292A JP2948019B2 JP 2948019 B2 JP2948019 B2 JP 2948019B2 JP 12206292 A JP12206292 A JP 12206292A JP 12206292 A JP12206292 A JP 12206292A JP 2948019 B2 JP2948019 B2 JP 2948019B2
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俊哉 遠藤
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ARUPUSU DENKI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパッタ用ターゲットに
係り、特に、絶縁性物質と導電性物質との混合物である
サーメットを焼結してなるスパッタ用ターゲットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】まず、この種のスパッタ用ターゲットが
使用されるスパッタ装置の一例の概略を図4により説明
する。
【0003】図4のスパッタ装置は、水平に配置された
バッキングプレート1を有しており、このバッキングプ
レート1上にターゲット2が支持されるようになってい
る。また、このバッキングプレート1には高周波電源3
が接続されており、この高周波電源3によりバッキング
プレート1に高周波電流が供給されるようになってい
る。さらに、前記バッキングプレート1の底面には、放
電による電場に直交する磁場を形成するための磁石4が
支持されている。
【0004】前記バッキングプレート1の外周側には、
このバッキングプレート1の外周を囲繞するケーシング
状の対向電極5が配設されており、この対向電極5に
は、前記ターゲット2の近傍に臨むエッジ部5Aが内設
されている。また、前記対向電極5の上壁5Bの底面に
は基板6が、前記ターゲット2に対向するように支持さ
れている。なお、前記対向電極5は接地されている。
【0005】このような構成によれば、高周波電源3に
よりバッキングプレート1に高周波電流を供給すること
によりバッキングプレート1と対向電極5のエッジ部5
Aとの間で放電が行われることにより基板6への成膜が
行われ、ターゲット2の上方にプラズマ7が立つことに
なる。
【0006】このようにしてスパッタによる成膜が行わ
れるが、薄膜サーマルヘッドの発熱抵抗体薄膜をスパッ
タにより成膜する場合の材料としては、窒化タンタル系
のものが実用化されていた。
【0007】しかるに、近年におけるサーマルヘッドの
多ドット化の市場要求から発熱抵抗体の電気抵抗値の増
大化が必要となってきている。しかしながら、窒化タン
タル系の発熱抵抗体薄膜を用いて抵抗値を増大すること
には限界があった。このため、近年においては、抵抗値
を増大することのできる発熱抵抗体薄膜として新たな材
料の開発が行われており、このうちのひとつとして絶縁
性物質と導電性物質の混合物の総称であるサーメットが
注目されている。
【0008】このサーメットとしては、Ta−SiO2
系、Cr−Al2 3 系などが開発されている。そし
て、このようなサーメット材料による成膜のためには、
サーメットの焼結体をスパッタすることになる。
【0009】ところで、このサーメットの焼結体のター
ゲット2を形成するためには、一般に、絶縁性物質と導
電性物質のそれぞれの粉末原料を混合して焼成していた
が、このような粉末原料は、その平均粒径が大きいほど
安価であり、また、その取扱いも容易である。一方、前
記ターゲット2の密度を大きくするため、前述した焼成
は、ホットプレスあるいは等圧焼成法により比較的高圧
力ならびに高温度でサーメットの粉末原料を焼結してい
る。この結果、サーメットの焼結体からなるターゲット
2中の絶縁性物質8の粒径は、図5に示すように、通常
50〜200μm程度の大きさになっている。なお、図
5中符号9は導電性物質である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したサーメットの
焼結体からなるターゲット2をスパッタすると、ターゲ
ット2の表面で異常放電が頻発するという問題があっ
た。
【0011】この異常放電をさらに具体的に説明する
と、接地されている対向電極5のエッッジ部5Aの近傍
部位のターゲット2の表面2A、ならびに、高密度のプ
ラズマ7に晒されている部位のターゲット2の表面2B
において、アーキングと称する異常放電が発生する。こ
のアーキングは、前記ターゲット2の表面に、電気的性
質の大きく異なる絶縁性物質8と導電性物質9とが混在
していることにより発生するというのが通説であり、サ
ーメットの焼結体からなるターゲット2のスパッタにお
いては不可避の現象であった。
【0012】すなわち、スパッタ中のプラズマは、ター
ゲット2のエロージョン領域の全域にわたって均一な状
態になることが望ましい。しかるに、前述したサーメッ
トの焼結体のように、ターゲット2の表面に電気的性質
の大きく異なる絶縁性物質8と導電性物質9とが混在し
ている場合には、図6に示すように、それに対応してプ
ラズマ7が不均一になる。そして、このプラズマ7の乱
れがアーキングの発生となる。
【0013】また、サーメットの焼結体をスパッタする
と、絶縁性物質8と導電性物質9とのスパッタ率が異な
るので、成膜時間が経過するにしたがって、ターゲット
2の表面に凹凸が生じることになる。通常は、導電性物
質9のほうが絶縁性物質8よりスパッタ率が大きいの
で、成膜にある時間使用したターゲット2の表面は、図
7に示すように、絶縁性物質8が突出した形状となる。
すると、この突出した絶縁性物質8が避雷針の役割を果
たし、アーキングが発生することになる。
【0014】そして、アーキングが発生すると、ターゲ
ット2の表面が局部的に加熱されて溶融・飛翔し、対向
している基板6に付着するという異物不良が生じたり、
アーキングによりプラズマが不安定になり、最悪の場合
には放電が停止してしまうおそれがあった。
【0015】本発明は、前述した問題点を克服し、ター
ゲットの表面にスパッタを阻害するようなアーキングが
生じないようにしたスパッタ用ターゲットを提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため本発明のスパッタ用ターゲットは、絶縁性物質と導
電性物質の混合物を焼結してなるスパッタ用ターゲット
において、前記絶縁性物質の粒子を前記導電性物質から
なる相中に散在させ、焼結後の前記絶縁性物質の粒径を
20μm以下としたことを特徴としている。
【0017】
【作用】本発明者の実験によれば、絶縁性物質の粒径を
小さくすることがアーキングの発生を防止するのに効果
が大であるということが判明したので、本発明によれ
ば、焼結後の絶縁性物質の粒径を20μm以下としたこ
とにより、ターゲットの表面にスパッタを阻害するよう
なアーキングが生じないようにでき、アーキングの発生
による異物不良や放電停止といった不都合の生じるおそ
れをなくすことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により説明
する。
【0019】図1は本発明のスパッタ用ターゲット2の
実施例を示すものであり、このターゲット2は、絶縁性
物質8と導電性物質9の混合物を焼結して形成されてい
る。そして、本実施例においては、図1より明らかなよ
うに、絶縁性物質8の粒子は導電性物質9からなる相中
に散在されており、また、絶縁性物質8の焼結後の粒径
は20μm以下とされている。
【0020】この絶縁性物質8の粒径を20μm以下と
する根拠を得るために、本発明者は下記の2種類の実験
を行った。
【0021】まず、第1の実験装置では、以下の4種の
Ta−SiO2 系のターゲット(5″φ)を製造し、雰
囲気ガスをArO.3Pa、放電電力をRF500Wと
して同一条件でスパッタを行い、アーキングの発生状態
を観察したところ、アーキングはターゲットC,Dにお
いて頻発したが、ターゲットA,Bにおいては観察でき
なかった。
【0022】1)ターゲットA:絶縁性物質SiO2
粒径約10μm 2)ターゲットB:絶縁性物質SiO2 の粒径約20μ
m 3)ターゲットC:絶縁性物質SiO2 の粒径約100
μm 4)ターゲットD:絶縁性物質SiO2 の粒径約100
μm また、第2の実験装置では、以下の2種のTa−SiO
2 系の方形ターゲット(5″×20″)を製造し、第1
の実験と異なった装置を使用して、雰囲気ガスをAr
O.7Pa、放電電力をRF2000Wとして同一条件
でスパッタを行い、アーキングの発生状態を観察した。
この実験装置では、前述した第1の実験よりアーキング
が発生しやすくなっている。この観察によれば、アーキ
ングはターゲットFにおいてはごくまれに発生したが、
実用上は問題なかった。また、ターゲットEにおいては
観察できなかった。
【0023】1)ターゲットE:絶縁性物質SiO2
粒径約10μm 2)ターゲットF:絶縁性物質SiO2 の粒径約20μ
m これらの2種の実験結果から、ターゲット2における絶
縁性物質8の粒径は20μm以下であることが望まし
い。
【0024】そして、ターゲット2における絶縁性物質
8の粒径が20μm以下と小径であれば、図2に示すよ
うに、プラズマ7の乱れが少なくなるためアーキングが
発生しにくくなるし、また、図3に示すように、避雷針
の役割を果たす突出した絶縁性物質8の高さが低くなる
ため、このことによってもアーキングが発生しにくくな
る。
【0025】したがって、アーキングの発生による異物
不良や再現性劣化といった不都合の生じるおそれがな
く、安定的にスパッタを行うことができる。これによ
り、サーメット系の発熱抵抗体薄膜を安定生産でき、サ
ーマルヘッドの多ドット化の市場要求に対応することが
できる。
【0026】なお、本発明は、前述した実施例に限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能であ
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスパッタ用
ターゲットによれば、ターゲットの表面にスパッタを阻
害するようなアーキングを生じないようにでき、これに
より、アーキングの発生による異物不良や放電停止とい
った不都合の生じるおそれがなく、安定的にスパッタを
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタ用ターゲットの実施例を示す
要部の概略拡大平面図
【図2】図1のスパッタ用ターゲットの作用を示す説明
【図3】図1のスパッタ用ターゲットの作用を示す説明
【図4】スパッタ用ターゲットが使用されるスパッタ装
置の概略断面図
【図5】従来のスパッタ用ターゲットを示す要部の概略
拡大平面図
【図6】図5のスパッタ用ターゲットの作用を示す説明
【図7】図5のスパッタ用ターゲットの作用を示す説明
【符号の説明】
1 バッキングプレート 2 ターゲット 3 高周波電源 4 磁石 5 対向電極 6 基板 7 プラズマ 8 絶縁性物質 9 導電性物質

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性物質と導電性物質の混合物を焼結
    してなるスパッタ用ターゲットにおいて、前記絶縁性物
    質の粒子を前記導電性物質からなる相中に散在させ、
    結後の前記絶縁性物質の粒径を20μm以下としたこと
    を特徴とするスパッタ用ターゲット。
JP12206292A 1992-05-14 1992-05-14 スパッタ用ターゲット Expired - Lifetime JP2948019B2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP12206292A JP2948019B2 (ja) 1992-05-14 1992-05-14 スパッタ用ターゲット

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JPH05311413A JPH05311413A (ja) 1993-11-22
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JP2001236643A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体製造用スパッタリングターゲット、それを用いた磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP5912559B2 (ja) 2011-03-30 2016-04-27 田中貴金属工業株式会社 FePt−C系スパッタリングターゲットの製造方法
TWI515316B (zh) 2012-01-13 2016-01-01 Tanaka Precious Metal Ind FePt sputtering target and its manufacturing method

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