JP2946962B2 - 車載用内燃機関の回転数制御装置 - Google Patents

車載用内燃機関の回転数制御装置

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JP2946962B2
JP2946962B2 JP4263922A JP26392292A JP2946962B2 JP 2946962 B2 JP2946962 B2 JP 2946962B2 JP 4263922 A JP4263922 A JP 4263922A JP 26392292 A JP26392292 A JP 26392292A JP 2946962 B2 JP2946962 B2 JP 2946962B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D31/00Use of speed-sensing governors to control combustion engines, not otherwise provided for
    • F02D31/001Electric control of rotation speed
    • F02D31/007Electric control of rotation speed controlling fuel supply
    • F02D31/009Electric control of rotation speed controlling fuel supply for maximum speed control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に搭載された内燃
機関の高回転時に燃料カットを行うことにより、内燃機
関の過回転を防止するようにした車載用内燃機関の回転
数制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両に搭載されたエン
ジンの高回転時には、過回転(オーバラン)を防止する
ために、燃料噴射弁による燃料噴射が強制的に停止(燃
料カット)される。この燃料カットに際しては、エンジ
ン回転数NEが回転数センサによって検出され、その検
出信号がコンピュータに読み込まれる。コンピュータの
メモリには、噴射停止判定値aと、その値よりも低い噴
射再開判定値bとが予め記憶されている。コンピュータ
は、エンジン回転数NEが噴射停止判定値aを超えたと
き燃料カットを実行し、エンジン回転数NEが噴射再開
判定値bを下回ったとき燃料噴射を再開させる。すなわ
ち、上記技術では、噴射停止判定値aと噴射再開判定値
bとの間に幅(ヒステリシス)をもたせ、燃料カットに
よるエンジン回転数NEの降下と、燃料噴射再開による
エンジン回転数NEの上昇とを繰り返し行う。この繰り
返しにより、エンジン回転数NEを噴射停止判定値aと
噴射再開判定値bとの間に維持して、エンジンの過回転
防止を図っている。
【0003】しかし、上記技術では、高回転時における
エンジン回転数NEが噴射再開判定値bと噴射停止判定
値aとの間で大きく変動する。そして、この変動が車両
の運転フィーリングを損なってしまう。
【0004】そこで、前記回転変動を可及的に小さくす
るために、実開平1−118142号公報では、エンジ
ンが高回転となってから所定時間が経過するまでの間、
ヒステリシス一定の状態で噴射停止判定値a及び噴射再
開判定値bを徐々に低下させている。後者の技術による
と、エンジン回転数NEが噴射停止判定値aと噴射再開
判定値bとの間で上昇及び下降を繰り返しながら次第に
低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したい
ずれの従来技術においても、コンピュータがエンジン回
転数NEを読み込んで燃料噴射の停止・再開の指令信号
を出力するまでに若干の時間(遅れ時間Δt)を要す
る。この遅れ時間Δtは、コンピュータの演算時間、演
算周期等によるものである。従って、エンジン回転数N
Eが噴射停止判定値aを超えた時点から実際に燃料カッ
トが実行されるまでや、同エンジン回転数NEが噴射再
開判定値bを下回った時点から実際に燃料噴射が再開さ
れるまでに、若干の遅れが生ずる。この遅れの間、エン
ジン回転数NEは上昇し続け噴射停止判定値aをオーバ
ーシュートするか、あるいは、下降し続け噴射再開判定
値bをオーバーシュートする。
【0006】これに加え、一般的な車両においては、加
減速にともなうエンジンの出力変化や、振動によって生
ずる衝撃を緩和するために、駆動輪と内燃機関の出力軸
との間に捩じりダンパ(捩じり変位許容部材)が設けら
れている。この捩じりダンパは自身が撓むことにより、
駆動輪に対する内燃機関の出力軸の加減速方向変位を許
容して加減速にともなう衝撃を効果的に緩和する。一方
で、この捩じりダンパは加減速時に変位エネルギを蓄え
て加減速逆転時に放出するため、上記従来技術における
エンジン回転数のオーバーシュートを助長してしまう。
【0007】この現象を、図12及び図13を用いて説
明する。図12は駆動輪側と直結するプロペラシャフト
51に対する、エンジンの出力軸(いわゆるクランクシ
ャフト)52の変位の関係を概略的に示し、図13はエ
ンジン回転数NEと燃料カットの実行・停止と出力軸5
2の変位量との対応関係を示している。エンジンの出力
軸52及びプロペラシャフト51の回転方向は、図12
の時計回り方向とする。図12中、中立位置は、車両が
走行を停止しているとき又は定速走行しているときの出
力軸52の位置を示している。このときの捩じりダンパ
の状態を中立状態とする。「加速時の最大変位許容位置
A」は、エンジンの加速動作により、捩じりダンパが前
記中立状態から前記回転方向へ最大量撓んだときの出力
軸52の位置である。また、「減速時の最大変位許容位
置B」は、エンジンの減速動作により、捩じりダンパが
前記中立状態から反回転方向へ最大量撓んだときの出力
軸52の位置である。
【0008】また、図13で示すように、タイミングt
21においてはエンジン52が加速状態にあり、エンジ
ン回転数NEが上昇しているものとする。この加速によ
り捩じりダンパに正のトルクが作用している。そして、
捩じりダンパが撓み、出力軸52が加速時の最大変位許
容位置Aに保持されている。このとき捩じりダンパに
は、出力軸52を中立位置側へ押し戻そうとする反発力
が蓄えられている。この反発力は出力軸52の回転を制
止しようとする力である。
【0009】タイミングt22でエンジン回転数NEが
噴射停止判定値aを超えると、そのタイミングt22か
ら前記遅れ時間Δtが経過した後のタイミングt23
で、燃料カットを行わせるための指令信号がコンピュー
タから出力される。この間(タイミングt22〜t2
3)、エンジン回転数NEは上昇し続ける。
【0010】前記信号の出力により燃料カットが行われ
ると、捩じりダンパに作用するトルクが正から負に反転
し、出力軸52が減速時の最大変位許容位置B側へ変位
する。このとき、燃料カットによるもともとのエンジン
回転数NEの降下に、前記捩じりダンパの反発力が加わ
る。その結果、エンジン回転数NEが急激に降下する。
【0011】前記減速により捩じりダンパが撓み、出力
軸52が減速時の最大変位許容位置Bまで変位する。こ
のとき捩じりダンパには、出力軸52を中立位置側へ押
し戻そうとする反発力が蓄えられる。この反発力は出力
軸52の回転を加速させようとする。
【0012】タイミングt24でエンジン回転数NEが
噴射再開判定値bを下回ると、そのタイミングt24か
ら前記遅れ時間Δtが経過した後のタイミングt25
で、燃料噴射を再開させるための指令信号がコンピュー
タから出力される。この間(タイミングt24〜t2
5)、エンジン回転数NEは降下し続ける。
【0013】前記信号の出力により燃料噴射が再開され
ると、捩じりダンパに作用するトルクが負から正に反転
し、出力軸52が加速時の最大変位許容位置A側へ変位
する。このため、燃料噴射によるもともとのエンジン回
転数の上昇に、前記捩じりダンパの反発力が加わる。そ
の結果、エンジン回転数NEが急激に上昇する。
【0014】その後、前記と同様の燃料カット及び燃料
噴射再開が繰り返される。ここで、単位時間当たりのエ
ンジン回転数NEの変動量は、最初の燃料カットが行わ
れるまで(タイミングt23以前)よりも、それ以降の
燃料カット時及び復帰時の方が大きくなる。これは、最
初の燃料カットよりも後には、捩じりダンパに蓄えられ
た反発力がエンジン回転数NEに影響するからである。
このため、たとえ上記遅れ時間Δtが一定であっても、
エンジン回転数NEのオーバーシュート量が増加する。
その結果、燃料カット制御時における回転変動量の減少
を達成できない。
【0015】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、燃料カット制御時に内燃機関の
出力軸が最大変位許容位置まで移動するのを阻止し、捩
じり変位許容部材に蓄えられる反発力によって機関回転
数が影響を受けるのを抑制し、ひいては、燃料カット制
御時における機関回転数の変動を小さくすることが可能
な車載用内燃機関の回転数制御装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、図1に示すように、内燃機関M2の出力軸
M2aと駆動輪M1の回転軸との間に介在されて、これ
ら両軸間の相対捻りを可撓性を有して許容する捻り変位
許容部材M6を備える車両に搭載される車載用内燃機関
の回転数制御装置において、出力軸M2aの回転数又は
それに相当する回転数相当値を検出する回転数検知手段
M4と、この回転数又は回転数相当値が所定の噴射停止
判定値を越えることで燃料噴射弁M3による燃料噴射を
停止させると共に、この燃料噴射の停止中に回転数又は
回転数相当値が噴射停止判定値よりも低い所定の噴射再
開判定値を下回ることで燃料噴射弁M3による燃料噴射
を再開する燃料カット制御手段M5と、この燃料カット
制御手段M5による燃料噴射の停止中に、回転数又は回
転数相当値が噴射停止判定値以下となってから噴射再開
判定値未満に低下するまでの間、燃料噴射弁M3による
燃料噴射の再開及び停止を所定周期にて繰り返し実行し
て、捻り変位許容部材M6の反発力を低減する反発力低
減手段M7とを備えている。
【0017】
【作用】燃料噴射弁M3からの燃料噴射によって内燃機
関M2の出力軸M2aが回転される。この出力軸M2a
の回転は、同出力軸M2aと駆動輪M1の回転軸との相
対捻りを可撓性を有して許容する捻り変位許容部材M6
を介して駆動輪M1へと伝達される。また、回転数検知
手段M4は、この出力軸M2aの回転数又はそれに相当
する例えば車速などの回転数相当値を検出する。そし
て、燃料カット制御手段M5は、検出された出力軸M2
aの回転数又は回転数相当値が所定の噴射停止判定値を
越えると、燃料噴射弁M3からの燃料噴射を停止する。
燃料噴射が停止されると、出力軸M2aの回転が減速さ
れ、回転数又は回転数相当値が低下して、内燃機関M2
の過剰回転が防止される。こうして回転数又は回転数相
当値が低下して所定の噴射再開判定値を下回ると、燃料
カット制御手段M5は、燃料噴射弁M3からの燃料噴射
を再開させる。
【0018】燃料噴射弁M3からの燃料噴射が停止され
て、出力軸M2aの回転が減速されると、捻り変位許容
部材M6は、駆動輪M1の回転軸に対する出力軸M2a
の反回転方向への相対捻りを許容するように撓み変位す
る。一方、燃料噴射弁M3からの燃料噴射が再開され
て、出力軸M2aの回転が加速されると、捻り変位許容
部材M6は、駆動輪M1の回転軸に対する出力軸M2a
の回転方向への相対捻りを許容するように撓み変位す
る。
【0019】こうして出力軸M2aの回転の加減速によ
って撓み変位した捻り変位許容部材M6には、同出力軸
M2aの回転の加減速を更に促進する方向に作用する反
発力が蓄えられる。この蓄えられた反発力は、捻り変位
許容部材M6の撓み変位量に応じて増大し、出力軸M2
aの回転の加減速が切り替わる際に一気に放出される。
【0020】しかし、本発明では、燃料カット制御手段
M5による燃料噴射の停止中に、回転数検出手段M4に
より検出される回転数又は回転数相当値が噴射停止判定
値以下となってから噴射再開判定値未満に低下するまで
の間、反発力低減手段M6によって燃料噴射弁M3によ
る燃料噴射の再開及び停止が所定周期にて繰り返し実行
される。
【0021】この所定周期にて繰り返し実行される燃料
噴射の再開及び停止によって、出力軸M2aの回転は小
刻みに繰り返し加減速されるようになる。このとき、捻
り変位許容部材M6の撓み変位は、出力軸M2aの回転
位相と駆動輪M1の回転軸の回転位相とが一致する中立
位置を中心として小刻みに変動されるようになり、燃料
カット制御手段M5によって燃料噴射が再開されるまで
の間、ほぼ中立位置付近に保持されるようになる。この
結果、燃料カット制御手段M5によって燃料噴射が再開
されるときの捻り変位許容部材M6には、上記反発力が
ほとんど蓄えられていないため、燃料カット手段M5に
よる燃料噴射の再開と共に出力軸M2aの回転を直ちに
減速から加速へと転じることができるようになり、回転
数又は回転数相当値が前記噴射再開判定値を越えて更に
低下することが効果的に抑制されるようになる。
【0022】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図2〜図7に従って説明する。
【0023】図3に示すように、車両には内燃機関とし
ての多気筒(本実施例では4気筒)ガソリンエンジン1
が搭載されている。前記エンジン1は気筒毎に燃焼室
(図示しない)を備えており、これらの燃焼室に吸気通
路2及び排気通路3が連通している。吸気通路2には、
上流側からエンジン1へ向けて、エアクリーナ4、スロ
ットルバルブ5、サージタンク6、吸気マニホルド7が
順に配設されており、これらを介して外気がエンジン1
に取り込まれる。スロットルバルブ5は吸気通路2を流
通する吸入空気の量を調節するためのものであり、アク
セルペダル(図示しない)の操作に連動して開閉される
ようになっている。また、サージタンク6は吸入空気の
脈動を平滑化させるためのものである。
【0024】吸気マニホルド7には、各気筒に燃料を噴
射供給するための燃料噴射弁8A,8B,8C,8Dが
取付けられている。そして、各燃料噴射弁8A〜8Dか
ら噴射される燃料と吸気通路2内へ導入された外気とか
らなる混合気は、各燃焼室内へ導入される。各燃焼室に
導入された混合気に着火するために、エンジン1には点
火プラグ9A,9B,9C,9Dが取付けられている。
点火プラグ9A〜9Dはディストリビュータ11にて分
配された点火信号に基づいて駆動される。ディストリビ
ュータ11は、イグナイタ12から出力される高電圧を
エンジン1のクランク角に同期して点火プラグ9A〜9
Dに分配する。そして、燃焼室内へ導入された混合気は
点火プラグ9A〜9Dの点火によって爆発され、エンジ
ン1の駆動力が得られる。このように燃焼室で生成した
燃焼ガスは、排気通路3を通じて外部へ排出される。
【0025】排気通路3には、エンジン1から下流側へ
向けて順に排気マニホルド13及び触媒コンバータ14
が配設されている。触媒コンバータ14は排気ガス中の
炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、酸化窒素(N
Ox)を触媒の作用で浄化させる装置である。
【0026】前記車両には左右一対の駆動輪33が設け
られている。両駆動輪33を回転させるために、エンジ
ン1の出力軸(いわゆるクランクシャフト)には、クラ
ッチ34を介してトランスミッション35が連結されて
いる。トランスミッション35の出力側には、プロペラ
シャフト36、ディファレンシャルギヤ37、左右一対
のドライブシャフト38等を介して左右両駆動輪33が
駆動連結されている。
【0027】図2に示すように、前記エンジン1の出力
軸には、円環状のクランク側プレート39が一体回転可
能に取付けられている。また、トランスミッション35
の入力軸には、円板状のミッション側プレート40が一
体回転可能に取付けられている。ミッション側プレート
40は、クランク側プレート39内に摺動可能に配設さ
れている。両プレート39,40間には、捩じり変位許
容部材としての複数個(本実施例では4個)の捩じりダ
ンパ32が介在されている。これらの捩じりダンパ32
はゴムからなり、可撓性を有している。捩じりダンパ3
2は自身が撓むことにより、駆動輪33に対するエンジ
ン1の出力軸の加減速方向変位を許容して、加減速にと
もなう衝撃を緩和するためのものである。
【0028】前記エンジン1の運転状態を検出するため
に、吸気圧センサ15、吸気温センサ16、スロットル
センサ17、酸素センサ18、水温センサ19、回転数
センサ20、気筒判別センサ21、車速センサ22等が
設けられている。吸気圧センサ15はサージタンク6に
設けられ、吸気管圧力(絶対圧)PMを検出する。吸気
温センサ16はエアクリーナケース内に設けられ、エン
ジン1に吸入される空気の温度(吸気温度THA)を検
出する。スロットルセンサ17はスロットルバルブ5の
近傍に設けられ、そのスロットルバルブ5の開度(スロ
ットル開度TA)を検出する。
【0029】また、酸素センサ18は排気マニホルド1
3と触媒コンバータ14との間に設けられ、排気ガス中
の酸素濃度、すなわち排気通路3における空燃比(排気
空燃比)A/Fを検出する。水温センサ19はウォータ
アウトレットハウジング等に取付けられ、エンジン1の
冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する。回転数セ
ンサ20は、前記ディストリビュータ11に内蔵された
ロータ(図示しない)の回転から機関回転数としてのエ
ンジン回転数NEを検出する。気筒判別センサ21は、
同じくディストリビュータ11のロータの回転に応じて
エンジン1のクランク角の変化を所定の割合で検出す
る。車速センサ22はトランスミッション35内に設け
られ、車速SPDを検出する。この車速SPDは、エン
ジン回転数NEに対し相対関係がある。
【0030】前記各燃料噴射弁8A〜8D及びイグナイ
タ12は、電子制御装置(以下、単に「ECU」とい
う)23に電気的に接続されている。またECU23に
は、吸気圧センサ15、吸気温センサ16、スロットル
センサ17、酸素センサ18、水温センサ19、回転数
センサ20、気筒判別センサ21及び車速センサ22が
それぞれ接続されている。そして、ECU23はこれら
の各センサ15〜22からの出力信号に基づき、燃料噴
射弁8A〜8D及びイグナイタ12を制御する。
【0031】次に、ECU23の電気的構成を図4のブ
ロック図に従って説明する。ECU23は、燃料カット
制御手段及び反発力低減手段としての中央処理装置(C
PU)24と、読出し専用メモリ(ROM)25と、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)26と、バックアップ
RAM27と、外部入力回路28と、外部出力回路29
とを備え、これらは互いにバス31によって接続されて
いる。CPU24は、予め設定された制御プログラムに
従って各種演算処理を実行し、ROM25はCPU24
で演算処理を実行するために必要な制御プログラムや初
期データを予め記憶している。また、RAM26はCP
U24の演算結果を一時記憶する。バックアップRAM
27は、電源が切られた後にも各種データを保持するよ
うに、バッテリによってバックアップされている。
【0032】外部入力回路28には、前述した吸気圧セ
ンサ15、吸気温センサ16、スロットルセンサ17、
酸素センサ18、水温センサ19、回転数センサ20、
気筒判別センサ21及び車速センサ22がそれぞれ接続
されている。また、外部出力回路29には、前述した燃
料噴射弁8A〜8D及びイグナイタ12がそれぞれ接続
されている。そして、CPU24は外部入力回路28を
介して各センサ15〜22からの出力信号を入力値とし
て読み込む。また、CPU24はこれら入力値に基づ
き、外部出力回路29を介して燃料噴射弁8A〜8D及
びイグナイタ12を駆動制御する。すなわち、CPU2
4は前記センサの検出値に基づき、エンジン回転数N
E、吸気管圧力PM、吸気温度THA、冷却水温TH
W、排気ガス中の酸素濃度等を割り出し、それらの割出
した値に基づいて目標燃料噴射量を算出する。そして、
その目標燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁8A〜8Dに
開弁時間信号を出力して燃料噴射させる。
【0033】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を、図5及び図6に従って説明する。図5
のフローチャートはCPU24によって実行される各処
理のうちの燃料カット制御ルーチンを示しており、所定
時間(例えば16ms)毎の定時割り込みで起動され
る。
【0034】このルーチンでは、エンジン回転数NEと
して、燃料噴射停止のための噴射停止判定値a(=69
00rpm)と、燃料噴射再開のための噴射再開判定値
b(=6600rpm)とが予め設定されている。ま
た、このルーチンでは燃料カット実行フラグXFCが用
意されている。燃料カット実行フラグXFCは、エンジ
ン回転数NEが噴射再開判定値b以下で、かつ、スロッ
トル開度TAが所定値(この場合30°)未満のとき
「0」に設定され、エンジン回転数NEが噴射停止判定
値aを越えたとき「1」に設定されるようになってい
る。
【0035】例えば、図6に示すように、エンジン回転
数NEが噴射再開判定値bよりも低い領域で車両が走行
されていて、アクセルペダルの踏み込み等の加速動作に
よりエンジン回転数NEが上昇している途中で、図5の
ルーチンへ移行したとする(タイミングt1)。この場
合、燃料カット実行フラグXFCは「0」に設定されて
いる。
【0036】CPU24はまずステップ101におい
て、回転数センサ20によるエンジン回転数NEを読み
込み、ステップ102で前記エンジン回転数NEが噴射
停止判定値aよりも高いか否かを判定する。エンジン回
転数NEは上昇中であり、噴射停止判定値a以下である
ので、CPU24はステップ102で否定判定し、その
後、ステップ103で燃料カット実行フラグXFCが
「1」であるか否かを判定する。タイミングt1では燃
料カット実行フラグXFCが「0」であるので、CPU
24はステップ103で否定判定し、このルーチンを一
旦終了する。この処理は、エンジン回転数NEが噴射停
止判定値aを越える直前まで続く。
【0037】前記エンジン回転数NEの上昇時には捩じ
りダンパ32に正のトルクが作用している。そして、捩
じりダンパ32が撓み、エンジン1の出力軸が加速時の
最大変位許容位置Aに保持されている。このとき捩じり
ダンパ32には、エンジン1を中立位置側へ押し戻そう
とする反発力が蓄えられる。この反発力はエンジン1の
出力軸の回転を制止しようとする力である。
【0038】エンジン回転数NEが上昇し続け、噴射停
止判定値aよりも高くなると(タイミングt2)、CP
U24は前記ステップ102で肯定判定し、ステップ1
04で燃料カット実行フラグXFCを「0」から「1」
にする。そして、CPU24はステップ105で、前記
燃料噴射弁8A〜8Dによる燃料噴射を強制的に停止
(燃料カット)させるための指令信号を出力し、このル
ーチンを一旦終了する。
【0039】ここで、CPU24がエンジン回転数NE
を読み込んで燃料噴射停止の指令信号を出力するまでに
若干の時間を要する。この時間は、CPU24の演算時
間、演算周期等によるものである。従って、エンジン回
転数NEが噴射停止判定値aを超えた時点から実際に燃
料カットが実行されるまでに、若干の遅れを生ずる。こ
の場合、CPU24はタイミングt2から所定の遅れ時
間Δtが経過した後のタイミングt3で、燃料カットを
行わせるための指令信号を出力する。この間(タイミン
グt2〜t3)、エンジン回転数NEは上昇し続け、噴
射停止判定値aをオーバーシュートする。
【0040】前記信号の出力により燃料カットが行われ
ると、捩じりダンパ32に作用するトルクが正から負に
反転し、エンジン1の出力軸が中立位置側へ変位する。
このとき、燃料カットによるもともとのエンジン回転数
NEの降下に、前記捩じりダンパ32の反発力が加わ
る。その結果、エンジン回転数NEが急激に降下する。
【0041】この降下によりエンジン回転数NEが噴射
停止判定値a以下になると(タイミングt4)、CPU
24は前記ステップ102で否定判定する。また、燃料
カット実行フラグXFCは前記タイミングt3で「1」
に設定されているので、CPU24はステップ103で
肯定判定し、ステップ106へ移行する。
【0042】CPU24はステップ106において、前
記ステップ101で取り込んだエンジン回転数NEが噴
射再開判定値bよりも高いか否かを判定する。タイミン
グt4ではエンジン回転数NEが噴射停止判定値a以下
になった直後であり、NE>bである。このため、CP
U24はステップ106で肯定判定し、ステップ107
において燃料カット実行中であるか否かを判定する。タ
イミングt3以降では燃料カットのための指令信号を出
力しているので、CPU24はステップ107で肯定判
定し、ステップ108へ移行する。ステップ108でC
PU24は燃料カットを停止するための指令信号を出力
し、このルーチンを一旦終了する。この信号の出力によ
り通常の燃料噴射制御が再開される。
【0043】ここで、CPU24がエンジン回転数NE
を読み込んで燃料カット停止の指令信号を出力するまで
には、CPU24の演算時間、演算周期等による遅れ時
間Δtをともなう。すなわち、CPU24はタイミング
t4から遅れ時間Δtが経過した後のタイミングt5
で、燃料カットを停止させるための指令信号を出力す
る。この間(タイミングt4〜t5)、エンジン回転数
NEは降下し続ける。
【0044】前記信号の出力により燃料噴射が再開され
ると、捩じりダンパ32に作用するトルクが負から正に
反転し、エンジン1の出力軸が加速時の最大変位許容位
置A側へ変位する。このトルク反転時には、捩じりダン
パ32がほとんど撓んでおらず、エンジン1の出力軸が
中立位置にある。つまり、捩じりダンパ32には、エン
ジン1の出力軸を変位させようとする反発力がほとんど
蓄えられていない。従って、エンジン回転数NEは、捩
じりダンパ32の反発力の影響を受けることなく、燃料
噴射再開のみによって上昇する。
【0045】所定時間(16ms)経過後のタイミング
t6で次回の処理が起動されると、CPU24はステッ
プ102で否定判定し、ステップ103で肯定判定し、
ステップ106で肯定判定する。また、前記タイミング
t5以降では燃料カットが停止されているので、CPU
24はステップ107で否定判定し、ステップ105で
燃料カットのための指令信号を出力し、このルーチンを
一旦終了する。
【0046】前記信号の出力により燃料カットが行われ
ると、捩じりダンパ32に作用するトルクが正から負に
反転し、エンジン1の出力軸が中立位置側へ変位する。
このトルク反転時には、捩じりダンパ32がほとんど撓
まず、エンジン1の出力軸が中立位置にある。つまり、
捩じりダンパ32には、エンジン1の出力軸を変位させ
ようとする反発力がほとんど蓄えられていない。従っ
て、エンジン回転数NEは、捩じりダンパ32の反発力
の影響を受けることなく、燃料噴射停止のみによって下
降する。
【0047】所定時間(16ms)経過後のタイミング
t7で、次回の処理が起動されると、CPU24はステ
ップ102で否定判定し、ステップ103で肯定判定
し、ステップ106で肯定判定する。また、前記タイミ
ングt6以降では燃料カットが行われているので、CP
U24はステップ107で肯定判定し、ステップ108
で燃料カット停止のための指令信号を出力し、このルー
チンを一旦終了する。
【0048】前記信号の出力により燃料噴射が再開され
ると、捩じりダンパ32に作用するトルクが負から正に
反転し、エンジン1の出力軸が加速時の最大変位許容位
置A側へ変位する。このトルク反転時には、捩じりダン
パ32がほとんど撓まず、エンジン1の出力軸を変位さ
せようとする反発力がほとんど蓄えられていない。従っ
て、エンジン回転数NEは、捩じりダンパ32の反発力
の影響を受けることなく、燃料噴射再開のみによって上
昇する。
【0049】以後、前記と同様にして本処理ルーチンが
起動される毎(16ms毎)に、燃料カット及び燃料噴
射再開が繰り返し行われる。このように短い周期で燃料
カット及び燃料噴射再開が繰り返されることで、エンジ
ン1の出力軸がほぼ中立位置に保持される。
【0050】前記の状態から、例えばアクセルペダルの
踏み込みが弱められる等の減速動作が行われ、タイミン
グt8でエンジン回転数NEが噴射再開判定値b以下に
なると、CPU24はステップ102で否定判定し、ス
テップ103で肯定判定し、ステップ106で否定判定
する。そして、CPU24はステップ109において、
スロットルセンサ17によるスロットル開度TAを読み
込み、ステップ110でそのスロットル開度TAが所定
開度(30°)未満か否かを判定する。スロットル開度
TAが30°未満であると、CPU24はステップ11
1で燃料カット実行フラグXFCを「1」から「0」に
する。そして、CPU24はステップ108で燃料カッ
トを停止するための指令信号を出力し、このルーチンを
一旦終了する。実際には、演算時間等により、エンジン
回転数NEが噴射再開判定値b以下となった時点から遅
れ時間Δt経過後のタイミングt9で、燃料カット実行
フラグXFCが「0」に設定される。そして、前記信号
の出力により通常の燃料噴射制御が再開される。
【0051】なお、前記ステップ110においてスロッ
トル開度TAが30°以上であると、CPU24はステ
ップ111の処理を行わず、ステップ108で燃料カッ
トを停止するための指令信号を出力し、このルーチンを
一旦終了する。
【0052】このように、本実施例では、回転数センサ
20によるエンジン回転数NEが噴射停止判定値aを越
えると、燃料噴射弁8A〜8Dによる燃料噴射を停止さ
せ(ステップ102,104,105)、同エンジン回
転数NEが噴射再開判定値bを下回ると燃料噴射を再開
させる(ステップ106,111,118)。また燃料
噴射が停止されている状態からエンジン回転数NEが降
下し、噴射停止判定値a以下となったときには、燃料噴
射弁8A〜8Dによる燃料噴射の再開及び停止を少なく
とも1回行わせるようにした(ステップ103,10
6,107,105,108)。
【0053】このため、上記のように短い周期(16m
s)で燃料カットの実行及び停止を繰り返すことで、エ
ンジン1の出力軸をほぼ中立位置に保持できる。つま
り、従来技術では、燃料噴射が停止されている状態か
ら、エンジン回転数NEが降下し、噴射再開判定値b以
下となるまでの間、燃料カットが続けられる。このた
め、エンジン1の出力軸は加速時の最大変位許容位置A
から減速時の最大変位許容位置Bまで変位してしまう。
これにともない、捩じりダンパに大きな反発力が蓄えら
れる。これに対し、本実施例では、エンジン1の出力軸
が最大変位許容位置A,Bに達するよりも前に捩じりダ
ンパ32に作用するトルクの方向を反転させ、捩じりダ
ンパ32に蓄えられる反発力を減少させることができ
る。その結果、捩じりダンパ32の反発力によるエンジ
ン回転数NEへの影響が僅かとなり、燃料カット制御時
におけるエンジン回転数NEの変動が小さくなり、その
変動に起因するショックが小さくなる。
【0054】さらに、従来技術では燃料カット制御時の
エンジン回転数NEの変動が大きく、噴射停止判定値a
を大きくオーバーシュートするので、エンジン1のオー
バラン(エンジンが許容回転数を越えて回転する現象)
を防止するには、噴射停止判定値aを低く設定せざるを
得ない。これに対し、本実施例では燃料カット制御時の
エンジン回転数NEの変動が小さく、噴射停止判定値a
と噴射再開判定値bとの間に収束される。このため、噴
射停止判定値aを従来よりも高く設定することが可能と
なる。
【0055】加えて、本実施例によると燃料カット制御
時における排気空燃比A/Fをリーンにし、触媒が過熱
されるのを防止できる。すなわち、従来技術では燃料カ
ット制御時におけるエンジン回転数NEの変動量が大き
い。これは、加減速の大きな運転が行われていることと
同じである。このため、エンジン回転数NEを所定値に
維持するには多くの燃料が必要となり(燃料噴射時間が
長くなり)、エンジン回転数NEの変動が小さい定常運
転時よりも燃費が悪化する。
【0056】また、燃料噴射再開によってエンジン回転
数NEが所定回転数だけ上昇するのに要する時間を回転
上昇時間T1とし、燃料カットによってエンジン回転数
NEが所定回転数だけ降下するのに要する時間を回転降
下時間T2とする。すると、図13に示すように、従来
技術では、回転上昇時間T1が回転降下時間T2よりも
長くなる。この理由としては、下記の要因が挙げられ
る。
【0057】車両の慣性マスは回転上昇(燃料噴射再
開)時も降下(燃料カット)時も同じである。しかし、
車両の走行時には走行抵抗(空力)をともなう。空力は
エンジン回転数NEが上昇するほど大きくなる。そし
て、加速時(復帰時)には空力がエンジン1の回転上昇
を抑える方向に作用する。逆に、減速時(燃料カット
時)には空力がエンジン1の回転降下を助長する方向に
作用する。このため、回転上昇時間T1が回転降下時間
T2よりも長くなる。
【0058】これに対し、本実施例では既述したように
一定周期で(16ms毎に)、燃料カットと燃料噴射再
開とが繰り返されるので、図6に示すように、回転上昇
時間T1と回転降下時間T2とが同一となる。また、本
実施例ではエンジン回転数NEの変動が従来技術よりも
小さくなり、いわゆる定常運転に近づく。このため、所
定のエンジン回転数NEに維持するのに必要な燃料量が
従来技術より少なくてすむ。従って、本実施例では燃料
カット制御時における排気空燃比A/Fが、従来技術よ
りもリーンとなる。
【0059】ここで、排気空燃比A/F=12で運転さ
れていて燃料カットが行われた場合を例にとって説明す
る。前記回転上昇時間T1と回転降下時間T2との関係
から、燃料カット制御時における燃料噴射と燃料カット
との比を、従来技術では2:1と仮定し、本実施例では
1.5:1.5と仮定する。すると、燃料カット制御時
における排気空燃比A/Fは、 A/F(従来技術)=12・{(2+1)/2}=18 A/F(本実施例)=12・{(1.5+1.5)/
1.5}=24 このように、本実施例では従来技術よりも排気空燃比A
/Fがリーンとなる。この現象は、排気系に過剰な2次
空気が導入されたのと同じである。
【0060】そして、図7に示すように、排気空燃比A
/F=12で運転されているときには未燃物が生ずる。
排気空燃比A/F=18になると、前記の2次空気導入
により前記未燃物が触媒コンバータ14で燃焼反応す
る。その結果、触媒温が上昇する。さらに、排気空燃比
A/F=24になると、過剰な2次空気が触媒コンバー
タ14に供給されることとなり、前記のように上昇した
触媒温が冷却される。この触媒温の低下により、燃料カ
ット制御時における触媒の過熱が防止される。 (第2実施例)次に、本発明を具体化した第2実施例を
図8及び図9に従って説明する。図8は前記第1実施例
での図5に対応する燃料カット制御ルーチンを示し、図
9は第1実施例での図6に対応するタイミングチャート
を示す。
【0061】本実施例では、噴射再開判定値bと噴射停
止判定値aと間に中間の判定値c(=6700rpm)
を設定し、燃料噴射が停止されている状態からエンジン
回転数NEが中間の判定値c以下となったときに、燃料
噴射の再開及び停止を行わせるようにした点が前記第1
実施例と大きく異なっている。この中間の判定値cの設
定にともない、噴射再開判定値bを6600rpmから
6500rpmに変更している。また、図5でのステッ
プ106の判定処理に代え、ステップ106Aにおいて
エンジン回転数NEが中間の判定値cよりも低いか否か
を判定し、ステップ106Bにおいてエンジン回転数N
Eが噴射再開判定値bより高いか否かを判定するように
している。このようにしたのは、前記第1実施例では、
エンジン回転数NEの変動が小さくなるがゆえに、燃料
カット実行によって生ずるショックが小さくなり、運転
者が燃料カットに気付かずに運転してしまうと考えられ
るからである。
【0062】具体的には、図9のタイミングt3で燃料
カットが行われ、エンジン回転数NEが降下する。この
降下により、タイミングt3Aでエンジン回転数NEが
c≦NE≦aになると、CPU24は図8のステップ1
02で否定判定し、ステップ103で肯定判定し、ステ
ップ106Aで否定判定し、ステップ105で燃料カッ
トを行うための指令信号を出力する。すると、燃料カッ
トが持続され、引き続きエンジン回転数NEが降下す
る。
【0063】前記降下により、タイミングt4でエンジ
ン回転数NEがb<NE<cになると、ステップ107
へ移行し、前記の図5と同様にして燃料カットの実行及
び停止を短い周期で繰り返す。
【0064】従って、本実施例によると、エンジン回転
数NEが降下して噴射停止判定値a以下となっても、中
間の判定値cを下回るまでは同エンジン回転数NEの降
下が続けられ、燃料カットの実行及び停止が行われな
い。このため、前記第1実施例と同様の作用及び効果を
奏する外、最初の燃料カットの実行時のみエンジン回転
数NEの変動を大きくし、同燃料カット実行によって生
ずるショックを大きくして、運転車に燃料カットを気付
かせることが可能となる。 (第3実施例)次に、本発明を具体化した第3実施例を
図10及び図11に従って説明する。図10は前記第2
実施例での図8に対応する燃料カット制御ルーチンを示
し、図11は第2実施例での図9に対応するタイミング
チャートを示す。
【0065】本実施例では、エンジン回転数NEに相当
する回転数相当値として車速センサ22による車速SP
Dを用いている点が前記第2実施例と大きく異なってい
る。これにともない、噴射停止判定値aとして180K
m/hを設定し、噴射再開判定値bとして170Km/
hを設定し、中間の判定値cとして175Km/hを設
定している。
【0066】また、図8でのステップ101,102,
106A,106Bの各処理に代え、図10のステップ
101aで車速SPDを読み込み、ステップ102aで
車速SPDが噴射停止判定値a(=180Km/h)よ
り大きいか否かを判定し、ステップ106aで車速SP
Dが中間の判定値c(=175Km/h)より小さいか
否かを判定し、ステップ106bで車速SPDが噴射再
開判定値b(=175Km/h)より大きいか否かを判
定するようにしている。
【0067】従って、本実施例によっても前記第1実施
例及び第2実施例と同様に、短い周期(16ms)で燃
料カット及び復帰を繰り返すことで、エンジン1の出力
軸が最大変位許容位置A,Bに達するよりも前に捩じり
ダンパ32に作用するトルクの方向を反転させ、同捩じ
りダンパ32に蓄えられる反発力を減少させることがで
きる。これにともない、燃料カット制御時における車速
SPDの変動を小さくし、その変動に起因するショック
を小さくできる。また、最初の燃料カットの実行時のみ
車速SPDの変動を大きくし、同燃料カット実行によっ
て生ずるショックを大きくして、運転車に燃料カットを
気付かせることが可能となる。
【0068】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記各実施例での噴射停止判定値a、噴射再開判
定値b及び中間の判定値cの各値をエンジン1の種類、
大きさ等に応じて適宜変更してもよい。
【0069】(2)前記各実施例における燃料カット制
御ルーチンが起動される周期を適宜変更してもよい。た
だし、この周期は短いほどよく、実験では20ms未満
の場合に好ましい結果が得られた
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、燃料カ
ット手段による燃料噴射の停止中、回転数又は回転数相
当値が噴射停止判定値以下となってから噴射再開判定値
未満に低下するまでの間、燃料噴射弁による燃料噴射の
再開及び停止を所定周期にて繰り返し実行させるように
しているため、燃料カット制御手段による燃料噴射の再
開時に捻り変位許容部材の撓み変位を中立位置付近に保
持させておき、この撓み変位による反発力の蓄積を効果
的に抑制することができるようになる。このため、燃料
噴射の再開と共に出力軸Mの回転を直ちに減速から加速
へと転じることができるようになり、回転数又は回転数
相当値が前記噴射再開判定値を越えて更に低下すること
を効果的に抑制することができるようになる。また、燃
料カット制御手段による燃料噴射停止期間における出力
軸の回転の減速率を低減できるため、機関回転数の変動
に起因するショックの低減を図ることができるようにも
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念構成図である。
【図2】本発明を具体化した第1実施例におけるエンジ
ンの概略斜視図である。
【図3】第1実施例のエンジン及び回転数制御装置の概
略構成図である。
【図4】第1実施例におけるECUの電気的構成を示す
ブロック図である。
【図5】第1実施例において、CPUによって実行され
る燃料カット制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図6】第1実施例におけるエンジン回転数と、燃料カ
ット実行フラグと、燃料カットの実行・停止と、エンジ
ンの出力軸の変位量との対応関係を示すタイミングチャ
ートである。
【図7】第1実施例における排気空燃比と触媒温との関
係を示すグラフである。
【図8】本発明を具体化した第2実施例において、CP
Uによって実行される燃料カット制御ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図9】第2実施例におけるエンジン回転数と、燃料カ
ット実行フラグと、燃料カットの実行・停止と、エンジ
ンの出力軸の変位量との対応関係を示すタイミングチャ
ートである。
【図10】本発明を具体化した第3実施例において、C
PUによって実行される燃料カット制御ルーチンを示す
フローチャートである。
【図11】第3実施例における車速と、燃料カット実行
フラグと、燃料カットの実行・停止と、エンジンの出力
軸の変位量との対応関係を示すタイミングチャートであ
る。
【図12】従来技術において、プロペラシャフトに対す
るエンジンの出力軸の変位を概念的に示す説明図であ
る。
【図13】従来技術におけるエンジン回転数と、燃料カ
ットの実行・停止と、エンジンの出力軸の変位量との対
応関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、8A,8B,8C,8
D…燃料噴射弁、10…シャシ、20…回転数検出手段
としての回転数センサ、22…回転数検出手段としての
車速センサ、24…燃料カット制御手段及び反発力低減
手段としてのCPU、32…捩じり変位許容部材として
の捩じりダンパ、33…駆動輪、a…噴射停止判定値、
b…噴射再開判定値、c…中間の判定値、NE…機関回
転数としてのエンジン回転数、SPD…回転数相当値と
しての車速
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−195344(JP,A) 特開 昭64−32047(JP,A) 特開 平3−66955(JP,A) 特開 平5−79387(JP,A) 実開 昭62−117252(JP,U) 実開 平2−50039(JP,U) 実開 平1−118142(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02B 61/06 F02D 29/02 F16F 15/123

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の出力軸と駆動輪の回転軸との
    間に介在されて、これら両軸間の相対捻りを可撓性を有
    して許容する捻り変位許容部材を備える車両に搭載され
    る車載用内燃機関の回転数制御装置において、 前記出力軸の回転数又はそれに相当する回転数相当値を
    検出する回転数検知手段と、 前記回転数又は回転数相当値が所定の噴射停止判定値を
    越えることで燃料噴射弁による燃料噴射を停止させると
    共に、この燃料噴射の停止中に前記回転数又は回転数相
    当値が前記噴射停止判定値よりも低い所定の噴射再開判
    定値を下回ることで前記燃料噴射弁による燃料噴射を再
    開する燃料カット制御手段と、 前記燃料カット制御手段による燃料噴射の停止中に、前
    記回転数又は回転数相当値が前記噴射停止判定値以下と
    なってから前記噴射再開判定値未満に低下するまでの
    間、前記燃料噴射弁による燃料噴射の再開及び停止を所
    定周期にて繰り返し実行して、前記捻り変位許容部材の
    反発力を低減する反発力低減手段とを備える ことを特徴
    とする車載用内燃機関の回転数制御装置。
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