JP2842048B2 - 内燃機関の燃料カット制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料カット制御装置

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JP2842048B2
JP2842048B2 JP13117692A JP13117692A JP2842048B2 JP 2842048 B2 JP2842048 B2 JP 2842048B2 JP 13117692 A JP13117692 A JP 13117692A JP 13117692 A JP13117692 A JP 13117692A JP 2842048 B2 JP2842048 B2 JP 2842048B2
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は減速時等に燃料カットを
行う内燃機関の燃料カット制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な燃料噴射式の多気筒内燃
機関では、気筒毎に燃料噴射弁を設け、これらの燃料噴
射弁を駆動制御して燃料噴射量を調整している。すなわ
ち、この燃料噴射に際しては、機関負荷(吸気管圧力又
は吸入空気量)と機関回転数とから基本燃料噴射時間を
求める。また、吸気温、機関冷却水温等で定まる各種補
正係数により前記基本燃料噴射時間を補正して燃料噴射
時間TAUを求める。そして、この燃料噴射時間TAU
に応じて前記燃料噴射弁を開弁して燃料噴射を行うよう
にしている。
【0003】このような内燃機関では、燃費向上等のた
めに、減速時、降坂時等の機関の出力を必要としない場
合に、前記燃料噴射弁による燃料噴射を停止(燃料カッ
ト,F/C)する(特開昭62−291445号公報参
照)。この技術では、例えば図8で示すように、燃料噴
射時間TAUとして3つの判定値a,b,c(a<b<
c)が設定されている。そして、機関回転数が所定回転
数よりも高く、かつ燃料噴射時間TAUが噴射停止判定
値aを下回った後、判定値b以下の状態が予め定めた燃
料カット遅延時間A以上継続すると(タイミングt21
〜t22,t25〜t26)、機関が車輪側から回され
ていると判断し、燃料噴射弁による燃料噴射を強制的に
停止させる(タイミングt22,t26)。その後、燃
料噴射時間TAUが噴射再開判定値cを越えると(タイ
ミングt23,t27)、燃料噴射を再開させるように
なっている。
【0004】一方、通常の内燃機関では排気ガス中の炭
化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、酸化窒素(NO
x)を触媒の作用で浄化させるために、排気通路の途中
に触媒コンバータが設けられている。そして、この触媒
コンバータ中の触媒が十分活性した状態、すなわち触媒
の温度(触媒温)が高くなった状態で、前記従来の燃料
カットが行われると、燃料カットの直前及び直後に触媒
温が上昇することが確認されている。
【0005】燃料カット直前においては、吸入空気量が
絶対的に少なくなるので、混合気の燃焼が不安定となり
不完全燃焼を起こしやすい。そして、燃焼室内で燃え残
った不完全燃焼ガス(燃料+空気)が排出されて触媒コ
ンバータに至ると、触媒内で酸化反応しようとする。こ
の酸化の際の反応熱によって触媒温が徐々に上昇する
(例えば、タイミングt21〜t22,t25〜t2
6)。
【0006】また、燃料カット直後においては触媒温が
瞬間的に急上昇する。これは、所定気筒への燃料カット
が行われると、本来燃焼が行われるべき気筒に燃料が噴
射されないので、慣性によって空気だけが燃焼室から排
出される。これに対し、(燃料が噴射されている)他の
気筒からは既に燃焼が終わった燃え残りガスが依然とし
て排出される。そのため、この燃え残りガスは触媒内
で、燃料カットされた気筒からの空気と反応し急激に燃
焼する。その結果、このときの燃焼熱によって触媒温が
瞬間的に急上昇する(タイミングt22〜t23,t2
6〜t27)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術で
は前記したように燃料カット遅延時間Aが常に一定の値
に定められている。このため、エンジンブレーキ作用時
等の軽負荷時において、燃料カットの実行及び停止が頻
繁に繰り返されると、触媒温の低下する機会(単位時間
当たりの燃料カット回数)が十分ではなく、最終的に触
媒が過熱してしまう(タイミングt26〜t27,t2
9以降)。この過熱は、燃料カット直前の不完全燃焼ガ
スの酸化反応と、燃料カット開始からの触媒温の低下遅
れとが、前記燃料カットにともなう瞬間的な触媒温の急
上昇に加わることで発生する。
【0008】なお、燃料カットの実行及び停止が頻繁に
繰り返されるハンチング現象は、以下の理由によるもの
と推定される。例えば、吸気管圧力と機関回転数とから
基本燃料噴射時間が求められる内燃期間では、燃料噴射
時間TAUが一定である状態から燃料カットが行われる
と、排気ガスの慣性によるシリンダ内の負圧増進効果が
消滅し、吸気管圧力が増加する。この状態で、運転者の
アクセルペダルの踏み込み等により内燃機関の運転状態
が変化して、燃料噴射時間TAUが瞬間的に増加し、図
8の噴射再開判定値cを越えることがある。すると、燃
料カットが停止されて燃焼が再開される。この燃焼再開
により吸気管圧力が減少し、再び燃料カット制御領域へ
入る。このようにして燃料カットの実行及び停止が繰り
返されるものと考えられる。
【0009】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、燃料カットの実行及び停止が頻
繁に繰り返されても、触媒温の低下の機会を十分に確保
し、触媒が過熱されるのを未然に防止することができる
内燃機関の燃料カット制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、図1に示すように、排気通路M1に排気ガ
ス浄化用の触媒M2を設けた内燃機関M3へ燃料を噴射
する燃料噴射弁M4と、前記内燃機関M3の機関回転数
を含む運転状態を検出する運転状態検出手段M5と、前
記運転状態検出手段M5による運転状態に応じた前記燃
料噴射弁M4による目標噴射量を算出する目標噴射量算
出手段M6と、前記運転状態検出手段M5による機関回
転数が所定回転数よりも高く、かつ前記目標噴射量算出
手段M6による目標噴射量が燃料噴射停止のための噴射
停止判定値以下となり、その後の経過時間が予め定めた
燃料カット遅延時間になると、前記燃料噴射弁M4によ
る燃料噴射を強制的に停止させるとともに、前記目標噴
射量が噴射再開判定値となると燃料噴射を再開させる燃
料カット制御手段M7と、前記目標噴射量算出手段M6
による目標噴射量が前記噴射再開判定値以上となってい
る状態の継続時間と前記燃料カット遅延時間とを比較
し、その比較結果に応じて次回の燃料カット遅延時間を
変更する遅延時間変更手段M8とを備えている。
【0011】
【作用】内燃機関M3の機関回転数を含む運転状態が運
転状態検出手段M5によって検出されると、目標噴射量
算出手段M6は、その運転状態に応じた燃料噴射弁M4
からの目標噴射量を算出する。前記運転状態検出手段M
5による機関回転数が所定回転数よりも高く、かつ前記
目標噴射量算出手段M6による目標噴射量が燃料噴射停
止のための噴射停止判定値以下となり、その後の経過時
間が予め定めた燃料カット遅延時間になると、燃料カッ
ト制御手段M7は、前記燃料噴射弁M4による燃料噴射
を強制的に停止させる。そして、前記目標噴射量が噴射
再開判定値となると、燃料カット制御手段M7は燃料噴
射弁M4による燃料噴射を再開させる。
【0012】ここで、排気通路M1に設けられた触媒M
2が十分活性した状態、すなわち触媒M2の温度(触媒
温)が高くなった状態で、前記燃料カットが行われる
と、その燃料カットの直前及び直後に触媒温が上昇す
る。そして、軽負荷時において燃料カットの実行及び停
止が頻繁に繰り返された場合、燃料カット遅延時間が常
に一定であると、触媒温の低下する機会が十分でなく同
触媒温が次第に上昇し、最終的に触媒が過熱するおそれ
がある。
【0013】しかし、本発明における遅延時間変更手段
M8は、前記目標噴射量算出手段M6による目標噴射量
が前記噴射再開判定値以上となっている状態の継続時間
と前記燃料カット遅延時間とを比較する。この比較によ
り、遅延時間変更手段M8は触媒温の変化を推定し、前
記燃料カット遅延時間を変更する。
【0014】従って、前記燃料カットの実行及び停止が
頻繁に繰り返されても、燃料カット遅延時間を変更する
ことによって燃料カット間の時間間隔を調整できる。例
えば、目標噴射量が噴射再開判定値以上となっている状
態の継続時間が前記燃料カット遅延時間よりも短い場合
に、次回の燃料カット遅延時間が短くなるように変更す
る。このようにすれば、今回の燃料カットと次回の燃料
カットとの時間間隔が短くなる。従って、その分触媒温
の低下する機会が増え、触媒M2が過熱する前に触媒温
を低下させて、同触媒温の上昇を抑制することが可能と
なる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図2〜
図6に従って説明する。図2は、本実施例の燃料カット
制御装置が搭載されたガソリンエンジンの概略構成を示
す図である。車両には、内燃機関としての多気筒(本実
施例では4気筒)ガソリンエンジン1が搭載されてい
る。このエンジン1は気筒毎に燃焼室(図示しない)を
備えており、これらの燃焼室に吸気通路2及び排気通路
3が連通している。
【0016】吸気通路2には、上流側からエンジン1へ
向けて、エアクリーナ4、スロットルバルブ5、サージ
タンク6、吸気マニホルド7が順に配設されており、こ
れらを介して外気がエンジン1に取り込まれる。スロッ
トルバルブ5は吸気通路2を流通する吸入空気の量を調
節するためのものであり、アクセルペダル(図示しな
い)の操作に連動して開閉されるようになっている。ま
た、サージタンク6は吸入空気の脈動を平滑化させるた
めのものである。
【0017】吸気マニホルド7には、各気筒に燃料を噴
射供給するための燃料噴射弁8A,8B,8C,8Dが
取付けられている。そして、各燃料噴射弁8A〜8Dか
ら噴射される燃料と吸気通路2内へ導入された外気とか
らなる混合気は、各燃焼室内へ導入される。各燃焼室に
導入された混合気に着火するために、エンジン1には点
火プラグ9A,9B,9C,9Dが取付けられている。
点火プラグ9A〜9Dはディストリビュータ11にて分
配された点火信号に基づいて駆動される。ディストリビ
ュータ11はイグナイタ12から出力される高電圧をエ
ンジン1のクランク角に同期して点火プラグ9A〜9D
に分配する。そして、点火プラグ9A〜9Dの点火によ
って燃焼室内へ導入された混合気が爆発・燃焼され、エ
ンジン1の駆動力が得られる。このように燃焼室で生成
した燃焼ガスは、排気通路3を通じて外部へ排出され
る。
【0018】排気通路3には、エンジン1から下流側へ
向けて順に排気マニホルド13及び触媒コンバータ14
が配設されている。触媒コンバータ14は排気ガス中の
炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、酸化窒素(N
Ox)を触媒の作用で浄化させる装置である。
【0019】前記エンジン1の運転状態を検出するため
に、吸気圧センサ15、吸気温センサ16、スロットル
センサ17、酸素センサ18、水温センサ19、回転数
センサ20、気筒判別センサ21、車速センサ22等が
設けられている。吸気圧センサ15はサージタンク6に
設けられ、吸気管圧力(絶対圧)PMを検出する。吸気
温センサ16はエアクリーナケース内に設けられ、エン
ジン1に吸入される空気の温度(吸気温度THA)を検
出する。スロットルセンサ17はスロットルバルブ5の
近傍に設けられ、そのスロットルバルブ5の開度(スロ
ットル開度TA)を検出する。
【0020】また、酸素センサ18は排気マニホルド1
3と触媒コンバータ14との間に設けられ、排気ガス中
の酸素濃度、すなわち排気通路3における空燃比A/F
を検出する。水温センサ19はウォータアウトレットハ
ウジング等に取付けられ、エンジン1の冷却水の温度
(冷却水温THW)を検出する。回転数センサ20は、
前記ディストリビュータ11に内蔵されたロータ(図示
しない)の回転から機関回転数としてのエンジン回転数
NEを検出する。気筒判別センサ21は、同じくディス
トリビュータ11のロータの回転に応じてエンジン1の
クランク角の変化を所定の割合で検出する。車速センサ
22はエンジン1に駆動連結されたトランスミッション
(図示しない)に設けられ、車速SPDを検出する。
【0021】前記各燃料噴射弁8A〜8D及びイグナイ
タ12は電子制御装置(以下、単に「ECU」という)
23に電気的に接続されている。またECU23には、
吸気圧センサ15、吸気温センサ16、スロットルセン
サ17、酸素センサ18、水温センサ19、回転数セン
サ20、気筒判別センサ21及び車速センサ22がそれ
ぞれ接続されている。そして、ECU23はこれらの各
センサ15〜22からの出力信号に基づき、燃料噴射弁
8A〜8D及びイグナイタ12を制御する。
【0022】次に、ECU23の電気的構成について図
3のブロック図に従って説明する。ECU23は、目標
噴射量算出手段、燃料カット制御手段及び遅延時間変更
手段としての中央処理装置(CPU)24と、読出し専
用メモリ(ROM)25と、ランダムアクセスメモリ
(RAM)26と、バックアップRAM27と、外部入
力回路28と、外部出力回路29とを備え、これらは互
いにバス31によって接続されている。CPU24は、
予め設定された制御プログラムに従って各種演算処理を
実行し、ROM25はCPU24で演算処理を実行する
ために必要な制御プログラムや初期データを予め記憶し
ている。また、RAM26はCPU24の演算結果を一
時記憶する。バックアップRAM27は、電源が切られ
た後にも各種データを保持するように、バッテリによっ
てバックアップされている。
【0023】外部入力回路28には、前述した吸気圧セ
ンサ15、吸気温センサ16、スロットルセンサ17、
酸素センサ18、水温センサ19、回転数センサ20、
気筒判別センサ21及び車速センサ22がそれぞれ接続
されている。また、外部出力回路29には、前述した燃
料噴射弁8A〜8D及びイグナイタ12がそれぞれ接続
されている。そして、CPU24は外部入力回路28を
介して各センサ15〜22からの出力信号を入力値とし
て読み込む。また、CPU24はこれら入力値に基づ
き、外部出力回路29を介して燃料噴射弁8A〜8D及
びイグナイタ12を駆動制御する。
【0024】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を、図4,5のフローチャートに従って説
明する。図4のフローチャートはCPU24によって実
行される各処理のうち、目標噴射量に相当する燃料噴射
時間TAUを算出するためのルーチンを示している。ま
た、図5のフローチャートは燃焼カット制御を行うため
のルーチンを示している。このルーチンでは、図6にお
けるタイミングt4〜t5の期間と、タイミングt8〜
t9の期間と、タイミングt12以降において燃料カッ
トが行われ、それ以外の期間では燃料噴射が行われてい
る。
【0025】まず、図4の燃料噴射時間算出ルーチンに
ついて説明する。CPU24はまずステップ101にお
いて、回転数センサ20によるエンジン回転数NEと、
吸気圧センサ15による吸気管圧力PMとを読み込む。
また、CPU24はステップ102において、前記エン
ジン回転数NE及び吸気管圧力PMに基づき基本燃料噴
射時間Tpを算出する。
【0026】次に、CPU24はステップ103におい
て、吸気温センサ16による吸気温度THAと、水温セ
ンサ19による冷却水温THWと、酸素センサ18によ
る排気ガス中の酸素濃度とから燃料噴射量補正係数f
(x)を求める。
【0027】ステップ104においてCPU24は、別
の割り込みルーチンで求められてRAM26に記憶され
ている修正進角度θrを読み込み、その値が「0」より
大きいか否かを判定する。この修正進角度θrは、点火
時期(点火プラグ9A〜9Dにて火花を飛ばすタイミン
グ)の算出に際し、基本点火進角度を補正するために用
いられる値である。
【0028】修正進角度θrが「0」以下である(θr
≦0)と、すなわち進角度が減少されていないと、CP
U24はステップ106で燃料噴射量補正率Tcを1と
して設定する。これに対し、修正進角度θrが「0」よ
り大きい(θr>0)と、すなわち進角度が基本進角度
より減少していると、CPU24はステップ105にお
いて、次式(1)に従って燃料噴射量補正率Tcを算出
する。
【0029】Tc=1+θr×k ……(1) 上記式(1)中、kは定数である。この式(1)によ
り、進角度の減少量に応じた燃料噴射量補正率Tcが算
出される。
【0030】前記ステップ105,106から移行した
ステップ107において、CPU24は、前記ステップ
102での基本燃料噴射時間Tp、ステップ103での
燃料噴射量補正係数f(x)及びステップ105,10
6での燃料噴射量補正率Tcを用い、次式(2)に従っ
て燃料噴射時間TAUを算出する。
【0031】 TAU=Tp×f(x)×Tc ……(2) CPU24は上記式(2)に従って燃料噴射時間TAU
を算出すると、このルーチンを終了する。
【0032】次に、図5の燃料カット制御ルーチンを図
6のタイミングチャートを用いて説明する。このルーチ
ンでは、燃料噴射時間TAUとして、燃料噴射停止のた
めの噴射停止判定値a(=0.8msec)と、燃料噴
射再開のための噴射再開判定値c(=1.0msec)
と、それらの中間の判定値b(=0.9msec)とが
予め設定されている。また、このルーチンでは燃料カッ
ト実行フラグXFCTAUと、遅延時間計時フラグXC
FC2と、遅延時間カウンタCFCTAUと、復帰時間
カウンタCFCOUTとが用意されている。燃料カット
実行フラグXFCTAUは、燃料カットが停止されると
「0」に設定され、実行されると「1」に設定されるよ
うになっている。遅延時間計時フラグXCFC2は燃料
噴射時間TAUが「0.8msec」を下回って「1.
0」を越えるまでの間「1」に設定され、それ以外のと
き「0」に設定される。
【0033】遅延時間カウンタCFCTAUは、燃料噴
射時間TAUが「0.8msec」を下回った後、
「0.9msec」になるまでの時間を計時するための
ものである。復帰時間カウンタCFCOUTは、燃料噴
射時間TAUが「1.0」以上のときの時間を計時する
ためのものである。つまり、復帰時間カウンタCFCO
UTは、燃料噴射時間TAUが「1.0」未満の状態か
ら増加して「1.0」となったときにカウント動作を開
始し、再び「1.0」未満なるとカウント動作を停止す
る。そして、前記両カウンタCFCTAU,CFCOU
Tは、1秒毎に起動される別のルーチン(図示しない)
にてカウント動作(「1」ずつインクリメント)するよ
うになっている。
【0034】例えば、車両が比較的長い坂道を下ってい
る状態からこのルーチンへ移行したとする。つまり、エ
ンジンブレーキが作用し駆動系からの負荷がエンジン1
に加わっている高回転状態から、このルーチンへ移行し
たとする(タイミングt1)。CPU24は、まずステ
ップ201でエンジン回転数NEが2000rpmより
高いか否かを判定し、ステップ202で燃料噴射時間T
AUが1.0msec未満か否かを判定する。タイミン
グt1では、NE>2000rpmであり、TAU≧
1.0である。このため、CPU24はステップ201
で肯定判定し、ステップ202で否定判定して、ステッ
プ214へ移行する。
【0035】ステップ214で、CPU24は遅延時間
カウンタCFCTAUの値を「0」にリセットし、カウ
ント動作を停止させる。また、遅延時間計時フラグXC
FC2及び燃料カット実行フラグXFCTAUをともに
「0」に設定する。そして、このルーチンを終了する。
【0036】なお、タイミングt1では、復帰時間カウ
ンタCFCOUTが以前よりカウント動作を行っていて
「30」以上の値を採っている。また、前記ステップ2
14で燃料カット実行フラグXFCTAUが「0」に設
定されると、CPU24は別のルーチンで燃料カットを
停止する。つまり、図4のルーチンで求められた燃料噴
射時間TAUに基づき燃料噴射制御を実行する。
【0037】燃料噴射時間TAUが減少して0.8≦T
AU<0.9になると(タイミングt2)、CPU24
は前記ステップ201,202で肯定判定し、ステップ
203で燃料噴射時間TAUが0.8msec以上か否
かを判定し、ステップ205で同燃料噴射時間TAUが
0.9msec以上か否かを判定する。CPU24はス
テップ203で肯定判定し、ステップ205で否定判定
し、ステップ206へ移行する。
【0038】CPU24はステップ206で遅延時間計
時フラグXCFC2が「1」であるか否かを判定する。
この処理は、燃料噴射時間TAUが1回0.8msec
を下回ったかどうかを判定するための処理である。前記
ステップ214の処理により遅延時間計時フラグXCF
C2が「0」であるので、CPU24はステップ206
で否定判定し、ステップ207へ移行する。
【0039】ステップ207において、CPU24は遅
延時間カウンタCFCTAUの値を「0」にする。つま
り、遅延時間カウンタCFCTAUとして前記タイミン
グt1での値を保持する。また、CPU24はステップ
208で燃料カット遅延時間Aを「30sec」に設定
し、この値をレジスタに一時格納する。
【0040】さらに、CPU24はステップ209にお
いて、復帰時間カウンタCFCOUTの値が「30」以
上であるか否かを判定する。タイミングt2では、前記
タイミングt1から引き続いて復帰時間カウンタCFC
OUTのカウント動作が行われていて、その値が「3
0」以上である。このため、CPU24はステップ20
9で肯定判定し、ステップ211において、前記燃料カ
ット遅延時間Aが遅延時間カウンタCFCTAUより大
きいか否かを判定する。ここで、燃料カット遅延時間A
は前記ステップ208で「30sec」に設定され、遅
延時間カウンタCFCTAUはステップ207で「0」
に設定されている。このため、CPU24はステップ2
11で肯定判定し、このルーチンを終了する。
【0041】燃料噴射時間TAUがさらに減少して0.
8未満になると(タイミングt3)、CPU24はステ
ップ201,202で肯定判定した後ステップ203で
否定判定し、ステップ204で遅延時間計時フラグXC
FC2を「0」から「1」に12。続いて、CPU24
はステップ205で否定判定し、ステップ206で肯定
判定し、前記ステップ207の処理を行うことなくステ
ップ208以降の処理を行い、このルーチンを終了す
る。ステップ208以降の処理は前記タイミングt2で
の処理と同じである。なお、前記ステップ207の処理
が行われないので、タイミングt3から遅延時間カウン
タCFCTAUのカウント動作が開始される。
【0042】時間の経過にともない遅延時間カウンタC
FCTAU及び復帰時間カウンタCFCOUTの値が増
加する。そして、TAU<0.9の状態が所定時間(3
0sec)継続すると、つまり遅延時間カウンタCFC
TAUの値が「30」になると(タイミングt4)、C
PU24はステップ201,202,203で肯定判定
し、ステップ205で否定判定する。また、遅延時間計
時フラグXCFC2が前記タイミングt3で「1」に設
定されているので、CPU24はステップ206で肯定
判定し、ステップ208以降の処理を行う。
【0043】復帰時間カウンタCFCOUTはカウント
動作を続けており、その値が「30」以上となってい
る。そのため、CPU24はステップ209で肯定判定
し、ステップ211へ移行する。タイミングt4では遅
延時間カウンタCFCTAUの値は「30」である。一
方、燃料カット遅延時間Aはステップ208で「30」
に設定されている。このため、CPU24はステップ2
11で否定判定し、ステップ212で燃料カット実行フ
ラグXFCTAUを「1」に設定するとともに、遅延時
間カウンタCFCTAUの値を「30」に設定する。す
なわち、遅延時間カウンタCFCTAUのカウント動作
を一時停止して「30」に保持する。
【0044】そして、ステップ213でCPU24は復
帰時間カウンタCFCOUTの値を「0」にし、このル
ーチンを終了する。なお、前記ステップ212で燃料カ
ット実行フラグXFCTAUが「1」に設定されると、
CPU24は別のルーチンで、前記燃料噴射弁8A〜8
Dによる燃料噴射を強制的に停止(燃料カット)させ
る。
【0045】前記燃料カットにより吸気管圧力PMが増
加すると、これにともない燃料噴射時間TAUも増加す
る。さらに、このときに運転者によるアクセルペダルの
踏み込み量が変化し、燃料噴射時間TAUが増加して瞬
間的に「1.0」になると(タイミングt5)、CPU
24はステップ201で肯定判定し、ステップ202で
否定判定する。そして、CPU24はステップ214に
おいて、遅延時間カウンタCFCTAUの値を「30」
から「0」にリセットし、遅延時間計時フラグXCFC
2及び燃料カット実行フラグXFCTAUをともに
「1」から「0」にする。そして、このルーチンを終了
する。
【0046】なお、タイミングt5では前記ステップ2
13の処理が行われないので、復帰時間カウンタCFC
OUTによるカウント動作が開始される。また、前記ス
テップ214で燃料カット実行フラグXFCTAUが
「0」に設定されると、CPU24は別のルーチンで燃
料カットを停止し、通常の燃料噴射制御を再開する。
【0047】燃料噴射時間TAUが瞬間的な増加から減
少に転じ「1.0」を下回ると(タイミングt6)、C
PU24はステップ201,202,203,205で
肯定判定する。また、CPU24はステップ207にお
いて、遅延時間カウンタCFCTAUの値を「0」に保
持し、カウント動作を停止させ続ける。また、CPU2
4はステップ208で燃料カット遅延時間Aを30se
cに設定し、この値をレジスタに一時格納する。
【0048】次にCPU24はステップ209の判定処
理を行う。ここで、前記タイミングt5から復帰時間カ
ウンタCFCOUTのカウント動作が行われている。こ
のとき、復帰時間カウンタCFCOUTの値が「30」
未満の値αである(α<30)と、つまり燃料噴射が再
開されている期間が短いと、CPU24はステップ20
9で否定判定する。
【0049】CPU24は、次回の燃料カット遅延時間
Aとして「30sec」をそのまま用いると、触媒温の
低下する機会(単位時間当たりの燃料カット実行回数)
が十分でなく、同触媒温が上昇するおそれがあると推定
し、ステップ210で、復帰時間カウンタCFCOUT
の値αを燃料カット遅延時間Aとして設定する。この場
合、ステップ208で設定した「30」を値αに書き換
えてレジスタに一時格納する。
【0050】次に、CPU24は遅延時間カウンタCF
CTAUが「0」を保持していることから、ステップ2
11で肯定判定し、このルーチンを終了する。燃料噴射
時間TAUが減少し「0.8」を下回ると(タイミング
t7)、CPU24はステップ201,202で肯定判
定した後ステップ203で否定判定し、ステップ204
で遅延時間計時フラグXCFC2を「0」から「1」に
設定する。続いて、CPU24はステップ205で否定
判定し、ステップ206で肯定判定し、前記ステップ2
07の処理を行うことなくステップ208へ移行する。
従って、このタイミングt7から遅延時間カウンタCF
CTAUのカウント動作が開始される。
【0051】CPU24はステップ208で燃料カット
遅延時間Aを「30」に設定した後、ステップ209の
判定処理を行う。ここで、復帰時間カウンタCFCOU
Tの値は「α」に保持されている。そのため、CPU2
4はステップ209で否定判定し、ステップ210でそ
の値「α」を燃料カット遅延時間Aとして設定する。
【0052】さらに、CPU24は、遅延時間カウンタ
CFCTAUがカウント動作を開始した直後であり、そ
の値が前記燃料カット遅延時間A(=α)より小さいこ
とから、ステップ211で肯定判定し、このルーチンを
終了する。
【0053】時間の経過にともない遅延時間カウンタC
FCTAUの値が増加する。そして、前記タイミングt
7からTAU<0.9の状態が所定時間(αsec)続
くと、つまり遅延時間カウンタCFCTAUの値が
「α」になると(タイミングt8)、CPU24はステ
ップ201,202,203で肯定判定し、ステップ2
05で否定判定する。また、遅延時間計時フラグXCF
C2が前記タイミングt7で「1」に設定されているの
で、CPU24はステップ206で肯定判定し、ステッ
プ208以降の処理を行う。
【0054】復帰時間カウンタCFCOUTはカウント
動作を停止しており、その値が「A(=α<30)」に
保持されている。そのため、CPU24はステップ20
9で否定判定し、ステップ210でその値αを燃料カッ
ト遅延時間Aとして設定する。タイミングt8では燃料
カット遅延時間A及び遅延時間カウンタCFCTAUの
値がいずれも「α」である。そのため、CPU24はス
テップ211で否定判定する。
【0055】CPU24はステップ212で燃料カット
実行フラグXFCTAUを「1」に設定するとともに、
遅延時間カウンタCFCTAUの値を「30」に設定す
る。すなわち、遅延時間カウンタCFCTAUの値を
「α」から「30」に変更する。そして、ステップ21
3でCPU24は復帰時間カウンタCFCOUTの値を
「0」にし、このルーチンを終了する。なお、前記ステ
ップ212で燃料カット実行フラグXFCTAUが
「1」に設定されると、CPU24は別のルーチンにお
いて燃料カットを実行する。
【0056】前記燃料カットにより吸気管圧力が増加
し、燃料噴射時間TAUが増加して「1.0」になると
(タイミングt9)、CPU24はステップ201,2
02で否定判定する。そして、CPU24はステップ2
14において、遅延時間カウンタCFCTAUの値を
「30」から「0」にリセットし、遅延時間計時フラグ
XCFC2及び燃料カット実行フラグXFCTAUをと
もに「1」から「0」にする。そして、このルーチンを
終了する。
【0057】なお、タイミングt9では前記ステップ2
13の処理が行われないので、復帰時間カウンタCFC
OUTによるカウント動作が開始される。また、前記ス
テップ214で燃料カット実行フラグXFCTAUが
「0」に設定されると、CPU24は別のルーチンで燃
料カットを停止し、通常の燃料噴射制御を再開する。
【0058】燃料噴射時間TAUが増加から減少に転じ
「1.0」を下回ると(タイミングt10)、CPU2
4はステップ201,202,203,205で肯定判
定する。CPU24はステップ207において、遅延時
間カウンタCFCTAUの値を「0」に保持し、カウン
ト動作を停止させ続ける。また、CPU24はステップ
208で燃料カット遅延時間Aを30secに設定し、
この値をレジスタに一時格納する。
【0059】次に、CPU24はステップ209の判定
処理を行う。ここで、前記タイミングt9から復帰時間
カウンタCFCOUTのカウント動作が行われていて、
その値はタイミングt9からタイミングt10となるま
でに要した時間と同じである。そして、この復帰時間カ
ウンタCFCOUTが「30」以上の値βである(β≧
30)と、つまり燃料カットの停止されている期間が長
いと、CPU24はステップ209で肯定判定し、ステ
ップ210の処理を行うことなくステップ211へ移行
する。従って、ここでは燃料カット遅延時間Aの値は
「30」のままである。
【0060】CPU24は、次回の燃料カット遅延時間
Aとして前記の「30sec」をそのまま用いても、触
媒温の上昇により触媒が過熱されるおそれがないと推定
する。そして、遅延時間カウンタCFCTAUが「0」
を保持していることからCPU24はステップ211で
肯定判定し、このルーチンを終了する。
【0061】燃料噴射時間TAUが減少し「0.8」を
下回ると(タイミングt11)、CPU24はステップ
201,202で肯定判定した後ステップ203で否定
判定し、ステップ204で遅延時間計時フラグXCFC
2を「1」に設定する。続いて、CPU24はステップ
205で否定判定し、ステップ206で肯定判定し、前
記ステップ207の処理を行うことなくステップ208
へ移行する。従って、このタイミングt11から遅延時
間カウンタCFCTAUのカウント動作が開始される。
【0062】復帰時間カウンタCFCOUTの値がβに
保持されていることから、CPU24はステップ209
で肯定判定する。また、遅延時間カウンタCFCTAU
がカウント動作を開始した直後であり、その値が前記燃
料カット遅延時間A(=β)より小さいことから、CP
U24はステップ211で肯定判定し、このルーチンを
終了する。
【0063】時間の経過にともない遅延時間カウンタC
FCTAUの値が増加する。そして、前記タイミングt
11からTAU<0.9の状態が所定時間(30se
c)継続すると、つまり遅延時間カウンタCFCTAU
の値が「30」になると(タイミングt12)、CPU
24はステップ201,202,203で肯定判定し、
ステップ205で否定判定する。また、遅延時間計時フ
ラグXCFC2が前記タイミングt11で「1」に設定
されているので、CPU24はステップ206で肯定判
定し、ステップ208以降の処理を行う。
【0064】復帰時間カウンタCFCOUTはカウント
動作を停止しており、その値が「A(=β≧30)」に
保持されているので、CPU24はステップ209で肯
定判定する。また、タイミングt12では燃料カット遅
延時間A及び遅延時間カウンタCFCTAUの値がいず
れも「30」であるので、CPU24はステップ211
で否定判定する。
【0065】CPU24はステップ212で燃料カット
実行フラグXFCTAUを「1」に設定するとともに、
遅延時間カウンタCFCTAUの値を「30」に設定す
る。すなわち、遅延時間カウンタCFCTAUの値を
「30」に保持する。そして、ステップ213でCPU
24は復帰時間カウンタCFCOUTの値を「0」に
し、このルーチンを終了する。なお、前記ステップ21
2で燃料カット実行フラグXFCTAUが「1」に設定
されると、CPU24は別のルーチンにおいて燃料カッ
トを実行する。
【0066】このように本実施例では、燃料噴射時間T
AUが噴射再開判定値c(=1.0)以上となる時間を
復帰時間カウンタCFCOUTで測定し、その値と予め
「30sec」に設定された燃料カット遅延時間Aとを
比較する(ステップ209)。そして、復帰時間カウン
タCFCOUTの値が「30sec」以上の場合、次回
の燃料カット遅延時間Aとして「30sec」をそのま
ま用いる。これとは逆に、復帰時間カウンタCFCOU
Tの値が「30sec」未満の場合、次回の燃料カット
遅延時間Aとしてこの復帰時間カウンタCFCOUTの
値を用いるようにした(ステップ210)。つまり、本
実施例では燃料カットの行われている状態から燃料噴射
が再開され、その後噴射再開判定値c未満となるまでの
時間からそのときの触媒温の変化を推定し、その推定し
た触媒温の変化に応じて燃料カット遅延時間Aを変更す
るようにした。
【0067】このため、復帰時間カウンタCFCOUT
が「30sec」未満の場合には、燃料カット遅延時間
Aとして常に同一の値(30sec)を用いた従来技術
よりも、今回の燃料カットと次回の燃料カットとの時間
間隔が短くなる。つまり、燃料カット実行後、短時間の
うちに次の燃料カットが行われることになる。従って、
エンジンブレーキ作用時等の軽負荷時において、燃料カ
ットの実行及び停止が頻繁に繰り返されても、前記のよ
うに短時間で次の燃料カットが行われる分だけ、触媒温
の低下する機会が従来技術よりも増える。その結果、不
完全燃焼ガスによって触媒が過熱する前に触媒温を低下
させて、同触媒温の上昇を抑制し、過熱を未然に防止す
ることができる。
【0068】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)図7で示すように、燃料カット遅延時間Aと復帰
時間カウンタCFCOUTの一次元マップを用い、復帰
時間カウンタCFCOUTの値に応じて燃料カット遅延
時間Aを変更してもよい。このようにすれば、さらに精
度の高い燃料カット制御を行うことができる。
【0069】(2)前記実施例の燃料カット制御を行う
際に用いられる燃料噴射時間TAUの値(「0.8」,
「0.9」,「1.0」)を適宜変えることによって、
燃料カットのしやすさを変えてもよい。例えば、燃料カ
ット制御から強制的に通常の燃料噴射制御へ復帰させる
際の噴射再開判定値cを「1.0」以上にすることで、
燃料カットの実行及び停止が頻繁に繰り返されるハンチ
ング現象を少なくできる。
【0070】(3)前記実施例では、吸気管圧力PMと
エンジン回転数NEとから燃料噴射時間TAUを算出す
るタイプのエンジン1について説明したが、吸入空気量
とエンジン回転数NEとによって燃料噴射時間TAUを
算出するタイプのエンジン1に本発明を適用してもよ
い。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、目
標噴射量が噴射再開判定値以上となっている状態の継続
時間と前記燃料カット遅延時間とを比較し、その比較結
果に応じて次回の燃料カット遅延時間を変更するように
したので、燃料カットの実行及び停止が頻繁に繰り返さ
れても、触媒温の低下の機会を十分に確保し、触媒が過
熱されるのを未然に防止することができるという優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念構成図である。
【図2】本発明を具体化した一実施例の燃料カット制御
装置と、その燃料カット制御装置が搭載されたエンジン
とを示す概略構成図である。
【図3】一実施例におけるECUの電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図4】一実施例において、CPUによって実行される
燃料噴射時間算出ルーチンを説明するフローチャートで
ある。
【図5】一実施例において、CPUによって実行される
燃料カット制御ルーチンを説明するフローチャートであ
る。
【図6】一実施例における燃料噴射時間、触媒温、フラ
グ、カウンタ等の対応関係を示すタイミングチャートで
ある。
【図7】本発明の別例に用いられる、復帰時間カウンタ
に対する燃料カット遅延時間を規定した一次元マップを
示す図である。
【図8】従来の燃料カット制御装置を用いた場合の燃料
噴射時間と触媒温との対応関係を示すタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、3…排気通路、8A,
8B,8C,8D…燃料噴射弁、14…触媒コンバー
タ、15…吸気圧センサ、16…吸気温センサ、18…
酸素センサ、19…水温センサ、20…回転数センサ
(15,16,18〜20は運転状態検出手段を構成し
ている)、24…目標噴射量算出手段、燃料カット制御
手段及び遅延時間変更手段としてのCPU、A…燃料カ
ット遅延時間、CFCTAU…遅延時間カウンタ、CF
COUT…復帰時間カウンタ、NE…機関回転数として
のエンジン回転数、TAU…目標噴射量に相当する燃料
噴射時間、a…噴射停止判定値、c…噴射再開判定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/12 330 F01N 3/20 F02D 41/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に排気ガス浄化用の触媒を設け
    た内燃機関へ燃料を噴射する燃料噴射弁と、 前記内燃機関の機関回転数を含む運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段による運転状態に応じた前記燃料
    噴射弁による目標噴射量を算出する目標噴射量算出手段
    と、 前記運転状態検出手段による機関回転数が所定回転数よ
    りも高く、かつ前記目標噴射量算出手段による目標噴射
    量が燃料噴射停止のための噴射停止判定値以下となり、
    その後の経過時間が予め定めた燃料カット遅延時間にな
    ると、前記燃料噴射弁による燃料噴射を強制的に停止さ
    せるとともに、前記目標噴射量が噴射再開判定値となる
    と燃料噴射を再開させる燃料カット制御手段と、 前記目標噴射量算出手段による目標噴射量が前記噴射再
    開判定値以上となっている状態の継続時間と前記燃料カ
    ット遅延時間とを比較し、その比較結果に応じて次回の
    燃料カット遅延時間を変更する遅延時間変更手段とを備
    えたことを特徴とする内燃機関の燃料カット制御装置。
JP13117692A 1992-05-22 1992-05-22 内燃機関の燃料カット制御装置 Expired - Lifetime JP2842048B2 (ja)

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US7220213B2 (en) 2004-03-25 2007-05-22 Nissan Motor Co., Ltd. Vehicle control apparatus
JP4514602B2 (ja) * 2004-12-27 2010-07-28 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の燃料カット制御方法
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