JP2924507B2 - 車両用内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

車両用内燃機関の燃料噴射装置

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JP2924507B2
JP2924507B2 JP29454092A JP29454092A JP2924507B2 JP 2924507 B2 JP2924507 B2 JP 2924507B2 JP 29454092 A JP29454092 A JP 29454092A JP 29454092 A JP29454092 A JP 29454092A JP 2924507 B2 JP2924507 B2 JP 2924507B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用内燃機関の燃料
噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両走行時において、内燃機関により発
生したトルクは機関出力軸から動力伝達系を介して車両
駆動輪へ伝達される。この時、動力伝達系は捩じれ変形
しており、その変形量は機関トルクの上昇に伴って増大
する。各機関トルクにおける車両定常運転時において、
動力伝達系の捩じれ変形量は、この時の機関トルクに応
じた量に収束しているが、例えば機関急加速時のように
機関トルクが第1トルクから第2トルクに急増する時、
車両の大きな質量により車両加速度はこの機関トルクに
直ちに追従できず、瞬間的に動力伝達系は第2トルクに
応じた量を越えて捩じれ変形する。次いで、車両加速度
が第2トルクに応じた値まで増大すると、動力伝達系の
捩じれ変形量は、第2トルクに応じた量まで戻り、この
時その分の弾性エネルギが放出されて車両加速度をさら
に増大させる。従って、車両加速度が第2トルクに応じ
た値を上回るために、動力伝達系の捩じれ変形量は第2
トルクに応じた量を下回り、その分機関トルクを使用し
て戻ろうとするために、車両加速度が減少して第2トル
クに応じた値を下回る。このような車両加速度変動が繰
り返されて収束するまで、車両に前後振動が発生するこ
とになる。
【0003】この車両急加速時における車両の前後振動
を防止するために、特開平4−41956号公報には、
機関トルクをいきなり第1トルクから第2トルクに急増
させるのではなく、当初、車両の加速度遅れに伴う動力
伝達系の捩じれ変形量の増大を考慮して、捩じれ変形量
が丁度第2トルクに応じた量となるような両トルク間の
第3トルクが発生するように、予備燃料噴射を実行した
後、第2トルクを発生するための主燃料噴射を実行する
燃料噴射装置が記載されている。車両加速度変動による
車両の前後振動は、車両急加速時だけでなく急減速時に
おいても発生し、この燃料噴射装置は、急減速時にもこ
のような予備燃料噴射を実行するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術におい
て、第3トルクを得るための予備燃料噴射は、その単位
時間当たりの燃料噴射量と機関加減速以前の単位時間当
たりの燃料噴射量との差を比較的大きくすることで、予
備燃料噴射の噴射時間が短くなるために、第2トルクを
得るための主燃料噴射開始までの時間を短することがで
き、より早く所望の車両運転状態が実現される。しか
し、加速時において、吸気量を増加すべくスロットル弁
の開度が制御されるが、すぐには吸気量は増加せず、前
述の差が比較的大きいと、すなわち予備燃料噴射におけ
る燃料噴射量が多いと吸気不足となって第3トルクが得
られないだけでなく、その分の未燃燃料が排出され排気
エミッションが悪化する。
【0005】従って、本発明の目的は、車両加減速時に
おける車両の前後振動を防止すると共に、早く所望の車
両運転状態が実現されるよう予備燃料噴射を実行する車
両用内燃機関の燃料噴射装置において、加速時における
予備燃料噴射実行時に確実に所望のトルクが得られ、排
気エミッションの悪化を防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による車両用内燃
機関の燃料噴射装置は、車両を加減速するために機関ト
ルクを増減すべく機関全体に供給される単位時間当たり
の燃料噴射量を第1噴射量から第2噴射量に変化させる
際に、動力伝達系の捩じれ変形に伴う前記車両の前後振
動を抑制するための予備燃料噴射を前記第2噴射量での
主燃料噴射の開始に先立って実行する車両用内燃機関の
燃料噴射装置において、機関全体に供給される単位時間
当たりの予備燃料噴射量と、予備燃料噴射期間と、主燃
料噴射開始時期とは、前記予備燃料噴射量と前記第1噴
射量との噴射燃料差を多くするほど、前記予備燃料噴射
期間と、前記予備燃料噴射の開始から前記主燃料噴射開
始時期までの期間とが短くなる関係を有し、前記第1噴
射量と前記第2噴射量とが量的に互いに逆の関係となる
減速時と加速時とを比較した場合に、減速時は、前記主
燃料噴射の開始時期を早めるように前記予備燃料噴射量
を決定し、加速時は、前記予備燃料噴射期間における吸
入空気量の増加遅れを考慮して、前記噴射燃料差が前記
減速時より小さくなるように前記予備燃料噴射量を決定
することを特徴とする。
【0007】
【作用】前述の車両用内燃機関の燃料噴射装置は、車両
を加減速するために機関トルクを増減すべく機関全体に
供給される単位時間当たりの燃料噴射量を第1噴射量か
ら第2噴射量に変化させる際に、動力伝達系の捩じれ変
形に伴う車両の前後振動を抑制するための予備燃料噴射
を第2噴射量での主燃料噴射の開始に先立って実行し、
機関全体に供給される単位時間当たりの予備燃料噴射量
と、予備燃料噴射期間と、主燃料噴射開始時期とは、予
備燃料噴射量と第1噴射量との噴射燃料差を多くするほ
ど、予備燃料噴射期間と、予備燃料噴射の開始から主燃
料噴射開始時期までの期間とが短くなる関係を有してお
り、第1噴射量と第2噴射量とが量的に互いに逆の関係
となる減速時と加速時とを比較した場合に、減速時は、
主燃料噴射の開始時期を早めるように予備燃料噴射量が
決定され、加速時は、予備燃料噴射期間における吸入空
気量の増加遅れを考慮して、噴射燃料差が減速時より小
さくなるように予備燃料噴射量が決定される。
【0008】
【実施例】図1は、本発明による燃料噴射装置が取り付
けられた車両用内燃機関の概略図である。同図におい
て、1は機関本体、2は燃料噴射弁、3は機関出力軸、
4は変速機である。変速機4の出力軸5は車両駆動輪
(図示せず)に接続されている。機関出力軸3と変速機
4の間には、変速機4が自動変速機の場合のトルクコン
バータ、又は手動変速機の場合のクラッチ装置6が配置
される。変速機4にはギヤ位置を検出するギヤ位置検出
センサ7が取り付けられ、またトルクコンバータ又はク
ラッチ6にはこの位置でのトルク遮断状態を検出するト
ルク遮断状態検出センサ8が取り付けられている。
【0009】燃料噴射弁2を制御するための制御装置1
0は、デジタルコンピュータからなり、双方向性バス1
1によって相互に接続されたROM(リードオンリメモ
リ)12、RAM(ランダムアクセスメモリ)13、C
PU(マイクロプロセッサ)14、入力ポート15、及
び出力ポート16を具備する。
【0010】入力ポート15には、前述のギヤ位置検出
センサ7及びトルク遮断状態検出センサ8に加えて機関
回転数を検出するためのクランク角センサ17、アクセ
ルペダル20の踏み込み量を基に機関負荷を検出する負
荷センサ18等が接続されている。一方、出力ポート1
6は、対応する各駆動回路21を介して各燃料噴射弁2
に接続されている。
【0011】車両走行時において、変速機4、その出力
軸5、及びトルクコンバータ又はクラッチ装置6からな
る動力伝達系には、機関トルクに応じた量の捩じり変形
が発生する。図2に示すように、車両を加速させるため
に機関トルクが第1トルクT1から第2トルクT2に急
増されると、車両加速度は、車両の大きな重量により瞬
間的に第1トルクT1に応じた値G1 から第2トルクT
2に応じた値G2まで上昇できず、それにより動力伝達
系の捩じり変形量は、第2トルクT2に応じた量θ2を
越えて増加し、この増量分は車両加速度が第2トルクT
2に応じた値G2に上昇した時にエネルギとなって放出
され、車両加速度をさらに増加させる。次いで、動力伝
達系の捩じり変形量は、車両加速度のこの増加により、
第2トルクT2に応じた量θ2を下回るが、その分を戻
すために機関トルクが使用されるために車両加速度が第
2トルクT2に応じた値G2を下回り、再び動力伝達系
の捩じり変形量が第2トルクT2に応じた量θ2を越え
増加する。このような動力伝達系の捩じり変形量及び車
両加速度の変動が収束するまで、車両加速度変動により
車両が前後に振動する。このような車両の前後振動は、
機関減速時においても起こる。
【0012】本実施例の燃料噴射装置は、機関加減速時
におけるこの車両前後振動を防止するために、動力伝達
系の捩じり変形量を変化後のトルクに応じた量に維持す
べく、燃料噴射を制御するものである。つまり、機関ト
ルクの急激な変化に対する車両の加減速遅れを考慮し
て、当初の動力伝達系の捩じり変形量が、変化後のトル
クに応じた量となるようなトルクを発生すべく、予備燃
料噴射を実行するものである。
【0013】この予備燃料噴射方法を決定するために、
動力伝達系を図3のようにモデル化する。同図におい
て、質量m1の機関と質量m2の車両とを連結する動力
伝達系は、ばね定数kのばね及び減衰係数cのダンパか
ら構成されている。機関トルクがT1の時の機関の角度
変位をx1、車両の角度変位をx2とする。駆動輪の半
径をrとするとラジアン単位で表される機関角度変位x
1にこの半径rを掛けたものが車両角度変位x2に等し
くなるので、機関の質量m1はこの関係を考慮した等価
的な質量を表している。またこの等価質量m1は変速機
の変速比によって変化するものである。また、機関トル
クTは燃料噴射量に対応している。
【0014】このようにモデル化された動力伝達系を使
用して、機関及び車両についての運動方程式をたて、こ
れらの運動方程式を車両加速度について解き、次にこれ
らの運動方程式から機関角度変位x1と車両角度変位x
2との差(x1−x2)、つまり動力伝達系の捩じり変
形量xについて解き、機関が加減速後のトルクT2を発
生する時、車両が前後振動しない条件、すなわち、この
トルクT2が発生する前後において、動力伝達系の捩じ
り変形量xが変化せず、しかも車両の加速度も変化しな
い二つの条件が同時に満たされることを考慮して、次の
二つの式(1)及び(2)が得られる。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】以下に示す全ての燃料噴射量は、機関全体
へ供給される単位時間当たりの燃料噴射量である。実際
的には、この燃料噴射量は、単位時間当たりに燃料噴射
時期を迎える気筒へ噴射されることとなる。前述の二つ
の式(1)及び(2)において、t1は予備燃料噴射に
おける燃料噴射期間、tsは予備燃料噴射が開始された
時から機関加減速時の変化後のトルクを発生するための
主燃料噴射が開始されるまでの期間であり、またQは機
関加減速前後の単位時間当たりの機関要求燃料噴射量の
変化量(Qnew−Qold)であり、加速時において
プラスの値となり、減速時においてマイナスの値とな
る。Q’は、予備燃料噴射における単位時間当たりの燃
料噴射量を決定するための加減速以前の燃料噴射量に対
する増減量である。この値は、機関加速時においてプラ
スとなり、加速以前の燃料噴射量に対して実質的にその
分増量され、機関減速時においてマイナスとなり、減速
以前の燃料噴射量に対して実質的にその分減量される。
【0018】前述の二つの式(1)及び(2)を満足す
るように予備燃料噴射を実行すれば、理論的に機関加減
速時における車両の前後振動を防止することができる。
式(1)はt1とtsの関係を示し、また式(2)はt
1及びtsを使用してQとQ’の関係を示している。従
って、予備燃料噴射における燃料噴射期間t1又は主燃
料噴射が開始されるまでの期間tsを適当に選択する
か、又はt1とtsの新たな関係を適当に選択すること
で、この時の予備燃料噴射における前述の増減量Q’が
一義的に決定され、また逆に、QとQ’との新たな関係
を適当に選択することで、t1及びtsが一義的に決定
される。それにより、予備燃料噴射は色々なパターンと
することができる。
【0019】例えば、図4(A)に示すように、予備燃
料噴射における増減量Q’を、加減速前後の単位時間当
たりの機関要求燃料噴射量の変化量Q(Qnew−Qo
ld)と同量として、それにより予備燃料噴射における
燃料噴射期間t1 と主燃料噴射が開始されるまでの期間
tsを決定したり、また図4(B)に示すように、t1
とtsを一致させ、Q’を決定することも可能である。
【0020】前述の式(1)及び(2)から、図4
(A)のように予備燃料噴射における増減量Q’を比較
的大きくすれば、すなわち機関加減速以前の単位時間当
たりの機関要求燃料噴射量Qoldと予備燃料噴射にお
ける単位時間当たりの燃料噴射量との差を比較的大きく
すれば、予備燃料噴射における燃料噴射時間が短くなる
ために、主燃料噴射開始までの期間tsを短くすること
ができ、また逆に図4(B)のようにこの期間tsを長
くすれば予備燃料噴射における増減量Q’は小さくなる
ことは明らかである。それにより図4(A)のような噴
射パターンを採用することで、機関加減速時において主
燃料噴射を早く開始することができ、所望の運転状態が
より早く実現され、特に、機関減速時において、車両が
なかなか減速しない空走感を防止することができる。
【0021】しかし、機関加速時における予備燃料噴射
において、このようなパターンが採用されると、機関ス
ロットル弁は主燃料噴射における単位時間当たりの機関
要求燃料噴射量Qnewに応じてその開度が増加される
が、すぐには吸気量が増加しないために、比較的多量の
燃料を完全には燃焼させることはできず、その一部が未
燃燃料として排出され、排気エミッションを悪化させる
と共に、この時の所望の機関トルクが実現されず、車両
の前後振動を防止することができない。
【0022】したがって、本実施例において、機関減速
時には図4(A)のパターンで、また機関加速時には図
4(B)のパターンで予備燃料噴射を実行する。それに
より、機関減速時の空走感は防止されると共に、機関加
速時において吸気量がすぐに必要量まで増加しなくても
予備燃料噴射における前述の増減量Q’は小さく、すな
わち単位時間当たりの燃料噴射量が少なくなっているた
めに、この時の燃料は完全に燃焼され、所望のトルクが
実現されて確実に車両の前後振動を防止することが可能
となる。
【0023】図5は、燃料噴射弁2にこのような予備燃
料噴射を実行させるための制御開始処理用フローチャー
トである。このフローチャートは2msec毎に実行され
る。まずステップ101において、フラグFが0である
かどうかが判断される。このフラグFは、当初、予備燃
料噴射の非実行状態を示す値0に設定されているため
に、ステップ102に進む。ステップ102において、
この段階での単位時間当たりの機関要求燃料噴射量Qn
ewを前回の単位時間当たりの機関要求燃料噴射量Qo
ldとして記憶する。次にステップ103において、ク
ランク角センサ17及び負荷センサ18の出力を基に現
在の機関回転数N及び機関負荷Lを検出し、ステップ1
04において、これらの値を基に現在の単位時間当たり
の機関要求燃料噴射量Qnewを決定する。
【0024】次にステップ105において、トルク遮断
状態検出センサ8の出力を基に、トルクコンバータ又は
クラッチ6においてトルクが遮断されているかどうかが
判断され、この判断が否定される時はステップ106に
進み、ギヤ位置検出センサ7により現在のギヤ位置が検
出される。次にステップ107において、現在のギヤ位
置がニュートラルであるかどうかが判断され、この判断
が否定される時ステップ108に進み、現在のギヤ位置
により変速比を求め、機関等価質量m1を決定する。
【0025】次にステップ109において、現在の単位
時間当たりの機関要求燃料噴射量Qnewから前回の単
位時間当たりの機関要求燃料噴射量Qoldを引き算し
た結果が、所定燃料噴射量ΔQ以上であるかどうか、す
なわち機関急加速状態であるかどうかが判断される。こ
の判断が肯定される時ステップ110に進み、前述のフ
ラグFを1に設定してステップ111に進み、式(1)
にステップ108において決定された機関等価質量m1
を代入すると共に、予備燃料噴射における噴射期間t1
と主燃料噴射開始までの期間tsを等しいものとしてt
1を決定し、式(2)から機関加速前後における単位時
間当たりの機関要求燃料噴射量の変化量Qを基に予備燃
料噴射における増減量Q’を決定する。
【0026】一方、ステップ109における判断が否定
される時、ステップ112において、前回の単位時間当
たりの機関要求燃料噴射量Qoldから現在の単位時間
当たりの機関要求燃料噴射量Qnewを引き算した結果
が、所定燃料噴射量ΔQ以上であるかどうか、すなわち
機関急減速状態であるかどうかが判断される。この判断
が肯定される時ステップ113に進み、前述のフラグF
を2に設定してステップ114に進み、式(2)にステ
ップ108において決定された機関等価質量m1を代入
すると共に、機関減速前後における単位時間当たりの機
関要求燃料噴射量の変化量Qと予備燃料噴射における増
減量Q’を等しいものとして、予備燃料噴射における噴
射期間t1と主燃料噴射開始までの期間tsの新たな関
係を算出し、この関係を基に式(1)からt1及びts
を決定する。
【0027】また、ステップ105又は107における
判断が肯定される時、すなわち駆動輪に機関トルクが伝
達されていない時、又はステップ112における判断が
否定される時、すなわち機関急加減速状態でない時、前
述の車両前後振動は生じないために予備燃料噴射の必要
はなく、フラグFは0のまま維持され終了する。
【0028】もし、ステップ110又は113を通過す
ると、フラグFは1又は2に設定されるために、このフ
ローチャートを次に実行する時、ステップ101におけ
る判断は否定され、ステップ115に進み、当初0に設
定されているカウント値CNTが1だけインクリメント
され、フラグFはこの時の値に維持されたまま終了す
る。このカウント値CNTは、後述する燃料噴射制御用
フローチャートにおいてフラグFが0にリセットされる
まで2msec毎に1づつ増化されることになる。
【0029】燃料噴射制御用フローチャートは図6に示
されている。このフローチャートは所定クランク角度毎
に実行される。まずステップ201において、前述の制
御開始処理用フローチャートによってフラグFが1に設
定されているかどうかが判断される。この判断が否定さ
れる時ステップ202に進み、フラグFが2に設定され
ているかどうかが判断される。この判断も否定される時
は、すなわちフラグFは0であり、予備燃料噴射の必要
はないために、ステップ207に進み、制御開始処理用
フローチャートのステップ104において決定された単
位時間当たりの機関要求燃料噴射量Qnewを実際の単
位時間当たりの燃料噴射量Qaとして、ステップ208
において噴射処理が実行される。
【0030】一方、ステップ201における判断が肯定
される時、すなわち機関急加速時は、ステップ209に
進み、制御開始処理用フローチャートのステップ115
においてインクリメントされているカウント値CNT
が、制御開始処理用フローチャートのステップ111で
決定した予備燃料噴射における噴射期間t1を2msecで
割った値より小さいかどうかが判断され、すなわち機関
急加速時における予備燃料噴射の実行状態であるかどう
かが判断され、この判断が肯定される時、前述のステッ
プ111で同時に決定した予備燃料噴射における増減量
Q’を機関加速以前の単位時間当たりの機関要求燃料噴
射量Qoldに加えた値を実際の単位時間当たりの燃料
噴射量Qaとして、ステップ208において噴射処理が
実行される。
【0031】この機関急加速時における予備燃料噴射
は、ステップ209における判断が否定されるまで、す
なわちこの噴射期間がt1に達するまで実行され、その
後、ステップ205に進み、フラグFは0にリセットさ
れ、ステップ206においてカウント値CNTは0にリ
セットされ、前述のステップ207以降における単位時
間当たりの機関要求燃料噴射量Qnewでの噴射処理が
実行される。それにより、図4(B)の機関急加速時に
おける予備燃料噴射を含む燃料噴射が実現される。
【0032】また、ステップ202における判断が肯定
される時、すなわち機関急減速時は、ステップ203に
進み、制御開始処理用フローチャートのステップ115
においてインクリメントされているカウント値CNT
が、制御開始処理用フローチャートのステップ114で
決定した予備燃料噴射における噴射期間t1を2msecで
割った値より小さいかどうかが判断され、すなわち機関
急減速時における予備燃料噴射の実行状態であるかどう
かが判断され、この判断が肯定される時、前述のステッ
プ114で選択したように、予備燃料噴射における増減
量Q’は、この時の機関減速前後の単位時間当たりの機
関要求燃料噴射量の変化量Qに等しく、すなわち前述の
ステップ207以降における単位時間当たりの機関要求
燃料噴射量Qnewでの噴射処理が実行される。
【0033】この機関急減速時における予備燃料噴射の
実行は、ステップ203における判断が否定されるま
で、すなわちこの実行期間がt1に達するまで行われ、
その後、ステップ204に進み、カウント値CNTが、
制御開始処理用フローチャートのステップ114で決定
した主燃料噴射開始までの期間tsを2msecで割った値
より小さいかどうかが判断され、すなわち機関急減速時
における予備燃料噴射の非実行状態であるかどうかが判
断され、この判断が肯定される時、ステップ211にお
いて機関減速前の単位時間当たりの機関要求燃料噴射量
Qoldが実際の単位時間当たりの燃料噴射量Qaとさ
れ、ステップ208において噴射処理が実行される。
【0034】この燃料噴射は、ステップ204における
判断が否定されるまで、すなわち主燃料噴射開始までの
期間tsに達するまで実行され、その後、ステップ20
5に進み、フラグFは0にリセットされ、ステップ20
6においてカウント値CNTは0にリセットされ、前述
のステップ207以降における単位時間当たりの機関要
求燃料噴射量Qnewでの噴射処理が実行される。それ
により、図4(A)の機関急減速時における予備燃料噴
射を含む燃料噴射が実現される。
【0035】本実施例において、機関急減速時は図4
(A)に示すパターンで、また機関急加速時は図4
(B)に示すパターンで予備燃料噴射を実行させるよう
にしたが、もちろん、これらのパターンに限定されるこ
とはなく、機関急減速時において、減速前後の単位時間
当たりの機関要求燃料噴射量の変化量Qに予備燃料噴射
における増減量Q’を必ずしも一致させる必要はなく、
予備燃料噴射における増減量Q’を比較的大きくするこ
とで、減速後の単位時間当たりの機関要求燃料噴射量で
の燃料噴射を早めることができ、所望の運転状態がより
早く実現されて空想感を防止することができる。
【0036】また、機関急加速時において、必ずしも予
備燃料噴射の停止後すぐに主燃料噴射を開始する必要は
なく、予備燃料噴射における増減量Q’を比較的小さく
し、予備燃料噴射における単位時間当たりの燃料噴射量
を比較的少なくすることで、吸気量の増加遅れに対して
も噴射された燃料の完全な燃焼が実現され、未燃燃料の
排出に伴う排気エミッションの悪化及び所望のトルクが
得られない問題は解決され、この時の車両前後振動を確
実に防止することができる。
【0037】
【発明の効果】このように、本発明による内燃機関の燃
料噴射装置によれば、車両を加減速するために機関トル
クを増減すべく機関全体に供給される単位時間当たりの
燃料噴射量を第1噴射量から第2噴射量に変化させる際
に、動力伝達系の捩じれ変形に伴う車両の前後振動を抑
制するための予備燃料噴射が第2噴射量での主燃料噴射
の開始に先立って実行される。この予備燃料噴射におい
ては、機関全体に供給される単位時間当たりの予備燃料
噴射量と、予備燃料噴射期間と、主燃料噴射の開始時期
とは、予備燃料噴射量と第1噴射量との噴射燃料差を多
くするほど、予備燃料噴射期間と、予備燃料噴射の開始
から主燃料噴射開始時期までの期間とが短くなる関係を
有している。第1噴射量と第2噴射量とが量的に互いに
逆の関係となる減速時と加速時とを比較した場合に、減
速時は、主燃料噴射の開始時期を早めるように予備燃料
噴射量が決定されるために、所望の運転状態がより早く
実現され、空走感を防止することができると共に所望の
トルクが得られ車両の前後振動を確実に防止することが
できる。また、加速時は、予備燃料噴射期間における吸
入空気量の増加遅れを考慮して、噴射燃料差が減速時よ
り小さくなるように予備燃料噴射量が決定されるため
に、予備燃料噴射期間が減速時に比較して長くなるが、
予備燃料噴射量が少ないために、吸気量の増加遅れに対
しても燃料の完全な燃焼を実現でき、所望のトルクが得
られ車両の前後振動を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料噴射装置が取り付けられた車
両用内燃機関の概略図である。
【図2】機関加減速時に生じる車両前後振動の原因を説
明するための図である。
【図3】予備燃料噴射方法を決定するための動力伝達系
のモデル化を示す図である。
【図4】予備燃料噴射を含む代表的な燃料噴射パターン
を示す図である。
【図5】予備燃料噴射を実行させるための制御開始処理
用フローチャートである。
【図6】燃料噴射制御用フローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体 2…燃料噴射弁 4…変速機 6…トルクコンバータ又はクラッチ装置 10…制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を加減速するために機関トルクを増
    減すべく機関全体に供給される単位時間当たりの燃料噴
    射量を第1噴射量から第2噴射量に変化させる際に、動
    力伝達系の捩じれ変形に伴う前記車両の前後振動を抑制
    するための予備燃料噴射を前記第2噴射量での主燃料噴
    射の開始に先立って実行する車両用内燃機関の燃料噴射
    装置において、機関全体に供給される単位時間当たりの
    予備燃料噴射量と、予備燃料噴射期間と、主燃料噴射開
    始時期とは、前記予備燃料噴射量と前記第1噴射量との
    噴射燃料差を多くするほど、前記予備燃料噴射期間と、
    前記予備燃料噴射の開始から前記主燃料噴射開始時期ま
    での期間とが短くなる関係を有し、前記第1噴射量と前
    記第2噴射量とが量的に互いに逆の関係となる減速時と
    加速時とを比較した場合に、減速時は、前記主燃料噴射
    の開始時期を早めるように前記第1噴射量に対する前記
    予備燃料噴射量を決定し、加速時は、前記予備燃料噴射
    期間における吸入空気量の増加遅れを考慮して、前記噴
    射燃料差が前記減速時より小さくなるように前記第1噴
    射量に対する前記予備燃料噴射量を決定することを特徴
    とする車両用内燃機関の燃料噴射装置。
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