JP2946214B2 - 薄膜太陽電池 - Google Patents

薄膜太陽電池

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JP2946214B2 JP1082707A JP8270789A JP2946214B2 JP 2946214 B2 JP2946214 B2 JP 2946214B2 JP 1082707 A JP1082707 A JP 1082707A JP 8270789 A JP8270789 A JP 8270789A JP 2946214 B2 JP2946214 B2 JP 2946214B2
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荘太 森内
仁 三宮
哲啓 奥野
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、太陽光を電気エネルギーに変換する光発電
システムにおける主要装置である薄膜太陽電池の改良に
関するものであり、特に積層型アモルファス太陽電池の
性能を向上させるためのものである。
(従来の技術) 近年、アモルファス薄膜太陽電池は、精力的な研究・
開発により、すでに電卓,時計等の民生用電源として実
用化されるに至っている。しかしながら、一般の発電シ
ステムの電源としての地上用の太陽電池としては、アモ
ルファス太陽電池は、結晶系の太陽電池に比較して、光
電変換効率及び信頼性の点において未だ劣っているのが
現状であり、低コストで作製可能なアモルファス太陽電
池の利点を活かすためには、上記の点を克服することが
必要である。
最近上記の問題点を克服するために、光電活性層であ
るi型層として、光学的バンドギャップEgoptが1.4eV〜
2.1eVの数種類のものを用いた多層積層型アモルファス
太陽電池が提案されており、例えば、第3図(a)に示
すように三層にpin光電変換素子単位1,2,3を積層して、
太陽の光を有効に利用するようになっている。第3図
(b)は三層にした場合のエネルギーバンドを示す図で
ある。
第4図は、第3図(a)に示した構造の場合の太陽光
吸収特性を示しており、同図においては、は光入射側
第1層目の広光学的バンドギャップ材料i層1による吸
収を示し、は第2層目のi層2による吸収、は第3
層目の狭光学的バンドギャップ材料i層3による吸収を
示している。第3図(a)に示した構造の太陽電池は、
各層によって太陽光スペクトルの異なる領域の光を吸収
して電力に変換し、総合した結果は点線で示すようにな
る。また第4図において、縦軸は収集効率の傾向を示す
もので、上に向って数値が大きくなる。
このような多層の積層型が提案されているのは、数種
類の光学的バンドギャップを用いることにより、1種類
のものを用いるものに比較して、太陽光スペクトルのう
ちの幅広い波長領域で光を電気に変換することが出来、
変換効率の向上が期待できると共に、多層化することに
より、各光電活性層の膜厚を薄くすることが可能とな
り、その結果、各光電変換素子単位の内部電界が強くな
り、光による特性劣化を抑えることが出来るためであ
る。
このような多層積層型太陽電池において、光の入射側
の光学的バンドギャップが広い(Egopt=1.8eV〜2.1e
V)i型層として、最近、高品質化が進んできたアモル
ファス炭化珪素(a−SiC:H(:F))膜を用いることが
有望視されている。
このような高品質なa−SiC:H膜を単純に太陽電池の
i型層に用いた場合の単層型セルの特性のi層光学的バ
ンドギャップ依存性を第5図(a)乃至(d)に示す。
(発明が解決しようとする課題) 第5図(a)乃至(d)から明らかなように、確かに
i型層のバンドギャップをワイド化することによって、
開放電圧VOCはほぼバンドギャップEgoptの値に比例して
増大するが、ワイド化に伴う光の吸収量の低下による短
絡電流ISCの減少、更には高品質化されているとは言
え、すでに確立されているa−SiC:H膜に比べると膜質
の低下は避け難く、曲線因子F.F.の低下が現われるとい
う問題点がある。
第6図(a)乃至(d)は、短絡電流ISCの低下を補
うべく、i型層の膜厚を増加させた場合の太陽電池特性
を示したものであるが、この場合は膜厚を厚くすること
によってi型層での光の吸収量は増加し、その結果とし
て短絡電流の向上が可能となる。しかし、この場合には
同図(c)に示すように同時に曲線因子F.F.の低下が現
われてしまうという不都合は避けることが出来ない。
このように、上記した従来の技術において、光エネル
ギーの有効利用を図るために、光の入射側のi層として
光学的バンドギャップの広いa−SiC:H膜等を用いる
と、エネルギーの有効利用という観点からは、開放電圧
の向上という利点は得られるが、通常の光学的バンドギ
ャップ(〜1.75eV)のa−SiC:H膜を用いたものに比較
して、短絡電流及び曲線因子の低下によって、上記の開
放電圧の増大という利点を充分に活かせないという問題
点があった。
本発明は上記の点に鑑みて創案されたものであり、i
層の光学的バンドギャップのワイド化による開放電圧の
向上という太陽光エネルギーの有効利用を維持しなが
ら、出力電流の向上及び、あるいは曲線因子の改善を行
なった新規な構造の薄膜太陽電池を提供することを目的
としている。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明はアモルファス半
導体材料によりp型,i型,n型のアモルファス半導体薄膜
を順次形成してなる受光面側をp型層とするpin光電変
換素子単位の少なくとも1層により構成されており、こ
のpin光電変換素子単位のうち、少なくとも光の入射側
の最初のi型層としてアモルファス水素化及び、又は弗
素化炭化珪素を用いた薄膜太陽電池において、上記のi
型層とn型層との間に、このn型層の光学的バンドギャ
ップとi型層の光学的バンドギャップの間の大きさの光
学的バンドギャップを有するアモルファス水素化及び、
または弗素化炭化珪素よりなるi/n界面層を設けるよう
に構成している。
また、上記のi/n界面層としてn型層の光学的バンド
ギャップからi型層の光学的バンドギャップが連続的に
つながるように構成したものを用いるのが好ましい。
(作 用) 本発明者等の種々の検討の結果、i層の光学的バンド
ギャップのワイド化による開放電圧の向上には、光の入
射側(通常p型層側)と反対側(通常n型層側)のi層
の一部分の光学的バンドギャップはほとんど関与してい
ないことが判明した。従って、通常光の入射側ではない
n型層とi型層の間にi型層とn型層の間の光学的バン
ドギャップを有するi/n界面層を(i層の一部として)
設けるか、あるいはi型層とn型層の光学的バンドギャ
ップを連続してつなぐi/n界面層を(i層の一部とし
て)所要の出力電流が発生する程度の膜厚で形成するよ
うにしたものである。
即ち、本発明にしたがって、i/n界面層を設けること
により、このi/n界面層はa−SiCのi型層の光学的バン
ドギャップより小さいものとなり、その結果、必然的に
光の吸収量は増大し、出力電流の向上を果たすことが出
来る。また所要の出力電流を出す場合であって、i/n界
面層を用いない場合には、i型層の膜厚が厚くなって内
部電界が弱められ、曲線因子の低下を招いていたが、本
発明によるi/n界面層を用いることにより、従来の膜厚
増加分より必然的にはるかに薄い膜厚によって出力電流
の不足分を賄うことが出来るため、少なくとも曲線因子
の低下を招く恐れがない。
(実施例) 以下、図面を参照して、本発明の一実施例を詳細に説
明する。
第1図は本発明の一実施例の入射光側の一層目部分の
構造を模式的に示す断面図である。
第1図において11はp型層(Egopt〜1.90eV)、12は
光学的バンドギャップ(Egopt〜1.95eV)のa−SiC:H膜
を用いたi型層、13はn型層(Egopt〜1.80eV)であ
り、14は本発明にしたがって設けられたi/n界面層であ
り、n型層13の光学的バンドギャップとi型層12の光学
的バンドギャップとの間の光学的バンドギャップを有す
るように構成している。
上記のような構造の太陽電池は、通常のp−CVD装置
を用いて、基板温度〜200℃においてi型層12はSiH4,CH
4,H2ガスを用いて形成し、n型層(Egopt〜1.80eV)13
はSiH4,H2,PH3ガスを用いて形成し、p型層(Egopt〜1.
90eV)11はSiH4,CH4,H2,B2H6ガスを用いることによって
形成し、膜厚としてi型層12は〜1000Å,n型層13は〜30
0Å,p型層11は〜100Åとした。
また、本発明にしたがってi型層12とn型層13との間
にi型層12の光学的バンドギャップのn型層13の光学的
バンドギャップとを連続してつなぐようなi/n界面層14
を〜150Åの膜厚で形成した。本実施例においては、光
学的バンドギャップが連続して変化したi/n界面層14を
形成するために、n型層13からi型層12を形成する過程
において、SiH4ガスとCH4ガスの混合比CH4/SiH4を“0"
から“1"になるまで連続的に変化させることによって行
なった。
この場合の模式的なバンドダイアグラムを第2図に示
している。
なお、このi/n界面層14を形成する場合、SiH4ガスとC
H4ガスの混合比CH4/SiH4を“0"から“1"まで段階的に増
加させても良く、また段階的に“0"と“1"の間の所定の
値(一定値)となしても良い。
以下の表は、本発明の実施例と従来の二つのタイプの
太陽電池の特性を比較したものである(但し特性値は全
て従来のものに対して規格化して示している)。
上記の表に示した結果より明らかなように、本発明に
よるi/n界面層を用いることにより、主に短絡電流の向
上を図ることが出来、その結果変換効率を約20%向上す
ることが出来る。また同時に開放電圧,曲線因子の低下
を招くことがない。
なお、本発明は一層型及び多層積層型アモルファス太
陽電池の何れにも用いて効果のあることは言うまでもな
い。
またi層としてアモルファス水素化炭化珪素以外にア
モルファス弗素化炭化珪素を用いても良い。
(発明の効果) 以上のように、光の入射側のi層としてa−SiC:H
(F)膜のようなワイドな光学的バンドギャップを有す
る一層または多層積層型アモルファス太陽電池におい
て、本発明のi/n界面層を用いることにより、すでに確
立されている光学的バンドギャップの狭いa−SiC:H膜
に比して、必然的に低下しているi層の膜質を補うこと
が出来、かつ、i層ワイド化による開放電圧の向上を最
大限に発揮させた積層型太陽電池を得ることが出来る。
従って本発明によれば、高効率の積層型太陽電池を得る
ことにより、同時に積層化による光劣化特性の改善も図
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の入射光側の一層目部分の構
造を模式的に示す断面図、第2図は本発明のi/n界面層
を設けたi層a−SiC:H太陽電池の模式的なバンド図、
第3図(a)は三層積層型太陽電池の断面図、第3図
(b)は同図(a)に対する模式的なバンド図、第4図
は三層積層型セルの太陽光吸収特性図、第5図(a)乃
至(d)はそれぞれ従来のi層a−SiC:H太陽電池特性
のi層バンドギャップ依存性を示す図、第6図(a)乃
至(d)はそれぞれ従来のi層a−SiC:H太陽電池特性
のi層膜厚依存性を示す図である。 11……p層、12……i層、13……n層、14……i/n界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 哲啓 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 竹田 喜彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−75682(JP,A) 特開 昭59−205770(JP,A) 特開 昭60−249376(JP,A) 特開 昭62−63481(JP,A) 特開 昭63−283076(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アモルファス半導体材料によりp型,i型,n
    型のアモルファス半導体薄膜を順次形成してなる受光面
    側をp型層とするpin光電変換素子単位の少なくとも1
    層によって構成されてなり、該pin光電変換素子単位の
    うち、少なくとも光の入射側の最初のi型層としてアモ
    ルファス水素化及び又は弗素化炭化珪素を用いた薄膜太
    陽電池において、 上記i型層とn型層との間に、該n型層の光学的バンド
    ギャップとi型層の光学的バンドギャップの間の大きさ
    の光学的バンドギャップを有するアモルファス水素化及
    び又は弗素化炭化珪素よりなるi/n界面層を設けたこと
    を特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】アモルファス半導体材料によりp型,i型,n
    型のアモルファス半導体薄膜を順次形成してなる受光面
    側をp型層とするpin光電変換素子単位の少なくとも1
    層によって構成されてなり、該pin光電変換素子単位の
    うち、少なくとも光の入射側の最初のi型層としてアモ
    ルファス水素化及び又は弗素化炭化珪素を用いた薄膜太
    陽電池において、 上記i型層とn型層との間に、該n型層の光学的バンド
    ギャップとi型層の光学的バンドギャップの間の大きさ
    の光学的バンドギャップを有するアモルファス水素化及
    び又は弗素化炭化珪素よりなるi/n界面層を設け、該i/n
    界面層のバンドギャップは該n型層に近づくにつれて連
    続的または段階的に縮小していることを特徴とする薄膜
    太陽電池。
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