JP2944362B2 - 苗植付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、走行機体の後部に連結
され、田面に苗を植え付ける植付機構と、走行機体にお
ける走行車輪の通過跡等を整地する整地具を備えてある
乗用田植機の苗植付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、乗用田植機の植付装置は、複数の
植付装置を連結パイプ部材により連結して構成し、この
連結パイプ部材の内方に駆動軸を内装する構成とし、走
行車輪の通過跡を整地する整地具を植付装置（例えば、
実公昭６３‐４００９１号公報）や、整地フロート（例
えば、実公平１‐２０８１４号公報）に取り付けるよう
になっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構
造においては、連結パイプ部材と植付ケースとの連結部
が、左右方向に沿って多数並ぶ状態となっている。この
ため、連結パイプ部材と植付ケースとの連結による横長
の繋ぎ合わせ構造部分に、多量の苗重量を含む苗 のせ台
重量等が作用して、撓み変形しやすいものとなるので、
強度の確保の為に、この連結構造の大型化を必要とする
ものとなり、結果的に苗植付装置全体が大型化するばか
りでなく重量化するという欠点を有していた。また従来
構造において整地板を植付装置に取り付けるものは、植
付装置の構成等により取り付け位置が制限される為、複
雑な取り付け金具を必要とし、苗植付装置の重量増加を
きたし、また整地フロートを取り付けるものは、整地具
にかかる荷重がフロートにかかることとなり、フロート
の整地機能が阻害される等の欠点を有していた。本発明
は、植付部の合理的な構成によって上記したような不具
合点を解消することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明による特徴構成
は、左右方向に沿って横長のメインフレームを配置し
て、苗を田面に植え付ける植付機構を後部に備えた複数
の植付ケースを前記メインフレームに後向きに片持ち状
に支持させると共に、前記複数の植付ケースに動力を伝
達する伝動軸を前記メインフレームの後側において前記
複数の植付ケースに亘って架設し、前記メインフレーム
を角パイプ状に形成し、このメインフレームに前記走行
機体における走行車輪の通過跡を整地する整地具を備え
てある点にある。

【０００５】

【作用】本発明の構成によると、左右方向に沿って横長
のメインフレームが配置され、苗を田面に植え付ける植
付機構を後部に備えた複数の植付ケースが、メインフレ
ームに後向きに片持ち状に支持されるので、この植付ケ
ースの重量や苗植付装置の構成物の重量がメインフレー
ムにかかる状態となる。この場合、従来構造のようにパ
イプ部材と植付ケースとの連結部が左右方向に並ぶとい
う状態は、本発明の構成によるメインフレームには生じ
ないので、苗植付装置の全体の重量にメインフレームは
十分に耐えることができる。また、本発明構成によると
メインフレームにおいて、パイプ部材と植付ケース との
連結部が左右方向に沿って並ぶという状態が生じなけれ
ば、パイプ部材と植付ケースとの連結部に発生する左右
方向の連結誤差が、左右方向に沿って集積されるという
状態は、メインフレームには生じないので、連結誤差の
集積によって、左右側方部の植付機構の位置に誤差が発
生するという様な状態は発生しない。また、複数の植付
ケースへの動力伝達を、メインフレームの後側において
架設する伝動軸により行うため、メインフレームの構成
を簡略化でき植付装置全体を軽量・強固に構成すること
ができる。更に、横方向に亘って延びる角パイプ状のメ
インフレームの横方向の任意の箇所に整地具取り付け部
を設けることが可能で、整地具の支持用部材自身を必要
最小限度に抑制でき、結果として、植付装置全体を軽量
・強固なものにすることができる。

【０００６】

【発明の効果】従って、合理的フレーム構成を採用する
ことで、植付装置を精度良く、軽量・強固な構成とする
ことができると共に、対地作業に伴い反力を受ける整地
具の取り付けを簡素化することが可能となり、植付装置
全体の一層の軽量化を達成することが可能となった。

【０００７】

【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図２
に苗植付装置を示している。この苗植付装置は、植付け
用苗を載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ
台１、苗のせ台１の下端部から一株づつ苗を取り出して
植付ける６個の植付機構２、３個の整地フロート３等を
備えて成り、図１に示すように、乗用型走行機体Ｖの後
部にリンク機構４を介して昇降自在並びに前後軸芯Ｙ周
りで左右ローリング自在に連結してある。次に、この苗
植付装置のフレーム構造について説明する。前記リンク
機構４の後部リンク４ａに形成した枢支ボス部５に前後
軸芯Ｙ周りで相対回動自在にフィードケース６を取付
け、このフィードケース６の下方に角パイプ形のメイン
フレーム７をボルトで締付け連結してある。メインフレ
ーム７は横方向に延設してあり、断面コの字形に屈曲成
形した一対の板金材を合わせ面部分で溶接連結して構成
してある。前記フィードケース６には、動力取り出し軸
８を介して走行機体側から動力が伝えられ、この動力
を、該ケース６に内装した苗のせ台１の横送り駆動機構
及び前記各植付機構２に供給するよう構成してある。

【０００８】図１，図３に示すように、メインフレーム
７の後部面側には、所定間隔をあけて３個の植付ケース
９を後方に向けて片持ち状にボルトで締付け連結してあ
り、各植付ケース９の後部の左右両側に夫々植付機構２
を配設して６条植えに構成してある。つまり、各植付ケ
ース９に内装したチェーン伝動機構１０を介して回転ケ
ース１１を回転駆動させ、この回転ケース１１の回転に
伴って該ケース１１内に設けた図示しないカム機構によ
り、両端部に取付けた植付爪１２の先端がほぼ楕円軌跡
を描きながら上下動するよう植付機構２を構成してあ
る。そして、フィードケース６からメインフレーム７の
後方側外方に配備された横向き駆動軸１７を介して各植
付機構２に動力を分岐伝動するよう構成してある。図５
に示すように、前記フィードケース６は、メインフレー
ム７の上部面７ｂ及び後部面７ａ夫々に跨がる状態でボ
ルトで締付け連結固定してある。つまり、フィードケー
ス６の取付け面６ａを略Ｌ字形に形成してメインフレー
ム７の上部面７ｂ及び後部面７ａ夫々に当て付けた状態
でボルト固定するようにして、フレーム構造の剛性を高
めている。又、フィードケース６の前壁部とメインフレ
ーム７の前面部との夫々に亘って板状支持部材３２をボ
ルト連結して苗植付装置全体を支持するローリング支点
箇所における剛性を高めるよう構成してある。前記メイ
ンフレーム７の両側端部は、左右両側の植付ケース９の
連結箇所の外側近傍位置に設定して、必要最少限度の長
さにして軽量化と低価格化を図っている。そして、メイ
ンフレーム７の前部側面７ｃにおける走行機体の走行車
輪の通過跡に対応する箇所に、通過跡整地具１８を取付
け固定してある。整地具１８は整地フロート３の前部側
箇所において圃場面に作用するよう前方側に直線状に延
設される支持部材１９を介してメインフレーム７に取付
けられ、図３に示すように、支持部材１９の連結部１９
ａはメインフレーム７に複数個のボルト２０で強固に連
結固定してある。尚、後車輪２３の通過跡は整地フロー
ト３により整地するよう構成してある。

【０００９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】田植機の平面図

【図２】苗植付装置の側面図

【図３】苗植付装置の簡略化した平面図

【図４】整地具の正面図

【図５】フィードケース取付け部の側面図

【符号の説明】

２ 植付機構 ７ メインフレーム９ 植付ケース １７ 横向き伝動軸 １８ 整地具 ２２ 走行車輪 Ｖ 走行機体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01C 11/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右方向に沿って横長のメインフレーム
   （７）を配置して、苗を田面に植え付ける植付機構
   （２）を後部に備えた複数の植付ケース（９）を前記メ
   インフレーム（７）に後向きに片持ち状に支持させると
   共に、前記複数の植付ケース（９）に動力を伝達する伝
   動軸（１７）を前記メインフレーム（７）の後側におい
   て前記複数の植付ケース（９）に亘って架設し、前記メ
   インフレーム（７）を角パイプ状に形成し、このメイン
   フレーム（７）に前記走行機体（Ｖ）における走行車輪
   （２２）の通過跡を整地する整地具（１８）を備えてあ
   る苗植付装置。