JP2943877B2 - 自動二輪車における燃料噴射式エンジンの冷却構造 - Google Patents

自動二輪車における燃料噴射式エンジンの冷却構造

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JP2943877B2 JP31100790A JP31100790A JP2943877B2 JP 2943877 B2 JP2943877 B2 JP 2943877B2 JP 31100790 A JP31100790 A JP 31100790A JP 31100790 A JP31100790 A JP 31100790A JP 2943877 B2 JP2943877 B2 JP 2943877B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動二輪車における燃料噴射式エンジン
の水冷式の冷却構造に関する。
(従来の技術) 上記自動二輪車における燃料噴射式エンジンの冷却構
造には、従来、次のように構成されたものがある。
即ち、自動二輪車に搭載される走行駆動用のエンジン
がクランクケースと、このクランクケースから前上方に
向って突出するシリンダと、このシリンダの突出端に取
り付けられるシリンダヘッドと、このシリンダヘッドか
ら一体的に突出して車体フレームに支持されるブラケッ
トとを備えている。
上記シリンダヘッドにおける上記シリンダの突出端側
の面にはキャビティが形成され、このキャビティの頂部
近傍を通してこのキャビティ内に燃料を噴射可能な燃料
噴射弁が上記シリンダヘッドに取り付けられている。
また、上記燃料噴射弁の周りに連続的に延びる水ジャ
ケットが上記シリンダヘッドに形成されると共に、上記
水ジャケットにおける冷却水用の入口部と出口部とが設
けられている。
また、従来、上記した入口部と出口部とがシリンダの
軸心の周方向で隣接するよう配設され、かつ、水ジャケ
ットを上記入口部側と入口部側とに仕切るようこれら入
口部と出口部との間に仕切壁が配設され、この仕切壁が
シリンダヘッドに一体成形されたものが提案されている
(例えば、実開昭56−127844号公報)。
そして、上記シリンダヘッドの外部から、このシリン
ダヘッドに形成された水ジャケットに対し上記入口部を
通し冷却水が流入し、この冷却水が上記水ジャケットを
流動した後、上記出口部を通して上記シリンダヘッドの
外部に流出することとされ、上記水ジャケット流動する
冷却水によって、エンジンの駆動により加熱される上記
シリンダヘッドが冷却されるようになっている。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、上記した従来の技術によれば、次のような
問題がある。
即ち、上記水ジャケットに対し入口部を通して冷却水
が流入するときや、この冷却水が水ジャケットから出口
部を通し流出するときの流れの方向の変化は、上記冷却
水が水ジャケットを流動するときに比べて大きいため、
上記した流入、流出時には円滑な流れが阻害されるおそ
れがあって、これは、上記冷却水によるシリンダヘッド
の冷却効果を低下させる原因となるおそれがある。
そこで、上記入口部と出口部の近傍における上記水ジ
ャケットの部分の断面積を大きくし、上記入口部や出口
部を通しての冷却水の流入や流出の流れが円滑になされ
るようにすることが考えられる。
しかし、上記したように水ジャケットの部分の断面積
を単に大きくすると、この水ジャケットの部分に空気が
滞留するおそれがあって、これも、上記冷却水によるシ
リンダヘッドの冷却効果を低下させるおそれを生じる。
また、前記したように、シリンダヘッドから一体的に
突出したブラケットを介して上記シリンダヘッドを車体
フレームに支持させているが、上記したように水ジャケ
ットの断面積を大きくすると、これに伴いシリンダヘッ
ドの強度が低下しがちとなるため、これにより、車体フ
レームに対するシリンダヘッドの支持強度が低下するお
それを生じる。
(発明の目的) この発明は、上記のような事情に注目してなされたも
ので、水ジャケットへの入口部を通しての冷却水を流入
や、上記水ジャケットからの出口部を通しての流出の各
流れを円滑にさせるようにして、上記冷却水によるシリ
ンダヘッドの冷却効果を向上させるようにすることを目
的とする。
また、上記したように冷却効果を向上させた場合で
も、シリンダヘッドの強度や、車体フレームに対するシ
リンダヘッドの支持強度がそれぞれ十分に確保されるよ
うにすることを目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するためのこの発明の特徴とするとこ
ろは、次の如くである。
なお、この「発明の構成」の項において、下記し
た()内の用語は、特許請求の範囲の用語に対するもの
である。
走行駆動用のエンジン16がクランクケース23と、この
クランクケース23から前上方に向って突出するシリンダ
25と、このシリンダ25の突出端に取り付けられるシリン
ダヘッド30と、このシリンダヘッド30から一体的に突出
して車体フレーム2に支持されるブラケット32とを備
え、上記シリンダヘッド30における上記シリンダ25の突
出端側の面にキャビティ53を形成し、このキャビティ53
の頂部54近傍を通してこのキャビティ53内に燃料を噴射
可能な高圧燃料噴射弁(燃料噴射弁)46を上記シリンダ
ヘッド30に取り付け、上記高圧燃料噴射弁(燃料噴射
弁)46の周りに連続的に延びる第2水ジャケット(水ジ
ャケット)61を上記シリンダヘッド30に形成すると共
に、上記第2水ジャケット(水ジャケット)61における
冷却水用の入口部63と出口部64とをこれらが上記シリン
ダ25の軸心27の周方向で隣接するよう配設し、かつ、上
記第2水ジャケット(水ジャケット)61を上記入口部63
側と出口部64側とに仕切るようこれら入口部63と出口部
64との間に仕切壁65を配設し、この仕切壁65を上記シリ
ンダヘッド30に一体成形した自動二輪車における燃料噴
射式エンジンの冷却構造において、 上記キャビティ53の頂部54を上記シリンダ25の軸心27
よりも前下方に偏位させ、上記入口部63、出口部64、お
よび仕切壁65を上記第2水ジャケット(水ジャケット)
61の後部に配設し、 上記ブラケット32を上記シリンダヘッド30の後部に配
設した点にある。
(作 用) 上記構成による作用は次の如くである。
なお、この「作 用」の項において、下記した()内
の用語は、特許請求の範囲の用語に対応するものであ
る。
シリンダ25を前上方に向って突出させ、このシリンダ
25の突出端に取り付けられるシリンダヘッド30の上記シ
リンダ25の突出端側の面にキャビティ53を形成し、この
キャビティ53の頂部54近傍を通してこのキャビティ53内
に燃料を噴射可能な高圧燃料噴射弁(燃料噴射弁)46を
上記シリンダヘッド30に取り付けた場合において、上記
キャビティ53の頂部54を上記シリンダ25の軸心27よりも
前下方に偏位させてある。
このため、上記キャビティ53の頂部54と共に、高圧燃
料噴射弁(燃料噴射弁)46が上記シリンダ25の軸心27よ
りも前下方に偏位させられることから、上記高圧燃料噴
射弁(燃料噴射弁)46の周りに延びる第2水ジャケット
(水ジャケット)61の後部では、上記高圧燃料噴射弁
(燃料噴射弁)46やキャビティ53との干渉を避けて、そ
の断面積をより大きくさせることができる。
そして、上記入口部63、出口部64、および仕切壁65を
上記した第2水ジャケット(水ジャケット)61の後部に
配設したのであり、このため、上記第2水ジャケット
(水ジャケット)61に対し入口部63を通して冷却水が流
入するときや、この冷却水が第2水ジャケット(水ジャ
ケット)61から出口部64を通し流出するときの流れの方
向の変化が、第2水ジャケット(水ジャケット)61を冷
却水が流動するときに比べて大きいとしても、前記した
ように第2水ジャケット(水ジャケット)61の後部の断
面積を大きくできる分、上記入口部63や出口部64を通し
ての冷却水の流入や流出の流れは円滑にさせることがで
きる。
ところで、上記第2水ジャケット(水ジャケット)61
にはその外部から空気が入り込んだり、この第2水ジャ
ケット(水ジャケット)61での冷却水から空気が生じた
りすることがあり、この場合、この空気は上第2水ジャ
ケット(水ジャケット)61内の冷却水中を浮上して、そ
の上部である後部に向おうとする。
そこで、上記したように前上方に向って突出したシリ
ンダ25の突出端にシリンダヘッド30を取り付けた場合
に、このシリンダヘッド30に形成される第2水(水ジャ
ケット)61の入口部63と出口部64とを上記第2水ジャケ
ット(水ジャケット)61の後部に配設してあり、つま
り、上記入口部63と出口部64とを上記第2水ジャケット
(水ジャケット)61の上部に配設してあり、しかも、前
記したように第2水ジャケット(水ジャケット)61の後
部の断面積は大きくできることとしてある。
このため、前記したように、第2水ジャケット(水ジ
ャケット)61の後部に向って冷却水中を浮上してきた空
気は、上記したように断面積が大きくされる上記第2水
ジャケット(水ジャケット)61後部内を円滑に浮上し、
かつ、この第2水ジャケット(水ジャケット)61の後部
に配設されている上記入口部63や出口部64を通して上記
シリンダヘッド30の外部に円滑に排出されることとな
る。
また、上記したように、第2水ジャケット(水ジャケ
ット)61の後部の断面積を大きくすると、その分、シリ
ンダヘッド30の後部の強度が低下しがちとなる。そこ
で、第2水ジャケット(水ジャケット)61の後部に仕切
壁65を配設して上記シリンダヘッド30に一体成形してあ
り、このため、上記シリンダヘッド30の後部における強
度の低下が防止される。
また、上記したように、ブラケット32を上記シリンダ
ヘッド30の後部に配設してあるため、上記仕切壁65によ
って補強されたシリンダヘッド30の後部は上記ブラケッ
ト32を介して車体フレーム2に強固に支持されることと
なる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第2図において、図中符号1は自動二輪車、2は車体
フレームで、この車体フレーム2はその前端にヘッドパ
イプ3を有し、このヘッドパイプ3から後下方に向って
一本のタンクレール4が延び、このタンクレール4の後
端から後下方に向って左右一対のシートピラーチューブ
5が延びている。
また、上記ヘッドパイプ3とシートピラーチューブ5
の各下部を結ぶダウンチューブ6が設けられ、このダウ
ンチューブ6はヘッドパイプ3から下方に向って延びる
一本の前部チューブ6aと、この前部チューブ6aの下端と
前記シートピラーチューブ5の下端とを結ぶ左右一対の
後部チューブ6b,6dとで構成されている。更に、上記タ
ンクレール4の前後中途部と、ダウンチューブ6の前部
とにステー7が架設されている。
上記ヘッドパイプ3にはフロントフォーク8が操向自
在に支承され、このフロントフォーク8には前輪9やハ
ンドル10が取り付けらえている。一方、上記シートピラ
ーチューブ5の下端に取り付けられたリヤアームブラケ
ット5aに枢支軸11によりリヤアーム12が上下揺動自在に
枢支され、このリヤアーム12の前後中途部は緩衝器(図
示せず)を介しタンクレール4の後部に支持されてい
る。そして、上記リヤアーム12の揺動端に後輪14が支承
されている。
16は走行駆動用の2サイクルエンジンで、このエンジ
ン16には動力伝達装置17が連設され、これらエンジ16と
動力伝達装置17とは前記枢支軸11やボルト18により前記
車体フレーム2に支持されている。そして、動力伝達装
置17の出力がチェーン伝動手段19に介して後輪14に伝え
られ、自動二輪車1が走行できるようになっている。ま
た、21へ燃料タンクで、この燃料タンク21はタンクレー
ル4を跨ぐようにしてこのタンクレール4に支持されて
いる。22はシートである。
第1図から第3図において、上記エンジン16のクラン
クケース23内にはクランク軸24が支承されている。同上
クランクケース23から前上方に向ってシリンダ25が突出
し、このシリンダ25にはピストン26が上記シリンダ25の
軸心27に沿って摺動自在に嵌入されている。そして、こ
のピストン26は上記クランク軸24に連接棒28によって連
動連結されている。また、上記シリンダ25の突出端には
シリンダヘッド30がボルト31によりねじ止めされてい
る。
上記シリンダヘッド30の後部からブラケット32が一体
的に突出し、このブラケット32は前記ボルト18により車
体フレーム2に支持されている。
上記クランクケース23には吸気ポート33が形成されて
いる。この吸気ポート33にはリード弁34、吸気管35、お
よびエアクリーナ36が連設され、上記吸気管35にはスロ
ットル弁35aが設けられている。また、シリンダ25、ピ
ストン26およびシリンダヘッド30で囲まれた空間が燃焼
室37となっており、スランクケース23内から上記燃焼室
37に通じる掃気ポート38が上記シリンダ25に形成されて
いる。更に、上記シリンだ25には排気ポート40が形成さ
れている。この排気ポート40には排気管41、マフラー4
2、およびサイレンサー43が連設されている。
上記燃焼室37に燃料を噴射供給する燃料噴射装置45が
設けられている。この燃料噴射装置45は電磁開閉式の高
圧燃料噴射弁46を有している。この高圧燃料噴射弁46の
燃料噴射口47が燃料室37に向って開口するように上記高
圧燃料噴射弁46がシリンダヘッド30に取り付けられてい
る。また、前記吸気管35には電磁開閉式の低圧燃料噴射
弁49が取り付けられ、この低圧燃料噴射弁49の燃料噴射
口は上記吸気管35の内部に向って開口している。
上記各噴射弁46,49に加圧された燃料を送り込む燃料
ポンプ50が設けられる。この燃料ポンプ50は前記エンジ
ン16により動力伝達装置17を介して駆動される。また、
上記高圧燃料噴射弁46に加圧空気を供給する空気ポンプ
51が設けられる。この空気ポンプ51は前記エンジン16に
より動力伝達装置17を介して駆動され、この空気ポンプ
51には前記エアクリーナ36を介して外気が吸入される。
特に、第3図において、上記エンジン16が作動すると
きには、これに伴って燃料ポンプ50や空気ポンプ51が作
動し、高圧燃料噴射弁46は上記燃料ポンプ50や空気ポン
プ51により送り込まれた高圧燃料の空気の混合体を噴射
し、低圧燃料噴射弁49は同上燃料ポンプにより送り込ま
れた低圧の燃料を噴射するようになっている。また、こ
の場合、高圧燃料噴射弁46はエンジン16の中速通常負荷
時に作動し、低圧燃料噴射弁49はエンジン16の始動時
と、中速高負荷時と、高速時とに作動する。
第1図と、第4図から第7図において、前記シリンダ
ヘッド30における上記シリンダ25の突出端側の面には、
エンジン16の側面視で、前記燃焼室37を構成する三角形
状のキャビティ53が形成されている。上記高圧燃料噴射
弁46の燃料噴射口47の軸心はシリンダ25の軸心27とほぼ
平行とされ、上記高圧燃料噴射弁46の燃料噴射口47によ
り、上記キャビティ53の頂部54近傍を通してこのキャビ
ティ53内に燃料が噴射可能とされている。また、上記キ
ャビティ53の頂部54はシリンダ25の軸心27近傍で、この
軸心27よりも少し前下方に偏位させられている。
上記シリンダヘッド30には、高圧燃料噴射弁46の周り
に左右一対のねじ孔5555が形成されると共に、この各ね
じ孔55に点火プラグ56がねじ付けられている。そして、
この各点火プラグ56の放電部57には燃焼室37に臨んでい
る。この場合、これら点火プラグ56はシリンダヘッド30
の前部に取り付けられて、車体の幅方向における中心線
に対し左右対称に配設されている。また、これら各点火
プラグ56の軸心58は、シリンダ25の軸心27に沿った方向
からみて、高圧燃料噴射弁46をほぼ中心として放射状に
延びている。
なお、上記エンジン16の動作は従来のリード弁予圧縮
式のものと同じであるため、その説明は省略する。
全図により、上記エンジン16用の冷却装置について説
明する。
前記シリンダ25には第1水ジャケット60が形成されて
いる。一方、シリンダヘッド30には第2水ジャケット61
が形成され、この第2水ジャケット61は高圧燃料噴射弁
46の周りに環状に連続的に延びている。上記第1水ジャ
ケット60と第2水ジャケット61とはこれらの互いの接合
面に開口する開口60a,61aを有し、これら開口60a,61aは
シリンダ25の軸心27周りにそれぞれ五つ設けられて、こ
れら開口60a,61aは互いに対向している。
上記シリンダ25とシリンダヘッド30の互い接合面間に
は、ガスケット62が介在して、このガスケット62が上記
第1水ジャケット60と第2水ジャケット61の各開口60a,
61aを仕切っている。
上記第1水ジャケット60と第2水ジャケット61の各後
部における開口60a,61aが互いに対向する部分で、ガス
ケット62には貫通孔である入口部63が形成され、この入
口部63により第1水ジャケット60と第2水ジャケット61
とが連通している。
上記シリンダヘッド30には上記入口部63の右側に隣接
して第2水ジャケット61を外部に通じさせる出口部64が
形成されている。つまり、上記入口部63と出口部64とは
上記第2水ジャケット61の後部において、前記シリンダ
25の軸心27の周方向で隣接するよう配設されている。ま
た、上記第2水ジャケット61を上記入口部63側と出口部
64側とに仕切るようこれら入口部63出口部64の間に仕切
壁65が配設され、この仕切壁65はシリンダヘッド30の後
部に一体成形されている。
上記の場合、入口部63と出口部64は第2水ジャケット
61の後部に位置しているが、シリンダ25は前上方に向っ
て突出し、この突出端に上記シリンダヘッド30が取り付
けられているため、上記入口部63と出口部64とは第2水
ジャケット61の上部に位置することとなっている。ま
た、第1図で示すように上記出口部64にはサーモスタッ
ト64aが取り付けられている。
特に、第3図において、上記出口部64は第1水パイプ
66により左右一対のラジエータ67の各上部に連結され、
同上ラジエータ67の下部は第2水パイプ68により水ポン
プ69に連結されている。この水ポンプ69は前記動力伝達
装置17を介しエンジン16の作動に伴って駆動する。
特に、第1図、第3図および第7図において、エンジ
ン16に伴って水ポンプ69が駆動するとき、これから吐出
される冷却水は、まず、第1水ジャケット60の前部に流
入する(第1図中矢印A)。次に、この冷却水はシリン
ダ25のシリンダ孔の周りを巡って、同上第1水ジャケッ
ト60の後部へ移動した後、前記入口部63を通り第2水ジ
ャケット61の後部に流入する(第1、第7図中矢印
B)。そして、この冷却水は高圧燃料噴射弁46の周りを
ほぼ前周にわたり一方向に巡って出口部64に達する(第
7図中矢印C)。この際、上記サーモスタット64aは第
2水ジャケット61内の冷却水が所定温度となるように調
整する。
この後は、前記第1水パイプ66を通ってラジエータ67
で空冷され(第3図中矢印D)、次に、第2水パイプ68
を通って水ポンプ69に戻り(第3図中矢印E)、ここか
ら、再び上記第2水ジャケット61に送り込まれ、以下、
上記動作が繰り返される。
上記の場合、シリンダ25は前傾して、入口部63と出口
部64とは第2水ジャケット61の上部に位置しているた
め、第1水ジャケット60と第2水ジャケット61内に生じ
た空気は、冷却水中を浮上して入口部63や出口部64を通
して排出される。このため、第2水ジャケット61に空気
が滞留することが抑制されて、冷却水によるシリンダヘ
ッド30の冷却がより効果的となる。
しかも、上記仕切壁65には前後一対の空気抜き71,72
が形成され、そのうち前側の空気抜き71は仕切壁65の左
側に位置する第2水ジャケット61内を出口部64に連通さ
せている。また、後側の空気抜き72は仕切壁65の左右側
部の第2水ジャケット61を互いに連通させている。更
に、互いに対向する前記開口60a,61a同士を連通させる
小径の空気抜き73がガスケット62に形成されている。こ
のため、第1水ジャケット60と第2水ジャケット61内に
生じる空気は上記各空気抜き71,72,73を通って外部に円
滑に排出され、第1水ジャケット60や第2水ジャケット
61に空気の滞留が生じることがより確実に抑制される。
なお、以上は図示の例によるが、点火プラグ56は単一
であってもよく、三つ以上であってもよい。
(発明の効果) この発明によれば、走行駆動用のエンジンがクランク
ケースと、このクランクケースから前上方に向って突出
するシリンダと、このシリンダの突出端に取り付けられ
るシリンダヘッドと、このシリンダヘッドから一体的に
突出して車体フレームに支持されるブラケットとを備
え、上記シリンダヘッドにおける上記シリンダの突出端
側の面にキャビティを形成し、このキャビティの頂部近
傍を通してこのキャビティ内に燃料を噴射可能な燃料噴
射弁を上記シリンダヘッドに取り付け、上記燃料噴射弁
の周りに連続的に延びる水ジャケットを上記シリンダヘ
ッドと形成すると共に、上記水ジャケットにおける冷却
水用の入口部と出口部とをこれらが上記シリンダの軸心
の周方向で隣接するよう配設し、かつ、上記水ジャケッ
トを上記入口部側と出口部側とに仕切るようこれら入口
部と出口部との間に仕切壁を配設し、この仕切壁を上記
シリンダヘッドに一体成形した自動二輪車における燃料
噴射式エンジの冷却構造において、 上記キャビティの頂部を前記シリンダの軸心よりも前
下方に偏位させ、上記入口部、出口部、および仕切壁を
上記水ジャケットの後部に配設し、 上記ブラケットを上記シリンダヘッドの後部に配設し
てあり、次の効果が生じる。
即ち、シリンダを前上方に向って突出させ、このシリ
ンダの突出端に取り付けられるシリンダヘッドの上記シ
リンダの突出端側の面にキャビティを形成し、このキャ
ビティの頂部近傍を通してこのキャビティ内に燃料を噴
射可能な燃料噴射弁を上記シリンダヘッドに取り付けた
場合において、上記キャビティの頂部を上記シリンダの
軸心よりも前下方に偏位させてある。
このため、上記キャビティの頂部と共に、燃料噴射弁
が上記シリンダの軸心よりも前下方に偏位させられるこ
とから、上記燃料噴射弁の周りに延びる水ジャケットの
後部では、上記燃料噴射弁やキャビティとの干渉を避け
て、その断面積をより大きくさせることができる。
そして、上記入口部、出口部、および仕切壁を上記し
た水ジャケットの後部に配設したのであり、このため、
上記水ジャケットに対し入口部を通して冷却水が流入す
るときや、この冷却水が水ジャケットから出口を通し流
出するときの流れの方向の変化が、水ジャケットを冷却
水が流動するときに比べて大きいとしても、前記したよ
うに水ジャケットの後部の断面積を大きくできる分、上
記入口部や出口部を通しての冷却水の流入や流出の流れ
は円滑にさせることができる。
よって、冷却水の流れを円滑にできる分、熱交換をよ
り効果的にさせることができて、上記冷却水によるシリ
ンダヘッドの冷却効果をより向上させることができる。
ところで、上記水ジャケットにはその外部が入り込ん
だり、この水ジャケットでの冷却水から空気が生じたり
することがあり、この場合、この空気は上記水ジャケッ
ト内の冷却水中を浮上して、その上部である後部に向お
うとする。
そこで、上記したように前上方に向って突出したシリ
ンダの突出端にシリンダヘッドを取り付けた場合に、こ
のシリンダヘッドに形成される水ジャケットの入口部と
出口部とを上記水ジャケットの後部に配設してあり、つ
まり、上記入口部と出口部とを上記水ジャケットの上部
に配設してあり、しかも、前記したように水ジャケット
の後部の断面積は大きくできることとしてある。
このため、前記したように、水ジャケットの後部に向
って冷却水中を浮上してきた空気は、上記したように断
面積が大きくされる上記水ジャケットの後部内を円滑に
浮上し、かつ、この水ジャケットの後部に配設されてい
る上記入口部や出口部を通して上記シリンダヘッドの外
部に円滑に排出されることとなる。
よって、水ジャケットに空気が滞留することが防止さ
れて、上記冷却水によるシリンダヘッドの冷却効果は更
に向上させることができる。
また、上記したように、水ジャケットの後部の断面積
を大きくすると、その分、シリンダヘッドの後部の強度
が低下しがちとなる。そこで、前記したように、水ジャ
ケットの後部に仕切壁を配設して上記シリンダヘッドに
一体成形してあり、このため、上記シリンダヘッドの後
部における強度の低下が防止され、このシリンダヘッド
の強度が十分に確保される。
また、上記したように、ブラケットを上記シリンダヘ
ッドの後部に配設してあるため、上記仕切壁によって補
強されたシリンダヘッドの後部は上記ブラケットを介し
て車体フレームに強固に支持されることとなる。
よって、前記したように、水ジャケットの後部の断面
積大きくさせて、冷却水によるシリンダヘッドの冷却効
果を向上させるようにした場合でも、車体フレームに対
するシリンダヘッドの支持強度は十分に確保される。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の実施例を示し、第1図は第4図のI−I
線矢視断面図、第2図は自動二輪車の左側面図、第3図
は第2図の部分拡大一部断面図、第4図は第3図のIV−
IV線矢視図、第5図は第4図のV−V線矢視の部分断面
図、第6図は第1図のVI−VI線矢視、第7図は同上第1
図のVII−VII線矢視断面図である。 1……自動二輪車、2……車体フレーム、16……エンジ
ン、23……クランクケース、25……シリンダ、27……軸
心、30……シリンダヘッド、32……ブラケット、46……
高圧燃料噴射弁(燃料噴射弁)、53……キャビティ、56
……点火プラグ、57……放電部、61……第2水ジャケッ
ト(水ジャケット)、63……入口部、64……出口部、65
……仕切壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02F 1/24 F02F 1/36 F02F 1/40 F02F 1/10 F01P 3/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行駆動用のエンジンがクランクケース
    と、このクランクケースから前上方に向って突出するシ
    リンダと、このシリンダの突出端に取り付けられるシリ
    ンダヘッドと、このシリンダヘッドから一体的に突出し
    て車体フレームに支持されるブラケットとを備え、上記
    シリンダヘッドにおける上記シリンダの突出端側の面に
    キャビティを形成し、このキャビティの頂部近傍を通し
    てこのキャビティ内に燃料を噴射可能な燃料噴射弁を上
    記シリンダヘッドに取り付け、上記燃料噴射弁の周りに
    連続的に延びる水ジャケットを上記シリッダヘッドに形
    成すると共に、上記水ジャケットにおける冷却水用の入
    口部と出口部とをこれらが上記シリンダの軸心の周方向
    で隣接するよう配設し、かつ、上記水ジャケットを上記
    入口部側の出口部側とに仕切るようこれら入口部と出口
    部との間に仕切壁を配設し、この仕切壁を上記シリンダ
    ヘッドに一体成形した自動二輪車における燃料噴射式エ
    ンジンの冷却構造において、 上記キャビティの頂部を上記シリンダの軸心よりも前下
    方に偏位させ、上記入口部、出口部、および仕切壁を上
    記水ジャケットの後部に配設し、 上記ブラケットを上記シリンダヘッドを後部に配設した
    自動二輪車における燃料噴射式エンジンの冷却構造。
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