JP2942787B2 - 複合膜及びそれを用いる液体混合物の分離方法 - Google Patents

複合膜及びそれを用いる液体混合物の分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合膜及びそれを用い
る液体混合物の分離方法に関し、詳しくは、化学、醗
酵、食品、医薬品製造業等において、水を含む液状有機
化合物から水を分離し、又は極性の異なる2種以上の有
機化合物の液体混合物から特定の有機化合物を選択的に
透過させて分離するための複合膜及びそのような分離方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、水と共沸する有機化合物
を水から分離するには、その有機化合物を溶解するが、
水を僅かしか溶解しない有機溶剤をエントレーナーとし
てその有機化合物に加え、蒸留した後、その有機化合物
の溶液を水から相分離させ、2液相に分けて、それぞれ
を多段蒸留する方法が一般的に用いられている。しか
し、この方法は、大型の装置を必要とするうえに、エネ
ルギー消費が大きく、経済的にも好ましくなく、しか
も、操作が煩雑である。
【0003】そこで、近年においては、液体混合物の分
離のために逆浸透法が実用化されている。しかし、逆浸
透法は、分離対象の溶液の浸透圧以上の圧力を必要と
し、浸透圧が高くなる高濃度溶液の分離には適用が困難
である。これに対して、最近、パーベーパレーシヨン法
とも呼ばれる浸透気化法や蒸気透過法が新たな分離法と
して注目されている。浸透気化法とは、膜の一次側(原
液側)に分離対象である液体混合物を供給し、膜の二次
側(透過側)を減圧にするか、又はキヤリヤガスを通気
することによつて、分離すべき物質を気体状で膜透過さ
せる方法である。蒸気透過法とは、浸透気化法における
液体混合物の代わりに、膜の一次側に混合蒸気を供給す
る方法である。膜透過した気体又は蒸気は、二次側に
て、冷却、凝縮させることによつて、液体として分離回
収される。
【0004】このようなパーベーパレーシヨン法による
分離は、通常の方法では分離が困難である液体混合物、
例えば、共沸混合物、沸点の近接した有機化合物の混合
物、異性体の分別分離等に特に好適である。例えば、共
沸混合物を形成する一成分を他の成分から浸透気化法や
蒸気透過法によつて分離するには、その一成分に対して
高い親和性を有する材料から膜を形成し、その一成分を
選択的に膜透過させるのである。
【0005】従来、かかるパーベーパレーシヨン法に用
いる膜としては、例えば、キトサン系中空糸状膜をグル
タルアルデヒドで架橋してなる膜が知られている(19
89年日本化学会年会)。また、特開昭62−7404
号公報には、アルギン酸コバルト塩膜が記載されてお
り、特開平1−224003号公報には、ポリアクリル
酸とアイオネン型ポリカチオンとのポリイオンコンプレ
ツクツス複合膜が記載されている。更に、ポリアクリロ
ニトリル中空糸状膜の外表面にキトサン硫酸塩膜を積層
してなる複合膜も知られている(第8回次世代産業基盤
シンポジウム(1990年))。
【0006】他方、共沸混合物を形成しないが、沸点の
近接した有機化合物の分離においては、従来、吸着や錯
体形成法を組合わせたり、多くの多段蒸留塔を組合わせ
た複雑な分離方法が用いられているが、浸透気化法によ
る分離がこれらの分野においても研究されている。例え
ば、シクロヘキサノールとシクロヘキサノンは共にシク
ロヘキサンから誘導されるが、これら3成分の浸透気化
膜として、アクリロニトリルとビニルピロリドンとの共
重合体からなるものが提案されている(1986年日本
膜学会年会)。水−酢酸混合物からの水分離について
は、例えば、ナイロン6及びナイロン6−ポリアクリル
酸ブレンド膜へのアクリル酸のグラフト共重合体からな
る膜を用いる方法が知られている(J. Memb.Sci., 43,
143(1989年)。また、特開昭63−283706
号公報には、スルホン酸基を有する芳香族ポリ尿素膜が
記載されている。更に、多孔質膜上にマレイン酸で架橋
したポリビニルアルコール膜を積層してなる複合膜が特
開昭59−109204号公報に記載されている。
【0007】しかし、上述したような従来のパーベーパ
レーシヨン膜の多くは、分離係数と透過量のいずれかが
低いために、実用性に難があり、他方、分離係数と透過
量が共に高いときは、耐熱水性や耐熱性に劣る場合があ
り、用途や使用条件に制約を受けざるを得ないのが現状
である。パーベーパレーシヨン法が十分な実用性を有す
るためには、分離しようとする対象物によつても異なる
ので、一概には定めることができないが、分離係数αと
透過量Qとが共にある値以上であることが必要である。
例えば、エタノールの脱水の場合であれば、60%以上
のエタノール濃度を有する混合物に適用することがで
き、水との共沸混合物に適用したときの分離係数が30
00以上、好ましくは5000以上であり、透過量Qが
0.3Kg/m2・時以上、好ましくは0.5Kg/m2・時以上で
あろう。更に、90℃以上、好ましくは100℃以上の
温度で用いることができる耐熱性も必要である。
【0008】そこで、従来、化学的に安定なポリビニル
アルコールやエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、
その他のビニル重合体をスルホン化してなる膜が幾つか
提案されている。例えば、特開昭57−167702号
公報には、カルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重
合体のフイルムの表面を発煙硫酸にてスルホン化してな
る単層膜が提案されており、同様に、特開昭57−21
2232号公報には、活性層としてのエチレン系共重合
体を発煙硫酸にてスルホン化してなる複合膜が提案され
ている。しかし、このような膜は、いずれも、スルホン
化度が低く、浸透気化性能に劣り、実用性に乏しい。
【0009】同様に、特開昭58−40104号公報に
も、水酸基を有する重合体膜の表面に硫酸によつてスル
ホン酸基を導入してなる膜を酢酸メチルとメタノールと
の分離等に用いることが提案されている。しかし、この
膜も、分離性能が低く、また、スルホン酸基が酸エステ
ルの形で重合体鎖に結合されているために、加水分解さ
れやすく、耐熱性にも劣るところから、実用性に乏し
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のパー
ベーパレーシヨン法における上述した問題を解決するた
めになされたものであつて、分離係数αと透過量Qとが
共に高く、十分な耐熱性を有し、しかも、耐溶剤性を有
し、パーベーパレーシヨン法に好適に用いることができ
る複合膜を提供することを目的とし、更に、かかる複合
膜を用いる液体混合物の分離方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による複合膜は、
一般式(I)
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン
基又はアルキルアリーレン基を示し、Mは水素又は1価
金属を示す。)で表わされる構造単位を含むスルホアル
キル化ポリビニルアルコールが多官能アミノ化合物、多
官能アミノ重合体又は多価金属イオンの1種以上にて架
橋されてなる薄膜が多孔質膜上に積層されてなることを
特徴とする。
【0014】ポリビニルアルコールの水酸基の一部を臭
化ブチルにてブチルエーテル化してなる重合体は、既に
知られている(J. Polymer Sci., Polymer Chem. Editi
on,Vol. 21, 305(1983)。しかしながら、前記一
般式(I)で表わされる構造単位を有する重合体は、新
規である。前記一般式(I)で表わされる構造単位を有
するスルホアルキル化ポリビニルアルコールは、ポリビ
ニルアルコールを非プロトン性極性有機溶剤中にて、ハ
ロゲン化水素捕捉剤としての有機アミン化合物の存在下
に、一般式(II) X-RSO3M' (式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基又はアルキ
ルアリーレン基を示し、基中にイオウ又は酸素を含んで
いてもよく、Xはハロゲン原子を示し、M'はアルカリ金
属を示す。)で表わされるハロアルキルスルホン酸アル
カリ金属塩を反応させて、水酸基の一部に脱ハロゲン化
水素縮合させることによつて得ることができる。
【0015】上記の反応において用いるポリビニルアル
コールは、分子量50000以上、好ましくは1000
00以上、ケン化度80モル%以上、好ましくは95%
以上である。また、上記一般式(II)で表わされるハロ
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩において、Rがアル
キレン基であるとき、直鎖又は分岐アルキレン基のいず
れでもよい。また、特に、アルカリ金属はナトリウムが
好ましく、Xは臭素が好ましい。従つて、ハロアルキル
スルホン酸アルカリ金属塩としては、例えば、2−ブロ
ムエタンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
【0016】ハロゲン化水素捕捉剤である有機アミン
は、特に、限定されるものではないが、通常、ピリジ
ン、トリエチルアミン、ジエチルピペラジン等が好適に
用いられる。反応溶剤としては、ポリビニルアルコール
を溶解させるジメチルスルホキシド、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルアセトアミド等が用いられるが、特に、
ジメチルスルホキシドが好ましく用いられる。
【0017】反応終了後、反応混合物を大量の沈澱剤中
に投入し、生成したスルホアルキル化ポリビニルアルコ
ールを沈澱させ、濾別し、洗浄した後、真空乾燥するこ
とによつて、スルホアルキル化ポリビニルアルコールを
分離精製することができる。得られたスルホアルキル化
ポリビニルアルコールにおけるスルホン化度は、例え
ば、NMR分析によつて測定することができる。
【0018】上記した反応によれば、スルホアルキル化
ポリビニルアルコールは、スルホン酸アルカリ金属塩基
を有するものとして得られるので、本発明による複合膜
の製造に際しては、上記重合体は、これを溶液とし、通
常、カチオン交換樹脂に接触させて、上記金属塩基を遊
離スルホン酸基に変えて用いられる。本発明において、
ポリビニルアルコールの水酸基のスルホアルキル化度
は、5%以上が好ましい。このポリビニルアルコールの
スルホアルキル化度は、反応においてポリビニルアルコ
ールに対するハロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の
量や、反応温度、時間等を適当に選ぶことによつて、調
整することができる。
【0019】一般に、本発明による複合膜においては、
ポリビニルアルコールのスルホアルキル化度の増加と共
に透過量が増大するが、通常、スルホアルキル化度が3
0〜40%にて飽和する。従つて、実用上は、特に、ス
ルホアルキル化度は、10〜50%の範囲であることが
好ましい。本発明による複合膜は、上記遊離スルホン酸
基を側鎖として有するスルホアルキル化ポリビニルアル
コールの水溶液を調製し、これを支持膜としての多孔質
膜上に塗布し、次いで、この重合体を架橋させることに
よつて得ることができる。本発明によれば、スルホアル
キル化ポリビニルアルコールの架橋は、多官能アミノ化
合物、多官能アミノ重合体及び多価金属イオンから選ば
れる。好ましくは、本発明による複合膜は、上記のよう
に、スルホアルキル化ポリビニルアルコールを多孔質膜
の上に塗布し、次いで、架橋剤として、多官能アミノ化
合物又はアミノ重合体の溶液を塗布し、熱処理して、ス
ルホアルキル化ポリビニルアルコールとイオン・コンプ
レツクス又は硫酸アミドを形成させ、架橋させることに
よつて得ることができる。
【0020】かかる架橋剤としての多官能アミノ化合物
としては、炭素数4〜10の脂肪族ジアミン、異節環状
ジアミン、アミノアルキル異節環状アミン、芳香族ジア
ミン等が好ましく用いられ、具体例としては,例えば、
ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレン
ジアミン、アミノエチルピペラジン等を挙げることがで
きる。また、多官能アミノ重合体としては、例えば、ポ
リエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジメチルア
リルアンモニウムハイドロキサイドや、これらのアクリ
ルアミド、二酸化イオウ等との共重合体、キトサン等の
多官能アミノ重合体を挙げることができる。
【0021】また、スルホアルキル化ポリビニルアルコ
ールを多孔質膜上に塗布した後、その上にバリウム、カ
ルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の多価金属イ
オンを含む水溶液を塗布し、必要に応じて、熱処理する
ことによつても上記スルホアルキル化ポリビニルアルコ
ールを架橋させて、本発明による複合膜を得ることがで
きる。
【0022】本発明によれば、このようにして、スルホ
アルキル化ポリビニルアルコールが架橋された薄膜を多
孔質膜上に形成することによつて、耐熱性にすぐれ、耐
久性にすぐれる複合膜を得ることができる。更に、本発
明によれば、多孔質膜上にてスルホアルキル化ポリビニ
ルアルコールを多孔質膜上に塗布し、これを上述したよ
うにして架橋させる前に、又は架橋させた後に、その上
にジイソシアネート、エポキシ化合物、ジアルデヒド等
の通常の架橋剤を含む溶液を塗布し、必要に応じて、熱
処理することによつて、スルホアルキル化ポリビニルア
ルコールをその水酸基にて架橋させてもよい。
【0023】多孔質膜としては、特に、限定されるもの
ではないが、通常、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルアルコール、ポリオレフイン等からなる限外
濾過膜や精密濾過膜が好ましく用いられる。本発明によ
る複合膜は、平膜、管状膜、中空糸状膜等、任意の形態
にて製造することができ、また、かかる複合膜を備えた
膜モジユールも、プレートアンドフレーム型、スパイラ
ル型、ホローフアイバー型等、用途目的に応じて適宜に
選ぶことができる。
【0024】本発明による複合膜は、水を含む炭化水素
や、酸素、窒素及び/又はハロゲン原子を含む種々の有
機化合物、例えば、アルコール類、エステル類、エーテ
ル類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素類又はこれらの
混合物から水を分離するためのパーベーパレーシヨン法
に好適に用いることができる。また、種々の有機化合物
の混合物から、複合膜に対する親和性の差を利用すれ
ば、そのような有機化合物を相互に分離することもでき
る。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明による複合膜は、
スルホアルキル化ポリビニルアルコールが多官能アミノ
化合物、多官能アミノ重合体又は多価金属イオンにて架
橋されてなる薄膜が多孔質膜上に積層されてなるもので
ある。かかる複合膜は、分離係数αと透過量Qとが共に
高く、十分な耐熱性を有し、しかも、すぐれた耐溶剤性
を有するので、パーベーパレーシヨン法に好適に用いる
ことができる。特に、本発明による複合膜は、水に対す
る親和性が高いので、水を含む種々の有機化合物の脱水
のためのパーベーパレーシヨン法に好適に用いることが
できる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、以下において、透過量Qとは、単位時間単位膜
面積当りの全成分の透過重量(Kg/m2・時)であり、分
離係数αとは、分離対象である水(W)を含む有機化合
物液体(X)における重量比をFw/Fxとし、透過液
における重量比をPw/Pxとするとき、 α=(Pw/Px)/(Fw/Fx) で定義される。 実施例1 ケン化度100%、数平均分子量115000のポリビ
ニルアルコール4.4gを冷却器を備えた四つ口フラスコ
中にて攪拌下にジメチルスルホキシド450gに溶解さ
せた。これにピリジン42gを加え、更に、2−ブロム
エタンスルホン酸ナトリウム66gを加え、窒素気流下
に100℃で30時間攪拌した。
【0027】反応終了後、反応混合物をアセトン3Kg及
びメタノール2Kgからなる混合物に投入して、重合体を
沈澱させ、濾別し、これをアセトン/メタノール(1/
4)で洗浄した。得られた重合体のスルホン化率は、N
MR分析の結果、15%であつた。この重合体の3重量
%水溶液を調製し、カチオン交換樹脂を充填したカラム
に通し、pH3以下のフラクシヨンを採取し、1μmフイ
ルターで濾過して、ドープを調製した。
【0028】ポリアクリロニトリルからなる限外濾過膜
の乾燥膜の上に上記ドープを薄膜状に塗布した。次い
で、この薄膜の上に5重量%ピペラジンのエタノール溶
液を塗布し、風乾した後、100℃で30分間、張力を
加えつつ熱処理して、本発明による選択透過性複合膜を
得た。この膜の95%エタノールの75℃における浸透
気化膜性能は、透過量は0.41Kg/m2・時、分離係数α
(水/エタノール)は2900であつた。 実施例2 実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール4.4gを
ジメチルスルホキシド900gに溶解させた。これにピ
リジン42gを加え、更に、2−ブロムエタンスルホン
酸ナトリウム66gを加え、窒素気流下に100℃で5
0時間攪拌下に反応させた。
【0029】反応終了後、反応混合物をアセトン6Kg及
びメタノール4Kgからなる混合物に投入して、重合体を
沈澱させ、濾別し、これをアセトン/メタノール(1/
4)で洗浄した。得られた重合体のスルホン化率は、N
MR分析の結果、47%であつた。この重合体の3重量
%水溶液を調製し、カチオン交換樹脂を充填したカラム
に通し、pH2以下のフラクシヨンを採取し、1μmフイ
ルターで濾過して、ドープを調製した。
【0030】実施例1におけると同じポリアクリロニト
リルからなる限外濾過膜の乾燥膜の上に、分子量約50
000のポリエチレンイミンの3重量%水溶液を薄膜状
に塗布し、更に、その上に上記ドープを薄膜状に塗布
し、風乾した後、100℃で30分間、張力を加えつつ
熱処理して、本発明による選択透過性複合膜を得た。こ
の膜の95%エタノールの75℃における浸透気化膜性
能は、透過量は0.92Kg/m2・時、分離係数α(水/エ
タノール)は2150であつた。 実施例3 実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール2.3gを
ジメチルスルホキシド250gに100℃にて溶解させ
た。これにジオキサン250g、ピリジン21g及び2
−ブロムエタンスルホン酸ナトリウム33gを加え、窒
素気流下に100℃で50時間攪拌下に反応させた。
【0031】反応終了後、反応混合物をアセトン3Kg及
びメタノール2Kgからなる混合物に投入して、重合体を
沈澱させ、濾別し、これをアセトン/メタノール(1/
4)で洗浄した。得られた重合体のスルホン化率は、N
MR分析の結果、42%であつた。この重合体の3重量
%水溶液を調製し、カチオン交換樹脂を充填したカラム
に通し、pH2以下のフラクシヨンを採取し、1μmフイ
ルターで濾過して、ドープを調製した。
【0032】1重量%酢酸水溶液に分子量約50000
0、脱アセチル化度98%のキトサンを溶解させて2重
量%溶液を調製し、この溶液を実施例1におけると同じ
ポリアクリロニトリルからなる限外濾過膜の乾燥膜の上
に薄膜状に塗布し、更に、その上に上記ドープを薄膜状
に塗布し、風乾した後、100℃で30分間、張力を加
えつつ熱処理して、本発明による選択透過性複合膜を得
た。
【0033】この膜の95%エタノールの75℃におけ
る浸透気化膜性能は、透過量は0.90Kg/m2・時、分離
係数α(水/エタノール)は5200であつた。 比較例1 実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール13.2g
をイソプロピルアルコール450gに分散させ、これに
2−ブロムエタンスルホン酸ナトリウム51gと40重
量%水酸化ナトリウム水溶液60gとを加え、80℃で
5時間反応させた。得られた重合体のスルホン化率は、
NMR分析の結果、3%であつた。
【0034】この重合体を用いて、実施例3と同様にし
て、選択透過性複合膜を調製し、同様の条件下に浸透気
化膜性能を評価したところ、透過量は0.32Kg/m2
時、分離係数α(水/エタノール)は390であつた。 実施例4 実施例2において、反応時間を30時間とした以外は、
実施例2と同様にして、スルホン化率28%の重合体を
得た。
【0035】この重合体の2重量%水溶液を調製し、カ
チオン交換樹脂を充填したカラムに通し、pH2以下のフ
ラクシヨンを採取し、1μmフイルターで濾過して、ド
ープを調製した。ポリエーテルスルホンからなる限外濾
過膜の乾燥膜の上に上記ドープを薄膜状に塗布し、風乾
した。次いで、この膜をグルタルアルデヒド1重量%と
硫酸0.1重量%を含む水溶液に30秒間浸漬し、直ちに
60℃のオーブン中で加熱して、アセタール化した。更
に、この膜を3重量%塩化バリウム水溶液に10分間浸
漬し、取り出し、水洗した後、100℃で30分乾燥し
て、金属イオン架橋による選択透過性複合膜を得た。
【0036】この膜の95%エタノールの70℃におけ
る浸透気化膜性能は、透過量は0.45Kg/m2・時、分離
係数α(水/エタノール)は2800であつた。
フロントページの続き (72)発明者 池端 永 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 岩間 昭男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 川島 敏行 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 寺倉 誠一 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所内 (72)発明者 栄藤 徹 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所内 (72)発明者 松本 曠世 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (72)発明者 黒田 章一 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 柴田 宗一郎 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 嶋村 典行 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−54903(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 61/00 - 71/82 510 C02F 1/44 B32B 27/00 - 27/42 102

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基又はアルキ
    ルアリーレン基を示し、Mは水素又は1価金属を示
    す。)で表わされる構造単位を含むスルホアルキル化ポ
    リビニルアルコールが多官能アミノ化合物、多官能アミ
    ノ重合体又は多価金属イオンの1種以上にて架橋されて
    なる薄膜が多孔質膜上に積層されてなることを特徴とす
    る複合膜。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコールにおけるスルホアル
    キル化度が5%以上であることを特徴とする請求項1記
    載の複合膜。
  3. 【請求項3】一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基又はアルキ
    ルアリーレン基を示し、Mは水素又は1価金属を示
    す。)で表わされる構造単位を含むスルホアルキル化ポ
    リビニルアルコールが多官能アミノ化合物、多官能アミ
    ノ重合体又は多価金属イオンの1種以上にて架橋されて
    なる薄膜が多孔質膜上に積層されてなる複合膜を用い
    て、水と液状有機化合物よりなる液体混合物からパーベ
    ーパレーシヨン法にて水を分離除去することを特徴とす
    る液体混合物の分離方法。
  4. 【請求項4】液状有機化合物が炭化水素、又は酸素、窒
    素及び/又はハロゲン原子を含む有機化合物であること
    を特徴とする請求項3記載の液体混合物の分離方法。
  5. 【請求項5】一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜12のアルキレン基又はアルキ
    ルアリーレン基を示し、Mは水素又は1価金属を示
    す。)で表わされる構造単位を含むスルホアルキル化ポ
    リビニルアルコールが多官能アミノ化合物、多官能アミ
    ノ重合体又は多価金属イオン1種以上にてにて架橋され
    てなる薄膜が多孔質膜上に積層されてなる複合膜を用い
    て、パーベーパレーシヨン法にて異なる親和性を有する
    液状有機化合物を相互に分離することを特徴とする液体
    混合物の分離方法。
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