JP2942345B2 - 車両用クラッシュバリヤ - Google Patents

車両用クラッシュバリヤ

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JP2942345B2
JP2942345B2 JP2315288A JP31528890A JP2942345B2 JP 2942345 B2 JP2942345 B2 JP 2942345B2 JP 2315288 A JP2315288 A JP 2315288A JP 31528890 A JP31528890 A JP 31528890A JP 2942345 B2 JP2942345 B2 JP 2942345B2
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    • E01FADDITIONAL WORK, SUCH AS EQUIPPING ROADS OR THE CONSTRUCTION OF PLATFORMS, HELICOPTER LANDING STAGES, SIGNS, SNOW FENCES, OR THE LIKE
    • E01F15/00Safety arrangements for slowing, redirecting or stopping errant vehicles, e.g. guard posts or bollards; Arrangements for reducing damage to roadside structures due to vehicular impact
    • E01F15/14Safety arrangements for slowing, redirecting or stopping errant vehicles, e.g. guard posts or bollards; Arrangements for reducing damage to roadside structures due to vehicular impact specially adapted for local protection, e.g. for bridge piers, for traffic islands
    • E01F15/143Protecting devices located at the ends of barriers

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  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、道路から逸れた車両を減速させるための改
善された車両用のクラッシュバリヤに関する。
クラッシュバリヤは、道路から逸れた車両を制御され
た方法で停止させ、車両の乗員が受ける最大減速度を制
限すべく、路側に沿って広く用いられている。また、こ
のようなクラッシュバリヤは、横方向の衝突時に側方か
らの衝撃を受けるため、横方向から衝突する車両を跳ね
返すことができる充分な強度を有することが重要であ
る。
このようなクラッシュバリヤについて、従来から多数
の試みが示唆されており、そのうちの或るものに、縦方
向に圧壊可能(コラプシブル)なフレームであって、圧
縮弾性エレメントが交互に配置されたフレームを用いた
ものがある。本発明の譲受人に譲渡されたYoungの米国
特許第3,674,115号は、このようなシステムの初期の例
を提供している。このシステムは、縦方向に配向された
セグメントの列で構成されたフレームを有しており、各
セグメントは、縦方向に対して横方向に延在しているダ
イアフラムと、該ダイアフラムから後方に延在するよう
に配置された1対のサイドパネルとを備えている。ダイ
アフラム同士の間には、エネルギ吸収エレメント(この
例の場合には、水を充填した可撓性のある円筒状エレメ
ント)が取り付けられている。縦方向の衝突時に、ダイ
アフラムによってエネルギ吸収エレメントが変形され、
これにより水が加速されて、衝突する車両の運動エネル
ギが吸収されるようになっている。衝突時に、ダイアフ
ラムを縦方向に整合した状態に維持するため、ダイアフ
ラムの各側には縦方向に向けてケーブルが配置されてい
る。
このようなクラッシュバリヤの他の例が、Walkerの米
国特許第3,944,187号及び同じくWalkerの米国特許第3,9
82,734号(これらの両特許は、いずれも本発明の譲受人
に譲渡されている)に開示されている。これらのシステ
ムもまた、縦方向に配向されたダイアフラムの列で作ら
れた圧壊可能なフレームを有しており、ダイアフラムに
は、縦方向の圧壊時に互いにスライドするようにサイド
パネルが取り付けられている。これらの米国特許に係る
クラッシュバリヤは、ひる石(vermiculite)又はこれ
と同等の材料からなる鋳物すなわち成形本体或いは緩く
詰めたひる石粒子を用いて、エネルギ吸収機能を生じさ
せている。また、ダイアフラムと地面のアンカーとの間
には斜めに配向されたケーブルが設けられていて、横方
向の衝突の間に、ダイアフラムを縦方向に整合した状態
に維持できるようになっている。
Gertzの米国特許第4,352,484号(この特許も本発明の
譲受人に譲渡されている)には改良されたクラッシュバ
リヤが開示されている。このクラッシュバリヤは、発泡
体を充填した六角形の格子で作られたエネルギ吸収カー
トリッジを用いており、六角形の格子は、衝突する車両
によりエネルギ吸収カートリッジに加えられた圧縮力に
応答して互いに剪断するように配置されている。
Stevensの米国特許第4,452,431号(この特許も、本発
明の譲受人に譲渡されている)には、上記のものとほぼ
同じダイアフラム及びサイドパネルを用いた更に別の圧
壊可能なクラッシュバリヤが開示されている。また、こ
のシステムは縦方向に配向されたケーブルを使用して、
ダイアフラムを整合状態に維持しており、また、前方の
ダイアフラムと地面のアンカーとの間に固定された破断
可能ケーブルを用いている。これらの破断可能ケーブル
には、縦方向の衝突時に破損するように設定された剪断
ピンが設けられていて、フレームが圧壊されるようにし
ている。また、このクラッシュバリヤには、液体を収容
した種々の形式のエネルギ吸収エレメント及び乾燥形の
エネルギ吸収エネルギが用いられている。
VanSchieの米国特許第4,399,980号には、互いに隣接
するダイアフラム同士の間で縦方向に配向された円筒状
チューブを採用している別の同様なクラッシュバリヤが
開示されている。縦方向の圧壊時にこれらのチューブを
変形させるのに要するエネルギは、衝突する車両を減速
させる傾向の力を与える。横方向の衝突に対してフレー
ムの剛性を高めるため、クロスブレースが使用されてお
り、また、フレームが、衝突する車両による斜め方向の
衝撃を受けるときに、フレームの前部が横方向に移動し
ないようにするため、フレームの前部にガイドが設けら
れている。
これらの従来技術によるシステムの全ては、エネルギ
吸収構造体を圧縮変形させることにより、衝突する車両
の運動エネルギを吸収するように設計されている。圧縮
変形の潜在的な不安定性により、これらのシステムは、
圧縮荷重により生じる横力(side force)に耐える構造
部材を使用している。また、これらの全てのシステム
は、衝突時に互いに入れ子式に移動するように設計され
たスライド形のサイドパネルを使用している。縦方向の
衝突時に、これらのスライドパネルは互いに通過し合う
ようにスライドしなければならず、このため圧縮強度が
制限されてしまう。このことは、或る適用例の場合に欠
点となっている。
ドラッグネットシステム(Dragnet System)として知
られている他の従来技術は、ブロックすべき道路を横切
るようにして、ネットその他の拘束構造体を配置するも
のである。ネットの両端部はそれぞれの金属リボンに連
結されていて、これらの金属リボンがローラに通されて
おり、車両の衝突時に、金属リボンがローラを通って引
き出され、曲げられるようになっている。これらの金属
リボンを変形するのに要するエネルギは、衝突する車両
を減速させるための運動エネルギ消散力となる。このよ
うな金属変形ローラの作動についての一般的原理は、例
えば、Jacksonの米国特許第3,211,620号及び第3,377,04
4号、及びVanzelmの米国特許第3,307,832号に開示され
ている。ドラッグネットシステムは、張力を付した金属
リボンを使用しているが、路側に使用するには適さない
ものである。なぜならば、この金属曲げシステムが道路
の両側に配置され、ネットその他の障害物が道路を完全
に横切る形で配置されるものであるからである。
Krageの米国特許第4,784,515号(この特許も、本発明
の譲受人に譲渡されたものである)には、圧壊可能なカ
ードレールの端ターミナルが開示されており、この端タ
ーミナルは、その脚に設けられたグロメットに通される
ワイヤケーブルを使用している。端ターミナルのサイド
パネルは、縦方向の衝突時に、互いにスライドするよう
に取り付けられている。衝突時に端ターミナルが圧壊さ
れると、脚が回転され、これにより、グロメットがケー
ブルに作用して、該ケーブルに摩擦力を発生させる。し
かしながら、この結果生じる抑制力(retarding forc
e)の大きさは、圧壊時における端ターミナルの脚の変
化自在で予測できない回転位置のために大きく変化して
しまう。
従って、縦方向に衝突する車両に対して予測可能な減
速力を与えることができ、低コストであり、簡単に設置
でき、横方向の衝突に抵抗するため、過去において必要
とされた形式のクロスブレースの使用量を最小限にで
き、かつ、横方向に衝突する車両を効率良く跳ね返すこ
とができるハイウェイ用の改善されたクラッシュバリヤ
に対する要望が高まっている。
本発明によれば、車両を減速させるための車両用クラ
ッシュバリヤが提供され、本発明の車両用クラッシュバ
リヤは、前方セクションと、縦方向に沿って端と端とを
継ぎ合わせて配置される少なくとも1つの付加セクショ
ンとからなる複数のセクションを備えた長いフレームを
有している。このフレームは、その前方セクションに車
両が縦方向に衝突するとき、縦方向に圧壊できる形状を
有している。このフレームの前方セクションは、少なく
とも1つの緊締具を介して、地面アンカーに連結されて
いて、前記前方セクションを解放自在に所定位置にアン
カー止め(係止)している。解放部材は、縦方向に衝突
する車両により移動されるように配置された第1端部
と、縦方向に衝突する車両により前記第1端部が移動さ
れるときに、前記緊締具を解放するように前記緊締具に
連結された第2端部とを有している。この解放部材は、
クラッシュバリヤに対して車両が横方向に衝突する場合
には、前記緊締具を解放できない配置及び形状に構成さ
れている。好ましくは、前記解放部材は、作用面に当接
する支点を形成している。また、この支点は、前記第1
端部よりも前記第2端部に近接して配置されており、縦
方向に衝突する車両が前記解放部材を前記支点の回りで
枢動させて前記緊締具を切断し、前記前方セクションを
解放させるようになっている。
本発明及びその目的及び利点は、添付図面に関連して
述べる以下の詳細な説明により理解されるであろう。
第1図には、本発明の好ましい実施例によるクラッシ
ュバリヤ10の斜視図が示してある。一般に、このクラッ
シュバリヤ10は、矢印の方向に車両が走行する道路(図
示せず)の路側に設置される。クラッシュバリヤ10は、
慣用的なカードレールG(例えば、このガードレールG
は、ビームBを支持する木製支柱Pを備えた形式のもの
でもよい)の端部に取り付けられた状態が示されてい
る。第1図に示すように、クラッシュバリヤ10は、縦方
向(軸線方向)に圧壊可能なフレーム12を有しており、
該フレーム12は、前方セクション14と、3つの中央セク
ション16と、後方セクション18とで構成されている。後
方セクション18は、後述のようにしてカードレールGに
固定される。本願において使用する「縦方向(軸線方
向)」なる用語は、クラッシュバリヤ10の長手方向軸線
に整合した方向(すなわち、第1図において交通の流れ
を示す矢印にほぼ平行な方向)を意味するものである。
以下において、クラッシュバリヤ10の先ずフレーム12を
説明し、次に破断可能組立体、ケーブル組立体、及びブ
レーキ組立体について説明する。
第2図及び第3図に示すように、前方セクション14
は、大きな剛性をもつブレーキ支持フレーム30を有して
いる。このブレーキ支持フレーム30は、縦方向を向いた
1対の水平なガイド部材32を備えている。ガイド部材32
は、対をなして配置される4つの垂直な支持部材34によ
り、所定位置に固定保持されている。各対の支持部材34
は、その頂部がクロスブレース36により、その底部がベ
ースプレート38によりそれぞれ支持されている。各ベー
スプレート38には上方に向いた縁パネルが設けられてい
て、ベースプレート38が地面に対して引っ掛かることな
くスライドできるようになっている。水平なガイド部材
32の前端部は端キャップ40により架橋されており、この
端キャップ40は、両ガイド部材32の間の空間を塞ぐよう
にして、所定位置に固定されている。前方のクロスブレ
ース36には、2つのサイドパネル42が緊締具44により固
定されている。サイドパネル42の後端部は、テンション
ストラップ46(第1図)を介して、後に続く次のセクシ
ョンの縦方向に隣接するサイドパネル42に固定される
が、この点については後で詳述する。ブレーキ支持フレ
ーム30は、縦方向に圧壊される少なくとも初期段階にお
いて、かなり大きな剛性をもつフレーム構造体として、
地面に対して移動できるように意図したものである。
第2b図及び第4図には、中央セクション16のうちの1
つが示されている。第4図に示すように、各中央セクシ
ョン16は垂直方向に向いた脚50を有しており、該脚50の
上端近くの中心部には、パイプグロメット52が設けられ
ている。脚50の下端部はベースプレート54に固定されて
おり、該ベースプレート54も、地面に対して容易にスラ
イドできる形状を有している。脚50の上端部はクロスブ
レース56に固定されており、該クロスブレース56には、
緊締具受入れ開口部58(第17図)が形成されている。各
クロスブレース56のそれぞれの側部には、2つのサイド
パネル42が緊締具44により固定されている。
第17図には、互いに縦方向に隣接するサイドパネル42
を、テンションストラップ46を用いて相互連結する方法
が示されている。各テンションストラップ46には、4つ
ずつからなる2組の開口部が設けられている。テンショ
ンストラップ46の前端部近くの4つの開口部は、緊締具
44を介して、第1サイドパネル42の後端部に固定され
る。テンションストラップ46の後端部近くの4つの開口
部は、第2サイドパネル42の前端部に固定される。ま
た、第2サイドパネル42の前端部に固定される緊締具44
のうちの2つの緊締具44は、クロスブレース56の開口部
58に緊締されて、第2サイドパネル42をクロスブレース
56に固定するようになっている。各緊締具44は、外側に
面する六角形ヘッド45と、内側に面するナット47とで構
成されている。
後述する詳細な理由から、各テンションストラップ46
は、4枚の別々のプレートからなる積層体の各端をリベ
ット48(第15図及び第16図)で一体に固定した可撓性の
あるストラップとして構成するのが好ましい。後で説明
するように、テンションストラップ46に可撓性をもたせ
ることにより、フレーム12が横方向の衝突に耐え得る大
きな強度を依然として保有している間に、フレーム12を
制御された方法で縦方向に圧壊させることが可能にな
る。
第18図は、移行ストラップ(transition strap)70に
固定される後方セクション18を示す分解斜視図である。
移行ストラップ70は、緊締具及びプレート72を介して、
ガードレールのビームBの最前端部に固定される。
上記フレーム12は、いかなる方法によっても地面に固
定されることはなく、単に、移行ストラップ70及びプレ
ート72を介してガードレールGに固定されるに過ぎな
い。前方セクション14を適正に位置決めできるようにす
るため、第6図〜第8図に示すような地面アンカー、す
なわち、前方アンカー組立体80が設けられている。この
前方アンカー組立体80はコンクリートパイル82を有して
いる。このパイル82には補強バーからなるボックス構造
体84がアンカー止めされており、このボックス構造体84
の上端部には、2つのC字形チャンネル86が支持されて
いる。これらのC字形チャンネル86の間には、大径の中
央チューブ88及びこの両側に配置された小径の1対の側
方チューブ90からなる3つのチューブが、例えば溶接に
より剛接されている。第8図に示すように、これらのチ
ューブ88、90は縦方向に配向されていて、それらの前端
部の方が後端部よりも僅かに低くなるようにして傾斜し
ている。
第6図及び第8図に示すように、側方チューブ90とボ
ルト92とを用いて、前方セクション14が前方アンカー組
立体80に固定される。これらのボルト92の後端部は、ブ
レーキ支持フレーム30の前方の垂直支持部材34に剛接さ
れたアングル部材94に固定されている(第9図)。ま
た、これらのボルト92は、両側方チューブ90に通され
て、ナット93により所定位置に保持されている(第7図
及び第8図)。前方アンカー組立体80は、縦方向に関し
て斜めに走行する衝突車両がフレーム12に対して横方向
に衝突するときに、フレーム12の前端部をアンカー止め
しておく機能を有している。
もちろん、本発明のクラッシュバリヤ10が意図した通
りに作動するには、車両の縦方向の衝突時に、フレーム
12が前方アンカー組立体80から解放されることが重要で
ある。第6図〜第8図に最も良く示すように、この機能
は破断可能組立体100により達成される。この破断可能
組立体100は解放レバー、すなわち、レバーアーム102を
有しており、該レバーアーム102の下端部は1対のチュ
ーブ104に終端している。各チューブ104は、その上縁部
(該上縁部において、各チューブ104は、それぞれの側
方チューブ90により形成された作用面に当接している)
に隣接する支点106を形成している。第8図に示すよう
に、レバーアーム102は全体としてV字形をなしてお
り、レバーアーム102には、C字形ガイド108が設けられ
ている。このC字形ガイド108は、フレーム12が圧壊さ
れる間、レバーアーム102がワイヤケーブル122に沿って
縦方向に移動するとき、該レバーアーム102をガイドす
るためのものである。レバーアーム102の上端部はプレ
ート112に剛接されており、該プレート112は緊締具によ
りノーズプレート114に固定されている。ノーズプレー
ト114は全体としてC字形をなしており、その後縁部
が、緊締具を介してブレーキ支持フレーム30の前方のク
ロスブレース36に固定されている。
第7図に示すように、レバーアーム102は、その上端
部の方が下端部よりも前方に位置するようにして、垂直
方向に関して傾斜して配置されている。車両が縦方向に
衝突するとき、車両はノーズプレート114に接触して、
プレート112を後方に押しやる。これにより、レバーア
ーム102が支点106の回りで枢動し、ボルト92を切断する
大きな引っ張り力が発生する。ボルト92が切断される
と、前方アンカー組立体80からブレーキ支持フレーム30
が解放され、フレーム12が衝突する車両を減速するとき
に、該フレーム12は自由に縦方向に圧壊されるようにな
る。
破断可能組立体100が、縦方向の衝突力に優先的に応
答してボルト92を切断することを認識することは重要で
ある。ノーズプレート114に対して大きな傾斜角度で車
両が衝突する場合、又はフレーム12の長さに沿って斜め
に衝突する場合には、レバーアーム102が支点106の回り
で枢動することはなく、従って破断可能組立体100が上
記のように作動することはない。破断可能組立体100の
この方向特定特性(direction specific characteristi
cs)によって、重要な利点を得ることができる。
第10図は、クラッシュバリヤ10に含まれるケーブル組
立体120を示すものである。このケーブル組立体120は、
ワイヤケーブル122のようなテンション部材を備えてお
り、ワイヤケーブル122の前端部及び後端部には、それ
ぞれねじ付きボルト124及び128が設けられている。第8
図に示すように、前方のボルト124は、前方アンカー組
立体80の中央チューブ88に通されて、ナット125により
所定位置に固定される。一方、後方のボルト128は、第2
c図に示すように、支柱Pの1つに設けられた開口部に
通されて、ナットにより所定位置に同様に固定される。
支柱Pに作用するワイヤケーブル122の張力を分散させ
るため、プレートワッシャ126が設けられている。ワイ
ヤケーブル122の長さ方向に沿う中間の幾つかの個所に
おいて、ワイヤケーブル122は、脚50のグロメット52に
通される。
第10図に示すように、ワイヤケーブル122にはスライ
ドストップ(スライド停止部材)130が設けられてい
る。このスライドストップ130は、両フランジ134の間に
配置された中央チューブ132を備えている。両フランジ1
34は、第2a図に示すように、水平なガイド部材32内に受
け入れられていて、ブレーキ支持フレーム30の長さ方向
に沿ってスライドできるようになっている。また、ワイ
ヤケーブル122には、ガイド部材32の後端部近くの短い
距離に亘って、低摩擦材料136(第11図)からなるスリ
ーブが取り付けられているが、この理由については後述
する。また、この低摩擦材料136は、潤滑剤138で潤滑し
ておくこともできる。
第11図〜第13図に最も良く示すように、本発明のクラ
ッシュバリヤ10は、2つのブレーキ組立体140を有して
いる。各ブレーキ組立体140は、ワイヤケーブル122の周
囲で嵌合して該ワイヤケーブル122と係合できる形状の
1対のブレーキスリーブ142を備えている。このブレー
キスリーブ142は、アルミニウムのような減摩材で作る
のが好ましい。ブレーキスリーブ142は、それぞれのス
リーブクランプ144内に配置される。これらのスリーブ
クランプ144は保持肩部145を備えていて、ブレーキスリ
ーブ142が軸線方向に移動してスリーブクランプ144から
抜けないようにしている。ブレーキ組立体140の両側に
は、1対のばねプレート146が設けられており、これら
のばねプレート146は、それらの周囲においてスペーサ
リング148(第13図及び第14図)により分離されてい
る。各ブレーキ組立体140の両側には、C字形断面形状
をもつチャンネル部材で作られた1対のガイド150が取
り付けられている。第10図及び第13図に示すように、全
体の組立体が4つの緊締具152により一体に保持され
る。ばねプレート146の両側には、スペーサプレート154
が設けられている。ブレーキ組立体140が第14図に示す
ようにして緊締具152により完全に組み立てられると、
ブレーキスリーブ142によりワイヤケーブル122を保持さ
せる弾性押圧力が、ばねプレート146により付与され
る。このため、ブレーキスリーブ142の減摩によりブレ
ーキスリーブ142の寸法変化が生じても、ブレーキスリ
ーブ142がワイヤケーブル122を押圧する力が大きく変化
することはない。
第2a図及び第13図に示すように、ブレーキ支持フレー
ム30の水平ガイド部材32には2つのブレーキ組立体140
が取り付けられており、ガイド150によって、ブレーキ
組立体140が水平ガイド部材32に沿って縦方向に移動で
きるようになっている。スライドストップ130はブレー
キ組立体140の前方でワイヤケーブル122に配置されてお
り、管状スペーサ156が両ブレーキ組立体140同士の間で
ワイヤケーブル122の回りに配置されていて、スリーブ
クランプ144に当たるようになっている。車両の衝突前
においては、両ブレーキ組立体140は水平なガイド部材3
2の後端部近くに配置されていて、両ブレーキ組立体140
のブレーキスリーブ142がワイヤケーブル122の低摩擦材
料136と係合している状態にある(第2a図)。
次に本発明の最良の形態を説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。この実施例においては、コ
ンクリートパイル82の直径は2フィート(約61cm)、深
さは5フィート(約152cm)であり、ボルト92は直径7/8
インチ(約2.2cm)のB級ねじロッドである。この実施
例におけるワイヤケーブル122は、直径1インチ(約25m
m)の6×25亜鉛引きケーブルである。また、この実施
例における水平なガイド部材32の長さは6フィート(約
183cm)であり、この長さは、クラッシュバリヤ10に対
して斜めに衝突する車両が発生する問題のある回転力を
制御できる長さである。ブレーキ支持フレーム30は、ブ
レーキ組立体140が車両と決して衝突しないように、ブ
レーキ組立体140を保護することができる。
この実施例においては、脚50は、中心間距離で6フィ
ート3インチ(約191cm)の間隔を隔てて配置されてい
る。ブレーキスリーブ142は、アルミニウム合金#6061
−T6で作ることができる。このアルミニウム合金#6061
−T6は、大きな摩擦係数が得られること、及び流体力学
的滑り現象(hydrodynamic skating)を引き起こさない
摩擦面が得られることが判明している。ばねプレート14
6はAR400のような高強度の鋼プレートで作られており、
この実施例の場合、3/8インチ(約1cm)の厚さと、10・
1/4インチ(約26cm)の直径とを有している。ばねプレ
ート146には大きな応力が生じるため、165,000psi(約1
1,600kg/m2)以上の降伏強度をもつ材料で作るのが好ま
しい。ばねプレート146に穿ける孔はパンチングではな
くドリルで穿け、かつ座ぐりすることにより、微細ひび
割れが生じないようにするのが好ましい。ばねプレート
146は、各ブレーキスリーブ142に約50,000ポンド(約2
2,700kg)の弾性力を加えてワイヤケーブル122を押圧す
るように構成するのが好ましい。ブレーキスリーブ142
の長さは、7・1/2インチ(約19cm)にするのが好まし
い。
テンションストラップ46は、14ゲーシA−591亜鉛引
きA−526シート鋼の積層体で構成し、これに、標準形
の直径5/8インチ(約1.6cm)の亜鉛引きボルトが自由に
通る開口を形成するのが好ましい。サイドパネル42にテ
ンションストラップ46を固定するのに使用する緊締具44
は、標準形の六角形ヘッド45を備えた5/8インチ(約1.6
cm)のボルト(これを、ワッシャを用いることなく外側
に配置する)と、標準形の六角形ナット47とで構成する
のが好ましい(例えば、ナット47は、SacramentoのCent
ral Fence Co.社により市販されている、高さが11/16イ
ンチ(約1.7cm)、平行面間距離が1・1/4インチ(約3.
2cm)の寸法をもつASTM−A563がよい)。サイドパネル4
2は、12ゲージ冷間圧延鋼で作り、これに直径11/16イン
チ(約1.7cm)のパンチ孔を穿け、好ましくは、ASTM−1
23に従って製造した後、どぶ漬け亜鉛引きをする。4つ
の孔からなる各組の各端の孔について、サイドパネル42
にノックアウト(突出部)を設けており、任意の3つの
位置に緊締具44を配置できるようにしてもよい。これに
より、適用例に応じて、サイドパネル42の有効長さを選
択することが可能になる。
この実施例においては、水平なガイド部材32の形状
は、スライドストップ130が端プレート(端キャップ)4
0と接触する前に、ブレーキ組立体140がブレーキ支持フ
レーム30の前部に向かって約50インチ(約127cm)移動
できるようになっている。低摩擦材料136は、亜鉛又は
ウレタン樹脂からなるスリーブで作るのが好ましい。ま
た、高圧潤滑剤138として、例えばグラファイト、二硫
化モリブデン又は粉末金属を用いることができる。テン
ションストラップ46の開口部は、4つの緊締具が荷重を
分担して、60,000ポンド(約27,200kg)の最大張力を発
揮できるように正確に位置決めされる。テンションスト
ラップ46の可撓性により、以下に述べるように、テンシ
ョンストラップ46から緊締具44を解放させるのに要する
力を、約5,000ポンド(約2,270kg)程度の比較的小さな
ものとすることができる、 作動 クラッシュバリヤ10が第1図及び第2a図に示す初期位
置にあるとき、ブレーキ組立体140は水平なガイド部材3
2の後端部近くに位置しており、このとき、ブレーキス
リーブ142は、低摩擦材料136及び潤滑剤138上に配置さ
れている。車両が、フレーム12に対して縦方向に衝突す
ると、破断可能組立体100が前述のように機能して、前
方アンカー組立体80から前方セクション14を解放する。
このとき、先ず、ブレーキ支持フレーム30が後方に移動
するが、ブレーキ組立体140はワイヤケーブル122上の所
定位置に留まっている。ブレーキ支持ブレーム30が充分
な距離だけ後方に移動すると、スライドストップ130が
端キャップ40と接触するようになる。これにより、ブレ
ーキ組立体140に対して後方への力が伝達され、ブレー
キ組立体140はワイヤケーブル122に沿ってスライドし始
める。
スライドストップ130は、前方のブレーキ組立体140の
スリーブクランプ142に直接当接し、このスリーブクラ
ンプ142は、管状スペーサ156を介して、後方のブレーキ
組立体140のスリーブクランプ142に対し軸線方向の力を
直接伝達する。この構成により、ワイヤケーブル122に
極めて近い位置においてブレーキ組立体140に軸線方向
の力を加えることができるため、ワイヤケーブル122に
関してブレーキ組立体140が回転しようとするあらゆる
傾向を最小限にすることができる。また、スライドスト
ップ130及びブレーキ組立体140は、ガイド部材32内で僅
かな量だけ自由に浮動しているため、ブレーキ組立体14
0に加えられるあらゆる回転トルクを更に低減させるこ
とができる。本発明のこれらの特徴により、ブレーキ組
立体140はケーブル122と整合した状態に維持され、この
ため、より予測可能性が高くかつほぼ一定の抑制力を得
ることができる。
低摩擦材料136と潤滑剤138との協働により静摩擦係数
が低減され、ブレーキ組立体140がワイヤケーブル122に
沿ってスライドし始めるときに、ブレーキ組立体140に
過大な抑制力が生じることが防止される。衝突の初期段
階において、ブレーキ組立体140を静止状態に維持でき
るため、車両に作用する最大の初期減速力を低減させる
ことができる。ブレーキ支持フレーム30がかなり大きな
マス(質量)を有しており、このブレーキ支持フレーム
30を加速するのに要する慣性力により、車両にはかなり
大きな初期抑制力が作用する。上記システムにおいて
は、ブレーキ支持フレーム30が大きく加速された後まで
ブレーキ組立体140が抑制力として寄与することはな
い。このため、車両に作用するピーク減速力を小さくす
ることができる。低摩擦材料136及び潤滑剤138により、
ブレーキ組立体140の初期運動に関連する減速力のピー
クが更に低減される。
フレーム12が縦方向に圧壊されるため、ブレーキ組立
体140はワイヤケーブル122の長さ方向に沿ってスライド
され、これにより、ブレーキスリーブ142が車両に対し
て大きな抑制力を作用する。
第19a図〜第19c図には、フレーム12が縦方向に圧壊さ
れるとき、互いに縦方向に隣接しているサイドパネル42
がテンションストラップ46によって互いに分離される様
子が示されている。第19a図に示すように、サイドパネ
ル42は、最初、外側に配置されるサイドパネル42の後端
部に対し魚鱗状に配置されており、テンションストラッ
プ46は、最初、僅かにS字形の形状を有している。サイ
ドパネル42に作用する縦方向の力が増大すると、第19b
図に示すように、サイドパネル42は後方に移動し、これ
により、テンションストラップ46は、明確なS字形をな
すように曲げられる。前述のように、テンションストラ
ップ46は個々のプレートからなる積層体として形成され
ているため、この効果を促進できる大きな可撓性を有し
ている。サイドパネル42が圧壊され続けると、テンショ
ンストラップ46は第19b図に示す状態になり、この状態
において、個々の緊締具44には大きな引き剥がし力が加
えられる。緊締具44は、それらの外端部にワッシャを設
けることなくして取り付けられているため、緊締具44の
ヘッド45は、第19c図に示すように、1つずつサイドパ
ネル42を通って引き剥がされていく。このようにして、
全てのフレーム12が縦方向に圧壊され、ブレーキ組立体
140がワイヤケーブル122に沿って移動できるようにな
る。
弾性押圧形の上記ブレーキ手段は、該ブレーキ手段が
ワイヤケーブル122に沿って位置及び速度が変化して
も、及びワイヤケーブル122の表面状態が広範囲に変化
しても、驚異的に一定の抑制力が得られることが判明し
ている、上記好ましい実施例においては、ブレーキ手段
の全ストロークは約20フィート(約6.1m)であり、該ブ
レーキ手段により与えられる抑制力は、約11,000ポンド
(約5,000kg)で驚異的に一定である。ばねプレート146
は、ブレーキスリーブ142を形成するアルミニウムが減
摩してその寸法が変化しても、ワイヤケーブル122に対
してブレーキスリーブ142を弾性接触した状態に維持す
べく移動する。それにもかかわらず、全ストロークを通
じて、抑制力は実質的に一定に維持される。これは、摩
擦熱によるブレーキスリーブ142の温度上昇と関連があ
ると考えられる。ブレーキ手段により発生される抑制力
は、ワイヤケーブル122に沿うブレーキ手段の運動速度
が広範囲に変化しても殆ど変化しないことが判明してい
る。
また、ワイヤケーブル122の表面状態に大きな変化が
あっても、ブレーキ手段により生じる抑制力は驚異的に
も殆ど変化しないことも判明している。ワイヤケーブル
122に水、埃、更には潤滑剤が付着しても、ブレーキ手
段がワイヤケーブル122に沿って移動した後の抑制力に
大きな影響はない。
ブレーキ手段による最適作動が得られるようにするに
は、ブレーキスリーブ142を適当な材料で作る必要があ
り、大きな摩擦係数をもつものが好ましい。この材料
は、過熱されたときにケーブル122に融着することがな
く、かつ使用時に硬化して摩擦力を低減させることがな
いものを選択すべきである。このためにはアルミニウム
合金が好ましく、本実施例に使用するには、アルミニウ
ム合金#6061−T6が特に適していることが判明してい
る。
本発明のクラッシュバリヤ10は、横方向の衝突の場合
には全く異なる機能をする。前述のように、横方向の衝
突時には、前方セクション14が、破断可能組立体100に
よって、前方アンカー組立体80から解放されることはな
い。また、横方向の衝突の場合には、テンションストラ
ップ46には張力が作用し、縦方向の衝突の場合のように
緊締具44が引き剥がされることはない。このため、サイ
ドパネル42は、それらの前端部及び後端部がアンカー止
めされた状態にあり、従って、大きな圧縮力及び引っ張
り力を支持することができる。また、ワイヤケーブル12
2は、その前端部が前方アンカー組立体80に、その後端
部がガードレールGにアンカー止めされた状態にある。
これらの2つのアンカーの間で、ワイヤケーブル122は
グロメット52に通されて、脚50が横方向に移動したり回
転することのないように、該脚50を支持している。ワイ
ヤケーブル122、サイドパネル42及びテンションストラ
ップ46は、互いに協働して、クラッシュバリヤ10が大き
な横方向の剛性をもつようにしている。
双方向用の実施例 第20図は、本発明の好ましい実施例による双方向用の
クラッシュバリヤ200を示すものである。この双方向用
のクラッシュバリヤ200は、互いに平行な2つの道路
R1、R2の間に取り付けられた状態が示されている。各道
路では、矢印の方向に沿って車両が移動する。双方向用
バリヤ200は、前述の方法と同様にして、ガードレール
Gの端部に取り付けられた状態が示されている。
第20図に示すように、クラッシュバリヤ200は、前方
セクション204と、数個の中央セクション206と、後方セ
クション208とにより構成されている。後方セクション2
08は、ガードレールGの端部に固定される。フレーム20
2は前述の実施例のコーポネンツと同じコンポーネンツ
で作られている。前方セクション204は、前述のブレー
キ支持フレーム30と同じブレーキ支持フレーム210を有
しており、このブレーキ支持フレーム210は、前述のブ
レーキ組立体140と同じ複数のブレーキ組立体212を支持
している。また、ブレーキ組立体212は、前述のよう
に、ワイヤケーブル214に沿ってスライドできるように
設計されている。
前述のように、各セクション204、206、208は2つの
側部を有しており、それぞれのセクションの各側部には
サイドパネル216が取り付けられている。しかしなが
ら、第20図に示すように、サイドパネル216の重ね合わ
せ構造(オーバーラップ構造)は、フレーム202の両側
で異なっている。道路R1に隣接する側のフレーム202の
側部では、サイドパネル216が、第1図の実施例と同じ
構造に配置されている。これに対し、道路R2に隣接する
側のフレーム202の側部(第2の側部)では、重ね合わ
せ構造のパターンが逆になっている。すなわち、この第
2の側部では、サイドパネル216の後端部が内方(すな
わち、ワイヤケーブル214に近い方)に配置されてお
り、サイドパネル216の前端部が外方(すなわち、道路R
2に近い方)に配置されている。この構成により、道路R
2上で矢印の方向に走行していて、サイドパネル216に対
して斜めに衝突する車両が、道路R2に隣接するフレーム
202の側でサイドパネル216に沿って自由にスライドする
ことができるため、サイドパネル216の内方に配置され
た後端部から保護される。同様に、道路R1上で矢印の方
向に走行している車両が、道路R1に隣接するフレーム20
2の側でサイドパネル216に沿って自由にスライドするこ
とができるため、サイドパネル216の前端部と好ましか
らざる接触をすることから保護される。
道路R1上を走行している車両が、前方セクション204
に対して縦方向に衝突する場合、この前方セクション20
4のブレーキ支持フレーム210の縦方向の剛性のため、車
両が、道路R2に隣接するフレーム202の側のサイドパネ
ル216の1つに突き刺さることがないように保護され
る。中央セクション206が圧壊するとき、道路R2に隣接
するフレーム202の側のサイドパネル216の前端部は、衝
突する車両に接近する。しかしながら、かなり大きな剛
性をもつブレーキ支持フレーム210がスペーサとして作
用するので、衝突する車両が、サイドパネル216の前端
部に接触してこれに突き刺さることが防止される。ブレ
ーキ支持フレーム210は、前方セクション204の縦方向の
圧壊に抗するブレースとして作用し、かつ、縦方向の圧
壊に対して、前方セクション204の方が中央セクション2
06よりも大きな抵抗をもつようにしている。上記設計に
より、クラッシュバリヤ200の最大設計速度で走行して
いる最大設計重量をもつ車両が前方セクションに衝突し
たときに、前方セクションが作動時に圧壊することがな
く、縦方向の圧壊に充分耐えられる前方セクション204
を提供することができる。
上記のように、サイドパネル216を非対称形に配置し
たことにより、フレーム202の両側が幾分異なる態様で
圧壊されるようになる。例えば、縦方向の圧壊時に、第
20図のフレーム202の上側のサイドパネル216は、前方セ
クション204とこれに直ぐ隣接している中央セクション2
06との間で、互いに入れ子式関係をなして移動すること
はない。これに対し、これらの2つのセクション204、2
06の間における、第20図の下側のサイドパネル216同士
の間では入れ子式関係をなす移動が行われる。この非対
称性に適応できるようにするため、ガードレールGに固
定された第20図の上側のサイドパネル216は、前述の形
式のテンションストラップ218を介して固定されてい
て、これらの間で入れ子式運動ができるようになってい
る。しかしながら、第20図に示すように、後方セクショ
ン208の下部のサイドパネル216は、ガードレールGの第
2側部に固定されていて、入れ子式運動が全く行えない
ようになっている。圧壊可能なフレーム202の前端部及
び後端部における非対称的な入れ子式運動が互いにオフ
セットして行われるため、改善されたパターンの入れ子
式運動を行うことができる。
本発明によるこの双方向用のクラッシュバリヤ200
は、前述の適用以外の種々の適用が可能である。例え
ば、縦方向に衝突する車両に対する抑制力を生じさせる
のに、摩擦ブレーキ手段は必要ではない。それどころ
か、このクラッシュバリヤは、前述の特許に開示された
従来の全ての試み、すなわち、エネルギ吸収部材の圧縮
変形の結果としてフレームの縦方向圧壊を抑制すべくフ
レームに配置されている複数のエネルギ吸収部材を用い
ているシステムに代えることができる。例えば、Gertz
の米国特許第4,352,484号に開示の発泡体充填形六角形
格子又はVanSchieの米国特許第4,399,980号に開示の変
形可能チューブに代えて、第20図に示す摩擦ブレーキ手
段を用いることができる。
また、前述の特許に開示された従来の試みは、縦方向
に圧壊できるようにしたまま、縦方向に隣接するサイド
パネルを一体に固定するのに使用することができる。同
様に、横方向の衝突時に前方セクションを補強するの
に、Stevensの米国特許第4,452,431号及びVanSchieの米
国特許第4,399,980号に開示の拘束ケーブル及びガイド
を含む種々の構造を用いることができる。
第20図に示すようにサイドパネル216を構成すること
によって、3つの別々の機能を発揮できる双方向用クラ
ッシュバリヤ200を得ることができる。第1の機能は、
クラッシュバリヤ200が縦方向に圧壊することにより、
前方セクション204に衝突する縦方向衝突車両を抑制す
る機能であり、第2の機能は、道路R1上を走行してい
て、クラッシュバリヤ200の長さ方向に沿ってクラッシ
ュバリヤ200に対して横方向に衝突する車両を、突き刺
すことなく跳ね返す機能であり、第3の機能は、道路R2
上を走行していて、クラッシュバリヤ200に対して横方
向に衝突する車両をも、同様に、突き刺すことなく跳ね
返す機能である。これらの特徴は、システムのコスト又
は複雑さを増大させることなくして得ることができる。
もちろん、本発明の上記好ましい実施例については、
広範囲の変更を施すことができる。例えば、上記破断可
能組立体100及びテンションストラップ46は、ブレーキ
組立体140のような摩擦ブレーキに頼ることのないより
一般的なクラッシュバリヤと組み合わせて使用すること
もできる。また、ブレーキ組立体140は、ばね式及び流
体式の他の形式の押圧構造を含む種々のブレーキ手段及
び押圧手段を用いるものに変更することができる。もち
ろん、寸法、比率及び形状等の全てを、意図する適用例
に合うように変更することもできる。
従って、前述の詳細な説明は単に例示的なものであ
り、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の好ましい実施例による車両のクラッ
シュバリヤを示す斜視図である。 第2a図、第2b図及び第2c図は、第1図のクラッシュバリ
ヤのそれぞれ前方セクション、中央セクション及び後方
セクションを示す側面図である。 第3図は、第2a図の3−3線に沿う断面図である。 第4図は、第2b図の4−4線に沿う断面図である。 第5図は、第2c図の5−5線に沿う断面図である。 第6図は、第1図のクラッシュバリヤの前方部分を示す
平面図である。 第7図は、第6図の7−7線に沿う断面図である。 第8図は、第7図における選択されたエレメントを示す
分解斜視図である。 第9図は、第7図に示した付加的エレメントの一部を断
面して示す斜視図である。 第10図は、ワイヤケーブル、該ワイヤケーブルに関連す
るブレーキ組立体、及び第1図のクラッシュバリヤの関
連エレメントを示す斜視図である。 第11図は、第10図のブレーキ組立体の1つの選択された
部分を示す分解斜視図である。 第12図は、第11図の選択されたエレメントを示す分解断
面図である。 第13図は、第14図の13−13線に沿う断面図である。 第14図は、第10図のブレーキ組立体の1つについて、第
13図の14−14線に沿う断面図である。 第15図は、第1図の実施例のテンションストラップの1
つを示す平面図である。 第16図は、第15図の16−16線に沿う部分的断面図であ
る。 第17図は、第1図の中央セクションの1つの部分を示す
分解斜視図である。 第18図は、第1図の後方セクションの部分を示す分解斜
視図である。 第19a図〜第19c図は、第1図のクラッシュバリヤが縦方
向に圧壊されるときの3つの段階を示す概略図である。 第20図は、第1図〜第19図に示したコンポーネンツで構
成される双方向用の車両のクラッシュバリヤを示す概略
平面図である。 10……クラッシュバリヤ、 12……フレーム、14……前方セクション、 16……中央セクション、18……後方セクション、 30……ブレーキ支持フレーム、 32……ガイド部材、34……支持部材、 42……サイドパネル、44……緊締具、 46……テンションストラップ、 50……脚、52……パイプグロメット、 54……ベースプレート、 80……前方アンカー組立体、 92……ボルト、100……破断可能組立体、 102……レバーアーム、108……C字形ガイド、 114……ノーズプレート、 120……ケーブル組立体、 122……ワイヤケーブル、 130……スライドストップ、 136……低摩擦材料、138……潤滑剤、 140……ブレーキ組立体、 142……ブレーキスリーブ、 146……ばねプレート、 200……クラッシュバリヤ、 202……フレーム、212……ブレーキ組立体、 214……ワイヤケーブル、 216……サイドパネル、 218……テンションストラップ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−85235(JP,A) 実開 昭63−76020(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E01F 15/00 101

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】道路から逸れた車両を減速させるための車
    両用クラッシュバリヤにおいて、 前方セクションと、縦方向に沿って端と端とを継ぎ合わ
    せて配置される少なくとも1つの付加セクションとから
    なる複数のセクションを備えた長いフレームを有してお
    り、該フレームは、その前方セクションに車両が縦方向
    に衝突するとき、縦方向に圧壊できる形状を有してお
    り、 地面アンカーと、 前記前方セクションを前記地面アンカーに固定する方向
    感応手段であって、車両の縦方向の衝突に応答して前記
    前方セクションを前記地面アンカーから優先的に解放す
    ることができる方向感応手段とを更に有していることを
    特徴とする車両用クラッシュバリヤ。
  2. 【請求項2】前記方向感応手段が、 前記前方セクションと前記地面アンカーとの間に固定さ
    れた緊締具と、 解放レバーとを有しており、該解放レバーが、前記緊締
    具に連結された下端部と、前記前方セクションの前部に
    配置された上端部と、作用面により支持された支点とを
    備えていて、前記前方セクションに作用する縦方向の衝
    撃により、前記解放レバーを前記支点の回りで縦方向に
    枢動させかつ前記緊締具を切断して前記地面アンカーか
    ら前記前方セクションを解放させるように構成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の車両用クラッシュバリ
    ヤ。
  3. 【請求項3】前記作用面が前記地面アンカー上に位置し
    ていることを特徴とする請求項2に記載の車両用クラッ
    シュバリヤ。
  4. 【請求項4】前記解放レバーの上端部が、該解放レバー
    の下端部の前方に延在していることを特徴とする請求項
    2に記載の車両用クラッシュバリヤ。
  5. 【請求項5】前記前方セクションのフレームに車両が縦
    方向に衝突するときに、フレームの縦方向の圧壊を抑制
    して車両に減速力を与えるための、前記フレームに設け
    た抑制手段を更に備えていることを特徴とする請求項1
    に記載の車両用クラッシュバリヤ。
  6. 【請求項6】前記抑制手段が、テンション部材と、前記
    フレームと前記テンション部材との間に連結された摩擦
    ブレーキとを備えていて、該摩擦ブレーキが前記テンシ
    ョン部材に沿って移動するときに、前記フレームの縦方
    向の圧壊を抑制するように構成したことを特徴とする請
    求項5に記載の車両用クラッシュバリヤ。
  7. 【請求項7】前記摩擦ブレーキが、ブレーキ部材と、該
    ブレーキ部材を前記テンション部材に対して弾性的に押
    し付ける手段とを備えていることを特徴とする請求項6
    に記載の車両用クラッシュバリヤ。
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