JP2941659B2 - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP2941659B2
JP2941659B2 JP6185036A JP18503694A JP2941659B2 JP 2941659 B2 JP2941659 B2 JP 2941659B2 JP 6185036 A JP6185036 A JP 6185036A JP 18503694 A JP18503694 A JP 18503694A JP 2941659 B2 JP2941659 B2 JP 2941659B2
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出 清水
靖 渡辺
哲彦 深沼
重樹 岩波
祐市 津曲
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Toyota Industries Corp
Denso Corp
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Denso Corp
Toyoda Jidoshokki Seisakusho KK
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定スクロールと可動
スクロールとを有するスクロール型圧縮機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機における可動スクロ
ールの自転阻止機構として、図9に示すようなものがあ
る。すなわち、フロントハウジング50の内壁51面に
は複数個の固定ピン52が、可動スクロール53の基板
54背面には複数個の可動ピン55がそれぞれ固定され
ている。同固定ピン52及び可動ピン55にはリング5
6が遊嵌されている。従って、可動ピン55は固定ピン
52によりリング56内において位置規制され、可動ス
クロール53の自転は阻止される。よって、可動スクロ
ール53はリング56の内径の範囲内において自転を阻
止されながら公転のみを行う。この時、リング56も公
転される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リング56
と内壁51及び基板54との間には、同リング56のス
ムーズな公転や熱膨張等を許容するためにある程度の間
隙が存在する。このため、例えば、可動スクロール53
が液圧縮の反力等により傾くと、同可動スクロール53
に固定された可動ピン55の傾きに従って同リング56
も傾いた状態で公転されることになる。よって、リング
側面57の外側のエッジ状縁端部58が内壁51又は基
板54に摺接され、その縁端部58により内壁51又は
基板54がかき削られて磨耗されていた。内壁51又は
基板54が磨耗されると、リング56との間隙が拡がっ
て同リング56の傾きが大きくなり、さらに磨耗が促進
されて悪循環となっていた。
【0004】また、一般には、鉄系材料によりリング5
6を構成し、鉄系材料より軟質なアルミニウム材または
アルミニウム合金によりフロントハウジング50及び可
動スクロール53を構成しており、その材質の違いから
上記内壁51及び基板54の磨耗がさらに促進されてい
た。
【0005】内壁51又は基板54が磨耗されることに
より磨耗屑が発生すると、その磨耗屑が圧縮機内の異物
となって可動部分に入り込み、スムーズな可動が阻止さ
れて焼き付き等が発生していた。また、磨耗を発生させ
る摩擦力が可動スクロール53の公転抵抗となって、圧
縮能力の低下とエネルギーロスとに繋がっていた。さら
に、磨耗によりフロントハウジング50又は可動スクロ
ール53の強度が低下され、結果として圧縮機の耐久性
低下に繋がっていた。以上のように、フロントハウジン
グ50の内壁51又は可動スクロール53の基板54の
磨耗に起因して種々の問題が生じていた。
【0006】本発明は上記従来技術に存在する問題点に
着目してなされたものであって、その目的は、フロント
ハウジングの内壁又は可動スクロールの基板の、リング
との摺接による磨耗を防止することができるスクロール
型圧縮機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、ハウジングの内壁に突設された
複数の固定ピンと、その固定ピンと対応するように可動
スクロールの基板に突設された可動ピンと、前記固定ピ
ン及び可動ピンに遊嵌されたリングとにより可動スクロ
ールの自転阻止機構を構成し、さらに、内壁と可動スク
ロールとの間には、前記リングと摺接される部分の磨耗
を防止するための磨耗防止手段を設けたスクロール型圧
縮機である。
【0008】請求項2の発明では、前記磨耗防止手段は
リングに設けられている。請求項3の発明では、前記磨
耗防止手段は、リング側面の縁端部を曲面に形成するこ
とにより構成されている。
【0009】請求項4の発明では、前記リングは鉄系材
料よりなり、内壁を有するフロントハウジング及び可動
スクロールはアルミニウム材又はアルミニウム合金より
なり、リングの両側面の縁端部を曲面に形成したもので
ある。
【0010】請求項5の発明では、リング側面の少なく
とも外縁端部を曲面に形成するものである。請求項6の
発明では、前記磨耗防止手段は内壁面又は基板表面の少
なくとも一方に設けられ、同内壁又は基板の耐磨耗性を
向上させるように構成されたものである。
【0011】請求項7の発明では、前記磨耗防止手段
は、硬化処理を施すことである。請求項8の発明では、
前記硬化処理は、硬化被膜を施すことである。請求項9
の発明では、前記硬化処理は、鉄系材料よりなる板を設
けることである。
【0012】請求項10の発明では、前記リングは鉄系
材料よりなり、内壁を有するフロントハウジング及び可
動スクロールはアルミニウム材又はアルミニウム合金よ
りなり、内壁面及び基板表面に硬化処理を施したもので
ある。
【0013】請求項11の発明では、前記磨耗防止手段
は固定ピン又は可動ピンのいずれか一方に設けられてい
る。請求項12の発明では、前記磨耗防止手段は、固定
ピン又は可動ピンのうちいずれか一方の先端部に、リン
グをガイド保持する凹部を設けることにより構成されて
いる。
【0014】請求項13の発明では、前記リングは鉄系
材料よりなり、内壁を有するフロントハウジング及び可
動スクロールはアルミニウム材又はアルミニウム合金よ
りなる。
【0015】請求項14の発明では、前記磨耗防止手段
は、内壁と可動スクロールの基板との間に規制板を介在
させ、同規制板に形成されリングの公転を許容する規制
孔の内縁端部によりリングの外周面に形成された凹部を
ガイドし、さらにリングの内壁側又は基板側への移動は
同孔の内縁端部に凹部の内壁面が当接されて規制される
ように構成されたものである。
【0016】請求項15の発明では、前記内壁を有する
フロントハウジング及び可動スクロールはアルミニウム
材又はアルミニウム合金よりなり、前記規制板及びリン
グは鉄系材料よりなるものである。
【0017】
【作用】上記構成の請求項1の発明においては、可動ピ
ンは固定ピンによりリングを介して規制され、可動スク
ロールの自転は阻止される。よって、可動スクロールの
公転に伴って、同可動スクロールに固定された可動ピン
も、内壁に固定された固定ピンの周囲をリングと共に同
リングにより規制されながら公転する。すなわち、可動
スクロールは自転を阻止されながら公転のみを行う。そ
して、磨耗防止手段により内壁又は基板のリングとの摺
接による磨耗を低減できる。
【0018】請求項2の発明においては、リングに設け
られた磨耗防止手段により、同リングに摺接される内壁
又は基板の磨耗を低減できる。請求項3の発明において
は、リング側面の縁端部が曲面に形成されている。従っ
て、同リングの縁端部が内壁又は基板に摺接されてもか
き削られることはない。よって、内壁及び基板の磨耗を
低減できる。
【0019】請求項4の発明においては、リングの両側
面の縁端部を曲面に形成した。このため、鉄系材料より
なるリングが、同鉄系材料より軟質なアルミニウム材又
はアルミニウム合金よりなる内壁及び可動スクロールと
摺接してもかき削られることはない。従って、同内壁及
び可動スクロールが磨耗されることを低減できる。しか
も、リングは鉄系材料よりなるため耐久性が向上され、
内壁及び可動スクロールがアルミニウム材又はアルミニ
ウム合金よりなるため、圧縮機の軽量化が図られる。
【0020】請求項5の発明においては、リング側面の
少なくとも外縁端部を曲面に形成することにより、リン
グが傾斜状態で内壁又は基板に摺接されてもかき削られ
ることはなく、内壁又は基板の磨耗を低減できる。
【0021】請求項6の発明においては、内壁又は基板
の耐磨耗性が向上され、リングの摺接による磨耗を低減
できる。請求項7の発明においては、硬化処理により内
壁面又は基板表面の耐磨耗性が向上され、リングの摺接
による磨耗を低減できる。
【0022】請求項8の発明においては、内壁面又は基
板表面に硬化被膜を施すことにより耐磨耗性が向上さ
れ、リングの摺接による磨耗を低減できる。請求項9の
発明においては、内壁面又は基板表面に鉄系材料よりな
る板を設けることにより、例えば、フロントハウジング
又は可動スクロールをアルミニウム材又はアルミニウム
合金により構成した場合、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金による圧縮機の軽量化、及び鉄系材料よりなる板
を設けることによる耐磨耗性の向上という両材料の長所
を生かせる。
【0023】請求項10の発明においては、リングは鉄
系材料よりなるため耐久性が向上され、フロントハウジ
ング及び可動スクロールはアルミニウム材又はアルミニ
ウム合金よりなるため、圧縮機の軽量化が図られる。こ
の効果を奏してなおかつ、内壁面及び基板表面に硬化処
理を施したことにより、同内壁面及び基板表面のリング
との摺接による磨耗を低減できる。
【0024】請求項11の発明においては、一方のピン
に設けられた磨耗防止手段により、内壁又は基板の磨耗
を防止できる。請求項12の発明においては、固定ピン
又は可動ピンに設けられた凹部により、リングがガイド
保持されるため、リングが内壁又は基板に摺接されるこ
とがない。このため、同内壁面及び基板の磨耗を防止で
きる。
【0025】請求項13の発明においては、リングは鉄
系材料よりなるため耐久性が向上され、フロントハウジ
ング及び可動スクロールはアルミニウム材又はアルミニ
ウム合金よりなるため、圧縮機の軽量化が図られる。こ
の効果を奏してなおかつ、リングが内壁又は基板に摺接
されることがない。従って、同内壁面及び基板の磨耗を
防止できる。
【0026】請求項14の発明においては、規制板の内
縁端部によりリングの凹部がガイドされ、さらにリング
の内壁側又は基板側への移動は同孔の内縁端部に凹部の
内壁面が当接されて規制される。このため、リングが内
壁又は基板に摺接されることがない。従って、同内壁面
及び基板の磨耗を防止できる。
【0027】請求項15の発明においては、規制板及び
リングは鉄系材料よりなるため、耐久性が向上される。
また、フロントハウジング及び可動スクロールはアルミ
ニウム材又はアルミニウム合金よりなるため、圧縮機の
軽量化が図られる。この効果を奏してなおかつ、内壁面
及び基板の磨耗を防止できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を具体化した第1実施例を図面
に従って説明する。図1に示すように、センタハウジン
グを兼ねる固定スクロール1の前後両端面には、アルミ
ニウム材(本実施例においてアルミニウム材はアルミニ
ウム合金を含む)よりなるフロントハウジング2及びリ
ヤハウジング3が接合固定されている。フロントハウジ
ング2内には回転軸4がベアリング5により回転可能に
支持されている。偏心軸6は回転軸4の内端面の偏心位
置に固定されている。バランスウエイト7及びブッシュ
8は偏心軸6に回動可能に支持され、偏心軸6の先端部
に係合した係止部材9により脱落が防止されている。
【0029】前記ブッシュ8の外周面には、アルミニウ
ム材よりなる可動スクロール10の基板11の背面中央
部に一体形成した円筒状のボス部12がベアリング13
を介して相対回動可能に嵌合されている。そして、対向
する固定スクロール1及び可動スクロール10の基板1
4、11及び渦巻壁15、16により圧縮室100が形
成されている。
【0030】吐出ポート17は固定スクロール1の基板
14中央部に穿設され、同吐出ポート17を介してリヤ
ハウジング3内に形成された吐出室18と圧縮室100
とが連通されている。吐出ポート17は吐出室18側で
吐出弁19により開放可能に閉塞されている。
【0031】図2に示すように、可動スクロール10に
対向するフロントハウジング2の内壁20と、可動スク
ロール10の基板11背面との間には、可動スクロール
10の自転を阻止すると共に、公転を許容するための自
転阻止機構21が介在されている。
【0032】図1〜図3に示すように、自転阻止機構2
1は、フロントハウジング2の内壁20面に一定間隔で
植設された鉄系材料よりなる固定ピン22と、可動スク
ロール10の基板11背面に一定間隔で植設された鉄系
材料よりなる可動ピン23と、この固定ピン22及び可
動ピン23に遊嵌された鉄系材料よりなるリング24と
からなっている。本実施例においては固定ピン22及び
可動ピン23は共に90°間隔で4本設けられている。
そして、リング24の両側面25、26の外縁端部2
7、28及び内縁端部29、30を曲面に構成すること
により磨耗防止手段をなしている。この内外縁端部27
〜30の曲面は、横断面円弧状、さらに詳しくは半円状
となっている。
【0033】前記固定ピン22、可動ピン23及びリン
グ24の作用により可動スクロール10の自転が阻止さ
れ、公転が許容される。従って、可動スクロール10の
公転に伴って、同可動スクロール10に固定された可動
ピン23も、内壁20に固定された固定ピン22の周囲
をリング24と共に同リング24に規制されながら公転
する。
【0034】上記構成の圧縮機は、偏心軸6の公転に伴
い、可動スクロール10が回転軸4の周りを公転し、図
示しない吸入ポートから導入された冷媒ガスが両スクロ
ール1、10間の圧縮室100へ流入する。圧縮室10
0は可動スクロール10の公転に伴って容積減少しつつ
両スクロール1、10の渦巻壁15、16の始端部間に
向けて収束して行く。圧縮室100の容積減少によって
圧縮された冷媒ガスは吐出ポート17から吐出室18内
へ吐出される。
【0035】圧縮機の作動時、例えば、圧縮室100内
の液圧縮の反力等により可動スクロール10が傾いて公
転すると、同可動スクロール10に固定された可動ピン
23の傾倒によって、リング24が傾斜状態で公転し、
同リング24の外縁端部27、28が内壁20又は可動
スクロール10の基板11に大きな圧力で摺接される。
しかし、リング24の外縁端部27、28は曲面に形成
されているため、内壁20又は基板11がかき削られる
ことがない。従って、同内壁20又は基板11の磨耗を
著しく低減可能である。
【0036】
【0037】以上のように、本実施例によれば内壁20
又は基板11のリング24との摺接による磨耗を低減で
きる。このため、磨耗による異物発生が抑えられ、異物
に基づく可動部分の焼き付き等を防止できる。また、摩
擦抵抗を低減して可動スクロール10のスムーズな公転
を許容し、圧縮機の圧縮能力の低下を抑えることができ
る。さらに、フロントハウジング2及び可動スクロール
10がかき削られないため、それらの強度劣化を低減で
き、圧縮機の耐久性が向上される。
【0038】従って、本実施例のように、鉄系材料に比
べて軽量であるが軟質なアルミニウム材によりフロント
ハウジング2と可動スクロール10を構成しても、その
磨耗は危惧する程ではなく、圧縮機の軽量化及び圧縮能
力の向上等に貢献できる。
【0039】また、リング24を鉄系材料により構成し
たため耐久性が向上されるし、固定ピン22及び可動ピ
ン23とは鉄系材料同士である。このため、リング24
とピン22、23との溶着のおそれはないし、接触によ
る磨耗も少ない。
【0040】なお、図面において、内壁20とリング2
4との間隙及び基板11とリング24との間隙は、理解
を容易にするために誇張して書いてある。
【0041】
【別の実施例】以下、本発明を具体化した別の実施例を
図面に従って説明する。なお、上記第1実施例との相違
点についてのみ説明する。
【0042】図4においては第2実施例を示す。本実施
例及び以下に述べる第3実施例においては、リング35
側面の縁端部37にはエッジが付いている点が上記第1
実施例と異なる。そして、本実施例においては、内壁2
0及び可動クロール10の基板11背面に硬化処理とし
てニッケル−リンメッキ36を施して磨耗防止手段をな
している。従って、このニッケル−リンメッキ36によ
り、アルミニウム材よりなる内壁20及び基板11表面
の耐磨耗性が向上される。このため、内壁20及び基板
11におけるリング35の摺接による磨耗を低減でき
る。
【0043】図5及び図6においては第3実施例を示
す。本実施例においては、固定ピン38に一対のフラン
ジ部39、40を周設することにより磨耗防止手段をな
している。可動スクロール10側のフランジ40の縁端
部42は円弧状をなしている。そして、リング35は、
フランジ部39、40により構成された凹部41に遊嵌
され、同凹部41にガイドされながら公転される。本実
施例においては、固定ピン38に設けられた一対のフラ
ンジ部39、40によりリング35をガイド保持してい
る。このため、リング35が内壁20又は基板11側に
移動され、あるいは傾倒されようとしても、フランジ部
39、40の内壁面がリング35の側面に当接されて同
リング35の移動又は傾倒を規制するため、リング35
が内壁20又は基板11に摺接することはない。以上の
ように、リング35が内壁20及び基板11に摺接され
ることはなく、同内壁20及び基板11は磨耗するおそ
れがない。
【0044】また、フランジ40の可動スクロール10
側の縁端部42が円弧状をなしているため、基板11が
摺接されても、その縁端部42により同基板11が磨耗
されることはない。
【0045】図7及び図8においては第4実施例を示
す。本実施例においては、フロントハウジング2とセン
タハウジング1の接合端面間にドーナッツ状の鉄系材料
よりなる規制板44を介在させている。この規制板44
の中央部には透孔45が貫設されており、同透孔45は
ブッシュ8と可動スクロール10のボス部12との嵌合
及び可動スクロール10、ブッシュ8の公転を許容する
径を有している。そして、同規制板44の周方向にはリ
ング47の公転を規制する規制孔46が等間隔(本実施
例においては4か所)に穿設されている。一方、円環状
のリング47の外周面には凹部48が周設されている。
そして、リング47はその凹部48が規制孔46の開口
縁部にガイドされながら公転される。
【0046】この時、リング47が内壁20又は基板1
1側に移動され、あるいは傾倒されようとしても、凹部
48の内壁に規制孔46の開口縁部が当接されて抑制さ
れる。本実施例においては、磨耗防止手段としての規制
板46及びリング47の凹部48により同リング47が
ガイド保持されているため、同リング47は内壁20及
び基板11に摺接されない。従って、内壁20及び基板
11が磨耗されることはない。
【0047】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下の
ような態様で実施できる。 (1)上記各実施例において、自転阻止機構21は、固
定ピン22、38可動ピン23及びそれを覆うリング2
4、35、47からなる1組を内壁20と基板11との
間に4か所設けて構成されていた。しかし、これに限定
されるものではなく、固定ピン22、38可動ピン23
及びリング24、35、47を周方向に3か所(120
°間隔)〜12か所(30°間隔)程度設けて自転阻止
機構21を構成しても良い。 (2)上記第1実施例において、リング24の外縁端部
27、28のみを曲面に形成すること。 (3)上記第1実施例において、フロントハウジング2
又は可動スクロール10のいずれか一方のみをアルミニ
ウム材又はアルミニウム合金により構成し、それに対向
する一方のリング側面25、26の縁端部27〜30の
みを曲面に構成すること。この場合、外縁端部27、2
8のみでも良い。 (4)上記第2実施例において、硬化処理は硬化皮膜と
してのニッケル−リンメッキ36であったが、これに限
定されるものではなく、内壁20又は可動スクロール1
0の少なくとも一方に鉄系材料よりなる板を設けて構成
すること。 (5)上記第2実施例において、フロントハウジング2
又は可動スクロール10のいずれか一方のみをアルミニ
ウム材又はアルミニウム合金により構成し、同アルミニ
ウム材又はアルミニウム合金により構成した側の内壁2
0面又は基板10表面だけに硬化皮膜36を施すこと。 (6)上記第2実施例において、硬化処理としての硬化
皮膜はニッケル−リンメッキ36に具体化されていた、
これに限定されるものではなく、例えば、ニッケル−ボ
ロンメッキや、内壁20面及び基板11表面を酸化処理
する等に具体化しても良い。 (7)上記第3実施例においては、固定ピン38の先端
にフランジ部39、40を設けたが、これを変更して、
可動ピン23の先端に一対のフランジ部39、40を設
けること。この場合、可動スクロール10が傾倒するに
伴って可動ピン23も傾くため、リング35が内壁20
又は基板側10に移動されるが、可動ピン23のフラン
ジ部39、40が他の部位より突出されているため、鉄
系材料よりなる同部39、40が摺接するのみで、リン
グ35が内壁20又は基板10に摺接することはない。 (8)リングの少なくとも外縁端部を面取り加工して磨
耗防止手段としても良い。このようにすれば、リングの
簡単な加工で磨耗を低減できる。
【0048】上記実施例から把握できる請求項以外の技
術思想について以下にその効果と共に記載する。 (1)前記磨耗防止手段はリングの縁端部を面取りする
ことにより構成されている請求項1に記載のスクロール
型圧縮機。
【0049】このようにすれば、リングの簡単な加工で
磨耗を低減できる。 (2)固定ピン22及び可動ピン23は鉄系材料により
構成された請求項1〜15のいずれかに記載のスクロー
ル型圧縮機。
【0050】このようにすれば、鉄系材料同士であるリ
ング24との摺接による溶着のおそれがないし、磨耗度
合いを抑えられる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1の発明によ
れば、磨耗防止手段により内壁又は基板のリングとの摺
接による磨耗を低減できる。
【0052】請求項2の発明によれば、リングに設けら
れた磨耗防止手段により、同リングに摺接される内壁又
は基板の磨耗を低減できる。請求項3の発明によれば、
リング側面の縁端部が曲面に形成されている。このた
め、同縁端部が摺接しても内壁又は基板をかき削ること
はなく、その磨耗を低減できる。
【0053】請求項4の発明によれば、鉄系材料よりな
るリングが、同鉄系材料より軟質なアルミニウム材又は
アルミニウム合金よりなる内壁及び可動スクロールと摺
接して磨耗されることを低減できる。しかも、内壁及び
可動スクロールがアルミニウム材又はアルミニウム合金
よりなるため、圧縮機の軽量化が図られる。
【0054】請求項5の発明によれば、リング側面の少
なくとも外縁端部を曲面に形成することにより、リング
が傾斜状態で内壁又は基板に摺接されても、同内壁又は
基板がかき削られることはなく、その磨耗を低減でき
る。
【0055】請求項6の発明によれば、内壁又は基板の
耐磨耗性が向上され、リングの摺接による磨耗を低減で
きる。請求項7の発明によれば、内壁面又は基板表面の
硬化処理により、同内壁面又は基板表面がリングと摺接
されても、その磨耗を低減できる。
【0056】請求項8の発明によれば、硬化皮膜によ
り、内壁面又は基板表面の耐磨耗性が向上され、リング
と摺接されてもその磨耗を低減できる。請求項9の発明
によれば、内壁面又は基板表面に設けられた鉄系材料よ
りなる板により、例えば、フロントハウジング又は可動
スクロールをアルミニウム材又はアルミニウム合金によ
り構成した場合、アルミニウム又はアルミニウム合金に
よる圧縮機の軽量化、及び鉄系材料よりなる板を設ける
ことによる耐磨耗性の向上という両材料の長所を生かせ
る。
【0057】請求項10の発明によれば、リングの耐久
性が向上され、しかも、圧縮機の軽量化が図られる。こ
の効果を奏してなおかつ、内壁面及び基板表面の硬化処
理により、同内壁面及び基板表面のリングとの摺接によ
る磨耗を低減できる。
【0058】請求項11の発明によれば、一方のピンに
設けられた磨耗防止手段により、内壁又は基板の磨耗を
防止できる。請求項12の発明によれば、凹部により、
リングがガイド保持されるため、リングが内壁又は基板
に摺接されることがない。このため、同内壁面及び基板
の磨耗を防止できる。
【0059】請求項13の発明によれば、リングの耐久
性が向上され、しかも、圧縮機の軽量化が図られる。こ
の効果を奏してなおかつ、リングが内壁又は基板に摺接
されることがない。従って、同内壁面及び基板の磨耗を
防止できる。
【0060】請求項14の発明によれば、規制板により
リングがガイドされ、さらにリングの移動は同孔により
規制されるため、リングが内壁又は基板に摺接されるこ
とがない。従って、同内壁面及び基板の磨耗を防止でき
る。
【0061】請求項15の発明によれば、規制板及びリ
ングの耐久性が向上され、しかも、圧縮機の軽量化が図
られる。この効果を奏してなおかつ、内壁面及び基板の
磨耗を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例を示す図であっ
て、スクロール型圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1における自転阻止機構を拡大して示す図で
ある。
【図3】リングを示す斜視図である。
【図4】第2実施例を示す図であって、自転阻止機構の
断面拡大図である。
【図5】第3実施例を示す図であって、自転阻止機構の
断面拡大図である。
【図6】自転阻止機構の斜視図である。
【図7】第4実施例を示す図であって、自転阻止機構の
拡大斜視図である。
【図8】自転阻止機構の断面拡大図である。
【図9】従来のスクロール型圧縮機における自転阻止機
構を示す断面拡大図である。
【符号の説明】
1…センタハウジングを兼ねる固定スクロール、2…ハ
ウジングのフロント側であるフロントハウジング、4…
回転軸、6…偏心軸、10…可動スクロール、11…可
動スクロールの基板、14…固定スクロールの基板、1
5…渦巻壁、16…渦巻壁、20…内壁、21…自転阻
止機構、22…固定ピン、23…可動ピン、24…リン
グ、25…リング側面、26…リング側面、27…リン
グ側面の外縁端部、28…リング側面の外縁端部、29
…リング側面の内縁端部、30…リング側面の内縁端
部、35…リング、36…硬化被膜としてのニッケル−
リンメッキ、38…固定ピン、39…凹部を形成するフ
ランジ部、40…凹部を形成するフランジ部、41…凹
部、44…規制板、46…規制孔、47…リング、48
…凹部、100…圧縮室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深沼 哲彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 岩波 重樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装 株式会社 内 (72)発明者 津曲 祐市 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装 株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭62−199983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/02 311

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に固定スクロールを設け、
    ハウジングのフロント側に回動可能に支持された回転軸
    の端部に偏心軸を設け、同偏心軸には可動スクロールを
    相対回動可能に支持し、固定スクロールの渦巻壁と可動
    スクロールの渦巻壁とを噛み合わせて、同渦巻壁と両ス
    クロールの基板とにより可動スクロールの公転に伴って
    容積減少する圧縮室を形成したスクロール型圧縮機にお
    いて、 ハウジングの内壁に突設された複数の固定ピンと、その
    固定ピンと対応するように可動スクロールの基板に突設
    された可動ピンと、前記固定ピン及び可動ピンに遊嵌さ
    れたリングとにより可動スクロールの自転阻止機構を構
    成し、 さらに、内壁と可動スクロールとの間には、前記リング
    と摺接される部分の磨耗を防止するための磨耗防止手段
    を設けたスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記磨耗防止手段はリングに設けられて
    いる請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記磨耗防止手段は、リング側面の縁端
    部を曲面に形成することにより構成されている請求項2
    に記載のスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記リングは鉄系材料よりなり、内壁を
    有するフロントハウジング及び可動スクロールはアルミ
    ニウム材又はアルミニウム合金よりなり、リングの両側
    面の縁端部を曲面に形成した請求項3に記載のスクロー
    ル型圧縮機。
  5. 【請求項5】 リング側面の少なくとも外縁端部を曲面
    に形成する請求項2〜4のいずれかに記載のスクロール
    型圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記磨耗防止手段は内壁面又は基板表面
    の少なくとも一方に設けられ、同内壁又は基板の耐磨耗
    性を向上させるように構成された請求項1に記載のスク
    ロール型圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記磨耗防止手段は、硬化処理を施すこ
    とである請求項6に記載のスクロール型圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記硬化処理は、硬化被膜を施すことで
    ある請求項7に記載のスクロール型圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記硬化処理は、鉄系材料よりなる板を
    設けることである請求項7に記載のスクロール型圧縮
    機。
  10. 【請求項10】 前記リングは鉄系材料よりなり、内壁
    を有するフロントハウジング及び可動スクロールはアル
    ミニウム材又はアルミニウム合金よりなり、内壁面及び
    基板表面に硬化処理を施した請求項1に記載のスクロー
    ル型圧縮機。
  11. 【請求項11】 前記磨耗防止手段は固定ピン又は可動
    ピンのいずれか一方に設けられている請求項1に記載の
    スクロール型圧縮機。
  12. 【請求項12】 前記磨耗防止手段は、固定ピン又は可
    動ピンのうちいずれか一方の先端部に、リングをガイド
    保持する凹部を設けることにより構成されている請求項
    11に記載のスクロール型圧縮機。
  13. 【請求項13】 前記リングは鉄系材料よりなり、内壁
    を有するフロントハウジング及び可動スクロールはアル
    ミニウム材又はアルミニウム合金よりなる請求項11又
    は12に記載のスクロール型圧縮機。
  14. 【請求項14】 前記磨耗防止手段は、内壁と可動スク
    ロールの基板との間に規制板を介在させ、同規制板に形
    成されリングの公転回転を許容する規制孔の内縁端部に
    よりリングの外周面に形成された凹部をガイドし、さら
    にリングの内壁側又は基板側への移動は同孔の内縁端部
    に凹部の内壁面が当接されて規制されるように構成され
    た請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  15. 【請求項15】 前記内壁を有するフロントハウジング
    及び可動スクロールはアルミニウム材又はアルミニウム
    合金よりなり、前記規制板及びリングは鉄系材料よりな
    る請求項14に記載のスクロール型圧縮機。
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