JP2941467B2 - 薄板ケーシングを深絞り加工によって製作する方法 - Google Patents
薄板ケーシングを深絞り加工によって製作する方法Info
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- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ケーシング内で回転す
るピストン部材を備えたポンプ、特にベーンポンプのた
めの薄板ケーシングを、深絞り加工によって製作する方
法であって、鉢縁部に接合されて半径方向面（フランジ
面）上に位置するフランジを備えた円筒形の鉢形形状
を、上記薄板ケーシングに与える形式のものに関する。
るピストン部材を備えたポンプ、特にベーンポンプのた
めの薄板ケーシングを、深絞り加工によって製作する方
法であって、鉢縁部に接合されて半径方向面（フランジ
面）上に位置するフランジを備えた円筒形の鉢形形状
を、上記薄板ケーシングに与える形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】上記形式の深絞り加工法は、例えばＧｕ
ｅｎｔｅｒ Ｓｐｕｒ，ＤｉｅｔｅｒＳｃｈｍｏｅｃｋ
ｅｌ編，“Ｈａｎｄｂｕｃｈ ｄｅｒ Ｆｅｒｔｉｇｕ
ｎ−ｇｓｔｅｃｈｎｉｋ”，２／３巻：Ｕｍｆｏｒｍｅ
ｎ ｕｎｄ Ｚｅｒｔｅｉ−ｌｅｎ，１９８５年、及び
Ｈｅｉｎｚ Ｔｓｃｈａｅｔｓｃｈ著“Ｔａｓｃｈ−ｅ
ｎｂｕｃｈ Ｕｍｆｏｒｍｔｅｃｈｎｉｋ：Ｖｅｒｆａ
ｈｒｅｎ，Ｍａｓｃ−ｈｉｎｅｎ，Ｗｅｒｋｚｅｕｇ
ｅ”，１９７７年から公知である。
ｅｎｔｅｒ Ｓｐｕｒ，ＤｉｅｔｅｒＳｃｈｍｏｅｃｋ
ｅｌ編，“Ｈａｎｄｂｕｃｈ ｄｅｒ Ｆｅｒｔｉｇｕ
ｎ−ｇｓｔｅｃｈｎｉｋ”，２／３巻：Ｕｍｆｏｒｍｅ
ｎ ｕｎｄ Ｚｅｒｔｅｉ−ｌｅｎ，１９８５年、及び
Ｈｅｉｎｚ Ｔｓｃｈａｅｔｓｃｈ著“Ｔａｓｃｈ−ｅ
ｎｂｕｃｈ Ｕｍｆｏｒｍｔｅｃｈｎｉｋ：Ｖｅｒｆａ
ｈｒｅｎ，Ｍａｓｃ−ｈｉｎｅｎ，Ｗｅｒｋｚｅｕｇ
ｅ”，１９７７年から公知である。
【０００３】深絞り加工法は、大量に使用される部材を
製作するための、特に安価な製法である。
製作するための、特に安価な製法である。
【０００４】ところで、部分的には完全な円筒形で鉢形
のケーシングと、この鉢形部分に直角に接合されたフラ
ンジとを備えたベーンポンプが、例えばドイツ連邦共和
国特許出願公告第３６ ３７ ２２９号明細書（Ｂａ
ｇ．１４９４）に開示されている。このポンプでは、そ
のケーシング全体が、端壁と、この端壁にフランジによ
って密に接合された完全に円筒形の鉢形部分とから構成
されている。従って、端壁が鉢形部分の内周面と直角に
とがった角を形成している場合にのみ、上記真空ベーン
ポンプの機能確実性は得られる。しかし、深絞り加工に
よっては丸みの付いた半径部位が形成されてしまうの
で、従来、ベーンポンプのケーシングを深絞り加工によ
って製作することは不可能であった。
のケーシングと、この鉢形部分に直角に接合されたフラ
ンジとを備えたベーンポンプが、例えばドイツ連邦共和
国特許出願公告第３６ ３７ ２２９号明細書（Ｂａ
ｇ．１４９４）に開示されている。このポンプでは、そ
のケーシング全体が、端壁と、この端壁にフランジによ
って密に接合された完全に円筒形の鉢形部分とから構成
されている。従って、端壁が鉢形部分の内周面と直角に
とがった角を形成している場合にのみ、上記真空ベーン
ポンプの機能確実性は得られる。しかし、深絞り加工に
よっては丸みの付いた半径部位が形成されてしまうの
で、従来、ベーンポンプのケーシングを深絞り加工によ
って製作することは不可能であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、円筒
形の鉢形部分と、鉢縁部に直角に接合されたフランジと
から成る、ベーンポンプのためのケーシングを、深絞り
加工によって製作する方法を提供することにある。
形の鉢形部分と、鉢縁部に直角に接合されたフランジと
から成る、ベーンポンプのためのケーシングを、深絞り
加工によって製作する方法を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明によ
れば初めに述べた形式の方法において、まず、絞り加工
によって、フランジを備えた鉢形の薄板ケーシングを製
作し、その後、逆絞り加工によって、フランジ面から軸
方向に突出して鉢縁部においては環状である隆起部を、
この薄板ケーシングに形成し、次に、上記フランジを押
えつけて上記隆起部の外周部を固定しながら、上記隆起
部をフランジ面へ向かって軸方向に押込み、次に、上記
隆起部を成す材料を鉢縁部範囲へ流し込み、最後に、丸
みの付いた半径部位を備えない、角のほぼとがった鉢縁
部を形成することによって解決されている。
れば初めに述べた形式の方法において、まず、絞り加工
によって、フランジを備えた鉢形の薄板ケーシングを製
作し、その後、逆絞り加工によって、フランジ面から軸
方向に突出して鉢縁部においては環状である隆起部を、
この薄板ケーシングに形成し、次に、上記フランジを押
えつけて上記隆起部の外周部を固定しながら、上記隆起
部をフランジ面へ向かって軸方向に押込み、次に、上記
隆起部を成す材料を鉢縁部範囲へ流し込み、最後に、丸
みの付いた半径部位を備えない、角のほぼとがった鉢縁
部を形成することによって解決されている。
【０００７】
【発明の効果】上記解決手段は、完全に円筒形のケーシ
ングのためだけでなく、どのような円筒形のケーシング
のためにも使用される。これについては、例えばドイツ
連邦共和国特許出願公開第３８ １３ １３２号（ＩＰ
−１５８０）によるケーシング形状を参照されたい。
ングのためだけでなく、どのような円筒形のケーシング
のためにも使用される。これについては、例えばドイツ
連邦共和国特許出願公開第３８ １３ １３２号（ＩＰ
−１５８０）によるケーシング形状を参照されたい。
【０００８】請求項２に記載の手段によれば、隆起部
の、残留した丸みも取り除かれる。しかし、環状の鉢縁
部の角をとがらせるために必要な切除量は、ほんのわず
かである。
の、残留した丸みも取り除かれる。しかし、環状の鉢縁
部の角をとがらせるために必要な切除量は、ほんのわず
かである。
【０００９】
【実施例】次に図示の実施例につき本発明を説明する。
【００１０】図１及び図２によるベーンポンプ１は、自
動車のモータによって駆動される真空ポンプとして作用
する。まず、図１及び図２に基づき、このベーンポンプ
１の基本構造について以下に述べることとする。
動車のモータによって駆動される真空ポンプとして作用
する。まず、図１及び図２に基づき、このベーンポンプ
１の基本構造について以下に述べることとする。
【００１１】ベーンポンプ１のケーシング内には、ロー
タ１１が回転可能に支承されており、かつ軸３を介した
適当な伝動接続部によって、自動車のモータに接続され
ている。この場合、ロータ１１と軸３とは一体成形され
ている。また、ロータ１１は軸方向全長にわたって連続
した半径方向スリットを有しており、このスリット内に
は、２つのベーン１７，１８が滑動可能に案内されてい
る。これらのベーンポンプ１１７，１８の構造は例えば
ドイツ連邦共和国特許出願公開第３５ ０７１７６号明
細書に説明されているので、それを参照されたい。さら
に、上記ベーンポンプ１は、矢印によって示された回転
方向で見て吐出弁１５と吸い込み弁１６とを有してい
る。そして、これらの弁１５，１６は、吸い込み側から
吐出側への貫流方向を備えたそれぞれ１つのチェック弁
によって保護される。
タ１１が回転可能に支承されており、かつ軸３を介した
適当な伝動接続部によって、自動車のモータに接続され
ている。この場合、ロータ１１と軸３とは一体成形され
ている。また、ロータ１１は軸方向全長にわたって連続
した半径方向スリットを有しており、このスリット内に
は、２つのベーン１７，１８が滑動可能に案内されてい
る。これらのベーンポンプ１１７，１８の構造は例えば
ドイツ連邦共和国特許出願公開第３５ ０７１７６号明
細書に説明されているので、それを参照されたい。さら
に、上記ベーンポンプ１は、矢印によって示された回転
方向で見て吐出弁１５と吸い込み弁１６とを有してい
る。そして、これらの弁１５，１６は、吸い込み側から
吐出側への貫流方向を備えたそれぞれ１つのチェック弁
によって保護される。
【００１２】上述したように、ロータ１１は軸３と共に
１つの部材から製作されている。そして、軸３は軸受ケ
ーシング７内の滑り軸受５によって支承されている。と
ころで、ポンプケーシングが、鉢形のケーシング周壁６
と端面プレート８とによって構成されている。この場
合、鉢形のケーシング周壁６はフランジ９を有してお
り、このフランジ９によって端面プレート８にフランジ
結合されている。また、明らかなように、フランジ９と
円筒形のケーシング周壁６との間の環状縁部４の角がと
がっていない場合、つまり、この環状縁部４が軸方向断
面図で見て直角ではない場合、上記２つのベーン１７，
１８は、ロータ１１の外周部に存在するベーンセルを密
閉することができない。
１つの部材から製作されている。そして、軸３は軸受ケ
ーシング７内の滑り軸受５によって支承されている。と
ころで、ポンプケーシングが、鉢形のケーシング周壁６
と端面プレート８とによって構成されている。この場
合、鉢形のケーシング周壁６はフランジ９を有してお
り、このフランジ９によって端面プレート８にフランジ
結合されている。また、明らかなように、フランジ９と
円筒形のケーシング周壁６との間の環状縁部４の角がと
がっていない場合、つまり、この環状縁部４が軸方向断
面図で見て直角ではない場合、上記２つのベーン１７，
１８は、ロータ１１の外周部に存在するベーンセルを密
閉することができない。
【００１３】図３には、従来の深絞り加工法によって製
作可能な形状のケーシングにおける、円筒形のケーシン
グ周壁６とフランジ９との間の環状縁部４の範囲が、示
されている。この図からわかるように、環状縁部４の範
囲には曲率半径の極めて大きい丸みが付けられてしま
う。また、図３にはベーン１７の角も示されている。こ
のベーン縁部と丸みの付いた半径部位との間に形成され
た三角形の窓を通って、吐出側から吸い込み側への空気
流が生じてしまう。
作可能な形状のケーシングにおける、円筒形のケーシン
グ周壁６とフランジ９との間の環状縁部４の範囲が、示
されている。この図からわかるように、環状縁部４の範
囲には曲率半径の極めて大きい丸みが付けられてしま
う。また、図３にはベーン１７の角も示されている。こ
のベーン縁部と丸みの付いた半径部位との間に形成され
た三角形の窓を通って、吐出側から吸い込み側への空気
流が生じてしまう。
【００１４】さらに、図４にもケーシング周壁６とフラ
ンジ９との範囲が示されている。しかしこの場合、フラ
ンジ９は切削加工によってフランジ面２９まで切除され
ている。ところがこの場合でも、吐出側と吸い込み側と
の間の三角形の窓が、環状縁部４の範囲に残されてしま
う。この窓は、ΔＬの大きさの、直角を挟む一辺と、Δ
Ｒの大きさの、直角を挟む他辺とを有している。
ンジ９との範囲が示されている。しかしこの場合、フラ
ンジ９は切削加工によってフランジ面２９まで切除され
ている。ところがこの場合でも、吐出側と吸い込み側と
の間の三角形の窓が、環状縁部４の範囲に残されてしま
う。この窓は、ΔＬの大きさの、直角を挟む一辺と、Δ
Ｒの大きさの、直角を挟む他辺とを有している。
【００１５】ところで、図５には、本発明による深絞り
加工法の行程が、段階Ａから段階Ｆまで連続して示され
ている。まず段階Ａは押えつけ体２１を使用しない段階
である。この段階では、プレート状の素材２０を、円錐
形の走入型２７内で深絞りポンチ２２によって円錐形部
材へ変形させる。適当な次の絞りは、段階Ｂで行う。さ
らに次の絞りは、段階Ｃにおいて深絞りポンチ２２によ
って行う。この段階では、素材２０の適当なフランジ９
を走入型２７上へ押しつける。次の段階Ｄにおいては、
上記素材２０を、開放された絞り型２３内で押えつけ体
２１によってさらに絞り、鉢形に変形されたこの素材２
０の底面を、対向保持体２６と深絞りポンチ２２の端面
との間で緊締する。
加工法の行程が、段階Ａから段階Ｆまで連続して示され
ている。まず段階Ａは押えつけ体２１を使用しない段階
である。この段階では、プレート状の素材２０を、円錐
形の走入型２７内で深絞りポンチ２２によって円錐形部
材へ変形させる。適当な次の絞りは、段階Ｂで行う。さ
らに次の絞りは、段階Ｃにおいて深絞りポンチ２２によ
って行う。この段階では、素材２０の適当なフランジ９
を走入型２７上へ押しつける。次の段階Ｄにおいては、
上記素材２０を、開放された絞り型２３内で押えつけ体
２１によってさらに絞り、鉢形に変形されたこの素材２
０の底面を、対向保持体２６と深絞りポンチ２２の端面
との間で緊締する。
【００１６】さて次に、段階Ｅ、つまり逆絞り加工の段
階では、上記絞り型２３の代わりに逆絞りポンチ２３´
を使用する。この逆絞りポンチ２３´は、その走入部の
所に軸方向に延びる環状の隆起部２８を有している。こ
の場合、隆起部２８に到るまでは半径方向面上に延び
る、上記素材２０のフランジ９を、この隆起部２８上に
載置させる。また、段階Ｅにおいては上記押えつけ体２
１を逆絞り型２１´として使用し、この逆絞り型２１´
によって逆絞り加工を行う。その際、薄板の肉厚が考慮
されて、逆絞り型２１´の内径は逆絞りポンチ２３´に
設けられた隆起部２８の外径に相当している。ところ
で、このような逆絞り加工中、フランジ９以外の箇所に
おける上記素材２０を、深絞りポンチ２２と素材底部に
接する対向保持体２６とによって固定し続ける。その結
果、フランジ９を、逆絞りポンチ２３´によって規定さ
れた、初めの段階とは異なる半径方向面上へ押圧するこ
とができる。このようにして、環状縁部４の範囲におけ
る隆起部２９´を、素材２０のフランジ９内へ押し込む
か、又は逆絞りポンチ２３´の隆起部面の後方へ押し戻
す。それによって、フランジ９内へ押し込んだ隆起部２
９´を、このフランジ９の半径方向面から軸方向に突出
させる。
階では、上記絞り型２３の代わりに逆絞りポンチ２３´
を使用する。この逆絞りポンチ２３´は、その走入部の
所に軸方向に延びる環状の隆起部２８を有している。こ
の場合、隆起部２８に到るまでは半径方向面上に延び
る、上記素材２０のフランジ９を、この隆起部２８上に
載置させる。また、段階Ｅにおいては上記押えつけ体２
１を逆絞り型２１´として使用し、この逆絞り型２１´
によって逆絞り加工を行う。その際、薄板の肉厚が考慮
されて、逆絞り型２１´の内径は逆絞りポンチ２３´に
設けられた隆起部２８の外径に相当している。ところ
で、このような逆絞り加工中、フランジ９以外の箇所に
おける上記素材２０を、深絞りポンチ２２と素材底部に
接する対向保持体２６とによって固定し続ける。その結
果、フランジ９を、逆絞りポンチ２３´によって規定さ
れた、初めの段階とは異なる半径方向面上へ押圧するこ
とができる。このようにして、環状縁部４の範囲におけ
る隆起部２９´を、素材２０のフランジ９内へ押し込む
か、又は逆絞りポンチ２３´の隆起部面の後方へ押し戻
す。それによって、フランジ９内へ押し込んだ隆起部２
９´を、このフランジ９の半径方向面から軸方向に突出
させる。
【００１７】以上の作業後に、押出し加工（段階Ｆ）を
行う。しかしこの加工中、素材２０の円筒形部分を、深
絞りポンチ２２と対向保持体２６とによって絞り型２３
又は逆絞りポンチ２３´内に固定させておく。また、押
えつけ体２１と深絞りポンチ２２又は逆絞り型２１´と
深絞りポンチ２２との間の環状室内には、押出しラム２
５を挿入する。そして、この押出しラム２５により、フ
ランジ９の隆起部２９´へ圧力をかける。これによっ
て、隆起部２９´の材料を、フランジ９と円筒形のケー
シング周壁６との間の環状縁部４内へ流し込む。
行う。しかしこの加工中、素材２０の円筒形部分を、深
絞りポンチ２２と対向保持体２６とによって絞り型２３
又は逆絞りポンチ２３´内に固定させておく。また、押
えつけ体２１と深絞りポンチ２２又は逆絞り型２１´と
深絞りポンチ２２との間の環状室内には、押出しラム２
５を挿入する。そして、この押出しラム２５により、フ
ランジ９の隆起部２９´へ圧力をかける。これによっ
て、隆起部２９´の材料を、フランジ９と円筒形のケー
シング周壁６との間の環状縁部４内へ流し込む。
【００１８】次に、上述した段階Ｅにおける隆起部の形
成作業と、段階Ｆにおける隆起部２９´の押込み作業と
について、図６〜９に基づいてもう１度述べることとす
る。
成作業と、段階Ｆにおける隆起部２９´の押込み作業と
について、図６〜９に基づいてもう１度述べることとす
る。
【００１９】まず、フランジ９を備えた鉢形の素材２０
を、逆絞りポンチ２３´内へ走入させる。そして、フラ
ンジ９を、軸方向に突出した、逆絞りポンチ２３´の環
状の隆起部２８上へ載置させる。これにより、素材２０
を、深絞りポンチ２２と対向保持体２６とによって逆絞
りポンチ２３´内に固定する。その後、逆絞り型２１´
をフランジ９上へ降下させる。この際、逆絞り型２１´
と深絞りポンチ２２との間には環状室が残されており、
この環状室の外径は、逆絞りポンチ２３´における隆起
部２８の外径とほぼ等しい。また、環状の逆絞り型２１
´の、隆起部２８に向いた環状の輪郭形状が、隆起部２
８の半径方向外側の輪郭形状にほぼ適合している。さ
て、逆絞り型２１´をフランジ９上へ降下させることに
より、フランジ９を隆起部２８の周りに押しつけて、押
しつけ前とは異なる半径方向面上へ押圧する。このよう
な押しつけは、フランジ９を逆絞りポンチ２３´の端面
上に載置させるまで続ける。また、このような作業行程
は、図７に示されている。以上の作業により、環状縁部
４範囲の素材２０に、環状の隆起部２９´（図５）を形
成できる。
を、逆絞りポンチ２３´内へ走入させる。そして、フラ
ンジ９を、軸方向に突出した、逆絞りポンチ２３´の環
状の隆起部２８上へ載置させる。これにより、素材２０
を、深絞りポンチ２２と対向保持体２６とによって逆絞
りポンチ２３´内に固定する。その後、逆絞り型２１´
をフランジ９上へ降下させる。この際、逆絞り型２１´
と深絞りポンチ２２との間には環状室が残されており、
この環状室の外径は、逆絞りポンチ２３´における隆起
部２８の外径とほぼ等しい。また、環状の逆絞り型２１
´の、隆起部２８に向いた環状の輪郭形状が、隆起部２
８の半径方向外側の輪郭形状にほぼ適合している。さ
て、逆絞り型２１´をフランジ９上へ降下させることに
より、フランジ９を隆起部２８の周りに押しつけて、押
しつけ前とは異なる半径方向面上へ押圧する。このよう
な押しつけは、フランジ９を逆絞りポンチ２３´の端面
上に載置させるまで続ける。また、このような作業行程
は、図７に示されている。以上の作業により、環状縁部
４範囲の素材２０に、環状の隆起部２９´（図５）を形
成できる。
【００２０】次の押出し加工行程では、上記素材２０
を、深絞りポンチ２２と対向保持体２６とによって逆絞
りポンチ２３´内に固定し続ける。この際、環状縁部４
範囲に形成した、素材２０の隆起部２９´は、逆絞りポ
ンチ２３´の隆起部２８によって支持する。その後、上
記フランジ９を、押えつけ体２１によって逆絞りポンチ
２３´上へ押圧する（図８）。ところで、この押えつけ
体２１は逆絞りポンチ２３´の隆起部２８の外径よりわ
ずかに大きい内径を有している。しかし、上述した逆絞
り加工に使用される逆絞り型２１´が、薄板の肉厚を考
慮しながら隆起部２８に向いた輪郭形状によってこの隆
起部２８に密着する押えつけ体として使用されてもよ
い。いずれにせよ、フランジ９を逆絞りポンチ２３´上
へ押圧した後に、押えつけ体２１と深絞りポンチ２２又
は逆絞り型２１´と深絞りポンチ２２との間の環状室内
へ押出しラム２５を差し込む。内径の大きな押えつけ体
２１が使用される場合、この押出しラム２５は、隆起部
２８の半径方向外側範囲にほぼ適合した環状縁部を、こ
の隆起部２８に向いた端面に有している。さて、押出し
ラム２５を差し込むことにより、素材２０の環状縁部４
に形成した隆起部２９´を大きく変形させる（図９）。
それによって、押出しラム２５と深絞りポンチ２２との
間の環状の角隅部内へ、環状縁部４の隆起部２９´の材
料をほぼ充填させる。その結果、この環状縁部４の範囲
に、とがった角を形成する。このような形状の角は、通
常の深絞り加工法によっては製作できないものである。
を、深絞りポンチ２２と対向保持体２６とによって逆絞
りポンチ２３´内に固定し続ける。この際、環状縁部４
範囲に形成した、素材２０の隆起部２９´は、逆絞りポ
ンチ２３´の隆起部２８によって支持する。その後、上
記フランジ９を、押えつけ体２１によって逆絞りポンチ
２３´上へ押圧する（図８）。ところで、この押えつけ
体２１は逆絞りポンチ２３´の隆起部２８の外径よりわ
ずかに大きい内径を有している。しかし、上述した逆絞
り加工に使用される逆絞り型２１´が、薄板の肉厚を考
慮しながら隆起部２８に向いた輪郭形状によってこの隆
起部２８に密着する押えつけ体として使用されてもよ
い。いずれにせよ、フランジ９を逆絞りポンチ２３´上
へ押圧した後に、押えつけ体２１と深絞りポンチ２２又
は逆絞り型２１´と深絞りポンチ２２との間の環状室内
へ押出しラム２５を差し込む。内径の大きな押えつけ体
２１が使用される場合、この押出しラム２５は、隆起部
２８の半径方向外側範囲にほぼ適合した環状縁部を、こ
の隆起部２８に向いた端面に有している。さて、押出し
ラム２５を差し込むことにより、素材２０の環状縁部４
に形成した隆起部２９´を大きく変形させる（図９）。
それによって、押出しラム２５と深絞りポンチ２２との
間の環状の角隅部内へ、環状縁部４の隆起部２９´の材
料をほぼ充填させる。その結果、この環状縁部４の範囲
に、とがった角を形成する。このような形状の角は、通
常の深絞り加工法によっては製作できないものである。
【００２１】さて、押出しラム２５の、隆起部２８の半
径方向外側範囲にほぼ適合した環状縁部の、押出し方向
の高さＢ（図８）によって、深絞りポンチ２２と押出し
ラム２５との間の環状縁部４内へ流し込まれてほぼとが
った角へと形成される材料量と、押出し行程後にもまだ
残留する隆起部２９´の高さＡとが、規定される。従っ
て、押出しラム２５の上記環状縁部の高さＢは、環状縁
部４の角をできるだけとがらせるために極めて重要であ
る。
径方向外側範囲にほぼ適合した環状縁部の、押出し方向
の高さＢ（図８）によって、深絞りポンチ２２と押出し
ラム２５との間の環状縁部４内へ流し込まれてほぼとが
った角へと形成される材料量と、押出し行程後にもまだ
残留する隆起部２９´の高さＡとが、規定される。従っ
て、押出しラム２５の上記環状縁部の高さＢは、環状縁
部４の角をできるだけとがらせるために極めて重要であ
る。
【００２２】ところで、図８及び図９に示された構成に
対して選択的な構成において、図８及び図９に相当した
方法段階が図１１及び図１２に示されている。即ち、図
１１，１２では、素材２０に形成された隆起部２９´の
外径にほぼ等しい内径を備えた押えつけ体２１が示され
ている。いずれにせよ、図８，９又は図１１，１２によ
る押出し行程の結果として重要なことは、素材２０に形
成された隆起部２９´の材料が、半径方向外側へ向かっ
て流れ出さないことである。この材料は、むしろ、ほぼ
軸方向に、及び半径方向内側へ向かって、流れるように
なっている。
対して選択的な構成において、図８及び図９に相当した
方法段階が図１１及び図１２に示されている。即ち、図
１１，１２では、素材２０に形成された隆起部２９´の
外径にほぼ等しい内径を備えた押えつけ体２１が示され
ている。いずれにせよ、図８，９又は図１１，１２によ
る押出し行程の結果として重要なことは、素材２０に形
成された隆起部２９´の材料が、半径方向外側へ向かっ
て流れ出さないことである。この材料は、むしろ、ほぼ
軸方向に、及び半径方向内側へ向かって、流れるように
なっている。
【００２３】以上のようにして、図５の段階Ｆ又は図９
又は図１２による作業行程で、環状縁部４をほぼとがっ
た角に製作できる。この場合、角の鋭さが充分であるか
どうかは、この角を有する部材の使用目的と、深絞り加
工の種々異なる方法パラメータとに依存している。しか
しまた、最終的な切削加工が必要とされてもよい。
又は図１２による作業行程で、環状縁部４をほぼとがっ
た角に製作できる。この場合、角の鋭さが充分であるか
どうかは、この角を有する部材の使用目的と、深絞り加
工の種々異なる方法パラメータとに依存している。しか
しまた、最終的な切削加工が必要とされてもよい。
【００２４】図１０には、この最終的な加工作業が示さ
れている。つまり、切削法特に研磨によって、フランジ
９を最終的なフランジ面２９まで切除するのである。し
かし、このために必要な切除量Δｌは、通常の深絞り加
工によるケーシングからの切除量ΔＬ（図４）よりも極
めて少ない。なぜなら、通常の深絞り加工により製作さ
れるケーシング（図４）の角をとがらせるために切除さ
れるべき、フランジ９の層の肉厚が、通常の深絞り時に
形成される、大きな丸みの付けられた曲率半径にほぼ等
しいからである。これに対して、本発明の深絞り加工に
より製作されるケーシングでは、切除されるべきフラン
ジ材料層の全肉厚は極めて小さな丸みしか付けられてい
ない曲率半径に等しいので、ほんのわずかである。しか
もこの場合、押出し加工後に残留している、高さＡの隆
起部がまず切除されるようになっており、この残留隆起
部は、フランジ全体の外径よりも小さな外径しか備えて
いない。それによっても、切除されるべき材料量はわず
かになる。
れている。つまり、切削法特に研磨によって、フランジ
９を最終的なフランジ面２９まで切除するのである。し
かし、このために必要な切除量Δｌは、通常の深絞り加
工によるケーシングからの切除量ΔＬ（図４）よりも極
めて少ない。なぜなら、通常の深絞り加工により製作さ
れるケーシング（図４）の角をとがらせるために切除さ
れるべき、フランジ９の層の肉厚が、通常の深絞り時に
形成される、大きな丸みの付けられた曲率半径にほぼ等
しいからである。これに対して、本発明の深絞り加工に
より製作されるケーシングでは、切除されるべきフラン
ジ材料層の全肉厚は極めて小さな丸みしか付けられてい
ない曲率半径に等しいので、ほんのわずかである。しか
もこの場合、押出し加工後に残留している、高さＡの隆
起部がまず切除されるようになっており、この残留隆起
部は、フランジ全体の外径よりも小さな外径しか備えて
いない。それによっても、切除されるべき材料量はわず
かになる。
【図１】ベーンポンプの軸方向断面図である。
【図２】ベーンポンプの半径方向断面図である。
【図３】通常の深絞り加工法により製作されるケーシン
グの、加工前の軸方向部分断面図である。
グの、加工前の軸方向部分断面図である。
【図４】通常の深絞り加工法により製作されるケーシン
グの、加工後の軸方向部分断面図である。
グの、加工後の軸方向部分断面図である。
【図５】本発明による方法の段階を連続して示す軸方向
部分断面図である。
部分断面図である。
【図６】図５による段階Ｅ及びＦを、第１実施例の構成
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
【図７】図５による段階Ｅ及びＦを、第１実施例の構成
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
【図８】図５による段階Ｅ及びＦを、第１実施例の構成
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
【図９】図５による段階Ｅ及びＦを、第１実施例の構成
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
で拡大して示す軸方向部分断面図である。
【図１０】図６によるケーシングの、最終的な加工後を
拡大して示す軸方向部分断面図である。
拡大して示す軸方向部分断面図である。
【図１１】図５による段階Ｅを、第２実施例の構成で拡
大して示す軸方向部分断面図である。
大して示す軸方向部分断面図である。
【図１２】図５による段階Ｆを、第２実施例の構成で拡
大して示す軸方向部分断面図である。
大して示す軸方向部分断面図である。
１ ベーンポンプ ３ 軸 ４ 環状縁部 ５ 滑り軸受 ６ ケーシング周壁 ７ 軸受ケーシング ８ 端面プレート ９ フランジ １１ ロータ １２ 中心孔 １５ 吐出弁 １６ 吸い込み弁 １７，１８ ベーン ２０ 素材 ２１ 押えつけ体 ２１´ 逆絞り型 ２２ 深絞りポンチ ２３ 絞り型 ２３´ 逆絞りポンチ ２５ 押出しラム ２６ 対向保持体 ２７ 走入型 ２８ 隆起部 ２９ フランジ面 ２９´ 隆起部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B21D 22/30 B21D 22/00 F04C 2/344 331
Claims (2)
- 【請求項１】 ケーシング内で回転するピストン部材を
備えたポンプのための薄板ケーシングを、深絞り加工に
よって製作する方法であって、鉢縁部に接合されて半径
方向面（フランジ面）上に位置するフランジを備えた円
筒形の鉢形形状を、上記薄板ケーシングに与える形式の
ものにおいて、まず、絞り加工によって、フランジを備
えた鉢形の薄板ケーシングを製作し、その後、逆絞り加
工によって、フランジ面から軸方向に突出して鉢縁部に
おいては環状である隆起部を、この薄板ケーシングに形
成し、次に、上記フランジを押えつけて上記隆起部の外
周部を固定しながら、上記隆起部をフランジ面へ向かっ
て軸方向に押込み、次に、上記隆起部を成す材料を鉢縁
部範囲へ流し込み、最後に、丸みの付いた半径部位を備
えない、角のほぼとがった鉢縁部を形成することを特徴
とする、薄板ケーシングを深絞り加工によって製作する
方法。 - 【請求項２】 隆起部をフランジ面へ向かって押し込ん
だ後に、この隆起部の、残留した盛り上がり部分を、ほ
ぼフランジ面まで又はフランジ面以上に切除する、請求
項１記載の方法。
Applications Claiming Priority (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| DE4010402 | 1990-03-31 | ||
| DE4013103 | 1990-04-25 | ||
| DE4013103.3 | 1990-04-25 | ||
| DE4010402.8 | 1990-04-25 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04228227A JPH04228227A (ja) | 1992-08-18 |
| JP2941467B2 true JP2941467B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=25891750
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3066395A Expired - Fee Related JP2941467B2 (ja) | 1990-03-31 | 1991-03-29 | 薄板ケーシングを深絞り加工によって製作する方法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2941467B2 (ja) |
| DE (1) | DE4109873C2 (ja) |
| FR (1) | FR2660221B1 (ja) |
| IT (1) | IT1245388B (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE4221463A1 (de) * | 1992-05-22 | 1993-11-25 | Wilo Gmbh | Kreiselpumpen mit spiralförmigem Pumpeninnenraum |
| WO2004109111A1 (de) * | 2003-05-26 | 2004-12-16 | Luk Automobiltechnik Gmbh & Co. Kg | Flügelzellenpumpe mit tiefgezogenem stahlblechtopf |
| DE102006016242B3 (de) * | 2006-03-31 | 2007-09-20 | Joma-Hydromechanic Gmbh | Rotorpumpe |
| DE102008012540A1 (de) | 2008-03-04 | 2009-09-10 | Pierburg Gmbh | Vakuumpumpe |
| JP6040119B2 (ja) * | 2013-08-12 | 2016-12-07 | アスモ株式会社 | ヨークハウジング、モータ及びヨークハウジングの製造方法 |
| CN112620497A (zh) * | 2020-12-21 | 2021-04-09 | 中船重工西安东仪科工集团有限公司 | 一种盒形零件反向局部成型装置及方法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US2328742A (en) * | 1941-02-17 | 1943-09-07 | Thompson Prod Inc | Method of making flanged tubing |
| US4656710A (en) * | 1985-08-19 | 1987-04-14 | Noman Maciejewski | Method of making a hydraulic pump housing |
| DE3637229C2 (de) * | 1985-11-13 | 1998-04-16 | Barmag Barmer Maschf | Baueinheit aus einer Hydraulikpumpe und einer Vakuumpumpe |
| DE3813132A1 (de) * | 1987-05-19 | 1988-12-15 | Barmag Barmer Maschf | Fluegelzellenpumpe |
-
1991
- 1991-03-25 FR FR9103561A patent/FR2660221B1/fr not_active Expired - Fee Related
- 1991-03-26 DE DE4109873A patent/DE4109873C2/de not_active Expired - Fee Related
- 1991-03-29 IT ITMI910870A patent/IT1245388B/it active IP Right Grant
- 1991-03-29 JP JP3066395A patent/JP2941467B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| FR2660221B1 (fr) | 1995-07-13 |
| ITMI910870A1 (it) | 1992-09-29 |
| DE4109873C2 (de) | 1997-02-13 |
| IT1245388B (it) | 1994-09-20 |
| DE4109873A1 (de) | 1991-10-02 |
| JPH04228227A (ja) | 1992-08-18 |
| ITMI910870A0 (it) | 1991-03-29 |
| FR2660221A1 (fr) | 1991-10-04 |
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