JP2001355595A - ポンプ用羽根車の製造方法及び該羽根車を用いて成るポンプ - Google Patents
ポンプ用羽根車の製造方法及び該羽根車を用いて成るポンプInfo
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- JP2001355595A JP2001355595A JP2000182339A JP2000182339A JP2001355595A JP 2001355595 A JP2001355595 A JP 2001355595A JP 2000182339 A JP2000182339 A JP 2000182339A JP 2000182339 A JP2000182339 A JP 2000182339A JP 2001355595 A JP2001355595 A JP 2001355595A
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- shroud
- burring
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ポンプのケーシングとマウスとの間の隙間を確
保できる簡易かつ低コストな羽根車製作技術の提供。 【解決手段】ブランク材を、ダイスに対しポンチを1ス
トロークでプレス動作させることによりバーリング成形
し、立上がり部の肉厚が該バーリング成形前の板厚の略
30〜70%で、かつ、先端部から根元部に至る部分で
の該立上がり部の外径が略一定となるポンプの前シュラ
ウドのマウス部を形成する。
保できる簡易かつ低コストな羽根車製作技術の提供。 【解決手段】ブランク材を、ダイスに対しポンチを1ス
トロークでプレス動作させることによりバーリング成形
し、立上がり部の肉厚が該バーリング成形前の板厚の略
30〜70%で、かつ、先端部から根元部に至る部分で
の該立上がり部の外径が略一定となるポンプの前シュラ
ウドのマウス部を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポンプ用羽根車に係
り、特に前シュラウドのマウス部の製作技術に関する。
り、特に前シュラウドのマウス部の製作技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タービンポンプなどの回転式ポン
プでは、赤水防止などの観点から、ステンレス鋼等から
成るケーシング及び羽根車が使われている。このような
ポンプでは、ケーシングの吸い込み口から給水した液体
を羽根車で昇圧し、単段ポンプの場合はケーシングの吐
き出し口から送水し、多段ポンプの場合は次段ケーシン
グに送水する構成となっている。いずれのポンプでも、
ケーシングの吸い込み口と羽根車のマウスとは隙間を隔
てて配され、該羽根車の回転によって液体を昇圧してい
る。該隙間が小さければ、昇圧した液体の漏れを少なく
できるため、ポンプ効率を向上できる。しかし、この隙
間を小さくしようとすると、各部品の寸法誤差や芯ずれ
等の原因で該吸い込み口と該マウス間の該隙間の確保が
難しくなり、回転時に接触し易くなる。ステンレス鋼板
製羽根車の場合、マウスはプレスによりバーリング加工
されるが、成形されたマウスはテーパ状になり易く、上
記隙間を確保しにくい。従来、この対策として、一般的
には、羽根車のマウスの外形をさらに修正加工するか、
羽根車のマウス外形寸法に合わせた別の部品例えば可動
リング等を付加するなど、バーリング加工後に追加的修
正を行い、マウスとケーシングの吸い込み口との間の隙
間を確保するようにしている。従来より、必要なバーリ
ング部の高さを得るための下穴径とバーリング先端の板
厚を求める計算式が提案されている。これによると、ポ
ンチ外径は必要なバーリングの内径とされ、ダイス内径
はポンチ径に板厚の2倍を加算したものとされる。つま
り、ダイスとポンチの間に板厚分の隙間を設け、該隙間
で材料のプレス加工を行う。かかるバーリング加工で
は、小さな下穴をポンチで広げるため、バーリングによ
る成形部の高さが高いほど成形部先端の板厚が薄くな
る。また、ポンチを通過させて材料を塑性変形させる加
工のため、円周方向に引張り応力が発生しこれによるス
プリングバックで、該ポンチ通過後に外径が縮む。その
ためバーリング部分は該スプリングバックと板厚減少と
でテーパ状になり易い。テーパ形状となった場合は、ケ
ーシングとの間の上記隙間を確保しにくくなる。また、
特開昭62−97719号公報には、ポンチとダイスに
よるしごき加工を付加して金属板を成形する技術とし
て、ポンチと被加工材との接触界面に焼付きを発生させ
ず、かつ製品精度を高めることを目的に、ポンチとダイ
スの間の片側クリアランスを被加工材の板厚の40〜8
5%とし、ポンチ表面と被加工材面の少なくとも一方
と、ダイス内壁とに潤滑剤を塗布した状態で加工を開始
し、ポンチかど点が上記被加工材と接触するストローク
時点と、それよりも略2mm進んだストローク時点で加
工を一時中断し、ポンチ表面と被加工材面の少なくとも
一方に潤滑剤を再塗布し、再び加工を続行するという技
術が記載されている。
プでは、赤水防止などの観点から、ステンレス鋼等から
成るケーシング及び羽根車が使われている。このような
ポンプでは、ケーシングの吸い込み口から給水した液体
を羽根車で昇圧し、単段ポンプの場合はケーシングの吐
き出し口から送水し、多段ポンプの場合は次段ケーシン
グに送水する構成となっている。いずれのポンプでも、
ケーシングの吸い込み口と羽根車のマウスとは隙間を隔
てて配され、該羽根車の回転によって液体を昇圧してい
る。該隙間が小さければ、昇圧した液体の漏れを少なく
できるため、ポンプ効率を向上できる。しかし、この隙
間を小さくしようとすると、各部品の寸法誤差や芯ずれ
等の原因で該吸い込み口と該マウス間の該隙間の確保が
難しくなり、回転時に接触し易くなる。ステンレス鋼板
製羽根車の場合、マウスはプレスによりバーリング加工
されるが、成形されたマウスはテーパ状になり易く、上
記隙間を確保しにくい。従来、この対策として、一般的
には、羽根車のマウスの外形をさらに修正加工するか、
羽根車のマウス外形寸法に合わせた別の部品例えば可動
リング等を付加するなど、バーリング加工後に追加的修
正を行い、マウスとケーシングの吸い込み口との間の隙
間を確保するようにしている。従来より、必要なバーリ
ング部の高さを得るための下穴径とバーリング先端の板
厚を求める計算式が提案されている。これによると、ポ
ンチ外径は必要なバーリングの内径とされ、ダイス内径
はポンチ径に板厚の2倍を加算したものとされる。つま
り、ダイスとポンチの間に板厚分の隙間を設け、該隙間
で材料のプレス加工を行う。かかるバーリング加工で
は、小さな下穴をポンチで広げるため、バーリングによ
る成形部の高さが高いほど成形部先端の板厚が薄くな
る。また、ポンチを通過させて材料を塑性変形させる加
工のため、円周方向に引張り応力が発生しこれによるス
プリングバックで、該ポンチ通過後に外径が縮む。その
ためバーリング部分は該スプリングバックと板厚減少と
でテーパ状になり易い。テーパ形状となった場合は、ケ
ーシングとの間の上記隙間を確保しにくくなる。また、
特開昭62−97719号公報には、ポンチとダイスに
よるしごき加工を付加して金属板を成形する技術とし
て、ポンチと被加工材との接触界面に焼付きを発生させ
ず、かつ製品精度を高めることを目的に、ポンチとダイ
スの間の片側クリアランスを被加工材の板厚の40〜8
5%とし、ポンチ表面と被加工材面の少なくとも一方
と、ダイス内壁とに潤滑剤を塗布した状態で加工を開始
し、ポンチかど点が上記被加工材と接触するストローク
時点と、それよりも略2mm進んだストローク時点で加
工を一時中断し、ポンチ表面と被加工材面の少なくとも
一方に潤滑剤を再塗布し、再び加工を続行するという技
術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題点は、ポンプ用羽根車の前シュラウドのマウス
部のバーリング加工において、(1)ポンチと被加工材
との接触界面で焼付きを起こさないようにすること、
(2)加工硬化による切れ等が発生しないようにするこ
と、(3)スプリングバックによる精度劣化がなく、マ
ウス部のほぼ全長にわたり外径をほぼ一様にできるこ
と、(4)板厚減少によるテーパ状化等の精度劣化がな
いこと、(5)必要な機械的強度は確保できること、
(6)加工工数が少ない簡易工程かつ短時間の作業で生
産できること、等を満足する技術の実現にある。本発明
の目的は、上記課題点を解決し、従来技術をさらに改善
したポンプ用羽根車製作技術を提供することにある。
する課題点は、ポンプ用羽根車の前シュラウドのマウス
部のバーリング加工において、(1)ポンチと被加工材
との接触界面で焼付きを起こさないようにすること、
(2)加工硬化による切れ等が発生しないようにするこ
と、(3)スプリングバックによる精度劣化がなく、マ
ウス部のほぼ全長にわたり外径をほぼ一様にできるこ
と、(4)板厚減少によるテーパ状化等の精度劣化がな
いこと、(5)必要な機械的強度は確保できること、
(6)加工工数が少ない簡易工程かつ短時間の作業で生
産できること、等を満足する技術の実現にある。本発明
の目的は、上記課題点を解決し、従来技術をさらに改善
したポンプ用羽根車製作技術を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、 1)前シュラウド、後シュラウド、ブレード、及びボス
部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法において、上
記前シュラウド用材料としての原板を、所定の内外径の
ブランク材に打抜き加工するステップと、該ブランク材
を、ダイスに対しポンチを1ストロークでプレス動作さ
せることによりバーリング成形し、先端部から根元部に
至る部分での該立上がり部の外径が略一定となった上記
前シュラウドのマウス部を形成するステップと、該製作
した前シュラウドと、別途製作した上記後シュラウド、
上記ブレード、及び上記ボス部とを結合するステップ
と、を備える。 2)前シュラウド、後シュラウド、ブレード、及びボス
部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法において、上
記前シュラウド用材料としての原板を、所定の内外径の
ブランク材に打抜き加工するステップと、該ブランク材
を、ダイスに対しポンチを1ストロークでプレス動作さ
せることによりバーリング成形し、立上がり部の肉厚が
該バーリング成形前の板厚の略30〜70%で、かつ、
先端部から根元部に至る部分での該立上がり部の外径が
略一定となった上記前シュラウドのマウス部を形成する
ステップと、該製作した前シュラウドと、別途製作した
上記後シュラウド、上記ブレード、及び上記ボス部とを
結合するステップと、を備える。
に、本発明では、 1)前シュラウド、後シュラウド、ブレード、及びボス
部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法において、上
記前シュラウド用材料としての原板を、所定の内外径の
ブランク材に打抜き加工するステップと、該ブランク材
を、ダイスに対しポンチを1ストロークでプレス動作さ
せることによりバーリング成形し、先端部から根元部に
至る部分での該立上がり部の外径が略一定となった上記
前シュラウドのマウス部を形成するステップと、該製作
した前シュラウドと、別途製作した上記後シュラウド、
上記ブレード、及び上記ボス部とを結合するステップ
と、を備える。 2)前シュラウド、後シュラウド、ブレード、及びボス
部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法において、上
記前シュラウド用材料としての原板を、所定の内外径の
ブランク材に打抜き加工するステップと、該ブランク材
を、ダイスに対しポンチを1ストロークでプレス動作さ
せることによりバーリング成形し、立上がり部の肉厚が
該バーリング成形前の板厚の略30〜70%で、かつ、
先端部から根元部に至る部分での該立上がり部の外径が
略一定となった上記前シュラウドのマウス部を形成する
ステップと、該製作した前シュラウドと、別途製作した
上記後シュラウド、上記ブレード、及び上記ボス部とを
結合するステップと、を備える。
【0005】3)前シュラウド、後シュラウド、ブレー
ド、及びボス部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法
において、上記前シュラウド用材料としての原板を、所
定の外径または内外径のブランク材に打抜き加工するス
テップと、該ブランク材の中央部領域または内径近傍領
域を板面から立体的に張り出させる張り出し成形のステ
ップと、該張り出し成形した部分に貫通孔を設ける内径
抜き加工のステップと、上記内径抜き加工したブランク
材を、ダイスに対しポンチを1ストロークでプレス動作
させることによりバーリング成形し、立上がり部の肉厚
が該バーリング成形前の板厚の略30〜70%で、か
つ、先端部から根元部に至る部分での該立上がり部の外
径が略一定となった上記前シュラウドのマウス部を形成
するステップと、該製作した前シュラウドと、別途製作
した上記後シュラウド、上記ブレード、及び上記ボス部
とを結合するステップと、を備える。 4)上記1)、2)または3)の方法で製造した羽根車
を用いたポンプ構成とする。
ド、及びボス部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法
において、上記前シュラウド用材料としての原板を、所
定の外径または内外径のブランク材に打抜き加工するス
テップと、該ブランク材の中央部領域または内径近傍領
域を板面から立体的に張り出させる張り出し成形のステ
ップと、該張り出し成形した部分に貫通孔を設ける内径
抜き加工のステップと、上記内径抜き加工したブランク
材を、ダイスに対しポンチを1ストロークでプレス動作
させることによりバーリング成形し、立上がり部の肉厚
が該バーリング成形前の板厚の略30〜70%で、か
つ、先端部から根元部に至る部分での該立上がり部の外
径が略一定となった上記前シュラウドのマウス部を形成
するステップと、該製作した前シュラウドと、別途製作
した上記後シュラウド、上記ブレード、及び上記ボス部
とを結合するステップと、を備える。 4)上記1)、2)または3)の方法で製造した羽根車
を用いたポンプ構成とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき図面
を用いて説明する。図1は、ステンレス鋼板の羽根車を
備えた多段式遠心タービンポンプの構成例である。図
中、1は駆動モータ、2はケーシング、3はメカニカル
シール、4は羽根車、5は内ケーシング、6はケーシン
グ2に設けられた吸い込み口フランジ、7は吐き出し口
フランジ、10はOリングである。駆動モータ1により
羽根車4を回転駆動し、吸い込み口フランジ6から液体
を取り込み、羽根車4で昇圧した液体を吐き出し口フラ
ンジ7から送り出すようになっている。ケーシング2に
は、ポンプ据付用部材であるスタンド8とサポート9を
設けてあり、これにより、必要な場所にポンプを据付る
ことができるようになっている。
を用いて説明する。図1は、ステンレス鋼板の羽根車を
備えた多段式遠心タービンポンプの構成例である。図
中、1は駆動モータ、2はケーシング、3はメカニカル
シール、4は羽根車、5は内ケーシング、6はケーシン
グ2に設けられた吸い込み口フランジ、7は吐き出し口
フランジ、10はOリングである。駆動モータ1により
羽根車4を回転駆動し、吸い込み口フランジ6から液体
を取り込み、羽根車4で昇圧した液体を吐き出し口フラ
ンジ7から送り出すようになっている。ケーシング2に
は、ポンプ据付用部材であるスタンド8とサポート9を
設けてあり、これにより、必要な場所にポンプを据付る
ことができるようになっている。
【0007】図2は上記羽根車2の拡大図で、4aは前
シュラウド、4bは後シュラウド、4cはブレードであ
る。前シュラウド4a、後シュラウド4b及びブレード
4cはプレス加工により製作される。後シュラウド4b
の中心部にはボス4dが溶接や熱かしめ等によって固定
されている。図3は上記前シュラウド4aの構成を示
す。中央部のマウスAは液体を取り込む部分であり、該
部分はバーリング加工(バーリング成形)で製作され
る。また、同図には、バーリング成形する前のブランク
材の形状と、加工に用いるポンチ及びダイスを破線で示
してある。dはバーリング成形前の下穴の径、Dpはポ
ンチの外径、D0はダイスの内径(=バーリング成形外
径)である。図4は前シュラウド4aのマウスA近傍の
拡大図である。図には、一般に推奨されている式であっ
て、バーリング成形後の板厚T1と成形高さHfの関係
を示す式も併記した。このバーリング先端の板厚減少に
よるテーパの程度は、バーリング用のダイスとポンチの
隙間をT1以下にして減肉しごき成形すれば軽減可能で
ある。この時、バーリングの板厚方向には圧縮応力が発
生しており、この圧縮応力が円周方向の引張り応力を開
放するように作用し、スプリングバック量を軽減させる
と考えられる。
シュラウド、4bは後シュラウド、4cはブレードであ
る。前シュラウド4a、後シュラウド4b及びブレード
4cはプレス加工により製作される。後シュラウド4b
の中心部にはボス4dが溶接や熱かしめ等によって固定
されている。図3は上記前シュラウド4aの構成を示
す。中央部のマウスAは液体を取り込む部分であり、該
部分はバーリング加工(バーリング成形)で製作され
る。また、同図には、バーリング成形する前のブランク
材の形状と、加工に用いるポンチ及びダイスを破線で示
してある。dはバーリング成形前の下穴の径、Dpはポ
ンチの外径、D0はダイスの内径(=バーリング成形外
径)である。図4は前シュラウド4aのマウスA近傍の
拡大図である。図には、一般に推奨されている式であっ
て、バーリング成形後の板厚T1と成形高さHfの関係
を示す式も併記した。このバーリング先端の板厚減少に
よるテーパの程度は、バーリング用のダイスとポンチの
隙間をT1以下にして減肉しごき成形すれば軽減可能で
ある。この時、バーリングの板厚方向には圧縮応力が発
生しており、この圧縮応力が円周方向の引張り応力を開
放するように作用し、スプリングバック量を軽減させる
と考えられる。
【0008】図5は、鋼板の内外径を打抜き加工したブ
ランク材を、機械プレスでダイスに対しポンチを1スト
ロークでプレス動作させてバーリング成形する実験を行
ったときの、バーリング成形品の成形根元部と先端部の
それぞれの内外径比と、板厚減肉率との関係の特性結果
例である。実験条件は、図4に示す寸法の、D1が略5
0mm、Hfが略15mm、T0が略1.5mm、θが
略4°の場合である。板厚減肉率26%(加工後の板厚
が加工前の板厚の74%と同意)の場合の加工は一般の
バーリング成形であり、減肉しごき成形は実施していな
い。この場合は、バーリング先端の減肉(板厚減少)と
スプリングバックとにより、D1/D0及びd1/d0
の値が小さく、成形後のバーリング部(立上がり部)は
テーパ状となる。板厚減肉率(板厚減少率)を28%以
上(加工前の板厚の72%以下と同意)にすると、バー
リング成形面は全面しごき加工されて、ほぼ均一な板厚
となりテーパの度合いは軽減される。板厚減肉率を増し
30%以上にすると、さらにテーパの度合いは軽減され
てバーリング部(立上がり部)の径は略一様になり、図
5中の斜線で示した実用的範囲に入る。一方、該板厚減
肉率の上限値は、主として材料の加工硬化による切れの
発生の点から決められ、略70%(加工前の板厚に対し
略30%と同意)である。
ランク材を、機械プレスでダイスに対しポンチを1スト
ロークでプレス動作させてバーリング成形する実験を行
ったときの、バーリング成形品の成形根元部と先端部の
それぞれの内外径比と、板厚減肉率との関係の特性結果
例である。実験条件は、図4に示す寸法の、D1が略5
0mm、Hfが略15mm、T0が略1.5mm、θが
略4°の場合である。板厚減肉率26%(加工後の板厚
が加工前の板厚の74%と同意)の場合の加工は一般の
バーリング成形であり、減肉しごき成形は実施していな
い。この場合は、バーリング先端の減肉(板厚減少)と
スプリングバックとにより、D1/D0及びd1/d0
の値が小さく、成形後のバーリング部(立上がり部)は
テーパ状となる。板厚減肉率(板厚減少率)を28%以
上(加工前の板厚の72%以下と同意)にすると、バー
リング成形面は全面しごき加工されて、ほぼ均一な板厚
となりテーパの度合いは軽減される。板厚減肉率を増し
30%以上にすると、さらにテーパの度合いは軽減され
てバーリング部(立上がり部)の径は略一様になり、図
5中の斜線で示した実用的範囲に入る。一方、該板厚減
肉率の上限値は、主として材料の加工硬化による切れの
発生の点から決められ、略70%(加工前の板厚に対し
略30%と同意)である。
【0009】このように、立上がり部の肉厚が該バーリ
ング成形前の板厚に対して略30〜70%になるように
減肉しごきのバーリング成形を行うことにより、マウス
部のほぼ全長にわたり、外径及び内径のそれぞれをほぼ
一様にできる。これによって、成形後に該マウス部の修
正加工を行わなくとも必要な精度を確保することがで
き、ケーシングとの間の隙間を確保できるようになる。
厳密には、成形するバーリング部の形状によっても板厚
減肉率の適切範囲は若干異なるが、上記のように略30
〜70%の板厚減肉率範囲(加工前の板厚に対し略70
〜30%の板厚範囲)であれば実用上は問題ない。ま
た、バーリングの先端ほど成形後の板厚が薄くなること
に対しては、ダイスとポンチ間の隙間をバーリング先端
の板厚以下にすることにより、バーリング成形後の板厚
を均等化できる。なお、バーリング成形は、内外径を打
抜き加工した平板状のブランク材に対して直接にしごき
加工を施してもよいし、または、所定の外径または内外
径に打抜き加工した材料を、さらに、その中央部領域ま
たは内径近傍領域を板面から立体的に張り出させ、該張
り出させた部分に内径抜き加工してブランク材とし、こ
れに対してしごき加工を施してもよい。
ング成形前の板厚に対して略30〜70%になるように
減肉しごきのバーリング成形を行うことにより、マウス
部のほぼ全長にわたり、外径及び内径のそれぞれをほぼ
一様にできる。これによって、成形後に該マウス部の修
正加工を行わなくとも必要な精度を確保することがで
き、ケーシングとの間の隙間を確保できるようになる。
厳密には、成形するバーリング部の形状によっても板厚
減肉率の適切範囲は若干異なるが、上記のように略30
〜70%の板厚減肉率範囲(加工前の板厚に対し略70
〜30%の板厚範囲)であれば実用上は問題ない。ま
た、バーリングの先端ほど成形後の板厚が薄くなること
に対しては、ダイスとポンチ間の隙間をバーリング先端
の板厚以下にすることにより、バーリング成形後の板厚
を均等化できる。なお、バーリング成形は、内外径を打
抜き加工した平板状のブランク材に対して直接にしごき
加工を施してもよいし、または、所定の外径または内外
径に打抜き加工した材料を、さらに、その中央部領域ま
たは内径近傍領域を板面から立体的に張り出させ、該張
り出させた部分に内径抜き加工してブランク材とし、こ
れに対してしごき加工を施してもよい。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な工程でマウス部
全長にわたる外径をほぼ一様にでき、マウスとケーシン
グの吸い込み口との間の隙間を確保したポンプ用羽根車
を提供できる。
全長にわたる外径をほぼ一様にでき、マウスとケーシン
グの吸い込み口との間の隙間を確保したポンプ用羽根車
を提供できる。
【図1】ポンプの構成例を示す図である。
【図2】ポンプ用羽根車の構成例を示す図である。
【図3】ポンプ用羽根車の前シュラウドの構成例を示す
図である。
図である。
【図4】前シュラウドのマウス部の拡大図である。
【図5】板厚減肉率と、バーリング部先端径と根元径と
の比との関係を示す特性の実測結果例である。
の比との関係を示す特性の実測結果例である。
1…駆動モータ、 2…ケーシング、 3…メカニカルシール、 4…羽根車、 4a…前シュラウド、 4b…後シュラウド、 4c…ブレード、 4d…ボス、 5…内ケーシング、 6…吸い込み口フランジ、 7…吐き出し口フランジ、 8…スタンド、 9…サポート、 10…Oリング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 雄司 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器グループ内 (72)発明者 島 昭夫 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器グループ内 (72)発明者 宇辰 勝之 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器グループ内 (72)発明者 北畠 静吉 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器グループ内 Fターム(参考) 3H033 AA01 BB01 BB06 CC01
Claims (4)
- 【請求項1】前シュラウド、後シュラウド、ブレード、
及びボス部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法にお
いて、 上記前シュラウド用材料としての原板を、所定の内外径
のブランク材に打抜き加工するステップと、 該ブランク材を、ダイスに対しポンチを1ストロークで
プレス動作させることによりバーリング成形し、先端部
から根元部に至る部分での該立上がり部の外径が略一定
となった上記前シュラウドのマウス部を形成するステッ
プと、 該製作した前シュラウドと、別途製作した上記後シュラ
ウド、上記ブレード、及び上記ボス部とを結合するステ
ップと、 を備えたことを特徴とするポンプ用羽根車の製造方法。 - 【請求項2】前シュラウド、後シュラウド、ブレード、
及びボス部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法にお
いて、 上記前シュラウド用材料としての原板を、所定の内外径
のブランク材に打抜き加工するステップと、 該ブランク材を、ダイスに対しポンチを1ストロークで
プレス動作させることによりバーリング成形し、立上が
り部の肉厚が該バーリング成形前の板厚の略30〜70
%で、かつ、先端部から根元部に至る部分での該立上が
り部の外径が略一定となった上記前シュラウドのマウス
部を形成するステップと、 該製作した前シュラウドと、別途製作した上記後シュラ
ウド、上記ブレード、及び上記ボス部とを結合するステ
ップと、 を備えたことを特徴とするポンプ用羽根車の製造方法。 - 【請求項3】前シュラウド、後シュラウド、ブレード、
及びボス部を有して成るポンプ用羽根車の製造方法にお
いて、 上記前シュラウド用材料としての原板を、所定の外径ま
たは内外径のブランク材に打抜き加工するステップと、 該ブランク材の中央部領域または内径近傍領域を板面か
ら立体的に張り出させる張り出し成形のステップと、 該張り出し成形した部分に貫通孔を設ける内径抜き加工
のステップと、 上記内径抜き加工したブランク材を、ダイスに対しポン
チを1ストロークでプレス動作させることによりバーリ
ング成形し、立上がり部の肉厚が該バーリング成形前の
板厚の略30〜70%で、かつ、先端部から根元部に至
る部分での該立上がり部の外径が略一定となった上記前
シュラウドのマウス部を形成するステップと、 該製作した前シュラウドと、別途製作した上記後シュラ
ウド、上記ブレード、及び上記ボス部とを結合するステ
ップと、 を備えたことを特徴とするポンプ用羽根車の製造方法。 - 【請求項4】請求項1、2または3に記載の方法で製造
した羽根車を用いて成ることを特徴とするポンプ。
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JP2000182339A JP2001355595A (ja) | 2000-06-13 | 2000-06-13 | ポンプ用羽根車の製造方法及び該羽根車を用いて成るポンプ |
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