JP2940427B2 - 切り替え及び切り戻し時の信号リンク設定方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、信号リンクの切り替
え及び切り戻し（切り替え／切り戻し）時に、信号リン
クグループ中の使用可の信号リンクの番号を信号リンク
選択番号へ割り振る切り替え／切り戻し時の信号リンク
設定方法および装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＮＯ７信号方式では、図４に示すよう
に、例えば４本の信号リンクＳ１〜Ｓ４を一つの信号リ
ンクグループＳＧとし、信号局Ａ，Ｂ間で信号の送受を
行う。このＮＯ７信号方式においては、例えば信号リン
クＳ１が使用可から使用不可になった場合、切り替えを
行い、信号リンクＳ１に流すべき信号を使用可の他の信
号リンクＳ２〜Ｓ４に振り分けなければならない。ま
た、例えば信号リンクＳ１が使用不可から使用可になっ
た場合、切り戻しを行い、それまで使用可の他の信号リ
ンクＳ２〜Ｓ４に振り分けていた信号を、信号リンクＳ
１へ戻さなければならない。また、この切り替え／切り
戻しに際しては、信号紛失や順序逆転がないように、一
時的に信号を退避させなければならない。

【０００３】ここで、切り替え／切り戻し時の使用可の
信号リンクへ信号を均等に割り振る方法として、信号リ
ンク選択番号（ＳＬＳ）に信号リンク番号（ＳＬＮ）を
昇順に均等に割り振る方法が考えられている。例えば、
信号リンク選択番号が「０」から「１５」までの１６個
あり、使用可の信号リンクがＳ１とＳ３であるものとす
る。この場合、信号リンクグループＳＧの信号リンク選
択番号と信号リンク番号との対応関係を示す信号リンク
設定テーブルは、図５（ａ）に示すように、信号リンク
Ｓ１の番号と信号リンクＳ３の番号を昇順に均等に
割り振ったものとなる。

【０００４】ここで、切り戻しが行われ、例えば信号リ
ンクＳ４が使用可になったとする。すると、信号リンク
設定テーブルは、図５（ｂ）に示すように、信号リンク
Ｓ１の番号と信号リンクＳ３の番号と信号リンクＳ
４の番号を昇順に均等に割り振ったものとなる。

【０００５】図６（ａ）に図５（ａ）に示した信号リン
ク設定テーブルにおける信号リンク番号と信号リンク選
択番号との対応関係を、図６（ｂ）に図５（ｂ）に示し
た信号リンク設定テーブルにおける信号リンク番号と信
号リンク選択番号との対応関係を示す。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな切り替え／切り戻し時の信号リンク設定方法による
と、図５および図６を見て分かるように、切り替え／切
り戻しが起こる毎に、信号リンク番号と信号リンク選択
番号との対応関係が大幅に変更されることになり、退避
バッファを信号リンク選択番号毎に持たなければ信号紛
失や順序逆転が起こってしまい、信号紛失や順序逆転を
防ぐための一連の処理とバッファが増加してしまうとい
う問題があった。

【０００７】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、信号紛失や
順序逆転を防ぐための一連の処理や退避バッファの所持
を信号リンク毎だけに行うことができるようにして、処
理の軽減、バッファの節約、さらには信号リンクの最適
な負荷分散の可能な切り替え／切り戻し時の信号リンク
設定方法および装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、信号リンクグループ中の各信号リ
ンクについて使用可である場合にその信号リンクの番号
を割り振るべき信号リンク選択番号を予め定めておき、
信号リンクの切り替え／切り戻し時に、信号リンクグル
ープ中の現在使用可の信号リンクの番号を予め定められ
ている割り振るべき信号リンク選択番号へ割り振る一
方、信号リンクグループ中の現在使用不可の信号リンク
の番号が使用可の場合に割り振られるべき信号リンク選
択番号には、現在使用可の信号リンクの番号を昇順に割
り振るようにしたものである。

【０００９】

【作用】したがってこの発明によれば、信号リンクの切
り替え／切り戻し時に、現在使用可の信号リンクの番号
が予め定められている割り振るべき信号リンク選択番号
へ割り振られる一方、現在使用不可の信号リンクの番号
が使用可の場合に振られるべき信号リンク選択番号に
は、現在使用可の信号リンクの番号が昇順に割り振られ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。図２はこの発明を適用してなるＮＯ７信号網の構成
を各信号局のメッセージ転送部の機能構成と合わせて示
した図である。本実施例において、信号局Ａ，Ｂはメッ
セージ転送部ＭＴＰを備えている。メッセージ転送部Ｍ
ＴＰは、信号メッセージ処理部ＳＭと信号網管理部ＳＫ
との２つの機能部から構成されている。切り替え／切り
戻し時の信号リンクの設定処理は信号網管理部ＳＫが行
う。

【００１１】また、信号網管理部ＳＫは、信号リンクグ
ループＳＧ中の各信号リンクＳ１〜Ｓ４について、使用
可である場合にその信号リンクの番号〜を割り振る
べき信号リンク選択番号「０」〜「１５」を記憶してい
る。本実施例では、信号リンクＳ１については信号リン
ク選択番号「０」，「４」，「８」，「１２」を、信号
リンクＳ２については信号リンク選択番号「１」，
「５」，「９」，「１３」を、信号リンクＳ３について
は信号リンク選択番号「２」，「６」，「１０」，「１
４」を、信号リンクＳ４については信号リンク選択番号
「３」，「７」，「１１」，「１５」を、使用可である
場合にその信号リンクの番号を割り振るべき信号リンク
選択番号として記憶している。

【００１２】今、信号リンクグループＳＧの内、信号リ
ンクＳ１のみが使用可で、信号リンクＳ２〜Ｓ４が使用
不可の状態にあるとする。この場合、信号網管理部ＳＫ
は、信号リンクグループＳＧの信号リンク選択番号と信
号リンク番号との対応関係を示す信号リンク設定テーブ
ルを、図１（ａ）に示すようなものとして作成してい
る。すなわち、信号リンク選択番号「０」〜「１５」の
全てに、信号リンク番号を割り振っている。

【００１３】このような状況から、信号リンクＳ３に対
して切り戻しが発生し、信号リンクＳ３が使用可の状態
に遷移したとする。この場合、信号網管理部ＳＫは、信
号リンク設定テーブルを作成し直し、図１（ｄ）に示す
ような信号リンク設定テーブルとする。

【００１４】すなわち、信号リンクＳ３が使用可の状態
に遷移すると、信号網管理部ＳＫは、先ず、信号リンク
選択番号「２」に信号リンク番号を割り振る。そし
て、実装リンク数（本実施例では、４本）間隔で、信号
リンク番号を順々に割り振って行く。すなわち、図１
（ｂ）に示すように、使用可の状態に推移した信号リン
クＳ３の番号を、予め定められている割り振るべき信
号リンク選択番号「２」，「６」，「１０」，「１４」
へ割り振る。

【００１５】そして、信号リンクグループＳＧ中の現在
使用不可の信号リンクＳ２およびＳ４の番号および
が使用可の場合に割り振られるべき信号リンク選択番号
「１」，「５」，「９」，「１３」および「３」，
「７」，「１１」，「１５」のフラグをＯＮ（初期値は
ＯＦＦ）にする（図１（ｃ）参照）。このフラグのＯＮ
により、その信号リンク番号が割り振られるべき信号リ
ンクが現在使用不可状態であって、その信号リンク選択
番号が空き状態となっていることを見極めることができ
る。そこで、信号網管理部ＳＫは、フラグがＯＮとなっ
ている信号リンク選択番号に、現在使用可の信号リンク
Ｓ１，Ｓ３の番号，を昇順に割り振って行く（図１
（ｄ）参照）。

【００１６】次に、このような状況から、信号リンクＳ
４に対して切り戻しが発生し、信号リンクＳ４が使用可
の状態に遷移したとする。この場合、信号網管理部ＳＫ
は、信号リンク設定テーブルを作成し直し、図１（ｇ）
に示すような信号リンク設定テーブルとする。

【００１７】すなわち、信号リンクＳ４が使用可の状態
に遷移すると、信号網管理部ＳＫは、先ず、信号リンク
選択番号「３」に信号リンク番号を割り振る。そし
て、実装リンク数（本実施例では、４本）間隔で、信号
リンク番号を順々に割り振って行く。すなわち、図１
（ｅ）に示すように、使用可の状態に推移した信号リン
クＳ４の番号を、予め定められている割り振るべき信
号リンク選択番号「３」，「７」，「１１」，「１５」
へ割り振る。

【００１８】そして、信号リンクグループＳＧ中の現在
使用不可の信号リンクＳ２の番号が使用可の場合に割
り振られるべき信号リンク選択番号「１」，「５」，
「９」，「１３」のフラグをＯＮにし（図１（ｆ）参
照）、このＯＮとなっている信号リンク選択番号に現在
使用可の信号リンクＳ１，Ｓ３，Ｓ４の番号，，
を昇順に割り振って行く（図１（ｇ）参照）。

【００１９】図３（ａ）に図１（ｄ）に示した信号リン
ク設定テーブルにおける信号リンク番号と信号リンク選
択番号との対応関係を、図３（ｂ）に図１（ｇ）に示し
た信号リンク設定テーブルにおける信号リンク番号と信
号リンク選択番号との対応関係を示す。

【００２０】図１および図３を見て分かるように、本実
施例では、信号紛失や順序逆転を防ぐための一連の処理
や退避バッファの所持を信号リンク毎だけに行うことが
できるようにして、処理の軽減、バッファの節約、さら
には信号リンクの最適な負荷分散が可能となる。すなわ
ち、切り戻しが行われた信号リンク番号のみ、この場
合、退避バッファを使用し、信号リンク選択番号
「３」，「７」，「９」，「１１」，「１５」に流れて
来た信号のみを退避すればよい事になる。

【００２１】なお、上述では、切り戻し時の動作につい
て説明したが、切り替え時にも同様にして、使用不可に
なった信号リンクの番号が使用可の場合に割り振られる
べき信号リンク選択番号に、現在使用可の信号リンクの
番号が昇順に割り振られて行く。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、信号リンクの切り替え／切り戻し時に、
現在使用可の信号リンクの番号が予め定められている割
り振るべき信号リンク選択番号へ割り振られる一方、現
在使用不可の信号リンクの番号が使用可の場合に割り振
られるべき信号リンク選択番号には、現在使用可の信号
リンクの番号が昇順に割り振られるものとなり、信号紛
失や順序逆転を防ぐための一連の処理や退避バッファの
所持を信号リンク毎だけに行うことができるようにし
て、処理の軽減、バッファの節約、さらには信号リンク
の最適な負荷分散が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図２に示したＮＯ７信号網における切り戻し
による信号リンク設定テーブルの変遷を例示する図であ
る。

【図２】 本発明を適用してなるＮＯ７信号網の構成を
各信号局のメッセージ転送部の機能構成と合わせて示し
た図である。

【図３】 図１（ｄ）および図１（ｇ）に示した信号リ
ンク設定テーブルにおける信号リンク番号と信号リンク
選択番号との対応を示す図である。

【図４】 ＮＯ７信号網の構成を示す図である。

【図５】 従来のＮＯ７信号網における切り戻しによる
信号リンク設定テーブルの変遷を例示する図である。

【図６】 図５（ａ）および図５（ｂ）に示した信号リ
ンク設定テーブルにおける信号リンク番号と信号リンク
選択番号との対応を示す図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ…信号局、ＳＧ…信号リンクグループ、Ｓ１〜Ｓ
４…信号リンク、ＭＴＰ…メッセージ転送部、ＳＭ…信
号メッセージ処理部、ＳＫ…信号網管理部。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 信号リンクの切り替え及び切り戻し時
   に、信号リンクグループ中の使用可の信号リンクの番号
   を信号リンク選択番号へ割り振る切り替え及び切り戻し
   時の信号リンク設定方法において、 前記信号リンクグループ中の各信号リンクについて使用
   可である場合にその信号リンクの番号を割り振るべき信
   号リンク選択番号を予め定めておき、信号リンクの 切り替え及び切り戻し時に、 前記信号リンクグループ中の現在使用可の信号リンクの
   番号を予め定められている前記割り振るべき信号リンク
   選択番号へ割り振る一方、 前記信号リンクグループ中の現在使用不可の信号リンク
   の番号が使用可の場合に割り振られるべき信号リンク選
   択番号には、現在使用可の信号リンクの番号を昇順に割
   り振るようにしたことを特徴とする切り替え及び切り戻
   し時の信号リンク設定方法。
2. 【請求項２】 信号リンクの切り替え及び切り戻し時
   に、信号リンクグループ中の使用可の信号リンクの番号
   を信号リンク選択番号へ割り振る切り替え及び切り戻し
   時の信号リンク設定装置において、 前記信号リンクグループ中の各信号リンクについて使用
   可である場合にその信号リンクの番号を割り振るべき信
   号リンク選択番号を記憶する記憶手段と、信号リンクの 切り替え及び切り戻し時に、前記信号リン
   クグループ中の現在使用可の信号リンクの番号を前記記
   憶手段の記憶している割り振るべき信号リンク選択番号
   へ割り振る一方、前記信号リンクグループ中の現在使用
   不可の信号リンクの番号が使用可の場合に割り振られる
   べき信号リンク選択番号には、現在使用可の信号リンク
   の番号を昇順に割り振る信号リンク設定手段とを備えた
   ことを特徴とする切り替え及び切り戻し時の信号リンク
   設定装置。