JP2939733B2 - 摩擦締結具 - Google Patents

摩擦締結具

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JP2939733B2
JP2939733B2 JP10002312A JP231298A JP2939733B2 JP 2939733 B2 JP2939733 B2 JP 2939733B2 JP 10002312 A JP10002312 A JP 10002312A JP 231298 A JP231298 A JP 231298A JP 2939733 B2 JP2939733 B2 JP 2939733B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は摩擦締結具、特
に、軸とこれに取付けられる回転体とを摩擦締結状態に
固定する摩擦締結具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種摩擦締結具として、図8に示すよ
うに、軸(J) を締め付ける為の内輪(1) と、回転体(M)
のボス(B) に挿入される外輪(2) と、これらの間に軸線
方向の両側からテーパ嵌合状態に挿入される一対のサイ
ドリング(3)(3)と、これらサイドリングを軸線方向に締
め付ける複数の締め付けボルト(4)(4)とからなる摩擦締
結具が知られており、前記軸(J) に歯車、プーリー、回
転ヘッド等の種々の回転体(M) を取付ける締結具として
数多く利用されている。なお、前記内輪(1) 及び外輪
(2) は何れも周方向の一部に切断スリット(S) (図示せ
ず)があり、直径が拡大縮小可能である。
【0003】この摩擦締結具は、図8に示すように、軸
(J) に外嵌した状態でボス(B) に収容し、次いで、前記
締め付けボルト(4)(4)を締め付けることにより、サイド
リング(3)(3)が対向接近することから、前記テーパ嵌合
部の作用により、内輪(1) の内面が軸(J) に加圧され、
逆に、外輪(2) の直径が拡大することから、前記外輪
(2) の外周面がボス(B) の内周面に加圧される。これに
より、軸(J) と回転体(M) とは、軸(J) と内輪(1) との
接触部、サイドリング(3)(3)と内輪(1) との接触部、サ
イドリング(3)(3)と外輪(2) との接触部、外輪(2) とボ
ス内周面との接触部の夫々の摩擦力を介してトルクが伝
達されることとなる。
【0004】ところが、この従来のものでは、前記締め
付けボルト(4) の締め付けの初期段階では、軸(J) と内
輪(1) 及び外輪(2) とボス(B) の内周面との間が十分に
加圧されていないから、前記締め付けボルト(4) の締め
付け回転によって、締結具自体又はサイドリング(3)(3)
が同時に回転する、所謂、共回り現象が生じ易い。特
に、この種の摩擦締結具では回転体(M) と軸(J) との同
心性を確保した状態で、しかも、芯振れのない状態で締
結するためには、各締め付けボルト(4) の締付け力を均
一にすることが重要であり、このためには、全ての締め
付けボルト(4)(4)についてその締め付け度合いを徐々に
高める必要があることから、各締め付けボルト(4) の締
め付け初期に前記共回りの現象が生じ易く、締結の際の
作業性が悪いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
『軸(J) に外嵌する内輪(1) と、回転体(M) のボス(B)
に挿入される外輪(2) とこれらの間に軸線方向の両側か
らテーパ嵌合状態に挿入される一対のサイドリング(3)
(3)と、これらサイドリングを軸線方向に締め付ける複
数の締め付けボルト(4)(4)とからなる摩擦締結具』にお
いて、前記締め付けボルト(4)(4)の締め付けの際に、摩
擦締結具が共回りしにくいようにすることをその課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の解決手段は『前記外輪(2) の横断断面
は周方向に亙って均一に構成されるが自由状態に於ける
前記外輪(2) の全体形状は非真円状態に湾曲されてお
り、前記締め付けボルト(4)(4)の非締め付け状態におい
て前記外輪(2) の内周面が前記一対のサイドリング(3)
(3)の外周面に対して周方向にて部分的に接触する構成
とした』ことである。
【0007】ここで、前記外輪(2) は、上記切断スリッ
ト(S) を設ける等の方法により直径が拡大可能なもので
ある。又、前記内輪(1) は直径が縮小できるものであ
る。この技術的手段は次のように作用する。前記外輪
(2) の断面は摩擦締結の為に要求される所定の断面に形
成されていることから、上記手段を採用する摩擦締結具
をボス(B) と軸(J) との間に介在させると、前記サイド
リング(3)(3)の外周面に対して部分的に接触する前記外
輪(2)は、ボス(B) の内周面との間に軽く押し込まれた
状態となり易い。
【0008】前記外輪(2) が非真円であることから、そ
の振れに相当する見かけの半径方向の幅が、サイドリン
グ(3)(3)とボス(B) の内周面との間に強制的に押し込ま
れる傾向となるのである。 この結果、サイドリング
(3)(3)も、ボス(B) の内周面に押付けられた外輪(2) の
内周面に押しつけられた状態にあり、サイドリング(3)
(3)の回転に対してはこの部分に摩擦力が作用した状態
になり易い。
【0009】この状態で締め付けボルト(4)(4)を締め付
けるとき、この締め付けボルト(4)の螺合回転に伴って
サイドリング(3)(3)に付与される回転力に対して前記摩
擦力による抗力が作用し易い。
【0010】
【発明の効果】本発明は上記構成であるから、次の特有
の効果を有する。ボス(B) と外輪(2) の間、及び、外輪
(2) とサイドリング(3)(3)との間には、締め付けボルト
(4)(4)の締め付け初期において、回転力に対して前記摩
擦力による抗力が作用し易く、既述の共回りが生じにく
い。
【0011】外輪(2) を所定の度合いに非真円にするだ
けであるから、前記共回り防止の為の構成がごく簡単で
ある。 [以上に付加される改良点について] *a項 上記構成において、『前記締め付けボルト(4)(4)の非締
め付け状態における前記外輪(2) の外周面の最大直径部
が対応するボス(B) の内径よりも大きく設定されてい
る』ものでは、回転体(M) を軸(J) に取付ける際に、こ
の締結具をボス(B) 内に押し込んだとき(又は、使用条
件によっては、押し込んだ後に前記締め付けボルト(4)
(4) を所定の仮締め状態に軽く閉め込んだとき)、外輪
(2) の内周面がサイドリング(3)(3)の外周面に、外輪
(2) の外周面がボス(B) の内周面に夫々軽く圧接された
状態となるように、この外輪(2) が自由状態から弾性変
形される。
【0012】従って、ボス(B) 内に締結具を収容した時
には、外輪(2) の弾性変形能によるボス(B) の内周面及
びサイドリング(3)(3)の外周面との間の摩擦力が十分に
生じたものとなる。従って、前記発明の効果が一層確実
になる。なお、ここで、前記非締め付け状態とは締め付
けボルト(4)(4)が最終締め付け状態になるまでの段階の
所定の仮締め状態を言い、この段階で且締結具をボス
(B) に収容しない状態での外輪(2) の最大径部が対応す
るボス(B) の内径よりも大きく設定されているのであ
る。 *b項 又、『外輪(2) の前記非真円状態は、扁平な円形又はだ
円』としたものであってもよい。この場合、外輪(2) の
長径部分がボス(B) の内周面と接触し、外輪(2) の短径
部分がサイドリング(3)(3)の外周面と接触することか
ら、これらの接触が確実で、前記効果が一層向上する。 *c項 さらに、前記b項において『前記外輪(2) には扁平な円
又はだ円の短径と一致する部分の一方に切断スリット
(S) が形成され、軸線方向の両側のテーパ面の最大径部
の前記短径部に於ける直径がサイドリング(3)(3)の最小
径部よりも大きく設定された』ものでは、前記切断スリ
ット(S) の部分の幅が拡大し易いから締結具をボス(B)
内に挿入する時に、短径がサイドリング(3)(3)によって
押し広げられて拡大し易く、長径部がボス(B) の内周面
によって押し込まれたときに縮小し易いから、外輪(2)
が弾性変形し易い。従って、この構成の締結具を軸(J)
に外嵌した状態でボス(B) 内の所定の位置に装着し易
く、しかも、上記共回り防止効果が一層向上したものと
なる。 *d項 前記c項において、『前記扁平な円又はだ円は、前記外
輪(2) の各部の曲率が外輪(2) を真円状態としたときの
曲率よりも大きな曲率(N1)に設定された部分を具備する
扁平な円又はだ円である』場合には、所定断面で所定長
さの帯板を所定の曲率にロール曲げすることにより前記
外輪(2) が製作できるから、この外輪(2) の製作が簡単
である。 *e項 前記d項において、『前記外輪(2) は、全周にわたって
前記大きな曲率(N1)に曲成されたものが、前記締め付け
ボルト(4) (4) の最終締め付け状態において自由状態で
の形状から弾性限度内で変形される、構成である』場
合、締め付けボルト(4) (4) の締め付けにより外輪(2)
がサイドリング(3)(3)とボス(B) の内周面との間で加圧
された場合に外輪(2) の周方向の各部が弾性変形した状
態に加圧されるが、この弾性変形度合いが一定となる。
【0013】なお、前記構成:「前記外輪(2) は、全周
にわたって前記大きな曲率(N1)に曲成されたものが、前
記締め付けボルト(4) (4) の最終締め付け状態において
自由状態での形状から弾性限度内で変形される構成」と
は、前記外輪(2) の断面と一致した断面を具備する所定
の長さの帯板を、前記所定の長さを円周とする円の曲率
よりも大きな曲率に曲成すると共に、前記帯板の両端が
密着するように弾性変形させた場合であって、最終締め
付け状態では、外輪(2) 自体は自由状態での形状から変
形された状態にあるが、この変形度合いは外輪(2) の構
成材料の弾性限度内となるように、前記自由状態の形状
が決定されている場合である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図7に基づいて説明する。図1の分解図に示す例は、
内輪(1) 及び外輪(2) は、共に、所定断面で所定長さの
帯板を所定の曲率にロール曲げして製作した例であり、
この例では、外輪(2) 単体の自由状態での正面形状は、
図2の正面図に示すように、曲率が全周に亙ってほぼ一
定に曲成されたものが弾性限度内で扁平な円形に変形さ
れた形状である。
【0015】これら、内輪(1) と外輪(2) との間には、
相互に対称形状に形成されたサイドリング(3)(3)が介在
されている。このサイドリング(3) の内外周は、内側が
小径部となったテーパ面(31)(32)に仕上げられている。
前記外輪(2) の断面は図1のように、内周側に突出する
扁平な台形状であり、その頂部には、外輪(2) の外周側
に凹む凹部があり、その両側は外周側に向かって傾斜す
る斜辺となっている。従って、この外輪(2) は、内周の
中央部に前記凹部に一致した凹溝(21)があり、その両側
は軸線方向の外側に向かって拡大するテーパ面(22)(22)
となっている。なお、このテーパ面(22)のテーパ値はテ
ーパ面(32)のそれと一致させている。そして、前記外輪
(2) に設けられる切断スリット(S) は、図1に示すよう
に、波形に設定されている。
【0016】前記外輪(2) は、前記断面形状の所定長さ
の帯板を、図3に示すように、上ロール(R1)と下ロール
(R2)(R2)とを用いたロール曲げによってリング状に曲成
されて製作される。このとき、前記凹溝(21)が前記上ロ
ール(R1)に設けたリブ(r) に嵌り込んだ状態でロール曲
げされるから、ロール曲げによる曲げ方向がバラツク心
配がなく高い曲げ方向精度でロール曲げされたものとな
っている。
【0017】特に、この外輪(2) については、前記帯板
の長さによって決定される真円(この、場合はボス(B)
に内接する円)の曲率(N0)よりも大きな曲率(N1)となる
ように、しかも、前記帯板の両端部が当たるようにロー
ル曲げされている。従って、この外輪(2) は自由状態で
は、前記当接によって内部応力がある状態に仕上がって
おり、全体としては各部は前記大きな曲率(N1)に曲成さ
れているが、主として切断スリット(S) の反対側の部分
の曲率が前記大きな曲率(N1)よりも小さな曲率に弾性変
形した状態にある。
【0018】前記内輪(1) も同様な断面構造であるが、
その断面は外周側に凸の扁平な台形状である点で相違す
るだけであり、断面の中央頂部に凹溝(11)を具備するこ
と、及びその両側が前記テーパ面(31)のテーパ値と一致
させたテーパ面(12)である等の点では、前記外輪(2) と
同様であり、この内輪(1) もロール曲げによって高い曲
げ方向精度に成型されている。なお、この内輪(1) は、
所定の精度で真円に仕上げられ、切断スリット(S) は内
輪(1) の全域において周方向の幅がある。
【0019】なお、前記外輪(2) の全体形状(正面形
状)は、上記のように、扁平な円形に形成されている
が、このテーパ面(22)の平均径の短径は、サイドリング
(3) のテーパ面(32)の平均径のそれよりも小さく且前記
テーパ面(32)の最小径部の直径よりも大きく設定され、
外輪(2) の外周面の長径はボス(B) の内径とほぼ一致す
る大きさに設定されている。
【0020】要するに、図4に示すように、外輪 (2)の
短径部の最小径(L1)と長径部の最大径(L2)との半径差
(L) =(L2 −L1 )/2が、サイドリング(3) の外周
面とボス(B) の内周面との半径差(L0)よりも大きくなる
ように設定されている。以上のように構成された摩擦締
結具は、従来と同様に、図5のように、回転体(M) のボ
ス(B) 内に収容されて、一方のサイドリング(3) を貫通
して他方のサイドリング(3) に設けたネジ孔に螺合する
複数の締め付けボルト(4)(4)が締め付けられる。
【0021】この締結具を軸(J) に外嵌した状態でボス
(B) に挿入するとき、外輪(2) は、内輪(1) 及びサイド
リング(3)(3)と所定の仮締め状態の複数の締め付けボル
ト(4)(4)によって組立てられている。このとき、前記外
輪(2) の短径部はサイドリング(3) の外周面との関係で
は上記した関係にあることから、切断スリット(S) が拡
大した状態にあり、外輪(2)の外周面の長径はボス(B)
の内周径よりも大きくなっている。この状態で外輪(2)
の外周面の前記長径部を両側から押し込むと前記切断ス
リット(S) が拡大しているからこの長径が小さくなって
締結具がボス(B) 内に収容できる。
【0022】この収容直後の状態では、前記外輪(2) の
弾性復帰力により、外輪(2) の外周面の長径部がボス
(B) の内面に押し付けられ、外輪(2) の内周面の短径部
がサイドリング(3)(3)の外周面に押し付けられた状態に
ある。これら押し付け力に伴う摩擦力により締結具全体
が所定の回動抵抗力を有すると共に、サイドリング(3)
(3)自体にも回動抵抗力が生じたものとなる。従って、
この状態で締め付けボルト(4)(4)を締め付けた場合に
も、前記回動抵抗力により共回りが防止できる。
【0023】前記仮締め状態における締め付けボルト
(4) (4) の締付け度合が緩い場合には、外輪(2) の外周
面の長径部を押し込まなくてもボス(B) 内に収容でき、
この後、手締めにより前記所定の仮締め状態にすると、
同様にして外輪(2) がサイドリング(3) とボス(B) との
間に弾性復帰力が作用して摩擦力による共回りが防止さ
れた状態に収容されたものとなる。
【0024】なお、前記外輪(2) は、断面一様な所定長
さの帯板をロール曲げによってリング状に曲成したもの
であるから、締め付けボルト(4)(4)が最終位置にまで締
め付けられた状態では前記外輪(2) の各部が、サイドリ
ング(3)(3)とボス(B) の内周面との間に楔状に圧入され
たものとなり、外輪(2) の外周面の全域がボス(B) の内
面に密着し、外輪(2) のテーパ面(22)がサイドリング
(3)(3)のテーパ面(31)(32)に全域的に密着して、摩擦締
結機能の点では従来のものと同様に機能する。
【0025】特に、この例では、前記外輪(2) のロール
曲げによる曲率は一定の曲率に設定されているから、最
終締め付け状態において、外輪(2) がボス(B) の内周面
とサイドリング(3) (3) の外周面との間に無理なく挟み
込まれる。局部的に内部応力が大きくなるような不都合
が生じない。さらに、この実施の形態のサイドリング
(3)(3)のテーパ面(31)(31)の平均直径はテーパ面(12)の
平均直径よりも僅かに大きく(0.01〜0.5mm程
度)設定されている。
【0026】従って、締め付けボルト(4)(4)の締め付け
の初期では、サイドリング(3)(3)の対向接近により内輪
(1) のテーパ面(12)とテーパ面(31)とが加圧状態とな
る。その後、締め付けボルト(4)(4)を更に締め付ける
と、サイドリング(3)(3)が更に対向接近して前記テーパ
面(12)(31)相互の嵌合作用により、前記サイドリング
(3)(3)の直径が拡大され、これに伴って外輪(2) が拡大
し、最終的には、前記外輪(2) がボス(B) の内周面に押
し付けられた状態になる。
【0027】この最終状態では、前記外輪(2) の外周面
をボス(B) の内周面に押し付けられる単位面積当たりの
押付力は内輪(1) の内周面を軸(J) の表面に押しつける
前記押付力よりも小さいが、前記外輪(2) とボス(B) の
内周面との接触面積が、内輪(1) と軸(J) との接触面積
よりも大きいことから、前記小さな押付力でも回転体
(M) への伝達トルクが十分に大きなものとなる。
【0028】一方、前記サイドリング(3)(3)のテーパ面
(31)(32)が前記内輪(1) 及び外輪(2) のテーパ面と同時
接触するものの場合には、内輪(1) と軸(J) の外周面と
の間の前記押付力と外輪(2) とボス(B) の内周面との押
付力も同じとなるものに比べて、内輪(1) による軸(J)
の表面の前記押付力が極端に大きくなるから、締結具に
よる軸(J) の締結力が大きくなる。結果として、軸(J)
から回転体(M) への伝達トルクが従来の公知のものより
も極端に大きくなる。
【0029】実験的には、同一サイズのものを比較する
と、約1.3〜2倍程度の伝達トルクが確保できた。こ
の時の締め付けボルト(4)(4)の締め付けトルクは従来の
ものとほぼ同じ程度であった。なお、上記実施の形態で
は、最終締め付け状態では、外輪(2) 自体は自由状態で
の形状から変形された状態にあるが、この変形度合いは
外輪(2) の構成材料の弾性限度内となるように、前記自
由状態の形状が決定されている。従って、締め付けボル
ト(4)(4)を緩めてボス(B) から締結具を取り外したと
き、前記外輪(2)は自由状態に復元するから再使用時に
も上記した共回り防止効果が得られる。
【0030】[その他の実施の形態]外輪(2) は、上記
実施の形態1とは別に、全体の正面形状を図6のよう
に、切断スリット(S) とその反対側が長径となるだ円ま
たは扁平な円形に形成してもよい。また、だ円又は扁平
な円以外に、ボス(B) に挿入した状態にて、外周面の一
部がボス(B) の内面に弾性的に接触し、内周面の一部が
サイドリング(3) の外周面に弾性的に接触する構成であ
れば、卵形等他の非真円形状であってもよい。
【0031】なお、上記実施の形態では、内輪(1) と外
輪(2) との間にサイドリング(3) (3) を介在させた構成
の摩擦締結具に本発明を実施したものとしたが、内輪と
外輪を直接テーパ嵌合させて両者間に複数の締め付けボ
ルトを挿通させる形式の摩擦締結具の場合にも、前記外
輪を非真円にすることも考えられるが、この形式の場合
には、前記外輪の肉厚が上記実施の形態の外輪(2) に比
べて厚いことから、前記非真円にすることの問題が生じ
る可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の分解図
【図2】外輪(2) の斜視図
【図3】ロール曲げによる外輪(2) の曲成方法の説明図
【図4】扁平な円形の外輪(2) の長径と短径の関係を示
す説明図
【図5】使用状態における締め付けボルト(4)(4)の締め
付け初期の説明図(正面図)
【図6】最終締め付け状態の正面図
【図7】外輪(2) の他の例の斜視図
【図8】従来例の最終締め付け状態の断面図
【符号の説明】
(J) :軸 (1) :内輪 (M) :回転体 (B) :ボス
(2) :外輪 (3) :サイドリング (4) :締め付けボルト (S) :切
断スリット (11)(21):凹溝 (R1):上ロール (R2):下ロール
r:リブ (12)(22)(31)(32):テーパ面 (N0)(N1):曲率 (L1):最小径部 (L2):最大径部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−159416(JP,A) 特開 昭56−143810(JP,A) 特開 平5−26247(JP,A) 特開 平6−249253(JP,A) 特開 平6−249254(JP,A) 実開 昭62−133008(JP,U) 実開 昭61−175624(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16D 1/02 - 1/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸(J) に外嵌する内輪(1) と、回転体
    (M) のボス(B) に挿入される外輪(2) とこれらの間に軸
    線方向の両側からテーパ嵌合状態に挿入される一対のサ
    イドリング(3)(3)と、これらサイドリングを軸線方向に
    締め付ける複数の締め付けボルト(4)(4)とからなる摩擦
    締結具において、前記外輪(2) の横断断面は周方向に亙
    って均一に構成されるが自由状態に於ける前記外輪(2)
    の全体形状は扁平な円形又はだ円に湾曲されており、前
    記外輪(2) には扁平な円又はだ円の短径と一致する部分
    の一方に切断スリット(S) が形成され、軸線方向の両側
    のテーパ面の最大径部の前記短径部に於ける直径がサイ
    ドリング(3)(3)の最小径部よりも大きく設定され、前記
    締め付けボルト(4)(4)の非締め付け状態において前記外
    輪(2) の内周面が前記一対のサイドリング(3)(3)の外周
    面に対して周方向にて部分的に接触する構成とした摩擦
    締結具。
  2. 【請求項2】 前記締め付けボルト(4)(4)の非締め付け
    状態における前記外輪(2) の外周面の最大直径部が対応
    するボス(B) の内径よりも大きく設定されている請求項
    1に記載の摩擦締結具。
  3. 【請求項3】 前記扁平な円又はだ円は、前記外輪(2)
    の各部の曲率が外輪(2) を真円状態としたときの曲率よ
    りも大きな曲率(N1)に設定された部分を具備する扁平な
    円又はだ円である請求項1又は2に記載の摩擦締結具。
  4. 【請求項4】 前記外輪(2) は、全周にわたって前記大
    きな曲率(N1)に曲成されたものが、前記締め付けボルト
    (4) (4) の最終締め付け状態において自由状態での形状
    から弾性限度内で変形される、構成である請求項3に記
    載の摩擦締結具。
JP10002312A 1998-01-08 1998-01-08 摩擦締結具 Expired - Fee Related JP2939733B2 (ja)

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