JP2938230B2 - 海苔の刈り取り方法、海苔網の酸処理方法ならびに海苔の刈り取りおよび海苔網の酸処理方法 - Google Patents

海苔の刈り取り方法、海苔網の酸処理方法ならびに海苔の刈り取りおよび海苔網の酸処理方法

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JP2938230B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海苔の養殖において行
われる海苔の刈り取り方法、海苔網の酸処理方法ならび
に海苔の刈り取りおよび海苔網の酸処理方法に係り、特
に、海底から立設した支柱に取り付けた海苔網に海苔を
育成し、船を用いてこの海苔網から海苔を自動的に刈り
取る方法と、船を用いてこの海苔網に自動的に酸処理を
施す方法と、船を用いてこの海苔網から自動的に海苔を
刈り取り海苔網に酸処理を施す方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、海苔養殖は海苔網に浮き子を取
り付けて海面に浮かすように展張して錨で止める浮き流
し方式や、海中に立設した支柱に海苔網を展張した支柱
方式によって行われている。この両方式の使い分けは、
養殖場の立地条件により決定されている。
【0003】従来の支柱を利用して海苔網を海中に展張
する一般的な海苔網の設置方法を図13により説明す
る。
【0004】図13において、海苔網1は帯状に形成さ
れており、四辺を形成する太い縁綱2に、縁綱2より細
い多数の綱3,3…が格子状に編まれて形成されてい
る。この海苔網1は、水深の浅い海の海底に適宜な間隔
をおいて立設された多数の支柱4,4…へ、たるみの大
きい吊り綱5により縁綱2とクリップ等の簡略な着脱手
段6により係止されており、海苔網1の長手方向に立設
された支柱4と支柱4のほぼ中間位置の海苔網1の短手
方向に、海苔網1に浮力を与え、さらに海苔網1の捻れ
を防止するために、軸方向に伸びるように形成された伸
子棒7が、その両端を縁綱2に係止されて海苔の養殖場
に展張して設置されている。
【0005】このように支柱4に展張されている海苔網
1から海苔を刈り取るには、真空吸引機を積載させた船
を用いて、海苔網から海苔を刈り取っていた。
【0006】また、海苔網への酸処理は海苔の刈り取り
とは別工程で行われるものであり、特開平3−1174
39号公報に記載されているように、船に2本の巻き取
りローラを配設した酸処理層を設け、支柱に展張された
海苔網を、巻き取りローラに巻き取り、巻き直しをして
再び展張位置に張設するようにされていた。
【0007】さらに、支柱に展張されている海苔網から
海苔を刈り取り、海苔網に酸処理を施すには、海苔を刈
り取った後に、一旦港に帰り船から刈り取った海苔をお
ろし、代りに酸処理層を積込み、再び海苔網の所に戻っ
てから、酸処理を施すようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の方法においては、海苔網1は支柱4に、たるみ
の大きい吊り綱5により縁綱2とクリップ等の簡略な着
脱手段6より係止されており、吊り綱5にたるみがあ
り、満潮や干潮および大潮や小潮等の海面の上下動に対
しては、対応できるものの、潮の流れや風等による海苔
網1の左右前後方向の移動を防止することができず、海
苔網1のすべての動きに対応させるように、吊り綱5の
長さを適切に設定することが困難であった。そして、海
苔網1の酸処理や刈り取りを行うときに海苔網1の移動
量が大きく、作業性が悪いという問題があった。さら
に、海苔網1の酸処理や刈り取りは人手による手作業で
行われており、手間がかかり、作業効率が悪いという問
題があった。
【0009】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前述した従来のものにおける問題点を克服し、
海苔網の支柱間での移動を適切な位置に保持することが
できる海苔網から、船を利用して、海苔の刈り取りを自
動的に効率よく行うことができるとともに、酸処理も自
動的にしかも極めて効率的に施すことができ、省人、省
力化を図ることのできる海苔の刈り取り方法、海苔網の
酸処理方法ならびに海苔の刈り取りおよび海苔網の酸処
理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項1に記載の本発明の海苔の刈り取り方法は、
浮動環の移動量を規制する拘束手段を、海底から立設し
た支柱に取りつけ、前記浮動環と海苔網をほぼたるみの
ない吊り綱で連結して展張されている海苔網を、船体の
上方に導き、前記海苔網を船首部から船尾部へ通過させ
る間に、船体に配置された海苔の刈り取り機構により、
前記海苔網に育成された海苔を連続的に刈り取った後に
前記展張位置へ導いて再び海苔網を展張させることを特
徴としている。
【0011】また、請求項2に記載の本発明の海苔網の
酸処理方法は、浮動環の移動量を規制する拘束手段を、
海底から立設した支柱に取りつけ、前記浮動環と海苔網
をほぼたるみのない吊り綱で連結して展張されている海
苔網を、船体の上方に導き、前記海苔網を船首部から船
尾部へ通過させる間に、船体に配置された海苔網の酸処
理機構により、前記海苔網に酸処理を連続的に施した後
に前記展張位置へ導いて再び海苔網を展張させることを
特徴としている。
【0012】さらに、請求項3に記載の本発明の海苔の
刈り取りおよび海苔網の酸処理方法は、浮動環の移動量
を規制する拘束手段を、海底から立設した支柱に取りつ
け、前記浮動環と海苔網をほぼたるみのない吊り綱で連
結して展張されている海苔網を、船体の上方に導き、船
体に配置された海苔の刈り取り機構と海苔網の酸処理機
構により、前記海苔網に育成された海苔を連続的に刈り
取った後に、前記海苔網に酸処理を連続的に施し、その
後、前記展張位置へ導いて再び海苔網を展張させること
を特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1に記載の本発明の海苔の刈り取り方法
によれば、浮動環の移動量を規制する拘束手段を、海底
から立設した支柱に取りつけ、前記浮動環と海苔網をほ
ぼたるみのない吊り綱で連結して展張されている海苔網
を、支柱から取り外すこと無く船体の上方へ導き、船を
進行させることで、海苔網を船体の船首から船尾へ進行
させている途中に、船体に配設された刈り取り機構によ
り、前記海苔網から海苔を連続的にしかも自動的に刈り
取ることができる。
【0014】また、請求項2に記載の本発明の海苔網の
酸処理方法によれば、浮動環の移動量を規制する拘束手
段を、海底から立設した支柱に取りつけ、前記浮動環と
海苔網をほぼたるみのない吊り綱で連結して展張されて
いる海苔網を、支柱から取り外すこと無く船体の上方へ
導き、船を進行させることで、海苔網を船体の船首から
船尾へ進行させている途中に、船体に配設された海苔網
の酸処理機構により、前記海苔網に酸処理を連続的にし
かも自動的に施すことができる。
【0015】さらに、請求項3に記載の本発明の海苔の
刈り取りおよび海苔網の酸処理方法によれば、浮動環の
移動量を規制する拘束手段を、海底から立設した支柱に
取りつけ、前記浮動環と海苔網をほぼたるみのない吊り
綱で連結して展張されている海苔網を、支柱から取り外
すこと無く船体の上方へ導き、船を進行させることで、
海苔網を船体の船首から船尾へ進行させている途中に、
船体に配設された海苔の刈り取り機構と海苔網の酸処理
機構により、前記海苔網から海苔を刈り取り、さらに、
海苔を刈り取った前記海苔網に酸処理を連続して自動的
に施すことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図12につ
いて説明する。
【0017】図1および図2は本発明による海苔の刈り
取り方法、海苔網の酸処理方法ならびに海苔の刈り取り
および海苔網の酸処理方法を行う海苔網1を、海中に立
設した支柱4に係止した状態の一実施例を示し、前述し
た従来と同一部分については、図面中に同一の符号を付
してある。
【0018】図1は全体を示す要部の斜視図を示し、図
2は海苔網1の短手方向の側面図を示している。
【0019】本実施例においては、図1に詳示するよう
に、海苔網1は帯状に形成されており、四辺を形成する
太い縁綱2に、縁綱2より細い多数の綱3,3…が格子
状に編まれて形成されている。この海苔網1は、四隅と
長手方向の所定位置の縁綱2へ、吊り綱8の一端を固着
し他端を海水に対して浮力を持った浮動環9に係止させ
ることにより、支柱4に展張されている。
【0020】前記浮動環9は、例えば、樹脂で製せられ
た中空のドーナツ形状に形成されたものであり、海水に
対して浮力と耐食性を合わせ持たせ、さらに、支柱4に
対して遊嵌でき摺動抵抗が低い形状と材料で製せられて
いる。
【0021】また、前記吊り綱8の長さL1は、図2に
示すように支柱4の間隔Lに対して、海苔網1の幅をL
2としたときに次式で表せる長さとされている。
【0022】L≦L1+L2+L1 すなわち、四隅の吊り綱8はほぼたるみのない長さとさ
れている。
【0023】そして、水深の浅い海の海底に適宜な間隔
をおいて立設された多数の支柱4,4…へ、前記浮動環
9を遊嵌させ、その後、浮動環9の上下動を規制する拘
束手段10として、所定長さの拘束綱11の両端を、支
柱4の適宜な位置と浮動環9にそれぞれ締結させること
により、海苔網1が設置されている。
【0024】つぎに、図3から図9は本発明による海苔
の刈り取りと海苔網の酸処理方法を行う海苔の刈り取り
酸処理船の一実施例を示している。
【0025】図3は全体を示す要部の側面図を示し、図
4は図3の平面図を示している。
【0026】本実施例の海苔の刈り取り酸処理船59
は、船体12に動力推進機構13を備えており、その船
体12の上部には、パイプ状の案内部材14が設けられ
ている。この案内部材14は、前部案内部材15、上部
案内部材16および後部案内部材17に分割されてい
る。そして前部案内部材15は平面形状がU字型に形成
されており、このU字型の弯曲した先端は船首より一定
の傾斜で海中に没し、他端は下向きの脚18により甲板
に立脚するとともに、前部案内部材15の基部は、前記
上部案内部材16にボルト19により着脱自在および回
動可能に取付けられている。また、上部案内部材16
は、船体12の左右舷側上方に、船体12の軸線方向と
平行に2本に配設されたパイプにより形成されており、
それら2本のパイプは、船体12の軸線方向と直交する
数本の桟20により相互に連結されるとともに、脚21
により船体12に固定されている。
【0027】そして、上部案内部材16は、前記前部案
内部材15により掬い上げられた海苔網1が円滑に船体
後部へ導びかれるように前部案内部材15と連続した曲
線、もしくは、直線を形成するように構成されている。
【0028】この上部案内部材16の後端部の左右両側
には、それぞれ図5に示すような長手方向に伸縮自在な
後部案内部材17が固着されている。この後部案内部材
17は、複数本(本実施例では4本)の次第に小径とさ
れるパイプ22a,22b,22c,22dを同軸状に
入子式として伸縮自在に形成されており、最外側のパイ
プ22aを上部案内部材16の後端部に固着されてい
る。内側の3本のパイプ22b,22c,22dの先端
下面側には、それぞれ下端に浮子23が固着されている
剛性の有るロッド24の上端を螺着脱自在とするナット
体25が固着されている。最内側のパイプ22dの先端
には、図6に示すように、各パイプ22b,22c,2
2dを引出す際に海苔網1の縁綱2等に引掛けるフック
26が軸27をもって枢着されており、このフック26
とパイプ22dの側面との間には、フック26に過大な
力が作用した時に、同図時計方向に回動することを許容
するクリック機構28が介装されている。この後部案内
部材17の各パイプ22b,22c,22dの最大伸長
時の全長は、後述する酸処理機構の部分において酸処理
を施された海苔網1が、少なくとも船の進行に伴って後
部案内部材17の後端部まで相対移動する間に、十分な
酸処理効果を施す時間だけ空中に浮上させることのでき
る長さとされている。
【0029】また、各パイプ22b,22c,22dを
最大伸長状態から引戻すために各パイプ22a,…22
dの中心部にワイヤ29を挿通させ、そのワイヤ29の
一端を最内側のパイプ22dに固着し、ワイヤ29の他
端を引戻し専用のモータ30に連結させている。
【0030】また、前記前部案内部材15、上部案内部
材16および後部案内部材17の幅は海苔網1の幅とほ
ぼ同一か、それよりも大きくするとよい。
【0031】前記前部案内部材15は前記のように、ボ
ルト19部分において分割および回動可能とされている
方が、船の養殖場への往復時に、前部案内部材15を海
中より引上げることができ、海水の抵抗を受けることが
なく、また碇泊時における前部案内部材15の損傷、破
壊を防止する意味で好ましいが、分割せずに全てを固定
しておいても、酸処理作業等には、本質的に問題はな
い。また、前部案内部材15の先端形状はU字型に限ら
ずV字型など海面に浮かんでいる海苔網1を船体12の
前進に伴ない、円滑に掬い上げ得る形状であればよいの
で、特に限定されるものではない。
【0032】前記上部案内部材16の船首傾斜部の下方
には、従来公知の刈り取り機構31が設けられている。
この刈り取り機構31は、例えば図7に示すように、図
示しない電動機等によって回転される軸32に、ほぼ前
部案内部材15と同一の幅を有するL字状の刃33を放
射状に取り付け、そのL字状の刃33を回転させること
により海苔網1から垂れ下がる海苔を刈り取るものであ
る。この刈り取り機構31としては、他に2枚の円盤の
外周間にピアノ線などの線材を張設したものを回転させ
ることにより、張設された線材で海苔を刈り取っても良
く、連続して刈り取る機構であれば前記に限定されるも
のではない。
【0033】そして、船体12の中央部には収穫された
海苔を収穫する収納部34が後述する酸処理液が混入す
るのを防止するように、酸処理機構35およびそれより
船尾部の甲板と隔離して設けられており、前記刈り取り
機構31で刈り取られた海苔は、収納部34に納められ
る。
【0034】前記刈り取り機構31の進行方向下流位置
には、海苔網1に酸処理を施す酸処理機構35が設けら
れている。この酸処理機構35は、上部案内部材16に
横架した酸処理パイプ36の多数の噴射孔37より、海
苔網1の下面側から酸処理液を噴射して酸処理するよう
に形成されている。この酸処理パイプ36へは、図8に
示すように、船体12上に設けた酸処理液槽38からポ
ンプ39により送給管40を通して酸処理液41が圧送
されるようになっており、この酸処理槽38内の酸処理
液41の酸濃度を所定値に保持するために酸処理液41
のpHを検出するpHセンサ42と、pHセンサ42の
検出値に応じて酸剤を酸処理液槽38内へ供給する酸剤
供給系43と、海水やアルカリ溶液等の希釈液を酸処理
液槽38内へ供給する希釈液供給系44とが設けられて
いる。
【0035】両供給系43,44は共に、酸液タンク4
5および希釈液タンク46内の酸および希釈液をポンプ
47a,47bにより送給管48a,48bを通して酸
処理液槽38内へ必要量供給するようになっている。こ
の酸処理液槽38内に投入する酸処理液41としては、
海苔の酸処理に用いられている無機酸、有機酸の中から
適宜に選出して調合したものを用いるとよい。また、ア
ルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を
用いるとよい。
【0036】また、船体12において、酸処理機構35
が設置された位置より船の進行方向前後に亘って甲板を
二重甲板として、海苔網1から滴り落ちる使用した酸処
理液41を回収できるように断面略矩形の槽49が形成
されており、必要に応じて循環用のポンプを設置し、酸
処理液槽38内への送給管を配管接続して設けることに
より、酸処理液を循環使用することができるようにされ
ている。さらに、この槽49へ使用した酸処理液を回収
するようにすることで、不必要に海へ酸処理液を垂れ流
すことがなく、公害の発生原因となることを防止するこ
ともできる。
【0037】この酸処理機構35の海苔網1の進行方向
下流位置には、海苔の細胞内への酸処理液の浸透速度を
速くする浸透促進機構50が設けられている。この浸透
促進機構50は、図9に示すように、上部案内部材16
の幅全体に亘って配設された浸透槽51の浸透液52中
に、走行する海苔網1を押えローラ機構53をもって上
方より押えるようにして浸漬させるように形成されてい
る。この押えローラ機構53は軸部材54にローラ55
を回転自在に外装したものであり、軸部材54の基端部
を浸透槽51の架台部に枢着させ、起倒自在に形成され
ている。浸透液52としては、酸処理液が海苔の細胞膜
を透して細胞内へ浸透するのを促進できるものであれば
よい。また、この浸透槽51内には超音波発振体56が
設けられている。この超音波発振体56は超音波をもっ
て酸処理液の海苔の細胞内への浸透速度をさらに増速さ
せ、かつ、海苔表面に付着している汚れを洗浄する。
【0038】また、浸透促進機構50中にオゾン発生装
置等を配設して、葉体に付着している雑菌を殺菌する殺
菌機構57が設けられている。また、他の殺菌機構とし
ては、紫外線を海苔網1に照射するように形成してもよ
い。
【0039】また、船体12の最後尾には操舵室58が
設けられており、この操舵室58の高さは、海苔網1の
案内部材14上の走行を妨げないように、案内部材14
の高さより低くなっており、操舵室58内には刈り取り
機構31、酸処理機構35、超音波発振体56、殺菌機
構57の動作を指令管理する制御部を備えており、全て
この操舵室58内で操作を行なうことが最も好ましいも
のである。
【0040】また、浮動環9の上方向の最大移動位置
は、海面の位置を考慮した上で、海苔網1の案内部材1
4上の走行位置よりも若干高く設定することが好まし
く、支柱の上端部の高さは、これよりもさらに高くして
おくことが好ましい。
【0041】つぎに、前述した構成からなる本実施例の
作用について説明する。
【0042】図10は、海苔網の展張状態を示す説明図
であり、図11は、海苔の刈り取りと海苔網の酸処理作
業を示す説明図である。
【0043】図10において、1a,1b,1c,1d
は海苔網で、海苔の養殖場に支柱4に並行に展張されて
いる。そして、海苔の刈り取り酸処理船59の酸処理液
槽38の内には、酸処理液が投入されている。
【0044】海苔の刈り取り酸処理作業は、まず、一方
の前部案内部材15のみを前方に延出させ、他方の一対
の後部案内部材17は最短になるように収縮させてお
き、つぎに、船体12を海苔網1aの一方の端部である
図10中右端方向より動力推進機構13を稼働して自力
推進力により進入させるとともに、操舵室58内に設置
された刈り取り機構31、酸処理機構35、超音波発振
体56、殺菌機構57の動作を指令管理する制御部によ
りそれぞれを稼働させる。そして、先端を海中に没入さ
せた前部案内部材15により海苔網1aを海面から連続
的に掬い上げ、船の自力推進にともない海苔網1aを上
部案内部材16に沿って船尾方向に向かって導く。この
とき、海苔網1aに吊り綱8を介してつながっている浮
動環9は、船の自力推進にともない、最大移動位置を拘
束綱11の長さとした支柱4の上方に向かって自動的に
上昇移動する。
【0045】さらに、海苔網1aの先端部が収縮状態の
後部案内部材17の後端部に達したら、パイプ22dの
後端に取り付けられているフック26を海苔網1aの縁
綱2等に引っかけ、海苔網1aの後方への相対移動に伴
って後部案内部材17の各パイプ22d,22c,22
bを順番に後方へ引き出していく。各パイプ22d,2
2c,22bが最長に繰り出されると、フック26に過
大な力が加わり、クリック機構28が外れてフック26
が軸27を中心として回動して、フック26と海苔網1
aとの係合が解かれる。以後は、海苔網1aだけが後方
へ移動して行き、後部案内部材17の後端部から再び海
面に戻される。このとき、海苔網1aに吊り綱8を介し
てつながっている浮動環9は、船の自力推進にともな
い、海面部分に向かって自動的に下降移動する。
【0046】その間に、前部案内部材15に沿って移動
する海苔網1aから垂れ下がった海苔の葉体を刈り取り
機構31により連続して刈り取り収穫し船体12の収納
部34内に収納し、続いて酸処理機構35により刈り取
り後の海苔網1aへ酸処理を施し、その後後部案内部材
17の後端まで相対移動する間に酸処理剤を海苔の細胞
内に十分に浸透させ、また、葉体に付着している雑菌を
殺菌する。
【0047】つぎに、船体12を海苔網1bの一方の端
部である図10中左端方向より自力推進力により進入さ
せ、前述したのと同様な作業を海苔網1bへ行い、以下
同様にして海苔網1dまで、これらの前述した作業を必
要回数繰り返すことにより、海苔の刈り取りと海苔網の
酸処理が終了する。
【0048】本実施例における酸処理機構35による酸
処理は、刈り取り機構31による刈り取り直後であるた
め、海苔網1は水切り状態にあり、酸処理パイプ36の
各噴射孔37から噴射される酸処理液41が海苔網1の
全幅に亘って均一に被着されることとなり、処理むらが
発生しない。また、刈り取り直後に酸処理を行うもので
あるから、酸処理効果が極めて高いものとなり、さら
に、pHセンサ42、酸剤供給系43および希釈液供給
系44により酸処理剤のpHを所定値に保持させること
ができるため、常に良好な酸処理を施すことができる。
【0049】さらに、本実施例においては、浸透促進機
構50により酸処理剤の海苔の細胞内への浸透速度を大
きくしているため海苔網1が後部案内部材17の後端部
より海水中へ再投入されるまでの時間を更に短縮して
も、十分な酸処理効果が発揮されることとなる。また、
超音波発信体56による洗浄作用および殺菌作用によ
り、酸処理効果が一段と高められる。
【0050】このように本実施例においては、船体12
を推進させるだけで、前部案内部材15によって海水面
に支柱方式により展張されている海苔網1を船上に掬い
上げ、海苔を自動的に刈り取り、更に効果的な酸処理を
自動的に施して、再び海水面に展張させることができ、
海苔の収穫率を向上させるとともに、海苔の健康的な育
成を促すことができ、作業効率を向上させ、省人、省力
化を図ることができることとなる。
【0051】さらに、本実施例においては、モータ30
によってワイヤ29を巻き戻すことにより、後部案内部
材17の各パイプ22b,22c,22dを最外側のパ
イプ22a内に収納させることができ安全であり、しか
も各パイプ22b,22c,22dの最大伸長長さを船
体12の船長より自由に長くすることができるため、酸
処理等を確実かつ有効に実行することができる。
【0052】また、本実施例においては、刈り取り機構
31と酸処理機構35を有しているために、必要に応じ
ていずれか一方の機構のみを稼働させて海苔の刈り取り
船または海苔網の酸処理船として利用することができ
る。
【0053】なお、前記実施例においては酸処理機構3
5として酸処理液を海苔網1に噴射するようにしたが、
例えば浸透促進機構50と同様にして海苔網1を酸処理
液中に浸漬させるようにしたり、ローラにより酸処理液
を海苔網1に塗布するようにしても良い。
【0054】また、刈り取り酸処理船59を支柱4に対
して、船の幅方向をガイドするには、船体12の幅を支
柱4の幅方向間隔Lより若干短い大きさとしたり、図1
2に示すように、船体12の両舷側に正面からの形状が
略L字形のガイド60、60をそれぞれ起倒自在に設
け、各ガイド60、60を同図実線の倒した状態にし
て、各ガイド60、60の左右方向端部で船の幅方向の
ガイドをするようにしてもよい。
【0055】また、各ガイド60、60の船体12の長
手方向長さを、同方向の支柱4の間隔より長く形成した
り、同長さまで伸縮できるようにして、船体12の長手
方向のガイドをするようにしてもよい。
【0056】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0057】例えば、拘束手段としては、支柱4に挿嵌
した浮動環7の所望の上下位置に、必要に応じて簡単に
着脱させることのできるストッパを拘束綱11の代わり
に設けるように構成しても良い。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明の海苔の刈り
取り方法によれば、満潮や干潮および大潮や小潮等の海
面の上下動に対して、海苔網の海面上の位置を、常に所
望の位置に保持することができるとともに、船を利用し
て海苔網に育苗した海苔を自動的にしかも極めて効率的
に刈り取ることができる。そして、省人、省力化を図
り、潮時や潮留まりを待つという作業時間の制約を確実
に少なくすることができる等という優れた効果を奏す
る。
【0059】また、本発明の海苔網の酸処理方法によれ
ば、満潮や干潮および大潮や小潮等の海面の上下動に対
して、海苔網の海面上の位置を、常に所望の位置に保持
することができるとともに、船を利用して海苔網への酸
処理を自動的にしかも極めて効率的に施すことができる
ので、酸処理を効果的に海苔網に施すことができ、しか
も、酸処理液の濃度低下による海苔網への酸処理効果の
バラツキが確実に防止でき、高品質の海苔を安定して歩
留まりよく育苗することができる。そして、省人、省力
化を図り、潮時や潮留まりを待つという作業時間の制約
を確実に少なくすることができる等という優れた効果を
奏することができる。
【0060】さらに、本発明の海苔の刈り取りおよび海
苔網の酸処理方法によれば、満潮や干潮および大潮や小
潮等の海面の上下動に対して、海苔網の海面上の位置
を、常に所望の位置に保持することができる。そして、
船を利用して海苔網に育苗した海苔を自動的にしかも極
めて効率的に刈り取ることができるとともに、酸処理も
自動的にしかも極めて効率的に施すことができ、しか
も、酸処理液の濃度低下による海苔網への酸処理効果の
バラツキが確実に防止でき、高品質の海苔を安定して歩
留まりよく育苗することができる。そして、省人、省力
化を図り、潮時や潮留まりを待つという作業時間の制約
を確実に少なくすることができる等という優れた効果を
奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の海苔網の海苔の刈り取り方法、海苔網
の酸処理方法ならびに海苔の刈り取りおよび海苔網の酸
処理方法を実施する、海苔の養殖場に支柱方式で設置さ
れた海苔網の一例を示す要部の斜視図
【図2】図1の側面図
【図3】本発明の海苔網の海苔の刈り取り方法、海苔網
の酸処理方法ならびに海苔の刈り取りおよび海苔網の酸
処理方法を実施する、船の一例を示す側面図
【図4】図3の平面図
【図5】図3の後部案内部材の拡大図
【図6】図5のパイプに取り付けられたフックを示す分
解斜視図
【図7】図3の海苔の刈り取り機構の縦断面図
【図8】図3の酸処理機構の構成図
【図9】図3の浸透促進機構の構成図
【図10】本実施例による海苔網の展張状態を示す説明
【図11】本実施例による海苔の刈り取りと海苔網の酸
処理作業を示す説明図
【図12】ガイドを設けた船を示す正面図
【図13】従来の海苔の養殖場に支柱方式で設置された
海苔網を示す要部の斜視図
【符号の説明】
1 海苔網 8 吊り綱 9 浮動環 10 拘束手段 11 拘束綱 12 船体 13 動力推進機構 15 前部案内部材 16 上部案内部材 17 後部案内部材 31 刈り取り機構 34 収納部 35 酸処理機構 50 浸透促進機構 56 超音波発信体 57 殺菌機構 59 刈り取り酸処理船

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮動環の移動量を規制する拘束手段を、
    海底から立設した支柱に取りつけ、前記浮動環と海苔網
    をほぼたるみのない吊り綱で連結して展張されている海
    苔網を、船体の上方に導き、前記海苔網を船首部から船
    尾部へ通過させる間に、船体に配置された海苔の刈り取
    り機構により、前記海苔網に育成された海苔を連続的に
    刈り取った後に前記展張位置へ導いて再び海苔網を展張
    させることを特徴とする海苔の刈り取り方法。
  2. 【請求項2】 浮動環の移動量を規制する拘束手段を、
    海底から立設した支柱に取りつけ、前記浮動環と海苔網
    をほぼたるみのない吊り綱で連結して展張されている海
    苔網を、船体の上方に導き、前記海苔網を船首部から船
    尾部へ通過させる間に、船体に配置された海苔網の酸処
    理機構により、前記海苔網に酸処理を連続的に施した後
    に前記展張位置へ導いて再び海苔網を展張させることを
    特徴とする海苔網の酸処理方法。
  3. 【請求項3】 浮動環の移動量を規制する拘束手段を、
    海底から立設した支柱に取りつけ、前記浮動環と海苔網
    をほぼたるみのない吊り綱で連結して展張されている海
    苔網を、船体の上方に導き、船体に配置された海苔の刈
    り取り機構と海苔網の酸処理機構により、前記海苔網に
    育成された海苔を連続的に刈り取った後に、前記海苔網
    に酸処理を連続的に施し、その後、前記展張位置へ導い
    て再び海苔網を展張させることを特徴とする海苔の刈り
    取りおよび海苔網の酸処理方法。
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