JP2934460B2 - パーミンバー特性を備えた超微結晶合金及びその製法 - Google Patents
パーミンバー特性を備えた超微結晶合金及びその製法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低い励磁磁場における比較的一定の透磁率
及びくびれたヒステリシスループをもつパーミンバー特
性を備えた超微細な結晶粒組織からなる合金及びその製
造法に関するものである。
及びくびれたヒステリシスループをもつパーミンバー特
性を備えた超微細な結晶粒組織からなる合金及びその製
造法に関するものである。
[従来の技術] 従来、励磁磁場が低い領域で比較的一定の透磁率を有
する合金としては、Fe−NI−Co系のパーミンバー合金が
知られている。これるの合金は通常結晶質であり、代表
的組成としては20wt%Fe−60Wt%Co−20wt%Niや30wt%
Fe−25wt%Co−45wt%Ni等が知られている。代表的特性
は直流の保磁力Hcが0.5Oe,初透磁率μ0が100、残留磁
束密度が7.5kGである(7.5wt%Mo−45wt%Ni−25wt%Co
−22.5wt%Fe)。
する合金としては、Fe−NI−Co系のパーミンバー合金が
知られている。これるの合金は通常結晶質であり、代表
的組成としては20wt%Fe−60Wt%Co−20wt%Niや30wt%
Fe−25wt%Co−45wt%Ni等が知られている。代表的特性
は直流の保磁力Hcが0.5Oe,初透磁率μ0が100、残留磁
束密度が7.5kGである(7.5wt%Mo−45wt%Ni−25wt%Co
−22.5wt%Fe)。
また、近年このような特性を示すものとして、Co−Fe
−Ni系のアモルファス合金が報告されている(特開昭62
−170446号)。これによれば、Bsが0.5T(5kG)〜1.0T
(10kG)、励磁磁場が低い領域における透磁率μが2000
から30000程度の値が得られている。
−Ni系のアモルファス合金が報告されている(特開昭62
−170446号)。これによれば、Bsが0.5T(5kG)〜1.0T
(10kG)、励磁磁場が低い領域における透磁率μが2000
から30000程度の値が得られている。
ところで、このようなパーミンバー特性を示す合金
は、各種センサー材として非常に有用である。たとえ
ば、低励磁磁場領域で比較的一定の透磁率を示すことか
ら、微弱な電流を検出する電流センサーに利用できる。
また非線形なヒステリシス曲線を示すため、高周波で励
磁し磁化した場合、高調波が発生し、これを検出するこ
とにより盗難防止センサー等にも利用できる。これらの
用途に対しては低磁場領域で比較的一定の透磁率を示す
ことだけでなく、感度の点から低励磁磁場においてでき
るだけ高い透磁率を示すことも必要である。また、信頼
性の点から、経時変化が小さいことも要求される。更に
は、飽和磁束密度が高いことも部品の小型化の面で重要
となる。
は、各種センサー材として非常に有用である。たとえ
ば、低励磁磁場領域で比較的一定の透磁率を示すことか
ら、微弱な電流を検出する電流センサーに利用できる。
また非線形なヒステリシス曲線を示すため、高周波で励
磁し磁化した場合、高調波が発生し、これを検出するこ
とにより盗難防止センサー等にも利用できる。これらの
用途に対しては低磁場領域で比較的一定の透磁率を示す
ことだけでなく、感度の点から低励磁磁場においてでき
るだけ高い透磁率を示すことも必要である。また、信頼
性の点から、経時変化が小さいことも要求される。更に
は、飽和磁束密度が高いことも部品の小型化の面で重要
となる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の結晶質のパーミンバー合金は、
Hcが大きいため低磁場領域の透磁率μ0が低く十分な感
度が得られない問題がある。これに対して、パーミンバ
ー特性を示すアモルファス合金の場合はμ0は大きい
が、熱安定性や経時安定性に劣り、過酷な条件下や特性
の変化を嫌う用途には不適である。また飽和磁束密度は
前述のアモルファス合金の場合1T(10kG)であり、十分
とはいえない。
Hcが大きいため低磁場領域の透磁率μ0が低く十分な感
度が得られない問題がある。これに対して、パーミンバ
ー特性を示すアモルファス合金の場合はμ0は大きい
が、熱安定性や経時安定性に劣り、過酷な条件下や特性
の変化を嫌う用途には不適である。また飽和磁束密度は
前述のアモルファス合金の場合1T(10kG)であり、十分
とはいえない。
[課題を解決するための手段] 上記問題点を解決するために、本発明者らは鋭意検討
の結果、Fe,A(Cu,Ag及びAuからなる群から選ばれた少
なくとも一種の元素)およびM(ただしMはNb,W,Ta,Z
r,Hf,Ti,V,Mn,Cr及びMoからなる群から選ばれた少なく
とも一種の元素)を必須元素として含み、組織の少なく
とも50%が平均粒径1000Å以下の微細な結晶粒からなる
合金を、前記組成の非晶質合金を製造し、これを加熱
し、組織の少なくとも50%が平均粒径1000Å以下の微細
の結晶となるように熱処理した後に、結晶化により形成
したbcc相のキュリー温度以下の温度で熱処理すること
により製造した場合に、低い励磁磁界における比較的一
定な透磁率μ0及びくびれたヒステリシスループをもつ
パーミンバー特性を示す合金が得られることを見いだし
本発明に想到した。
の結果、Fe,A(Cu,Ag及びAuからなる群から選ばれた少
なくとも一種の元素)およびM(ただしMはNb,W,Ta,Z
r,Hf,Ti,V,Mn,Cr及びMoからなる群から選ばれた少なく
とも一種の元素)を必須元素として含み、組織の少なく
とも50%が平均粒径1000Å以下の微細な結晶粒からなる
合金を、前記組成の非晶質合金を製造し、これを加熱
し、組織の少なくとも50%が平均粒径1000Å以下の微細
の結晶となるように熱処理した後に、結晶化により形成
したbcc相のキュリー温度以下の温度で熱処理すること
により製造した場合に、低い励磁磁界における比較的一
定な透磁率μ0及びくびれたヒステリシスループをもつ
パーミンバー特性を示す合金が得られることを見いだし
本発明に想到した。
本発明においてA(Cu,Ag及びAuからなる群から選ば
れた少なくとも一種の元素)およびM(ただしMはNb,
W,Ta,Zr,Hf,Ti,V,Mn,Cr及びMoからなる群から選ばれる
少なくとも一種の元素)は必須元素である。A及びMの
複合添加効果により組織は著しく微細化され、低い励磁
磁界における比較的一定な透磁率及びくびれたヒステリ
シスループをもつパーミンバー特性を示すかつ高透磁率
で安定性に優れた合金が得られる。組織の少なくとも50
%は平均粒径1000Å以下の微細な結晶粒からなる必要が
ある。これは、結晶粒が50%未満、粒径が1000Å以上に
なると軟磁気特性が劣化し、パーミンバー特性を示して
も初透磁率μ0が低くなり好ましくなく、かつ熱安定性
及び経時安定性にも劣り好ましくないためである。より
好ましい平均粒径は500Å以下、特に好ましくは、20Å
から200Åである。代表的合金組成としては、 組成式: (Fe1-aMa)100−x−y−z−α−β−γAxSiyBzM′α
M″βXγ (at%) (但し、MはCo及びっまたはNiであり、AはCu、Ag、Au
から選ばれる少なくとも一種の元素、M′はNb,W,Ta,Z
r,Hf,Ti,V,Mn,Cr及びMoからなる群から選ばれた少なく
とも1種の元素、M″はAl,白金族元素,Sc,y,Zn,Sn,Re
からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,
Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素であり、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ
0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+
z≦30,0.1≦α≦30,0.1≦β≦10,0≦γ≦10を満た
す。)により表される組成が挙げられる。組織の残部は
通常非晶質であるが、実質的に結晶質からなる合金でも
同様な特性が得られる。
れた少なくとも一種の元素)およびM(ただしMはNb,
W,Ta,Zr,Hf,Ti,V,Mn,Cr及びMoからなる群から選ばれる
少なくとも一種の元素)は必須元素である。A及びMの
複合添加効果により組織は著しく微細化され、低い励磁
磁界における比較的一定な透磁率及びくびれたヒステリ
シスループをもつパーミンバー特性を示すかつ高透磁率
で安定性に優れた合金が得られる。組織の少なくとも50
%は平均粒径1000Å以下の微細な結晶粒からなる必要が
ある。これは、結晶粒が50%未満、粒径が1000Å以上に
なると軟磁気特性が劣化し、パーミンバー特性を示して
も初透磁率μ0が低くなり好ましくなく、かつ熱安定性
及び経時安定性にも劣り好ましくないためである。より
好ましい平均粒径は500Å以下、特に好ましくは、20Å
から200Åである。代表的合金組成としては、 組成式: (Fe1-aMa)100−x−y−z−α−β−γAxSiyBzM′α
M″βXγ (at%) (但し、MはCo及びっまたはNiであり、AはCu、Ag、Au
から選ばれる少なくとも一種の元素、M′はNb,W,Ta,Z
r,Hf,Ti,V,Mn,Cr及びMoからなる群から選ばれた少なく
とも1種の元素、M″はAl,白金族元素,Sc,y,Zn,Sn,Re
からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,
Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素であり、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ
0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+
z≦30,0.1≦α≦30,0.1≦β≦10,0≦γ≦10を満た
す。)により表される組成が挙げられる。組織の残部は
通常非晶質であるが、実質的に結晶質からなる合金でも
同様な特性が得られる。
もう一つの本発明は、前記組成の非晶質合金を製造す
る工程とこれを加熱し、組織の少なくとも50%が平均粒
径1000Å以下の微細な結晶となるように熱処理する工程
と、結晶化により形成したbcc相のキュリー温度以下の
温度で熱処理する工程からなることを特徴とする低い励
磁磁界における比較的一定な透磁率μ0及びくびれたヒ
ステリシスループをもつパーミンバー特性を備えた超微
結晶合金の製造方法である。
る工程とこれを加熱し、組織の少なくとも50%が平均粒
径1000Å以下の微細な結晶となるように熱処理する工程
と、結晶化により形成したbcc相のキュリー温度以下の
温度で熱処理する工程からなることを特徴とする低い励
磁磁界における比較的一定な透磁率μ0及びくびれたヒ
ステリシスループをもつパーミンバー特性を備えた超微
結晶合金の製造方法である。
上記製造方法により超微結晶合金において、低い励磁
磁界における比較的一定な透磁率μ0及びくびれたヒス
テリシスループをもつパーミンバー特性が得られかつ、
初透磁率が高く安定性にも優れた合金を製造できる。は
じめの熱処理は組織を微細化し優れた軟磁気特性と熱的
安定性、経時安定性を得るために行い、bcc相のキュリ
ー温度以下で行う熱処理は比較的一定な透磁率μ0及び
くびれたヒステリシスループをもつパーミンバー特性を
得るために行う。より好ましいキュリー温度以下の温度
の熱処理条件は300℃以上で4時間以上である。この範
囲で特に優れたパーミンバー特性が得られる。また、C
o,Ni等の元素を含む合金の場合よりパーミンバー特性が
得られ易い。
磁界における比較的一定な透磁率μ0及びくびれたヒス
テリシスループをもつパーミンバー特性が得られかつ、
初透磁率が高く安定性にも優れた合金を製造できる。は
じめの熱処理は組織を微細化し優れた軟磁気特性と熱的
安定性、経時安定性を得るために行い、bcc相のキュリ
ー温度以下で行う熱処理は比較的一定な透磁率μ0及び
くびれたヒステリシスループをもつパーミンバー特性を
得るために行う。より好ましいキュリー温度以下の温度
の熱処理条件は300℃以上で4時間以上である。この範
囲で特に優れたパーミンバー特性が得られる。また、C
o,Ni等の元素を含む合金の場合よりパーミンバー特性が
得られ易い。
くびれたB−Hカーブが得られる理由は、十分明かに
はなっていないが、次の理由が考えられる。結晶化し微
細結晶粒が形成した合金をキュリー温度以下で熱処理を
行うと合金の磁区構造を反映した内部磁場の方向に構成
原子が異方的に配列し誘導磁気異方性が生ずる。このた
め、磁区の固着が起こり、ある方向に磁場を印加した場
合磁化しにくい領域が合金中に形成し、パーミンバー特
性を示すようになると考えられる。しかし、このような
異方性は本発明合金の場合室温付近では生じにくく、非
晶質合金に較べて著しく安定である。非晶質合金の場合
は、100℃付近の低い温度でも特性が変化し安定性に欠
け実用的でない。
はなっていないが、次の理由が考えられる。結晶化し微
細結晶粒が形成した合金をキュリー温度以下で熱処理を
行うと合金の磁区構造を反映した内部磁場の方向に構成
原子が異方的に配列し誘導磁気異方性が生ずる。このた
め、磁区の固着が起こり、ある方向に磁場を印加した場
合磁化しにくい領域が合金中に形成し、パーミンバー特
性を示すようになると考えられる。しかし、このような
異方性は本発明合金の場合室温付近では生じにくく、非
晶質合金に較べて著しく安定である。非晶質合金の場合
は、100℃付近の低い温度でも特性が変化し安定性に欠
け実用的でない。
[実施例] 以下本発明を実施例に基づいて説明するが本発明は本
発明はこれらに限定されるものではない。
発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 原子%でCu1.2%,Nb2.9%Si13.7%,B8.8%残部実質的
にFeからなる合金溶湯を単ロール法により急冷し、厚さ
17μm、幅2mmの非晶質合金薄帯を作製した。
にFeからなる合金溶湯を単ロール法により急冷し、厚さ
17μm、幅2mmの非晶質合金薄帯を作製した。
次いで、この合金薄帯を長さ100mmに切断した。次ぎ
にこの磁心を窒素ガス雰囲気中570℃で1時間熱処理し
た。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡による観察の結
果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶が組織のほと
んどを占めていることが確認された。主相であるbcc相
のキュリー温度は約570℃であった。
にこの磁心を窒素ガス雰囲気中570℃で1時間熱処理し
た。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡による観察の結
果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶が組織のほと
んどを占めていることが確認された。主相であるbcc相
のキュリー温度は約570℃であった。
この熱処理後の合金を次ぎに450℃に12h保持し本発明
合金を作製し直流B−Hカーブを測定した。得られた結
果を第1図に示す。
合金を作製し直流B−Hカーブを測定した。得られた結
果を第1図に示す。
くびれたヒステリシスカーブを示し、パーミンバー特
性を示すことが分かる。また、保磁力は小さく初期の透
磁率が高く優れていることが分かる。また、飽和磁束密
度は12kG以上ありCo基の非晶質合金より優れている。
性を示すことが分かる。また、保磁力は小さく初期の透
磁率が高く優れていることが分かる。また、飽和磁束密
度は12kG以上ありCo基の非晶質合金より優れている。
実施例2 原子%でCu1.1%,Nb3.2%,Si13.0%,B9.1%,Mo0.6%
残部実質的にFeからなる合金溶湯を単ロール法により急
冷し、板厚16μm,幅1.5mmの非晶質合金を作製した。次
ぎにこの合金を150mmに切断し窒素ガス雰囲気中575℃で
45分間熱処理した。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡に
よる観察の結果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶
が組織のほとんどを占めていることが確認された。主相
であるbcc相のキュリー温度は約570℃であった。次ぎに
熱処理後の合金を第2図に示す熱処理温度で12時間熱処
理した。熱処理後の直流B−Hカーブを第2図に示す。
残部実質的にFeからなる合金溶湯を単ロール法により急
冷し、板厚16μm,幅1.5mmの非晶質合金を作製した。次
ぎにこの合金を150mmに切断し窒素ガス雰囲気中575℃で
45分間熱処理した。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡に
よる観察の結果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶
が組織のほとんどを占めていることが確認された。主相
であるbcc相のキュリー温度は約570℃であった。次ぎに
熱処理後の合金を第2図に示す熱処理温度で12時間熱処
理した。熱処理後の直流B−Hカーブを第2図に示す。
特に300℃以上の熱処理の場合に大きくくびれたヒス
テリシスカーブとなり顕著なパーミンバー特性を示すこ
とが分かる。
テリシスカーブとなり顕著なパーミンバー特性を示すこ
とが分かる。
実施例3 原子%でAu1.0%,Nb3.4%Si13.7%,B9.2%,V0.6%残
部実質的にFeからなる合金溶湯を単ロール法により急冷
し、板厚16μm,幅1.1mmの非晶質合金を作製した。次ぎ
にこの合金を140mmに切断しArガス雰囲気中580℃で40分
熱処理した。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡による観
察の結果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶が組織
のほとんどを占めていることが確認された。主相である
bcc相のキュリー温度は約570℃であった。次ぎに熱処理
後の合金を第3図に示す熱処理時間熱処理を行った。熱
処理温度はキュリー温度より低い400℃とした。熱処理
後の直流B−Hカーブを第3図に示す。
部実質的にFeからなる合金溶湯を単ロール法により急冷
し、板厚16μm,幅1.1mmの非晶質合金を作製した。次ぎ
にこの合金を140mmに切断しArガス雰囲気中580℃で40分
熱処理した。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡による観
察の結果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶が組織
のほとんどを占めていることが確認された。主相である
bcc相のキュリー温度は約570℃であった。次ぎに熱処理
後の合金を第3図に示す熱処理時間熱処理を行った。熱
処理温度はキュリー温度より低い400℃とした。熱処理
後の直流B−Hカーブを第3図に示す。
実施例4 第1表に示す組成の非晶質合金を単ロール法、スパッ
タ法により作製し、結晶化熱処理後、450℃で4h熱処理
を行った。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡による観察
の結果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶が組織の
ほとんどを占めていることが確認された。
タ法により作製し、結晶化熱処理後、450℃で4h熱処理
を行った。熱処理後の合金は透過電子顕微鏡による観察
の結果、結晶粒径約100Å程度の超微細な結晶が組織の
ほとんどを占めていることが確認された。
次ぎにこの合金をキュリー温度以下で熱処理し、直流
B−Hカーブ及び透磁率μ0を測定した。熱処理後の合
金は実施例1と同様にパーミンバー特性を示した。次ぎ
にこの合金を150℃に保持し、初期の透磁率μ0 0,と100
時間後のμ0 100を測定した。
B−Hカーブ及び透磁率μ0を測定した。熱処理後の合
金は実施例1と同様にパーミンバー特性を示した。次ぎ
にこの合金を150℃に保持し、初期の透磁率μ0 0,と100
時間後のμ0 100を測定した。
初期の透磁率μ0 0,と100時間後のμ0 100の比μ0 0/μ0
100を示す。
100を示す。
本発明合金は従来の非晶質合金に較べμ0 0/μ0 100の
値が1に近く安定である。また従来の結晶材に較べ著し
くμ0が大きく感度を高くできるため磁気応用により適
することがわかる。
値が1に近く安定である。また従来の結晶材に較べ著し
くμ0が大きく感度を高くできるため磁気応用により適
することがわかる。
[発明の効果] 本発明によれば、低い励磁磁界における比較的一定な
透磁率及びくびれたヒステリシスループをもつパーミン
バー特性を示し、透磁率が高く安定性にも選れた超微結
晶合金及びその製法を提供できるためその効果は著しい
ものがある。
透磁率及びくびれたヒステリシスループをもつパーミン
バー特性を示し、透磁率が高く安定性にも選れた超微結
晶合金及びその製法を提供できるためその効果は著しい
ものがある。
第1図は、本発明合金の直流B−Hカーブの一例を示し
た図、第2図は本発明に係わる合金の直流B−Hカーブ
の熱処理温度による変化を示した図、第3図は本発明に
係わる合金の直流B−Hカーブの熱処理時間による変化
を示した図である。
た図、第2図は本発明に係わる合金の直流B−Hカーブ
の熱処理温度による変化を示した図、第3図は本発明に
係わる合金の直流B−Hカーブの熱処理時間による変化
を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 45/02 C22C 38/00 303 H01F 1/14 - 1/16 C21D 6/00
Claims (5)
- 【請求項1】組成式: (Fe1-aMa)100−x−y−z−α−β−γAxSiyBzM′α
M″βXγ(at%) (但し、MはCo及び/またはNiであり、AはCu、Ag、Au
から選ばれる少なくとも1種の元素、M′はNb、V、T
a、Zr、Hf、Ti、V、MnCr及びMoからなる群から選ばれ
た少なくとも1種の元素、M″はAl、白金族元素、Sc、
Y、Zn,Sn、Reからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素、XはC、Ge、P、Ga、Sb、In、Be,Asからなる
群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a、x、
y、z、α、β及びγはそれぞれ、0≦a≦0.5、0.1≦
x≦3、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦y+z≦30、0.
1≦α≦30、0.1≦β≦10、0≦γ≦10を満たす。)によ
り表される組成で、組織の少なくとも50%が平均粒径10
00Å以下の微細な結晶粒からなり、低い励磁磁界におけ
る比較的一定な透磁率及びくびれたヒステリシスループ
をもつパーミンバー特性を備えたことを特徴とする超微
結晶合金。 - 【請求項2】組織の残部が非晶質であることを特徴とす
る請求項1に記載の超微結晶合金。 - 【請求項3】実質的に結晶質からなることを特徴とする
請求項1に記載の超微結晶合金。 - 【請求項4】組成式: (Fe1-aMa)100−x−y−z−α−β−γAxSiyBzM′α
M″βXγ(at%) (但し、MはCo及び/またはNiであり、AはCu、Ag、Au
から選ばれる少なくとも1種の元素、M′はNb、V、T
a、Zr、Hf、Ti、V、Mn、Cr及びMoからなる群から選ば
れた少なくとも1種の元素、M″はAl、白金族元素、S
c、Y、Zn,Sn、Reからなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素、XはC、Ge、P、Ga、Sb、In、Be,Asからな
る群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a、
x、y、z、α、β及びγはそれぞれ、0≦a≦0.5、
0.1≦x≦30、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦y+z≦3
0、0.1≦α≦30、0.1≦β≦10、0≦γ≦10を満た
す。)により表される組成の非晶質合金を製造する工程
とこれを加熱し、組織の少なくとも50%が平均粒径1000
Å以下の微細な結晶となるように熱処理する工程と、結
晶化により形成したbccFe固溶体相のキュリー温度以下
の温度で熱処理する工程からなることを特徴とする低い
励磁磁界における比較的一定な透磁率及びくびれたヒス
テリシスループをもつパーミンバー特性を備えたことを
特徴とする超微結晶合金の製法。 - 【請求項5】キュリー温度以下の温度熱処理を300℃以
上でかつ4時間以上行うことを特徴とする請求項4に記
載の超微結晶合金の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1270913A JP2934460B2 (ja) | 1989-10-18 | 1989-10-18 | パーミンバー特性を備えた超微結晶合金及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1270913A JP2934460B2 (ja) | 1989-10-18 | 1989-10-18 | パーミンバー特性を備えた超微結晶合金及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH03215650A JPH03215650A (ja) | 1991-09-20 |
JP2934460B2 true JP2934460B2 (ja) | 1999-08-16 |
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ID=17492735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1270913A Expired - Lifetime JP2934460B2 (ja) | 1989-10-18 | 1989-10-18 | パーミンバー特性を備えた超微結晶合金及びその製法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2934460B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101140912B1 (ko) * | 2003-04-02 | 2012-05-03 | 바쿰슈멜체 게엠베하 운트 코. 카게 | 마그네트 코어 및 그의 제조 방법 및 특히 변류기 및전류-보상 인덕터에서의 마그네트 코어의 애플리케이션,마그네트 코어의 제조 밴드 및 합금 |
-
1989
- 1989-10-18 JP JP1270913A patent/JP2934460B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH03215650A (ja) | 1991-09-20 |
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