JP2934423B2 - フラットコイル及びフラットコイルの製造方法ならびにフラットコイルの製造装置 - Google Patents

フラットコイル及びフラットコイルの製造方法ならびにフラットコイルの製造装置

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JP2934423B2 JP1554798A JP1554798A JP2934423B2 JP 2934423 B2 JP2934423 B2 JP 2934423B2 JP 1554798 A JP1554798 A JP 1554798A JP 1554798 A JP1554798 A JP 1554798A JP 2934423 B2 JP2934423 B2 JP 2934423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平角線を巻き上げ
たリードを持たない扁平型のコイル(フラットコイル)
および該フラットコイルの製造装置ならびに前記フラッ
コイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】扁平な形状のモータの界磁巻線などに用
いられる平角線の構造とフラットコイルの形状を図10
に示す。フラットコイル90は、図11に断面構造を示
す平角線91を巻いて構成される。コイルの巻き初めと
巻き終りには絶縁皮膜を剥離して導体を露出させた半田
付け部分となる導体露出部92,93を有している。
【0003】図11は、平角線91の構造を説明する断
面図である。平角線91は例えば銅からなる扁平な角形
の導体911の表面を絶縁材料で被覆した絶縁層912
を形成し、さらにその表面を熱硬化性の接着剤で被覆し
た接着層913で形成して構成される。
【0004】フラットコイル90は、上記平角線91を
巻回した後、高温の空間で加熱して接着層913を硬化
させてコイルとしている。
【0005】図12に示すようにこのような構成のフラ
ットコイル90は、プリント基板95の配線パターン9
6上に配置され、半田付け部分92,93がクリーム半
田94によって配線パターン96に接続され、表面実装
することができる。この表面実装では、フラットコイル
90を実装したプリント基板95を加熱炉を通過させて
クリーム半田を溶かし、フラットコイル90を配線パタ
ーン96上に半田付けしている。この半田付け工程の加
熱炉の加熱温度がフラットコイル90の熱融着温度以上
であるときには、融着層が再び軟化し、コイルの熱膨張
によって「巻緩み」を生じるおそれがある。さらに、フ
ラットコイル90にこのような「巻緩み」が生じた場合
には、最外周にある剥離部93の位置がずれてしまい半
田付けができなくなるおそれがある。したがって、接着
剤を硬化させる加熱は、加熱炉の加熱温度に比較して十
分に高い300℃程度の温度で行わなければならない。
【0006】さらに、このようなフラットコイルは、例
えば、高さ1mm,直径4mm程度と極めて小さなもの
であり、実装時にコイルの巻方向を判断することは極め
て困難であり、巻方向を間違えてフラットコイルを実装
すると、コイルの極性が反対になるという不都合を生じ
る。
【0007】図6〜図8を用いて上記構造を有するフラ
ットコイルの製造方法を説明する。図6は、フラットコ
イル製造時に平角線を巻きつけるフラットコイル巻軸の
形状を示し、(A)はその正面図を、(B)は左側面図
を、(C)は(B)のC−C線での断面図を示してい
る。図7は、フラットコイルの巻き初め部分の余部を切
断する切断軸の形状を示し、(A)はその正面図を、
(B)は右側面図を、(C)は(B)のC−C線での断
面図を示している。図8は、フラットコイル巻軸と切断
軸とを組み合わせた状態の外形を示す正面図である。
【0008】図6に示すように、フラットコイル巻軸8
0は、平角線を巻きつけるコイル巻きつけ部81と、平
角線の先端部を挾み込む切欠き溝82と、切断内軸が挿
入される断面形状が円形の切断内軸挿入孔83と、平角
線の巻きつけ時にその端部を案内する巻線案内面84
と、チャッキングハンド当たり部85と、位置規制つば
86と、巻き上げ用ステッピングモータの回転軸が挿入
される回転軸挿入孔87を有して構成される。コイル巻
きつけ部81の断面形状は、形成するフラットコイルの
平面形状とほぼ同様な形状とされ、円形状、略台形状、
略三角形状など任意の形状とされている。回転軸挿入孔
87の断面形状は、ステッピングモータの回転軸の回転
が巻軸80に伝達されるように、例えば六角形とされて
いる。
【0009】図7に示すように、切断軸70は、切断軸
を回転させるためのつまみ部71と、切断内軸72と、
平角線の先端部を挾み込む切欠き溝73と、フラットコ
イル巻軸80のコイル巻きつけ部81の先端部が挿入さ
れる受け溝74と、平角線の巻きつけ時にその端部を案
内する巻線案内面75とを有して構成される。切断軸内
軸72の断面形状は円形とされ、フラットコイル巻軸8
0の切断内軸挿入孔83に挿入されるとともに該挿入孔
内でがたつかない程度の外径とされている。
【0010】図8に示すように、フラットコイル巻軸8
0の切断内軸挿入孔83に、切断軸70の切断内軸71
を所望の深さに挿入して、フラットコイルの高さにほぼ
等しいフラットコイル巻き巻き上げ部88を形成したス
ピンドル89を構成する。
【0011】このようなスピンドル89を用いてフラッ
トコイルを形成するには、切欠き溝73,82に平角線
の巻き初め部を挿入したスピンドル89の回転軸挿入用
孔87にステッピングモータの回転軸を挿入し、スピン
ドル89を回転してフラットコイルを巻き上げる。フラ
ットコイルを所望の巻き数分巻き上げた後、フラットコ
イルの巻き終り部を切断し、次いで、フラットコイル巻
き上げ部88に形成されたフラットコイルに300℃程
度の高温の熱風を当てて加熱し、平角線の接着剤層を溶
融して隣接する巻線を接着させる。この後、切断軸70
を回転させて、切断内軸71の切欠き溝72とフラット
コイル巻軸80の切欠き溝82の角部によって平角線の
巻き初め部の余部を切断する。さらに、この後、切断軸
70を引き抜き、コイル巻きつけ部81からフラットコ
イルを取りはずしフラットコイルを作り上げる。
【0012】上記のコイル製造方法によれば、平角線の
接着剤層を溶融するときに吹き付ける高温の熱風がコイ
ル表面だけでなく回転軸に吹き付けられるとともに、コ
イルに加えられた熱が、ステッピングモータの軸受に伝
達されて軸受が加熱され、軸受の潤滑油が流出してしま
い、軸受が焼き付いてステッピングモータを回転させる
ことができなくなるという問題を生じた。
【0013】このような問題を解決する手法として、コ
イル巻き上げ部とモータなどの周辺機器の間に断熱板を
設けて遮閉することが考えられるが、この手法によれば
断熱板が障害となって他の装置をコイル巻き上げ部周辺
に配設できなくなるので採用することができない。
【0014】さらに、フラットコイル90を実装する際
に配線パターン96上に正しく位置させて半田付けする
ためには、平角線91のコイルの巻き終り部分に位置す
る導体露出部93を、正確な位置に配置することが要求
される。しかし、巻き終り部分の導体露出部93をフラ
ットコイル90の一定の位置に安定して設けることは、
以下の理由で極めて困難である。すなわち、事前に導体
露出部92,93を形成した場合には、平角線91の厚
みにバラツキが存在することから、コイルが巻き上げら
れるに従って、最外周に位置する導体露出部93の位置
にずれを生じる。例えば、フラットコイル90の巻数n
が25ターンであるとすると、平角線91の厚みが1μ
m増えた(Δt)ときには、ずれ量Lは、下記(1)式
に示すように、導体露出部93は正規の位置からおよそ
1.88mmずれることとなる。
【0015】
【0016】フラットコイル90の巻終り部の導体露出
部93の位置がこれだけずれると、半田付けが成立しな
いかあるいは不完全な半田付けとなり不良の原因とな
る。さらに、巻線時に平角線91に加えられるテンショ
ンのバラツキや巻上げ部周辺の温度変化によって平角線
90が延びてしまい、導体露出部の位置にずれを生じる
おそれがある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うなフラットコイルにおいて、巻方向を容易に確認する
ことができるとともに、フラットコイルの実装時に巻方
向を正確に配置したときにのみ半田付けすることがで
き、コイルの巻方向を間違えて配置したときには半田付
けすることができないフラットコイルの構造を提供する
ことを目的とする。
【0018】また、本発明は、上記したようなフラット
コイル巻軸80と切断軸70からなるスピンドル89を
用いて上記フラットコイルを製造するときに、ステッピ
ングモータの軸受の焼き付きを無くした製造方法および
製造装置を提供することを目的とする。
【0019】さらに、本発明は、巻始め部と巻終り部に
設けた導体露出部92,93の位置関係が正確に維持さ
れた上記フラットコイル90の製造方法および製造装置
を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、断面が扁平な角形の導体の表面に電気絶
縁材料からなる絶縁層と接着剤からなる接着層を設けた
平角線を巻回し、接着層と絶縁層を剥離して導体を露出
させた導体露出部を巻始め部と巻き終り部に設けたフラ
ットコイルにおいて、前記導体露出部を、平角線の断面
の一辺の一端から他端に向けて設けるとともに該一辺の
他端部側に前記絶縁層を残して形成した。
【0021】また、上記課題を解決するために、本発明
は、モータの回転軸に取り付けられたスピンドルを回転
させて該スピンドルに平角線を巻きつけて上記フラット
コイルを製造するフラットコイル製造方法において、
角線の一辺の他端部側に絶縁層を残して一端から他端に
向かう導体露出部を設けるとともに、スピンドルに平角
線を巻きつける巻きつけ工程と、該巻きつけ工程と離れ
た場所で行われるスピンドルに巻きつけた平角線を加熱
する加熱工程と、スピンドルを冷却する冷却工程と、ス
ピンドルからフラットコイルを取り出すフラットコイル
取出工程とを設けた。
【0022】本発明は、上記フラットコイルの製造方法
において、スピンドルが巻き上げ用モータの回転軸に着
脱可能に構成され、巻きつけ工程ではスピンドルが該回
転軸に取り付けられ、加熱工程ではスピンドルを回転軸
から取りはずされるとともに、複数のスピンドルを用
い、巻き上げ工程および加熱工程および冷却工程をそれ
ぞれ時間的に重なって実行するようにした。
【0023】本発明は、平角線供給手段と、平角線の絶
縁材料を剥離して平角線の一端から他端に向けて他端部
側に絶縁層を残して導体露出部を設ける剥離手段と、平
角線を切断する切断手段と、平角線を巻きつけるスピン
ドルを回転駆動するモータと、平角線を加熱する加熱手
段を有するフラットコイル製造装置において、加熱手段
をスピンドルに平角線を巻きつける平角線巻きつけ位置
から離れた場所に配置し、スピンドルを平角線巻きつけ
位置から加熱手段へ移動させる移動手段を設けるととも
に、スピンドルを、平角線の巻き初め部を挾む切欠き溝
と切断内軸とを有する切断軸と、平角線の巻き初め部を
挾む切欠き溝と切断軸の切断内軸が挿入される切断内軸
挿入孔と、回転軸挿入孔とを有するフラットコイル巻軸
とから構成した。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるフラットコ
イルの構造を図1を用いて説明する。図1(A)は、本
発明にかかるフラットコイルの構造を説明する斜視図で
あり、図1(B)は、平角線の導体露出部の形状を説明
する拡大斜視図である。この図のフラットコイルはその
構造を判り易く示すために実際の実装状態とは上下を反
転した方向から示している。本発明にかかるフラットコ
イル90は、図1(A)に示すように、図11に示した
断面形状を有する平角線91を巻回して構成される。平
角線91は、断面形状が扁平な導体911の表面に、電
気絶縁材料からなる絶縁層912と、熱硬化性接着剤か
らなる接着層913を設けて構成されている。フラット
コイル90の巻始め部には絶縁層と接着層を剥離した導
体露出部92が設けられ、フラットコイルの巻き終り部
には同様に導体露出部93が設けられている。これらの
導体露出部92,93は、それぞれ平角線91の断面の
長い一辺に設けられるとともに、その一辺に絶縁層91
2を剥離し残した半田付けされない非半田付け部97が
形成されている。導体露出部92,93は、図から明ら
かなように平角線の断面の一辺の一端から他端へ向けて
設けられるとともに該一辺の他端部側に前記絶縁層91
2を残して形成されている。
【0025】このような構成のフラットコイル90を実
装するときには、非半田付け部97を目視や光学センサ
等によって容易に検出することができ、配線基板上の配
線パッド上に、正しい巻回方向すなわち導体露出部93
側が配線パッドに接するようにフラットコイル90を正
確に配置することができる。また、フラットコイル90
の巻回方向を誤ってすなわち上下を間違えて配置したと
きには、クリーム半田が導体露出部92,93に達する
ことができず半田付けすることができないので、誤った
半田付けであることを容易に判定することができる。
【0026】以下、上記フラットコイルを製造するフラ
ットコイル製造方法およびフラットコイル製造装置につ
いて図2〜図5を用いて説明する。図2は本発明にかか
上記フラットコイル製造装置の概要を説明する概念
図である。図3は本発明にかかる剥離部の構造を説明す
る斜視図であり、図4はその断面図である。図5は、本
発明にかかる上記フラットコイル製造装置のフラット
コイル巻き上げ部の構造を説明する上面図である。
【0027】図2に示すように、フラットコイル製造装
置1は、図6〜図8に示すスピンドルを用いる装置であ
って、平角線をフラットコイル巻き上げ部に供給する平
角線供給部10と、平角線の絶縁材料を剥離するととも
に平角線を所定の長さに切断する剥離切断部20と、フ
ラットコイルを巻き上げるスピンドルが取り付けられ平
角線を巻き上げるフラットコイル巻き上げ部30と、巻
き上げられた平角線を加熱する加熱部40と、スピンド
ルを冷却する冷却部50と、フラットコイル巻き上げ部
30と加熱部40との間でスピンドルを移動させる移送
手段60Aと、加熱部40と冷却部50との間でスピン
ドルを移動させる移送手段60Bと、冷却部50とフラ
ットコイル巻き上げ部30との間でスピンドルを移動さ
せる移送手段60Cとを有している。
【0028】平角線供給部10は、平角線91のロール
11と、平角線を送り出す送りローラ12と、平角線の
張力を一定に保って供給する張力調整機構13とを有し
ている。
【0029】剥離切断部20は、平角線を切断する平角
線切断具21と、平角線の巻き初め部の絶縁材料を剥離
する剥離部材22と、平角線を支持する該剥離部材22
に対向して配置された支持部材23と、平角線の巻き終
り部の絶縁材料を剥離する剥離部材24と、平角線を支
持する該剥離部材24に対向して配置された支持部材2
5とを有している。剥離部材22は、平角線91のスピ
ンドル89のコイル巻きつけ部81に接する側に導体露
出部分92を形成し、剥離部材24は、フラットコイル
90の外側に導体露出部分93を形成する。
【0030】剥離部の構造を図3および図4を用いて説
明する。図3は巻始め部の絶縁材料を剥離する剥離部材
22と支持部材23の構造の概略を説明する斜視図であ
り、図4は剥離部材22と支持部材23の構造の概略を
説明する断面図である。
【0031】剥離部材22は、先端が鋭利に形成された
平角線91の幅にほぼ等しい幅の剥離刃221を有して
おり、剥離刃221の先端部には平角線91の導体露出
部92を形成する幅の剥離刃部222と非半田付け部9
7を形成する幅の切欠きなどの非鋭利部分223を有し
ている。剥離部材22は、図示を省略した上下動手段に
よって上下動可能に支持された回転軸26に支持される
とともに、剥離部材22を所定距離移動させるノックシ
リンダ27によって移動可能にされている。
【0032】支持部材23には、平角線91を案内する
溝231が設けられている。溝231は、平角線91と
ほぼ等しい幅を有するとともに、平角線91の絶縁層9
12および接着剤層913を取り除くに十分な深さ、例
えば平角線91の厚みの3分の1から2分の1の深さに
形成されている。
【0033】平角線91の剥離個所が支持部材23上に
支持されると、剥離部材22が押し下げられ剥離刃部2
22が平角線91に押し当てられ接着層913および絶
縁層912に押し込まれる。この状態でノックシリンダ
27を動作させて剥離刃部222を移動させると接着剤
層913と絶縁層912が剥離され導体露出部92が形
成される。このとき非鋭利部分223は接着層913や
絶縁層912に侵入せず、非半田付け部97を形成する
ことができる。
【0034】巻終り部の剥離部材24と支持部材25の
構成は、上記した剥離部の構成と同様に構成される。
【0035】図5に示すように、フラットコイル巻き上
げ部30は、巻き上げ用ステッピングモータ31と、ス
テッピングモータの回転軸32と、スピンドル位置決め
手段33と、スピンドル支持部材34と、スピンドル位
置決め溝35と、スピンドル挿入孔36とを有してい
る。巻き上げ用ステッピングモータ30は、図の左右方
向に移動可能に構成され、回転軸32が、前述したフラ
ットコイル巻軸80の回転軸挿入孔87に挿入されて取
り付けられ、引き出されてフラットコイル巻軸80を取
り外すことができるようにされている。スピンドルの位
置規制つば86がスピンドル位置決め溝35内に位置し
ており、平角線巻き上げ時にフラットコイル巻軸80が
図の左右方向に移動することを規制している。スピンド
ル89の切欠き溝73,82には平角線91の巻初め部
分が差し込まれている。フラットコイル巻軸80を移送
するときには、チャッキングハンド当たり部85にチャ
ッキングハンド63Aが位置し、フラットコイル巻軸8
0を保持する。
【0036】加熱部40には、例えば300℃程度に加
熱できる加熱炉41が設けられている。
【0037】冷却部50には、冷却ファンなどの冷却機
構が設けられるとともに、スピンドル89上に形成され
たフラットコイルを取り出す機能が設けられている。
【0038】移送機構60は、フラットコイル巻き上げ
部88にフラットコイル91が巻き上げられたスピンド
ル89を、フラットコイル巻き上げ部30から加熱部4
0に移動させる移送手段60Aと、加熱されたスピンド
ル89を加熱部40から冷却部50へ移動する移送手段
60Bと、冷却されたスピンドル89を冷却部50から
フラットコイル巻き上げ部30へ移動する移送手段60
Cとの3台が設けられている。
【0039】移送手段60A〜Cは、それぞれロータリ
ーアクチュエータ61A〜Cと、エアシリンダ62A〜
Cと、チャッキングハンド63A〜Cとから構成され
る。ロータリーアクチュエータ61Aは、チャッキング
ハンド63Aをフラットコイル巻き上げ部30と加熱部
40との間で移動させるように回動する。ロータリーア
クチュエータ61Bは、チャッキングハンド63Bを加
熱部40と冷却部50との間で移動させるように回動す
る。ロータリーアクチュエータ61Cは、チャッキング
ハンド63Cを冷却部40とフラットコイル巻き上げ部
30との間で移動させるように回動する。
【0040】各チャッキングハンド63は、エアシリン
ダ62によって矢印の方向に移動可能とされるとともに
スピンドル89のハンドチャック当たり部85を挾むス
ピンドル保持部64が設けられ回転軸65を中心に開閉
可能にされている。
【0041】以下、このようなフラットコイル製造装置
を用いたフラットコイルの製造方法を説明する。平角線
11のロール11から送り出された平角線91は、ロー
ラ12、張力調整機構13を経由して剥離切断部20へ
供給される。
【0042】剥離切断部20では、各剥離部材22,2
4が、矢印のように平角線91に押し当てられた後平角
線の長さ方向に移動されることによって、絶縁材料91
2および接着剤層913を剥離して、平角線91に導体
露出部分92,93を形成する。導体露出部92,93
が形成された平角線91は、導体露出部92,93の間
で、切断軸70の切欠き溝73に平角線91を挾み込
み、導体露出部92,93の間の切断内軸72の直近で
平角線切断具21によって切断される。導体露出部92
が形成された平角線91の先端が例えば手で引き出され
てフラットコイル巻き上げ部30のモータ31の回転軸
32に挿入されたスピンドル89の切欠き溝73,82
に挾み込まれる。
【0043】次いで、モータ31を回転してフラットコ
イル巻き上げ部88にフラットコイル91を巻き上げ
る。フラットコイル91の両端部は、切断軸70の巻線
案内面75とフラットコイル巻軸の巻線案内面87によ
って案内され端面が平坦に巻き上げられる。フラットコ
イルの巻き上げが終了する手前で(例えば1,2ターン
を残した状態)一旦巻き上げを終了させ、導体露出部9
2,93を形成し、平角線91を切断する。その後、最
後の巻き上げを行う。このとき、平角線91の導体露出
部93近傍の裏面を加熱ローラなどを用いて加熱して接
着する等の接着手法を用いることによって、巻き上げた
フラットコイル90の巻終り部を仮り付けすることがで
き、以降の処理において巻き上げたフラットコイル90
がばらけることを防ぐことができる。このようにフラッ
トコイル巻き上げ部30に近い場所で巻終り部の導体露
出部93を剥離形成するので、フラットコイル巻き上げ
時に生じる導体露出部93の位置ずれを最小限にするこ
とができる。コイルを巻き上げた後、切断軸70のつま
み部をねじって切欠き溝72内の平角線91に残った巻
き初め部分を切断し、切断軸70をフラットコイル巻軸
80から取り外す。
【0044】フラットコイルの巻き上げが終了すると、
移送手段60Aのチャッキングハンド63Aがフラット
コイル巻軸80のチャッキングハンド当たり部85へ移
動して、スピンドル保持部64Aがフラットコイル巻軸
80のチャッキングハンド当たり部85を挾み込んでフ
ラットコイル巻軸80を保持する。フラットコイル巻軸
80の回転軸挿入孔87とモータ31の回転軸32の結
合を解除した後、ロータリーアクチュエータ61Aが回
動して、チャッキングハンド63Aに保持されたフラッ
トコイル巻軸80をフラットコイル巻き上げ部30から
加熱部40へ移動させる。
【0045】加熱部40に到達したフラットコイル巻軸
80を保持したチャッキングハンド63Aは、エアシリ
ンダ62Aの動作によって加熱炉41内にフラットコイ
ル巻軸80を開放載置した後、フラットコイル巻き上げ
部30へ戻る。加熱炉41内に残されたフラットコイル
巻軸80は所定の温度で所定の時間加熱され、フラット
コイル90の隣接する平角線91が接着剤層913によ
って熱溶着され、フラットコイル90が形成される。加
熱部40での加熱時間を、フラットコイル巻き上げ部3
0での巻き上げ時間より長くすることによって昇温をゆ
っくり行うことができ、接着固化を確実に行うことがで
きる。この場合は、加熱部40に複数のフラットコイル
巻軸80を滞留させるようにすればよい。
【0046】フラットコイル90が形成されたフラット
コイル巻軸80は、移送手段60Bのチャッキングハン
ド63Bに保持されて取り出され、ロータリーアクチュ
エータ61Bが回動して冷却部50へ移送される。チャ
ッキングハンド63Bは、フラットコイル巻軸80を冷
却部50の冷却個所に位置させた後その保持を開放して
フラットコイル巻軸80を冷却部に載置し、その後加熱
部40へ戻る。
【0047】冷却部50では、冷風を当ててフラットコ
イル巻軸80およびフラットコイル90を冷却し、冷却
されたフラットコイル90をフラットコイル巻軸80の
コイル巻きつけ部81から取外す。このとき、フラット
コイル巻軸80の巻線案内面84を形成したつば部84
1に、図9に示すようなテーパー面842を設けた構造
とすることができる。このような構造とすることによっ
て、冷却部50に設けた取外治具51に開口したテーパ
孔52にコイル巻軸80のつば部841のテーパー面8
42を挿入することによって、切欠き溝82が絞られて
コイル巻きつけ部81の外径が小さくなり、コイルを取
り出し易くなる。このバネ性を確保するために切欠き溝
82は軸の長手方向に深く形成されている。フラットコ
イル巻軸80の冷却部50での滞留時間を、フラットコ
イル巻き上げ部30での巻き上げ時間より長くすること
によって、フラットコイル巻軸80を十分に冷却するこ
とができる。この場合は、冷却部50に複数のフラット
コイル巻軸80を滞留させるようにすればよい。
【0048】十分に冷却されたフラットコイル巻軸80
は、移送手段60Cのチャッキングハンド63Cに保持
されフラットコイル巻き上げ部30へ戻される。
【0049】上記の説明において、平角線91の巻き初
め部の切欠き溝73,82への取付は自動機構によって
なされてもよい。さらに、平角線91の巻き初め部の切
断は、加熱部40への移送後になされてもよく、また冷
却部50でなされてもよい。しかし、加熱部40での加
熱の前に切断し切断軸70をフラットコイル巻軸80か
ら取り外すことによって、切断内軸挿入孔83からコイ
ル90の内側へ熱が伝達しやすくなり、均等に加熱する
ことができる。
【0050】上記説明によれば、本発明にかかるフラッ
トコイル製造方法では、フラットコイル巻き上げ部30
と加熱部40、加熱部40と冷却部50との間を移送手
段60を用いて移送するようにしたが、他の手段や手動
によって移送するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、巻方
向を明確に判断できるとともに実装時に正しい載置方向
のときにのみ半田付けされ載置方向を誤ったときには半
田付けされないフラットコイルを提供することができる
とともに、このフラットコイルの製造方法および製造装
置においてフラットコイルがフラットコイル巻き上げ部
30から離れた個所で加熱されるとともに、フラットコ
イルを製造したフラットコイル巻軸80が冷却された状
態でモータ31の軸32に取り付けられるので、軸受の
焼き付きを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフラットコイルの構造を説明す
る図。
【図2】本発明にかかるフラットコイル製造装置の概要
を説明する概念図。
【図3】本発明の剥離部の構造を説明する斜視図。
【図4】本発明の剥離部の構造を説明する断面図。
【図5】本発明にかかるフラットコイル製造装置のフラ
ットコイル巻き上げ部の構造を説明する上面図。
【図6】フラットコイルの製造に用いられるフラットコ
イル巻軸の構造を示す正面図および右側面図ならびに断
面図。
【図7】フラットコイルの製造に用いられる切断軸の構
造を示す正面図および左側面図ならびに断面図。
【図8】フラットコイルの製造に用いられるスピンドル
の構造を示す正面図。
【図9】フラットコイルの製造に用いられるスピンドル
他の構造を示す正面図。
【図10】平角線と平角線を用いたフラットコイルの形
状を示す斜視図。
【図11】フラットコイルの実装状態を説明する断面
図。
【図12】平角線の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 フラットコイル製造装置 10 平角線供給部 11 平角線ロール 12 送りローラ 13 張力調整機構 20 切断剥離部 21 切断具 22,24 剥離部材 23,25 支持部材 26 回転軸 27 ノックシリンダ 30 フラットコイル巻き上げ部 31 巻き上げ用モータ 32 回転軸 33 スピンドル位置決め手段 34 スピンドル支持部材 35 スピンドル位置決め溝 36 スピンドル挿入孔 40 加熱部 41 加熱炉 50 冷却部 51 取外治具 52 テーパー孔 60 移送手段 61 ロータリーアクチュエータ 62 エアシリンダ 63 チャッキングハンド 64 スピンドル保持部 65 回転軸 70 切断軸 71 つまみ部 72 切断内軸 73 切欠き溝 74 受け溝 75 巻線案内面 80 フラットコイル巻軸 81 コイル巻きつけ部 82 切欠き溝 83 切断内軸挿入孔 84 巻線案内面 85 チャッキングハンド当たり部 86 位置規制つば 87 回転軸挿入孔 88 フラットコイル巻き上げ部 89 スピンドル 90 フラットコイル 91 平角線 92,93 導体露出部 95 プリント基板 96 配線パターン 97 非半田付け部 221 剥離刃 222 剥離刃部 223 非鋭利部 231 溝 841 スピンドルつば部 842 テーパー面 911 導体 912 絶縁層 913 接着剤層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 3/32 H02K 3/04 H02K 15/04 H01R 4/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面が扁平な角形の導体の表面に電気絶
    縁材料からなる絶縁層と接着剤からなる接着層を設けた
    平角線を巻回し、接着層と絶縁層を剥離して導体を露出
    させた導体露出部を巻始め部と巻き終り部に設けたフラ
    ットコイルにおいて、 前記導体露出部が、平角線の断面の一辺の一端から他端
    に向けて設けられるとともに、該一辺の他端部側に前記
    絶縁層を残して形成されていることを特徴とするフラッ
    トコイル。
  2. 【請求項2】 モータの回転軸に取り付けられたスピン
    ドルを回転させて該スピンドルに平角線を巻きつけて
    求項1に記載されたフラットコイルを製造するフラット
    コイルの製造方法において、平角線の一辺の他端部側に絶縁層を残して一端から他端
    に向かう導体露出部を設ける工程と、 スピンドルに平角線を巻きつける巻きつけ工程と、 該巻きつけ工程と離れた場所で行われるスピンドルに巻
    きつけた平角線を加熱する加熱工程と、 スピンドルを冷却する冷却工程と、 スピンドルからフラットコイルを取り出すフラットコイ
    ル取出工程とを有することを特徴とするフラットコイル
    製造方法。
  3. 【請求項3】 スピンドルが巻き上げ用モータの回転軸
    に着脱可能に構成され、巻きつけ工程ではスピンドルが
    該回転軸に取り付けられ、加熱工程ではスピンドルが回
    転軸から取りはずされるとともに、複数のスピンドルを
    用い、巻き上げ工程および加熱工程および冷却工程がそ
    れぞれ時間的に重なって実行されることを特徴とする請
    求項2記載のフラットコイルの製造方法。
  4. 【請求項4】 平角線供給手段と、平角線の絶縁材料を
    平角線の一辺の一端から他端に向けて他端部側に絶縁層
    を残して剥離して導体露出部を設ける剥離手段と、平角
    線を切断する切断手段と、平角線を巻きつけるスピンド
    ルを回転駆動するモータと、平角線を加熱する加熱手段
    を有する請求項1に記載されたフラットコイルの製造装
    置において、前記 加熱手段をスピンドルに平角線を巻きつける平角線
    巻きつけ位置から離れた場所に配置し、 スピンドルを平角線巻きつけ位置から加熱手段へ移動さ
    せる移動手段を有するとともに、 スピンドルを、平角線の巻き初め部を挾む切欠き溝と切
    断内軸とを有する切断軸と、平角線の巻き初め部を挾む
    切欠き溝と切断軸の切断内軸が挿入される切断内軸挿入
    孔と、回転軸挿入孔とを有するフラットコイル巻軸とか
    ら構成したことを特徴とするフラットコイルの製造装
    置。
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