JP2827435B2 - 平角エナメル線の絶縁被膜剥離方法とその装置 - Google Patents

平角エナメル線の絶縁被膜剥離方法とその装置

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JP2827435B2 JP10183090A JP10183090A JP2827435B2 JP 2827435 B2 JP2827435 B2 JP 2827435B2 JP 10183090 A JP10183090 A JP 10183090A JP 10183090 A JP10183090 A JP 10183090A JP 2827435 B2 JP2827435 B2 JP 2827435B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、モータのステータコイル及びロータリトラ
ンス等のコイル,例えばタップレスコイルを構成する平
角エナメル線の電極として、他の導電部分と結合するた
めに、この平角エナメル線の面の絶縁被膜を剥離するの
に好適な方法とその装置に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、滑車に架張された平角エナメル線の面に回
転砥石を接触させ、この回転砥石の回転運動によって、
前記平角エナメル線の絶縁被膜を剥離するようにした事
により、平角エナメル線を用いたタップレスコイル等の
コイルの電極を形成するのに特に好適な絶縁被膜剥離方
法とその装置を提供する。
〔従来の技術〕
一般に、円形断面のエナメル線51は、第6図に示すよ
うに、導線52の外周に例えばポリウレタン樹脂やポリエ
ステル樹脂からなる絶縁被膜53が被覆されていて、更に
この絶縁被膜53の外周に例えばポリビニールブチラール
樹脂からなる融着被膜54が被覆されている。以下、絶縁
被膜53には、絶縁被膜53のみの場合と、絶縁被膜53に融
着被膜54が被覆されたものとを含む場合とがあるものと
する。
このような絶縁被膜53を有する導線52からなるエナメ
ル線51を、第7図に示すように、整列巻線し、互いに融
着、密接させてコイル55を形成する。このコイル55の巻
き始めと巻き終りの一部の絶縁被膜53を適当な長さl3
l4だけ剥離し、巻き始めと巻き終りの電極55a、55bとな
し、所謂タップレスコイルと称されるコイル55を形成す
る。このようなタップレスコイル55に関し、本発明の出
願人は、先に、特開昭56−49641号として出願した。こ
れにより、従来よりあるリード線を省略して、第8図に
示すように、タップレスコイル55の巻き始めと巻き終り
の電極55a、55bをプリント基板56の回路パターン57、58
に半田付けする事により、電気的及び機械的にタップレ
スコイル55をプリント基板56にマウント、固定する事が
可能となった。
その他、一般に、第9図に示すように、通常のコイル
61のリード線61aを、他の導電部分と結合して導通を得
る為に、このコイル61のリード線61aの絶縁被膜53(エ
ナメル線51の絶縁被膜53は第6図に図示)を剥離すると
共に半田コーティングを行う半田ディップ方法が提案さ
れている。この半田ディップ方法は、図面に示すよう
に、半田槽62内の溶融半田の中にコイル61のリード線61
aを浸漬して、このリード線61aの絶縁被膜53を溶融、剥
離し、半田コーティングを行っていた。
この半田ディップ方法は、リード線61aを有するコイ
ル61の、特にリード線61aの先端部の絶縁被膜53を剥離
するのに有効で、本発明のようなタップレスコイル55
の、その途中に巻き始めと巻き終りの電極55a、55bを形
成するのには不向きであり、その上、半田コーティング
された部分と絶縁被膜53の未剥離部との境界部に剥離さ
れた絶縁被膜53の溶融カスが付着して、タップレスコイ
ル55をプリント基板56にマウント、固定する時の邪魔に
なる欠点があった。
従来、タップレスコイル55を形成するのに、その巻線
を行う前と後に、このタップレスコイル55のエナメル線
51の巻き始めと巻き終りの一部の絶縁被膜53を適当な長
さl3とl4だけ剥離しておいて、巻き始めと巻き終りの電
極55a、55bとなした。そして、これらの電極55a、55bを
形成するための従来の絶縁被膜53の剥離方法として、第
10図及び第11図に示すような機械的剥離方法及びレーザ
光の熱を利用した絶縁被膜剥離方法が知られている。
従来の機械的絶縁被膜剥離方法では、第10図に示すよ
うに、移動中のエナメル線51の絶縁被膜53に3本のカッ
タ63を食い込ませ、これらのカッタ63を回転させなが
ら、エナメル線51の絶縁被膜53を剥離してした。
この機械的絶縁被膜53の剥離方法では、カッタ63を回
転させる必要があり、円形でない平角エナメル線の絶縁
被膜の剥離には不向きであった。その上、カッタ63の機
構が複雑であるばかりでなく、調整も複雑であるという
問題点があった。しかも、カッタ63の寿命も限られてい
た。更には、線径が0.1mm以下の細いエナメル線の場合
には、導線52を傷付けることなく絶縁被膜53のみを剥離
する事は非常に困難であり、断線を起こす原因ともなっ
た。
従来のレーザ光の熱を利用した絶縁被膜53の剥離方法
は、第11図に示すように、移動中のエナメル線51に、レ
ーザ装置64によりレーザ光65を照射させ、そのエネルギ
ーによって、エナメル線51の絶縁被膜53を燃焼、剥離し
てした。
所が、このレーザ光の熱を利用したエナメル線51が絶
縁被膜53の剥離方法では、導線52を燃焼させずに、絶縁
被膜53のみを燃焼させる事は、非常に困難な事であっ
て、しかも、レーザ光のコントロールが非常に難しいと
いう問題点があった。その上、絶縁被膜53の剥離された
導線52部分と絶縁被膜53の未剥離部との境界部に剥離さ
れた絶縁被膜53の燃焼カスが付着して、タップレスコイ
ル55をプリント基板56にマウント、固定する時の邪魔に
なる欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、このような前述の従来の問題点及び欠点を
解消するためになされたものであって、平角エナメル線
からなるタップレスコイル等のコイルの電極を形成する
のに特に好適で、且つ溶融カスや燃焼カスが付着しない
ため、タップレスコイル等のコイルを例えばプリント基
板にマウント、固定する時に、安定に固定する事が可能
な平角エナメル線の絶縁被膜剥離方法とその装置を提供
する事を課題としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、タップレスコイル等のコイルを構成する平
角エナメル線の絶縁被膜剥離方法とその装置に関してで
あり、その絶縁被膜剥離方法としては、滑車、例えば2
個の滑車間に適正なテンションで架張された平角エナメ
ル線の面に、この平角エナメル線が僅かに撓むように回
転砥石を接触させ、この回転砥石の回転運動、及び必要
に応じてその軸方向の往復運動により、前記平角エナメ
ル線の絶縁被膜を剥離するようにしたものであり、更
に、その絶縁被膜剥離装置としては、適正なテンション
で架張された平角エナメル線を支持する滑車、例えば2
個の滑車と、これらの例えば2個の滑車の間に架張され
た平角エナメル線の面に、この平角エナメル線が僅かに
撓むように接触させた回転砥石とを備え、この回転砥石
の回転運動、及び必要に応じてその軸方向の往復運動に
より、前記平角エナメル線の絶縁被膜を剥離するように
した事を特徴とする。
〔作用〕 このように本発明の平角エナメル線の絶縁被膜剥離方
法とその装置では、滑車、例えば2個の滑車の間に架張
された平角エナメル線の面に回転砥石を接触させ、この
回転砥石の回転運動によって、前記平角エナメル線の絶
縁被膜を剥離するようにした事により、特に平角エナメ
ル線を用いたタップレスコイル等のコイルの電極を形成
するのに好適で、且つ溶融カスや燃焼カスが付着しない
ので、タップレスコイル等のコイルを例えばプリント基
板にマウント、固定する時に、安定に固定する事が可能
な平角エナメル線の絶縁被膜剥離方法とその装置を提供
する。
〔実施例〕
以下、第1図乃至第5図を参照しながら本発明の平角
エナメル線の絶縁被膜剥離方法とその装置を説明する。
まず、第5図(A)乃至(D)を使い平角エナメル線
31について説明する。最近、電子機器の小型、高性能化
の要求が年々強まり、導線(導体部分)の占積率が円形
断面のエナメル線より向上する平角エナメル線に注目が
集まっている。
このような平角エナメル線31には、同図(A)に示す
ようなスケアワイヤ、同図(B)及び(C)に示すよう
なフラットワイヤ、及び同図(D)に示すような極薄フ
ラットワイヤ等がある。同図(D)は2本の極薄フラッ
トワイヤを並列に接着したもので、導線32の厚さtを例
えば略20μmと極薄にする事が可能であると共に、厚さ
t対幅Hの比を例えば1:70までの超偏平にする事が可能
となっている。いずれの平角エナメル線31も、導線32の
外周に絶縁被膜33が被覆されてなり、更に、同図(C)
に示すように、絶縁被膜33の外周に融着被膜34が被覆さ
れてなるものもある。以下、絶縁被膜33には、絶縁被膜
33のみの場合と、絶縁被膜33に融着被膜34が被覆された
ものとを含む場合とがあるものとする。
次に、第1図に戻り、本発明の平角エナメル線31の絶
縁被膜剥離方法とその装置を説明する。
図面において、1は回転砥石、2はこの回転砥石1を
回転させる第1のモータ、3a、3bは滑車、例えば2個の
滑車であり、これらの例えば2個の滑車の内、3aは可動
滑車、そして3bは固定滑車である。例えば2個の滑車、
即ち可動、固定滑車3a、3bは、1個でも複数個でもよ
く、特に2個に限定されるものでない。また、1個が滑
車で、そして他が単なる回転しないガイドの場合もあり
得る。これらの可動、固定滑車3a、3bの間には、適正な
テンションで平角エナメル線31(平角エナメル線31は第
5図参照)が架張されている。この平角エナメル線31
加えられるテンションは、図示していないテンション供
給手段により、適正に加えられている。
4は偏心カムを示し、5はこの偏心カム4を駆動する
第2のモータである。回転砥石1は、第2のモータ5に
より駆動される偏心カム4によって、その軸方向(前後
方向)に往復運動する。6は回転ローラを示し、この回
転ローラ6は、偏心カム4と接触しこの偏心カム4の回
転により、回転砥石1をその軸方向に往復運動させる時
に回転し、回転砥石1をその軸方向に往復運動させる時
の支えとなるローラである。そして、7は引張バネを示
す。この引張バネ7は、第2のモータ5により駆動され
る偏心カム4により回転砥石1をその軸方向に往復運動
させた時に、この回転砥石1を、その後方側(平角エナ
メル線31が架張された側の逆側、即ち第1のモータ2
側)に戻す力を与える。
更に、8、9、10は第1乃至第3のエアシリンダを示
す。第1のエアシリンダ8は、可動、固定滑車3a、3bの
間に架張された平角エナメル線31に、回転砥石1をその
軸方向よりセットするために、回転砥石1を含む第1及
び第2のモータ2、5等を、この回転砥石1の軸方向に
前後動させるためのものである。
第2のエアシリンダ9は、可動滑車3aを上下動させる
事により,可動、固定滑車3a、3bの間に架張された平角
エナメル線31を上下動させるためのものであり、(次に
述べる第3のエアシリンダ10により下方から上方に、又
は上方から下方に移動する回転砥石1の上下動と共
に、)平角エナメル線31に僅かな撓みを与え、この平角
エナメル線31に回転砥石1を接触させるためのものであ
る。
第3のエアシリンダ10は、可動、固定滑車3a、3bの間
に架張された平角エナメル線31に、回転砥石1を上下動
させてセットするめのものであり、回転砥石1をその下
方から上方に、又は上方から下方に(第1図の例では下
方から上方に)セットする。そして、平角エナメル線31
に回転砥石1を接触させ、この回転砥石1の回転により
平角エナメル線31の絶縁被膜33を剥離する。そのため
に、この第3のエアシリンダ10は、回転砥石1を含む第
1及び第2のモータ2、5、及び第1のエアシリンダ8
等を載置したサブ基台11を、その上下方向に移動させ
る。12は基台であり、この基台12には第2のエアシリン
ダ9やサブ基台11を載置した第3のエアシリンダ10等の
略装置全体が載置、固定されている。尚、13は後述する
巻線機の巻枠、14は平角エナメル線31の先端部31aのク
ランパを示す。
本発明の平角エナメル線31の絶縁被膜33の剥離方法
は、滑車、即ち可動、固定滑車3a、3bの間に適正なテン
ションで架張された平角エナメル線31の面に、この平角
エナメル線31が僅かに撓むように回転砥石1を接触さ
せ、この回転砥石1の回転運動、及び必要に応じてその
軸方向の往復運動により、平角エナメル線31の絶縁被膜
33を剥離するようにした事を特徴とする剥離方法であ
る。
32aは平角エナメル線31の裏面、即ち下面側の絶縁被
膜33を適当な長さl1だけ剥離した後の導線を示す。尚、
表面、即ち上面側の絶縁被膜33を適当な長さl2だけ剥離
した後の導線は、この図面には図示していないが32bと
する。それに、必要に応じて回転砥石1を、第2のモー
タ5により駆動される偏心カム4により、その軸方向に
往復運動させる事によって、より強力に平角エナメル線
31の絶縁被膜33の剥離をする事が可能となる。
更に、本発明の平角エナメル線31の絶縁被膜33の剥離
装置は、適正なテンショウで架張された平角エナメル線
31を支持する滑車、即ち可動、固定滑車3a、3bと、これ
らの可動、固定滑車3a、3bの間に架張された平角エナメ
ル線31の面に、この平角エナメル線11が僅かに撓むよう
に接触させた回転砥石1を備え、そして、この回転砥石
1の回転運動、及び必要に応じてその軸方向の往復運動
により、前記平角エナメル線31の絶縁被膜33を剥離する
ようにした事を特徴とする剥離装置である。
このような方法及び装置で、絶縁被膜33を剥離した平
角エナメル線31を密着、融着させて、第2図に示すよう
なタップレスコイル21等のコイルを形成する。平角エナ
メル線31によるタップレスコイル21等のコイルは、平角
エナメル線31の特に正確なトラバス(巻線機の送り)を
行わなくても、例えば単に巻線機の回転のみで簡単に整
列巻線とする事が可能である。このようにして巻線され
たタップレスコイル21等のコイルの巻き始めと巻き終り
の一部の絶縁被膜23を適当な長さl1及びl2だけ剥離した
導線32a及び32bの部分を、第2図に示すように、巻き始
めと巻き終りの電極21a、21bとする。
このように巻き始めと巻き終りの電極21a、21bが形成
されたタップレスコイル21等のコイルを、第3図に示す
ように、例えばプリント基板22の回路パターン23、24
に、斜めより、即ち巻き始め、巻き終りの電極21a、21b
と回転パターン23、24の間より半田付けする事により、
電気的及び機械的にタップレスコイル21等のコイルを例
えばプリント基板22にマウント、固定する事が出来る。
次に、第4図(A)乃至(H)を使い本発明の絶縁被
膜剥離方法とその装置を工程順に従って、更に詳しく説
明するが、その前にまず、第1図に部分的に図示した巻
線機の回転先端部13aには、巻枠13が設けられていて、
この巻枠13に一部接するようにして、平角エナメル線31
はその先端部31aがクランパ14に固着されている。溝15
が、巻枠13の略外周面から始まり、巻線機の回転先端部
13aの外周部のクランパ14の略中央部に、その外面まで
延びるように設けられている。平角エナメル線31の先端
部31aは、この溝15に挿入されてクランパ14に固着され
ている。従って、平角エナメル線31の先端部31aは巻枠1
3の外周面に突出していないため、巻線機により平角エ
ナメル線31を巻線する時のその回転軌跡から、平角エナ
メル線31の先端部31aは逃げているので、この先端部31a
が巻線を行う時の邪魔にならない。
平角エナメル線31の裏面側の絶縁被膜33を適当な長さ
l1だけ剥離した後の導線32aは、第2図に図示した巻き
始めの電極21aとなるものであるが、第1図に示したよ
うに、巻枠14のから少し離れた平角エナメル線31の先端
部31aでない途中の部分に形成されている点に特徴があ
り、巻線する事により、タップレスコイル21等のコイル
は、その内側に、即ち巻枠13側に巻き始めの電極21aが
来るように絶縁被膜33を剥離する。
第4図(A)乃至(H)において、まず、同図(A)
に示すように、平角エナメル線31は、可動、固定滑車3
a、3bの間に架張されている。可動滑車3aは、第2のエ
アシリンダ9により上下方向に移動する事が可能で、回
転砥石1を避けるように、可動滑車3aの移動と共に、こ
の下面に架張された平角エナメル線31を下方から上方側
に移動させる事が出来る。同図(B)に示すように、第
1のエアシリンダ8により、回転砥石1は、その軸方向
の前方側に移動される。同図(C)に示すように、第3
のエアシリンダ10により、回転砥石1は、平角エナメル
31の裏面側に移動し、その裏面と接触し、回転砥石1
及び可動滑車3aにより平角エナメル線31が僅かに撓むよ
うに撓みが与えられる。この平角エナメル線31には、別
途図示していないテンション供給手段により適正なテン
ションが与えられる。回転砥石1は第1のモータ2の回
転により回転し、更に、必要に応じて第2のモータ5の
回転による駆動される偏心カム4によって軸方向の往復
運動が加わり、架張された平角エナメル線31の裏面側
で、回転砥石1の回転運動、及び必要に応じてその軸方
向の往復運動により、同図(D)に示すような平角エナ
メル線31の絶縁被膜33を適当な長さl1だけ剥離し、その
剥離した後の導線32aを形成する。この導線32aは前述の
ように巻き始めの電極21aとなる。この絶縁被膜33の剥
離は、前述の回転砥石1の回転運動、及び必要に応じて
軸方向の往復運動に加え、可動、固定滑車3a、3bの間に
架張された平角エナメル線31を長手方向に動かす事によ
り、より長い適当な長さl1にする事が可能である。但
し、長手方向に動かさなくても長さは短くなるが、剥離
は可能である事はいうまでもない。同図(D)に示した
ように、第1のエアシリンダ8により、回転砥石1を軸
方向の後方側に戻される。
次に、平角エナメル線31を巻線機の巻枠13に巻回する
事により所定の巻回数巻線してタップレスコイル21等の
コイルにするのであるが、可動、固定滑車3a、3bは、こ
の巻線機の巻枠13に平角エナメル線31が移動する際に回
転して、平角エナメル線31を無理なく巻線機の巻枠13に
送る事を可能にしている。所定の巻回数の巻線が完了す
る直前で巻線機の回転を止め、今度は平角エナメル線31
の表面側の絶縁被膜33を適当な長さl2だけ剥離し、導線
32bを形成する。導線32bは第2図に示した巻き終りの電
極21bとなる。
即ち、第4図(E)に示すように、可動、固定滑車3
a、3bの間に平角エナメル線31が架張されており、可動
滑車3aは、第2のエアシリンダ9により上下方向に移動
する事が可能で、可動滑車3aの移動と共に、その下方に
架張された平角エナメル線31を上方から下方側に移動さ
せる事が可能である。同図(F)に示すように、第1の
エアシリンダ8により、回転砥石1は、その軸方向の前
方側に移動される。同図(G)に示すように、第3のエ
アシリンダ10により、回転砥石1は、平角エナメル線31
の表面側に移動、その表面と接触し、回転砥石1及び可
動滑車3a(そして加えるに固定滑車3bと)により平角エ
ナメル線31が僅かに撓むように撓みが与えられる。この
平角エナメル線31には、別途適正なテンションが与えら
れる点は前述と同様である。回転砥石1は第1のモータ
2の回転により回転し、更に必要に応じて第2のモータ
5の回転により駆動される偏心カム4によって軸方向の
往復運動が加わり、架張された平角エナメル線31の表面
側で、回転砥石1の回転運動、及び必要に応じてその軸
方向の往復運動により、絶縁被膜33を剥離する。即ち、
同図(H)に示すように、平角エナメル線31の絶縁被膜
33を、適当な長さl2だけ剥離し、剥離した後の導線32b
を形成する。導線32bは前述したように巻き終りの電極2
1bとなる。
その後、更に巻線機を少し回転させて、平角エナメル
31を所定の巻回数だけ巻回して、タップレスコイル21
等のコイルを完成させ、この完成したタップレスコイル
21等のコイルを第1図に示した巻枠13より取り外すので
あるが、まず、この平角エナメル線31の巻枠13への進入
側の前方に設けた図示していない他のクランパによって
平角エナメル線31を固着する。そして、この他のクラン
パと巻枠13との間で、平角エナメル線31を、図示してい
ない線材カッタにより切断する。そして、この巻枠13の
外周に位置する巻線機の回転先端部13aのみを(巻枠13
は固定したまま)前方の移動させる事により、タップレ
スコイル21等のコイルを巻枠13より取り外す。後続の絶
縁被膜33を剥離した導線32aが形成された平角エナメル
31の先端部31aは、他のクランパと共に前記巻枠13に
一部接するようにして、前記クランパ14に固着される。
以上の工程により、第2図に示したようなタップレス
コイル21等のコイルが完成する。このタップレスコイル
21等のコイルは、第3図に示したように、プリント基板
22等の回路パターン23、24に例えば半田付けする事によ
り、マウント、固定される。
〔発明の効果〕
本発明の平角エナメル線の絶縁被膜剥離方法とその装
置は、以上説明したように、滑車に架張された平角エナ
メル線の面に回転砥石を接触させ、この回転砥石の回転
運動により、前記平角エナメル線の絶縁被膜を剥離する
ようにした事によって、次のような効果がある。
イ)特に平角エナメル線を用いたタップレスコイル等の
コイルの電極を形成するのに好適である。
ロ)溶融カスや燃焼カスが付着しないので、これらの溶
融カスや燃焼カスに邪魔される事なく、例えばプリント
基板にタップレスコイル等のコイルを安定な状態でマウ
ント、固定する事が可能である。
ハ)迅速且つムラなく平角エナメル線の絶縁被膜を剥離
する事が出来る。
ニ)導線部を損傷が少ないので、断線事故を防止する事
ができ、導線部への影響を少なくする事が可能である。
ホ)装置の構成が簡単である。
ヘ)市販の回転工具用の砥石を利用出来るので、砥石の
入手が容易である。
ト)仕様の異なる平角エナメル線への対応が、単に平角
エナメル線の撓み量及び回転砥石の回転数の調整のみで
容易に行える。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の絶縁被膜剥離方法とその装置を説明す
る斜視図である。第2図は本発明の方法とその装置によ
り絶縁被膜を剥離したタップレスコイルの斜視図であ
る。第3図は第2図のタップレスコイルをプリント基板
に固定する様子を示す斜視図である。第4図(A)乃至
(H)は本発明の方法とその装置を工程順に説明した部
分拡大斜視図である。第5図(A)乃至(D)は平角エ
ナメル線の断面図であり、同図(A)はスケアワイヤ、
同図(B)は絶縁被膜が被覆されたフラットワイヤ、同
図(C)は絶縁被膜と融着被膜が被覆されたフラットワ
イヤ、及び同図(D)は極薄フラットワイヤを示す。 第6図は円形断面のエナメル線の斜視図である。第7図
はタップレスコイルの斜視図である。第8図は第7図の
タップレスコイルをプリント基板に固定する様子を示す
斜視図である。第9図は従来の半田ディップ方法を説明
する斜視図である。第10図は従来の機械的絶縁被膜剥離
方法を説明する斜視図である。第11図は従来のレーザ光
の熱を利用した絶縁被膜剥離方法を説明する斜視図であ
る。 1……回転砥石 2……第1のモータ 3a、3b……可動、固定滑車 4……偏心カム 5……第2のモータ 6……回転ローラ 7……引張バネ 8、9、10……エアシリンダ 11……サブ基台 12……基台 13……巻枠 13a……巻線機の回転先端部 14……クランパ 15……溝 21……タップレスコイル 21a、21b……巻き始め、巻き終りの電極 22……プリント基板 23、24……回路パターン31 ……平角エナメル線 31a……平角エナメル線の先端部 32……導線 32a、32b……絶縁被膜剥離後の導線 33……絶縁被膜 34……融着被膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】滑車に適正なテンションで架張された平角
    エナメル線の面に、該平角エナメル線が僅かに撓むよう
    に回転砥石を接触させ、該回転砥石の回転運動により、
    前記平角エナメル線の絶縁被膜を剥離するようにした事
    を特徴とする平角エナメル線の絶縁被膜剥離方法。
  2. 【請求項2】適正なテンションで架張された平角エナメ
    ル線を支持する滑車と、該滑車に架張された平角エナメ
    ル線の面に、該平角エナメル線が僅かに撓むように接触
    させた回転砥石とを備え、 該回転砥石の回転運動により、前記平角エナメル線の絶
    縁被膜を剥離するようにした事を特徴とする平角エナメ
    ル線の絶縁被膜剥離装置。
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