JP2932087B2 - 静電荷像現像剤組成物 - Google Patents

静電荷像現像剤組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおけ
る静電荷像を現像する為の現像剤組成物に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
電子写真等による静電荷像の現像において、良好な画
質の可視画像を形成させるには、トナーが高い流動性を
有することが必要であり、従来から一般に、二酸化ケイ
素(シリカ)の微粉末を表面処理剤としてトナー粉末に
添加混合することが行なわれている。
しかしながら、シリカの微粉末は、そのままでは親水
性であるため、高温高湿下では空気中の水分を吸収し、
トナーの流動性の低下や凝集を起こすことが知られてい
る。このため、疎水化処理を施したシリカの微粉末を用
いることが提案されており(特開昭46−5782号、特開昭
48−47345号公報参照)、例えば、親水性シリカにジメ
チルジクロロシランを反応させることにより、シランの
メチル基をシリカに結合せしめたジメチル置換体等が知
られている(R−972:日本アエロジル社製)。
しかしながら、これらのシリカの微粉末は、一応疎水
化されているとはいうものの、疎水化の程度が十分とは
言えず、高温高湿時においては凝集性が認められ、トナ
ーの流動性が低下することが指摘されるようになり、疎
水化の程度が問題とされてきた。
即ち、例えば、R−972の場合においては、親水性シ
リカのシラノール基が疎水化される割合は70〜80%にす
ぎず、残りの20〜30%のシラノール基は置換されずにそ
のまま残っているため、疎水化度は40にすぎないもので
あった。
従って、この程度の疎水性シリカの微粉末を用いたの
では、トナーが長期間に亘って良好な画質の多数の可視
画像を安定に形成することは困難であることが指摘され
てきた。
近年、かかる問題点を解消するものとして、特定の有
機基を有する有機ケイ素化合物によって疎水化処理され
ることにより得られた、疎水性指数(即ち、疎水化度)
が50以上、望ましくは65以上の疎水性シリカの微粉末を
トナー粉末に対して0.01〜15重量%添加混合した場合、
長期間に亘って多数の可視画像を形成する上で良好な画
質の可視画像を安定に形成できることや(特開昭59−81
650号公報)、また、同様に疎水化度が30〜80の範囲の
値を示すように疎水化処理された疎水性シリカ微粉末を
0.01〜20重量%含有させる提案がなされている(特開昭
59−231552号公報)。
これらの疎水化処理は、従来公知の疎水化方法が用い
られ、シリカ微粉末と反応あるいは物理吸着する有機ケ
イ素化合物などで化学的に処理することによってなされ
ている。一般的には、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸
化により生成されたシリカ微粉体をシランカップリング
剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理
すると同時に有機ケイ素化合物で処理する方法が用いら
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来疎水化度の高い疎水性シリカとし
て知られているものは、疎水化度がせいぜい80未満であ
り、前記公報(特開昭59−231552号公報)に現に記載さ
れているものも疎水化度が74までのものである。
特開昭59−81650号公報には、疎水化度の高いものと
しては、>65と記載されているが、上限が明らかでな
く、該公報で開示される疎水化度の高さは不明である。
これらのせいぜい80未満程度の範囲の疎水化度を有する
疎水性シリカは、疎水化度が40〜42である従来のジメチ
ル置換体等と比較して、帯電保持性や流動性の向上は確
かに認められるものの、高温高湿下では、なお不充分で
あり、帯電保持性や流動性の低下、ひいては良好な画質
の可視画像の安定な形成において障害となっていた。
疎水化されたシリカは、その疎水化の程度が不十分で
未反応のシラノール基が多く残存する場合、あるいはシ
ラノール基と反応した置換基が全体として小さな原子団
であるために他の未反応シラノール基とトナー粒子の結
着樹脂中のカルボキシル基と環境中の水分とによって安
定な水素結合が形成されるようになり、その結果として
高温高湿下では前記種々の障害が生じる。
従って、疎水化の程度が充分か否かは結着樹脂がどの
程度の親水基を持っているかにより左右されるものでも
ある。
トナー用の結着樹脂としては、一般にポリスチレン、
スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・アクリル共
重合体等のスチレン系共重合体、ポリエチレン、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリアミド樹脂等の種々の樹脂が用いられて
いる。これらの樹脂の内、通常のスチレン・アクリルの
ようにそれ自体疎水性の高いものについては、疎水性シ
リカの疎水化度はそれ程高いものまでは要求されないで
あろうが、なかでも特にポリエステル樹脂は、アルコー
ルとカルボン酸との縮重合によって得られるものであ
り、該樹脂中に親水基であるカルボキシル基が多く含ま
れているため、それが水分子と水素結合することにより
トナーの帯電保持性、流動性を低下させる原因となって
おり、従来の疎水化度では不充分であることが指摘され
ていた。
ポリエステル樹脂にも種々のタイプが知られている
が、ポリエステル樹脂の荷電性と酸価との関係はほぼ比
例関係にあり、酸価が高くなれば、樹脂の負の荷電性も
大きくなることが知られており、そのような樹脂では荷
電制御剤を使用しなくても充分な負の荷電性を有してい
る。
しかし、このような樹脂を正の荷電性をもったトナー
用結着樹脂に用いようとすれば、樹脂そのものの負の荷
電性の強さのために、正の荷電性を付与するためには多
量の正の荷電制御剤を配合しなければならない等の対策
が必要となる。一般に正の荷電制御剤としてはニグロシ
ン染料等が知られているが、多量に用いた場合トナーの
主成分を構成する結着樹脂との相溶性が悪く、トナー粒
子が現像器内で長時間混合されると、粒子の破壊が起こ
り、単にニグロシン等が分散されている場合にはニグロ
シン等を含まない逆(負)極性の粒子が生成し、画像信
号の無い所にもトナーが付着するいわゆる地カブリ現象
が発生する。また、多量のニグロシン染料等を用いる
と、親水性を有するため環境の湿度により帯電量が変化
し、画質が低下する。またニグロシン系の染料は一般に
着色が強く、カラートナーに不適合である等の欠点があ
る。
このような観点から、酸価を50KOH mg/g以下に抑えた
中性に近い荷電性を有するポリエステル樹脂を結着樹脂
とする現像剤組成物が開発されており、この場合、少量
の荷電制御剤やキャリアの選択により容易に正・負どち
らの荷電性にでも使用できることが知られている(特開
昭63−148271号、特開昭63−163469号公報参照)。
しかしながら、このような正・負どちらの荷電性にも
設計できるポリエステル樹脂であっても、従来の疎水化
度の低い疎水性シリカを用いた場合、トナーの帯電保持
性、流動性の低下の原因となることが指摘されていた。
また、従来の疎水性シリカでは、前記の如くトナー粒
子の流動性の確保等のために疎水性シリカの添加量を多
くする必要があった。例えば、従来疎水化度が高いとさ
れているもので疎水性指数が50以上のものである前記公
報(特開昭59−81650号公報)では、0.01〜15重量%、3
0〜80の範囲の値を示す様に疎水化処理された前記公報
(特開昭59−231552号公報)では、0.01〜20%添加する
ことが記載されている。
しかし、シリカの添加量が多くなると、遊離したシリ
カが感光体表面を傷つけ、またシリカを核としてブラッ
クスポットが発生するという問題が指摘されていた。こ
こで、ブラックスポットとは感光体へのフィルミングの
一種で、可視画像上に黒斑点として現れるものである。
これは、疎水性シリカの粒子は相当に硬いものであるた
め、感光体がセレン−テルル系物質、有機感光体のよう
に比較的硬度の小さいものである場合に顕著であり、更
に、比較的硬いとされているが機械的衝撃に対して脆い
セレン−ヒ素系物質よりなる場合にも同様の問題が生じ
ていた。
従って、シリカの添加量は出来るだけ微量であること
が望ましく、そのような微量の添加によりトナーの帯電
保持性、流動性が向上するような疎水性シリカを用いる
ことが望ましい。
一方、シリカの疎水化処理は、前記の如く従来、約40
0℃に加熱された反応器の中でケイ素ハロゲン化合物の
蒸気相酸化により行なわれており、例えば四塩化ケイ素
ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用する方
法で、次のような反応が行なわれていた。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl ところが、反応中に生じる塩化水素の除去は一般に容
易でないため、得られた疎水性シリカのpHは約3〜4と
低くなり、トナー設備における疎水性シリカ用タンクの
内壁に、長期使用中に「さび」が発生する等の問題点も
指摘されていた。
即ち、従来から得られていた疎水性シリカには、疎水
化度の程度の適否の問題や、添加量の問題に加えて、疎
水化度を上げるための処理に伴って生ずる塩化水素に起
因した、疎水性シリカ微粉末の酸性化に対する対策も急
務とされていた。
本発明の目的は、まさにこの点にあり、かかる種々の
課題を解消するものとして、特にポリエステル樹脂をト
ナーの結着樹脂とする現像剤において、トナーの帯電保
持性、流動性の低下を認めない、長期間に亘って多数の
可視画像を形成する場合にも良好な画質の可視画像を安
定に形成し、ブラックスポットの発生も認めない静電荷
像現像剤組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前記課題を解決することを目的として
種々の研究を重ねてきたところ、疎水化度が80以上の値
となるように疎水化処理された疎水性シリカ微粉末を用
いることにより、トナーの帯電保持性、流動性の低下を
認めない等、優れた可視画像を形成することができるこ
とを見い出し、さらに研究を重ねて本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、 (1) 3価以上の多官能化合物の少なくとも1種を構
成単位として有する、酸価5KOH mg/g以下、水酸基価60K
OH mg/g以下のポリエステル樹脂を結着樹脂の主成分と
して用いた静電荷像現像剤組成物において、トナー100
重量部に対し、メタノール滴定試験による疎水化度が80
以上の疎水性シリカ(但し、窒素含有物質により処理さ
れたものを除く)を0.01〜1.5重量部含有することを特
徴とする静電荷像現像剤組成物、 (2) 3価以上の多官能化合物の少なくとも1種を構
成単位として有する、酸価5KOH mg/g以下、水酸基価60K
OH mg/g以下のポリエステル樹脂を結着樹脂の主成分と
して用いた静電荷像現像剤組成物において、トナー100
重量部に対し、水・メタノール(1:1)溶液に疎水性シ
リカを4重量%分散させたときのpHが5.5〜8である疎
水性シリカ(但し、窒素含有物質により処理されたもの
を除く)を0.01〜1.5重量部含有することを特徴とする
静電荷像現像剤組成物、 (3) 前記(1)又は(2)記載のポリエステル樹脂
が、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物であ
るジオール成分と、式(I) (式中、nは3又は4であり、Rは炭素数1〜18のアル
キル基、アルケニル基又はアリール基である。) で示される化合物とを必須の構成単位とするものである
静電荷像現像剤組成物、 (4) 前記式(I)で表される化合物の配合割合が酸
成分の構成単位中2〜50モル%である静電荷像現像組成
物、及び (5) 前記(1)又は(2)記載のポリエステル樹脂
の高化式フローテスターによる軟化温度が、90〜150
℃、流出開始温度と軟化温度との温度差が、15〜50℃で
ある静電荷像現像剤組成物に関するものである。
本発明の静電荷像現像剤組成物における結着樹脂は、
3価以上の多官能化合物の少なくとも1種を構成単位と
して有する、酸価50KOH mg/g以下、水酸基価60KOH mg/g
以下のポリエステル樹脂である。
本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノ
マーのうちアルコールモノマーとしては、3価以上の多
官能モノマーも含めて、例えばエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−
ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添
加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェ
ノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付
加物、その他の二価のアルコール、又は、ソルビトー
ル、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリ
ペタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5
−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロー
ル、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,
4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、
その他の3価以上の多価アルコールを挙げることができ
る。
これらのモノマーのうち特に、ビスフェノールAアル
キレンオキサイド付加物を主成分モノマーとして用いた
ものが好適に用いられる。
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を構成
モノマーとして用いた場合、ビスフェノールA骨格の性
質上比較的高めのガラス転移点のポリエステル樹脂が得
られ、耐ブロッキング性が良好となる。また、ビスフェ
ノールA骨格の両側のアルキル基の存在がポリマー中で
ソフトセグメントとして働き、低温定着性が良好とな
る。
本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノ
マーのうち、酸モノマーとしては3価以上の多官能モノ
マーも含めて、例えば、マレイン酸、フマール酸、シト
ラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸、マロン酸、又はn−ドデセニルコハク酸、n−ドデ
シルコハク酸等のアルケニルコハク酸類もしくはアルキ
ルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエステ
ル、その他の二価のカルボン酸、そして、1,2,4−ベン
ゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタン
トリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3
−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキ
シプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量
体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステル、アルケ
ニルエステル、アリールエステル、その他の3価以上の
カルボン酸を挙げることができる。
ここで述べているアルキル基、アルケニル基またはア
リールエステルの具体例としては、1,2,4−ベンゼント
リカルボン酸を例に取れば、1,2,4−ベンゼントリカル
ボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸ト
リエチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブ
チル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソブチ
ル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチ
ル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘ
キシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジ
ル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソ
プロピルベンジル)等が挙げられる。
これらのモノマーのうち、3価以上のカルボン酸又は
その無水物を多量に用いた場合、酸価を5KOH mg/g以下
に保持しようとすれば、樹脂製造時に、ゲル化等の危険
性が生じ、注意を要する。
また、モノマーのうち、特に式(I) (式中、nは3又は4であり、Rは炭素数1〜18のアル
キル基、アルケニル基又はアリール基である。) で表されるモノマーを併用したものが好適に用いられ
る。
式(I)のモノマーはエステル交換反応により反応が
進行するので、樹脂の酸価とは無関係に(即ち低酸価の
ままでも)高分子量化及び架橋構造の導入ができるわけ
である。
式(I)のモノマーの配合割合は酸成分の構成単位中
2〜50モル%が良好である。2モル%未満では充分な架
橋構造が得られず、耐オフセット性が改善されなくな
る。50モル%より多くなると、樹脂製造時にゲル化等の
危険性が生じる。
本発明におけるポリエステル樹脂は、その性質上、酸
価を5KOH mg/g以下にする必要があり、5KOH mg/gを超え
る場合は、樹脂そのものの負の荷電性が強くなり、単独
で正の荷電性を持ったトナーへの使用が困難となる。
また、水酸基価が60KOH mg/gを超える場合は必然的に
低分子量となり、耐オフセット性、耐ブロッキング性等
に支障をきたすようになる。
次にトナーの重要な要求特性である熱特性を満たすた
めには、それに用いられる樹脂は、少なくとも1種の3
価以上の多官能モノマーを用いて架橋構造とし、高化式
フローテスター軟化点が90〜150℃、流出開始温度と軟
化点との温度差が15〜50℃であることが好ましい(ここ
で用いた高化式フローテスターとは、樹脂等の溶融挙動
が各温度で簡単に再現性良く測定でき、トナー用、バイ
ンダー樹脂の評価には非常に有効な装置である)。3価
以上の多官能モノマー、即ち、架橋剤を用いなければ、
耐オフセット性に支障をきたす。また、軟化点が90℃未
満では耐オフセット性、耐ブロッキング性に、また150
℃を超えると低温定着性に支障をきたす。また、同様に
流出開始温度と軟化点との温度差が15℃未満では耐オフ
セット性、耐ブロッキング性に、また50℃を超えると低
温定着性に支障をきたす。
本発明におけるポリエステル樹脂は通常の方法にて合
成することができる。具体的には反応温度(170〜250
℃)、反応圧力(5mmHg〜常圧)にて反応を行い(最適
温度、圧力はモノマーの反応性等で決める)、所定の物
性になった時点で反応を終了すればよい。
本発明で用いる疎水性シリカは、例えばトリメチル基
等の有機基を有する有機ケイ素化合物で処理することに
より得られたものであり、具体的にはヘキサメチルジシ
ラザン、ポリジメチルシロキサンによって得ることがで
きるものであって、かつメタノール滴定試験による疎水
化度が80以上のものである。例えば、疎水化度として80
〜110程度のものが用いられる。
ここで、疎水化度とは次のようにして得られた数値を
いう。
即ち、200mlのビーカーに純水50mlを入れ、0.2gのシ
リカを添加する。そして、マグネットスターラーで水面
が陥没しない程度に緩やかに撹拌しつつ、滴下時に先端
が水中に浸漬されたビュレットからメタノールを加え、
浮かんでいるシリカが沈み始めるときの滴下メタノール
のml数を疎水化度とする。メタノールはこの場合、界面
活性作用を有し、メタノールの滴下に伴って浮いている
シリカがメタノールを介して水中に分散する(即ち沈み
始める)ので、疎水化度が大きい(メタノール滴下量が
多い)程にシリカの疎水性が大きいことを意味する。
このような疎水化処理に用いられる有機ケイ素化合物
としては、一般に次のようなものが挙げられる。ヘキサ
メチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルエト
キシシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメ
チルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレ
ート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、およ
び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端
に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基
を含有するポリジメチルシロキサンがある。これらは1
種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
また、本発明における疎水性シリカは、水・メタノー
ル(1:1)溶液に疎水性シリカ4重量%分散させたとき
のpHが5.5〜8を示すものである。これは、本発明にお
ける疎水性シリカは、その表面のほぼ全体が疎水化され
ている為である。また、従来の疎水性シリカで、ジメチ
ルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、トリメチ
ルクロルシラン等のケイ素ハロゲン化合物で疎水化処理
されたものは、その反応中において塩化水素の発生があ
り、それが完全に除去されず0.05%程度残るためpHが低
くなっていたが、本発明におけるヘキサメチルジシラザ
ン、ポリジメチルシロキサンで処理された疎水性シリカ
の場合は、塩化水素の発生が無い為、そのような問題が
なく、またヘキサメチルジシラザンで処理した場合には
その反応において、アンモニアが発生するが、アンモニ
ア自体アルカリ性を示すため、pHが高くなるものと考え
られる。
このような特性を有する疎水性シリカは、前記のよう
な方法により当業者は容易に製造することができるが、
市販品として、例えばワッカーケミカル社製のH−2000
(疎水化度80,pH7)、キャボット社製のTS−720(疎水
化度80,pH5.8),TS−530(疎水化度110、pH6.0)等を用
いることができる。
前記の従来の疎水性シリカとして、例えば日本アエロ
ジル社製のR−972は表面側に次の如き構造を有するジ
メチル置換体であると考えられている。
これに対し、H−2000は次のような構造を有している
ものと考えられる。H−2000については疎水化に用いら
れるヘキサメチルジシラザンの反応を充分に進行させ、
ケイ素化合物表面のシラノール基の残量をほぼ5%以下
に抑えるようにして製造したものである。
また、TS−720はポリジメチルシロキサンで処理する
ことにより得られたものであり、次のような構造を有し
ているものと考えられる。
TS−530はヘキサメチルジシラザンで処理することに
より得られた、次のような構造を有しているものと考え
られる。
このような疎水性シリカの微粉末は、その平均粒径が
0.003μm〜2μm、好ましくは0.005μm〜0.5μmの
ものがよい。また、BET法による比表面積は20〜500m2/g
であることが好ましい。平均粒径が2μmを越えるも
の、あるいは比表面積が20m2/g未満のものを用いると感
光体表面を傷つける傾向が現れるようになり、また0.00
3μm未満あるいは比表面積が500m2/gを越えるものは非
常に飛散し易く取扱いが困難である。
また、疎水性シリカの添加量は、特に高温高湿時に帯
電量、流動性に低下を認めず、かつブラックスポットの
発生を認めない範囲であることが必要であり、通常トナ
ー100重量部に対し、0.01〜1.5重量部、好ましくは0.1
〜1.0重量部である。
即ち、疎水性シリカの添加量は、トナーの粒径により
その適量が異なるので一概には言えないが、一般に、ト
ナー粒径が12〜15μm程度の場合であれば0.01重量部と
いう微量であっても問題はなく、通常0.01〜1.0重量
部、好ましくは0.1〜0.5重量部が用いられる。この場
合、添加量が0.01重量部未満であると、実質的に有効な
効果が得られず、1.0重量部を越えるとブラックスポッ
トの発生のおそれがあり好ましくない。
また、トナー粒径が12μm未満の場合は、疎水性シリ
カの添加量は通常0.1〜1.5重量部が用いられ、好ましく
は0.2〜1.0重量部である。この場合、添加量が0.1重量
部未満であると充分な流動性が得られず、1.5重量部を
越えると前述と同様にブラックスポットの発生のおそれ
があり好ましくない。
本発明の現像剤組成物に用いる着色材料としては、従
来公知のカーボンブラック、鉄黒などが使用できる。
本発明の静電荷像現像剤組成物は、必要に応じて荷電
制御剤が添加される。負帯電性トナーとしては、従来電
子写真用に用いられることが知られている全ての負帯電
性の荷電制御剤から1種又は2種類以上が用いられる。
例示すれば、含金属アゾ染料、例えば「バリファースト
ブラック3804」、「ボントロンS−31」、「ボントロン
S−32」、「ボントロンS−34」、「ボントロンS−3
6」(以上、オリエント化学社製)、「アイゼンスピロ
ンブラックTVH」(保土ヶ谷化学社製)等、銅フタロシ
アニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、
例えば、「ボントロンE−85」(オリエント化学社製)
等、その他を挙げることができる。
また主荷電制御剤と逆極性の荷電制御剤との併用も可
能であり、逆帯電性の荷電制御剤の使用量を主帯電性の
荷電制御剤の使用量の1/2以下とすれば5万枚以上連続
してコピーを行なっても、濃度の低下もなく、良好な可
視画像を得ることができる。
正帯電性トナーとしては、従来電子写真用に用いられ
る事が知られている全ての正帯電性の荷電制御剤から、
1種又は2種類以上が用いられる。具体例としては、ニ
グロシン系染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オ
イルブラックBS」、「オイルブラックS0」、「ボントロ
ンN−01」、「ボントロンN−11」(以上、オリエント
化学社製)等、三級アミンを側鎖として含有するトリフ
ェニルメタン系染料、四級アンモニウム塩化合物、例え
ば「ボントロンP−51」(オリエント化学社製)、セチ
ルトリメチルアンモニウムブロミド等、ポリアミン樹
脂、例えば「AFP−B」(オリエント化学社製)等、そ
の他を挙げることができる。
以上の荷電制御剤は結着樹脂に対して、0.1〜8.0重量
%、好ましくは0.2〜5.0重量%含有される。
また本発明のトナーを磁性トナーとして用いるため
に、磁性粉を含有せしめても良い。このような磁性粉と
しては、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いら
れ、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末も
しくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合
金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー重量に
対して15〜70重量%である。
さらに本発明のトナーは必要に応じて鉄粉、ガラスビ
ーズ、ニッケル粉、フェライト粉などのキャリヤー粒子
と混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。
本発明の現像剤組成物は種々の現像方法に適用されう
る。例えば、磁気ブラシ現像方法、カスケード現像方
法、導電性磁性トナーを用いる方法、高抵抗磁性トナー
を用いる方法、ファーブラシ現像方法、パウダークラウ
ド法、インプレッション現像法などがある。
このようにして得られた本発明の静電荷像現像剤組成
物は疎水化度が80以上の疎水性シリカを使用しているの
で、親水性の高いポリエステル樹脂を結着樹脂の主成分
として用いているにもかかわらず、高温高湿時において
もトナー粒子の帯電性、流動性に低下を認めず、かつ添
加量が極めて微量で足りることからブラックスポットの
発生を防止することができる。
また、本発明で用いられる疎水性シリカのpHは5.5〜
8であるため、トナー設備における疎水性シリカ用タン
クの内壁は、長期連用によってもさびが発生することも
ない。
更に、このような表面処理に用いたトナーを鉄粉やフ
ェライト製のキャリアーと混合して、現像剤として長期
保存した場合においてもキャリアー表面にさびを発生さ
せにくい。
尚、本発明におけるポリエステル樹脂の酸価、水酸基
価はJIS K 0070の方法に準じて測定される。但し、樹脂
が溶媒に溶解し難い場合はジオキサン等の良溶媒を用い
ても差し支えない。
また、本発明で使用している高化式フローテスターに
ついてはJIS K 7210に概略が記載されているが、本発明
では具体的に、高化式フローテスター軟化温度は、島津
製作所製の高化式フローテスターを用いて1cm3の試料を
昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより
20kg/cm2の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押
し出すようにし、これにより当該フローテスターのプラ
ンジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描きそのS字曲
線の高さをhとするとき、h/2に対応する温度を軟化温
度としたものであり、また流出開始温度は、樹脂が溶融
し始め、それによりプランジャーが降下し始めた時の温
度とした。
〔実施例〕 以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。
尚、実施例に示す組成割合は特に明示しない限り重量
部で表わす。
樹脂製造例1(樹脂Aの製造) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 740g ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 300g テレフタル酸ジメチル 466g イソドデセニル無水コハク酸 80g 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル 114g 以上の物質を通常のエステル化触媒と共にガラス製2
の4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製撹拌
棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、電
熱マントルヒーター中で窒素気流下、前半210℃常圧、
後半210℃減圧にて撹拌しつつ反応を進めた。
得られた樹脂は、酸価2.3KOHmg/g、水酸基価28.0KOHm
g/g、高化式フローテスター軟化温度135.7℃、流出開始
温度102℃であった。
当該樹脂を樹脂Aとする。
樹脂製造例2(樹脂Bの製造) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 1225g ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 165g テレフタル酸 500g イソドデセニル無水コハク酸 130g 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソプロピル 170g 以上の物質を通常のエステル化触媒と共に樹脂製造例
1と同様の装置、同様の処方にて反応を進めた。
得られた樹脂は、酸価0.5KOHmg/g、水酸基価28.4KOHm
g/g、高化式フローテスター軟化温度127.4℃、流出開始
温度81.4℃であった。
当該樹脂を樹脂Bとする。
樹脂製造例3(樹脂Cの製造) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 720g ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 300g テレフタル酸 160g イソドデセニル無水コハク酸 260g 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル 290g 以上の物質を通常のエステル化触媒と共に樹脂製造例
1と同様の装置、同様の処方にて反応を進めた。
得られた樹脂は、酸価3.8KOHmg/g、水酸基価10.5KOHm
g/g、高化式フローテスター軟化温度142.3℃、流出開始
温度109.0℃であった。
当該樹脂を樹脂Cとする。
樹脂製造例4(樹脂Dの製造) ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン 714g ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン 663g イソフタル酸 518g イソオクテニルコハク酸 70g 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸 80g 以上の物質を通常のエステル化触媒と共に樹脂製造例
1と同様の装置、同様の処方にて反応を進めた。
得られた樹脂は、酸価18.0KOHmg/g、水酸基価35.0KOH
mg/g、高化式フローテスター軟化温度130℃、流出開始
温度102℃であった。
当該樹脂を樹脂Dとする。
トナーの調製 下記組成の材料をヘンシェルミキサーでよく混合した
後、2軸押し出し機で混練し、冷却、粗砕化した後、ジ
ェットミルによって粉砕し、さらに風力分級機を用いて
分級し、平均粒径10μmの微粉末を得た。
未処理トナー(1): 樹脂A 89部 カーボンブラック「リーガル400R」(キャボット社
製) 6部 負帯電性荷電制御剤「CCA−7」(I.C.I.ジャパン社
製) 2部 正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−11」(オリエン
ト化学社製) 0.9部 ワックス「ビスコール550P」(三洋化成社製) 2部 未処理トナー(2): 未処理トナー(1)における樹脂を樹脂Bに変える以
外は全く同様の組成。
未処理トナー(3): 樹脂C 88部 カーボンブラック「カーボンブラック#44」(三菱化
成社製) 8部 負帯電性荷電製御剤「アイゼンスピロンブラックT−
77」(保土ヶ谷化学社製) 2部 ワックス「ビスコールTS−200」(三洋化成社製) 2部 未処理トナー(4): 樹脂A 90部 カーボンブラック「カーボンブラック#44」(三菱化
成社製) 6部 正帯電性荷電制御剤「ボントロンN−01」(オリエン
ト化学社製) 2部 ワックス「ビスコールTS−200」(三洋化成社製) 2部 未処理トナー(5): 未処理トナー(4)における樹脂を樹脂Bに変える以
外は全く同様の組成。
未処理トナー(6): 未処理トナー(4)における樹脂を樹脂Cに変える以
外は全く同様の組成。
未処理トナー(7): 未処理トナー(4)における樹脂を樹脂Dに変える以
外は全く同様の組成。
実施例1 前記未処理トナー(1)1,000gに対し、疎水性シリカ
「HDK H−2000」(ワッカーケミカル社製)を1.5g加え
ヘンシェルミキサーを用いて混合付着させトナー1を得
た。
実施例2 前記未処理トナー(1)1,000gに対し、疎水性シリカ
「HDK H−2000」を2.5g加えヘンシェルミキサーを用い
て混合付着させトナー2を得た。
実施例3 前記未処理トナー(2)1,000gに対し、疎水性シリカ
「CAB−O−SIL TS−720」(キャボット社製)を2.5g加
えヘンシェルミキサーを用いて混合付着させトナー3を
得た。
実施例4 前記未処理トナー(3)1,000gに対し、疎水性シリカ
「CAB−O−SIL TS−530」(キャボット社製)を1.5g加
えヘンシェルミキサーを用いて混合付着させトナー4を
得た。
実施例5 前記未処理トナー(3)1,000gに対し、疎水性シリカ
「CAB−O−SIL TS−530」を2.5g加えヘンシェルミキサ
ーを用いて混合付着させトナー5を得た。
実施例6 前記未処理トナー(4)1,000gに対し、疎水性シリカ
「HDK H−2000」を1.5g加えヘンシェルミキサーを用い
て混合付着させトナー6を得た。
実施例7 前記未処理トナー(4)1,000gに対し、疎水性シリカ
「HDK H−2000」を2.5g加えヘンシェルミキサーを用い
て混合付着させトナー7を得た。
実施例8 前記未処理トナー(5)1,000gに対し、疎水性シリカ
「CAB−O−SIL TS−720」を2.5g加えヘンシェルミキサ
ーを用いて混合付着させトナー8を得た。
実施例9 前記未処理トナー(6)1,000gに対し、疎水性シリカ
「CAB−O−SIL TS−530」を1.5g加えヘンシェルミキサ
ーを用いて混合付着させトナー9を得た。
実施例10 前記未処理トナー(6)1,000gに対し、疎水性シリカ
「CAB−O−SIL TS−530」を2.5g加えヘンシェルミキサ
ーを用いて混合付着させトナー10を得た。
比較例1 前記未処理トナー(1)1,000gに対し、疎水性シリカ
「AEROSIL R−972」(日本アエロジル株式会社製)を2.
5g加えヘンシェルミキサーを用いて混合付着させ比較ト
ナー1を得た。
比較例2 前記未処理トナー(1)1,000gに対し、疎水性シリカ
「AEROSIL R−972」を5.0g加えヘンシェルミキサーを用
いて混合付着させ比較トナー2を得た。
比較例3 前記未処理トナー(7)1,000gに対し、疎水性シリカ
「HDK H−2000」を2.5g加えヘンシェルミキサーを用い
て混合付着させ比較トナー3を得た。
比較例4 前記未処理トナー(7)1,000gに対し、疎水性シリカ
「AEROSIL R−972」を2.5g加えヘンシェルミキサーを用
いて混合付着させ比較トナー4を得た。
以上のトナーを用いてトナーの流動性、帯電量、ブラ
ックスポットの発生を調べた。
トナーの流動性については、次に述べるトナー落下量
試験機によって測定を行なった。即ち、円錐形のホッパ
ー内に毎分10回転の速度で回転するスクリューとバッフ
ァー部を備えた流動性評価装置である。測定方法は測定
しようとするトナー300gを1のポリ容器に入れて、手
で強く上下に10回振った後、ホッパーに移し入れ、5分
間モーターを動かし、受け皿に落ちたトナーの重量か
ら、1分間当たりに落下した量を求め、トナーの落下量
〔g/min〕とする。
また帯電量については、次に述べるブローオフ式帯電
量測定装置によって測定を行なった。即ち、フェラデー
ケージとコンデンサー、エレクトロメーターを備えた比
電荷測定装置である。測定方法は、測定しようとするト
ナー試料と、250〜400メッシュの粒度を有する球形フェ
ライトキャリア又は表面が樹脂コートされた不定形鉄粉
キャリアーとを重量比で10:90の割合で充分混合、撹拌
して現像剤を調製する。
次に500メッシュ(キャリアー粒子の通過しない大き
さに適宜変更可能)のステンレスメッシュを備えた真ち
ゅう製の測定セルに、調製した現像剤をW(g)(0.15
〜0.20g)入れる。次に吸引口から5秒間吸引した後、
気圧レギュレーターが0.6kg/m2を示す気圧で5秒間ブロ
ーを行い、トナーのみをセル中から除去する。この時の
ブロー開始から2秒後の電位計の電圧をV(volt)とす
る。ここでコンデンサーの電気容量をC(μF)とする
とこのトナーの比電荷Q/mは下式の如く求められる。
ここで、mはW(g)中の現像剤中に含まれるトナー
の重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、
現像剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナー濃度
はT/D×100(%)と表わされ、mは下式の如く求められ
る。
負帯電性のトナー用の現像剤としては、250〜400メッ
シュの粒度を有する球形フェライトキャリアをトナー重
量10に対し、90の割合で混合したものを、セレン感光体
を装着した複写装置に使用し、また正帯電性のトナーの
現像剤としては、250〜400メッシュの粒度を有し、表面
が樹脂コートされた不定形鉄粉キャリアーをトナー重量
10に対し90の割合で混合したものを、有機感光体を装着
した複写装置に使用し、各々5万枚の連続コピーを、通
常環境(23℃,50%RH)にて行い、耐刷試験中における
帯電量変化とブラックスポットの発生について比較し
た。その結果は表−1に示すが、比較トナー1,4は、ト
ナー1〜10と比較して流動性が悪く、トナー補給性が悪
く、また、比較トナー1,2ではブラックスポットが発生
した。また、比較トナー4は帯電量レベルが低過ぎてト
ナーとキャリアーとが分離してしまい5万枚テストを行
なう事ができなかった。比較トナー3は、耐刷テストと
共に地汚れが増加し、ブラックスポットの評価を行なう
事ができなかった。
この結果から明らかな様に、本発明における疎水性シ
リカを、3価以上の多官能化合物の少なくとも1種を構
成単位として有する酸価5KOHmg/g以下、水酸基価60KOHm
g/g以下のポリエステル樹脂を用いて得られたトナーに
添加使用した場合、従来用いられていた疎水化度の低い
疎水性シリカよりも少ない添加量でより高い流動性と帯
電量を確保することが可能となった。特にトナー粒径が
12μm未満のトナーにおいては、流動性の確保の為、従
来、疎水性シリカの添加量を多くしなければならなかっ
たが、本発明における疎水性シリカを用いた場合、従来
の疎水性シリカよりも添加量を減らすことができるの
で、ブラックスポットの発生に対するマージンを高める
ことが可能となった。これらの効果は本発明の現像剤組
成物によって初めて達成されたものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−129653(JP,A) 特開 平2−273754(JP,A) 特開 昭62−291668(JP,A) 特開 昭55−159450(JP,A) 特開 昭61−277964(JP,A) 特開 昭59−34539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3価以上の多官能化合物の少なくとも1種
    を構成単位として有する、酸価5KOH mg/g以下、水酸基
    価60KOH mg/g以下のポリエステル樹脂を結着樹脂の主成
    分として用いた静電荷像現像剤組成物において、トナー
    100重量部に対し、メタノール滴定試験による疎水化度
    が80以上の疎水性シリカ(但し、窒素含有物質により処
    理されたものを除く)を0.01〜1.5重量部含有すること
    を特徴とする静電荷像現像剤組成物。
  2. 【請求項2】3価以上の多官能化合物の少なくとも1種
    を構成単位として有する、酸価5KOH mg/g以下、水酸基
    価60KOH mg/g以下のポリエステル樹脂を結着樹脂の主成
    分として用いた静電荷像現像剤組成物において、トナー
    100重量部に対し、水・メタノール(1:1)溶液に疎水性
    シリカを4重量%分散させたときのpHが5.5〜8である
    疎水性シリカ(但し、窒素含有物質により処理されたも
    のを除く)を0.01〜1.5重量部含有することを特徴とす
    る静電荷像現像剤組成物。
  3. 【請求項3】請求項(1)又は(2)記載のポリエステ
    ル樹脂が、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加
    物であるジオール成分と、式(I) (式中、nは3又は4であり、Rは炭素数1〜18のアル
    キル基、アルケニル基又はアリール基である。) で示される化合物とを必須の構成単位とするものである
    請求項(1)又は(2)記載の静電荷像現像剤組成物。
  4. 【請求項4】請求項(3)記載の式(I)で表される化
    合物の配合割合が酸成分の構成単位中2〜50モル%であ
    る請求項(3)記載の静電荷像現像剤組成物。
  5. 【請求項5】請求項(1)又は(2)記載のポリエステ
    ル樹脂の高化式フローテスターによる軟化温度が、90〜
    150℃、流出開始温度と軟化温度との温度差が、15〜50
    ℃である請求項(1)又は(2)記載の静電荷像現像剤
    組成物。
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