JP2931564B2 - ハニカム構造体を内包した構造物及びその製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体を内包した構造物及びその製造方法

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JP2931564B2 JP9141075A JP14107597A JP2931564B2 JP 2931564 B2 JP2931564 B2 JP 2931564B2 JP 9141075 A JP9141075 A JP 9141075A JP 14107597 A JP14107597 A JP 14107597A JP 2931564 B2 JP2931564 B2 JP 2931564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハニカム構造体を
内包した構造物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハニカム構造体は軽量で非常に強
度に優れており、その構造物は航空機の翼や胴体等、主
として航空宇宙産業分野に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ハニカ
ム構造体が航空宇宙産業分野等の比較的特殊な分野にし
か用いられていない大きな理由の一つは、ハニカム構造
体そのものの製造コストが高いという理由の他に、例え
ば、ハニカム構造体を芯材としたサンドイッチ構造等の
複合パネルを構成する場合、そのハニカム構造体とそれ
に複合せられるパネル材等との接合ないし結合の方法に
大きな問題があったからである。即ち、従来は、ハニカ
ム構造体を用いて複合パネル等を構成する場合、主とし
て、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ゴム系等の接
着剤を用いた接合ないし結合方法が採用されていたた
め、その接着剤にコストが高くつく問題、接着剤による
接着状態が十分になるまでに、例えば1日〜1週間等か
なりの長時間を要する問題、作業員による接着作業に時
間と工数が必要となる問題等があり、そのため一般の民
間用資材としてハニカム構造体を利用した資材はコスト
計算に合わないという事情があったためである。また、
ハニカム構造体を用いた従来の複合構造物においては、
ハニカム構造物自体の性質に起因して、その断熱性及び
遮音性が悪いという問題があった。尚、特公昭59−1090
3 号公報には、ハニカム構造体を多層に構成する方法と
して、2つのハニカム構造体の間に発泡樹脂層をサンド
イッチ状態に介在させる方法が提供されている。が、本
願発明における発泡樹脂等の一体成型物からなる包被体
内にハニカム構造体を内包させた構造物やその製造方法
とは、発泡樹脂を施す位置や施し方等において、大きく
異なるものである。また特公昭58−49178 号公報には、
ハニカム構造体と表面材とを、その間に瀝青系シートを
介在させて熱融着させる技術が提供されている。が、こ
の方法においてもまた、包被体として一体成型される発
泡樹脂等の構成や用い方において、本発明とは大きく異
なっている。
【0004】そこで本発明は上記ハニカム構造体を用い
た複合構造物に関する従来の欠点を解消し、軽量で高強
度の特性を生かしたまま、生産ないし製造に長時間を要
せず短時間で、且つ大量生産に適し、また材料コスト及
び製造コストが低く、且つ断熱性、遮音性に優れたハニ
カム構造体を内包した構造物及びその製造方法の提供を
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明のハニカム構造体を内包した構造物は、芯材
としてのハニカム構造体と、そのハニカム構造体の各穴
が貫通する表裏面に介在層として存在する熱可塑性樹脂
と、該熱可塑性樹脂を表裏面に介在させたハニカム構造
体の全体を内包する包被体として存在する一体成型の発
泡樹脂とから少なくともなり、前記ハニカム構造体と熱
可塑性樹脂と発泡樹脂とは各境界において連続的に接合
されていることを第1の特徴としている。また本発明の
ハニカム構造体を内包した構造物は、上記第1の特徴に
加えて、ハニカム構造体は、アルミニウム合金、鉄合
金、ステンレス合金等の金属製ハニカム構造体、繊維強
化樹脂を含む樹脂製ハニカム構造体、紙製ハニカム構造
体の中から選ばれることを第2の特徴としている。また
本発明のハニカム構造体を内包した構造物は、上記第1
又は第2の特徴に加えて、熱可塑性樹脂は、ポリスチレ
ンやポリエチレンやポリプロピレンやポリウレタンやA
BS及びこれらの重合体の中から選ばれることを第3の
特徴としている。また本発明のハニカム構造体を内包し
た構造物は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、
熱可塑性樹脂は、ナイロン繊維、グラスファイバー、カ
ーボンファイバー等の耐熱性と剛性を備えた繊維や耐熱
性と剛性を備えた金属や非金属をシート状やネット状や
マット状にしたものをサンドイッチし或いはハニカム構
造体とは接触しない側の表面に接合することで強化せら
れていることを第4の特徴としている。また本発明のハ
ニカム構造体を内包した構造物は、上記第1〜第4の何
れかの特徴に加えて、熱可塑性樹脂は、ハニカム構造体
と接触する側の表面に高温を加えることで接着を達成す
る熱接着性剤を施した熱可塑性樹脂が用いられること
で、該熱可塑性樹脂とハニカム構造体との境界において
前記熱接着性剤による接着層が存在することを第5の特
徴としている。また本発明のハニカム構造体を内包した
構造物は、上記第1〜第5の何れかの特徴に加えて、熱
可塑性樹脂は、それに付属する材料を含めて、表裏面に
貫通する穴を分散して設けてあることを第6の特徴とし
ている。また本発明のハニカム構造体を内包した構造物
は、上記第1〜第6の何れかの特徴に加えて、発泡樹脂
は、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプ
ロピレン、発泡ポリウレタン、発泡ABS等の発泡成型
ができる樹脂及びこれらの重合体の中から選ばれること
を第7の特徴としている。また本発明のハニカム構造体
を内包した構造物は、上記第1〜第7の何れかの特徴に
加えて、発泡樹脂の外表面にさらに材料が施こされてい
ることを第8の特徴としている。また本発明のハニカム
構造体を内包した構造物は、上記第1〜第8の何れかの
特徴に加えて、熱可塑性樹脂の代わりに、表裏面に熱接
着性剤若しくはホットメルト剤等の高温を加えることで
接合を達成する熱接合性剤を施した鋼板等の金属または
その他の強度の大きい材料が介在層として用いられるこ
とで、該介在層とハニカム構造体との境界及び介在層と
発泡樹脂との境界において、高温接合剤による接合層が
存在することを第9の特徴としている。また本発明のハ
ニカム構造体を内包した構造物は、上記第1、第2、第
3、第4、第5、第6、第8、第9の何れかの特徴に加
えて、発泡樹脂の代わりに軽量気泡コンクリートを包被
体とすることを第10の特徴としている。一方、本発明の
ハニカム構造体を内包した構造物の製造方法は、ハニカ
ム構造体を芯材として、その各穴が貫通する表裏面に熱
可塑性樹脂からなるシートを重ね合わせ、これらを発泡
樹脂成型用の型内に配置してその周囲に発泡樹脂を充填
し、加熱下及び加圧下において、発泡樹脂の一体成型を
行うと共に前記熱可塑性樹脂による芯材及び発泡樹脂と
の境界での熱溶圧着を行わしめることを第11の特徴とし
ている。また本発明のハニカム構造体を内包した構造物
の製造方法は、上記第11の特徴に加えて、ハニカム構造
体は、アルミニウム合金、鉄合金、ステンレス合金等の
金属製ハニカム構造体、繊維強化樹脂を含む樹脂製ハニ
カム構造体、紙製ハニカム構造体の中から選ばれること
を第12の特徴としている。また本発明のハニカム構造体
を内包した構造物の製造方法は、上記第11又は第12の特
徴に加えて、熱可塑性樹脂のシートは、ポリスチレンや
ポリエチレンやポリプロピレンやポリウレタンやABS
のシート及びこれらの重合体からなるシートの中から選
ばれることを第13の特徴としている。また本発明のハニ
カム構造体を内包した構造物の製造方法は、上記第11〜
第13の何れかの特徴に加えて、熱可塑性樹脂のシート
は、ナイロン繊維、グラスファイバー、カーボンファイ
バー等の耐熱性と剛性を備えた繊維や耐熱性と剛性を備
えた金属や非金属をシート状やネット状やマット状にし
たものをサンドイッチし或いはハニカム構造体とは接触
しない面に接合することで強化せられていることを第14
の特徴としている。また本発明のハニカム構造体を内包
した構造物の製造方法は、上記第11〜第14の何れかの特
徴に加えて、熱可塑性樹脂のシートは、ハニカム構造体
と接触する側の表面に高温を加えることで接着を達成す
る熱接着性剤を施した熱可塑性樹脂シートが用いられる
ことを第15の特徴としている。また本発明のハニカム構
造体を内包した構造物の製造方法は、上記第11〜第15の
何れかの特徴に加えて、熱可塑性樹脂のシートは、それ
に付属する材料を含めて、表裏面に貫通する穴を分散し
て設けてあることを第16の特徴としている。また本発明
のハニカム構造体を内包した構造物の製造方法は、上記
第11〜第16の何れかの特徴に加えて、発泡樹脂は、発泡
ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレ
ン、発泡ポリウレタン、発泡ABS等の発泡成型ができ
る樹脂及びこれらの重合体の中から選ばれることを第17
の特徴としている。また本発明のハニカム構造体を内包
した構造物の製造方法は、上記第11〜第17の何れかの特
徴に加えて、発泡樹脂の外表面に発泡樹脂の成型と同時
に若しくは成型後に、さらに材料を施こすことを第18の
特徴としている。また本発明のハニカム構造体を内包し
た構造物の製造方法は、上記第11〜第18の何れかの特徴
に加えて、熱可塑性樹脂のシートの代わりに、表裏面に
熱接着性剤若しくはホットメルト剤等の高温を加えるこ
とで接合を達成する熱接合性剤を施した鋼板等の金属ま
たはその他の強度の大きい材料シートを用い、これをハ
ニカム構造体の表裏面に重ね合わすことを第19の特徴と
している。また本発明のハニカム構造体を内包した構造
物の製造方法は、上記第11、第12、第13、第14、第15、
第16、第18、第19の何れかの特徴に加えて、発泡樹脂の
代わりに軽量気泡コンクリートを用いて、これを型内に
充填し、加熱下及び加圧下において、軽量気泡コンクリ
ートの一体成型を行うと共に前記熱可塑性樹脂による芯
材及び軽量気泡コンクリートとの境界での熱溶圧着を行
わしめることを第20の特徴としている。
【0006】上記第1の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、包被体として一体成型された発
泡樹脂により、圧力をもって封じ込められた状態でハニ
カム構造体と介在層としての熱可塑性樹脂が存在し、且
つ包被体と熱可塑性樹脂との境界及び熱可塑性樹脂とハ
ニカム構造体との境界がそれぞれ連続的に接合されてい
ることで、全体が一体物となっている。介在層として熱
可塑性樹脂が配されているので、製造時にこれが適当に
加熱されたならば、溶融してハニカム構造体及び発泡樹
脂に容易に接合してそれらの境界を連続接合することに
なる。また包被体である発泡樹脂は、それが発泡成型さ
れる際には内部に対して圧力を加え、よって熱可塑性樹
脂とハニカム構造体及び熱可塑性樹脂と発泡樹脂との間
に圧着の要素を与える。また包被体である発泡樹脂によ
りハニカム構造体及び熱可塑性樹脂はその全周囲を封じ
込められているので、ハニカム構造体と熱可塑性樹脂と
の接合界面が分離方向に剥離するのは困難であり、同様
に熱可塑性樹脂と発泡樹脂との接合界面が分離方向に剥
離するのも困難である。第1の特徴によれば、ハニカム
構造体を用いることで、軽量で高強度が期待される。熱
可塑性樹脂を用い、また一体成型した発泡樹脂で周囲か
ら圧力を持って包被されるようにしているので、高価で
接着に長時間を有する接着剤を用いることなく、ハニカ
ム構造体とその周囲の材料との良好な接合を短時間で達
成することができる。よって大量生産も容易となる。
【0007】上記第2の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、第1の特徴による作用、効果に
加えて、ハニカム構造体を内包した構造物の用途や目的
に応じて、各種の金属製ハニカム構造体、各種の樹脂製
ハニカム構造体、各種の紙製ハニカム構造体を採用し、
強度や重量やコスト等の条件にかなったハニカム構造体
を内包した構造物を提供することができる。
【0008】上記第3の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1又は第2の特徴による
作用、効果に加えて、使用条件等に応じて、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、A
BS及びこれらの重合体の中から適当なものを選んで熱
可塑性樹脂として用いることができる。選択に際して
は、包被体である発泡樹脂の種類を考慮して、溶着し易
い同系統のものが好ましい。また芯材としてのハニカム
構造体との関係を考慮して、溶着し易いものを熱可塑性
樹脂として選ぶことができる。勿論、本発明は上記した
熱可塑性樹脂に限定されるものではなく、必要に応じて
それ以外の熱可塑性樹脂を用いることができることは言
うまでもない。
【0009】上記第4の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1〜第3の何れかの特徴
による作用、効果に加えて、介在層としての熱可塑性樹
脂を強化する目的で、ナイロン繊維、グラスファイバ
ー、カーボンファイバー等の耐熱性と剛性を備えた繊維
をネット状やマット状にしたものを用い、これを熱可塑
性樹脂の中にサンドイッチしたものや熱可塑性樹脂のハ
ニカム構造体とは接触しない面に接合したものを用いる
ことができる。同様に耐熱性と剛性を備えた金属のシー
トや非金属のシートを用い、これを熱可塑性樹脂の中に
サンドイッチしたものや熱可塑性樹脂のハニカム構造体
とは接触しない面に接合したものを用いることができ
る。耐熱性と剛性を備えた金属とは、アルミ合金やステ
ンレス合金の他、実質的に全ての金属を包含する。また
耐熱性と剛性を備えた非金属とは、実質的には樹脂や無
機材料等でシートにできるものを全て含む。
【0010】上記第5の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1〜第4の何れかの特徴
による作用、効果に加えて、ハニカム構造体と接触する
側の表面に対して高温を加えることで接着を達成する熱
接着性剤を施した熱可塑性樹脂が用いられることで、該
熱可塑性樹脂とハニカム構造体との境界において、熱可
塑性樹脂とハニカム構造体とによる熱溶着、圧着の要素
による接合に、前記熱接着性剤による接着による接合を
付加することができ、接合強度を一層向上させることが
できる。施すとは、塗布したり、張り付けたり、その
他、表面に付けることを言うものとする。
【0011】上記第6の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1〜第5の何れかの特徴
による作用、効果に加えて、熱可塑性樹脂は、それに付
属する材料を含めて、表裏面に貫通する穴を分散して設
けてあるので、上下方向にある発泡樹脂が前記表裏面に
貫通する穴を介して連続し、その結果、発泡樹脂の剥離
に対する強度や全体としての結合強度を一層向上させる
ことができる。
【0012】上記第7の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1〜第6の何れかの特徴
による作用、効果に加えて、構造物の用途や目的、その
他の条件に応じて、或いは発泡樹脂の更に外表面側に配
される材料との関係において、発泡ポリスチレン、発泡
ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタ
ン、発泡ABS等の発泡成型ができる樹脂及びそれらの
重合体の中から適当なものを選んで用いることができ
る。発泡性の材料を用いることで、発泡容器内での発泡
の際に圧力を内方の部材に加えることができ、熱可塑性
樹脂の圧着作用を助長することができる。
【0013】上記第8の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1〜第7の何れかに記載
の特徴による作用、効果に加えて、発泡樹脂の外表面に
更に材料が施されることにより、用途や条件に応じて表
面材を自由に構成することができる。外表面に施される
材料としては、例えば、モルタルやガラス繊維強化コン
クリートとし、これを発泡樹脂の外表面に吹き付け処理
する。また軽量気泡セメントとして、これを発泡樹脂の
外表面に一体成型する。また合板、タイル、石、鋼板、
木、クロスとし、これを発泡樹脂の外表面に張り付け
る。又、その他、必要に応じて種々の材料を発泡樹脂の
外表面に施す。
【0014】上記第9の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1〜第8の何れかに記載
の特徴による作用、効果に加えて、熱可塑性樹脂の代わ
りに、表裏面に熱接着性剤若しくはホットメルト剤等の
高温を加えることで接合を達成する熱接合性剤を施した
鋼板等の金属またはその他の強度の大きい材料が介在層
として用いられることで、構造物の芯となる構造体をよ
り強度の強いものとすることができ、全体としての構造
物を一層高強度とすることができる。ハニカム構造物と
鋼板等の強度の大きい材料との接合及び強度の大きい材
料と発泡樹脂との接合は、発泡樹脂の発泡成型の際に、
加熱、加圧下、介在する熱溶着性剤若しくはホットメル
ト剤等の熱接合性剤によって行われる。前記熱接着性剤
は、例えばエマルジョンとして予め熱可塑性樹脂の表面
に塗布しておくことができる。また前記ホットメルト剤
も、例えばエマルジョンとして或いはシート状としたも
のを、予め熱可塑性樹脂の表面に塗布したり張り付けて
おくことができる。ここで、熱接合性剤とは、高温に加
熱されることで、それと境界する材料との間を接着し、
或いは溶着する等、広い意味で接合を達成することがで
きる材料を言うものとする。
【0015】上記第10の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物によれば、上記第1、第2、第3、第4、
第5、第6、第8、第9の何れかの特徴による作用、効
果に加えて、発泡樹脂の代わりに軽量気泡コンクリート
を用いることで、構造物の包被体として、軽量気泡コン
クリートの持つ例えば不燃性、高強度等の特性、作用、
効果を発揮させることができる。勿論、発泡樹脂の場合
と同様に、軽量気泡コンクリートの一体成型の際には、
該軽量気泡コンクリートの発泡により、内部に対して圧
力を加え、よって熱可塑性樹脂とハニカム構造体及び熱
可塑性樹脂との発泡樹脂と間に圧着の要素を与えること
ができる。前記軽量気泡コンクリートを用いる場合は、
通常オートクレーブを用いて、例えば、温度が180 ℃、
圧力が10kg/cm2の高温、高圧下で軽量気泡コンクリート
の発泡、一体成型を行う。
【0016】上記第11の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、ハニカム構造体の表
裏面に熱可塑性樹脂のシートを重ね合わせて、仮止め等
をしておいて、これを発泡樹脂成型用の型内に配置し、
その周囲に、加熱下及び加圧下で、発泡樹脂を充填す
る。これによって発泡樹脂は発泡して一体成型され、内
部にハニカム構造体や熱可塑性樹脂を包被する。また包
被することによって内部に対して圧力を加え、熱可塑性
樹脂とハニカム構造体との接合及び熱可塑性樹脂と発泡
樹脂との接合に対して溶融接着に加えて圧着の要素を与
える。そしてまた、包被体である発泡樹脂によりハニカ
ム構造体及び熱可塑性樹脂はその全周囲を封じ込められ
ているので、ハニカム構造体と熱可塑性樹脂との接合界
面が分離方向に剥離するのを困難とし、同様に熱可塑性
樹脂と発泡樹脂との接合界面が分離方向に剥離するのも
困難とする。型内は、前記発泡樹脂の発泡による圧力の
他に、加熱状態とされると共に加圧状態とされるので、
熱可塑性樹脂は適当に軟化溶融して且つ圧力を受けて、
ハニカム構造体に対してフィレットを構成して接合す
る。この接合の状態は実質的に熱溶着と圧着とがミック
スしたような熱溶圧着である。加熱の程度は、熱可塑性
樹脂が完全に溶融してしまうのではなく、軟化状態で界
面において多少の溶融状態が生じる程度の温度が好まし
く、このような温度をを、熱可塑性樹脂の種類に応じ
て、また加える圧力に応じて、予め実験により決めてお
くことができる。また加圧の程度は、前記熱可塑性樹脂
が加圧によってハニカム構造体の穴に多少食い込み、フ
ィレットを構成する程度となる圧力を、熱可塑性樹脂の
種類に応じて、また加える温度に応じて、予め実験によ
り決めておくことができる。発泡樹脂を充填する型は金
型やその他の適当な型を用いることができる。第11の特
徴によれば、ハニカム構造体を用いた、軽量で高強度の
ハニカム構造体を内包した構造物を製造することができ
る。また第11の特徴によれば、接着剤を用いることな
く、熱可塑性樹脂を用い、且つ発泡樹脂で周囲から加熱
及び加圧しながら一体成型するようにしているので、短
時間で良好な接合を達成し、製造を完了することができ
る。よってまた大量生産も容易に行うことができる。ま
た第11の特徴によれば、高価な接着剤を使用せず、短時
間で大量生産することができるので、材料費、人件費等
の低減による製造コストの大幅低下を図ることができ
る。発明者等の試算によれば、同じコストのハニカム構
造材を使用した場合においても、製造コストを従来の1
/6に低減出来る。また第11の特徴によれば、軽量で高
強度の性質に加えて、断熱性及び遮音性も非常に良好な
構造物を製造することができる。
【0017】上記第12の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、第11の特徴による作
用、効果に加えて、ハニカム構造体を内包した構造物の
用途や目的等に応じて、各種の金属製ハニカム構造体、
各種の樹脂製ハニカム構造体、各種の紙製ハニカム構造
体を採用し、強度や重量やコスト等の条件にかなったハ
ニカム構造体を内包した構造物を製造することができ
る。
【0018】上記第13の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11又は第12の
特徴による作用、効果に加えて、使用条件、用途、目的
等に応じて、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリウレタン、ABS、及びこれらの重合体の中
から適当なものを選んで熱可塑性樹脂シートとして用い
ることができる。選択に際しては、包被体である発泡樹
脂の種類を考慮して、溶着し易い同系統のものが好まし
い。また芯材としてのハニカム構造体との関係を考慮し
て、溶着し易いものを熱可塑性樹脂として選ぶことがで
きる。勿論、本発明は上記した熱可塑性樹脂に限定され
るものではなく、必要に応じてそれ以外の熱可塑性樹脂
を用いることができることは言うまでもない。
【0019】上記第14の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11〜第13の何
れかの特徴による作用、効果に加えて、熱可塑性樹脂を
強化する目的で、ナイロン繊維、グラスファイバー、カ
ーボンファイバー等の耐熱性と剛性を備えた繊維をネッ
ト状やマット状にしたものを用い、これを熱可塑性樹脂
の中にサンドイッチしたものや熱可塑性樹脂のハニカム
構造体とは接触しない面に接合したものを用いることが
できる。同様に耐熱性と剛性を備えた金属のシートや非
金属のシートを用い、これを熱可塑性樹脂の中にサンド
イッチしたものや熱可塑性樹脂のハニカム構造体とは接
触しない面に接合したものを用いることができる。耐熱
性と剛性を備えた金属とは、アルミ合金やステンレス合
金の他、実質的に全ての金属を包含する。また耐熱性と
剛性を備えた非金属とは、実質的には樹脂や無機材料等
でシートにできるものを全て含む。強化された熱可塑性
樹脂シートをハニカム構造体の表裏面に施すことで、ハ
ニカム構造体を一層強化することができ、より強度のあ
る構造物を製造することができる。強化材をサンドイッ
チした熱可塑性樹脂シートの場合には、その熱可塑性樹
脂シートの両面でそれぞれハニカム構造体及び発泡樹脂
に熱溶圧着することができる。また片面側に強化材を施
した熱可塑性樹脂シートの場合には、強化材を施してい
ない片面側においてハニカム構造体に熱溶圧着する。発
泡樹脂側とは熱可塑性樹脂による熱溶着の効果は薄れる
が、発泡樹脂が周囲から全体を内包する形で圧力下、一
体成型されるので、実質的に接合された状態となる。
【0020】上記第15の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11〜第14の何
れかの特徴による作用、効果に加えて、熱可塑性樹脂の
シートは、ハニカム構造体と接触する側の表面に高温を
加えることで接着を達成する熱接着性剤を施した熱可塑
性樹脂シートが用いられることで、発泡樹脂の発泡成型
の際に、熱可塑性樹脂とハニカム構造体との境界におい
て、熱可塑性樹脂とハニカム構造体とによる熱溶着、圧
着の要素による接合に、前記熱接着性剤による接着によ
る接合が更に付加され、接合強度を一層向上させること
ができる。施すとは、既述した通り、塗布したり、張り
付けたり、その他、表面に付けることを言うものとす
る。
【0021】上記第16の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11〜第15の何
れかの特徴による作用、効果に加えて、熱可塑性樹脂
は、それに付属する材料を含めて、表裏面に貫通する穴
を分散して設けてあるので、発泡工程において、ハニカ
ム構造体や熱可塑性樹脂を挟んで上下の位置にある発泡
樹脂が前記表裏面に貫通する穴を介して連続し、その結
果、発泡樹脂の剥離に対する強度や全体としての結合強
度が一層向上せられたハニカム構造体を内包した構造物
を製造することができる。
【0022】上記第17の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11〜第16の何
れかの特徴による作用、効果に加えて、構造物の用途や
目的、その他の条件に応じて、或いは発泡樹脂の更に外
表面側に配される材料との関係において、発泡ポリスチ
レン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポ
リウレタン、発泡ABS等の発泡成型ができる樹脂、及
びそれらの重合体の中から適当なものを選んで用いるこ
とができる。発泡性の材料を用いることで、発泡容器内
での発泡の際に圧力を内方の部材に加えることができ、
熱可塑性樹脂の圧着作用を助長することができる。
【0023】上記第18の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11〜第17の何
れかの特徴による作用、効果に加えて、発泡樹脂の外表
面に更に材料が施こすことにより、用途や目的、その他
の条件に応じて、表面材を自由に選んで、ハニカム構造
体を内包した構造物を構成することができる。外表面に
施される材料としては、例えば、モルタルやガラス繊維
強化コンクリートとし、これを発泡樹脂の外表面に吹き
付け処理して、構造物を製造する。また軽量気泡セメン
トとして、これを発泡樹脂の外表面に一体成型し構造物
を製造する。また合板、タイル、石、鋼板、木、クロス
とし、これを発泡樹脂の外表面に張り付けることで構造
物を製造する。又、その他、必要に応じて種々の材料を
発泡樹脂の外表面に施すことで、構造物を製造すること
ができる。
【0024】上記第19の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11〜第18の何
れかの特徴による作用、効果に加えて、熱可塑性樹脂の
シートの代わりに、表裏面に熱接着性剤若しくはホット
メルト剤等の高温を加えることで接合を達成する熱接合
性剤を施した鋼板等の金属またはその他の強度の大きい
材料シートを用いることで、構造物の芯となる構造体を
より高強度のものとすることができ、全体として一層高
強度の構造物を製造することができる。ハニカム構造物
と鋼板等の強度の大きい材料との接合及び鋼板等の強度
の大きい材料と発泡樹脂との接合は、発泡樹脂の発泡成
型の際に、加熱及び加圧下、介在する熱接着性剤若しく
はホットメルト剤等の熱接合性剤による接合によって行
われる。前記熱接着性剤は、例えばエマルジョンとして
予め熱可塑性樹脂の表面に塗布しておくことができる。
また前記ホットメルト剤は、例えばエマルジョンとして
或いはシート状としたものを、予め熱可塑性樹脂の表面
に塗布したり張り付けておくことができる。ここで、熱
接合性剤とは、高温に加熱されることで、それと境界す
る材料との間を接着し、或いは溶着する等、広い意味で
接合を達成することができる材料を言うものとする。
【0025】上記第20の特徴によるハニカム構造体を内
包した構造物の製造方法によれば、上記第11、第12、第
13、第14、第15、第16、第18、第19の何れかの特徴によ
る作用、効果に加えて、発泡樹脂の代わりに軽量気泡コ
ンクリートを用いて、これを型内に充填し、加熱下及び
加圧下、例えば温度が180 ℃、圧力が10kg/cm2の条件下
において、発泡させながら、軽量気泡コンクリートの一
体成型を行うと共に前記熱可塑性樹脂による芯材及び軽
量気泡コンクリートとの境界での熱溶圧着を行わしめる
ことで、構造物の包被体としての軽量気泡コンクリート
が持つ特性、例えば不燃性や高強度の作用、効果を発揮
させてなるハニカム構造体を内包した構造物を製造する
ことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るハニカム構造
体を内包した構造物の実施の形態を示す一部破断外観
図、図2は構造物の縦断面図、図3はハニカム構造体を
内包した構造物の別の実施の形態を示す一部破断外観
図、図4は包被体の外表面側に更に材料を施す場合等に
おける包被体の外表面の処理の例を示す図で、(A)は
外表面の斜視図、(B)は外表面の左側面断面図であ
る。図5〜図8は本発明に係るハニカム構造体を内包し
た構造物の製造方法を説明する図で、図5はハニカム構
造体と熱可塑性樹脂シートを示す斜視図、図6はハニカ
ム構造体の表裏面に熱可塑性樹脂シートを重ね合わせた
状態を示す断面図、図7は熱可塑性樹脂シートを重ね合
わせたハニカム構造体を型内に入れて、包被体を充填し
て一体成型した状態を示す断面図、図8は製造された構
造物におけるハニカム構造体と熱可塑性樹脂シートと包
被体との各界面の状態を模型的に示す断面図である。図
9は本発明に係るハニカム構造体を内包した構造物の製
造方法の他の例を説明する図である。
【0027】図1、図2において、構造物1は芯材とし
てのハニカム構造体10と、該ハニカム構造体10の各貫通
穴11が貫通する表裏面12、12に介在層として存在する熱
可塑性樹脂20と、それらハニカム構造体10と熱可塑性樹
脂20の全体を内包する包被体として存在する一体成型の
発泡樹脂30とからなるパネルとして構成されている。前
記芯材であるハニカム構造体10と介在層である熱可塑性
樹脂20とはその境界において接合されて、連続してい
る。また介在層としての熱可塑性樹脂20と包被体として
の発泡樹脂30とにおいても、その界面において接合さ
れ、連続している。前記接合は熱可塑性樹脂20の特性を
生かして行われている。
【0028】前記ハニカム構造体10は、例えばアルミ合
金製のハニカム構造体10とすることができる。が、その
他の金属製、樹脂製、紙製、その他の材料によるハニカ
ム構造体であってもよい。また前記介在層の熱可塑性樹
脂20は、例えばABS樹脂とすることができる。が、上
記した第3、第4、第5の各特徴の説明において既述し
た、他の種々の熱可塑性樹脂を用いてもよい。また耐熱
性や剛性を備えた金属、非金属、樹脂等を用いて、種々
の方法で強化された熱可塑性樹脂を用いてもよい。また
前記包被体としての発泡樹脂30は、例えば発泡ポリスチ
レンとすることができる。が、上記した第6の特徴の説
明において既述したように、その他の種々の発泡成型可
能な樹脂を用いることができる。
【0029】上述した図1及び図2に示すハニカム構造
体を内包した構造物は、一定の厚みを持つ平板状のパネ
ルとして構成されているが、本発明の構造物は平板状の
パネルに限定されるものではなく、他の種々の立体形状
を持つ構造物も本発明の範囲である。図3は、本発明の
構造物の他の実施形態として、構造物を車止めとして構
成した例を示す。車止めの立体形状に応じた立体形状の
ハニカム構造体10を芯材とし用いられ、そのハニカム構
造体10の貫通穴11が貫通する表裏面12に熱可塑性樹脂20
が接合して介在し、さらにその周囲に接合する形で一体
成型された発泡樹脂30からなる包被体が存在する。前記
発泡樹脂30を一体成型する際に、車止めの立体形状とな
るような型の中で成型すればよい。この例では、さらに
発泡樹脂30の外表面に、表面材料40を施している。この
表面材料40は、例えば発泡樹脂30と同じ種類の樹脂、例
えば前記発泡ポリスチレンに対するポリスチレンとする
ことができる。逆に言えば、その構造物の用途、目的、
即ちこの場合には車止めとしての用途が明らかになる
と、その車止めの用途に適した表面材料40を先ず選び、
この表面材料40に対して熱溶圧着が良好に行える発泡樹
脂30を選び、さらにこの発泡樹脂30とハニカム構造体10
とに対して、容易に且つ十分に熱溶圧着させることがで
きる熱可塑性樹脂20を選ぶことができる。前記表面材料
40は発泡樹脂30を成型する際に同時に成型できるもの
は、そのように同時に行い、また同時に成型できない場
合には、発泡樹脂30の一体成型が終了した後に、その発
泡樹脂30の外表面に表面材料40を種々の方法で、取り付
けたり、表面処理したりする。前記取り付けや表面処理
による被覆は、接着材による接合、溶着や圧着等の他の
方法による接合、ボルトやナット等の結合部材を用いた
結合、吹き付けや溶射などによる被覆であってもよい。
【0030】発泡樹脂30の外表面に更に表面材料40を施
す場合には、図4の(A)、(B)に示す様に、発泡樹
脂30の外表面に種々の形の凹凸31を構成することで、表
面材料40との結合を強固に行うことができる。前記凹凸
31の大きさは、マクロ的なものからミクロ的なものまで
を必要に応じて構成することができる。
【0031】上記したハニカム構造体を内包した構造物
の用途としては、例えば、建築資材としては、パネル構
造建築用壁材、壁材(内壁、外壁)、床材、天井材、屋
根材、階段、テラス、扉、道路・鉄道用吸音性遮音壁、
トンネル用防護壁、家具天板、塀材等がある。また土木
資材としては、パネル式水槽、防護壁、コンクリート
枠、足場板、タンク壁材、吹き付けモルタル壁材等があ
る。また車両関係としては、保冷車、コンテナ、車両用
や船舶用の床・壁材、保冷車等がある。また事務機器関
係としては、OA用床板、パーテーション、テーブル、
事務用機器等がある。またスポーツ関連資材としては、
卓球台、カヌー・ヨットの船体、サーフボード等があ
る。また仮設資材としては、イベント用舞台、展示台、
演台、吊り天井、陳列台等がある。その他、あらゆる分
野における資材として利用することが可能である。
【0032】図5から図8を参照して、上記した本発明
に係るハニカム構造体を内包した構造物についての製造
方法を説明する。説明は、ハニカム構造体10としてアル
ミ製ハニカム構造体を用い、熱可塑性樹脂20としてAB
S樹脂シートを用い、発泡樹脂30として発泡ポリスチレ
ンを用いた、パネル状の構造物を製造する場合を説明す
る。今、図5に示すように、ハニカム構造体10に対し
て、熱可塑性樹脂20のシートを一対用意する。ハニカム
構造体10の大きさや厚みは、目的の構造物に応じた大き
さや形状の芯材として特に限定されものではない。また
パネル状としない場合は、種々の立体形状を持つハニカ
ム構造体10を自由に芯材として用いることができる。ハ
ニカム構造体10は、上記した第11の特徴の説明で既述し
たように、種々の材料で構成することができる。また熱
可塑性樹脂20のシートは、ハニカム構造体10の貫通穴11
の貫通する表裏面12に対して重ね合わされるものである
から、前記ハニカム構造体10の表裏面の形状と同じ形
状、大きさのシートが必要とされる。熱可塑性樹脂20の
シートの厚みは、必要強度やその他の熱溶圧着の条件に
応じて、例えば0.5 〜10mm程度の厚みとするが、その範
囲に限定されるものではない。また熱可塑性樹脂20のシ
ートは、強度等の必要に応じて、上記した第12、第13の
各特徴の説明で既述したように、種々の種類の熱可塑性
樹脂シートや、また強化用の繊維や金属や非金属をシー
ト状、ネット状、マット状等にしたものを一体的にサン
ドイッチしたもの、或いは前記シート状、ネット状、マ
ット状等にしたものをハニカム構造体10とは反対側の面
だけに一体的に接合したものを用いることができる。但
し、後者の場合は、熱可塑性樹脂20と発泡樹脂30との熱
溶着によっての接合は、熱可塑性樹脂20が発泡樹脂30側
には十分に露出していないことから、余り期待出来な
い。が、後述する発泡樹脂30の加圧発泡による発泡樹脂
との圧着による接合が期待されること、及び発泡樹脂30
により完全に全周囲が包被されることで、剥がれたりし
ない。
【0033】図6に示すように、前記ハニカム構造体10
の表裏面12に対して、一対の熱可塑性樹脂20のシート
を、二点鎖線で示すように、重ね合わせる。そしてその
場合、ハニカム構造体10と熱可塑性樹脂20のシートとを
仮止めする等、何らかの方法で両者の重ね合わせが簡単
にズレたり、外れたりしないようにする。そして、図7
に示すように、ハニカム構造体10に熱可塑性樹脂20のシ
ートを重ね合わせたものを、発泡樹脂30を発泡させて一
体成型させるための金型等の型50内に配置し、発泡樹脂
30を型50内の周囲に充填し、発泡成型する。発泡成型の
条件として、この場合は温度を115 〜120 ℃、圧力を1.
10〜1.15kg/cm2程度とした蒸気加圧下で行う。前記発泡
成型時の条件としての、温度及び圧力の条件は、熱可塑
性樹脂20の種類や発泡樹脂30の種類によって、良好な接
合が得られる温度及び圧力を、予め実験によって得るこ
とになる。前記温度及び圧力の条件は、熱可塑性樹脂20
が完全に溶融してしまうのではなく、軟化状態で界面に
おいて多少の溶融状態が生じる程度の温度、圧力が好ま
しく、前記熱可塑性樹脂20がハニカム構造体10の貫通穴
11に多少食い込み、フィレット21(図8参照)を構成す
るような温度、圧力が好ましい。
【0034】尚、図2、図6、図7に示すように、ハニ
カム構造体10の表裏面に重ね合わされる熱可塑性樹脂20
のシートは、その全周縁20a がハニカム構造体10に対し
て貫通穴11の上下位置で庇の如く突出した状態となり、
この庇部分が発泡樹脂30に十分食い込んだ状態で一体成
型がなされる結果、熱可塑性樹脂20のハニカム構造体10
に対する耐剥離強度を一層向上させ、また構造物全体と
しての結合強度を一層向上させることができる。その
他、熱可塑性樹脂20に表裏面に貫通する穴を分散させて
設けることにより、発泡樹脂30による発泡処理前の状
態、即ち、前記ハニカム構造体10と熱可塑性樹脂20とが
重ね合わされた状態において、その重ね合わされた表裏
面方向に貫通する複数の貫通穴が構成されるようにし、
これによって前記発泡樹脂30を発泡させた際に、ハニカ
ム構造体10や熱可塑性樹脂20を挟んで上下の位置にある
発泡樹脂30を熱可塑性樹脂20の貫通穴及びハニカム構造
体10の貫通穴11を介して連続させることができ、全体の
構造物の一体的な剥離強度ないし結合強度を向上させる
ことができる。勿論、前記熱可塑性樹脂20が既述したよ
うに補強材によってサンドイッチ状に或いは表面や裏面
において補強されている場合には、その補強材等の付属
する材料を含めた形で貫通穴を分散して設けることにな
る。
【0035】尚、既述したように、発泡樹脂の発泡によ
る一体成型と同時に或いはその後に、発泡樹脂30の外表
面に、さらに表面材料40を構成してもよい。例えば発泡
樹脂30と同じ種類の樹脂や異なる種類の樹脂を表面材料
40として発泡樹脂30と一体成型し、或いは、発泡樹脂30
の成型後に成型するようにしてもよい。また、表面材料
40として金属や非金属等の種々の材料を、種々の方法で
発泡樹脂30の外表面に取り付けたり、表面処理したりし
て被覆することができる。前記取り付けや表面処理によ
る被覆は、接着材による接合、溶着や圧着等の他の方法
による接合、ボルトやナット等の結合部材を用いた結
合、吹き付けや溶射などによる被覆であってもよい。
【0036】以上の説明においては、介在層となる材料
として熱可塑性樹脂20を用いた例を説明したが、上記し
た第8、第17の特徴の説明において既述したように、熱
可塑性樹脂20を用いる代わりに、表裏面に熱接着性剤若
しくはホットメルト剤等の高温を加えることで接合を達
成する熱接合性剤を施した鋼板等の金属またはその他の
強度の大きい材料を用いてもよい。図9は、熱可塑性樹
脂20を用いる代わりに強度の大きい材料60を用いた場合
を説明する図である。即ち、鋼板等の強度の大きい材料
60を一対、ハニカム構造体10と共に用いている。そして
この強度の大きい材料60の表裏面に、熱接着性剤61をエ
マルジョンとして塗布したり、その他の方法で施してあ
る。勿論、熱接着性剤61の代わりに、ホットメルト剤等
の熱接合性剤を塗布したり、シートを張り付けたり、そ
の他の方法で表面に施すようにしてもよい。そして、こ
の一対の強度の大きい材料60をハニカム構造体10の表裏
面に重ね合わせて、外れない様に仮止め等し、型内に入
れ、周囲に発泡樹脂30を充填し、加熱及び加圧下におい
て、発泡成型を行う。このようにして得たハニカム構造
体10を内包した構造物は、ハニカム構造体10と強度の大
きい材料60からなる芯部が、より強度の大きいものとな
るので、全体としての強度を一層上げることができる。
ハニカム構造体10と強度の大きい材料60との接合及び強
度の大きい材料60と発泡樹脂30との接合は、圧力下、前
記熱接着性剤61が加熱されることで達成される。
【0037】また上記においては、ハニカム構造体10を
内包する包被体として発泡樹脂30を用いたが、上記第
9、第18の特徴の説明において既述したように、発泡樹
脂30の代わりに軽量気泡コンクリートを用いて、これを
オートクレーブ等の型内に充填し、加熱下及び加圧下、
発泡させながら、軽量気泡コンクリートの一体成型を行
うと共に前記熱可塑性樹脂20による芯材及び軽量気泡コ
ンクリートとの境界での熱溶圧着を行わしめるようにし
てもよい。前記加熱及び加圧の条件は、例えば温度が18
0 ℃、圧力が10kg/cm2とすることができるが、前記発泡
樹脂30の場合よりも、一般により高温、高圧となる。勿
論、この加熱、加圧の条件は、内部に包被される材料や
接合手段としての材料の種類に応じて、予め実験で定め
ておくことになる。構造物の包被体としての軽量気泡コ
ンクリートが持つ特性、例えば不燃性や高強度の作用や
効果を発揮させることができる。
【0038】以上で述べた実施の形態による効果を次に
列挙しておく。 (1).接着剤を使用しないことから、製造時間が短縮
される。 (2).接着剤を使用しないことから、接着剤の材料コ
ストがかからない。 (3).接着剤を使用しないことから、接着剤の重量が
軽量化される。 (4).外周全面を発泡樹脂で覆っているために、断熱
性、遮音性が高い。 (5).外周全面を発泡樹脂で覆っているために、ハニ
カム構造体と介在層である熱可塑性樹脂等との剥離強度
が向上する。 (6).外周全面を発泡樹脂で覆っているために、耐衝
撃性が向上する。 (7).外周全面を発泡樹脂で覆っているために、浮力
が増大する。 (8).熱可塑性樹脂の材質、厚みを変えたり、ナイロ
ンやカーボン繊維等を内包したシートを使用すること
で、全体の強度を簡単に用途によって変えることができ
る。 (9).パネルだけではなく、立体的なものも製造で
き、用いることができる。 (10).ハニカム構造体を内包した構造物に更に軽量気
泡コンクリート(ALC)や、ガラス繊維強化セメント
(GRC)又はコンクリート等を吹き付け等の表面処理
することで、耐火仕様にすることができる。 (11).一体成型を発泡樹脂を使用しないで、ALC等
の不燃材で成型することで、強度、不燃性を向上させる
ことができる。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用からなり、請
求項1に記載のハニカム構造体を内包した構造物によれ
ば、ハニカム構造体を用いることで、軽量で高強度が期
待される。また一体成型した発泡樹脂で周囲から圧力を
持って包被されるようにしているので、高価で接着に長
時間を有する接着剤を用いることなく、ハニカム構造体
とその周囲の材料との良好な接合を短時間で達成するこ
とができる。よって大量生産も容易となる。また接着剤
を使用しないことから、製造時間が短縮される。また接
着剤を使用しないことから、接着剤の材料コストがかか
らない。また接着剤を使用しないことから、接着剤の重
量が軽量化される。また外周全面を発泡樹脂で覆ってい
るために、断熱性、遮音性が高い。また外周全面を発泡
樹脂で覆っているために、ハニカム構造体と介在層であ
る熱可塑性樹脂等との剥離強度が向上する。また外周全
面を発泡樹脂で覆っているために、耐衝撃性が向上す
る。また外周全面を発泡樹脂で覆っているために、浮力
が増大する。請求項2に記載のハニカム構造体を内包し
た構造物によれば、請求項1に記載の構成による効果に
加えて、ハニカム構造体を内包した構造物の用途や目的
に応じて、各種の金属製ハニカム構造体、各種の樹脂製
ハニカム構造体、各種の紙製ハニカム構造体を採用し、
強度や重量やコスト等の条件にかなったハニカム構造体
を内包した構造物を提供することができる。請求項3に
記載のハニカム構造体を内包した構造物によれば、請求
項1又は2に記載の構成による効果に加えて、使用条件
等に応じて、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリウレタン、ABS及びこれらの重合体の中か
ら適当なものを選んで熱可塑性樹脂として用いることが
できる。請求項4に記載のハニカム構造体を内包した構
造物によれば、請求項1〜3の何れかに記載の構成によ
る効果に加えて、介在層としての熱可塑性樹脂を強化
し、全体としての構造物の強度を向上させることができ
る。請求項5に記載のハニカム構造体を内包した構造物
によれば、請求項1〜4の何れかに記載の構成による効
果に加えて、熱可塑性樹脂とハニカム構造体との境界に
おいて、熱可塑性樹脂とハニカム構造体とによる熱溶
着、圧着の要素による接合に、前記熱接着性剤による接
着による接合を付加することができ、接合強度を一層向
上させることができる。請求項6に記載のハニカム構造
体を内包した構造物によれば、請求項1〜5の何れかに
記載の構成による効果に加えて、熱可塑性樹脂は、それ
に付属する材料を含めて、表裏面に貫通する穴を分散し
て設けてあるので、上下の位置にある発泡樹脂を熱可塑
性樹脂の貫通穴及びハニカム構造体の貫通穴を介して連
続させることができ、発泡樹脂と熱可塑性樹脂との剥離
強度、熱可塑性樹脂とハニカム構造体との剥離強度を向
上させ、また構造物全体としての結合強度を向上させる
ことができる。請求項7に記載のハニカム構造体を内包
した構造物によれば、請求項1〜6の何れかに記載の構
成による効果に加えて、構造物の用途や目的、その他の
条件に応じて、或いは発泡樹脂の更に外表面側に配され
る材料との関係において、適当な種々の発泡樹脂を選ん
で用いることができる。請求項8に記載のハニカム構造
体を内包した構造物によれば、請求項1〜7の何れかに
記載の構成による効果に加えて、用途や条件に応じて表
面材を自由に構成することができる。請求項9に記載の
ハニカム構造体を内包した構造物によれば、請求項1〜
8の何れかに記載の構成による効果に加えて、熱可塑性
樹脂の代わりに、表裏面に熱接着性剤若しくはホットメ
ルト剤等の高温を加えることで接合を達成する熱接合性
剤を施した鋼板等の金属またはその他の強度の大きい材
料が介在層として用いられることで、構造物の芯となる
構造体をより強度の強いものとすることができ、全体と
しての構造物を一層高強度とすることができる。請求項
10に記載のハニカム構造体を内包した構造物によれば、
請求項1、2、3、4、5、6、8、9の何れかに記載
の構成による効果に加えて、発泡樹脂の代わりに軽量気
泡コンクリートを用いることで、構造物の包被体とし
て、軽量気泡コンクリートの持つ例えば不燃性、高強度
等の特性、作用、効果を発揮させることができる。勿
論、発泡樹脂の場合と同様に、軽量気泡コンクリートの
一体成型の際には、該軽量気泡コンクリートの発泡によ
り、内部に対して圧力を加え、よって熱可塑性樹脂とハ
ニカム構造体及び熱可塑性樹脂と発泡樹脂と間に圧着の
要素を与えることができる。また、請求11に記載のハニ
カム構造体を内包した構造物の製造方法によれば、ハニ
カム構造体を用いた、軽量で高強度のハニカム構造体を
内包した構造物を製造することができる。接着剤を用い
ることなく、熱可塑性樹脂を用い、且つ発泡樹脂で周囲
から加熱及び加圧しながら一体成型するようにしている
ので、短時間で良好な接合を達成し、製造を完了するこ
とができる。よってまた大量生産も容易に行うことがで
きる。高価な接着剤を使用せず、短時間で大量生産する
ことができるので、材料費、人件費等の低減による製造
コストの大幅低下を図ることができる。軽量で高強度の
性質に加えて、断熱性及び遮音性も非常に良好な構造物
を製造することができる。外周全面を発泡樹脂で覆うよ
うに一体成型しているために、ハニカム構造体と介在層
である熱可塑性樹脂等との剥離強度を向上させた構造物
を製造することができる。外周全面を発泡樹脂で覆うよ
うに一体成型しているために、耐衝撃性を向上させた構
造物を製造することができる。外周全面を発泡樹脂で覆
うように一体成型しているために、浮力を増大させた構
造物を製造することができる。請求項12に記載のハニカ
ム構造体を内包した構造物の製造方法によれば、請求項
11に記載の構成による効果に加えて、ハニカム構造体を
内包した構造物の用途や目的に応じて、条件にかなった
ハニカム構造体を内包した構造物を製造することができ
る。請求項13に記載のハニカム構造体を内包した構造物
の製造方法によれば、請求項11又は12に記載の構成によ
る効果に加えて、使用条件等に応じて、好ましい熱可塑
性樹脂シートを用いて、条件にかなったハニカム構造体
を内包した構造物を製造することができる。請求項14に
記載のハニカム構造体を内包した構造物の製造方法によ
れば、請求項11〜13の何れかに記載の構成による効果に
加えて、強化した熱可塑性樹脂シートを用いて、強度の
向上したハニカム構造体を内包した構造物を製造するこ
とができる。請求項15に記載のハニカム構造体を内包し
た構造物の製造方法によれば、請求項11〜14の何れかに
記載の構成による効果に加えて、熱可塑性樹脂のシート
として、ハニカム構造体と接触する側の表面に高温を加
えることで接着を達成する熱接着性剤を施した熱可塑性
樹脂シートを用いているので、熱可塑性樹脂とハニカム
構造体との境界における接合において、熱溶着、圧着の
要素に加えて、熱接着性剤による接着による接合を付加
することができ、接合強度が一層向上せられたハニカム
構造体を内包した構造物を製造することができる。請求
項16に記載のハニカム構造体を内包した構造物の製造方
法によれば、請求項11〜15の何れかに記載の構成による
効果に加えて、熱可塑性樹脂のシートは、それに付属す
る材料を含めて、表裏面に貫通する穴を分散して設けて
あるので、発泡工程において、上下位置にある発泡樹脂
が前記表裏面に貫通する穴を介して連続し、その結果、
発泡樹脂と熱可塑性樹脂との剥離、熱可塑性樹脂とハニ
カム構造体との剥離に対する強度を向上させることがで
き、また製造される構造物全体としての結合強度を一層
向上させることができる。請求項17に記載のハニカム構
造体を内包した構造物の製造方法によれば、請求項11〜
16の何れかに記載の構成による効果に加えて、構造物の
用途や目的、その他の条件に応じて、或いは発泡樹脂の
更に外表面側に配される材料との関係において、適当な
種々の発泡樹脂を用いて、条件にあったハニカム構造体
を内包した構造物を製造することができる。請求項18に
記載のハニカム構造体を内包した構造物の製造方法によ
れば、請求項11〜17の何れかに記載の構成による効果に
加えて、用途や条件に応じて表面材を自由に構成したハ
ニカム構造体を内包した構造物を製造することができ
る。請求項19に記載のハニカム構造体を内包した構造物
の製造方法によれば、請求項11〜18の何れかに記載の構
成による効果に加えて、熱可塑性樹脂のシートの代わり
に、表裏面に熱接着性剤若しくはホットメルト剤等の高
温を加えることで接合を達成する熱接合性剤を施した鋼
板等の金属またはその他の強度の大きい材料シートを用
いたので、構造物の芯となる構造体をより高強度にする
ことができ、全体として一層高強度の構造物を製造する
ことができる。請求項20に記載のハニカム構造体を内包
した構造物の製造方法によれば、請求項11、12、13、1
4、15、16、18、19の何れかに記載の構成による効果に
加えて、構造物の包被体として軽量気泡コンクリートの
持つ、例えば不燃性、高強度等の特性、作用、効果を発
揮させたハニカム構造体を内包した構造物を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハニカム構造体を内包した構造物
の実施の形態を示す一部破断外観図である。
【図2】同構造物の縦断面図である。
【図3】ハニカム構造体を内包した構造物の別の実施の
形態を示す一部破断外観図である。
【図4】包被体の外表面側に更に材料を施す場合等にお
ける包被体の外表面の処理の例を示す図である。
【図5】本発明のハニカム構造体を内包した構造物の製
造方法を説明する図で、ハニカム構造体と熱可塑性樹脂
シートを示す斜視図である。
【図6】同じく本発明の製造方法を説明する図で、ハニ
カム構造体の表裏面に熱可塑性樹脂シートを重ね合わせ
た状態を示す断面図である。
【図7】同じく本発明の製造方法を説明する図で、熱可
塑性樹脂シートを重ね合わせたハニカム構造体を型内に
入れて、包被体を充填して一体成型した状態を示す断面
図である。
【図8】同じく本発明の製造方法を説明する図で、製造
された構造物におけるハニカム構造体と熱可塑性樹脂シ
ートと包被体との各界面の状態を模型的に示す断面図で
ある。
【図9】本発明に係るハニカム構造体を内包した構造物
の製造方法の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
1 構造物 10 ハニカム構造体 11 貫通穴 12 表裏面 20 熱可塑性樹脂 30 発泡樹脂

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材としてのハニカム構造体と、そのハ
    ニカム構造体の各穴が貫通する表裏面に介在層として存
    在する熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂を表裏面に介在
    させたハニカム構造体の全体を内包する包被体として存
    在する一体成型の発泡樹脂とから少なくともなり、前記
    ハニカム構造体と熱可塑性樹脂と発泡樹脂とは各境界に
    おいて連続的に接合されていることを特徴するハニカム
    構造体を内包した構造物。
  2. 【請求項2】 ハニカム構造体は、アルミニウム合金、
    鉄合金、ステンレス合金等の金属製ハニカム構造体、繊
    維強化樹脂を含む樹脂製ハニカム構造体、紙製ハニカム
    構造体の中から選ばれることを特徴とする請求項1に記
    載のハニカム構造体を内包した構造物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂は、ポリスチレンやポリエ
    チレンやポリプロピレンやポリウレタンやABS及びこ
    れらの重合体の中から選ばれることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のハニカム構造体を内包した構造物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂は、ナイロン繊維、グラス
    ファイバー、カーボンファイバー等の耐熱性と剛性を備
    えた繊維や耐熱性と剛性を備えた金属や非金属をシート
    状やネット状やマット状にしたものをサンドイッチし或
    いはハニカム構造体とは接触しない側の表面に接合する
    ことで強化せられていることを特徴とする請求項1〜3
    の何れかに記載のハニカム構造体を内包した構造物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂は、ハニカム構造体と接触
    する側の表面に高温を加えることで接着を達成する熱接
    着性剤を施した熱可塑性樹脂が用いられることで、該熱
    可塑性樹脂とハニカム構造体との境界において前記熱接
    着性剤による接着層が存在することを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載のハニカム構造体を内包した構造
    物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂は、それに付属する材料を
    含めて、表裏面に貫通する穴を分散して設けてあること
    を特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のハニカム構
    造体を内包した構造物。
  7. 【請求項7】 発泡樹脂は、発泡ポリスチレン、発泡ポ
    リエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン、
    発泡ABS等の発泡成型ができる樹脂及びこれらの重合
    体の中から選ばれることを特徴とする請求項1〜6の何
    れかに記載のハニカム構造体を内包した構造物。
  8. 【請求項8】 発泡樹脂の外表面にさらに材料が施こさ
    れていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載
    のハニカム構造体を内包した構造物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂の代わりに、表裏面に熱接
    着性剤若しくはホットメルト剤等の高温を加えることで
    接合を達成する熱接合性剤を施した鋼板等の金属または
    その他の強度の大きい材料が介在層として用いられるこ
    とで、該介在層とハニカム構造体との境界及び介在層と
    発泡樹脂との境界において、高温接合剤による接合層が
    存在することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載
    のハニカム構造体を内包した構造物。
  10. 【請求項10】 発泡樹脂の代わりに軽量気泡コンクリ
    ートを包被体とする請求項1、2、3、4、5、6、
    8、9の何れかに記載のハニカム構造体を内包した構造
    物。
  11. 【請求項11】 ハニカム構造体を芯材として、その各
    穴が貫通する表裏面に熱可塑性樹脂からなるシートを重
    ね合わせ、これらを発泡樹脂成型用の型内に配置してそ
    の周囲に発泡樹脂を充填し、加熱下及び加圧下におい
    て、発泡樹脂の一体成型を行うと共に前記熱可塑性樹脂
    による芯材及び発泡樹脂との境界での熱溶圧着を行わし
    めることを特徴とするハニカム構造体を内包した構造物
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 ハニカム構造体は、アルミニウム合
    金、鉄合金、ステンレス合金等の金属製ハニカム構造
    体、繊維強化樹脂を含む樹脂製ハニカム構造体、紙製ハ
    ニカム構造体の中から選ばれることを特徴とする請求項
    11に記載のハニカム構造体を内包した構造物の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 熱可塑性樹脂のシートは、ポリスチレ
    ンやポリエチレンやポリプロピレンやポリウレタンやA
    BSのシート及びこれらの重合体からなるシートの中か
    ら選ばれることを特徴とする請求項11又は12に記載のハ
    ニカム構造体を内包した構造物の製造方法。
  14. 【請求項14】 熱可塑性樹脂のシートは、ナイロン繊
    維、グラスファイバー、カーボンファイバー等の耐熱性
    と剛性を備えた繊維や耐熱性と剛性を備えた金属や非金
    属をシート状やネット状やマット状にしたものをサンド
    イッチし或いはハニカム構造体とは接触しない面に接合
    することで強化せられていることを特徴とする請求項11
    〜13の何れかに記載のハニカム構造体を内包した構造物
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 熱可塑性樹脂のシートは、ハニカム構
    造体と接触する側の表面に高温を加えることで接着を達
    成する熱接着性剤を施した熱可塑性樹脂シートが用いら
    れることを特徴とする請求項11〜14の何れかに記載のハ
    ニカム構造体を内包した構造物の製造方法。
  16. 【請求項16】 熱可塑性樹脂のシートは、それに付属
    する材料を含めて、表裏面に貫通する穴を分散して設け
    てあることを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載の
    ハニカム構造体を内包した構造物の製造方法。
  17. 【請求項17】 発泡樹脂は、発泡ポリスチレン、発泡
    ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタ
    ン、発泡ABS等の発泡成型ができる樹脂及びこれらの
    重合体の中から選ばれることを特徴とする請求項11〜16
    の何れかに記載のハニカム構造体を内包した構造物の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 発泡樹脂の外表面に発泡樹脂の成型と
    同時に若しくは成型後に、さらに材料を施こすことを特
    徴とする請求項11〜17の何れかに記載のハニカム構造体
    を内包した構造物の製造方法。
  19. 【請求項19】 熱可塑性樹脂のシートの代わりに、表
    裏面に熱接着性剤若しくはホットメルト剤等の高温を加
    えることで接合を達成する熱接合性剤を施した鋼板等の
    金属またはその他の強度の大きい材料シートを用い、こ
    れをハニカム構造体の表裏面に重ね合わすことを特徴と
    する請求項11〜18の何れかに記載のハニカム構造体を内
    包した構造物の製造方法。
  20. 【請求項20】 発泡樹脂の代わりに軽量気泡コンクリ
    ートを用いて、これを型内に充填し、加熱下及び加圧下
    において、軽量気泡コンクリートの一体成型を行うと共
    に前記熱可塑性樹脂による芯材及び軽量気泡コンクリー
    トとの境界での熱溶圧着を行わしめることを特徴とする
    請求項11、12、13、14、15、16、18、19の何れかに記載
    のハニカム構造体を内包した構造物の製造方法。
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