JP2930233B2 - ベンドキャップ構造 - Google Patents

ベンドキャップ構造

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JP2930233B2
JP2930233B2 JP8138603A JP13860396A JP2930233B2 JP 2930233 B2 JP2930233 B2 JP 2930233B2 JP 8138603 A JP8138603 A JP 8138603A JP 13860396 A JP13860396 A JP 13860396A JP 2930233 B2 JP2930233 B2 JP 2930233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の外壁に取付け
られて室内の換気を行うベンドキャップに関る。
【0002】
【従来の技術】従来、換気を良くするための一手段とし
て、壁部に形成した換気口に、丸型や角型のカバー又は
フードを取付けた換気装置としてのベンドキャップがあ
る。
【0003】ベンドキャップは、屋外側の前側外気流入
口にカバーやフードが取付けられ、しかも左右軸方向に
伸延する横羽根を、屋外に位置する前端側を低位置にす
ると共に、屋内側に位置する後端側を高位置にした傾斜
状態で、上下方向に一定の間隔を開けて複数個横架した
ものである。
【0004】この構成により、カバーやフードを通過
後、上下方向に隣接する横羽根間に形成される前側外気
流入口を通して、外気を下方より上方へ向けて案内しな
がら屋内へ取込んだり、これとは反対に屋内空気を屋外
へ排気できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したベ
ンドキャップでは、次のような問題が生じていた。
【0006】すなわち、外気が前側外気流入口を通して
下方より上方へ向けて屋内に取込まれるようにしている
にもかかわらず、強風の場合や風向きによっては、外気
と共に雨水が前側外気流入口を通して屋内に浸入し、屋
内を水浸しにするという間題が生じていた。
【0007】特に、地上より高い建物でベンドキャップ
が高い位置に取付けられている場合には、雨が建物の外
壁に沿って下から上へ吹き上げるので、ベンドキャップ
から雨水が浸入し易い。
【0008】また、屋外に設けられたカバーやフードは
空から降る雨水の浸入を防ぐ防雨効果はあるが、下方か
ら吹き上げる雨水に対しては防雨効果がなく、しかも、
カバーやフードが屋外へ突出しているので、風に振動し
て比較的大きな風切り音が生じるという問題があった。
【0009】さらに、ベンドキャップに一端が接続され
て、屋内の所要箇所まで引き回されている横引きの屋内
配管は、接続箇所より屋内側を高くして配管されるが、
階高が低い建物では配管の勾配が取れずに水平勾配とな
り易く、ジョイントから雨水が浸入する虞れがあるとい
う問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、壁
部に形成した換気口に取付けて、換気を行えるようにし
たベンドキャップであって、両端部が開口されて、換気
口中に嵌合状態で取付け可能な筒状のキャップ本体と、
中央開口部を有して、キャップ本体の内部空間を屋外側
の前側空間及び屋内側の後側空間に二分する空間区分壁
と、前側空間に設けられる一次捕水流路構造体と、後側
空間に設けられる二次捕水流路構造体とを備え、一次捕
水流路構造体が、キャップ本体の前側外気流入口の面に
平行な前側端面と、構造体外周部に形成されて、構造体
内の一次内部流路及び一次排水路間を連通する一次外周
側開口部とを有しており、またキャップ本体の前側空間
側の内周面及び一次捕水流路構造体間には、前側空間に
浸入してきた雨水を屋外へ流下させる一次排水路が周設
され、さらに二次捕水流路構造体が、キャップ本体の後
側外気流入口の面に平行な後側端面と、構造体外周部に
形成されて、構造体内の二次内部流路及び二次排水路間
を連通する二次外周側開口部とを有しており、またキャ
ップ本体の前側及び後側空間側の内周面と、一次及び二
次捕水流路構造体との間には、後側空間に浸入した雨水
を、空間区分壁の下部に形成された排水孔を通して屋外
へ流下させる二次排水路が周設されたことを特徴とする
ベンドキャップ構造を提供せんとするものである。
【0011】また、本発明は、空間区分壁が、軸線方向
を前記キャップ本体の軸線方向に合致させた状態で、一
次及び二次捕水流路構造体内に流路形成フィンとして組
み込まれる一対の前後側インナーリングのフランジから
なり、また一次捕水流路構造体は、前側インナーリング
の他に、前側端面が前側外気流入口に面一に配置され、
かつ周壁の前側インナーリングと対向する箇所に、複数
個の一次外周側開口部が形成された受け皿状のフロント
カバーを有しており、さらに二次捕水流路構造体は、後
側インナーリングの他に、周壁の後側インナーリングと
対向する箇所に、複数個の二次外周側開口部が形成され
た受け皿状のリヤカバーを有していることにも特徴があ
る。
【0012】さらに、本発明は、一次捕水流路構造体
が、前側端面を前側外気流入口に面一に揃え、かつ周壁
に一次外周側開口部が所定角度毎に複数個形成された受
け皿状のフロントカバーを有し、さらに二次捕水流路構
造体が、キャップ本体の後側空間に配置されて、かつ第
1の上下部通気口及び空間区分壁の中央開口部より開口
面積の小さい第1の中央部通気口が形成された第1の後
側板と、後側空間の第1の後側板より後側に配置され
て、かつ第1の上下部通気口より開口面積の大きい第2
の上下部通気口が形成された第2の流路形成板とを有
し、また空間区分壁の中央開口部形成部付近の後側面に
上下一対の第1の流路形成フィンが配設され、第1の後
側板の前側面であって各第1の流路形成フィンより外周
側に、上下一対の第2の流路形成フィンが配設され、さ
らに第1の後側板の中央部通気口形成部付近の後側面に
上下一対の第3の流路形成フィンが配設され、次いで第
2の後側板の前側面であって各第3の流路形成フィンよ
り外周側に、上下一対の第4の流路形成フィンが配設さ
れ、それから第1及び第2の流路形成フィンの先部同
士、第3及び第4の流路形成フィンの先部同士が、各仮
想垂直透過面上でオーバーラップしていることにも特徴
を有している。
【0013】そして、本発明は、二次排水路の排水口付
近に、開口面を屋外へ向けた断面コ字状の着脱可能な水
切り板を設けたことにも特徴を有している。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0015】図1に示すAは、本発明に係るベンドキャ
ップであり、ベンドキャップAは、壁部Wに形成した換
気口1に取付けて、室内の換気が行なえるようにしてい
る。
【0016】図1及び図2に示すように、ベンドキャッ
プAは、両端部が開口されて、換気口1中に嵌合状態で
取付け可能な筒状のキャップ本体2と、中央開口部3aを
有して、キャップ本体2の内部空間を屋外側の前側空間
S1及び屋内側の後側空間S2に二分する空間区分壁3と、
前側空間S1に配置される一次捕水流路構造体4と、後側
空間S2に設けられる二次捕水流路構造体5とを備え、キ
ャップ本体2の前側空間S1側の内周面及び一次捕水流路
構造体4間に、前側空間S1に浸入してきた雨水を屋外へ
流下させる一次排水路15が周設され、またキャップ本体
2の前側及び後側空間S1,S2 側の内周面と、一次及び二
次捕水流路構造体4,5 との間に、後側空間S2に浸入した
雨水を、空間区分壁3の下部に形成された排水孔3bを通
して屋外へ流下させる二次排水路20が周設された構造を
有している。
【0017】キャップ本体2には、前側端に前側外気流
入口2aが、後側端壁2cに後側外気流入口2bが形成されて
おり、後側端壁2cには、屋内配管13に連結されたジョイ
ントパイプ14がビス止めされている。キャップ本体2の
空間区分壁3を挟んだ前側及び後側空間S1,S2 の下部に
は、周壁の一部を下方へ屈曲させることにより、前記二
次排水路20の前側部分を構成する排水路下流部20′が形
成されている。また、キャップ本体2の前側端に突出さ
れたフランジ2dの下部には、後述する排水路区分板21を
収納する切欠部2eが形成されている。
【0018】空間区分壁3は、それぞれ一次及び二次捕
水流路構造体4,5 の一部を構成する前後側インナーリン
グ6,7 の互いに連結されたフランジ6a,7a により構成さ
れている。これらの前後側インナーリング6,7 は、軸線
方向をキャップ本体2の軸線方向に合致させた状態で、
一次及び二次内部流路a、bの形成用フィンとして組み
込まれている。
【0019】前後側インナーリング6,7 は、中間に防虫
網12を挟んでフランジ6a,7a 同士を接合することによ
り、リング部6b,7b の軸線方向の長さが2倍となった連
続管体となる。フランジ6a,7a は、略キャップ本体2の
内径と同じ外径を有している。
【0020】一次捕水流路構造体4は、前側インナーリ
ング6の他に、受け皿状のフロントカバー4Aを有してい
る。フロントカバー4Aは、その前側端面4aが前側外気流
入口2aに面一な状態で配置されており、また周壁4bの元
部には、リング部6bとの対向箇所に一次外周側開口部4c
が、周方向へ30°毎に12個形成されている。
【0021】二次捕水流路構造体5は、後側インナーリ
ング7の他に、フロントカバー4Aと同形状のリヤカバー
5Aを有している。リヤカバー5Aは、前側端面5aが後側外
気流入口2bの面に平行に配置されており、また周壁5bの
元部には、リング部7bとの対向箇所に二次排水路20に連
通する二次外周側開口部5cが、30°毎に12個形成されて
いる。なお、フロント及びリヤカバー4A,5A には、対向
配置されるフランジ4d,5d が形成されており、フランジ
4d,5d を介して太鼓状に重合される。
【0022】フロント及びリヤカバー4A,5A と、前後側
インナーリング6,7 とのキャップ本体2への取付けは、
重合される4枚の各フランジ4d,5d,6a,7a を、長尺な3
本の固定用ビス18を介して、後側端壁2cに締着すること
により行われる。各固定用ビス18には、フロントカバー
4Aの前側端面4aを前側外気流入口2aと面一に保持可能な
長さの締付けパイプ17が外挿されている。なお、各フラ
ンジ4d,5d,6a,7a の下部には、短尺なビス19を介して、
一次及び二次排水路15,20 を区分する排水路区分板21の
元部が締着されている。排水路区分板21の前側の端部は
下方へ屈曲されて、二次排水路20の排水口20a を下向き
にしている。そして、キャップ本体2の下端縁には、開
口面を屋外へ向けた断面コ字状を有して、二次排水路20
から流下された雨水の水切り板22が、ビス23により着脱
可能に締着されている。
【0023】なお、図1において、14a はジョイントパ
イプ14の通気口、24は壁部Wの換気口1とキャップ本体
2の前側外気流入口2aとの隙間を塞ぐコーキング材、25
はフランジ4d,5d 及びフランジ6a,7a 間に防虫網12を固
定させる押さえゴム兼止水パッキンである。また、図2
において、26はキャップ本体2内でフロントカバー4A
を、その周方向の所定の角度位置に固定する位置決め部
である。この位置決め部26は、リヤカバー5A側にも設け
られている。
【0024】ベンドキャップAにおいて、台風などの雨
を伴う強風時に、風はキャップ本体2の前側空間S1及び
フロントカバー4Aの周壁4bの外周面間に周設された一次
排水路25から、周壁4dに形成された各一次外周側開口部
4cを通ってフロントカバー4A内の一次内部流路aに流れ
込んでくる。風に含まれる雨水の大部分は、この一次排
水路15を通過中にキャップ本体2の前側の内周面やフロ
ントカバー4Aの周壁4bの外周面に付着して捕水され、そ
の後、これら各内外周面を伝って自重落下し、一次排水
路15の下部から排水路区分板211を介して屋外へ流下さ
れる。
【0025】次いで、一次内部流路aに入り込んだ残り
の雨水を含む風は、図1矢印に示すように、一旦、前側
インナーリング6のリング部6bに沿ってフロントカバー
4A内の先部側へ流れ込み、そこから前側インナーリング
6の内部、そして空間区分壁3を通過して後側インナー
リング7の内部へと流入される。このとき、一次内部流
路aを形成する各フロントカバー4Aの内面や、前側イン
ナーリング6のリング部6bの外周面に一部の雨水が付着
し、捕水された雨水は各面を伝って自重落下して、フロ
ントカバー4Aの下部付近で、一次外周側開口部4c′から
一次排水路15の下部へと流れ落ち、同様に排水路区分板
21を経て屋外へ流下される。
【0026】一方、後側インナーリング7の内部へ流れ
込んだ若干の雨水を含む風は、二次内部流路bのリヤカ
バー5Aの先部側に達してから、図1矢印に示すようにリ
ヤカバー5Aの周壁5bの各二次外周側開口部5c側へと回り
込み、二次排水路20を経て後側外気流入口2bからジョ
イントパイプ14内に入って、通気口14a より屋内配管13
へ流れ込み、建物の室内へと取り込める。
【0027】この際、二次内部流路bを形成する各リヤ
カバー5Aの内面や、後側インナーリング7のリング部7b
の外周面に付着した雨水は、これら各面を伝って自重落
下し、リヤカバー4の下部において二次外周側開口部5
c′を通過して二次排水路20の下部に達し、それから空
間区分壁3の下部に形成された排水孔3bを通って排水路
下流側部分20′より水切り板22上に落下して、屋外へ流
下される。
【0028】このように、実施例のベンドキャップA
は、キャップ本体2の前側空間S1に浸入した雨水を一次
排水路15から屋外へ排出し、一方後側空間S2に浸入した
雨水を二次排水路20を通して排出するようにしたので、
強風や風向きによっても、外気と共に雨水が前側外気流
入口2aを通して室内に浸入するのを防止し、この室内を
水浸しにすることがない。
【0029】また、屋外へ突出するカバーやフードがな
いので、風切り音が発生しない。
【0030】さらに、一次捕水流路構造体4として、複
数個の一次外周側開口部4cが形成されたフロントカバー
4Aと、その一次内部流路aに配置される前側インナーリ
ング6とを有するものを採用し、二次捕水流路構造体5
として、フロントカバー4Aと同一形状のリヤカバー5A
と、その二次内部流路bに配置される後側インナーリン
グ7とを有するものを採用したので、風がフロントカバ
ー4Aに形成された一次外周側開口部4cより一次内部流路
aに流れ込み易く、しかも構造が簡単でコスト低下が図
れる。
【0031】また、フロントカバー4Aの前側端面4aを、
キャップ本体2の前側外気流入口2aに面一にしたので、
建物の外壁の外観も良好になり、しかも強風が上下左右
方向から吹いても、キャップ本体2の内部空間には、屋
外に露出した比較的狭い一次排水路15からのみ風が流れ
込むので、その風が比較的多量に前側空間S1へ巻き込ま
れて、弱い風切り音が発生するのを防止できる。
【0032】さらに、二次排水路20の排水口20a 付近
に、開口面を屋外へ向けた断面コ字状の着脱可能な水切
り板22を設けたので、二次排水路20の排水口20a から排
水された、二次捕水流路構造体5からの雨水の良好な水
切りができる。
【0033】図3〜図6は、第2実施例のベンドキャッ
プBを示しており、図3に示すように、ベンドキャップ
Bは、横長で大口の中央開口部30a が形成された円板状
の空間区分壁30を有しており、中央開口部30a 形成部付
近の後側面に、上下一対の第1の流路形成フィン30b,30
c が配設されている(図6も参照)。
【0034】一次捕水流路構造体には、第1の実施例の
前後側インナーリング6,7 を省略し、また周壁31a に形
成された一次外周側開口部31b が、第1の実施例の一次
外周側開口部4cより大きなフロントカバー31が採用され
ている。
【0035】それから、二次捕水流路構造体29として、
空間区分壁30の後方の後側空間S2に順次所定間隔をあけ
て配置される第1の後側板32と、第2の後側板33とを有
するものが採用されている。
【0036】図3、図4に示すように、第1の後側板32
には、横長な第1の上下部通気口32a,32b 及び空間区分
壁30の中央開口部30a より開口面積の小さい横長な第1
の中央部通気口32c が形成されている。第1の後側板32
の前側面であって各第1の流路形成フィン30b,30c より
外周側には、上下一対の第2の流路形成フィン32d,32e
が配設されており、第1の後側板32の第1の中央部通気
口32c 形成部付近の後側面には、上下一対の第3の流路
形成フィン32f,32g が配設されている。
【0037】また、図3、図5に示すように、第2の後
側板33には、第1の上下部通気口32a,32b より開口面積
の大きい横長な第2の上下部通気口33a,33b が形成さ
れ、第2の後側板33の前側面であって各第3の流路形成
フィン32f,32g より外周側に、上下一対の第4の流路形
成フィン33c,33d が配設されている。
【0038】それから、上下一対の第1及び第2の流路
形成フィン30b-32d,30c-32e の各先部同士、また上下一
対の第3及び第4の流路形成フィン32f-33c,32g-33d の
各先部同士が、それぞれ仮想垂直透過面上でオーバーラ
ップしている。これにより、流路の屈曲が大きくなっ
て、風に含まれる雨水が各後側板32,33 及び各流路形成
フィン30b,30c,32d,32e,32f,32g,33c,33d の流路側の面
に付着し易くなり、捕水効果が向上する。一般に、フィ
ン同士をオーバーラップさせると空気の流れは悪くなる
が、各フィン間隔を比較的大きくとることで、その程度
を小さくできる。
【0039】図3において、a′は一次内部流路、b′
は二次内部流路、30d は排水孔、34,35 は二次外周側開
口部であり、図4〜図6において、30e,32i,33e は締付
けパイプ17の挿通孔、30f はビス孔、30g,32j,33f は位
置決め凹部あり、32h は突片である。
【0040】第2の実施例のベンドキャップBにおい
て、屋外の雨水を伴う風は、前側外気流入口2aから一次
排水路15へ流れ込み、それからフロントカバー31の周壁
31a の各一次外周側開口部31b から一次内部流路a′に
流入して、空間区分壁30の中央開口部30a を通って二次
捕水流路構造体29の二次内部流路b′へ入る。ここで、
二次内部流路b′に流れ込んだ風は、進行方向にある第
1の後側板32に形成された第1の中央部通気口32c が中
央開口部30a より開口面積が小さいために、そのまま直
進する気流と、上下側へ分かれる気流とに区分される。
直進する気流は、第1の中央部通気口32c から第2の後
側板33の中央部の壁面に当接し、その後、上下左右へ分
かれて上部第3の流路形成フィン32f と上部第4の流路
形成フィン33c との隙間又は下部第3の流路形成フィン
32g と下部第4の流路形成フィン33d との隙間をすり抜
けて二次外周側開口部35から二次排水路20の後側部へ流
れ込み、それから第2の上部通気口33a 又は第2の下部
通気口33b を経て後側外気流入口2b、通気口14a を通過
し、屋内配管13に流れ込む。
【0041】一方、二次内部流路b′に流れ込んだ後、
第1の後側板32の上下の壁面に当接して上下方向へ枝分
かれした気流は、上部第1の流路形成フィン30b と上部
第2の流路形成フィン32d との隙間又は下部第1の流路
形成フィン30c と下部第2の流路形成フィン32e との隙
間をすり抜けて二次外周側開口部34から二次排水路20の
前側部へ流れ込み、それから第1の上部通気口32a,第1
の下部通気口32b を経て二次排水路20の後側部へ入り、
同様に第2の上部通気口33a 又は第2の下部通気口33b
を経て後側外気流入口2b, 通気口14a を通過し、屋内配
管13に流れ込む。
【0042】前側空間S1において、フロントカバー31の
各面に付着した雨水は、周壁31a の外周面を伝って、ま
たは周壁31a の内周面を伝って下部の一次外周側開口部
31bから一次排水路15へ達し、第1の実施例の場合と同
様にして排水される。
【0043】後側空間S2において、まず空間区分壁30と
第1の後側板32との間にある各面により捕水された雨水
は、最終的に下部第2の流路形成フィン32e の上面から
二次外周側開口部34を経て二次排水路20に落下し、また
第1の後側板32と第2の後側板33との間にある各面によ
り捕水させた雨水は、最終的に下部第4の流路形成フィ
ン33d の上面から二次外周側開口部35を経て二次排水路
20に落下し、空間区分壁30の下部の排水孔30d を通って
第1の実施例の場合と同様に外部排出される。
【0044】このように、第2の実施例のベンドキャッ
プBでは、二次捕水流路構造体29を、空間区分壁30から
順に所定間隔をあけて配置される第1の後側板32と第2
の後側板33と、所定数の各流路形成フィン30b,30c,32d,
32e,32f,32g,33c,33d とにより構成したので、二次内部
流路b′が複雑な迷路状になり、第1の実施例のベンド
キャップAの二次捕水流路構造体5より捕水効率が良好
になる。
【0045】そして、一次捕水流路構造体として、周壁
31a に複数個の一次外周側開口部31b が形成されたフロ
ントカバー31を有するものを採用したので、風がこれら
の一次外周側開口部31b より一次内部流路a′に流れ込
み易く、しかも一次捕水流路構造体の構造が簡単でコス
ト低下が図れる。
【0046】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではなく、要旨を
逸脱しない範囲での設計変更などがあっても本発明に含
まれる。
【0047】例えば、一次及び二次捕水流路構造体の構
造は、第1又は第2の実施例のものに限定しなくても、
空間区分壁により区画される一次又は二次内部流路内で
捕水した雨水を、それぞれキャップ本体の内周面と各捕
水流路構造体との間に形成された一次又は二次排水路へ
排水できる一次又は二次外周側開口部を有するものであ
れば、どのような構造のものでもよい。
【0048】また、一次又は二次排水路の構造も、空間
区分壁により区画された前側空間で捕水された雨水はそ
のまま屋外へ排水し、また後側空間で捕水された雨水は
空間区分壁の下部の排水孔を経て前側空間を通って屋外
へ排出される構造であれば、その他どのような構造でも
よい。
【0049】さらに、第2の実施例では、第1及び第2
の流路形成フィンの先部同士、前記第3及び第4の流路
形成フィンの先部同士を、各仮想垂直透過面上でオーバ
ーラップさせたが、これに限定しなくても、各流路形成
フィンの先端同士を同一面上に合わせたり、または短尺
にしてそれより離してもよい。
【0050】そして、実施例では、二次排水路の排水口
付近に水切り板を設けたが、必ずしも、これは必要では
ない。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0052】 請求項1記載の本発明では、様々な構
築物の外壁に装着でき、屋内の換気を行う場合、上下左
右に吹く強風雨でも雨水を内部に入れることなく容易に
通気は行われる。キャップ本体の内部空間に浸入してき
た雨水は、空間区分壁の前後側空間に配置された一次及
び二次捕水流路構造体により捕水され、キャップ本体の
内周面と一次及び二次捕水流路構造体との間に形成され
た一次及び二次排水路から屋外に排水されるようにした
ので、雨水のベンドキャップからの屋内浸入防止が図れ
て、止水効果を向上することができ、また屋外へ突出す
るフードやカバーがないので、風切り音の発生を防止で
き、さらにメンテナンスも不必要となる。
【0053】 請求項2記載の本発明では、請求項1
の効果に加えて、一次捕水流路構造体として、周壁に複
数個の一次外周側開口部が形成されたフロントカバー
と、その一次内部流路に配置される前側インナーリング
とを有するものを採用し、二次捕水流路構造体として、
この一次捕水流路構造体と同一形状のリヤカバーと、そ
の二次内部流路に配置される後側インナーリングとを有
するものを採用したので、風がフロントカバーに形成さ
れた一次外周側開口部より一次内部流路に流れ込み易
く、しかも構造が簡単でコスト低下が図れる。
【0054】また、フロントカバーの前側端面を、キャ
ップ本体の前側外気流入口に面一にしたので、構造物の
外観上も良好で、しかも強風が上下左右方向から吹いて
も、キャップ本体の内部空間には、屋外に露出した比較
的狭い一次排水路からのみ風が流れ込むので、その風が
比較的多量に前側空間へ巻き込まれて、弱い風切り音が
発生するのを防止できる。
【0055】 請求項3記載の本発明では、請求項1
の効果に加えて、一次捕水流路構造体として、周壁に複
数個の一次外周側開口部が形成されたフロントカバーを
有するものを採用したので、風がフロントカバーに形成
された一次外周側開口部より一次内部流路に流れ込み易
く、しかも一次捕水流路構造体の構造が簡単でコスト低
下が図れる。
【0056】また、二次捕水流路構造体として、各種流
路形成フィンが突設された第1の後側板及び第2の後側
板などを有するものを採用したので、二次内部流路が複
雑化し、捕水性が向上する。
【0057】そして、隣接される各流路形成フィンの先
部同士を各仮想垂直透過面上でオーバーラップさせたの
で、流路の屈曲が大きくなって、風に含まれる雨水が各
流路形成フィンの流路側の面に付着し易くなり、捕水効
果を向上できる。
【0058】 請求項4記載の本発明では、二次排水
路の排水口付近に、開口面を屋外へ向けた断面コ字状の
着脱可能な水切り板を設けたので、二次排水路の排水口
から排水された二次捕水流路構造体により捕水された雨
水の良好な水切りができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるベンドキャップ
の使用状態の断面図。
【図2】同正面図。
【図3】本発明の第2の実施例におけるベンドキャップ
の使用状態の断面図。
【図4】空間区分壁の背面図。
【図5】第1の後側板の背面図。
【図6】第2の後側板の正面図。
【符合の説明】
A ベンドキャップ W 壁部 S1 前側空間 S2 後側空間 a 一次内部流路 b 二次内部流路 1 換気口 2 キャップ本体 2a 前側外気流入口 2b 後側外気流入口 3 空間区分壁 3a 中央開口部 3d 排水孔 4 一次捕水流路構造体 4a 前側端面 5 二次捕水流路構造体 5a 後側端面 15 一次排水路 20 二次排水路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁部に形成した換気口に取付けて、換気
    を行えるようにしたベンドキャップであって、 両端部が開口されて、換気口中に嵌合状態で取付け可能
    な筒状のキャップ本体と、中央開口部を有して、前記キ
    ャップ本体の内部空間を屋外側の前側空間及び屋内側の
    後側空間に二分する空間区分壁と、前記前側空間に設け
    られる一次捕水流路構造体と、前記後側空間に設けられ
    る二次捕水流路構造体とを備え、 前記一次捕水流路構造体が、前記キャップ本体の前側外
    気流入口の面に平行な前側端面と、構造体外周部に形成
    されて、構造体内の一次内部流路及び前記一次排水路間
    を連通する一次外周側開口部とを有しており、また前記
    キャップ本体の前側空間側の内周面及び前記一次捕水流
    路構造体間には、前記前側空間に浸入してきた雨水を屋
    外へ流下させる一次排水路が周設され、 さらに、前記二次捕水流路構造体が、前記キャップ本体
    の後側外気流入口の面に平行な後側端面と、構造体外周
    部に形成されて、構造体内の二次内部流路及び前記二次
    排水路間を連通する二次外周側開口部とを有しており、
    また前記キャップ本体の前側及び後側空間側の内周面
    と、前記一次及び二次捕水流路構造体との間には、前記
    後側空間に浸入した雨水を、前記空間区分壁の下部に形
    成された排水孔を通して屋外へ流下させる二次排水路が
    周設されたことを特徴とするベンドキャップ構造。
  2. 【請求項2】 前記空間区分壁が、軸線方向を前記キャ
    ップ本体の軸線方向に合致させた状態で、前記一次及び
    二次捕水流路構造体内に流路形成フィンとして組み込ま
    れる一対の前後側インナーリングのフランジからなり、 また、前記一次捕水流路構造体は、前記前側インナーリ
    ングの他に、前記前側端面が前記前側外気流入口に面一
    に配置され、かつ周壁の前記前側インナーリングと対向
    する箇所に、複数個の前記一次外周側開口部が形成され
    た受け皿状のフロントカバーを有しており、 さらに、前記二次捕水流路構造体は、前記後側インナー
    リングの他に、周壁の前記後側インナーリングと対向す
    る箇所に、複数個の前記二次外周側開口部が形成された
    受け皿状のリヤカバーを有していることを特徴とする請
    求項1記載のベンドキャップ構造。
  3. 【請求項3】前記一次捕水流路構造体が、前記前側端面
    を前記前側外気流入口に面一に揃え、かつ周壁に前記一
    次外周側開口部が所定角度毎に複数個形成された受け皿
    状のフロントカバーを有し、 さらに、前記二次捕水流路構造体が、 前記キャップ本体の後側空間に配置されて、かつ第1の
    上下部通気口及び前記空間区分壁の中央開口部より開口
    面積の小さい第1の中央部通気口が形成された第1の後
    側板と、 前記後側空間の第1の後側板より後側に配置されて、か
    つ前記第1の上下部通気口より開口面積の大きい第2の
    上下部通気口が形成された第2の流路形成板とを有し、 また、前記空間区分壁の中央開口部形成部付近の後側面
    に上下一対の第1の流路形成フィンが配設され、前記第
    1の後側板の前側面であって前記各第1の流路形成フィ
    ンより外周側に、上下一対の第2の流路形成フィンが配
    設され、さらに前記第1の後側板の中央部通気口形成部
    付近の後側面に上下一対の第3の流路形成フィンが配設
    され、次いで前記第2の後側板の前側面であって前記各
    第3の流路形成フィンより外周側に、上下一対の第4の
    流路形成フィンが配設され、 それから、前記第1及び第2の流路形成フィンの先部同
    士、前記第3及び第4の流路形成フィンの先部同士が、
    各仮想垂直透過面上でオーバーラップしていることを特
    徴とする請求項1記載のベンドキャップ構造。
  4. 【請求項4】 前記二次排水路の排水口付近に、開口面
    を屋外へ向けた断面コ字状の着脱可能な水切り板を設け
    たことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に
    記載のベンドキャップ構造。
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