JP2928363B2 - 新規カリックスアレーン誘導体及びその製造法 - Google Patents
新規カリックスアレーン誘導体及びその製造法Info
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- JP2928363B2 JP2928363B2 JP2244753A JP24475390A JP2928363B2 JP 2928363 B2 JP2928363 B2 JP 2928363B2 JP 2244753 A JP2244753 A JP 2244753A JP 24475390 A JP24475390 A JP 24475390A JP 2928363 B2 JP2928363 B2 JP 2928363B2
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- C07D213/02—Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
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- C07D213/24—Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms
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- C07D213/30—Oxygen atoms
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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- C07C43/02—Ethers
- C07C43/20—Ethers having an ether-oxygen atom bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
- C07C43/21—Ethers having an ether-oxygen atom bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring containing rings other than six-membered aromatic rings
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- C07C2603/92—Systems containing at least three condensed rings with a condensed ring system consisting of at least two mutually uncondensed aromatic ring systems, linked by an annular structure formed by carbon chains on non-adjacent positions of the aromatic system, e.g. cyclophanes
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は不斉なカリックスアレーン誘導体及びその製
造法に関するものである。
造法に関するものである。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] フェノールとホルムアルデヒドを適当な条件下で反応
することで、環状の化合物(カリックスアレーン)の4
量体から8量体が合成できることは、C.D.グッチェ(Gu
tsche)らによって明らかにされた(例えばジャーナル
・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Che
m.)、第43巻、4905頁(1978年))。このカリックスア
レーン類のベンゼン単位には、コンフォメーション変化
を起こす自由度が残されており、通常室温付近では相当
な速さで回転している(C.D.グッチェ(Gutsche)他、
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ
ー(J.Am.Chem.Soc.)、第104巻、2652頁(1982
年))。またこの自由度のために、コンフォメーション
変化に基づく異性体が存在する。例えば4量体の場合、
“コーン”、“パーシャル・コーン”、“1,2−オルタ
ネート”、“1,3−オルタネート”の4つの異なるコン
フォメーション異性体が存在する。通常4量体及び5量
体は、ベンゼン単位の回転によって、安定なコーン構造
をとっている。
することで、環状の化合物(カリックスアレーン)の4
量体から8量体が合成できることは、C.D.グッチェ(Gu
tsche)らによって明らかにされた(例えばジャーナル
・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Che
m.)、第43巻、4905頁(1978年))。このカリックスア
レーン類のベンゼン単位には、コンフォメーション変化
を起こす自由度が残されており、通常室温付近では相当
な速さで回転している(C.D.グッチェ(Gutsche)他、
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ
ー(J.Am.Chem.Soc.)、第104巻、2652頁(1982
年))。またこの自由度のために、コンフォメーション
変化に基づく異性体が存在する。例えば4量体の場合、
“コーン”、“パーシャル・コーン”、“1,2−オルタ
ネート”、“1,3−オルタネート”の4つの異なるコン
フォメーション異性体が存在する。通常4量体及び5量
体は、ベンゼン単位の回転によって、安定なコーン構造
をとっている。
一方カリックスアレーン類は、適当な誘導体化を行え
ば、不斉な構造を持つ事ができると考えられていた。例
えば4量体の場合、3種類以上のベンゼン単位を持つか
(図1)、或いは少なくとも一つの左右非対称なベンゼ
ン単位を持てば(図−2)、不斉な構造となりうる。と
ころがこれらの構造は、ベンゼン単位の回転によって反
転、ラセミ化するため、光学活性体を得るためには、ベ
ンゼン単位の回転を抑止しなければならない。カリック
スアレーン類に適当な誘導体化を施せば、回転を抑止で
きる事は既に知られていた(例えばC.D.グッチェ(Guts
che)他、テトラヘドロン(Tetrahedron)、第39巻、40
9頁(1983年))。ところが、従来の合成法でこのよう
なカリックスアレーン類を合成すると、ベンゼン単位の
回転が抑止されることによって、逆に先に述べたような
多様のコンフォメーション異性体の混合物となり、粗生
成物の中から一対のラセミ体を単離する事は、極めて困
難であった。このため、これまでのところ、セラミック
なカリックスアレーン誘導体の有効な合成法、及びその
光学分割法は見い出されていなかった。
ば、不斉な構造を持つ事ができると考えられていた。例
えば4量体の場合、3種類以上のベンゼン単位を持つか
(図1)、或いは少なくとも一つの左右非対称なベンゼ
ン単位を持てば(図−2)、不斉な構造となりうる。と
ころがこれらの構造は、ベンゼン単位の回転によって反
転、ラセミ化するため、光学活性体を得るためには、ベ
ンゼン単位の回転を抑止しなければならない。カリック
スアレーン類に適当な誘導体化を施せば、回転を抑止で
きる事は既に知られていた(例えばC.D.グッチェ(Guts
che)他、テトラヘドロン(Tetrahedron)、第39巻、40
9頁(1983年))。ところが、従来の合成法でこのよう
なカリックスアレーン類を合成すると、ベンゼン単位の
回転が抑止されることによって、逆に先に述べたような
多様のコンフォメーション異性体の混合物となり、粗生
成物の中から一対のラセミ体を単離する事は、極めて困
難であった。このため、これまでのところ、セラミック
なカリックスアレーン誘導体の有効な合成法、及びその
光学分割法は見い出されていなかった。
[課題を解決するための手段] 前記のごとき問題点を解決するため、発明者らは、下
記一般式(2) (式中nは4〜12、好ましくは4〜8の整数を表し、m
は1〜nの整数を表す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m
は、水素原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐し
た飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式
又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置
換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基
を示す。) で表される化合物の水酸基を反応させる際、例えば水酸
化バリウム、水素化カルシウム、又は水酸化カルシウム
の如きアルカリ土類金属の塩基を使用し、その鋳型効果
を利用して、水酸基又はその置換体のすべてが、環状構
造の同一側に来る“コーン”と呼ばれる特定のコンフォ
メーションを持つカリックスアレーン誘導体を選択的に
合成する方法を見出し、本発明に至った。図−1〜図−
3は本発明のカリックスアレーン誘導体の構造を説明す
る模式図であるが、図中の□はカリックス〔4〕アレー
ンの左右対称な各ベンゼン単位を示し、又及び左右
非対称なベンゼン単位を示す。A、B、C、Dは夫々異
なった種類のベンゼン単位を示す。例えば図−2に示す
ように、不斉なカリックスアレーンと成り得る構造を持
ちながら、ベンゼン単位の速やかな回転により、ラセミ
体として存在し得ないような場合には、本方法を用い
て、“コーン”型で且つベンゼン単位の回転を抑止し得
る誘導体に選択的に導く異によって、ラセミックなカリ
ックスアレーン誘導体とすることができる。
記一般式(2) (式中nは4〜12、好ましくは4〜8の整数を表し、m
は1〜nの整数を表す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m
は、水素原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐し
た飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式
又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置
換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基
を示す。) で表される化合物の水酸基を反応させる際、例えば水酸
化バリウム、水素化カルシウム、又は水酸化カルシウム
の如きアルカリ土類金属の塩基を使用し、その鋳型効果
を利用して、水酸基又はその置換体のすべてが、環状構
造の同一側に来る“コーン”と呼ばれる特定のコンフォ
メーションを持つカリックスアレーン誘導体を選択的に
合成する方法を見出し、本発明に至った。図−1〜図−
3は本発明のカリックスアレーン誘導体の構造を説明す
る模式図であるが、図中の□はカリックス〔4〕アレー
ンの左右対称な各ベンゼン単位を示し、又及び左右
非対称なベンゼン単位を示す。A、B、C、Dは夫々異
なった種類のベンゼン単位を示す。例えば図−2に示す
ように、不斉なカリックスアレーンと成り得る構造を持
ちながら、ベンゼン単位の速やかな回転により、ラセミ
体として存在し得ないような場合には、本方法を用い
て、“コーン”型で且つベンゼン単位の回転を抑止し得
る誘導体に選択的に導く異によって、ラセミックなカリ
ックスアレーン誘導体とすることができる。
本発明のカリックスアレーン誘導体は次の一般式
(1): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。ただ
し、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4mのそ
れぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに回転
できない程度に嵩高い置換基でなければならない。)で
表され、且つ不斉な構造を持つカリックスアレーン誘導
体である。
(1): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。ただ
し、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4mのそ
れぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに回転
できない程度に嵩高い置換基でなければならない。)で
表され、且つ不斉な構造を持つカリックスアレーン誘導
体である。
一般式(1)において、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31
〜R3m及びR41〜R4mで示されるベンゼン単位が環のまわ
りに回転できない程度に嵩高い置換基としては、例え
ば、n=4の場合、R11〜R41がノルマルプロピルオキシ
基で、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R44のそれぞれの内の
一つがイソプロピル基又はターシャリーブチル基であ
る。
〜R3m及びR41〜R4mで示されるベンゼン単位が環のまわ
りに回転できない程度に嵩高い置換基としては、例え
ば、n=4の場合、R11〜R41がノルマルプロピルオキシ
基で、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R44のそれぞれの内の
一つがイソプロピル基又はターシャリーブチル基であ
る。
さらに、先にも述べた通り、例えばカリックスアレー
ンの4量体の場合、最低3種の異なるベンゼン単位を持
ては不斉な構造をとり得るが、3種のベンゼン単位が図
−3のごとき配列をとると、不斉性が失われてしまうの
で、これを避ける合成方法の開発が必要であった。
ンの4量体の場合、最低3種の異なるベンゼン単位を持
ては不斉な構造をとり得るが、3種のベンゼン単位が図
−3のごとき配列をとると、不斉性が失われてしまうの
で、これを避ける合成方法の開発が必要であった。
検討の結果、一般式(2): (式中nは4〜12、好ましくは4〜8の整数を表し、m
は1〜nの整数を表す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m
は、水素原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐し
た飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式
又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置
換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基
を示す。) で表されるカリックスアレーン誘導体の、水酸基の全て
又は一部の水素原子を、炭素原子1〜20を含む直鎖状又
は分岐した飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含ま
ない鎖式又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換
又は無置換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラ
ルキル基で置換し、ベンゼン単位の回転を抑止した不斉
なカリックスアレーン誘導体を合成する際、アルカリ土
類金属を共存させる事により、一種類のコンフォメーシ
ョン異性体を選択的に合成するとともに、最初に嵩高い
置換基を1〜3個導入する事によって、残る置換反応を
位置選択的に行い、不斉なカリックスアレーン誘導体を
合成することを特徴とする合成法を開発した。例えばカ
リックスアレーン4量体の場合、1段目の反応で、嵩高
い置換基Bを1つ導入し、2段目の反応でAを2つ導入
するようにすると、まず1つめのAは、置換基Bの立体
的な効果によってBの対角線の位置に導入される。この
ため2つめのAは、残るBの左右いずれかの位置に導入
され、図−1上段に示すようなラセミ体が生成する。
は1〜nの整数を表す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m
は、水素原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐し
た飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式
又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置
換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基
を示す。) で表されるカリックスアレーン誘導体の、水酸基の全て
又は一部の水素原子を、炭素原子1〜20を含む直鎖状又
は分岐した飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含ま
ない鎖式又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換
又は無置換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラ
ルキル基で置換し、ベンゼン単位の回転を抑止した不斉
なカリックスアレーン誘導体を合成する際、アルカリ土
類金属を共存させる事により、一種類のコンフォメーシ
ョン異性体を選択的に合成するとともに、最初に嵩高い
置換基を1〜3個導入する事によって、残る置換反応を
位置選択的に行い、不斉なカリックスアレーン誘導体を
合成することを特徴とする合成法を開発した。例えばカ
リックスアレーン4量体の場合、1段目の反応で、嵩高
い置換基Bを1つ導入し、2段目の反応でAを2つ導入
するようにすると、まず1つめのAは、置換基Bの立体
的な効果によってBの対角線の位置に導入される。この
ため2つめのAは、残るBの左右いずれかの位置に導入
され、図−1上段に示すようなラセミ体が生成する。
以上の如き方法によって得られた上記一般式(1)で
表わされる不斉なカリックスアレーン誘導体は、下記一
般式(3): (式中nは20以上の整数を示し、又R1、R2、R3は、炭素
原子4〜10を含む置換又は無置換の芳香族基を示す。
R1、R2、R3は互いに同一又は異なっていても良く、芳香
族基にはヘテロ原子を含んでも含まなくても良い。) で表される構成単位を主体とし、且つ比旋光度が、絶対
値として50゜以上である光学活性な高分子物質、又はア
ミノ酸から誘導される、下記一般式(4): (式中R1、R2は炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐し
た飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式
又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置
換の芳香族基、炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示
す。但し、R1は とは異なっていなければならない。) で表される光学活性基を担体に結合した物質に接触させ
ることで光学分割された。
表わされる不斉なカリックスアレーン誘導体は、下記一
般式(3): (式中nは20以上の整数を示し、又R1、R2、R3は、炭素
原子4〜10を含む置換又は無置換の芳香族基を示す。
R1、R2、R3は互いに同一又は異なっていても良く、芳香
族基にはヘテロ原子を含んでも含まなくても良い。) で表される構成単位を主体とし、且つ比旋光度が、絶対
値として50゜以上である光学活性な高分子物質、又はア
ミノ酸から誘導される、下記一般式(4): (式中R1、R2は炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐し
た飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式
又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置
換の芳香族基、炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示
す。但し、R1は とは異なっていなければならない。) で表される光学活性基を担体に結合した物質に接触させ
ることで光学分割された。
この光学分割により次の一般式(1): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。
ただし、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4m
のそれぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに
回転できない程度に嵩高い置換基でなければならな
い。)で表され、且つ光学活性な構造を持つカリックス
アレーン誘導体が得られる。
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。
ただし、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4m
のそれぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに
回転できない程度に嵩高い置換基でなければならな
い。)で表され、且つ光学活性な構造を持つカリックス
アレーン誘導体が得られる。
一般式(1)において、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31
〜R3m及びR41〜R4mで示されるベンゼン単位が環のまわ
りに回転できない程度に嵩高い置換基としては、例え
ば、n=4の場合、R11〜R41がノルマルプロピルオキシ
基で、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R44のぞれぞれの内の
一つがイソプロピル基又はターシャリーブチル基であ
る。
〜R3m及びR41〜R4mで示されるベンゼン単位が環のまわ
りに回転できない程度に嵩高い置換基としては、例え
ば、n=4の場合、R11〜R41がノルマルプロピルオキシ
基で、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R44のぞれぞれの内の
一つがイソプロピル基又はターシャリーブチル基であ
る。
本発明の化合物はコーン製造を有し、筒状構造の一端
に並んだ水酸基群を有しているため、クラウンエーテル
類に似た選択的なカチオン配位子としての性質を持ち、
また同時にシクロデキストリンと同様に筒状構造の内孔
に有機物を包接することもできる。さらに、本発明の化
合物は、置換反応の容易な多数の水酸基とベンゼン環と
で形成されているため、分子デザインが容易であり、種
々の置換基の導入によって多彩な物性を付与することが
できるなど、包接化合物として優れた性質を持ってい
る。従って本発明の光学活性なカリックスアレーン誘導
体は、新たな光学分割剤として、又その他多岐の用途に
使用し得る。
に並んだ水酸基群を有しているため、クラウンエーテル
類に似た選択的なカチオン配位子としての性質を持ち、
また同時にシクロデキストリンと同様に筒状構造の内孔
に有機物を包接することもできる。さらに、本発明の化
合物は、置換反応の容易な多数の水酸基とベンゼン環と
で形成されているため、分子デザインが容易であり、種
々の置換基の導入によって多彩な物性を付与することが
できるなど、包接化合物として優れた性質を持ってい
る。従って本発明の光学活性なカリックスアレーン誘導
体は、新たな光学分割剤として、又その他多岐の用途に
使用し得る。
[実施例] 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例−1 4−メチル−5−イソプロピル−11,17,23
−トリターシャリーブチル−25,26,27,28−テトラノル
マルプロピルオキシカリックス[4]アレーノの合成 2.6−ビス(プロモメチル)−3−メチル−4−イソ
プロピルフェノール3.28g(9.76mmol)及び2,6−ビス
(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチル−フェニル
メチル)−4−ターシャリーブチルフェノール4.63g
(9.76mmol)を含む蒸留ジオキサン溶液120mlを、四塩
化チタン10.0ml(91.0mmol)を含む蒸留ジオキサン600m
lに高度希釈装置を用いて、34時間掛けて滴下した。滴
下終了後、放冷してからメタノールを加えた。溶媒を減
圧留去し、残渣を塩化メチレンに溶解させ、水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過した後に濾液
にシリカゲル30gを加え、撹拌して吸収させた。これか
ら塩化メチレンを用いてソックスレー抽出装置により抽
出した。抽出後、溶媒を減圧留去して、得られた残渣
(6.88g)をシリカゲルクロマトグラフィー(ベンゼ
ン:ヘキサン=1:1)により精製し、白色固体を得た。
(0.84g、TLC:Rf=0.68、0.52)。これをトルエンから
再結晶して、無色プリズム状結晶の4−メチル−5−イ
ソプロピル−11,17,23−トリターシャリーブチル−25,2
6,27,28−テトラヒドロキシカリックス[4]アレーン
を得た。収量575mg(0.886mmol)、収率9%。融点:26
5.5−266.0℃、TLC:Rf=0.68(ベンゼン:ヘキサン=1:
1)。図−4に赤外吸収スペクトルを、又図−5に核磁
気共鳴スペクトルを示す。
−トリターシャリーブチル−25,26,27,28−テトラノル
マルプロピルオキシカリックス[4]アレーノの合成 2.6−ビス(プロモメチル)−3−メチル−4−イソ
プロピルフェノール3.28g(9.76mmol)及び2,6−ビス
(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチル−フェニル
メチル)−4−ターシャリーブチルフェノール4.63g
(9.76mmol)を含む蒸留ジオキサン溶液120mlを、四塩
化チタン10.0ml(91.0mmol)を含む蒸留ジオキサン600m
lに高度希釈装置を用いて、34時間掛けて滴下した。滴
下終了後、放冷してからメタノールを加えた。溶媒を減
圧留去し、残渣を塩化メチレンに溶解させ、水で洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過した後に濾液
にシリカゲル30gを加え、撹拌して吸収させた。これか
ら塩化メチレンを用いてソックスレー抽出装置により抽
出した。抽出後、溶媒を減圧留去して、得られた残渣
(6.88g)をシリカゲルクロマトグラフィー(ベンゼ
ン:ヘキサン=1:1)により精製し、白色固体を得た。
(0.84g、TLC:Rf=0.68、0.52)。これをトルエンから
再結晶して、無色プリズム状結晶の4−メチル−5−イ
ソプロピル−11,17,23−トリターシャリーブチル−25,2
6,27,28−テトラヒドロキシカリックス[4]アレーン
を得た。収量575mg(0.886mmol)、収率9%。融点:26
5.5−266.0℃、TLC:Rf=0.68(ベンゼン:ヘキサン=1:
1)。図−4に赤外吸収スペクトルを、又図−5に核磁
気共鳴スペクトルを示す。
得られた化合物0.35g(0.539mmol)、ジメチルホルム
アミド10.8mlを窒素置換したフラスコに入れ、さらに酸
化バリウム(90%含有)0.56g(3.29mmol)、水酸化バ
リウム・8水和物0.60g(1.90mmol)を加えた。これに
臭化プロピル2.91ml(32.3mmol)を加え、室温で19時間
撹拌した。その後5%−塩酸水溶液10ml、さらに水10ml
を加え、析出した結晶をクロロホルムで抽出した。クロ
ロホルム層を分液し、水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。濾過後溶媒を留去し、得られた無色透明の油状物
メタノールを加え、白色結晶を析出させた。この白色結
晶を大型TLC板で精製し、4−メチル−5−イソプロピ
ル−11,17,23−トリターシャリーブチル−25−ヒドロキ
シ−26,27,28−トリノルマルプロピルオキシカリックス
[4]アレーン186mg(0.246mmol)を収率45%で得た。
融点251.5−253.0℃。
アミド10.8mlを窒素置換したフラスコに入れ、さらに酸
化バリウム(90%含有)0.56g(3.29mmol)、水酸化バ
リウム・8水和物0.60g(1.90mmol)を加えた。これに
臭化プロピル2.91ml(32.3mmol)を加え、室温で19時間
撹拌した。その後5%−塩酸水溶液10ml、さらに水10ml
を加え、析出した結晶をクロロホルムで抽出した。クロ
ロホルム層を分液し、水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。濾過後溶媒を留去し、得られた無色透明の油状物
メタノールを加え、白色結晶を析出させた。この白色結
晶を大型TLC板で精製し、4−メチル−5−イソプロピ
ル−11,17,23−トリターシャリーブチル−25−ヒドロキ
シ−26,27,28−トリノルマルプロピルオキシカリックス
[4]アレーン186mg(0.246mmol)を収率45%で得た。
融点251.5−253.0℃。
得られた化合物に、水素化ナトリウム存在下、ジメチ
ルホルムアミド−テトラヒドロフラン混合溶媒中で臭化
ノルマルプロピルを作用させることにより、収率72%で
目的物を得た。融点163−164℃。
ルホルムアミド−テトラヒドロフラン混合溶媒中で臭化
ノルマルプロピルを作用させることにより、収率72%で
目的物を得た。融点163−164℃。
IR(ヌジョール) νC-o1130,1220cm-1,νOHなし,νC = C1490cm-1,δ
C-H880cm-1 NMR (CDCl3,30℃)δ0.95−1.04(m,15H,CH3 in n−PrO
及びCH3 in i−Pr),1.01,1.05,1.06(seach,9H each,t
−Bu),1.12(d,3H,CH3 in i−Pr),1.89−2.06(m,8H,
C−CH2−C in n−Pr),2.12(s,3H,4−Me),2.90(m,1
H,CH in i−Pr),3.10,3.11,3.12,3.37(d each,1H eac
h,Hendo in ArCH2Ar),3.69−4.03(m,8H,OCH2),6.62,
6.68,6.69,6.73,6.74,7.26(broad,7H,ArH). 実施例−2 5,11,17,23−テトラターシャリーブチル−
25−(2−ピリジルメトキシ)−26,27−ジノルマルプ
ロピルオキシカリックス[4]アレーンの合成 トルエン20mlにα−クロロメチルピリジン塩酸塩253m
g(1.54mmol)と水素化ナトリウム(60%)124mg(3.08
mmol)を加え、室温で30分撹拌した後、パラターシャリ
ーブチルカリックス[4]アレーン500mg(0.77mmol)
を加え、油浴の温度を70℃に保ちながら20時間撹拌し
た。メタノール処理後、トルエンを減圧留去し、クロロ
ホルム/水系で抽出した。クロロホルム層を分液し、水
洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後溶媒を留去
し、クロロホルム/メタノール系より再結晶し、白色粉
末状のモノピリジルメトキシカリックス[4]アレーン
を得た。収量635mg、収率59%。融点:274.8−275.8℃。
C-H880cm-1 NMR (CDCl3,30℃)δ0.95−1.04(m,15H,CH3 in n−PrO
及びCH3 in i−Pr),1.01,1.05,1.06(seach,9H each,t
−Bu),1.12(d,3H,CH3 in i−Pr),1.89−2.06(m,8H,
C−CH2−C in n−Pr),2.12(s,3H,4−Me),2.90(m,1
H,CH in i−Pr),3.10,3.11,3.12,3.37(d each,1H eac
h,Hendo in ArCH2Ar),3.69−4.03(m,8H,OCH2),6.62,
6.68,6.69,6.73,6.74,7.26(broad,7H,ArH). 実施例−2 5,11,17,23−テトラターシャリーブチル−
25−(2−ピリジルメトキシ)−26,27−ジノルマルプ
ロピルオキシカリックス[4]アレーンの合成 トルエン20mlにα−クロロメチルピリジン塩酸塩253m
g(1.54mmol)と水素化ナトリウム(60%)124mg(3.08
mmol)を加え、室温で30分撹拌した後、パラターシャリ
ーブチルカリックス[4]アレーン500mg(0.77mmol)
を加え、油浴の温度を70℃に保ちながら20時間撹拌し
た。メタノール処理後、トルエンを減圧留去し、クロロ
ホルム/水系で抽出した。クロロホルム層を分液し、水
洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後溶媒を留去
し、クロロホルム/メタノール系より再結晶し、白色粉
末状のモノピリジルメトキシカリックス[4]アレーン
を得た。収量635mg、収率59%。融点:274.8−275.8℃。
得られた化合物2g(2.70mmol)、水酸化バリウム・8
水和物3.36g(10.65mmol)、酸化バリウム1.68g(10.96
mmol)をジメチルホルムアミド40mlに懸濁し、臭化ノル
マルプロピル1.33g(10.8mmol)を加え、油浴の温度を7
0℃に保ちながら7時間撹拌した。クロロホロム/水系
で抽出した後クロロホロム層を分液し、水洗後無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。濾過後溶媒を留去し、メタノー
ルより再結晶し、白色粉末状の目的物を得た。収量2g、
収率90%。融点:170.0−171.5℃。図−6に赤外吸収ス
ペクトルを、又図−7に核磁気共鳴スペクトルを示す。
水和物3.36g(10.65mmol)、酸化バリウム1.68g(10.96
mmol)をジメチルホルムアミド40mlに懸濁し、臭化ノル
マルプロピル1.33g(10.8mmol)を加え、油浴の温度を7
0℃に保ちながら7時間撹拌した。クロロホロム/水系
で抽出した後クロロホロム層を分液し、水洗後無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。濾過後溶媒を留去し、メタノー
ルより再結晶し、白色粉末状の目的物を得た。収量2g、
収率90%。融点:170.0−171.5℃。図−6に赤外吸収ス
ペクトルを、又図−7に核磁気共鳴スペクトルを示す。
実施例−3 5,11,17−トリターシャリーブチル−22−
メチル−23−イソプロピル−25,26,27,28−テトラノル
マルプロピルオキシカリックス[4]アレーンの光学分
割 高速液体クロマトグラフィー装置にダイセル化学工業
社製CHIRALPAK OPを接続し、 溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/メタノール=1/3/16 流速:0.4ml/分 温度:室温 検出:UV 254nm の条件で光学分剤した。クロマトグラムを図−8に示
す。同カラムを使用して光学活性体の分取を行い、100m
gのラセミ体から35mgのほぼ純粋な(+)−体と、光学
純度95%の(−)−体25mgを得た。(+)−体の旋光度
は[α]D=+255(C=0.08、クロロホルム中)。両
者の円偏光二色性スペクトルを図−9に示す。
メチル−23−イソプロピル−25,26,27,28−テトラノル
マルプロピルオキシカリックス[4]アレーンの光学分
割 高速液体クロマトグラフィー装置にダイセル化学工業
社製CHIRALPAK OPを接続し、 溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/メタノール=1/3/16 流速:0.4ml/分 温度:室温 検出:UV 254nm の条件で光学分剤した。クロマトグラムを図−8に示
す。同カラムを使用して光学活性体の分取を行い、100m
gのラセミ体から35mgのほぼ純粋な(+)−体と、光学
純度95%の(−)−体25mgを得た。(+)−体の旋光度
は[α]D=+255(C=0.08、クロロホルム中)。両
者の円偏光二色性スペクトルを図−9に示す。
実施例−4 5,11,17,23−テトラターシャリーブチル−
25−(2−ピリジルメトキシ)−26,27−ジノルマルプ
ロピルオキシカリックス[4]アレーンの光学分割 高速液体クロマトグラフィー装置に、住友化学工業社
製SUMIPAX BOA−2000を接続し、 溶媒:ヘキサン/2−プロパノール=98/2 流速:2.0ml/分 温度:室温 検出:UV 254nm の条件で光学分割した。クロマトグラムを図−10に示
す。同カラムを使用して光学活性体の分取を行い、120m
gのラセミ体から50mgのほぼ純粋な(+)−体と、光学
純度99.9%の(+)−体20mgを得た。(+)−体の旋光
度は[α]D=+12.5(c=0.04、ヘキサン中)。両者
の円偏光二色性スペクトルを図−11に示す。
25−(2−ピリジルメトキシ)−26,27−ジノルマルプ
ロピルオキシカリックス[4]アレーンの光学分割 高速液体クロマトグラフィー装置に、住友化学工業社
製SUMIPAX BOA−2000を接続し、 溶媒:ヘキサン/2−プロパノール=98/2 流速:2.0ml/分 温度:室温 検出:UV 254nm の条件で光学分割した。クロマトグラムを図−10に示
す。同カラムを使用して光学活性体の分取を行い、120m
gのラセミ体から50mgのほぼ純粋な(+)−体と、光学
純度99.9%の(+)−体20mgを得た。(+)−体の旋光
度は[α]D=+12.5(c=0.04、ヘキサン中)。両者
の円偏光二色性スペクトルを図−11に示す。
図−1〜図−3は本発明のカリックスアレーン4量体の
誘導体の構造を説明する模式図、図−4は実施例−1で
得られたカリックスアレーン誘導体の赤外吸収スペクト
ル、図−5はその核磁気共鳴スペクトル、図−6は実施
例−2で得られたカリックスアレーン誘導体の赤外吸収
スペクトル、図−7はその核磁気共鳴スペクトル、図−
8は実施例−3の光学分割に於ける、クロマトグラム、
図−9は得られた光学異性体の円偏光二色性スペクト
ル、図−10は実施例−4の光学分割に於けるクロマトグ
ラム、図−11は得られた光学異性体の円偏光二色性スペ
クトルである。
誘導体の構造を説明する模式図、図−4は実施例−1で
得られたカリックスアレーン誘導体の赤外吸収スペクト
ル、図−5はその核磁気共鳴スペクトル、図−6は実施
例−2で得られたカリックスアレーン誘導体の赤外吸収
スペクトル、図−7はその核磁気共鳴スペクトル、図−
8は実施例−3の光学分割に於ける、クロマトグラム、
図−9は得られた光学異性体の円偏光二色性スペクト
ル、図−10は実施例−4の光学分割に於けるクロマトグ
ラム、図−11は得られた光学異性体の円偏光二色性スペ
クトルである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 57/00 320 C07B 57/00 320 (56)参考文献 特開 昭63−99035(JP,A) 特開 昭63−277240(JP,A) “Tetrahedron Lett ers”,vol.28,No.52,p. 6595−6596,1987年 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 43/20,2/86 C07C 13/70,41/01 C07D 213/30 C07B 57/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)
Claims (6)
- 【請求項1】次の一般式(I): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。ただ
し、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4mのそ
れぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに回転
できない程度に嵩高い置換基でなければならない。) で表され、且つ不斉な構造を持つカリックスアレーン誘
導体。 - 【請求項2】次の一般式(2): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R21〜R2m、R31〜R3mは、水素原子、炭素原子1〜20
を含む直鎖状又は分岐した飽和又は不飽和のヘテロ原子
を含む又は含まない鎖式又は環式化合物基、炭素原子4
〜20を含む置換又は無置換の芳香族基、又は炭素原子5
〜20を含むアラルキル基を示す)。 で表されるカリックスアレーン誘導体の、水酸基の全て
又は一部の水素原子を、炭素原子1〜20を含む直鎖状又
は分岐した飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含ま
ない鎖式又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換
又は無置換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラ
ルキル基で置換し、ベンゼン単位の回転を抑止して不斉
なカリックスアレーン誘導体を合成する際、アルカリ土
類金属を共存させる事により、一種類のコンフォメーシ
ョン異性体を選択的に合成することを特徴とするカリッ
クスアレーン誘導体の製造法。 - 【請求項3】次の一般式(2): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R21〜R2m、R31〜R3mは、水素原子、炭素原子1〜20
を含む直鎖状又は分岐した飽和又は不飽和のヘテロ原子
を含む又は含まない鎖式又は環式化合物基、炭素原子4
〜20を含む置換又は無置換の芳香族基、又は炭素原子5
〜20を含むアラルキル基を示す。) で表されるカリックスアレーン誘導体の、水酸基の全て
又は一部の水素原子を、炭素原子1〜20を含む直鎖状又
は分岐した飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含ま
ない鎖式又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換
又は無置換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラ
ルキル基で置換し、ベンゼン単位の回転を抑止した不斉
なカリックスアレーン誘導体を合成する際、アルカリ土
類金属を共存させる事により、一種類のコンフォメーシ
ョン異性体を選択的に合成するとともに、最初に嵩高い
置換基を1〜3個導入する事によって、残る置換反応を
位置選択的に行い、不斉なカリックスアレーン誘導体を
合成することを特徴とするカリックスアレーン誘導体の
製造法。 - 【請求項4】次の一般式(1): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。
ただし、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4m
のそれぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに
回転できない程度に嵩高い置換基でなければならな
い。) で表され、且つ不斉な構造を持つカリックスアレーン誘
導体を、下記一般式(3): (式中nは20以上の整数を示し、又R1、R2、R3は、炭素
原子数4〜10を含む置換又は無置換の芳香族基を示す。
R1、R2、R3は互いに同一又は異なっていても良く、芳香
族基にはヘテロ原子を含んでも含まなくても良い。) で表される構成単位を主体とし、且つ比旋光度が絶対値
として50゜以上である光学活性な高分子物質に接触させ
て光学分割する事を特徴とする、不斉カリックスアレー
ン誘導体の光学分割法。 - 【請求項5】次の一般式(1): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。
ただし、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4m
のそれぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに
回転できない程度に嵩高い置換基でなければならな
い。) で表され、且つ不斉な構造を持つカリックスアレーン誘
導体を、各種光学活性アミノ酸から誘導される下記一般
式(4): (式中R1、R2は炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐し
た飽和又は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式
又は環式化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置
換の芳香族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基
を示す。但し、R1は−NH−C(−R2)=Oとは異なって
いなければならない。) で表される光学活性基を担体に結合した物質に接触させ
て、光学分割する事を特徴とする不斉カリックスアレー
ン誘導体の光学分割法。 - 【請求項6】次の一般式(1): (式中nは4〜8の整数を表し、mは1〜nの整数を表
す。R11〜R1m、R21〜R2m、R31〜R3m、R41〜R4mは、水素
原子、炭素原子1〜20を含む直鎖状又は分岐した飽和又
は不飽和のヘテロ原子を含む又は含まない鎖式又は環式
化合物基、炭素原子4〜20を含む置換又は無置換の芳香
族基、又は炭素原子5〜20を含むアラルキル基を示す。
ただし、R11〜R1mと、R21〜R2m、R31〜R3m及びR41〜R4m
それぞれの内の一つは、ベンゼン単位が環のまわりに回
転できない程度に嵩高い置換基でなければならない。) で表され、且つ光学活性なカリックスアレーン誘導体。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2244753A JP2928363B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 新規カリックスアレーン誘導体及びその製造法 |
US07/627,637 US5231196A (en) | 1990-09-13 | 1990-12-14 | Calixarene derivatives and process for the preparation thereof |
US08/015,408 US5412114A (en) | 1990-09-13 | 1993-02-09 | Calixarene derivatives and process for the preparation thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2244753A JP2928363B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 新規カリックスアレーン誘導体及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04124153A JPH04124153A (ja) | 1992-04-24 |
JP2928363B2 true JP2928363B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=17123387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2244753A Expired - Lifetime JP2928363B2 (ja) | 1990-09-13 | 1990-09-13 | 新規カリックスアレーン誘導体及びその製造法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US5231196A (ja) |
JP (1) | JP2928363B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2704225B1 (fr) * | 1993-04-19 | 1995-05-24 | Commissariat Energie Atomique | Calix¦4¦arènes-couronnes, leur procédé de préparation et leur utilisation pour l'extraction sélective du césium et des actinides. |
KR100352815B1 (ko) * | 1999-12-23 | 2002-09-16 | 김태선 | 신규한 캘릭스크라운 유도체, 그의 제조 방법, 그를이용하여 제조된 자기조립 단분자층 및 그의 자기조립단분자층을 이용하는 단백질 단분자층의 고정화 방법 |
KR20020005085A (ko) * | 2000-07-06 | 2002-01-17 | 최의열 | 아민기가 부착된 고체기질에 비스크라운-4 유도체를화학결합시켜 비스크라운 -4단분자층의 제조법 및 이기질을 이용한 단백질 단분자층의 제조방법 |
KR100439579B1 (ko) * | 2001-06-07 | 2004-07-12 | 학교법인 포항공과대학교 | 유기 나노관의 합성 및 이를 주형으로 이용한 초미세 금속나노선의 합성 |
KR100787451B1 (ko) * | 2006-06-21 | 2007-12-26 | 삼성에스디아이 주식회사 | 칼렉스아렌계 화합물 및 이를 이용한 유기 발광 소자 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IE59509B1 (en) * | 1987-01-21 | 1994-03-09 | Loctite Ireland Ltd | Functionalised oxacalixarenes, their preparation and use in instant adhesive compositions |
US5043415A (en) * | 1987-09-24 | 1991-08-27 | Loctite (Ireland) Ltd. | Nitrogen-containing oxacalixarene and calixarene derivatives, polymers including groups related to such derivatives, and use of such compounds |
-
1990
- 1990-09-13 JP JP2244753A patent/JP2928363B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1990-12-14 US US07/627,637 patent/US5231196A/en not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-02-09 US US08/015,408 patent/US5412114A/en not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
"Tetrahedron Letters",vol.28,No.52,p.6595−6596,1987年 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5231196A (en) | 1993-07-27 |
US5412114A (en) | 1995-05-02 |
JPH04124153A (ja) | 1992-04-24 |
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