JP2928288B2 - ピロリジン誘導体 - Google Patents

ピロリジン誘導体

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JP2928288B2
JP2928288B2 JP1254349A JP25434989A JP2928288B2 JP 2928288 B2 JP2928288 B2 JP 2928288B2 JP 1254349 A JP1254349 A JP 1254349A JP 25434989 A JP25434989 A JP 25434989A JP 2928288 B2 JP2928288 B2 JP 2928288B2
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眞次 須田
直樹 米田
信行 森
光正 篠
浩樹 石原
守 斉藤
俊之 松岡
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医薬として優れた作用を有するピロリジン
誘導体及びその薬理学的に許容できる塩に関する。
〔発明の背景及び先行技術〕
高血圧症は日本人全体の約20%、即ち約2,000万人以
上が羅患しており、各種脳疾患、心疾患などの重要なリ
スクファクターとなっている。高血圧症の薬物治療とし
ては現在降圧利尿剤、β遮断薬、Ca拮抗剤、ACE阻害剤
などが実際に臨床上使用されている。
しかしながら、高血圧の成因・病態は極めて多種多様
であり、少なくとも一剤であらゆるタイプの高血圧を有
意にコントロールすることは困難である。更に、安全性
の面から言えば、例えばβ遮断薬には心抑制、気管支彎
縮があり、利尿薬には高尿酸血症、糖代謝異常、脂質代
謝異常などの副作用がある。
このような状況から、種々のメカニズムによる異なっ
たタイプのよりよい降圧剤が依然として求められてい
る。
そこで本発明者等は、特に腎血流増加作用を有する降
圧剤を開発するため、特にドパミン作用物質について長
年にわたって鋭意研究を行ってきたが、後記する如く、
ピロリジン誘導体が優れた作用を有することを見出し
た。
降圧作用を有するピロリジン誘導体は殆ど知られてい
ない。
米国特許第2,852,526号は、ピロリジン誘導体が開示
されているが、本発明化合物とは構造を異にしている
上、気管支拡張作用、抗ヒスタミン作用、抗コリン作用
を有しているという記載があるのみで、本発明化合物の
薬効とは著しく異なる。
また、腎血流拡張作用を有する化合物としてフェノー
ルドパム(Fenoldopam)(SKF−82526)が提案されてい
るが、この化合物はベンズアゼピン系化合物であり、本
発明化合物とはその構造を異にする。
〔発明の構成及び効果〕
本発明化合物は次の一般式(I)で表されるピロリジ
ン誘導体及びその薬理学的に許容できる塩である。
〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
基を意味する。Yは式−CH2−で示される基、式−S−
で示される基、式−O−で示される基又は式−NH−で示
される基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニ
ル基、又は置換若しくは無置換のチエニル基を意味す
る。〕 Rの定義中、置換若しくは無置換のフェニル基とは、
具体的には次の式(II)に示される基をいう。
〔式中、R1,R2,R3は同一又は相異なる水素原子、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸
基、トリフルオロメチル基、又は式 (式中R4,R5は同一又は相異なる水素原子又は低級アル
キル基を意味する)で示される基を意味する〕 本発明化合物(I)の定義中のX、上記(II)で表さ
れる基の定義中のR1,R2,R3,R4,R5にみられる低級ア
ルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝状のア
ルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−
ブチル、イソプロピル、イソブチル、1−メチルプロピ
ル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピ
ル、イソアミル、n−ヘキシルなどを意味するが、最も
好ましい例としては、メチル基、エチル基などをあげる
ことができる。
また式(I)の定義中のX、式(II)の定義中のR1
R2,R3にみられるハロゲン原子とは、塩素、ヨウ素、臭
素、フッ素を意味する。
更にR1,R2,R3の定義中にみられる低級アルコキシ基
とは、上記低級アルキル基から誘導された低級アルコキ
シ基を意味するが、好ましい低級アルコキシ基として
は、例えばメトキシ基、エトキシ基をあげることができ
る。
Rの定義中のチエニル基は、例えばメチル基、エチル
基などの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基など
の低級アルコキシ基、ハロゲン原子などで置換されてい
てもよい。
本発明化合物(I)において好ましい化合物群として
は、Rが式(II)で表される基である場合である。即
ち、下記の一般式(III)で表すことができる。
(式中、X,Y,R1,R2,R3は前記の意味を有する。) 上記一般式(III)において、Xとしては水素原子で
ある場合が最も好ましく、R1,R2,R3は水酸基、低級ア
ルコキシ基、ハロゲン原子である場合が好ましい。
更に好ましくはハロゲン原子、水酸基の2置換体をあ
げることができ、その場合m位に水酸基、o位に塩素原
子などのハロゲン原子が置換されている場合が最も好ま
しい。
更に好ましい化合物群としては、Rがチエニル基であ
る場合である。
本発明において、薬理学的に許容できる塩とは、例え
ば塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、燐酸塩などの無機酸
塩、蟻酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸
塩、フマル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベン
ゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などの有機酸
塩をあげることができる。
化合物によっては水和物を形成する場合もあるが、そ
れらが本発明の範囲に属することはいうまでもない。
また、本発明化合物は、化学構造式から明らかな如
く、各種異性体が存在しうる。即ち、シス、トランスの
位置異性体のほかに、d,l光学活性体が存在する。これ
らの異性体が本発明の範囲に属することはいうまでもな
い。
本発明においては、立体異性体の中ではトランス体が
好ましい。
次に本発明化合物の代表的な製造方法について述べ
る。
〈製造方法1〉 本発明化合物は、前述の如くトランス体とシス体が存
在するが、トランス体の製造方法を述べれば以下の通り
である。
(一連の式において、X,Y,Rは前記と同様の意味を有
し、R6は低級アルキル基を意味し、R7は水酸基の保護基
を意味する。) (工程1) 一般式(IV)で表される化合物と、一般式(V)で表
されるβ−ニトロアリールエテン誘導体とを反映せしめ
て、一般式(VI)で表される化合物を製造する工程であ
る。
本反応は常法によるが、例えばジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、
ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、N,N′−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイドなどの溶
媒を用い、塩基の存在下で反応を行う。
具体的に好ましい一例をあげれば、テトラヒドロフラ
ン中、低温下にn−ブチルリチウムとジイソプロピルア
ミンによってリチウムジイソプロピルアミドを生成さ
せ、これに一般式(IV)で表される化合物のテトラヒド
ロフラン溶液を加え、次いで一般式(V)で表される化
合物のテトラヒドロフラン溶液を作用させて反応を行
う。
一般式(V)において、R7は水酸基の保護基を意味す
る。水酸基を保持しうる基であればいかなる基でもよい
が、代表的なものとしては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどの低級アルキル基、ベンジル、フェネチ
ルなどのアラルキル基、アセチル、プロピオニル、ブチ
ロイル、ピバロイルなどのアシル基、テトラヒドロピラ
ニル基、更に2つのR7が一緒になってメチレン基などの
アルキレン基を形成してもよい。
これらのうち最も好ましいものは、メチル基、エチル
基などの低級アルキル基、或いは2つのR7が一緒になっ
てメチレン基を形成する(結果としてメチレンジオキシ
基となる)場合である。
(工程2) 一般式(VI)で示されるニトロ化合物を、金属・金属
塩を用いた還元或いは接触還元により一般式(VII)で
示されるアミノ化合物を製造する工程である。用いる金
属・金属塩としては亜鉛、鉄、塩化第一スズ等が、接触
還元に用いる触媒としてはパラジウム・炭素、酸化白
金、ラネーニッケル等が用いられる。
(工程3) 一般式(VII)で示される化合物を無溶媒或いは通常
の有機溶媒中、加熱、加温することにより閉環し、一般
式(VIII)で示される5員環ラクタムを製造する工程で
ある。本反応は通常、メタノール、エタノール、ブタノ
ール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ジブロモエタン、ジクロロエタン等のハロゲン化
アルキル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭
化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジクライム等のエ
ーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキサイド等の溶媒中で行われる。
なお、高温下、或いはオートクレーブ中高温下に工程
2のニトロ基の還元反応を行えば、(VII)を単離する
ことなく閉環体(VIII)を製造することができる。
(工程4) 一般式(VIII)で示されるシス、トランスの5員環ラ
クタムの混合物を、塩基の存在下或いは非存在下に有機
溶媒中に加温することにより含まれるシス体を異性化
し、一般式(IX)で示されるトランス体のみを得る工程
である。具体的に好ましい例をあげると、カリウム−t
−ブトキシドの存在下エタノール或いはエタノール−キ
シレンの混合溶媒中、或いはポタシウムトリメチルシラ
ノレイトの存在下キシレン中で加熱して反応を行う。
(工程5) 一般式(IX)で示されるトランス5員環ラクタムを、
ジボラン、金属水素錯化合物により還元し、一般式
(X)で示されるピロリジン誘導体を製造する工程であ
る。金属水素錯化合物としては、水素化アルミニウムリ
チウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニ
ウムナトリウムが好ましく、エーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジクライム等のエーテル系溶媒、或いはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中で
行われる。
(工程6) 一般式(X)で示される化合物を、三臭化ホウ素、三
塩化ホウ素、臭化水素酸、ヨウ化水素酸又は他のエーテ
ル開裂剤で処理して保護基を除去し、一般式(XI)で示
される化合物を製造する工程である。
〈製造方法2〉 本発明化合物のシス体を製造するには、例えば製造方
法1の工程1で得られる一般式(VI)で表される付加
体、或いは製造方法1の工程2で得られるアミノエステ
ル体(VII)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
で処理し、所望の異性体を単離し、製造方法1の方法に
準じてシス体を得ることができる(但し工程4は除
く)。
〈製造方法3〉 一般式(I)の化合物は、シス、トランスの位置異性
体のほかに、d、l光学活性体を含む。光学異性体分割
は通常の方法によるが、例えばキラルカラムなどの光学
異性体分離用カラムに付す方法、(+)−酒石酸、
(+)−ショウノウ酸、(+)−ジベンゾイル酒石酸、
(+)−10−ショウノウスルホン酸、(+)−マンデル
酸などの光学活性酸との塩を適当な溶媒から分別結晶す
る方法などがあげられる。
また、一般式(X)で表される化合物の段階又はその
誘導体で、上記と同様な方法で光学分割し、工程6に付
して一般式(I)で表される化合物の光学活性体を得る
ことができる。
〈製造方法4〉 一般式(I)において、Yが式−CH2−で示される基
である場合は、例えば次のような方法によっても製造す
ることができる。
(一連の式において、X,R7,Rは前記と同様な意味を有
し、Gはアミドの窒素原子の保護基である。) (工程7) 一般式(XII)で示される化合物のアミドの窒素原子
を保護する工程である。アミドの窒素原子の保護基とし
ては、例えば置換基を有してもよいベンジル基、アシル
基、アルコキシアルキル基などをあげることができる。
これらのうち好ましい基としては、ベンジル基、3,4−
ジメトキシベンジル基、3−メトキシメチル基をあげる
ことができる。
本工程は通常の方法によるが、好ましくは、例えば上
記の置換基を有してもよいベンジル基、アシル基などの
ハロゲン化物を、化合物(XII)と反応せしめることに
より、化合物(XIII)を得ることができる。本反応は塩
基の存在下に行うことが望ましい。塩基としては、例え
ば水酸化テトラブチルアンモニウムなどの水酸化アルキ
ルアンモニウム、3級アミン、水素化ナトリウムなどの
水素化金属などが用いられる。この際溶媒としては、例
えばテトラヒドロフラン、エーテル、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどが好ましく用いられる。
(工程8) 一般式(XIII)で示される化合物のカルボニル基のα
位に置換基を導入する工程である。
具体的に好ましい例をあげると、テトラヒドロフラン
中リチウムジイソプロピルアミドや水素化ナトリウムの
存在下、一般式(XIII)で示される化合物に、一般式R
−CH2−Z(式中Zはハロゲン、トルエンスルホニルオ
キシ基又はメタンスルホニルオキシ基などの脱離基を意
味する)で表される化合物を加えて反応を行う。
(工程9) 製造方法1で詳述した工程4の方法に準じて反応を行
う。
即ち、一般式(XIV)で示されるシス、トランスの5
員環ラクタムの混合物を、塩基の存在下或いは非存在下
に有機溶媒中に加温することにより含まれるシス体を異
性化し、一般式(XV)で示されるトランス体のみを得る
工程である。具体的に好ましい例をあげると、カリウム
−t−ブトキシドの存在下エタノール或いはエタノール
−キシレンの混合溶媒中、或いはカリウムトリメチルシ
ラノレイトの存在下キシレン中で加熱して反応を行う。
(工程10) 製造方法1で詳述した工程5の方法に準じて反応を行
う。
即ち、一般式(XV)で示されるトランス5員環ラクタ
ムを、ジボラン、金属水素錯化合物により還元し、一般
式(XVI)で示されるピロリジン誘導体を製造する工程
である。金属水素錯化合物としては、水素化アルミニウ
ムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アル
ミニウムナトリウムが好ましく、エーテル、テトラヒド
ロフラン、ジクライム等のエーテル系溶媒、或いはベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中
で行われる。
(工程11) 工程7で導入した保護基を除去する工程である。工程
7で用いた反応試剤により、内容は異なるが、例えば工
程7でハロゲン化ベンジルを用いた場合は、パラジウム
・炭素、ラネーニッケル等の金属触媒下水素添加を行
う。また、この工程は場合によっては、次の工程12と共
に同時に行うことができる。
(工程12) 製造方法1で詳述した工程6の方法に準じて反応を行
う。
即ち、一般式(XVII)で示される化合物を、三臭化ホ
ウ素、三塩化ホウ素、臭化水素酸、ヨウ化水素酸又は他
のエーテル開裂剤で処理して保護基を除去し、一般式
(XVIII)で示される化合物を製造する工程である。
〈薬理実験例〉 実験例1 ラット脳線状体におけるD1,D2受容体結合試験 ラット脳線状体を摘出し、0.05M Tris Bufferでホモ
ジナイズした後、20000Xgで遠心分離してシナプトゾー
ム画分を分取した。この沈渣を0.25M Tris Bufferで数
回洗浄し、0.05M Tris Buffer(120mM NaCl,5mM KCl,2m
M CaCl2,1mM MgCl2を含む)に溶解し、分注して−80℃
で凍結保存した。D1では3H−Sch23390(最終濃度0.3n
M)、D2では3H−Spiperone(最終濃度0.2nM)を検体と
共に加えて37℃,15分インキュベーションし、ワットマ
ンGF/Bフィルターで濾過し、液体シンチレーションカウ
ンターで測定した。非特異結合の測定にはSKF−82526と
Spiperoneそれぞれを使用した。
IC50は特異的な量、即ち放射性同位元素により標識さ
れたSch23390、Spiperoneとそれぞれ50%置き換えられ
る試験物質の濃度として決定した。
結果を表1に示す。
表1において、試験化合物A〜Eは下記に示す化合物
である。
化合物A;トランス−3−(3−クロロ−6−ヒドロキシ
フェニル)メチル−4−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ピロリジン 化合物B;3−(2,6−ジヒドロキシフェニル)メチル−4
−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリジン 化合物C;3−(3−クロロ−2,6−ジヒドロキシフェニ
ル)メチル−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン 化合物D;3−(3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシフェニ
ル)メチル−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン 化合物E;3−(3−フルオロ−2−ヒドロキシフェニ
ル)メチル−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン 実験例2 麻酔犬における循環動態に対する作用 体重10kg前後の雑種をチオペンタールナトリウム20mg
/kg,i.v.により麻酔導入後、気管内チューブを挿入し、
酸素−笑気−エンフルランで人工呼吸及び麻酔の維持を
行った(Acoma人工呼吸器ARF−850E,Acoma anesthesia
apparatus EM−A)。
大動脈圧及び左心室内圧は大腿動脈から挿入したカテ
先型圧トランスデューサー(MPC−500,Miller)により
測定した。腎血流は側腹切開により腎動脈を露出し、電
磁血流計(MFV−2100,日本光電)のプローブを装着し測
定した。以上の測定値はいずれもポリグラフシステム
(RM−6000,日本光電)を用いて記録した。
検体は0.9%食塩水に溶解し、肘動脈に挿入したカー
テルから投与した。また十二指腸内投与の実験において
は、腹部正中切開により十二指腸を露出し、微小な切開
を加え、挿入したカテーテルから検体を投与した。
検体化合物A〜Eは実験例1に示した化合物と同一で
ある。
以下に、上記の方法で行って、本発明化合物からなる
試験化合物の投与前対照に対する腎血流の増加又は平均
血圧の減少を変化率にて示す。
化合物Aは3μg/kgの静脈内投与で15%の平均血圧の
減少と20%の腎血流の増加を、化合物Bは3μg/kgの投
与で29%の平均血圧の減少と25%の腎血流の増加を、化
合物Cは1μg/kgの投与で22%の平均血圧の減少と33%
の腎血流の増加を、化合物Dは1μg/kgの投与で17%の
平均血圧の減少と15%の腎血流の増加を、化合物Eは3
μg/kgの静脈内投与で21%の平均血圧の減少で26%の腎
血流の増加を示した。また化合物Dは1.0ng/kgの十二指
腸内投与で11%の平均血圧の減少と16%の腎血流の増加
を示した。
上記の薬理実験例の結果より、明確な降圧作用、腎血
流増加作用を示すことが明らかである。本発明化合物
は、ドーパミン1受容体への高い親和性を有し、ドーパ
ミン受容体を刺戟する作用を有しているので、抗高血圧
剤として望ましい血管拡張作用に基づく降圧作用、腎血
流増加作用、利尿作用を有し、更に安全性も高いので、
降圧剤又は心不全治療剤として好ましい化合物である。
従って、本発明化合物は、本態性高血圧症、腎性高血
圧症など各種高血圧症の治療・予防剤、更に心不全治療
・予防剤として有用である。
本発明化合物をこれら医薬として使用する場合は、経
口投与若しくは非経口投与により投与される。投与量
は、症状の程度;患者の年令、性別、体重、感受性差;
投与方法;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、
種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定さ
れない。
経口投与の場合は、通常成人1日あたり約1〜1,000m
g、好ましくは約50〜600mgであり、更に好ましくは約15
0〜400mgであり、更により好ましくは約300〜400mgであ
り、これを通常1日1〜4回にわけて投与する。注射の
場合は、通常約0.3μg/kg〜100μg/kgであり、好ましく
は約1μg/kg〜10μg/kgである。
即ち、経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に賦形
剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色
剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆
錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。
賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白
糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケ
イ素などが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコ
ール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチル
セルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シ
ェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキ
ストリン、ペクチン等が、滑沢剤としては、例えばステ
アリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に
添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤とし
ては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、
桂皮末等が用いられる。これらの錠剤、顆粒剤には糖
衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングす
ることは勿論差し支えない。
注射剤を調製する場合には、主薬に必要によりpH調製
剤、緩衝剤、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化
剤、保存剤などを添加し、常法により静脈、皮下、筋肉
内注射剤とする。その際必要により、常法により凍結乾
燥物とすることも可能である。
懸濁剤としての例をあげれば、例えばメチルセルロー
ス、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、
アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレートなどをあげることができる。
溶解補助剤としては、例えばポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウレート、マグロゴー
ル、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどをあげることが
できる。
また安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メ
タ亜硫酸ナトリウム、エーテル等が、保存剤としては、
例えばパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸
エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロ
クレゾールなどをあげることができる。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を以下に掲げるが、本発明がそれ
らのみに限定されることがないことは言うまでもない。
実施例1 トランス−3−ベンジル−4−(3,4−ジヒドロキシフ
ェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩 (1)2−ベンジル−3−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−4−ニトロ酪酸エチル ジイソプロピルアミン9.04ml(64.5mmol)及び1.6M n
−ブチルリチウム38.6ml(64.5mmol)より調製したリチ
ウムジイソプロピルアミドにTHF 300ml中−78℃でフェ
ニルプロピオン酸エチル10g(56.1mmol)を滴下した。
同温度で15分間攪拌し、2−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)ニトロエテン11.74g(56.1mmol)のTHF溶液200mlを
滴下した後、30分間攪拌を続ける。反応液に水20mlを加
え、反応を停止した後、THFを減圧下留去した。残渣に3
N塩酸100mlを加え、塩化メチレン300mlで2回抽出した
後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
上で乾燥する。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:n−
ヘキサン=1:2)に付すと、16.55gの目的物が得られた
(収率80%)。この時最初に溶出するのはスレオ体であ
り、次に溶出するのはエリスロ体であった(スレオ:エ
リスロ=8:6)。また、エリスロ体は結晶として得られ
たが、スレオ体は油状であった。
スレオ体 NMR(90MHz,CDCl3)δ; 1.02(3H,t,J=7HZ),2.48〜3.08(3H,m),3.48〜3.70
(1H,m),3.76(3H,s),3.78(3H,s),3.95(2H,q,J=7
Hz),4.52〜4.72(2H,m),6.60〜6.76(3H,m),6.84〜
7.20(5H,m) エリスロ体 NMR(90MHz,CDCl3)δ; 0.96(3H,d,J=7Hz),2.76〜3.20(3H,m),3.50〜3.80
(1H,m),3.82(6H,s),3.83(2H,q,J=7Hz),4.67〜4.
82(2H,m),6.57〜6.72(3H,m),6.92〜7.24(5H,m) 融点(℃);94〜96 (2)スレオ−4−アミノ−2−ベンジル−3−(3,4
−ジメトキシフェニル)酪酸エチル スレオ−2−ベンジル−3−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−4−ニトロ酪酸エチル8.1g(20.9mmol)をエタ
ノール38mlに溶解し、濃塩酸12.5mlを加える。水浴上5.
47gの亜鉛末(84mmol)を少量ずつ添加し、添加終了後
2時間加熱還流する。反応液を濃縮し、10%水酸化ナト
リウム水溶液を加え塩基性とした後、塩化メチレンで3
回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥する。減圧下溶媒を留去すると、目的
物の粗生成物が得られた。粗生成物は単離精製すること
なく次段階に用いた。
(3)トランス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキ
シフェニル)−2−ピロリドン スレオ−4−アミノ−2−ベンジル−3−(3,4−ジ
メトキシフェニル)酪酸エチルの粗生成物をそのままキ
シレン200mlに溶解し、6時間加熱還流する。減圧下キ
シレンを留去すると、目的物の粗生成物が得られた。こ
れをエタノールより再結晶すると、目的物が2.55g(収
率39%)得られた。
融点(℃);116〜118 NMR(90MHz,CDCl3)δ; 2.88(1H,ddd,J=5Hz,6Hz,9Hz),2.99(1H,dd,J=5Hz,1
4Hz),3.07(1H,dd,J=6Hz,14Hz),3.20(1H,dt,J=8H
z,9Hz),3.23(1H,t,J=8Hz),3.51(1H,t,J=8Hz),3.
81(3H,s),3.86(3H,s),6.24(1H,bs),6.55(1H,d,J
=2Hz),6.69(1H,dd,J=2Hz,8Hz),6.79(1H,d,J=8H
z),7.13〜7.24(5H,m) (4)トランス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキ
シフェニル)ピロリジン トランス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−2−ピロリドン0.81g(2.60mmol)のTHF溶液
10mlに1Mボラン・THF錯体10mlを加え6時間加熱還流す
る。冷却後、室温で6N塩酸10mlを注意深く滴下し、60℃
で30分間攪拌する。減圧下THFを留去した後、10%水酸
化ナトリウム水溶液で塩基性にし、塩化メチレンで2回
抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した
後、減圧下溶媒を留去すると、粗生成物が得られた。こ
れを一旦シリカゲルに吸着させ不純物を溶出(塩化メチ
レン:メタノール=95:5)した後、再びメタノールで溶
出すると、目的物が0.37g(収率48%)得られた。
(5)トランス−3−ベンジル−4−(3,4−ジヒドロ
キシフェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩 トランス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)ピロリジン0.37g(1.24mmol)を塩化メチレン
に溶解し、1M三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液を10ml加
える。室温で3時間攪拌した後、反応液を減圧下濃縮す
る。さらに塩化メチレンを加えメタノールを1滴ずつ滴
下し(3ml)、再び減圧下濃縮する。この操作を数回繰
り返し、析出する結晶を濾取すると、目的物の臭化水素
酸塩が70mg(収率16%)得られた。
融点(℃);182〜184(分解) 元素分析値;C17H19NO2・HBrとして C H N 理論値(%) 58.30 5.76 4.00 実測値(%) 58.56 5.86 3.79 NMR(D2O)δ; 2.76〜2.83(2H,m),2.85〜2.93(1H,m),3.17〜3.28
(1H,m),3.37(1H,t,J=12Hz),3.66(1H,dd,J=7Hz,1
2Hz),3.82(1H,dd,J=8Hz,12Hz),6.90(1H,dd,J=2H
z,8Hz),6.93(1H,d,J=2Hz),6.99(1H,d,J=8Hz),7.
27(2H,d,J=8Hz),7.32〜7.42(3H,m) 実施例2 シス−3−ベンジル−4−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ピロリジン・臭化水素酸塩 (1)エリスロ−4−アミノ−2−ベンジル−3−(3,
4−ジメトキシフェニル)酪酸エチル エリスロ−2−ベンジル−3−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−4−ニトロ酪酸エチル6.01g(15.51mmol)、
亜鉛末4.06g(62.1mmol)、エタノール28ml、濃塩酸9.3
mlを用いてスレオ体と同様に処理し、目的化合物を得
た。
融点(℃);74〜80 (2)シス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−2−ピロリドン エリスロ−4−アミノ−2−ベンジル−3−(3,4−
ジメトキシフェニル)酪酸エチルの粗生成物を用いてス
レオ体と同様にして合成したが、反応時間は12時間とし
た。収率3.18g(66%、2段階) 融点(℃);137〜139 NMR(CDCl3)δ; 2.30(1H,dd,J=11Hz,14Hz),3.11(1H,ddd,J=4Hz,8H
z,11Hz),3.17(1H,dd,J=4Hz,14Hz),3.42(1H,d,J=1
0Hz),3.51(1H,dd,J=7Hz,8Hz),3.73(3H,s),3.76
(1H,dd,J=7Hz,10Hz),3.88(3H,s),6.45(1H,d,J=2
Hz),6.70(1H,dd,J=2Hz,8Hz),6.79(1H,d,J=8Hz),
6.91(1H,d,J=9Hz),7.12〜7.22(3H,m) (3)シス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)ピロリジン シス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−2−ピロリドン0.84g(2.70mmol)を用いてトラ
ンス体の合成と同様にして目的物0.45g(収率56%)を
得た。
(4)シス−3−ベンジル−4−(3,4−ジヒドロキシ
フェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩 シス−3−ベンジル−4−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)ピロリジン0.45g(1.51mmol)を用いてトランス体
の合成と同様の操作を行い、目的物の臭化水素酸塩0.10
g(収率22%)を得た。
C3−HとC4−Hとの間でNOE(7.45%)が観測され
た。
融点(℃);209〜210(分解) 元素分析値;C17H19NO2・HBr・H2Oとして C H N 理論値(%) 55.45 5.02 3.80 実測値(%) 55.65 5.65 3.76 NMR(D2O)δ; 2.32(1H,dd,J=11Hz,14Hz),2.77(1H,dd,J=6Hz,14H
z),3.00〜3.07(1H,m),3.31(1H,dd,J=7Hz,12Hz),
3.49(1H,dd,7Hz,12Hz),3.70〜3.82(2H,m),3.88(1
H,dd,J=7Hz,11Hz),6.81(1H,dd,J=2Hz,8Hz),6.85
(1H,d,J=2Hz),7.03(1H,d,J=8Hz),7.19(2H,d,J=
7Hz) 実施例3 トランス−3−(2−ヒドロキシ−3−クロロフェニル
メチル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリ
ジン・臭化水素酸塩 (1)臭化 3−クロロ−2−メトキシベンジル m−クロロ−o−メトキシトルエン20.36g(0.13mo
l)、N−ブロモサクシンイミド23.2g(0.13mol)、ベ
ンゾイルパーオキシド0.6g(2.47mmol)、テトラクロロ
メタン200mlの混合物をパイレックスフィルターを用い
高圧水銀灯(400W)で5時間光照射(≧300nm)する。
不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮後、残渣を塩化メチ
レンに溶解させ水洗する。塩化メチレン層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して、油状の目
的物を29.2g得た。
(2)2−(3−クロロ−2−メトキシベンジル)マロ
ン酸ジエチル 水素化ナトリウム4.75g(0.118mol)のTHF懸濁液100m
lを氷−ドライアイス−メタノールで冷却、攪拌しなが
らマロン酸ジエチル20.64g(0.128mol)のTHF溶液50ml
を少量ずつ滴下した。次いで(1)で得られたハロゲン
化物29.2g(0.124mol)のTHF溶液50mlを加え、室温で3
時間攪拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を塩化メチレ
ンで希釈して、水、塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣を減圧蒸留に
付し、沸点144〜155℃の目的物を18.8g得た。
(3)3−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)プロ
ピオン酸 (2)で得られたマロン酸誘導体18.8g(59.7mmo
l)、8N塩酸142mlの混合物を一夜加熱還流する。反応液
を冷却し、析出する結晶を濾取し、水洗、乾燥後、目的
物を11.14g得た。
(4)3−クロロ−2−メトキシフェニルプロピオン酸
エチル (3)で得られたプロピオン酸誘導体11.14g(51.9mm
ol)、濃硫酸0.96ml、エタノール40mlの混合物を2.5時
間加熱還流する。溶媒を減圧下留去し、残渣を中圧シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=5:1,v/v)に付し、油状物として目的物を7.37g得
た。
(5)2−(3−クロロ−2−メトキシベンジル)−3
−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−ニトロ酪酸エチ
ル ジイソプロピルアミン2.5ml(17.8mmol)のTHF溶液20
mlをドライアイス−アセトンで冷却下攪拌しながら1.6M
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液11.1ml(17.8mmol)
を少量ずつ滴下する。15分後(4)で得られたエステル
4.13g(17mmol)のTHF溶液30mlを−50℃以下で少量ずつ
滴下する。同温度で10分間攪拌後、ニトロオレフィン3.
55g(17mmol)のTHF溶液100mlを少量ずつ滴下する。30
分間攪拌後、反応液に水を加え、2N塩酸で酸性として塩
化メチレンで抽出する。塩化メチレン層を塩水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留
去し、残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)に付し、油状物と
して目的物を3.8g得た。
(6)4−アミノ−2−(3−クロロ−2−メトキシベ
ンジル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)酪酸エチ
ル (5)で得られたニトロエステル3.73g(8.25mmo
l)、濃塩酸5.2ml、エタノール35mlの混合物を氷水冷却
下に攪拌しながら亜鉛2.73g(41.7mmol)を少量ずつ加
え、次いで3時間加熱還流する。過剰の亜鉛を濾去し、
濾液を減圧下に濃縮する。残渣に塩化メチレンを加え、
10%水酸化ナトリウムで塩基性とする。析出する不溶物
をセライトを通して濾去する。塩化メチレン層を分取
し、水、塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。溶媒を減圧下留去し、油状物として目的物を3g得
た。
(7)3−(3−クロロ−2−メトキシベンジル)−4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ピロリドン (6)で得られたアミノエステル3g(7.1mmol)のキ
シレン溶液30mlを4時間加熱還流する。溶媒を減圧下留
去し、残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール=99:1,v/v)に付し、油状
物として目的物を1.87g得た。
(8)トランス−3−(3−クロロ−2−メトキシベン
ジル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ピロ
リドン (7)で得られたラクタム1.85g(4.92mmol)、t−B
uOK 2.76g(24.6mmol)、エタノール30ml、キシレン30m
lの混合物を一夜加熱還流する。溶媒を減圧下留去し、
残渣に塩化メチレンを加え、2N塩酸で酸性とする。塩化
メチレン層を分取し、水、塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去し、残渣を中圧
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:
メタノール=99:1,v/v)に付し、油状物として目的物を
1.06g得た。
(9)3−(3−クロロ−2−メトキシベンジル)−4
−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジン 1M BH3−THF錯体のTHF溶液10ml(10mmol)を窒素気流
中氷水冷却下に攪拌しながら(8)で得られたトランス
・ピロリドン1.06g(2.82mmol)のTHF溶液30mlを加え、
次いで一夜加熱還流する。反応液を氷水冷却下攪拌しな
がら6N塩酸を注意深く発泡が収まるまで加え、次いで2
時間加熱還流する。溶媒を減圧下留去し、残渣に塩化メ
チレンを加え、10%水酸化ナトリウムで塩基性とする。
塩化メチレン層を分取し、塩水で洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下留去し、残渣を中圧
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付す。初めクロ
ロホルム:メタノール=97:3,v/vで溶出し、次いでメタ
ノールで溶出する。メタノール溶出分画より油状物とし
て目的物を510mg得た。
(10)トランス−3−(2−ヒドロキシ−3−クロロフ
ェニルメチル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)
ピロリジン・臭化水素酸塩 (9)で得られたピロリジン510mg(1.41mmol)の塩
化メチレン溶液30mlを窒素気流中氷水冷却下攪拌しなが
ら1M三臭化ホウ素の塩化メチレン溶液6.5ml(6.5mmol)
を少量ずつ加える。次いで室温で4.5時間攪拌する。溶
媒を減圧下留去し、残渣を氷水冷却下攪拌しながらメタ
ノールを少量ずつ加える。メタノールを減圧下留去し、
残渣にエタノール−ヘキサンを加え、室温に放置する。
析出した結晶をアセトニトリル−ベンゼンから再結晶し
て、標題の目的物質を250mg得た。
融点(℃);207〜209 元素分析値;C17H18NO3Cl・HBrとして C H N 理論値(%) 50.75 4.79 3.49 実測値(%) 51.02 4.70 3.32 NMR(D2O)δ; 2.77〜2.83(1H,m),2.94〜3.03(2H,m),3.13〜3.31
(3H,m),3.74〜3.82(2H,m),6.72〜6.76(2H,m),6.8
3〜6.87(2H,m),7.09(1H,d,J=8Hz),7.23(1H,dd,J
=2Hz,8Hz) 実施例4 (±)−トランス−3−(3,5−ジフルオロ−2−ヒド
ロキシベンジル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ピロリジン・臭化水素酸塩 (1)3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−N,N−ジメチ
ルベンジルアミン 2,4−ジフルオロフェノール51.72g(0.40mol)を46ml
のエタノールに溶かし、50%ジメチルアミン水溶液91ml
及び37%ホルマリン40mlを加え、3時間加熱還流する。
冷却後、酢酸エチルで抽出し、抽出液は水、飽和食塩水
で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥する。減圧下溶
媒を留去すると、標題の目的物が76g(定量的)得られ
た。
融点(℃);63〜64(EtOH) NMR(90MHz,CDCl3)δ; 2.27(6H,s),3.55(2H,s),6.23〜6.78(2H,m),10.79
(1H,s) (2)3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−N,N,N−トリ
メチルベンジルアンモニウム ヨージド 3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−N,N−ジメチルベ
ンジルアミン74g(0.40mol)を300mlをクロロホルムに
溶解し、ヨー化メチル200mlを加える。3時間加熱還流
すると、黄色沈殿が析出し、これを濾取すると、目的物
114g(収率87%)が得られた。
融点(℃);170〜173 (3)3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド 3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−N,N,N−トリメチ
ルアンモニウム ヨージド114g(0.35mol)を714mlの50
%酢酸に溶解し、ヘキサメチレンテトラミン214g(1.53
mol)を1部ずつ加える。添加後、反応液を3時間加熱
還流し、3N塩酸を加え5分間加温する。エーテルで抽出
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留
去すると、粗生成物が得られる。一部分は十分乾燥した
が、大部分はそのまま次段階の反応に用いた。
融点(℃);89〜90 NMR(90MHz,CDCl3)δ; 7.07(1H,s),7.15(1H,s),9.87(1H,d,J=1.8Hz),1
0.70(1H,bs) (4)3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンズアルデヒ
ド 3,5−ジフルオロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド
の粗生成物(0.35mol相当)を800mlのアセトニトリルに
溶かし、炭酸カリウム110g(0.8mol)及びヨウ化メチル
61ml(0.96mol)を加え、5時間加熱還流する。冷却
後、不溶物を濾別し、母液を濃縮する。濃縮物に1.3lの
エーテルを加え、これを水500mlで2回洗浄する。さら
に飽和食塩水で洗浄し、エーテル層を無水硫酸マグネシ
ウム上で乾燥する。減圧下溶媒を留去すると、目的物3
9.6g(収率66%)が得られた(2段階)。
融点(℃);37〜39 NMR(90MHz,CDCl3)δ; 4.02(3H,d,J=2Hz),6.78〜7.29(3H,m),10.23(1H,4
Hz) (5)3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンジルアルコ
ール 3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド39.
6g(0.23mol)を80mlのエタノールに溶解し、水素化ホ
ウ素ナトリウム4.35g(0.115mol)のエタノール溶液35m
lを5分間かけて0℃で滴下する。室温で1時間攪拌し
た後、水115mlを加えて反応を停止し、エーテル115mlで
4回抽出する。抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウム上で乾燥する。減圧下エーテルを留去し、粗生
成物を蒸留すると、目的物21.2g(収率53%)が得られ
た(沸点108〜110℃/2mmHg)。
NMR(90MHz,CDCl3)δ; 2.60(1H,br),3.88(3H,d,J=2Hz),3.63(2H,s),6.5
7〜6.92(2H,m) (6)塩化 3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンジル 3,5−ジフルオロ−5−メトキシベンジルアルコール1
0g(57.4mmol)を100mlの塩化メチレンに溶解し、塩化
チオニル25ml(287mmol)とジメチルホルムアミド7滴
を添加し、1時間加熱還流する。反応液を冷却後減圧下
濃縮し、ベンゼンで2回共沸する。残渣をエーテルに溶
解し、2回水洗した後、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去し、油状物を蒸
溜すると、目的物9.72g(収率88%)が得られた(97〜9
8℃/24〜25mmHg)。
H−NMR(90MHz,CDCl3)δ; 3.95(3H,d,J=2Hz),4.58(2H,s),6.60〜6.90(2H,
m) m/z;192 (7)2−(3,4−ジメトキシベンジリデン)マロン酸
ジエチル ベラトルアルデヒド200g(1.2mol)、マロン酸ジエチ
ル220ml(1.4mol)をベンゼン400ml中ピロリジン12ml、
ベラトル酸6.6gの存在下6時間加熱還流する。反応液を
冷却後、酢酸エチル700mlを加え水洗する。有機層をさ
らに希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で
洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥する。減圧
下溶媒を留去し、残渣を蒸留すると、目的物360.0g(収
率97%)が得られた(沸点193℃〜200℃/0.5〜2.0mmH
g)。
(8)3−シアノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)
プロピオン酸エチル (7)で得られたジエステル180.0g(0.58mol)のエ
タノール溶液1.44lに青酸カリウム40.4g(0.61mol)の
水72ml溶液を加え、70℃で10時間攪拌する。冷却後、反
応液を濃縮し、水0.5l及び酢酸エチル1.5lを加え、有機
層を分離する。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒を減圧下留去する
と、目的物201g(0.76mol)(収率66%)が得られた。
(9)4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ピロリ
ドン (8)で得られたシアノエステル100.5gをエタノール
1中ラネーコバルト約50mlの存在下50kg/cm2の水素雰
囲気下100℃で一昼夜水素添加する。触媒を除去した
後、減圧下溶媒を留去し、残渣をエタノールから再結晶
すると、目的物53.5g(収率64%)が得られた。
(10)1−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2−ピロリドン (9)で得られたピペリドン30g(0.136M)にベンゼ
ン400ml中トリトンB(40%メタノール溶液60ml)を作
用させる。減圧下ベンゼンを留去し、残渣にベンゼン40
0mlを再び加える。この操作を3回繰り返し、塩化3,4−
ジメトキシベンジル25.31gを室温で加える。60℃で6時
間攪拌し、反応液に水を加える。有機層を分離し、水で
2回、飽和食塩水で1回洗浄する。有機層を無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、減圧下溶媒を留去する。残渣をエ
タノールから再結晶すると、目的物41.54g(収率82%)
が得られた。
融点(℃);117〜118 NMR(90MHz,CDCl3)δ; 2.40〜2.80(2H,m),2.80〜3.60(3H,m),3.74〜3.82
(12H,m),4.40(2H,s),6.54〜6.76(6H,m) (11)3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンジ
ル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)−2−ピロリドン 窒素雰囲気下ジイソプロピルアミン2.1ml(15mmol)
を30mlのTHFに溶かし、−78℃で1.6M n−ブチルリチウ
ム9.4ml(15mmol)を滴下し、10分間同温度で放置す
る。この溶液にN−(3,4−ジメトキシベンジル)−4
−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ピロリドン3.71g
(10mmol)のTHF溶液100mlを−78℃で滴下する。30分間
攪拌した後、水10mlを加え反応を停止する。反応液を濃
縮し、残渣に塩化メチレンを加え、水、食塩水で洗浄
し、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥する。減圧下
溶媒を留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:n−ヘキサン=3:1)
に付すと、目的物4.65g(収率88%)が得られた。
融点(℃);94〜96 (12)3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンジ
ル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−(3,4−
ジメトキシフェニル)ピロリジン 窒素雰囲気下0℃で3−(3,5−ジフルオロ−2−メ
トキシベンジル)−N−(3,4−ジメトキシベンジル)
−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリドン17.78g
(33.7mmol)のTHF溶液200mlをボラン・THF錯体1M THF
溶液150mlに滴下する。2時間加熱還流し、冷却後、6N
塩酸50mlを加え、60℃に加温する。2時間攪拌後、減圧
下THFを濃縮し、塩化メチレンで2回抽出する。有機層
を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した
後、減圧下溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=4:1)に
付すと、目的物12.46g(収率72%)が得られた。
(13)3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンジ
ル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジン 3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシベンジル)−
N−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−(3,4−ジメト
キシフェニル)ピロリジン2.5g(5.9mmol)をエタノー
ルに溶かし、0.4gの10%パラジウム・炭素上、水素雰囲
下10時間加熱還流する。粗生成物はシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(はじめメタノール:塩化メチレン=
5:95、次いでメタノールで溶出)に付すと、目的物1.07
g(収率63%)が得られた。
(14)(±)−トランス−3−(3,5−ジフルオロ−2
−ヒドロキシベンジル)−4−(3,4−ジヒドロキシフ
ェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩 3−(3,5−ジフルオロ−2−メトキシ)−4−(3,4
−ジメトキシフェニル)ピロリジン1.06gに濃臭化水素
酸を加え、油浴100℃で12時間攪拌する。減圧下溶媒を
留去し、ベンゼンを加えて2回共沸する。残渣にアセト
ニトリルを加え結晶化し濾取すると、目的物0.76g(収
率63%)が得られた。
融点(℃);217〜219 NMR(D2O)δ; 2.79(1H,ddd,J=5Hz,10Hz,10Hz),2.95〜3.02(2H,
m),3.16〜3.23(1H,m),3.29(2H,dd,J=12Hz,23Hz),
3.77〜3.83(2H,m),6.71〜6.89(5H,m) 元素分析値;C17H17F2NO3・HBrとして C H N 理論値(%) 50.76 4.51 3.48 実測値(%) 50.57 4.45 3.36 m/z(EI);321 実施例5 (−)−トランス−3−(3,5−ジフルオロ−2−ヒド
ロキシベンジル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ピロリジン・臭化水素酸塩 (1)トランス−N−アセチル−3−(3,5−ジフルオ
ロ−2−メトキシベンジル)−4−(3,4−ジメトキシ
フェニル)ピロリジン 実施例4の(13)で得られるトランス−3−(3,5−
ジフルオロ−2−メトキシベンジル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)ピロリジン2.17g(6.17mmol)をク
ロロホルム30mlに溶解し、トリエチルアミン0.75g(7.4
mmol)を加える。氷冷下塩化アセチル0.5ml(7.0mmol)
のクロロホルム溶液10mlを滴下し、室温で3時間攪拌す
る。水1mlを加え、反応を停止した後、水、2N塩酸、飽
和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上
で乾燥する。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=
97:3)に付すと、目的物2.5g(定量的)が得られた。
(2)上記アセチルピロリジン誘導体2.5gを光学異性体
分離用カラム(Chiralcel OD,ダイセル化学工業製)に
付し、n−ヘキサン−イソプロピルアルコール−ジエチ
ルアミン(5:2:0.005)の混合溶媒を溶出液として分離
精製し、(+)体1.06g{▲〔α〕28 D▼+20.2°(C=
1.05,MeOH)}及び(−)体1.09g{▲〔α〕28 D▼−20.
1°(C=1.05,MeOH)}を得た。
(3)上記(−)体1.09gを47%臭化水素酸中20時間加
熱還流する。減圧下臭化水素酸を留去し、ベンゼンを加
え、さらに2回共沸させる。残渣をエタノールに溶解
し、活性炭で処理し、濾別後、減圧下溶媒を留去する
と、1.05gの(−)−トランス−3−(3,5−ジフルオロ
−2−ヒドロキシベンジル)−4−(3,4−ジヒドロキ
シフェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩が得られた。
▲〔α〕28 D▼−18.5°(C=1.05,MeOH) 実施例5の(2)で得られた(+)体を上記の(3)
と同様に処理し、(+)−トランス−3−(3,5−ジフ
ルオロ−2−ヒドロキシベンジル)−4−(3,4−ジヒ
ドロキシフェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩を得た。
▲〔α〕28 D▼+16.6°(C=1.01,MeOH) 実施例6〜29 上記の方法に準じて、下記の表2に示すピロリジン誘
導体を得た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 207/12 C07D 207/12 207/14 207/14 409/06 207 409/06 207 (72)発明者 森 信行 茨城県つくば市下広岡410―9 (72)発明者 篠 光正 茨城県取手市戸頭1037―3 (72)発明者 石原 浩樹 茨城県つくば市梅園2―16―1 ルンビ ーニ梅園502 (72)発明者 斉藤 守 茨城県つくば市並木3―25―3 コーポ 並木D―202 (72)発明者 松岡 俊之 茨城県つくば市春日4―19―13 エーザ イ紫山寮305 (56)参考文献 米国特許2852526(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 207/00 - 207/50 C07D 409/06 - 409/12 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
    基を意味する。Yは式−CH2−で示される基、式−S−
    で示される基、式−O−で示される基又は式−NH−で示
    される基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニ
    ル基、又は置換若しくは無置換のチエニル基を意味す
    る。〕 で表されるピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容で
    きる塩。
  2. 【請求項2】置換若しくは無置換のフェニル基が式 〔式中、R1,R2,R3は同一又は相異なる水素原子、低級
    アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸
    基、トリフルオロメチル基、又は式 (式中R4,R5は同一又は相異なる水素原子又は低級アル
    キル基を意味する)で示される基を意味する〕 で示される基である請求項1記載のピロリジン誘導体又
    はその薬理学的に許容できる塩。
  3. 【請求項3】一般式 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
    基を意味する。Yは式−CH2−で示される基、式−S−
    で示される基、式−O−で示される基又は式−NH−で示
    される基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニ
    ル基、又は置換若しくは無置換のチエニル基を意味す
    る。〕 で表されるピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容で
    きる塩を有効成分とするドーパミン1アゴニスト作用が
    有効な疾患の治療・予防剤。
  4. 【請求項4】一般式 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
    基を意味する。Yは式−CH2−で示される基、式−S−
    で示される基、式−O−で示される基又は式−NH−で示
    される基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニ
    ル基、又は置換若しくは無置換のチエニル基を意味す
    る。〕 で表されるピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容で
    きる塩を有効成分とするドーパミン1アゴニスト。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
    基を意味する。Yは式−CH2−で示される基、式−S−
    で示される基、式−O−で示される基又は式−NH−で示
    される基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニ
    ル基、又は置換若しくは無置換のチエニル基を意味す
    る。〕 で表されるピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容で
    きる塩を有効成分とする高血圧症治療・予防剤。
  6. 【請求項6】一般式 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
    基を意味する。Yは式−CH2−で示される基、式−S−
    で示される基、式−O−で示される基又は式−NH−で示
    される基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニ
    ル基、又は置換若しくは無置換のチエニル基を意味す
    る。〕 で表されるピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容で
    きる塩を有効成分とする心不全治療・予防剤。
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