JP2928307B2 - ピロリジン誘導体 - Google Patents
ピロリジン誘導体Info
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- JP2928307B2 JP2928307B2 JP2025314A JP2531490A JP2928307B2 JP 2928307 B2 JP2928307 B2 JP 2928307B2 JP 2025314 A JP2025314 A JP 2025314A JP 2531490 A JP2531490 A JP 2531490A JP 2928307 B2 JP2928307 B2 JP 2928307B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
- Pyrrole Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医薬として優れた作用を有するピロリジン
誘導体及びその薬理学的に許容できる塩に関する。
誘導体及びその薬理学的に許容できる塩に関する。
高血圧症は日本人全体の約20%、即ち約2,000万人以
上が羅患しており、各種脳疾患、心疾患などの重要なリ
スクファクターとなっている。高血圧症の薬物治療とし
ては現在降圧利尿剤、β遮断剤、Ca拮抗剤、ACE阻害剤
などが実際に臨床上使用されている。
上が羅患しており、各種脳疾患、心疾患などの重要なリ
スクファクターとなっている。高血圧症の薬物治療とし
ては現在降圧利尿剤、β遮断剤、Ca拮抗剤、ACE阻害剤
などが実際に臨床上使用されている。
しかしながら、高血圧の成因・病態は極めて多種多様
であり、少なくとも一剤であらゆるタイプの高血圧を有
意にコントロールすることは困難である。更に、安全性
の面から言えば、例えばβ遮断薬には心抑制、気管支彎
縮があり、利尿薬には高尿酸血症、糖代謝異常、脂質代
謝異常などの副作用がある。
であり、少なくとも一剤であらゆるタイプの高血圧を有
意にコントロールすることは困難である。更に、安全性
の面から言えば、例えばβ遮断薬には心抑制、気管支彎
縮があり、利尿薬には高尿酸血症、糖代謝異常、脂質代
謝異常などの副作用がある。
このような状況から、種々のメカニズムによる異なっ
たタイプのよりよい降圧剤が依然として求められてい
る。
たタイプのよりよい降圧剤が依然として求められてい
る。
そこで本発明者等は、特に腎血流増加作用を有する降
圧剤を開発するため、特にドーパミン作用物質について
長年にわたって鋭意研究を行ってきたが、後記する如
く、ピロリジン誘導体が優れた作用を有することを見出
した。
圧剤を開発するため、特にドーパミン作用物質について
長年にわたって鋭意研究を行ってきたが、後記する如
く、ピロリジン誘導体が優れた作用を有することを見出
した。
降圧作用を有するピロリジン誘導体は殆ど知られてい
ない。
ない。
米国特許第2,852,526号は、ピロリジン誘導体が開示
されているが、本発明化合物とは構造を異にしている
上、気管支拡張作用、抗ヒスタミン作用、抗コリン作用
を有しているという記載があるのみで、本発明化合物の
薬効とは著しく異なる。
されているが、本発明化合物とは構造を異にしている
上、気管支拡張作用、抗ヒスタミン作用、抗コリン作用
を有しているという記載があるのみで、本発明化合物の
薬効とは著しく異なる。
また、腎血流拡張作用を有する化合物としてフェノー
ルドパム(Fenoldopam)(SKF−82526)が提案されてい
るが、この化合物はベンズアゼピン系化合物であり、本
発明化合物とはその構造を異にする。
ルドパム(Fenoldopam)(SKF−82526)が提案されてい
るが、この化合物はベンズアゼピン系化合物であり、本
発明化合物とはその構造を異にする。
本発明化合物は次の一般式(I)で表されるピロリジ
ン誘導体及びその薬理学的に許容できる塩である。
ン誘導体及びその薬理学的に許容できる塩である。
〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニル基、
置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換
のチエニル基又は置換若しくは無置換のベンゾチオフェ
ニル基を意味する。〕 Rの定義中、置換若しくは無置換のフェニル基とは、
具体的には次に示される基をいう。
基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニル基、
置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換
のチエニル基又は置換若しくは無置換のベンゾチオフェ
ニル基を意味する。〕 Rの定義中、置換若しくは無置換のフェニル基とは、
具体的には次に示される基をいう。
〔式中R1,R2,R3は同一又は相異なる水素原子、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ト
リフルオロメチル基、又は式 (式中、R4,R5は同一又は相異なる水素原子又は低級ア
ルキル基を意味する)で示される基を意味する〕 本発明化合物(I)の定義中のX、上記(II)で表さ
れる基の定義中のR1,R2,R3,R4,R5にみられる低級アルキ
ル基とは、炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝状のアルキ
ル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチ
ル、イソプロピル、イソブチル、1−メチルプロピル、
tert−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、イ
ソアミル、n−ヘキシルなどを意味するが、最も好まし
い例としては、メチル基、エチル基などをあげることが
できる。
キル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ト
リフルオロメチル基、又は式 (式中、R4,R5は同一又は相異なる水素原子又は低級ア
ルキル基を意味する)で示される基を意味する〕 本発明化合物(I)の定義中のX、上記(II)で表さ
れる基の定義中のR1,R2,R3,R4,R5にみられる低級アルキ
ル基とは、炭素数1〜6の直鎖若しくは分枝状のアルキ
ル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチ
ル、イソプロピル、イソブチル、1−メチルプロピル、
tert−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、イ
ソアミル、n−ヘキシルなどを意味するが、最も好まし
い例としては、メチル基、エチル基などをあげることが
できる。
また式(I)の定義中のX、式(II)の定義中のR1,R
2,R3にみられるハロゲン原子とは、塩素、ヨウ素、臭
素、フッ素を意味する。
2,R3にみられるハロゲン原子とは、塩素、ヨウ素、臭
素、フッ素を意味する。
更にR1,R2,R3の定義中にみられる低級アルコキシ基と
は、上記低級アルキル基から誘導された低級アルコキシ
基を意味するが、好ましい低級アルコキシ基としては、
例えばメトキシ基、エトキシ基をあげることができる。
は、上記低級アルキル基から誘導された低級アルコキシ
基を意味するが、好ましい低級アルコキシ基としては、
例えばメトキシ基、エトキシ基をあげることができる。
Rの定義中の置換されたナフチル基とは、好ましくは
メチル基、エチル基などで代表される低級アルキル基、
メトキシ、エトキシ基などで代表される低級アルコキシ
基、ハロゲン原子、水酸基、トリフルオロメチル基など
で置換されたナフチル基をいう。
メチル基、エチル基などで代表される低級アルキル基、
メトキシ、エトキシ基などで代表される低級アルコキシ
基、ハロゲン原子、水酸基、トリフルオロメチル基など
で置換されたナフチル基をいう。
Rの定義にみられるチエニル基又はベンゾチオフェニ
ル基は、例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル
基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、
ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
ル基は、例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル
基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、
ハロゲン原子などで置換されていてもよい。
本発明化合物(I)において好ましい化合物群として
は、Rが式(II)で表される基である場合である。即
ち、下記の一般式(III)で表すことができる。
は、Rが式(II)で表される基である場合である。即
ち、下記の一般式(III)で表すことができる。
(式中、X,R1,R2,R3は前記の意味を有する。) 上記一般式(III)において、Xとしては水素原子で
ある場合が最も好ましく、R1,R2,R3は水素原子、水酸
基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子である場合が好ま
しい。
ある場合が最も好ましく、R1,R2,R3は水素原子、水酸
基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子である場合が好ま
しい。
更に好ましくはハロゲン原子、水酸基の2置換体をあ
げることができ、その場合m位に水酸基、o位に塩素原
子などのハロゲン原子が置換されている場合が最も好ま
しい。
げることができ、その場合m位に水酸基、o位に塩素原
子などのハロゲン原子が置換されている場合が最も好ま
しい。
更に好ましい化合物群としては、Rがチエニル基又は
ベンゾチオフェニル基である場合である。
ベンゾチオフェニル基である場合である。
本発明において、薬理学的に許容できる塩とは、例え
ば塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、燐酸塩などの無機酸
塩、蟻酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸
塩、フマル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベン
ゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などの有機酸
塩のほか、ナトリウム塩、カリウム塩などの金属塩をあ
げることができる。
ば塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、燐酸塩などの無機酸
塩、蟻酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸
塩、フマル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベン
ゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などの有機酸
塩のほか、ナトリウム塩、カリウム塩などの金属塩をあ
げることができる。
化合物によっては水和物を形成する場合もあるが、そ
れらが本発明の範囲に属することはいうまでもない。
れらが本発明の範囲に属することはいうまでもない。
本発明化合物は、化学構造式から明らかな如く、各種
異性体が存在しうる。即ち、シス、トランスの位置異性
体のほかに、d,l光学活性体が存在する。これらの異性
体が本発明の範囲に属することはいうまでもない。
異性体が存在しうる。即ち、シス、トランスの位置異性
体のほかに、d,l光学活性体が存在する。これらの異性
体が本発明の範囲に属することはいうまでもない。
本発明において、立体異性体の中ではトランス体が好
ましい。
ましい。
次に本発明化合物の代表的な構造方法について述べ
る。
る。
<製造方法1> 本発明化合物は、前述の如くトランス体とシス体が存
在するが、トランス体の製造方法を述べれば以下の通り
である。
在するが、トランス体の製造方法を述べれば以下の通り
である。
(一連の式において、X,Rは前記と同様の意味を有し、R
7は低級アルキル基を意味し、R6は水酸基の保護基を意
味する。) (工程1) 一般式(IV)で表されるフェニル酢酸低級アルキルエ
ステル誘導体と、一般式(V)で表されるβ−ニトロア
リールエテン誘導体とを反応せしめて、一般式(VI)で
表される化合物を製造する工程である。
7は低級アルキル基を意味し、R6は水酸基の保護基を意
味する。) (工程1) 一般式(IV)で表されるフェニル酢酸低級アルキルエ
ステル誘導体と、一般式(V)で表されるβ−ニトロア
リールエテン誘導体とを反応せしめて、一般式(VI)で
表される化合物を製造する工程である。
本反応は常法によるが、例えばジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、
ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、N,N′−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイドなどの溶
媒を用い、塩基の存在下で反応を行う。
トラヒドロフラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、
ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、N,N′−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイドなどの溶
媒を用い、塩基の存在下で反応を行う。
具体的に好ましい一例をあげれば、テトラヒドロフラ
ン中、低温下にn−ブチルリチウムとジイソプロピルア
ミンによってリチウムジイソプロピルアミドを生成さ
せ、これに一般式(IV)で表される化合物のテトラヒド
ロフラン溶液を加え、次いで一般式(V)で表される化
合物のテトラヒドロフラン溶液を作用させて反応を行
う。
ン中、低温下にn−ブチルリチウムとジイソプロピルア
ミンによってリチウムジイソプロピルアミドを生成さ
せ、これに一般式(IV)で表される化合物のテトラヒド
ロフラン溶液を加え、次いで一般式(V)で表される化
合物のテトラヒドロフラン溶液を作用させて反応を行
う。
一般式(IV)において、R6は水酸基の保護基を意味す
る。水酸基を保護しうる基であればいかなる基でもよい
が、代表的なものとしては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどの低級アルキル基、ベンジル、フェネチ
ルなどのアラルキル基、アセチル、プロピルオニル、ブ
チロイル、ピバロイルなどのアシル基、テトラヒドロピ
ラニル基、更に2つのR6が一緒になってメチレン基など
のアルキレン基を形成してもよい。
る。水酸基を保護しうる基であればいかなる基でもよい
が、代表的なものとしては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどの低級アルキル基、ベンジル、フェネチ
ルなどのアラルキル基、アセチル、プロピルオニル、ブ
チロイル、ピバロイルなどのアシル基、テトラヒドロピ
ラニル基、更に2つのR6が一緒になってメチレン基など
のアルキレン基を形成してもよい。
これらのうち最も好ましいものは、メチル基、エチル
基などの低級アルキル基、或いは2つのR6が一緒になっ
てメチレン基を形成する(結果としてメチレンジオキシ
基となる)場合である。
基などの低級アルキル基、或いは2つのR6が一緒になっ
てメチレン基を形成する(結果としてメチレンジオキシ
基となる)場合である。
なお工程1の反応は、出発物質として次の化合物を用
いて同様な反応を行うことにより、一般式(VI)で表さ
れる化合物を得ることができる。
いて同様な反応を行うことにより、一般式(VI)で表さ
れる化合物を得ることができる。
(一連の式において、R6,R7,X,Rは前記の意味を有す
る。) (工程2) 一般式(VI)で示されるニトロ化合物を、金属・金属
塩を用いた還元或いは接触還元により一般式(VII)で
示されるアミノ化合物を製造する工程である。用いる金
属・金属塩としては亜鉛、鉄、塩化第一スズ等が、接触
還元に用いる触媒としてはパラジウム・炭素、酸化白
金、ラネーニッケル等が用いられる。
る。) (工程2) 一般式(VI)で示されるニトロ化合物を、金属・金属
塩を用いた還元或いは接触還元により一般式(VII)で
示されるアミノ化合物を製造する工程である。用いる金
属・金属塩としては亜鉛、鉄、塩化第一スズ等が、接触
還元に用いる触媒としてはパラジウム・炭素、酸化白
金、ラネーニッケル等が用いられる。
(工程3) 一般式(VII)で示される化合物を無溶媒或いは通常
の有機溶媒中、加熱、加温することにより閉環し、一般
式(VIII)で示される5員環ラクタムを製造する工程で
ある。本反応は通常、メタノール、エタノール、ブタノ
ール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ジブロモエタン、ジクロロエタン等のハロゲン化
アルキル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭
化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエ
ーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキサイド等の溶媒中で行われる。
の有機溶媒中、加熱、加温することにより閉環し、一般
式(VIII)で示される5員環ラクタムを製造する工程で
ある。本反応は通常、メタノール、エタノール、ブタノ
ール等のアルコール系溶媒、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ジブロモエタン、ジクロロエタン等のハロゲン化
アルキル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭
化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエ
ーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキサイド等の溶媒中で行われる。
なお、高温下、或いはオートクレーブ中高温下に工程
2のニトロ基の還元反応を行えば、(VII)を単離する
ことなく閉環体(VIII)を製造することができる。
2のニトロ基の還元反応を行えば、(VII)を単離する
ことなく閉環体(VIII)を製造することができる。
(工程4) 一般式(VIII)で示されるシス、トランスの5員環ラ
クタムの混合物を、塩基の存在下或いは非存在下に有機
溶媒中に加温することにより含まれるシス体を異性化
し、一般式(IX)で示されるトランス体のみを得る工程
である。具体的に好ましい例をあげると、カリウム−t
−ブトキシドの存在下エタノール或いはエタノール−キ
シレンの混合溶媒中、或いはポタシウムトリメチルシラ
ノレイトの存在下キシレン中で加熱して反応を行う。
クタムの混合物を、塩基の存在下或いは非存在下に有機
溶媒中に加温することにより含まれるシス体を異性化
し、一般式(IX)で示されるトランス体のみを得る工程
である。具体的に好ましい例をあげると、カリウム−t
−ブトキシドの存在下エタノール或いはエタノール−キ
シレンの混合溶媒中、或いはポタシウムトリメチルシラ
ノレイトの存在下キシレン中で加熱して反応を行う。
(工程5) 一般式(IX)で示されるトランス5員環ラクタムを、
ジボラン、金属水素錯化合物により還元し、一般式
(X)で示されるピロリジン誘導体を製造する工程であ
る。金属水素錯化合物としては、水素化アルミニウムリ
チウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニ
ウムナトリウムが好ましく、エーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジクライム等のエーテル系溶媒、或いはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中で
行われる。
ジボラン、金属水素錯化合物により還元し、一般式
(X)で示されるピロリジン誘導体を製造する工程であ
る。金属水素錯化合物としては、水素化アルミニウムリ
チウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニ
ウムナトリウムが好ましく、エーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジクライム等のエーテル系溶媒、或いはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中で
行われる。
(工程6) 一般式(X)で示される化合物を、三臭化ホウ素、三
塩化ホウ素、臭化水素酸、ヨウ化水素酸又は他のエーテ
ル開裂剤で処理して保護基を除去し、一般式(I′)で
示される化合物を製造する工程である。
塩化ホウ素、臭化水素酸、ヨウ化水素酸又は他のエーテ
ル開裂剤で処理して保護基を除去し、一般式(I′)で
示される化合物を製造する工程である。
<製造方法2> 本発明化合物のシス体を製造するには、例えば製造方
法1の工程で得られる一般式(VI)で表される付加体、
或いは製造方法1の工程2で得られるアミノエステル体
(VII)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで処
理し、所望の異性体を単離し、製造方法1の方法に準じ
てシス体を得ることができる(但し工程4は除く)。
法1の工程で得られる一般式(VI)で表される付加体、
或いは製造方法1の工程2で得られるアミノエステル体
(VII)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで処
理し、所望の異性体を単離し、製造方法1の方法に準じ
てシス体を得ることができる(但し工程4は除く)。
<製造方法3> 一般式(I)の化合物は、シス、トランスの位置異性
体のほかに、d、l光学活性体を含む。光学異性体分割
は通常の方法によるが、例えばキラルカラムなどの光学
異性体分離用カラムに付す方法、(+)又は(−)−酒
石酸、(+)又は(−)−ショウノウ酸、(+)又は
(−)−ジベンゾイル酒石酸、(+)又は(−)−10−
ショウノウスルホン酸、(+)又は(−)−マンデル酸
などの光学活性酸との塩を適当な溶媒から分別再結晶す
る方法などがあげられる。
体のほかに、d、l光学活性体を含む。光学異性体分割
は通常の方法によるが、例えばキラルカラムなどの光学
異性体分離用カラムに付す方法、(+)又は(−)−酒
石酸、(+)又は(−)−ショウノウ酸、(+)又は
(−)−ジベンゾイル酒石酸、(+)又は(−)−10−
ショウノウスルホン酸、(+)又は(−)−マンデル酸
などの光学活性酸との塩を適当な溶媒から分別再結晶す
る方法などがあげられる。
また、一般式(X)で表される化合物の段階又はその
誘導体で、上記と同様な方法で光学分割し、工程6に付
して一般式(I)で表される光学活性体を得ることがで
きる。
誘導体で、上記と同様な方法で光学分割し、工程6に付
して一般式(I)で表される光学活性体を得ることがで
きる。
<薬理実験例> 実験例 1 ラット脳線状体におけるD1,D2受容体結合試験 ラット脳線状体を摘出し、0.05M Tris Bufferでホモ
ジナイズした後、20000Xgで遠心分離してシナプトゾー
ム画分を分取した。この沈渣を0.25M Tris Bufferで数
回洗浄し、0.05M Tris Buffer(120mM NaCl,5mM KCl,2m
M CaCl2,1mM MgCl2を含む)に溶解し、分注して−80℃
で凍結保存した。D1では3H−Sch23390(最終濃度0.3n
M)、D2では3H−Spiperone(最終濃度0.2nM)を検体と
共に加えて37℃,15分インキュベーションし、ワットマ
ンGF/Bフィルターで濾過し、液体シンチレーションカウ
ンターで測定した。非特異結合の測定にはSFK−82526と
Spiperoneそれぞれを使用した。
ジナイズした後、20000Xgで遠心分離してシナプトゾー
ム画分を分取した。この沈渣を0.25M Tris Bufferで数
回洗浄し、0.05M Tris Buffer(120mM NaCl,5mM KCl,2m
M CaCl2,1mM MgCl2を含む)に溶解し、分注して−80℃
で凍結保存した。D1では3H−Sch23390(最終濃度0.3n
M)、D2では3H−Spiperone(最終濃度0.2nM)を検体と
共に加えて37℃,15分インキュベーションし、ワットマ
ンGF/Bフィルターで濾過し、液体シンチレーションカウ
ンターで測定した。非特異結合の測定にはSFK−82526と
Spiperoneそれぞれを使用した。
IC50は特異的な量、即ち放射性同位元素により標識さ
れたSch23390、Spiperoneとそれぞれ50%置き換えられ
る試験物質の濃度として決定した。
れたSch23390、Spiperoneとそれぞれ50%置き換えられ
る試験物質の濃度として決定した。
表1における試験化合物は以下の通りである。
試験化合物 化合物A;トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−フェニルピロリジン・臭化水素酸塩 化合物B;トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン・臭化水
素酸塩 化合物C;トランス−3−(2−クロロフェニル)−4−
(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリジン・臭化水素
酸塩 化合物D;トランス−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ
フェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン・臭化水素酸塩 化合物E;トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−(3−メチルチエニル)ピロリジン・臭化水
素酸塩 化合物F;シス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−
4−(3−メチルチエニル)ピロリジン・臭化水素酸塩 化合物G;トランス−3−(7−ベンゾチオフェニル)−
4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリジン・臭化
水素酸塩 実験例 2 麻酔犬における循環動態に対する作用 体重10kg前後の雑種をチオペンタールナトリウム20mg
/kg,i.v.により麻酔導入後、気管内チューブを挿入し、
酸素−笑気−エンフルランで人工呼吸及び麻酔の維持を
行った(Acoma人工呼吸器ARF−850E,Acoma anesthesia
apparatus EM−A)。
ル)−4−フェニルピロリジン・臭化水素酸塩 化合物B;トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン・臭化水
素酸塩 化合物C;トランス−3−(2−クロロフェニル)−4−
(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリジン・臭化水素
酸塩 化合物D;トランス−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ
フェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン・臭化水素酸塩 化合物E;トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−(3−メチルチエニル)ピロリジン・臭化水
素酸塩 化合物F;シス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−
4−(3−メチルチエニル)ピロリジン・臭化水素酸塩 化合物G;トランス−3−(7−ベンゾチオフェニル)−
4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリジン・臭化
水素酸塩 実験例 2 麻酔犬における循環動態に対する作用 体重10kg前後の雑種をチオペンタールナトリウム20mg
/kg,i.v.により麻酔導入後、気管内チューブを挿入し、
酸素−笑気−エンフルランで人工呼吸及び麻酔の維持を
行った(Acoma人工呼吸器ARF−850E,Acoma anesthesia
apparatus EM−A)。
大動脈圧及び左心室内圧は大腿動脈から挿入したカテ
先型圧トランスデューサー(MPC−500,Miller)により
測定した。腎血流は側腹切開により腎動脈を露出し、電
磁血流計(MFV−2100,日本光電)のプローブを装着し測
定した。以上の測定値はいずれもポリグラフシステム
(RM−6000,日本光電)を用いて記録した。
先型圧トランスデューサー(MPC−500,Miller)により
測定した。腎血流は側腹切開により腎動脈を露出し、電
磁血流計(MFV−2100,日本光電)のプローブを装着し測
定した。以上の測定値はいずれもポリグラフシステム
(RM−6000,日本光電)を用いて記録した。
検体は0.9%食塩水に溶解し、肘動脈に挿入したカテ
ーテルから投与した。また十二指腸内投与の実験におい
ては、腹部正中切開により十二指腸を露出し、微小な切
開を加え、挿入したカテーテルから検体を投与した。
ーテルから投与した。また十二指腸内投与の実験におい
ては、腹部正中切開により十二指腸を露出し、微小な切
開を加え、挿入したカテーテルから検体を投与した。
以下に、上記の方法で行って、本発明化合物からなる
試験化合物の投与前対照に対する腎血流の増加又は平均
血圧の減少を変化率にて示す。
試験化合物の投与前対照に対する腎血流の増加又は平均
血圧の減少を変化率にて示す。
化合物Bは10μg/kgの静脈内投与で23%の平均血圧の
減少と13%の腎血流の増加を、化合物Cは10μg/kgの投
与で21%の平均血圧の減少と19%の腎血流の増加を、化
合物Dは3μg/kgの投与で15%の平均血圧の減少と20%
の腎血流の増加を、化合物Eは10μg/kgの投与で15%の
平均血圧の減少と20%の腎血流の増加を示した。
減少と13%の腎血流の増加を、化合物Cは10μg/kgの投
与で21%の平均血圧の減少と19%の腎血流の増加を、化
合物Dは3μg/kgの投与で15%の平均血圧の減少と20%
の腎血流の増加を、化合物Eは10μg/kgの投与で15%の
平均血圧の減少と20%の腎血流の増加を示した。
また、化合物Eは1.0mg/kgの十二指腸内投与で13%の
平均血圧の減少と20%の腎血流量の増加を示した。
平均血圧の減少と20%の腎血流量の増加を示した。
実施例 3 麻酔犬急性心不全モデルにおける効果 実験例2と同様に雑犬を処置した後、左第4肋環で開
胸した。大動脈起始部に電磁血流計のプローブを装着
し、心拍出量を測定した。冠動脈の左前下行枝の第1対
角枝直下に結紮する為の糸を掛けた。急性心不全状態は
以下に述べる方法で作出した。0.9%食塩水500mlを約2
時間で静脈内投与し、次いで10mgのpropranolol及び300
mgのcreatininを添加した6%のDextran70注射液(ミド
リ十字(株))500mlを約30分で急速静注し、左室拡張
末期圧(LVEDP)を約20mmHgに上昇させた。同じ液を注
入速度を約3分の1に落として更に持続静注し、うっ血
状態を維持させた。状態が安定した後、左前下行枝を結
紮すると、心不全状態は更に悪化し、LVEDPは25mmHg以
上となった。ここに実験例1で示した化合物Dの塩酸塩
を0.3μg/kg/minのスピードで静脈内注入すると、LVEDP
は約3mmHg低下し、心不全状態の改善が認められた。同
様に左前下行枝結紮により、心拍出量は約20%、腎血流
量は約10%低下したが、前記化合物の注入により、心拍
出量は約10%回復し、腎血流量は注入前値以上に増加し
た。
胸した。大動脈起始部に電磁血流計のプローブを装着
し、心拍出量を測定した。冠動脈の左前下行枝の第1対
角枝直下に結紮する為の糸を掛けた。急性心不全状態は
以下に述べる方法で作出した。0.9%食塩水500mlを約2
時間で静脈内投与し、次いで10mgのpropranolol及び300
mgのcreatininを添加した6%のDextran70注射液(ミド
リ十字(株))500mlを約30分で急速静注し、左室拡張
末期圧(LVEDP)を約20mmHgに上昇させた。同じ液を注
入速度を約3分の1に落として更に持続静注し、うっ血
状態を維持させた。状態が安定した後、左前下行枝を結
紮すると、心不全状態は更に悪化し、LVEDPは25mmHg以
上となった。ここに実験例1で示した化合物Dの塩酸塩
を0.3μg/kg/minのスピードで静脈内注入すると、LVEDP
は約3mmHg低下し、心不全状態の改善が認められた。同
様に左前下行枝結紮により、心拍出量は約20%、腎血流
量は約10%低下したが、前記化合物の注入により、心拍
出量は約10%回復し、腎血流量は注入前値以上に増加し
た。
上記の薬理実験例の結果より、本発明化合物はドーパ
ミン1受容体への高い親和性を有し、ドーパミン1受容
体を刺激し、明確な降圧作用、腎血流増加作用、心不全
改善作用を示すことが明らかである。
ミン1受容体への高い親和性を有し、ドーパミン1受容
体を刺激し、明確な降圧作用、腎血流増加作用、心不全
改善作用を示すことが明らかである。
本発明化合物は、抗高血圧剤として望ましい血管拡張
作用に基づく降圧作用、腎血流増加作用、利尿作用を有
し、更に安全性も高いので、降圧剤又は心不全治療剤と
して好ましい化合物である。
作用に基づく降圧作用、腎血流増加作用、利尿作用を有
し、更に安全性も高いので、降圧剤又は心不全治療剤と
して好ましい化合物である。
従って、本発明化合物は、本態性高血圧症、腎性高血
圧症など各種高血圧症の治療・予防剤、更に心不全治療
・予防剤として有用である。
圧症など各種高血圧症の治療・予防剤、更に心不全治療
・予防剤として有用である。
本発明化合物をこれら医薬として使用する場合は、経
口投与若しくは非経口投与により投与される。投与量
は、症状の程度;患者の年令、性別、体重、感受性差;
投与方法;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、
種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定さ
れない。
口投与若しくは非経口投与により投与される。投与量
は、症状の程度;患者の年令、性別、体重、感受性差;
投与方法;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、
種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定さ
れない。
経口投与の場合は、通常成人1日あたり約1〜1,000m
g、好ましくは約50〜600mgであり、更に好ましくは約15
0〜400mgであり、更により好ましくは約300〜400mgであ
り、これを通常1日1〜4回にわけて投与する。注射の
場合は、通常約0.3μg/kg〜100μg/kgであり、好ましく
は約1μg/kg〜10μg/kgである。
g、好ましくは約50〜600mgであり、更に好ましくは約15
0〜400mgであり、更により好ましくは約300〜400mgであ
り、これを通常1日1〜4回にわけて投与する。注射の
場合は、通常約0.3μg/kg〜100μg/kgであり、好ましく
は約1μg/kg〜10μg/kgである。
即ち、経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に賦形
剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色
剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆
錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。
剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色
剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆
錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。
賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白
糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケ
イ素などが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコ
ール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチル
セルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シ
ェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキ
ストリン、ペクチン等が、滑沢剤としては、例えばステ
アリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に
添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤とし
ては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、
桂皮末等が用いられる。これらの錠剤、顆粒剤には糖
衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングす
ることは勿論差し支えない。
糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケ
イ素などが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコ
ール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチル
セルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シ
ェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキ
ストリン、ペクチン等が、滑沢剤としては、例えばステ
アリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ、硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に
添加することが許可されているものが、矯味矯臭剤とし
ては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、
桂皮末等が用いられる。これらの錠剤、顆粒剤には糖
衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングす
ることは勿論差し支えない。
注射剤を製造する場合には、主薬に必要によりpH調整
剤、緩衝剤、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化
剤、保存剤などを添加し、常法により静脈、皮下、筋肉
内注射剤とする。その際必要により、常法により凍結乾
燥物とすることも可能である。
剤、緩衝剤、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化
剤、保存剤などを添加し、常法により静脈、皮下、筋肉
内注射剤とする。その際必要により、常法により凍結乾
燥物とすることも可能である。
懸濁剤としての例をあげれば、例えばメチルセルロー
ス、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、
アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレートなどをあげることができる。
ス、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、
アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレートなどをあげることができる。
溶解補助剤しては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、マグロゴー
ル、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどをあげることが
できる。
マシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、マグロゴー
ル、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどをあげることが
できる。
また安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メ
タ亜硫酸ナトリウム、エーテル等が、保存剤としては、
例えばパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸
エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロ
クレゾールなどをあげることができる。
タ亜硫酸ナトリウム、エーテル等が、保存剤としては、
例えばパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸
エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロ
クレゾールなどをあげることができる。
次に本発明の実施例を以下に掲げるが、本発明がそれ
らのみに限定されることがないことは言うまでもない。
らのみに限定されることがないことは言うまでもない。
実施例 1 (±)−トランス−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ
フェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン・臭化水素酸塩 (i)2−クロロ−3−メトキシベンゾアルデヒド84
g、ニトロメタン200ml、酢酸アンモニウム38gを酢酸50m
l中1.5時間撹拌還流する。反応液を水1.5にあけ析出
する結晶を濾取し、エタノールから再結晶すると、2−
クロロ−3−メトキシ−β−ニトロスチレン58gが得ら
れる。
フェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン・臭化水素酸塩 (i)2−クロロ−3−メトキシベンゾアルデヒド84
g、ニトロメタン200ml、酢酸アンモニウム38gを酢酸50m
l中1.5時間撹拌還流する。反応液を水1.5にあけ析出
する結晶を濾取し、エタノールから再結晶すると、2−
クロロ−3−メトキシ−β−ニトロスチレン58gが得ら
れる。
融 点;98〜100℃ (ii)乾燥ジイソプロピルアミン19.3g(0.19モル)を
無水テトラヒドロフラン100mlに溶解し、ドライアイス
−アセトン浴中で−60℃以下に冷却し、撹拌下に1.6Mの
n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液120mlをこの温
度で滴下する。滴下後15分間撹拌し、次に3,4−ジメト
キシフェニル酢酸エチル40.37g(0.18モル)の無水テト
ラヒドロフラン溶液200mlを同温度で滴下する。さらに1
5分間撹拌後、2−クロロ−3−メトキシ−β−ニトロ
スチレン38.45g(0.18モル)の無水テトラヒドロフラン
溶液400mlを−50℃を越えない速度で撹拌下に滴下す
る。30分間撹拌し、少量の水を加えた後、テトラヒドロ
フランをある程度減圧下に留去し、残渣に6Nの塩酸を加
えて酸性とし、ジクロロメタンで2回抽出する。有機層
を飽和食塩水で2回洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥
する。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1
で溶出)で精製すると、アメ状のエチル3−(2−クロ
ロ−3−メトキシフェニル−2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−4−ニトロブチレイトが75.1g得られた。
無水テトラヒドロフラン100mlに溶解し、ドライアイス
−アセトン浴中で−60℃以下に冷却し、撹拌下に1.6Mの
n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液120mlをこの温
度で滴下する。滴下後15分間撹拌し、次に3,4−ジメト
キシフェニル酢酸エチル40.37g(0.18モル)の無水テト
ラヒドロフラン溶液200mlを同温度で滴下する。さらに1
5分間撹拌後、2−クロロ−3−メトキシ−β−ニトロ
スチレン38.45g(0.18モル)の無水テトラヒドロフラン
溶液400mlを−50℃を越えない速度で撹拌下に滴下す
る。30分間撹拌し、少量の水を加えた後、テトラヒドロ
フランをある程度減圧下に留去し、残渣に6Nの塩酸を加
えて酸性とし、ジクロロメタンで2回抽出する。有機層
を飽和食塩水で2回洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥
する。減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1
で溶出)で精製すると、アメ状のエチル3−(2−クロ
ロ−3−メトキシフェニル−2−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−4−ニトロブチレイトが75.1g得られた。
(iii)上記ニトロエステル148.9g(0.34モル)、濃塩
酸200mlをエタノール1000mlに溶かし、撹拌還流し、こ
れに亜鉛末を112.4g(1.72モル)を少量ずつ加える。2
時間撹拌還流後、固形物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮
する。残渣にジクロロメタンを加えて、10%水酸化ナト
リウム水溶液で塩基性とする。析出してくる固形物をセ
ライトを通して濾去し、ジクロロメタンでよく洗う。濾
液を有機層と水層に分液し、水層をジクロロメタンで2
回抽出し、有機層を合する。有機層を飽和食塩水で2回
洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減
圧下に留去すると、アメ状の粗エチル4−アミノ−3−
(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−2−(3,4−
ジメトキシフェニル)ブチレイトが135g得られる。
酸200mlをエタノール1000mlに溶かし、撹拌還流し、こ
れに亜鉛末を112.4g(1.72モル)を少量ずつ加える。2
時間撹拌還流後、固形物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮
する。残渣にジクロロメタンを加えて、10%水酸化ナト
リウム水溶液で塩基性とする。析出してくる固形物をセ
ライトを通して濾去し、ジクロロメタンでよく洗う。濾
液を有機層と水層に分液し、水層をジクロロメタンで2
回抽出し、有機層を合する。有機層を飽和食塩水で2回
洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減
圧下に留去すると、アメ状の粗エチル4−アミノ−3−
(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−2−(3,4−
ジメトキシフェニル)ブチレイトが135g得られる。
一部とってシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール=98:2で溶出)にて精製し、エ
タノール性塩酸で塩酸塩とする。
ロロホルム:メタノール=98:2で溶出)にて精製し、エ
タノール性塩酸で塩酸塩とする。
融 点;239〜241℃(分解) 元素分析値;C21H26ClNO5・NClとして C H N 理論値(%) 56.76 6.12 3.15 実測値(%) 56.52 6.08 3.01 (iv)上記粗アミノエステル体69.5g(0.17モル)をキ
シレン500ml中5時間撹拌還流する。冷後、キシレンを
減圧下に留去し、残渣をエーテルを加えて固化させる
と、3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ピロリドン60.5g
(シス体とトランス体の混合物)が得られた。
シレン500ml中5時間撹拌還流する。冷後、キシレンを
減圧下に留去し、残渣をエーテルを加えて固化させる
と、3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)−2−ピロリドン60.5g
(シス体とトランス体の混合物)が得られた。
(v)上記シス、トランス体混合の2−ピロリドン誘導
体108g(0.3モル)をキシレン1600mlに溶解し、撹拌還
流下にポタシウムトリメチルシリノレイト5.2g(0.04モ
ル)を少量ずつ加える。2時間撹拌還流後、キシレンを
減圧下に留去し、残渣にジクロロメタンを加え、希塩酸
で2回、次に飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。溶媒を減圧下に留去し、残渣をエタノ
ールから再結晶すると、トランス−3−(2−クロロ−
3−メトキシフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−2−ピロリドンが63.5g得られた。
体108g(0.3モル)をキシレン1600mlに溶解し、撹拌還
流下にポタシウムトリメチルシリノレイト5.2g(0.04モ
ル)を少量ずつ加える。2時間撹拌還流後、キシレンを
減圧下に留去し、残渣にジクロロメタンを加え、希塩酸
で2回、次に飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。溶媒を減圧下に留去し、残渣をエタノ
ールから再結晶すると、トランス−3−(2−クロロ−
3−メトキシフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−2−ピロリドンが63.5g得られた。
融 点;149〜151℃ NMR(400MHz in CD3OD)δ; 3.45(1H,dd,J=10Hz,10Hz),3.82(3H,s),3.83(3
H,s),3.86(1H,dd,J=8Hz,10Hz),3.89(3H,s),3.94
(1H,d,J=10Hz),4.32(1H,ddd,J=8Hz,10Hz,10Hz),
6.78(1H,dd,J=2Hz,8Hz),6.84(1H,d,J=2Hz),6.90
(1H,d,J=2Hz),6.90(1H,d,J=8Hz),7.01(1H,dd,J
=1Hz,8Hz),7.22(1H,dd,J=1Hz,8Hz),7.34(1H,dd,J
=8Hz,8Hz) (2−ピロリドン環4位の水素(δ4.32)と3位に置換
している3,4−ジメトキシフェニル環上の水素(δ6.78,
6.84)との間にそれぞれ3,5%の核オーバーハウザー効
果(NOE)が観察された。) (vi)氷水浴中で冷却下1Mのボラン−テトラヒドロフラ
ン溶液180ml中に窒素気流を通じながら上記トランス−
2−ピロリドン誘導体18.5g(0.051モル)を熱時テトラ
ヒドロフラン700mlに溶解し、撹拌下に滴下する。次い
で5時間撹拌還流し、放冷する。冷後、この反応溶液に
6N塩酸50mlを徐々に加えた後、1時間撹拌還流し、アミ
ン−ボラン錯体を分解する。冷後、減圧下にテトラヒド
ロフランを留去し、残渣に10%水酸化ナトリウム溶液を
加えアルカリ性とし、ジクロロメタンで3回抽出する。
ジクロロメタン溶液を飽和食塩水で2回洗った後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。ジクロロメタンを留去し
た残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(は
じめクロロホルム:メタノール=95:5、次いでメタノー
ルのみで溶出)にて精製すると、アメ状物としてトラン
ス−3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジンが11g得られ
る。
H,s),3.86(1H,dd,J=8Hz,10Hz),3.89(3H,s),3.94
(1H,d,J=10Hz),4.32(1H,ddd,J=8Hz,10Hz,10Hz),
6.78(1H,dd,J=2Hz,8Hz),6.84(1H,d,J=2Hz),6.90
(1H,d,J=2Hz),6.90(1H,d,J=8Hz),7.01(1H,dd,J
=1Hz,8Hz),7.22(1H,dd,J=1Hz,8Hz),7.34(1H,dd,J
=8Hz,8Hz) (2−ピロリドン環4位の水素(δ4.32)と3位に置換
している3,4−ジメトキシフェニル環上の水素(δ6.78,
6.84)との間にそれぞれ3,5%の核オーバーハウザー効
果(NOE)が観察された。) (vi)氷水浴中で冷却下1Mのボラン−テトラヒドロフラ
ン溶液180ml中に窒素気流を通じながら上記トランス−
2−ピロリドン誘導体18.5g(0.051モル)を熱時テトラ
ヒドロフラン700mlに溶解し、撹拌下に滴下する。次い
で5時間撹拌還流し、放冷する。冷後、この反応溶液に
6N塩酸50mlを徐々に加えた後、1時間撹拌還流し、アミ
ン−ボラン錯体を分解する。冷後、減圧下にテトラヒド
ロフランを留去し、残渣に10%水酸化ナトリウム溶液を
加えアルカリ性とし、ジクロロメタンで3回抽出する。
ジクロロメタン溶液を飽和食塩水で2回洗った後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。ジクロロメタンを留去し
た残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(は
じめクロロホルム:メタノール=95:5、次いでメタノー
ルのみで溶出)にて精製すると、アメ状物としてトラン
ス−3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジンが11g得られ
る。
(vii)上記トランス−ピロリジン誘導体2.6gを乾燥ジ
クロロメタンに溶解し、氷水で冷却し、窒素気流下に撹
拌しながら1Mの三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液33.7
mlを滴下する。滴下後室温に戻し、5時間撹拌する。こ
の反応液を−20℃に冷却し、メタノール10mlを滴下す
る。反応液を減圧下に留去し、残渣にメタノールを加え
て再度減圧下に留去する。この操作を3回繰り返し、得
られた残渣をエタノール−アセトニトリルで再結晶する
と、トランス−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシフェ
ニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジン
・臭化水素酸塩が1.36g得られた。
クロロメタンに溶解し、氷水で冷却し、窒素気流下に撹
拌しながら1Mの三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液33.7
mlを滴下する。滴下後室温に戻し、5時間撹拌する。こ
の反応液を−20℃に冷却し、メタノール10mlを滴下す
る。反応液を減圧下に留去し、残渣にメタノールを加え
て再度減圧下に留去する。この操作を3回繰り返し、得
られた残渣をエタノール−アセトニトリルで再結晶する
と、トランス−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシフェ
ニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジン
・臭化水素酸塩が1.36g得られた。
融 点;218〜219℃ NMR(400MHz in D2O)δ; 3.45(1H,t,J=11Hz),3.56(1H,t,J=11Hz),3.80〜
3.89(1H,m),4.00(1H,dd,J=11Hz,11Hz),4.10(1H,d
d,J=11Hz,11Hz),4.31(1H,ddd,J=11Hz,11Hz,8Hz),
6.85(1H,dd,J=8Hz,2Hz),6.91(1H,d,J=8Hz),6.96
(1H,d,J=2Hz),7.04(1H,dd,J=8Hz,2Hz),7.18(1H,
d,J=8Hz),7.32(1H,d,J=8Hz) 元素分析値;C16H17ClNO3・HBr・0.3H2Oとして C H N 理論値(%) 49.00 4.38 3.57 実測値(%) 49.04 4.03 3.43 実施例 2 (±)−トランス−3−(3,4−ジメトキシフェニル)
−4−(3−メトキシフェニル)ピロリジン・臭化水素
酸塩 (i)3−メチルチエニルカルボキサルデヒド6.31g
(0.05モル)を酢酸40mlに溶かし、ニトロメタン13ml、
酢酸アンモニウム3.85gを加え、2.5時間撹拌還流する。
冷後、反応液を減圧下に濃縮し、残渣に70%エタノール
70mlを加え、生成する結晶を濾取すると、3−メチル−
2−(2−ニトロビニル)チオフェンが得られる。
3.89(1H,m),4.00(1H,dd,J=11Hz,11Hz),4.10(1H,d
d,J=11Hz,11Hz),4.31(1H,ddd,J=11Hz,11Hz,8Hz),
6.85(1H,dd,J=8Hz,2Hz),6.91(1H,d,J=8Hz),6.96
(1H,d,J=2Hz),7.04(1H,dd,J=8Hz,2Hz),7.18(1H,
d,J=8Hz),7.32(1H,d,J=8Hz) 元素分析値;C16H17ClNO3・HBr・0.3H2Oとして C H N 理論値(%) 49.00 4.38 3.57 実測値(%) 49.04 4.03 3.43 実施例 2 (±)−トランス−3−(3,4−ジメトキシフェニル)
−4−(3−メトキシフェニル)ピロリジン・臭化水素
酸塩 (i)3−メチルチエニルカルボキサルデヒド6.31g
(0.05モル)を酢酸40mlに溶かし、ニトロメタン13ml、
酢酸アンモニウム3.85gを加え、2.5時間撹拌還流する。
冷後、反応液を減圧下に濃縮し、残渣に70%エタノール
70mlを加え、生成する結晶を濾取すると、3−メチル−
2−(2−ニトロビニル)チオフェンが得られる。
融 点;65〜67℃ (ii)ジイソプロピルアミン2.44mlを無水テトラヒドロ
フラン15mlに溶解し、ドライアイス−アセトン浴中−60
℃以下に冷却し、撹拌下に1.6M n−ブチルリチウムのn
−ヘキサン溶液9.88mlを滴下する。滴下後15分撹拌し、
次に3.4−ジメトキシフェニル酢酸エチル3.54g(0.0158
モル)の無水テトラヒドロフラン7mlの溶液を同温度で
滴下する。滴下後さらに15分撹拌し、次に3−メチル−
2−(2−ニトロビニレン)チオフェン2.86g(0.0158
モル)の無水テトラヒドロフラン16mlの溶液を同温度で
滴下する。滴下後30分間撹拌し、水0.5mlを加えた後、
減圧下に溶媒を留去する。残渣をジクロロメタン100ml
に溶かし、3N塩酸、飽和食塩水で洗った後、ジクロロメ
タン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下に溶
媒を留去すると、粗エチル2−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−3−(3−メチルチエニル)−4−ニトロブチ
レイトが得られる。
フラン15mlに溶解し、ドライアイス−アセトン浴中−60
℃以下に冷却し、撹拌下に1.6M n−ブチルリチウムのn
−ヘキサン溶液9.88mlを滴下する。滴下後15分撹拌し、
次に3.4−ジメトキシフェニル酢酸エチル3.54g(0.0158
モル)の無水テトラヒドロフラン7mlの溶液を同温度で
滴下する。滴下後さらに15分撹拌し、次に3−メチル−
2−(2−ニトロビニレン)チオフェン2.86g(0.0158
モル)の無水テトラヒドロフラン16mlの溶液を同温度で
滴下する。滴下後30分間撹拌し、水0.5mlを加えた後、
減圧下に溶媒を留去する。残渣をジクロロメタン100ml
に溶かし、3N塩酸、飽和食塩水で洗った後、ジクロロメ
タン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下に溶
媒を留去すると、粗エチル2−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−3−(3−メチルチエニル)−4−ニトロブチ
レイトが得られる。
(iii)上記ニトロエステル3.68g(9.35ミリモル)を17
mlのエタノールに溶かし、濃塩酸5.61ml、亜鉛末0.61g
を加えて一昼夜加熱還流する。冷後固形物を濾去し、濾
液を減圧下に濃縮する。残渣にジクロロメタンを加えた
後、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、析出
する固形物をセライトを通して濾取し、濾液の有機層を
分離する。水層をジクロロメタンで抽出後、有機層を合
して飽和食塩水で洗う。有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、残渣を中圧シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノ
ール=95:5)で分離精製し、3−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−4−(3−メチルチエニル)−2−ピリドン
1.2gとエチル4−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−3−(3−メチルチエニル)ブチレイト1.6gを
得た。
mlのエタノールに溶かし、濃塩酸5.61ml、亜鉛末0.61g
を加えて一昼夜加熱還流する。冷後固形物を濾去し、濾
液を減圧下に濃縮する。残渣にジクロロメタンを加えた
後、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、析出
する固形物をセライトを通して濾取し、濾液の有機層を
分離する。水層をジクロロメタンで抽出後、有機層を合
して飽和食塩水で洗う。有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、残渣を中圧シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノ
ール=95:5)で分離精製し、3−(3,4−ジメトキシフ
ェニル)−4−(3−メチルチエニル)−2−ピリドン
1.2gとエチル4−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェ
ニル)−3−(3−メチルチエニル)ブチレイト1.6gを
得た。
(iv)上記2−ピロリジン誘導体1.1gをエタノール20ml
に溶解し、50mgのカリウム−t−ブトキシドを加えて2
時間加熱還流する。冷後、溶媒を留去し、残渣にジクロ
ロメタン50mlを加えて溶かし、2N塩酸、飽和食塩水で洗
い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥する。ジクロ
ロメタンを減圧下に留去し、残渣をエタノールより再結
晶すると、トランス−3−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−4−(3−メチルチエニル)−2−ピロリドンが
0.9g得られた。
に溶解し、50mgのカリウム−t−ブトキシドを加えて2
時間加熱還流する。冷後、溶媒を留去し、残渣にジクロ
ロメタン50mlを加えて溶かし、2N塩酸、飽和食塩水で洗
い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥する。ジクロ
ロメタンを減圧下に留去し、残渣をエタノールより再結
晶すると、トランス−3−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−4−(3−メチルチエニル)−2−ピロリドンが
0.9g得られた。
融 点;138〜140℃ (v)上記トランス−2−ピロリジン誘導体1.81g(5.7
ミリモル)のテトラヒドロフラン100mlの溶液を1Mのボ
ラン−テトラヒドロフラン22.8ml中に冷時、窒素気流下
に滴下し、15分間撹拌後、10時間加熱還流する。冷後、
反応液に6N塩酸5mlを滴下し、60℃に30分間加熱する。
冷後、反応液を減圧下に濃縮し、残渣に2N水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えた後、ジクロロメタンで抽出する。飽
和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下に溶媒を留去する。残渣を中圧シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(はじめクロロホルム:メタノール
=95:5、次いでメタノールのみで溶出)にて精製する
と、油状のトランス−3−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−4−(3−メチルチエニル)ピロリジンが0.96g
得られた。
ミリモル)のテトラヒドロフラン100mlの溶液を1Mのボ
ラン−テトラヒドロフラン22.8ml中に冷時、窒素気流下
に滴下し、15分間撹拌後、10時間加熱還流する。冷後、
反応液に6N塩酸5mlを滴下し、60℃に30分間加熱する。
冷後、反応液を減圧下に濃縮し、残渣に2N水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えた後、ジクロロメタンで抽出する。飽
和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下に溶媒を留去する。残渣を中圧シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(はじめクロロホルム:メタノール
=95:5、次いでメタノールのみで溶出)にて精製する
と、油状のトランス−3−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)−4−(3−メチルチエニル)ピロリジンが0.96g
得られた。
(vi)上記トランス−ピロリジン誘導体1.32g(4.35ミ
リモル)をジクロロメタン5mlに溶かし、氷冷下に1Mの
三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液13.1mlを滴下する。
滴下後、室温にて3時間撹拌し、次いで−20℃でメタノ
ール3mlを加える。減圧下に反応液を濃縮し、再度メタ
ノールを加えて濃縮後、残渣をエタノールより再結晶す
ると、トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)
−4−(3−メチルチエニル)ピロリジン・臭化水素酸
塩が1.4g得られた。
リモル)をジクロロメタン5mlに溶かし、氷冷下に1Mの
三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液13.1mlを滴下する。
滴下後、室温にて3時間撹拌し、次いで−20℃でメタノ
ール3mlを加える。減圧下に反応液を濃縮し、再度メタ
ノールを加えて濃縮後、残渣をエタノールより再結晶す
ると、トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)
−4−(3−メチルチエニル)ピロリジン・臭化水素酸
塩が1.4g得られた。
融 点;271〜272℃(分解) NMR(400MHz in CD3OD)δ; 1.89(3H,s),3.26〜3.32(1H,m),3.37(1H,dd,J=7
Hz,9Hz),3.44(1H,t,J=11Hz),3.79(1H,dd,J=7Hz,1
1Hz),3.83〜3.92(2H,m),6.56(1H,dd,J=2Hz,8Hz),
6.64(1H,d,J=2Hz),6.72(1H,d,J=5Hz),7.19(1H,
d,J=5Hz) 元素分析値;C15H17NO2S・HBrとして C H N 理論値(%) 50.57 5.09 3.93 実測値(%) 50.37 4.99 3.96 実施例 3 (±)−トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−(3−メトキシフェニル)−ピロリジン・塩
酸塩 (i)テトラヒドロフラン中窒素気流下に−70℃でジイ
ソプロピルアミン5.2ml(37ミリモル)及び1.6Mのn−
ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液23ml(37ミリモル)
よりリチウムジイソプロピルアミドを調製し、これにO
−メトキシフェニル酢酸エチル6.8g(35ミリモル)のテ
トラヒドロフラン20mlの溶液を−70℃で滴下する。15分
後さらに3,4−メチレンジオキシ−β−ニトロスチレン
6.76g(35ミリモル)をテトラヒドロフラン200mlに溶解
し、同温度で滴下する。30分間撹拌後、少量の水を加え
てから減圧下に反応液を濃縮し、残渣に3N塩酸を加えて
酸性とし、ジクロロメタンで抽出する。飽和食塩水で洗
った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジクロロメタ
ンで留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶出)で精製
し、油状のエチル2−(2−メトキシフェニル)−3−
(3,4−メチレンジオキシフェニルイ)−4−ニトロブ
チレイト12.13gを得た。
Hz,9Hz),3.44(1H,t,J=11Hz),3.79(1H,dd,J=7Hz,1
1Hz),3.83〜3.92(2H,m),6.56(1H,dd,J=2Hz,8Hz),
6.64(1H,d,J=2Hz),6.72(1H,d,J=5Hz),7.19(1H,
d,J=5Hz) 元素分析値;C15H17NO2S・HBrとして C H N 理論値(%) 50.57 5.09 3.93 実測値(%) 50.37 4.99 3.96 実施例 3 (±)−トランス−3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−(3−メトキシフェニル)−ピロリジン・塩
酸塩 (i)テトラヒドロフラン中窒素気流下に−70℃でジイ
ソプロピルアミン5.2ml(37ミリモル)及び1.6Mのn−
ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液23ml(37ミリモル)
よりリチウムジイソプロピルアミドを調製し、これにO
−メトキシフェニル酢酸エチル6.8g(35ミリモル)のテ
トラヒドロフラン20mlの溶液を−70℃で滴下する。15分
後さらに3,4−メチレンジオキシ−β−ニトロスチレン
6.76g(35ミリモル)をテトラヒドロフラン200mlに溶解
し、同温度で滴下する。30分間撹拌後、少量の水を加え
てから減圧下に反応液を濃縮し、残渣に3N塩酸を加えて
酸性とし、ジクロロメタンで抽出する。飽和食塩水で洗
った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ジクロロメタ
ンで留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶出)で精製
し、油状のエチル2−(2−メトキシフェニル)−3−
(3,4−メチレンジオキシフェニルイ)−4−ニトロブ
チレイト12.13gを得た。
(ii)上記ニトロエステル誘導体8.36g(21.6ミリモ
ル)を45mlのエタノールに溶かし、濃塩酸12.6ml、亜鉛
末4.2gを加えて5.5時間加熱還流する。冷後、固形物を
濾去し、母液を減圧下に濃縮する。残渣にジクロロメタ
ンを加えて10%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性と
し、析出する固形物をセライトを通して除き、ジクロロ
メタン層を分液し、飽和食塩水で洗う。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣を中圧シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール
=97:3で溶出)で精製すると、油状のエチル4−アミノ
−2−(2−メトキシフェニル)−3−(3,4−メチレ
ンジオキシフェニル)ブチレイトが2.9g得られる。
ル)を45mlのエタノールに溶かし、濃塩酸12.6ml、亜鉛
末4.2gを加えて5.5時間加熱還流する。冷後、固形物を
濾去し、母液を減圧下に濃縮する。残渣にジクロロメタ
ンを加えて10%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性と
し、析出する固形物をセライトを通して除き、ジクロロ
メタン層を分液し、飽和食塩水で洗う。無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣を中圧シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール
=97:3で溶出)で精製すると、油状のエチル4−アミノ
−2−(2−メトキシフェニル)−3−(3,4−メチレ
ンジオキシフェニル)ブチレイトが2.9g得られる。
(iii)上記アミノエステル誘導体2.79g(7.8ミリモ
ル)をキシレン15ml中一夜加熱還流する。冷後溶媒を留
去後、残渣を30mlのエタノールに溶かし、カリウム−t
−ブトキシド0.1gを加えて1.5時間加熱還流する。溶媒
を減圧下に留去後、残渣に少量のエタノールを加えて固
化させ、トランス−3−(2−メトキシフェニル)−4
−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−ピロリド
ン1.12gを得た。
ル)をキシレン15ml中一夜加熱還流する。冷後溶媒を留
去後、残渣を30mlのエタノールに溶かし、カリウム−t
−ブトキシド0.1gを加えて1.5時間加熱還流する。溶媒
を減圧下に留去後、残渣に少量のエタノールを加えて固
化させ、トランス−3−(2−メトキシフェニル)−4
−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−ピロリド
ン1.12gを得た。
(iv)上記トランス−2−ピロリジン誘導体1.1g(3.53
ミリモル)をテトラヒドロフラン70mlに溶解し、冷後窒
素気流下に1Mのボラン−テトラヒドロフラン11ml中に滴
下する。次に一夜加熱還流する。冷後反応液に6N塩酸5m
lを滴下し、1.5時間加熱還流する。テトラヒドロフラン
を留去し、残渣にジクロロメタンを加え、10%水酸化ナ
トリウム水溶液でアルカリ性とし、有機層を分液する。
有機を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を減圧下に留去する。残渣を中圧シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(はじめクロロホルム:メ
タノール=96:4、次いでメタノールのみで溶出)で精製
し、3−(2−メトキシフェニル)−4−(3,4−メチ
レンジオキシフェニル)ピロリジン360mgを得た。
ミリモル)をテトラヒドロフラン70mlに溶解し、冷後窒
素気流下に1Mのボラン−テトラヒドロフラン11ml中に滴
下する。次に一夜加熱還流する。冷後反応液に6N塩酸5m
lを滴下し、1.5時間加熱還流する。テトラヒドロフラン
を留去し、残渣にジクロロメタンを加え、10%水酸化ナ
トリウム水溶液でアルカリ性とし、有機層を分液する。
有機を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を減圧下に留去する。残渣を中圧シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(はじめクロロホルム:メ
タノール=96:4、次いでメタノールのみで溶出)で精製
し、3−(2−メトキシフェニル)−4−(3,4−メチ
レンジオキシフェニル)ピロリジン360mgを得た。
(v)上記ピロリジン誘導体350mg(1.18ミリモル)を
ジクロロメタン15mlに溶解し、冷時撹拌下に1Mの三塩化
ホウ素−ジクロロメタン溶液4.7mlを滴下する。滴下後
室温にて2時間撹拌後、−20℃でメタノールを加えた
後、減圧下に溶媒を留去する。残渣にメタノールを加え
て減圧下に留去する。この操作を数回繰り返した後、残
渣をアセトンより結晶化し、トランス−3−(3,4−ジ
ヒドロキシフェニル)−4−(3−メトキシフェニル)
ピロリジン・塩酸塩250mgを得た。
ジクロロメタン15mlに溶解し、冷時撹拌下に1Mの三塩化
ホウ素−ジクロロメタン溶液4.7mlを滴下する。滴下後
室温にて2時間撹拌後、−20℃でメタノールを加えた
後、減圧下に溶媒を留去する。残渣にメタノールを加え
て減圧下に留去する。この操作を数回繰り返した後、残
渣をアセトンより結晶化し、トランス−3−(3,4−ジ
ヒドロキシフェニル)−4−(3−メトキシフェニル)
ピロリジン・塩酸塩250mgを得た。
融 点;212〜213℃ NMR(400MHz in D2O)δ; 3.52(1H,t,J=11Hz),3,63(1H,t,J=11Hz),3.83〜
4.04(4H,m),3.89(3H,s),6.83(1H,dd,J=8Hz,2H
z),6.92(1H,d,J=8Hz),6.93(1H,d,J=2Hz),7.09
(1H,t,J=8Hz),7.16(1H,d,J=8Hz),7.39(1H,d,J=
8Hz),7.43(1H,t,J=8Hz) 元素分析値;C17H19NO3・HClとして C H N 理論値(%) 61.72 6.41 4.23 実測値(%) 61.84 6.23 4.14 実施例 4 (−)−トランス−3−(2−クロロ−3−ジヒドロキ
シフェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピ
ロリジン・臭化水素酸塩及び塩酸塩 (i)実施例1の(vi)で得られるトランス−3−(2
−クロロ−3−(メトキシフェニル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)ピロリジン27.6gをクロロホルム210
mlに溶解し、トリエチルアミン10gを加えて冷却し、こ
れにアセチルクロライド8.8gをクロロホルム17mlに溶解
して滴下する。一夜室温で撹拌後、2N塩酸、重曹水で洗
った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧
下に留去し、得られる残渣を中圧シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1)で
精製すると、アモルファス状のトランス−1−アセチル
−3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジンが24.6g得られ
る。
4.04(4H,m),3.89(3H,s),6.83(1H,dd,J=8Hz,2H
z),6.92(1H,d,J=8Hz),6.93(1H,d,J=2Hz),7.09
(1H,t,J=8Hz),7.16(1H,d,J=8Hz),7.39(1H,d,J=
8Hz),7.43(1H,t,J=8Hz) 元素分析値;C17H19NO3・HClとして C H N 理論値(%) 61.72 6.41 4.23 実測値(%) 61.84 6.23 4.14 実施例 4 (−)−トランス−3−(2−クロロ−3−ジヒドロキ
シフェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピ
ロリジン・臭化水素酸塩及び塩酸塩 (i)実施例1の(vi)で得られるトランス−3−(2
−クロロ−3−(メトキシフェニル)−4−(3,4−ジ
メトキシフェニル)ピロリジン27.6gをクロロホルム210
mlに溶解し、トリエチルアミン10gを加えて冷却し、こ
れにアセチルクロライド8.8gをクロロホルム17mlに溶解
して滴下する。一夜室温で撹拌後、2N塩酸、重曹水で洗
った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧
下に留去し、得られる残渣を中圧シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1)で
精製すると、アモルファス状のトランス−1−アセチル
−3−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−4−
(3,4−ジメトキシフェニル)ピロリジンが24.6g得られ
る。
(ii)上記アセチルピロリジン誘導体4gを光学異性体分
離用カラム(Chiralcel OD,ダイセル化学工業製)に付
し、n−ヘキサン−イソプロピルアルコール−ジエチル
アミン(5:2:0.005)の混合溶媒を溶出液として分離精
製した。先に溶出した分画より▲〔α〕27 D▼−38.6゜
(C=1.0,MeOH)の(−)体を1.38g、後から溶出した
分画より▲〔α〕26 D▼36.7゜(C=1.1,MeOH)の
(+)体を得た。
離用カラム(Chiralcel OD,ダイセル化学工業製)に付
し、n−ヘキサン−イソプロピルアルコール−ジエチル
アミン(5:2:0.005)の混合溶媒を溶出液として分離精
製した。先に溶出した分画より▲〔α〕27 D▼−38.6゜
(C=1.0,MeOH)の(−)体を1.38g、後から溶出した
分画より▲〔α〕26 D▼36.7゜(C=1.1,MeOH)の
(+)体を得た。
(iii)上記(−)体1.38gを47%臭化水素酸中22時間加
熱還流し、冷後減圧下に臭化水素酸を留去した。残渣に
エタノールを加え再度減圧留去する。この操作を数回繰
り返した後、残渣をアセトニトリルより再結晶すると、
(−)−トランス−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ
フェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン・臭化水素酸塩0.82gが得られた。
熱還流し、冷後減圧下に臭化水素酸を留去した。残渣に
エタノールを加え再度減圧留去する。この操作を数回繰
り返した後、残渣をアセトニトリルより再結晶すると、
(−)−トランス−3−(2−クロロ−3−ヒドロキシ
フェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロ
リジン・臭化水素酸塩0.82gが得られた。
融 点;217〜219℃ ▲〔α〕28 D▼−55.0゜(C=1.01,MeOH) 元素分析値;C16H17ClNO3・HBrとして C H N 理論値(%) 49.69 4.44 3.62 実測値(%) 49.74 4.43 3.49 (iv)上記臭化水素酸塩を水に溶かし、DEAEトヨパール
650S(TOSO製)のイオン交換樹脂を通し、塩酸塩を得
た。
650S(TOSO製)のイオン交換樹脂を通し、塩酸塩を得
た。
融 点;262℃ ▲〔α〕26 D▼−62.8゜(C=1.00,MeOH) NMR(400MHz in D2O)δ; 3.39(1H,t,J=11Hz),3.52(1H,t,J=11Hz),3.80
(1H,ddd,J=11Hz,11Hz,8Hz),3.98(1H,dd,J=11Hz,11
Hz),4.07(1H,dd,J=11Hz,11Hz),4.26(1H,ddd,J=11
Hz,11Hz,8Hz),6.79(1H,dd,J=8Hz,2Hz),6.86(1H,d,
J=8Hz),6.95〜6.98(2H,m),7.09(1H,d,J=8Hz),7.
22(1H,t,J=8Hz) 元素分析値;C16H17ClNO3・HClとして C H N 理論値(%) 56.15 5.02 4.09 実測値(%) 56.05 5.02 4.09 実施例 5 実施例3の(ii)で得られた(+)体を(iii)と同
様に処理し、(+)−トランス−3−(2−クロロ−3
−ヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフ
ェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩を得た。
(1H,ddd,J=11Hz,11Hz,8Hz),3.98(1H,dd,J=11Hz,11
Hz),4.07(1H,dd,J=11Hz,11Hz),4.26(1H,ddd,J=11
Hz,11Hz,8Hz),6.79(1H,dd,J=8Hz,2Hz),6.86(1H,d,
J=8Hz),6.95〜6.98(2H,m),7.09(1H,d,J=8Hz),7.
22(1H,t,J=8Hz) 元素分析値;C16H17ClNO3・HClとして C H N 理論値(%) 56.15 5.02 4.09 実測値(%) 56.05 5.02 4.09 実施例 5 実施例3の(ii)で得られた(+)体を(iii)と同
様に処理し、(+)−トランス−3−(2−クロロ−3
−ヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフ
ェニル)ピロリジン・臭化水素酸塩を得た。
融 点;218〜220℃ ▲〔α〕26 D▼50.0゜(C=0.96,MeOH) 以下に実施例1〜5の方法に準じて製造された化合物
を実施例6〜42として表2〜4に示す。
を実施例6〜42として表2〜4に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 409/04 207 C07D 409/04 207 (72)発明者 森 信行 茨城県つくば市下広岡410―9 (72)発明者 篠 光正 茨城県取手市戸頭1037―3 (72)発明者 石原 浩樹 茨城県つくば市大字緑が丘42―10 (72)発明者 斉藤 守 茨城県つくば市並木3―25―3 コーポ 並木D―202 (72)発明者 松岡 俊之 茨城県つくば市春日4―19―13 エーザ イ紫山寮305 (56)参考文献 特開 昭56−10166(JP,A) 特開 昭58−29761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 207/00 - 207/50 C07D 409/04 A61K 31/40 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)
Claims (16)
- 【請求項1】一般式 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル
基を意味する。Rは置換若しくは無置換のフェニル基、
置換若しくは無置換のナフチル基、置換若しくは無置換
のチエニル基又は置換若しくは無置換のベンゾチオフェ
ニル基を意味する。〕 で表されるピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容で
きる塩。 - 【請求項2】置換若しくは無置換のフェニル基が式 〔式中、R1,R2,R3は同一又は相異なる水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、
トリフルオロメチル基、又は式 (式中R4,R5は同一又は相異なる水素原子又は低級アル
キル基を意味する)で示される基を意味する〕 で示される基である請求項1記載のピロリジン誘導体又
はその薬理学的に許容できる塩。 - 【請求項3】R1,R2,R3が同一又は相異なる水素原子、低
級アルキル基、ハロゲン原子、水酸基又はトリフルオロ
メチル基である請求項2記載のピロリジン誘導体又はそ
の薬理学的に許容できる塩。 - 【請求項4】Rがチエニル基又はベンゾチオフェニル基
である請求項1記載のピロリジン誘導体又はその薬理学
的に許容できる塩。 - 【請求項5】化合物が3−(2−クロロ−3−ヒドロキ
シフェニル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピ
ロリジンである請求項1記載のピロリジン誘導体又はそ
の薬理学的に許容できる塩。 - 【請求項6】化合物が(±)−トランス−3−(2−ク
ロロ−3−ヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジヒド
ロキシフェニル)ピロリジンである請求項1記載のピロ
リジン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩。 - 【請求項7】化合物が(−)−トランス−3−(2−ク
ロロ−3−ヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジヒド
ロキシフェニル)ピロリジンである請求項1記載のピロ
リジン誘導体又はその薬理学的に許容できる塩。 - 【請求項8】化合物が3−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−4−(2−メチルフェニル)ピロリジンである請
求項1記載のピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容
できる塩。 - 【請求項9】化合物が3−(2−クロロフェニル)−4
−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリジンである請
求項1記載のピロリジン誘導体又はその薬理学的に許容
できる塩。 - 【請求項10】化合物が3−(3,4−ジヒドロキシフェ
ニル)−4−(3−メチルチエニル)ピロリジンである
請求項1記載のピロリジン誘導体又はその薬理学的に許
容できる塩。 - 【請求項11】化合物が3−(7−ベンゾチオフェニ
ル)−4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ピロリジン
である請求項1記載のピロリジン誘導体又はその薬理学
的に許容できる塩。 - 【請求項12】化合物がトランス体である請求項1,2,5,
8〜11のいずれか一項に記載のピロリジン誘導体又はそ
の薬理学的に許容できる塩。 - 【請求項13】請求項1記載のピロリジン誘導体又はそ
の薬理学的に許容できる塩を有効成分とするドーパミン
1アゴニスト作用が有効な疾患の治療・予防剤。 - 【請求項14】請求項1記載のピロリジン誘導体又はそ
の薬理学的に許容できる塩を有効成分とするドーパミン
1アゴニスト。 - 【請求項15】請求項1記載のピロリジン誘導体又はそ
の薬理学的に許容できる塩を有効成分とする高血圧症治
療・予防剤。 - 【請求項16】請求項1記載のピロリジン誘導体又はそ
の薬理学的に許容できる塩を有効成分とする心不全治療
・予防剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1-25262 | 1989-02-03 | ||
JP2526289 | 1989-02-03 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02288855A JPH02288855A (ja) | 1990-11-28 |
JP2928307B2 true JP2928307B2 (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12161109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2025314A Expired - Fee Related JP2928307B2 (ja) | 1989-02-03 | 1990-02-02 | ピロリジン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2928307B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19816880A1 (de) * | 1998-04-17 | 1999-10-21 | Boehringer Ingelheim Pharma | Neue Diphenyl-substituierte 5-Ring-Heterocyclen, Verfahren zu ihrer Herstellung sowie deren Verwendung als Arzneimittel |
-
1990
- 1990-02-02 JP JP2025314A patent/JP2928307B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02288855A (ja) | 1990-11-28 |
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