JP2927575B2 - カップリング成分として2−アルキルアミノ−3−シアノ−4,6−ジアミノピリジンを使用して製造されたアゾ染料 - Google Patents

カップリング成分として2−アルキルアミノ−3−シアノ−4,6−ジアミノピリジンを使用して製造されたアゾ染料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は分散染料、その製造方法、ならび
に繊維材料の染色のためのその使用に関する。本発明に
よる染料は下記一般式で表わされる。
【化4】 (式中、R1 は水素、ハロゲン、またはCF3 、R2
置換されているかまたは置換されていないアルキルであ
る、ただし、R1 が水素の場合にはR2 はエトキシカル
ボニルエチルであり得ない)。一般にハロゲンはフッ
素、臭素、ヨウ素、または特に塩素を意味するものと理
解されたい。
【0002】本明細書において、アルキル基とは一般に
直鎖状、分枝状または環式のアルキルを意味するものと
理解されたい。例示すれば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブ
チル、アミル、tert−アミル(1,1−ジメチルプ
ロピル)、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ヘキ
シル、1−メチルペンチル、ネオペンチル、1−,2−
または3−メチルヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、
tert−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニ
ル、イソノニル、デシル、ドデシル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ならびにそれ
らの対応する異性体である。アルキル基は1個乃至8個
の炭素原子を有するもの、特に、3個乃至8個の炭素原
子を有するものが好ましい。
【0003】これらのアルキル基は、たとえばヒドロキ
シル、アルコキシ、フェノキシ、ハロゲン、シアノ、ま
たはフェニルによって置換されることができる。さら
に、これら置換分の中のアルキル基およびフェニル基
も、たとえばヒドロキシル、アルコキシ、またはフェノ
キシによって置換されることができる。置換アルキル基
の例としては、メトキシエチル、エトキシエチル、メト
キシプロピル、エトキシプロピル、ブトキシプロピル、
2−エチルヘキソキシプロピル、ヒドロキシエトキシエ
チル、ヒドロキシエトキシプロピル、メトキシエトキシ
エチル、メトキシエトキシプロピル、ブトキシエトキシ
エチル、ブトキシエトキシプロピル、フェノキシエトキ
シエチル、フェノキシエトキシプロピル、クロロエトキ
シエチル、シアノエトキシプロピル、ベンジル、フェニ
ルエチルなどがあげられる。
【0004】好ましくは、R2 は置換されていないC1
−C8 −アルキル、または式 −R3 −O−R4 −X (2) (式中、R3 はC2 −C4 −アルキレン、R4 はC2
8 −アルキレン、XはH、−OH、−O−フェニル、
または−O−C1 −C8 −アルキルである)の残基であ
る。R1 は、好ましくはハロゲン、特に塩素またはCF
3 である。本発明の特に好ましい式(1)の染料は、R
1 が塩素またはCF3 、そしてR2 が置換されていない
1 −C8 −アルキルまたは式(2)(式中のR3 、R
4およびXは、式(2)について前記に定義した意味を
有する)の残基である式(1)の染料である。これらの
中でも、R1 が塩素、そしてR2 が式 −R3 −O−R4 −X (2) (式中、R3 とR4 とは互いに独立的にエチレンまたは
1,3−プロピレンであり、Xはメトキシ、エトキシま
たはフェノキシである)の残基である式(1)の染料が
特に好ましい。
【0005】本発明による染料はそれ自体公知の製造方
法によって、たとえば式
【化5】 (式中、R1 は式(1)について前記に定義した意味を
有する)のアミンをジアゾ化し、そしてその生成物を式
【化6】 (式中、R2 は式(1)について前記に定義した意味を
有する)のカップリング成分にカップリングすることに
よって製造することができる。式(3)および(4)の
化合物は公知であるか、またはそれ自体公知の方法によ
って製造することができる。ジアゾ化およびカップリン
グは常法により実施される。シアノ(−CN)の代りに
ハロゲンを含有している式(3)の化合物をジアゾ化
し、そしてその生成物を式(4)のカップリング成分に
カップリングし、そしてこのあとで常法によってハロゲ
ンをシアノに置換することも可能である。
【0006】本発明による式(1)の化合物は、半合成
または特に全合成の疎水性繊維材料、特に紡織材料の染
色または捺染用の染料として使用することができる。ま
た、半合成または全合成の疎水性繊維材料を含有する混
合繊維製の繊維材料も本発明による化合物を用いて染色
または捺染することができる。適当な半合成材料は、特
にセルロース21/2 アセテートおよびセルローストリア
セテートである。適当な半合成繊維材料としては、とく
に、二酢酸セルロースおよび三酢酸セルロースが考慮さ
れる。合成疎水性繊維材料の例は、特に線状の芳香族ポ
リエステル製のもの、たとえばテレフタル酸とグリコー
ル特にエチレングリコールとから製造されたもの、ある
いはテレフタル酸と1,4−ビス(ヒドロキシメチル)
シクロヘキサンとの縮合生成物から製造されたもの、あ
るいはポリカーボネートから製造されたもの、たとえば
α,α−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニ
ルメタンとホスゲンとから製造されたもの、あるいはポ
リ塩化ビニルまたはポリアミドをベースとした繊維から
製造された合成繊維材料などである。
【0007】本発明の化合物は、公知の染色法によって
繊維材料に施用される。たとえば、ポリエステル繊維材
料は常用の陰イオンまたは非イオン分散剤の存在下、な
らびに場合によっては常用の膨潤剤(キャリヤー)の存
在下において80乃至140℃の温度範囲において水性
分散液から吸尽法によって染色される。二酢酸セルロー
スは、好ましくは約65乃至85℃の温度範囲におい
て、そして三酢酸セルロースは約115℃までの温度に
おいて染色される。
【0008】本発明による新規染料は、染浴中に同時に
存在するウールおよび木綿を全く、またはほとんど汚染
しない(極めて防染性が良好)。したがって、ポリエス
テル/ウールまたはポリエステル/セルロースなどの混
合繊維の染色のためにも好適に使用できる。本発明によ
る染料はサーモゾル法による染色、吸尽法による染色、
および捺染に適している。上記した繊維材料は、各種の
加工形態でありうる。たとえばファイバー、フィラメン
ト、不織布、織物、編地などでありうる。
【0009】本発明による染料は、その使用前に染料製
剤の形態に加工しておくのが有利である。この目的のた
めには、平均粒子サイズが0.1乃至10ミクロンとな
るまで染料を粉砕する。粉砕は、分散剤の存在下におい
て実施することができる。たとえば、乾燥した染料を分
散剤と一緒に摩砕するか、またはペーストの形状で分散
剤と一緒に混練しそのあとで真空乾燥するかまたは噴霧
乾燥する。このようにして製造された染料製剤は、水を
加えた後に染浴または捺染のりを仕立てるために即座に
使用することができる。
【0010】捺染の場合には常用のり剤(シックナー)
たとえば変性されたまたは変性されない天然製品あるい
は合成製品が使用される。天然のり剤の例は、アルギン
酸塩、ブリティシュゴム、アラビアゴム、クリスタルガ
ム、イナゴマメ粉末、トラガカントゴム、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプ
ンなどである。合成品の例は、ポリアクリルアミド、ポ
リアクリル酸、またはその共重合体、あるいはポリビニ
ルアルコールなどである。
【0011】本発明による染料は上記した繊維材料、特
にポリエステル材料に均染な赤橙色乃至赤色を与える。
その染色の色はきわめて優秀な使用堅牢性を有する。特
に耐光性がすぐれており、かつまたドライヒート加工堅
牢性、耐プリーツ加工堅牢性、耐塩素堅牢性、および湿
潤堅牢性たとえば水堅牢性、汗堅牢性、洗濯堅牢性など
も良好である。さらにこの染色物は摩擦堅牢性が非常に
高い。とりわけ賞賛されるべきことは、本発明により得
られる染色物が鮮明且つ明澄であって、しかも耐光性が
きわめて高いことである。
【0012】本発明による染料は、他の染料と組み合わ
せて混合色をつくり出すために、あるいは適当な黄色染
料および青色染料と組合せて三色法染色を行うためにも
都合よく使用することができる。もちろん、本発明によ
る染料どうしの混合物を使用することもできる。高温に
おいても耐光性が優れているので、本発明による染料は
自動車のシートカバーのためのポリエステル繊維織物材
料を染色するのに極めて好適である。
【0013】本発明はさらに式(1)のアゾ染料を使用
する方法にも関する。すなわち、繊維材料に1種または
それ以上の式(1)の化合物を付与するか、または繊維
材料内に配合することを特徴とする半合成または全合成
疎水性繊維材料、特に紡織材料の染色または捺染方法を
も提供する。この場合に、疎水性繊維材料は好ましくは
ポリエステル繊維材料である。本発明の方法によって処
理されうるその他の基質の種類ならびに本方法の好まし
い加工条件は、本発明の化合物の使用に関して前記した
詳細な説明から明らかであろう。上記した本発明の方法
によって染色または捺染された疎水性繊維材料、好まし
くはポリエステル紡織材料も本発明の対象に含まれる。
以下、本発明をさらに実施例によって説明する。なお、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。実施例中の部およびパーセントは、特に別途記載の
ない限り重量ベースである。
【0014】実施例1 A)2−ブロモ−3−シアノ−4,6−ジアミノピリジ
ンの10.65部、およびエタノールの28部、3−
(2−メトキシエトキシ)プロピルアミンの20部をオ
ートクレーブに装填し、24時間110℃に加熱する。
下記式の化合物を含有する反応溶液をカップリングに使
用する。
【化7】 B)硫酸140部に亜硝酸ナトリウム7.5部を5乃至
10℃において溶解する。これに、2−クロロ−6−シ
アノ−4−ニトロアニリンの19.7部を攪拌混合し、
そしてこの混合物を2時間10乃至15℃で攪拌する。
その溶液を氷水600部に注入する。スルファミン酸を
使用して過剰の亜硝酸を除去する。これによって得られ
たジアゾ溶液を、エタノール158部中の2−メトキシ
エトキシプロピルアミノ−3−シアノ−4,6−ジアミ
ノピリジンの26.5部の溶液に添加する。カップリン
グ完了後、下記式の染料を濾別し、水洗し、乾燥する。
【化8】 この染料はポリエステル繊維材料を鮮明な赤色に染色す
る。その色は優秀な染色堅牢性を示し、特に耐光性がき
わめて優れている。
【0015】実施例2 硫酸140部に亜硝酸ナトリウム7.5部を5乃至10
℃において溶解する。この溶液に2−ブロモ−4−ニト
ロ−6−トリフルオロメチルアニリンの28.5部を攪
拌混合し、そしてこの混合物を10乃至15℃において
2時間攪拌する。そのあと、溶液を氷水600部に注入
する。スルファミン酸を使用して過剰の亜硝酸を除去す
る。これによって得られたジアゾ溶液を、エタノール2
40部中の2−フェノキシエトキシプロピルアミノ−3
−シアノ−4,6−ジアミノピリジンの32.7部の溶
液に添加する。カップリング完了後、生成した染料を濾
別し、水洗し、乾燥する。得られたブロモ染料の31.
5部をピリジン100部に溶解し、これにシアン化銅
(I)5.8部を添加する。冷却後、水を加えて染料を
沈殿させ、吸引濾過し、そして稀塩酸および水で洗う。
これにより下記式の染料を得る。
【化9】 この染料はポリエステル繊維材料を鮮明な赤色に染色す
る。その色は優秀な染色堅牢性を示す。
【0016】実施例3乃至32 実施例1および2と同様な手順を実施して次表に記載し
た染料を得た。これらの染料はポリエステル繊維材料を
表の最終欄に示す色に染色する。
【表1】
【0017】実施例33 実施例1記載の染料1gを水17gと常用のジナフチル
メタンジスルホナート型の分散剤2gと共にサンドミル
中で摩砕して5%水性分散物とした。この分散物を使用
してポリエステル繊維材料に130℃の高温吸尽法によ
って染料を1%(染料と基質とに関して)染色し、そし
て染色された布を還元固着処理した。このようにして得
られた赤色染色物は極めて良好な使用堅牢性を示し、特
に耐光性が優れている。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−163926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 29/42 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式の染料 【化1】 (式中、R1 は水素、ハロゲンまたはCF3 、R2は置
    換されているかまたは置換されていないアルキルであ
    る、ただし、R1 が水素の場合にはR2 はエトキシカル
    ボニルエチルであり得ない)。
  2. 【請求項2】 R1 がハロゲン、特に塩素であるか、ま
    たはCF3 である請求項1記載の染料。
  3. 【請求項3】 R2 が置換されていないアルキル、また
    はヒドロキシル、アルコキシ、フェノキシ、ハロゲン、
    シアノまたはフェニルによって置換されたアルキルであ
    り、該置換分の中のアルキル基およびフェニル基は置換
    されていないかまたはヒドロキシル、アルコキシまたは
    フェノキシによって置換されている請求項1または2記
    載の染料。
  4. 【請求項4】 R2 が置換されていないC1 −C8−ア
    ルキル、または式 −R3 −O−R4 −X (2) (式中、R3 はC2 −C4 −アルキレン、R4 はC2
    8 −アルキレン、XはH、−OH、−O−フェニル、
    または−O−C1 −C8 −アルキルである)の残基であ
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の染料。
  5. 【請求項5】 R1 が塩素またはCF3 、そしてR2
    置換されていないC1 −C8 −アルキル、または式
    (2)(式中のR3 、R4 およびXは式(2)について
    前記に定義した意味を有する)の残基である請求項2ま
    たは4記載の染料。
  6. 【請求項6】 R1 が塩素、そしてR2 が式 −R3 −O−R4 −X (2) (式中、R3 とR4 とは互いに独立的にエチレンまたは
    1,3−プロピレンであり、Xはメトキシ、エトキシま
    たはフェノキシである)の残基である請求項5記載の染
    料。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の式(1)の染料の製造方
    法において、式 【化2】 (式中、R1 は式(1)について前記に定義した意味を
    有する)のアミンをジアゾ化し、そしてその生成物を式 【化3】 (式中、R2 は式(1)について前記に定義した意味を
    有する)のカップリング成分にカップリングすることを
    特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 半合成または全合成疎水性繊維材料、特
    に紡織材料の染色または捺染のために請求項1記載の分
    散染料を使用する方法。
  9. 【請求項9】 ポリエステル繊維からつくられた紡織材
    料の染色または捺染のために使用する請求項8記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 半合成または全合成疎水性繊維材料、
    特に紡織材料を染色または捺染方法するための方法にお
    いて、請求項1記載の1種またはそれ以上の化合物を当
    該材料に付与するか、または当該材料内に配合すること
    を特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 該疎水性繊維材料、好ましくは紡織材
    料がポリエステル繊維からつくられている請求項10記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の方法によ
    って染色または捺染された材料。
JP3156612A 1990-06-27 1991-06-27 カップリング成分として2−アルキルアミノ−3−シアノ−4,6−ジアミノピリジンを使用して製造されたアゾ染料 Expired - Lifetime JP2927575B2 (ja)

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DE (1) DE59107419D1 (ja)
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EP0463995A1 (de) 1992-01-02
BR9102691A (pt) 1992-02-04
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EP0463995B1 (de) 1996-02-21
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