JP2926939B2 - 包装用フィルム - Google Patents

包装用フィルム

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美香 西谷
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、包装用フィルムに係わり、さらに言えば、
防湿,保香,酸化防止等のガスバリア性に優れ、かつ耐
熱性および強度,可撓性の高く、無色透明の包装用フィ
ルムに関する。
〔従来の技術〕
近年、家庭における電子レンジの普及に伴い、常温流
通が可能で、包材ごと電子レンジに適用できるフレキシ
ブルプラスチックフィルムからなる包装用フィルムを用
いた食品包材の市場が拡大している。
食品の包装用フィルムに求められる特性としては、 防湿,保香,酸化防止等のガスバリア性に優れるこ
と、 強度,可撓性が充分であること、 加熱,加圧殺菌が適用出来ること、 などがある。
従来、上記の特性を満たす材料として、フレキシブル
プラスチックフィルムを基材とし、この表面に、酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸
化物を蒸着し、蒸着面に他のフィルムを積層した包装用
フィルムが提案されている(特開昭58−148759号,特開
平1−206036号,特開平1−267036号,特開平2−3433
0号公報参照)。
なかでも、酸化ケイ素を真空蒸着した包装用フィルム
は、耐水性に優れるため、レトルト殺菌前後、あるいは
包材や食品が置かれる環境変化によるガスバリア性の劣
化が少なく、上記の特性を満たす包材として使用されつ
つある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、酸化ケイ素薄膜層を用いた場合、 酸化ケイ素薄膜で、常温長期保存が可能なガスバリ
ア性を持たせようとすると、1500Å〜2000Å成膜させな
ければならず、コスト高である。
折り曲げにより膜にクラックが生じ易く、ガスバリ
ア性および密着性に問題が生じる。そのため、スタンデ
ィング・パウチなど折り曲げる状態を避けることができ
る包装形態に用途が限られる。
SiOを原料として、蒸着法で作成したSiOX層は、透
明ではあるが、薄黄色に着色しているので見栄えが悪
く、食品包材としては相応しくない。また、SiO2を原料
とした場合は、真空蒸着法により無色透明はSiO2膜が成
膜できるが、蒸気圧が低いので蒸発速度が遅く、包装用
フィルムのような大面積,大量生産に向かない。
などの欠点が依然解決されずに残っていた。
本発明は、防湿,保香,酸化防止等のガスバリア性に
優れ、耐熱性および強度,可撓性の高く、かつ、無色透
明の包装用フィルムを提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は従来存在していた課題を解決する
ためになされたものであって、フレキシブルプラスチッ
クフィルムからなる基材の少なくとも片面に、前記基材
の組織と相互に混在した状態のSiOX層(0≦X<2)、
SiO2膜が順次積層されてなる包装用フィルムによって上
記課題を解決した。
〔作用〕
本発明に係わる包装用フィルムは、基材のフレキシブ
ルプラスチックフィルムの少なくとも片面に、基材側か
らSiOX層(0≦X<2)、SiO2膜が順次積層されてお
り、前記SiOX層は、基材組織とSiOX組織が相互に混在し
た状態となっている。
これにより基材とSiOX層の界面にSi−Si結合が形成さ
れるので、優れたガスバリア性と、基材の可撓性を失う
ことなく、高い密着強度を発現する。
〔発明の詳述〕
本発明に用いる基材となるフレキシブルプラスチック
フィルムとは、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレ
ンを主成分として含む共重合体、プロピレンを主成分と
して含む共重合体などのオレフィン系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル類、ナイロン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化
ビニリデン,ポリビニルアルコールなどのフィルムがあ
げられる。これらのフィルムはどの様な方法で製造され
たものであってもよく、また未延伸のものでも、延伸さ
れたものでもいずれであってもよい。
基材の厚さは5〜1000μmの範囲で選ぶのが好まし
く、特に10〜100μmの範囲が好ましい。
なお、基材と薄膜層との密着性を向上させる目的で、
基材の薄膜層を形成する面をあらかじめ前処理しておく
ことが好ましい。前処理としては、放電処理,火炎処
理,薬品処理,アンカーコート剤の塗布などがあげられ
る。
基材に薄膜層を作成する方法は、包材という用途から
コストを抑えること、生産性を高めるという観点から通
常の真空蒸着法が好ましい。
薄膜層を作成するための原料は、蒸気圧の高いものの
方が良く、SiOが適する。
次に、基材組織と混在したSiOX層を作成するために
は、酸素のない雰囲気で、成膜粒子に数十〜数百eVのエ
ネルギーを付与する必要がある。そのために、蒸発源と
基板の間で、Arプラズマを発生させて成膜粒子をイオン
化したり、熱電子を成膜粒子に照射することによりイオ
ン化する方法などがあるが、基材組織に食い込むように
SiOX層と基材の混在層が作れるようなエネルギーを成膜
粒子に付与できるならばこの限りではない。
なお、SiOX層の厚さは、所望のガスバリア性を発現す
るためには、最低10Å程度必要である。また、SiOX層の
厚さが厚いと無色透明性が失われるので50〜100Åの範
囲で設定することが好ましい。
さらに、このSiOX層の上に作成するSiO2膜は、SiOを
原料として真空蒸着法で成膜する場合、通常酸化度を上
げるために、雰囲気中にO2ガスを導入する。また、膜質
を改善するために、O2ガス雰囲気でプラズマを発生し、
成膜を行なうことができる。O/Si比が2であれば、無色
透明な膜になるため、このような組成の膜が作成可能な
方法であれば、特に限定されるものではない。
なお、SiO2膜の厚さであるが、薄ければ薄いほど製造
コストの削減につながるが、ガスバリア性劣化を招くこ
ととなる。従来の包装用フィルムは、1500Å程度の膜厚
で成膜されたものであってもガスバリア性が充分でない
が、本発明における包装用フィルムでは、SiO2膜の膜厚
が1500Å以下でも良好なガスバリア性を有するが、好ま
しいSiO2膜の厚さは500〜1200Åの範囲である。
また、本発明における包装用フィルムは、フレキシブ
ルプラスチックからなる基材表面に、無色透明であるSi
O2薄膜をまず成膜し、その後、SiO2薄膜表面から膜と基
材の界面にSiイオンを注入することにより作成すること
も可能である。この場合も薄膜作成方法はCVD法,スパ
ッタリング法,真空蒸着法などどのような方法でもよ
い。
さらにヒートシール性を向上などを目的として、本発
明の包装用フィルムを接着剤などを介して他のフレキシ
ブルプラスチックフィルムと積層してもよい。
〔実施例1〕 本発明に係わる包装用フィルムの一実施例を第1図を
用いて詳細に説明する。
図中1,2,3は、それぞれSiO2膜,SiOX層,基材を表す。
基材3とSiOX層2の界面は、後述する通り相互の組織が
混在しているものと思われる。
基材として、厚さ12μmのPETフィルム(テイジン
(株)製)表面に、Arイオンプレーテイング法によりSi
OX(X=1.7)層を100Å成膜し、その上にO2ガス反応蒸
着法によりSiO2膜を1100Å成膜し包装用フィルムを作製
した。なお、蒸着材料はSiO(5〜10mesh 大阪チタニ
ウム(株)製)を用いた。
また、包装用フィルムの膜厚方向の製造を、光電子分
光分析法によりESCAスペクトル(Si2P,C1S,O1S)を測定
したところ、基材とSiOX層の界面にSi−Si結合の存在を
示すスペクトルが現れた。また、膜厚方向へのArイオン
ビームエッチングを行い、基材であるPETが露出したと
きの同様な測定において、C1SとSiの存在を示すスペク
トルが現れた。このことにより、基材とSiOX層の界面に
おいて両者の組織が混在した状態にあり、さらにその部
分にSi−Si結合が存在することが判った。
上記のような工程で作製された包装用フィルムの酸素
透過度を、25℃,100%RHの酸素雰囲気中で測定した。ま
た、光線の透過率を、分光器で測定した。測定波長域は
190μm〜700μmである。測定結果を表1に示す。
〔実施例2〕 実施例1と同様な基材を用い、その上にArイオンプレ
ーテイング法によりSiOX層(X=1.7)を50Å、O2ガス
反応蒸着法によりSiO2膜を1150Å作製した。
上記の包装用フィルムの酸素透過率と光線の透過率を
実施例と同様な方法で測定した。測定結果を表1に示
す。
〔比較例1〕 実施例1と同様な基材を用い、実施例1と同様な方法
で、SiO2膜を1200Å作製した。
上記の包装用フィルムの酸素透過率と光線の透過率を
実施例と同様な方法で測定した。測定結果を表1に示
す。
〔比較例2〕 実施例1と同様な基材を用い、実施例1と同様な方法
で、SiOX層を1200Å作製した。
上記の包装用フィルムの酸素透過率と光線の透過率を
実施例と同様な方法で測定した。測定結果を表1に示
す。
〔発明の効果〕 本発明に係わる包装用フィルムは、防湿,保香,酸化
防止等のガスバリア性に優れ、かつ耐熱性および強度,
可撓性の高く、無色透明なものである。また、その製造
も通常の成膜装置を使用して大面積,大量生産が可能で
ある。
よって、本発明に係わる包装用フィルムを用いた食品
包材は、長期保存が可能で、折り曲げる状態の包装形態
も可能であり、さらに無色透明であるので見栄えがよ
く、特に電子レンジに適用する食品包材として相応し
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係わる包装用フィルムの一実施例を
示す断面図である。 1……SiO2膜 2……SiOX層 3……基材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレキシブルプラスチックフィルムからな
    る基材の少なくとも片面に、SiOx層(0≦X<2)、Si
    O2膜が順次積層されてなる包装用フィルム。
  2. 【請求項2】前記SiOx層が基材組織と混在していること
    を特徴とする請求項(1)記載の包装用フィルム。
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