JP3634474B2 - ふた材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、成形容器のふた材に係わり、更に詳しくは、コーヒーミルク、シロップ、ヨーグルトなどの乳製品、果汁、ゼリー、カップラーメンなどの食品を充填する成形容器のふた材に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
廃棄物を焼却あるいはリサイクル化する場合に、最も問題となるのは、そのいずれの処理にも適さない原材料より構成されていることである。例えば、アルミニウム箔とプラスチックフイルムとより構成された積層フイルムは、焼却処理をしたときに不燃物として残る金属アルミニウムの処理が問題となる。逆に不燃物処理をされるもののなかに含まれるプラスチックは、焼却に使用すれば有効な助燃材となるものではあるが、不燃物のなかに存在するために埋め立て処理される廃棄物になるという資源浪費の問題点があった。
もちろん、これらの構成材料を工業的に分離して、原料としてリサイクル化することも一部に試みられてはいるが、未だ完成された技術にはなっていないのが実態である。
本発明は、基材フイルムに屈曲性、延展性に富む酸化ケイ素の極微薄膜層を設けることにより、使用済みのふた材が、ごみ焼却時の助燃材として活用できるようにし、そして、アルミニウム箔や、塩素を含まないバリア性のふた材の供給を目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のふた材は、基材フイルムの少なくとも一方の面に酸素とケイ素との化合物よりなる2層の酸化ケイ素層(以下SiOxと記載する)を有し、基材フイルムと直接接触する第1層のSiOxは、接着がよく可撓性に優れた化学蒸着法によりなり、第2層は、後加工適性に優れた物理蒸着法によりなるSiOxとの積層バリア層(以下、上記積層薄膜層をSiOx層と記載する)をもつ蒸着フイルムよりなるふた材である。
また、易剥離性ヒートシール樹脂層と、上記蒸着フイルムとの積層フイルムよりなるふた材である。
【0004】
【従来の技術】
従来の成形容器に内容物を充填し、密封されたものは、ふた材がもつバリア性との相乗効果によって、物流の過程を経過して、末端消費者が開封するまで、該内容物が化学的、物理的変化に起因する汚染、変質を防止することを要求されるものである。
そして、成形容器はプラスチック層を積層した金属、比較的厚いプラスチック又は、多層プラスチックなどにより成形して内容物保存に必要な容器の特性をもたせていた。一方、ふた材はヒートシールにより密封する充填機が一般的であり、厚くすると熱伝導性が低下して密封性を損なうことがあるため、50〜150μmのフイルムが適用され、そしてバリア性を付与するためには、プラスチックフイルムとアルミニウム箔、アルミニウム蒸着フイルム、ポリ塩化ビニリデンコートフイルム又はエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物のフイルムとの積層フイルムが使用されてきた。
【0005】
近年、使用済み食品容器の処理方法が大きな社会問題となり、資源の有効活用の面から、石油化学製品であるプラスチックは焼却処理による燃料化、不燃物は圧縮運搬して、リサイクル化したり、埋め立て処理をなされていた。
【0006】
しかしながら、アルミニウム箔をバリア層とする従来のふた材は、内容物が見えないため販売促進効果が乏いという問題点があった。一方、内容物が見えるようにするため、不透明なアルミニウム箔を除き比較的バリア性がある、延伸ポリエステル又は延伸ナイロンフイルム、ポリカーボネートを用いたものは、特定の内容物のバリア層としての効果はあるが、酸素バリアの点からは必ずしも満足できるものではなかった。
【0007】
また、酸素バリア性に優れる蒸着した金属酸化物を設けたプラスチックフイルムをバリア層とする成形容器のふた材の技術も開示されてはいた。しかしながら従来の物理蒸着法で得られる蒸着層は、バリア性を与えるためには比較的厚い蒸着層を必要とする。したがって、その蒸着層は透明性を欠き、着色あるいは不透明となるため、内容物の色を変化させて見せたり、延展性が小さい金属酸化物の蒸着層をもつ積層フイルムと成形容器とをヒートシールするとき、その端部の蒸着層がフイルムの伸縮、特に延びた場合に追随することができず、クラックを生じたりするという問題点があった。
【0008】
ポリ塩化ビニリデンコートフイルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物のフイルムからなるバリア層を含む積層フイルムも使用されてきた。
しかしながら、ポリ塩化ビニリデンコートフイルムは、塩素を含むため、使用後、廃棄焼却する時に塩素ガスや塩化水素ガスを発生し、焼却炉の腐食や環境衛生面から好ましくないという問題点があった。
一方、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物は、酸素透過性が低いのみならず香味成分のバリア性に優れるという長所はあるものの多湿下ではガスバリア性が低下するという欠点があった。そのために、バリア層であるエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物のフイルムの両面に防湿性フイルムを積層することも行われてはいるが、長期の保存ではフイルムの端部からの吸湿は避けることができないものであった。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のふた材は、図1に示すとおりの、基材フイルム1の少なくとも一方の面に酸素とケイ素との化合物よりなる2層のSiOx層2を有し、基材フイルムと直接接触する第1の層は、接着がよく可撓性に優れた化学蒸着法によりなるSiOx(x=1〜2)の蒸着層21と、そして、第2層は、後加工適性に優れた物理蒸着法によりなるSiOx(x=1〜2)の蒸着層22とを積層してなるSiOx層2のバリア層をもつふた材である。
また、易剥離性ヒートシール樹脂層と、上記蒸着フイルムとの積層フイルムよりなるふた材である。
【0010】
SiOx層の光透過度は90%を下らないものであり、そして、SiOx層2に易剥離性ヒートシール樹脂層76を溶融押出しコーティングにより設けたものである。
【0011】
物理蒸着法で形成される通常の蒸着層は、黄色を帯びているばかりでなく、後処理のときにうける伸びなどで亀裂を生じバリア性が低下するという問題がある。これに対して、化学蒸着法で形成される通常の蒸着層は、透明性と、可撓性及び基材フイルムに対する接着は優れるが、蒸着層中に微量の炭素や炭化水素を含むために接着剤などに対する濡れが悪く後加工適性に難点があるという問題がある。
【0012】
しかしながら、本発明のSiOx層2は、化学蒸着法によるケイ素酸化物と、物理蒸着法によるケイ素酸化物との積層により、基材フイルムに対する接着もよく、そして、通常のこの種の蒸着膜より薄くても、そのピンホールを互いににカバーして、接着を強固にした連続したバリア層を形成するものである。
また、本発明でいう連続したバリア層とは、第1及び第2のSiOxを10〜3000Åとし、そして、SiOx層の厚さを30〜3000Å、好ましくは50〜1000Åにしてピンホールを皆無としたものである。
【0013】
化学蒸着法の蒸着層の形成に使用する有機ケイ素化合物は、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのなかから選択することができ、好ましくは、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンである。
【0014】
いずれも液体である上記の有機ケイ素化合物を気化させ、酸素ガスと、不活性ガスであるヘリウム及び/又はアルゴンとを混合した原料ガスをSiOxを設けるフイルムが設置されているプラズマ化学蒸着機に導入して20〜3000Åの蒸着層を形成する。
プラズマ化学蒸着法により形成される蒸着層は、従来の物理蒸着法と比較して層の厚さを薄くして、無色透明なもバリア性をもたせることができる。
このようにして形成された蒸着層には、SiOxの他に炭素、水素、ケイ素及び酸素のなかの1種、あるいは2種以上の元素からなる化合物が含まれることにより、基材フイルムに対する接着性と、可撓性に優れたSiOxを形成できる。
【0015】
物理蒸着法は、真空蒸着法とスパッタリング法とがあるが、包装材料には、生産性に優れる真空蒸着法が一般的に用いられる。真空蒸着法は、真空中で薄膜を作る目的の物質を加熱して蒸発させ、その蒸気を基材フイルムに付着させる方法である。真空中で物質を加熱する方法には、抵抗加熱法、電子線加熱法、高周波誘導加熱法などがある。
包装材料に用いる巻取りを作成する場合は、真空チャンバー内に巻取りを導入する巻取り式蒸着装置を用いる。原料は、Si 、Si O、Si2O3 、Si3O4 、Si O2 の1種又は2種以上を用いる。
原料の加熱は、上記のいずれの方法をも用いることができるが、場合によっては、酸素を導入した反応蒸着を行う場合もある。いずれにしても基材フイルムに蒸着されたものは、SiOx(x=1〜2)となる。
【0016】
蒸着層2とフイルム状の易剥離性ヒートシール樹脂層77とは、図2に示すように必要によっては設けるプライマー層5と接着用樹脂層6とによって積層することもできる。
また、図3に示すように、補強フイルム3と蒸着フイルム20のSiOx層2とを接着剤層4で積層し、更に、蒸着フイルム20の他の面に、必要によってはプライマー層を介して易剥離性ヒートシール樹脂層76を溶融押出しコーティングして設けることもできる。
【0017】
図4に示すように、蒸着フイルム21のSiOx層2に絵柄層9を設け、更に必要によってはプライマー層5及び接着用樹脂層であるポリエチレン61を介してフイルム状の易剥離性ヒートシール樹脂層77とを積層して絵柄層を設けたふた材を構成することができる。
【0018】
また、図5に示すように、補強フイルムである延伸ポリプロピレンフイルム31に設けた絵柄層9と、蒸着フイルム20とを接着剤層4を介して積層したのち易剥離性ヒートシール樹脂層76を必要によっては溶融押出しコーティングにより設けるなどの構成方法がある。
【0019】
蒸着層を設ける基材フイルムは、可撓性をもつポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどの延伸あるいは未延伸フイルムを使用できるが、好ましくは、比較的薄い厚さで精度よく製膜でき、透明性に優れるポリエステルの延伸フイルムである。
【0020】
補強フイルムは、ふた材の強度と、剛性、ふた材としてのクッション性をもたせるために設ける層であり、通常は絵柄層を設ける印刷用の基材となるものである。例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、硬質塩化ビニルフイルムなどの一軸、又は二軸延伸フイルムが使用できる。
そして、絵柄層は、該フイルム及び積層などの後加工適性のある通常の印刷インキで、グラビア印刷、フレキソ印刷などの輪転印刷機で印刷して形成する。
【0021】
ふた材の密封を確実にするためクッション効果がある、軟質のプラスチックフイルムを補強フイルムや接着用樹脂層として使用することがある。
図4に示すポリエチレン61も同様の効果を奏するものではあるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーの未延伸フイルムの他に、これらの発泡フイルムを使用することもできる。
【0022】
ふた材に厚みと強度を必要としないときは、補強フイルムを省略した図1に示す基材フイルムと易剥離性ヒートシール樹脂層とのふた材を構成することもできる。この補強フイルムを省略したときは、蒸着層に絵柄層を設けて、蒸着層と絵柄層とを挿入保護した積層フイルムを構成することが好ましい。
【0023】
易剥離性ヒートシール樹脂層は、熱可塑性樹脂であるポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリイソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどの樹脂の混合物に粘着付与剤として、ロジン、水素添加ロジン、エステルガム、ポリテルペン、石油系樹脂などのなかから適当量添加したものである。
更に必要に応じて、軟化剤である上記樹脂のオリゴマー、低融点炭化水素や、ブロッキング防止の充填剤、滑剤や酸化防止剤などを添加することもある。
【0024】
易剥離性ヒートシール樹脂層の形成は、融点が高く、熱溶融粘度の高いものは、溶融押出しコーティングや、有機溶剤に加熱溶解して塗布するホットラッカーコーティングで設ける。また、熱溶融粘度の低いホットメルト系のものは加熱溶融コーティングにより設けることができる。
【0025】
易剥離性ヒートシール樹脂層は、蒸着フイルムあるいは、補強フイルムに直接コーティングをして設けることもできるが、プライマー層及びポリエチレン層を設け、更にコーティングして形成することもできる。
また、易剥離性ヒートシール樹脂層を予めフイルム化したものを接着剤、又はプライマー層及び接着用樹脂層として、例えばポリエチレンを介して積層することもできる。
【0026】
請求項2の補強フイルムと蒸着フイルムとの積層は、通常の接着剤層を用いたドライラミネーションや、溶融ポリオレフィンを用いたサンドイッチラミネーションにより構成することができる。
【0027】
【作用】
上記のようにして形成された蒸着フイルムの蒸着層は、SiOx層としては、60Å〜3000Åの薄いものであり,化学蒸着法によるSiOx21は、基材フイルムに対する接着がよく、可撓性に富むものである。更に物理蒸着法よるSiOx22との積層により、SiOx層は、基材フイルムに対する接着と可撓性がよいSiOxと濡れがよいSiOxとの2層で構成されるため後加工の材料との接着が良く、可撓性に優れた蒸着層を形成するものである。そして、積層材によるふた材の加工を容易とし、また、亀裂を生じても、化学蒸着法のSiOxでカバーされるため、本来のバリア性を低下しない優れたものである。
したがって、その厚さは、60〜3000Åで充分なバリア性をもち、透明性もよく、緻密な連続層であり、柔軟性に富み、そして、酸素透過度は、1 cc /m2・24h以下、水蒸気透過度は、1 g/m2・24h以下である。
そして、易剥離性ヒートシール樹脂層を設けたふた材は、優れた酸素バリア性をもつとともに、ヒートシール部のクラックもなく内容物保護に卓越した効果を奏する。
【0028】
【実施例】
実施例について、図面を参照にして説明すると、
〔実施例 1〕
図4に示すように、基材フイルムである厚さが12μmのポリエステル11に、化学蒸着法によりヘキサメチルジシロキサンを原料としてSiOx21を200Åの厚さで設け、次いでSiOを原料として、電子線加熱法よりSiOx22を100Åの厚さで設けて、総厚さ300ÅのSiOx層2を形成して本発明の蒸着フイルム20を作成した。
次いで、上記蒸着フイルム20のSiOx層2にポリエステル系インキによりグラビア輪転印刷で絵柄層9を設け、更に、溶融押出しコータで、絵柄層9に塗布するポリウレタン系プライマー5及び、接着用樹脂層である20μmの厚さの低密度ポリエチレン61を介して厚さ30μmの易剥離性ヒートシール樹脂層のフイルム77(大日本樹脂(株)製:ポリオレフィン系易剥離性ヒートシール樹脂EP2 商品名)をサンドイッチラミネーションして図4に示す成形容器用の軟質ふた材を構成した。
【0029】
〔実施例 2〕
図5に示すように、補強フイルムとして厚さ40μmの延伸ポリプロピレンフイルム31の処理面にポリエステル系インキによりグラビア輪転印刷で絵柄層9を設け、その絵柄層に設けたポリエステル・イソシアネート系接着剤層4によって実施例1で作成した蒸着フイルム20のSiOx層2とを相接して積層し、更に加熱ロールコーターでポリエステルフイルム層11に、易剥離性ヒートシール樹脂層76(大日本インキ化学工業(株)製:ヒートシール用ホットメルトコーティング材ディックメルトDX47B 商品名)を10μm塗布し図5に示す成形容器用の硬質ふた材を構成した。
【0030】
〔比較例〕
12μmのポリエステルフイルム11の一方の側に、酸化ケイ素(SiOx層2に相当する)2を、従来の物理蒸着法で800Åの厚さで設けた、次いで、上記フイルムの酸化ケイ素2にポリエステル系インキによりグラビア印刷で絵柄層9を設け、更に、溶融押出しコータで、絵柄層9にポリウレタン系プライマー層5及び、接着用樹脂層である低密度ポリエチレン61を20μmを介して厚さ30μmの易剥離性ヒートシール樹脂層のフイルム77(大日本樹脂(株)製:ポリオレフィン系易剥離性ヒートシール樹脂EP2 商品名)をサンドイッチラミネーションして図4に示す実施例1と同一構成で、蒸着層のみが本発明とは異なる成形容器用の軟質ふた材を構成した。
【0031】
実施例、及び比較例で構成したふた材と、内面にポリプロピレンフイルムを積層したフランジ巾6mm、外径80mmのアルミニウムの成形容器のフランジ部とをヒートシールし、シール後の成形容器1ケ当たりの酸素透過度及び水蒸気透過度の変化を次の方法で測定した。
(テスト方法)
・酸素透過度は、MOCON社製OXTRANにより、温度23℃、湿度90%RHの条件で測定。
・水蒸気透過度は、MOCON社製PERMATRANにより、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定。
・接着強度は、試料を易剥離性ヒートシール樹脂層同志でヒートシールし、その接着を測定してその剥離部の確認と、剥離強度をJIS─K7128に準じて測定。
(以下余白)
【0032】
評価の結果を表1に示す。
【表1】
但し、充填前後の水蒸気透過度、及び酸素透過度は、充填テスト前のものは、ふた材のフイルムで測定し、充填後のふた材は、100mm×100mmの大きさの容器で測定した値を100倍し、アルミニウム成形容器の水蒸気透過度、及び酸素透過度は0としてm2 換算して記載した。
接着強度を測定したときの剥離部は、いずれもSiOx層と接着性樹脂層又は易剥離性ヒートシール樹脂層との間で剥離した。
【0033】
【発明の効果】
以上記載したように、本発明のバリア層である蒸着層は、化学蒸着法と物理蒸着法とによるSiOxを2層積層した総厚さ60〜3000Åで形成されているため、接着性、透明性もよく、柔軟性に富み、そして、酸素透過度は、1 cc /m2・24h以下、水蒸気透過度は、1 g/m2・24h以下である。
該蒸着層には、基材フイルムと接着が強固なでかつ可撓性に富むSiOxと、後加工フイルムとの接着性に優れたSiOxとの積層構造の2層構造よりなるSiOx層は延展性に富み、基材フイルムとの接着強度も高く、ヒートシール時の屈曲にもバリア性の低下も少なく安定したバリア性を維持できた。また、廃棄、焼却する時に塩素による環境汚染もなく、焼却後の灰分も少なく、処理も容易なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のふた材の基本の積層構成を示す断面概略図である。
【図2】本発明のふた材の他の積層構成を示す断面概略図である。
【図3】補強フイルムを設けた本発明のふた材の積層構成を示す断面概略図である。
【図4】本発明のふた材の実施例の積層構成を示す断面概略図である。
【図5】本発明のふた材の他の実施例の積層構成を示す断面概略図である。
【符号の説明】
1 基材フイルム
11 ポリエステルフイルム
2 SiOx層
20 蒸着フイルム
21 化学蒸着法によるSiOx
22 物理蒸着法によるSiOx
3 補強フイルム
31 延伸ポリプロピレンフイルム
4 接着剤層
5 プライマー層
6 接着用樹脂層
61 ポリエチレン
76 易剥離性ヒートシール樹脂層(コーティング)
77 易剥離性ヒートシール樹脂層(フイルム)
9 絵柄層
Claims (1)
- 絵柄層を設けた補強フィルムと、基材フィルムの少なくとも一方の面に酸素とケイ素との化合物よりなる2層の酸化ケイ素層を有し、基材フィルムと直接接触する第1の層は、化学蒸着法によりなり、第2層は物理蒸着法によりなる酸化ケイ素層とを積層してなるバリア層をもつ蒸着フィルムとを、その絵柄層の面と酸化ケイ素層の面とを対向させて接着剤層を介して積層し、更に、上記で積層した蒸着フィルムの基材フィルムの面に、易剥離性ヒ−トシ−ル樹脂層を設ける構成からなることを特徴とする硬質ふた材。
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