JP4139446B2 - バリア袋用フィルム - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、包装用積層フィルムに係わり、特に酸素、湿度により風味に影響を及ぼす内容物の変化を防止する菓子、食品袋用積層フィルムを構成するバリア袋用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、菓子あるいは食品の袋は、内容物が品質変化する原因となる、湿度、光、酸素等の影響を防ぐために、絵柄層を担持するフィルム、ガスバリア性をもつアルミニゥム蒸着フィルム、アルミニゥム箔、塩化ビニリデンコートフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体のフィルム、及びポリエチレン、ポリプロピレンを主とするヒートシール樹脂層等よりなる積層フィルムから形成された積層フィルムを袋にして使用されていた。
特に、高度のバリア性をもつフィルムはアルミニゥム箔、又は、アルミニゥム蒸着フィルムを構成要素とした積層フィルムが広く使用されてきたが、いずれのものも商品である内容物をみることができないという問題点があった。
【0003】
また、透明なバリアフィルムとして、ポリ塩化ビニリデンを塗布したフィルムや、エチレン・ビニルアルコール共重合体のフィルム、あるいは、微厚の金属酸化物の薄膜をスパッタリング、又は蒸着により設けたフィルムの技術も開示されてはいた。しかし、ポリ塩化ビニリデンは、塩素を含むため、廃棄物を焼却処理するときに、塩素ガスあるいは塩化水素ガスを発生し、環境衛生の問題あるいは、焼却炉の耐用期間を短くするという問題点があった。また、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムは、酸素透過性が少なく、香味成分のバリア性に優れるという長所はあるものの、水蒸気と接触するとバリア性が低下してしまうという問題点があり、このため、本フィルムの両面に水蒸気バリア性のあるフィルムの積層を必要とする問題点があった。
【0004】
そして、近年、ガスバリア性と保香性をもち、且つ、透明性がある包装用フィルムとして、無機物である珪素酸化物の薄膜からなるバリア層を備えたフィルムが開示されている。そして、珪素酸化物の薄膜は、その材料である珪素酸化物を物理的な真空蒸着あるいはスパッタリング等によりフィルムに付着して形成されたものであり、廃棄、焼却時に環境上の問題もなく、またバリア性の湿度依存性もないものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の珪素酸化物の薄膜からなるバリア層は、珪素酸化物の粒子をフィルムに蒸着したものであり、珪素酸化物粒子間に結晶粒界という空隔が存在し、バリア性が必ずしも充分ではなく、この種のものとしては膜厚を500〜1300Åと厚くする必要があること、また、珪素酸化物の酸素の割合が小さいほどバリア性が向上する反面、黄褐色の着色が増えるものである。そして膜厚が厚いので屈曲性特に延展性が劣りクラックを発生しやすく、蒸着用フィルムとの接着が弱いものであった。
そして、蒸着層を設けたフィルムは、バリア袋用積層フィルムの構成あるいは補強フィルムとの加工、製袋、内容物の充填あるいは輸送時に、伸縮したり、衝撃をうけたりしたときに、蒸着用フィルム又は補強フィルムの伸びに追随できず、剥離したり、クラックを生じたりして薄膜が破壊され、バリア性を損なうという問題点があった。
【0006】
本発明は、無色、透明なバリアフィルムを、蒸着用フィルムに追随する延展性、屈曲性に富む酸化珪素を主成分とする極微薄膜層を設けたバリア袋用フィルムを提供し、そして、そのフィルムを用いてバリア袋用積層フィルムを構成するものである。また、該フィルムは加工時、製袋、充填、輸送時の伸縮、衝撃によって薄膜にクラックを発生して、バリア性が低下しないバリア袋用フィルムの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のバリア袋用フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面にプラズマ化学蒸着法によって設けたバリア層を有し、該バリア層は、珪素酸化物と炭素、水素、珪素及び酸素のなかから1種あるいは2種以上の元素からなる化合物を含有する連続層(本明細書では、以下SiOx層、及びSiOx層を設けたフィルムをSiOxフィルムと記載する)をもつバリア袋用フィルムである。
そして、SiOx層に含まれる炭素、水素、珪素及び酸素のなかから1種あるいは2種以上の元素からなる化合物は、該SiOx層の表面から基材フィルムとの界面に向かって減少しているものである。
【0008】
本発明のバリア袋用積層フィルムは、図1に示すとおりの、基材フィルム1の少なくとも一方の面にSiOx層2を設けたSiOxフィルム21であり、そして、ヒートシール樹脂層7を接着剤層4を設けてバリア袋用積層フィルムB1を構成できる。
また、図2に示すように、SiOxフィルム21のSiOx層2に必要に応じてプライマー層5、接着用樹脂層6及びヒートシール性樹脂層7を順に積層してバリア袋用積層フィルムB2を構成できる。
【0009】
そして、図3に示すようにSiOxフィルム21のSiOx層2に接着剤層4を用いて補強フィルム3を設け、更に必要に応じてプライマー層5、溶融押出しコーティングによるヒートシール樹脂層8を順に積層してバリア袋用積層フィルムB3を構成できる。
また、図4に示すように補強フィルム3とSiOxフィルム21とのSiOx層2とを接着剤層4を設けて積層し、更に、SiOxフィルム21の他の面にヒートシール樹脂層7を接着剤層4により積層したバリア袋用積層フィルムB4を構成できる。
また、ヒートシール樹脂層7は、プライマー層5を設けて溶融押出しコーティングによっても形成することができる。
【0010】
SiOx層2は、図5に示すように製膜したヒートシール樹脂層7に設けて、ヒートシール性SiOxフィルム22を形成し、そのSiOx層2と補強フィルム3とを接着剤層4を設けて積層したバリア袋用積層フィルムB5を構成することもできる。
そして、図示はしないが、ヒートシール性SiOxフィルム22と、補強フィルム3とは、必要によってはプライマー層を設けて接着用樹脂層によるサンドイッチラミネーションによっても構成できる。
【0011】
本発明のバリア袋用フィルムは、基材フィルムにSiOx層を設け、そして、バリア袋は、ヒートシール樹脂層との積層フィルムから構成される。そしてSiOx層は、必ずしも特定の基材フィルムに設けるばかりではなく、絵柄層を設けることができる補強フィルム、又は図5に示すヒートシール樹脂層となるフィルムのいずれにも設けることができる。
例えば、可撓性をもつポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチロール、ポリカーボネート、等の延伸あるいは未延伸フィルムを使用できるが、好ましくは、比較的薄い厚さで精度よく製膜でき、透明性に優れるポリエステルの延伸フィルムがある。
【0012】
また、本発明のバリア袋用フィルムは、袋を形成するために不可欠なヒートシール樹脂層との積層を、接着剤層によるドライラミネーション、必要によってはプライマー層と接着用樹脂を設けて溶融押出しコーティングによるサンドイッチラミネーション等通常に使用されている方法で構成できる。
しかしながら、本発明のSiOxフィルムのSiOx層は、従来の同種のものより延展性に優れるものではあるが、100〜500Åと極薄のものであるから、ラミネーション等の加工工程で機械との接触する機会を最低にするよう配慮する必要はある。
したがって、SiOxフィルムの取扱いは加工の当初にSiOx層と他の材料との積層を施すことが好ましい。
【0013】
SiOx層を形成する有機珪素化合物は、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのなかから選択することができ、好ましくは、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサンである。
【0014】
いずれも液体である上記有機珪素化合物を気化させ、酸素と、不活性ガスであるヘリウム及び/又はアルゴンとを混合した原料ガスをSiOxを付着するフィルムが設置されているプラズマ化学蒸着機に導入して、厚さが60〜500ÅのSiOx層を形成する。
このようにして形成されたSiOx層には、炭素、水素、珪素及び酸素のなかから1種、あるいは2種以上の元素からなる化合物が含有される。例えばC−H結合をもつ化合物、Si−H結合をもつ化合物、または炭素単体がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状になっている場合、更に原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を含む場合がある。
具体的に例を挙げると、メチル基等のアルキル基をもつハイドロカーボン、又は、シリル基、シリレン基をもつハイドロシリカ更にシラノオール等の水酸基をもつ誘導体がある。
上記以外でも、原料ガスの組成、蒸着条件を変化させることにより、バリア層に含有する化合物の種類、量を制御することができる。
【0015】
これらの化合物の含有率はSiOx層の0.1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。この含有率が0.1重量%未満であると、バリア層の耐衝撃性、延展性が不充分となり、曲げなどによってクラックの発生がみられ、高いバリア性を保つことができなくなる。また、40重量%を超えるとバリア性が低下して好ましくない。
また、SiOx層に含まれる上記の炭素、水素、珪素及び酸素のなかから1種、あるいは2種以上の元素からなる化合物の濃度は、SiOx層の表面が高く、表面から基材フィルムとの界面に向かって減少するように形成されている。
このため、最もクラックが発生し易い最表面で耐衝撃性が向上し、基材フィルムとSiOx層との接着は強固なものになる。
【0016】
バリア袋用フィルムの補強フィルムは、最終的に要求される袋用積層フィルムの性質によって選択される。例えば、剛性、折れ適性、ヒートシール強度の付与等の機能の他、高度の絵柄層を形成できる印刷適性に優れたフィルムから、目的、用途によって選択される。一般的には、絵柄層を印刷するフィルム又は、特に密封強度を必要とする場合に設けるものであり、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ナイロン等の延伸あるいは未延伸フィルム、セロファン等のフィルムから選択して使用される。
【0017】
絵柄層の形成は、上記補強フィルムのみならず、SiOxを施したSiOxフィルムのSiOx層に直接設けることもできる。そして、他のフィルムやヒートシール樹脂層とを積層する工程に適するよう巻取りのグラビア輪転印刷で行う。使用するインキは、フィルムへの接着、後加工に適したものであれば、特にその顔料、展色料の種類を問うものではなく、通常の食品包装材料用のインキを使用することができる。そして絵柄層の接着強度を要求されるときは、印刷インキの接着を強固にするプライマー層を設けたり、コロナ放電処理を施したりする。
【0018】
溶融押出しコーティングで形成するヒートシール樹脂層や、接着樹脂層の接着を強固にするプライーマー層は、一般的なポリエチレンイミン系、アルキルチタン系、ポリエーテル型ウレタン系、ポリエステル型ウレタン系のものから用途、材質に応じて適宜選択する。
【0019】
溶融押出しコーティングに使用する接着用樹脂層は、メルトインデックスが3〜15、密度が0.915〜0.930の低密度ポリエチレンや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー等から適宜選択することができる。
【0020】
ヒートシール樹脂層は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アイオノマー、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体等を溶融押出しコーティングしたり、その未延伸フィルムを接着用樹脂層を用いたサンドイッチラミネーション又は接着剤層を用いてドライラミネーションで設けたりすることができる。透明性からは、未延伸ポリプロピレンフィルムとのドライラミネーションが好ましく、ヒートシール強度の強さからは、透明性がやや欠けるが線状低密度ポリエチレンを用いた積層フィルムが好ましい。
【0021】
【作用】
上記のようにして形成されたSiOxフィルムのSiOx層は、有機珪素化合物の蒸気と酸素及び不活性ガスとを含むガスを用いてプラズマ化学蒸着法により形成されているので、その厚さは、60〜500Åで透明性もよく、緻密な連続層であり、柔軟性に富み、そして、酸素透過度は、1 cc /m2・24h以下、水蒸気透過度は、1 g/m2・24h以下である。
SiOx層の表面に多く含まれる炭素、水素、珪素及び酸素のなかから1種、あるいは2種以上の元素からなる化合物は、酸化珪素の層に炭素、水素、酸素を主とする有機系高分子化合物と類似した物性をもたせる作用をもつものと考えられる。したがって、SiOx層は延展性に富み、基材フィルムとの接着強度も高く、SiOxフィルムと他のフィルムとを積層するときに発生するクラックの発生を防止するように作用する。
そして、その積層フィルムを袋として実用に供して、製袋、内容物の充填、包装体を物流輸送をしたときも、積層フィルムのフィルム間で剥離したり、酸素あるいは水蒸気のバリア性が低下したりすることがないものである。
【0022】
【実施例】
実施例について、図面を参照にして説明する。
〔実施例 1〕
図6において、基材フィルムとして、厚さ12μmのポリエステルフィルム11の一方の面にヘキサメチルジシロキサンを気化させて、ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリゥムガス=1:9:8よりなる混合ガスを原料ガスとして、厚さ12μmのポリエステル11にプラズマ化学蒸着法により、SiOx層2を150Åの厚さで設けたSiOxフィルム21を形成した。
該SiOx層2を、V.G.サイエンティフィック社のESCA(Electorn Spectroscopy for Chemical Analysis )を使用して断面層を分析した結果、膜の表面から基材フィルムの界面に向かって、炭素原子含有率が減少していることが認められた。
次いで、SiOxフィルム21のSiOx層2に通常のグラビア印刷法で絵柄層9を設け、更に、ウレタン系接着剤層4を設けて未延伸ポリプロピレン72をドライラミネーションで積層して図6に示すスナック菓子包装に用いるバリア袋用積層フィルムB6を構成した。
【0023】
〔実施例 2〕
実施例1で形成したSiOxフィルム21のSiOx層2に通常のフレキソ印刷法で絵柄層91を設け、更に、絵柄層91に設けたポリエチレンイミン系プライマー層5に溶融押出しコーターで低密度ポリエチレンを厚さ30μmで押出しコーティングしてヒートシール樹脂層としてのポリエチレン層81をもつ図7に示す豆菓子を包装するバリア袋用積層フィルムB7を構成した。
【0024】
〔実施例 3〕
図8に示すように、厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム32の一方の側に、通常のグラビア印刷で絵柄層9を設け、他の面と実施例1で形成したSiOxフィルム21のSiOx層2とをウレタン系接着剤層4によってドライラミネーションし、更に絵柄層9にウレタン系プライマー層5を設け、線状低密度ポリエチレンを厚さ60μmで溶融押出しコーティングを施して、ヒートシール樹脂層としての線状低密度ポリエチレン層82をもつ液体スープに使用するバリア袋用積層フィルムB8を構成した。
【0025】
〔実施例 4〕
図9に示すように厚さ20μm延伸ポリプロピレンフィルム31のコロナ処理面に通常のグラビア印刷で絵柄層9を設け、更にウレタン系プライマー層5を介してエチレン・アクリル酸共重合体(三菱油化(株)製ユカロンEAA X190)62を接着用樹脂層として、実施例1で形成したSiOxフィルム21のコロナ放電処理をしたSiOx層2と上記絵柄層9とを積層した。そして、SiOxフィルム21のポリエステルフィルム11にウレタン系プライマー層5、厚さ15μmのポリエチレン61を接着用樹脂層として、厚さ20μmの未延伸ポリプロピレンフィルム72とをタンデム型溶融押出しラミネーターで積層して、図9に示す顆粒に使用するバリア袋用積層フィルムB9を構成した。
【0026】
【比較例】
酸化珪素を原料として、電子線加熱により1200Åの厚さで、ポリエステルフィルム11に設けた蒸着フィルムを用いて、実施例1と同様に絵柄層9、接着剤層4、ヒートシル樹脂層であるポリプロピレンフィルム72を積層したバリア装用フィルムを構成した。
【0027】
実施例1〜4、及び比較例で構成した積層フィルムについて行った、屈曲テスト前後の酸素透過度、水蒸気透過度、並びに及び接着強度の評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004139446
【0028】
(テスト方法)
・酸素透過度は、MOCON社製OXTRANにより、温度23℃、湿度90%RHの条件で測定。
・水蒸気透過度は、MOCON社製PERMATRANにより、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定。
・屈曲テストは、テスター産業(株)製ゲルボフレックステスターで1000回の屈曲テスト後、上記と同一の条件で酸素透過度、及び水蒸気透過度を測定。・接着強度は、図6〜図9で示す積層フィルムの、SiOxフィルム層2と、積層したフィルムとの間における接着強度を測定し、その剥離部の確認と、剥離強度をJIS─K7128に準じて測定した。剥離部は、いずれもSiOx層と接着剤層との間であった。
・色の評価は積層加工前の蒸着フィルムの色を、目視及び500nmの波長における透過率を測定した。
【0029】
実施例1及び比較例のフィルムを用いて200mm×300mmの袋を作成し、ポテトチップを窒素ガス充填し、温度40℃、湿度90%RHの条件下で20Wの螢光灯を照射して保存して風味の変化を官能で行った結果を表2に示す。
尚、ブランクはアルミニウム箔を含む積層フィルムで、脱酸素剤とともに充填したものを使用した。
【表2】
Figure 0004139446
評価基準
◎:香味の変化は全くなし。
○:若干香味の変化はあるものの商品としての価値がある。
△:香味の変化があり、商品としての価値はなし。
×:異臭を発し、商品としての価値がない。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されておるので、以下に記載されているような効果を奏する。
SiOx層を300Å以下に設けたSiOxフィルムは、無色透明で、柔軟性に富み、そして、酸素透過度、及び水蒸気透過度は、ゲルボテスターの屈曲処理の前後においても変化が少なく、それぞれ1 cc /m2・24h以下、1 g/m2・24h以下である。
SiOx層には、炭素、水素、珪素、及び酸素のなかの1種あるいは2種類以上の元素からなる化合物は、酸化珪素の層が有機系高分子に類似した物性をもたせる作用がある。したがって、SiOx層は、延展性に富み、屈曲テストに充分耐えるものであり、SiOx層とフィルムとの接着強度も300g/15mm巾以上と袋用積層フィルムとしては充分の強さをもち、SiOxフィルムと他のフィルムとの積層や、他の樹脂を溶融押出しコーティング等をする積層加工時にクラックを発生をすることもなく初期のバリア性を維持するものである。そして、その積層フィルムを袋として実用に供して、製袋、内容物の充填したものは、酸素あるいは水蒸気に起因する品質の劣化を防止する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリア袋用フィルムにより構成した積層フィルム例を示す断面概略図である。
【図2】本発明のバリア袋用フィルムにより構成した他の積層構成を示す断面概略図である。
【図3】本発明のバリア袋用フィルムと補強フィルムとの積層構成を示す断面概略図である。
【図4】本発明のSiOx層をヒートシール樹脂層に設けて構成した積層フィルムの例を示す断面概略図である。
【図5】バリア袋用フィルムの実施例の袋体用の積層構成を示す断面概略図である。
【図6】バリア袋用フィルムの袋体用積層構成を示す他の断面概略図である。
【図7】バリア袋用フィルムと補強フィルムを含む積層構成の一例を示す実施例の断面概略図である。
【図8】バリア袋用フィルムと補強フィルムの積層構成の他の一例を示す実施例の断面概略図である。
【図9】バリア袋用フィルムと他の補強フィルムとの積層構成例を示す実施例の断面概略図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム
11 ポリエステルフィルム
2 SiOx層
21 SiOxフィルム
22 ヒートシール性SiOxフィルム
3 補強フィルム
31 延伸ポリプロピレンフィルム
32 延伸ナイロンフィルム
4 接着剤層
5 プライマー層
6 接着用樹脂層
61 ポリエチレン(接着用樹脂層)
62 エチレン・アクリル酸エステル(EAA、接着用樹脂層)
7 ヒートシール樹脂層(フィルム)
72 ポリプロピレン
8 ヒートシール樹脂層(押出しコーティング)
81、82 ポリエチレン(押出しコーティング)
9 絵柄層
91 フレキソ印刷による絵柄層
B1〜B8 バリア袋用積層フィルム

Claims (2)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面にプラズマ化学蒸着法によって設けたバリア層を有し、更に、該バリア層は、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのいずれかからなる有機珪素化合物を気化させ、これと、酸素と、不活性ガスとを混合した原料ガスを使用し、プラズマ化学蒸着法によって形成される、珪素酸化物と、炭素と水素とからなるアルキル基をもつハイドロカ−ボンを含有する連続層からなり、更に、上記のハイドロカ−ボンは、その含有率が、連続層の0.1〜40重量%であり、かつ、その連続層の表面から基材フィルムとの界面に向かって減少している構成からなるバリア袋用フィルムからなり、更に、該バリア袋用フィルムを構成するバリア層の面に、絵柄層を設けた後、ウレタン系接着剤層、または、ポリエチレンイミン系プライマ−層を介して、ヒ−トシ−ル樹脂層を積層することを特徴とするバリア袋用積層フィルム。
  2. 基材フィルムの少なくとも一方の面にプラズマ化学蒸着法によって設けたバリア層を有し、更に、該バリア層は、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンのいずれかからなる有機珪素化合物を気化させ、これと、酸素と、不活性ガスとを混合した原料ガスを使用し、プラズマ化学蒸着法によって形成される、珪素酸化物と、炭素と水素とからなるアルキル基をもつハイドロカ−ボンを含有する連続層からなり、更に、上記のハイドロカ−ボンは、その含有率が、連続層の0.1〜40重量%であり、かつ、その連続層の表面から基材フィルムとの界面に向かって減少している構成からなるバリア袋用フィルムからなり、更に、該バリア袋用フィルムを構成するバリア層の面に、ウレタン系接着剤層、または、ウレタン系プライマ−層と接着用樹脂層を介して、絵柄層を設けた補強フィルムを積層し、更に、該補強フィルムの面、または、上記の基材フィルムの面に、ウレタン系接着剤層、または、ウレタン系プライマ−層と接着用樹脂層を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層を積層することを特徴とするバリア袋用積層フィルム。
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