JP2926254B2 - 天然ジャスミン酸の製造法 - Google Patents

天然ジャスミン酸の製造法

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、天然ジャスミン酸の新規な製造法に関す
る。
従来技術およびその問題点 天然ジャスミン酸は、植物の成長調節機能を有するこ
とがわかっている。例えば、本発明者は、天然ジャスミ
ン酸がオーキシン系植物ホルモンの作用に拮抗すること
を見出した。従って、ジャスミン酸は、植物成長調節剤
として用いることができ、例えば、果実の収穫の改善、
耐公害性の向上などに利用され得る。
また天然ジャスミン酸は、下記のような構造を有し、 ジャスミンの主要芳香成分であるジャスモンの構造に類
以しているため、ジャスミン酸およびそのエステル化合
物の香気は、ジャスモンの香気に極めて近い。従って、
ジャスミン酸は、化粧品の香料、食料品の香料などとし
ても有用である。
従来、天然ジャスミン酸は、高等植物(ソケイ、マツ
リカなど)から直接抽出することにより得られる。しか
しながら、この方法は、植物中に含有されるジャスミン
酸が極めて微量であるため、大量の植物を必要とし、工
業的に利用することができない。
また、ジャスミン酸は、化学合成的に得ることも可能
である。しかしながら、この方法は、安価にかつ比較的
大量にジャスミン酸を得ることができるものの、多くの
反応ステップを経るため、多種の副産物が製造され、分
離精製が困難である。さらに、合成反応システムが空気
中の酸素による酸化を受けやすいため、酸化を防止する
必要があり、合成ステップを更に複雑にする。このよう
にして得られた合成ジャスミン酸は、ラセミ化合物の形
態で得られるため、天然ジャスミン酸(L体)とは構造
上異なり、また脂溶性であるため、人体に取り入れられ
た場合、分解または排泄が容易ではない。
上記のような現状に鑑みて、本発明者は、天然ジャス
ミン酸を低コストで容易に製造できる方法を研究した結
果、或る特定の単細胞微生物および藍藻類に多量のジャ
スミン酸が含有されることを見出し、これらから容易に
抽出分離し得ることを見出した。
即ち、本発明は、「ユーグレナおよび/またはスピル
リナの細胞を抽出分離操作に供することを特徴とする天
然ジャスミン酸の製造法」を提供する。
本発明において植物門および動物門の両門に属する単
細胞ユーグレナとしては、ユーグレナ グラシリス(Eu
glena gracilis)を用いる。ユーグレナ グラシリス
は、河川、池、湖沼などに存在する野生株または葉緑素
が存在するか葉緑素の機能を潜在的に保持する株若しく
は変異株であって良い。
本発明において植物門藍藻類に属するスピルリナとし
ては、スピルリナ マキシマ(Spirulina maxima)を用
いる。スピルリナ マキシマは、河川、池、湖沼などに
存在する野生株または葉緑素が存在するか葉緑素の機能
を潜在的に保持する株若しくは変異株ではあって良い。
上記のユーグレナおよびスピルリナは、通常の培養培
地で通常の方法で培養増殖することができる。例えば、
炭素源として無機物質の炭酸ガスを培養液中に吹き込
み、光合成させることにより、これらの微生物を増殖さ
せても良い。また、培地中に炭素数10〜18の飽和または
不飽和脂肪酸を0.05〜20%添加することにより、上記微
生物におけるジャスミン酸の生合成を促進することがで
きる。増殖させた微生物を過、遠心分離などの通常の
方法により培地から分離し、水洗し、必要に応じてさら
に熱風乾燥または凍結乾燥させて、次いで抽出する。抽
出も、通常の方法によることができる。例えば、上記の
ようにして処理された微生物細胞に60〜80%エタノール
を加え、約3〜5℃の低温で約2日間に亘り緩慢攪拌抽
出し、減圧下にエタノールを留去する。これから酢酸エ
チル可溶中性区を除き、残留する液体を塩酸などの酸で
pH4以下に調整する。次いで、これに酢酸エチルを加え
て、攪拌抽出し、ジャスミン酸を含有する酢酸エチル層
から溶媒を減圧留去して、残渣を無水硫酸ナトリウムで
脱水する。得られたガム状残渣を少量の酢酸エチルに溶
解して、分配カラムクロマトグラフィーにかける。0.5M
ギ酸を飽和させたn−ヘキサン/酢酸エチルの混合物を
移動相として溶離し、得られた1%酢酸エチル(99%n
−ヘキサン)分画を濃縮する。得られたガム状残渣をシ
リカゲル薄層クロマトグラフィーに供し、n−ヘキサン
/酢酸エチル/酢酸(10:2:1,v/v/v)で15cm展開して、
風乾させる。Rf0.27〜0.38の展開部分を酢酸エチルで溶
出させた後、大量のジアゾメタンでメチル化し、分取ガ
スクロマトグラフィーに供して、ジャスミン酸を得る。
このようにして得られたジャスミン酸は、純度90%以上
であり、収量50〜200ng/100g乾燥細胞である。
本発明において、微生物の増殖方法およびジャスミン
酸の抽出方法は、上記の方法に限定されるものではない
ことは言うまでもない。
発明の効果 本発明の方法によれば、高価な高等植物を用いること
なく、河川、池、湖沼などに存在するユーグレナおよび
/またはスピルリナを用いるため、工業的規模の培養
槽、湖沼、池などを利用してこれからを増殖することが
でき、しかもこれらの微生物からのジャスミン酸の抽出
も通常の方法で良く、従って、安価に、容易にかつ大量
に天然ジャスミン酸を得ることができる。
実 施 例 下記に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 ユーグレナ グラシリスの乾燥物1kgを70%エタノー
ル9で2回抽出し、有機層を減圧濃縮した。酢酸エチ
ル可溶中性区を除いた残留液体1.1を1N塩酸でpH3に調
節し、酢酸エチル0.5で3回抽出した。酢酸エチルを
減圧下に留去し、残渣に無水硫酸ナトリウム100gを加え
て脱水して、ガム状物質3.8gを得た。このガム状物質を
シリカゲル分配カラムクロマトグラフィー(シリカゲル
(ワコーゲルC100、和光純薬製)150g、カラム:直径1.
1cm×長さ35cm、固定相:0.5Mギ酸、移動相:n−ヘキサン
/酢酸エチル混合溶媒)に供して、1%酢酸エチル分画
300mlを得た。該分画をただちに減圧濃縮した。濃縮物
にエタノール100mlを加え、更に減圧濃縮して、ガム状
物質1.6gを得た。この内の約1/10量をシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー(シリカゲルF254(メルク社製)0.25
mm厚さ、30×20cm、n−ヘキサン/酢酸エチル/酢酸
(10:2:1,v/v/v)で15cm展開)にかけて、Rf0.27〜0.38
の展開部分を酢酸エチルで溶出した後、だだちに大過剰
のジアゾメタンのエーテル溶液でメチル化した。次い
で、メチル化したものを分取ガスクロマトグラフィー
(日立163型、カラム:1%OV−1(直径3mm×長さ2m)ガ
ラス、カラム温度:160℃、キャリアーガス:窒素、流
量:35ml/分)にかけて、リテンションタイム6.88分の溶
出部分を分取した。分取したジャスミン酸の量は73ngで
あった。即ち、乾燥ユーグレナ細胞1kgからジャスミン
酸730ngが得られた。
実施例2 スピルリナ マキシマの乾燥物1kgを70%エタノール1
0で2回抽出し、有機層を減圧濃縮した。酢酸エチル
可溶中性区を除いた残留液体1.2を0.5N塩酸でpH2に調
整し、酢酸エチル1で2回抽出した。酢酸エチルを減
圧下に留去し、、ガム状物質約3gを得た。このガム状物
質をシリカゲル分配カラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル(ワコーゲルC100、和光純薬製)150g、カラム:直
径1.1cm×長さ35cm、固定相:0.5Mギ酸、移動相:n−ヘキ
サン/酢酸エチル混合溶媒)に供して、1%酢酸エチル
分画500mlを得た。該分画を減圧農縮して、ガム状物質
1.5gを得た。この内の約1/10量をシリカゲル薄層クロマ
トグラフィー(シリカゲルF254(メルク社製)0.3mm厚
さ、30×20cm、n−ヘキサン/酢酸エチル/酢酸(10:
2:1,v/v/v)で15cm展開)にかけて、Rf0.3〜0.5の展開
部分を酢酸エチルで溶出した後、ただちに大過剰のジア
ゾメタンのエーテル溶液でメチル化した。次いで、メチ
ル化したものを分取ガスクロマトグラフィー(日立163
型、カラム:1%OV−1(直径3mm×長さ2m)ガラス、カ
ラム温度:160℃、キャリアーガス:窒素、流量:35ml/
分)にかけて、リテンションタイム6.3分の溶出部分を
分取した。分取したジャスミン酸の量は64ngであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STN) BIOSIS PREVIEWS

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ユーグレナおよび/またはスピルリナの細
    胞から天然ジャスミン酸を採取することを特徴とする天
    然ジャスミン酸の製造法。
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