JP2926139B2 - 2軸角速度/加速度センサ - Google Patents

2軸角速度/加速度センサ

Info

Publication number
JP2926139B2
JP2926139B2 JP5271798A JP27179893A JP2926139B2 JP 2926139 B2 JP2926139 B2 JP 2926139B2 JP 5271798 A JP5271798 A JP 5271798A JP 27179893 A JP27179893 A JP 27179893A JP 2926139 B2 JP2926139 B2 JP 2926139B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angular velocity
displacement
variable capacitance
acceleration
acceleration sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5271798A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07128356A (ja
Inventor
久 矢部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Original Assignee
Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Aviation Electronics Industry Ltd filed Critical Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Priority to JP5271798A priority Critical patent/JP2926139B2/ja
Publication of JPH07128356A publication Critical patent/JPH07128356A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2926139B2 publication Critical patent/JP2926139B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2軸角速度/加速度
センサに関し、特に捻れ式音叉型水晶振動子を使用した
小型、軽量、安価、長寿命、高信頼性を示す2軸角速度
/加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】この発明の従来例を図1および図2を参
照して説明する。図1は回転ビーム型2軸角速度/加速
度センサを示す。円筒ケース11の両端板11aおよび
11bに軸受12および13が固着せしめられており、
これらの軸受に軸支された回転軸21に圧電ビーム回転
体20が固着定されている。圧電ビーム回転体20は2
本のビーム状圧電検出器22aおよび22bより成り、
これらは回転軸21に直角であると共に支持板24を介
して回転軸21に対称的に固定されている。圧電検出器
22aおよび22bは例えば、バイモルフ圧電結晶ビー
ムの両面に電極25aおよび25bを形成したものとす
ることができる。圧電検出器22aおよび22bの自由
端には角速度検出感度を向上せしめるための錘23aお
よび23bが具備される。14はモータ・ステータ、1
5はそのモータ・ロータであり、このロータ15により
回転軸21を高速回転させる。圧電検出器22aおよび
22bの電極25aおよび25bにより検出される検出
出力は回転軸21内の配線を介してスリップ・リング2
4a、24bおよび24cに到達し、ここからブラシ1
6a、16bおよび16c、プリアンプ31aおよび3
1bを介して信号処理回路に送り込まれる。
【0003】図2(a)についてみるに、XおよびY軸
は圧電検出器22aおよび22bの共面内にある直交軸
であり、Z軸はXおよびY軸に直交する軸であって回転
軸21と同軸状態にある。角速度/加速度センサのケー
ス11をX軸を中心に角速度ΩX で回転させると、Z軸
を中心に角速度ΩZ で高速回転している圧電検出器22
aおよび22bにはコリオリ・フォースが作用し、圧電
検出器22aおよび22bは図2(a)において鎖線に
より示される如くに互いに逆位相にたわむ。その結果、
圧電検出器22aおよび22bからは、図2(b)に示
されるが如く、振幅が相等しく位相が180°の正弦波
電圧信号Xa、Xbが得られる。
【0004】角速度/加速度センサのケース11をY軸
を中心に角速度ΩY 回転させた場合も同様である。今度
は、圧電検出器22aおよび22bにZ軸方向の振動加
速度αが加わった場合は、圧電検出器22aおよび22
bは図2(c)において鎖線により示される如く同相に
たわむ。その結果、圧電検出器22aおよび22bから
は図2(d)に示されるが如く、振幅が相等しく同相の
正弦波電圧信号ZaおよびZbが得られる。
【0005】ここで、圧電検出器22aおよび22bの
出力電圧信号の差をとる。この場合、Z軸方向の振動加
速度αに起因する出力電圧信号成分については、互いに
同相であるところから相殺されて零となる一方、X軸回
転角速度成分X=Xa−XbおよびY軸回転角速度成分
Y=Ya−Ybが得られる。X軸回転角速度成分XとY
軸回転角速度成分Yとは位相が90°異なるところか
ら、同期検波することによりこれら両成分を分離取り出
すことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図1に示される2軸角
速度/加速度センサは角速度/加速度を検出する材料と
して圧電検出器を使用したものであるが、図示される通
り部品点数が多く、構造が複雑であり、特にスピン・モ
ータを使用してその回転部の軸受けの摩耗、摩滅による
寿命の制約のあるものである。
【0007】この発明は、摩耗、摩滅部のない捻れ式音
叉型水晶振動子を使用して上述の通りの問題を解消した
2軸角速度/加速度センサを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1:2本のビーム
41を有する捻れ式音叉型水晶振動子を構成する水晶薄
板40の支持部42を、水晶薄板40より剛性が高くビ
ームの振動を妨げない形状寸法を有する2本の溝部55
および56を形成した水晶板50の2枚によりビームの
振動を妨げない様に両側から挟み込み、2本のビーム4
1が2軸角速度/加速度により変位する量を検出する変
位検出電極Cを2本のビーム41および2枚の水晶板4
0に独立して2組形成した可変静電容量型変位検出器を
具備する2軸角速度/加速度センサを構成した。
【0009】そして、請求項2:請求項1に記載される
2軸角速度/加速度センサにおいて角速度が印加された
場合にコリオリ力Fにより2本のビーム41が捻れ方向
と直角な方向に入力角速度の量に比例して変位した状態
で歳差運動することによりこの変位成分を検出し、加速
度が印加された場合に2本のビーム41の加速度の量に
比例して変位した変位成分を検出し、両検出信号を電気
回路により処理する2軸角速度/加速度センサを構成し
た。
【0010】また、請求項3:請求項2に記載される2
軸角速度/加速度センサにおいて、可変静電容量型変位
検出器をビームの振動周波数より充分に高い安定化され
た交流電圧100により駆動し、角速度印加によるビ
ームの歳差運動の振動変位成分である交流信号および
速度印加によるビームの変位成分である交流信号を検出
し、これら交流信号を水晶振発振回路140の発振周波
数に同期して検出する電気回路を具備する2軸角速度/
加速度センサを構成した。
【0011】更に、請求項4:請求項2および請求項3
の内の何れかに記載される2軸角速度/加速度センサに
おいて、捻れ式音叉型水晶振動子により形成される静電
容量を可変静電容量型変位検出器の静電容量とし、可変
静電容量型変位検出器を4組具備し、捻れ式音叉型水晶
振動子の発振周波数と比較して充分に高い安定化された
変位検出器駆動用の交流電圧源器を具備し、2組の可変
静電容量型変位検出器の検出信号出力の差を求める信号
処理回路を2対具備し、各信号処理回路対について2組
の可変静電容量型変位検出器の出力の和を求める回路を
具備する2軸角速度/加速度センサまた、請求項5:請求項4に記載される上述の2軸角速
度/加速度センサにおいて、各信号処理回路対につい
て、角速度の印加によるビームの歳差運動に伴う振動成
分および加速度印加によるビームの変位成分を可変静電
容量型変位検出器の交流信号出力として検出し、これら
交流信号出力について角速度に対する信号処理は差動回
路120に入力して2組の可変静電容量型変位検出器の
出力の差を求め、同期検波回路130に水晶発振回路1
40の発振周波数を印加してして同期検波を行い、平滑
回路150で駆動交流電圧の残留成分を平滑化し、加速
度に対する信号処理は2組の可変静電容量型変位検出器
の内の一方の交流信号出力を差動回路121に入力する
と共に可変静電容量型変位検出器の内の他方の交流信号
出力を反転回路170を介して差動回路121に入力し
て和を求め、平滑回路151で駆動交流電圧の残留成分
を平滑化する2軸角速度/加速度センサを構成 した
【0012】
【実施例】この発明の2軸角速度/加速度センサを図を
参照して説明する。先ず、図3はこの発明の2軸角速度
/加速度センサに使用される可変静電容量変位検出器の
分解斜視図である。この可変静電容量変位検出器は、捻
れ式音叉型水晶振動子40とこれをその両側から挟み込
む2枚の水晶板501 および水晶板502 より成る。こ
の捻れ式音叉型水晶振動子40は捻れ式音叉型振動をす
る2本のビーム411 、ビーム412 および支持部42
より成る。水晶振動子40は水晶薄板を捻れ振動する音
叉を構成する2本のビーム411 、ビーム412 および
支持部42を残して切除することにより切り出されたも
のである。捻れ振動する音叉の2本のビーム411 およ
びビーム412 の双方には、それぞれの上下、左右の計
4面に変位検出電極が形成される。ビーム41に形成さ
れる変位検出電極は、図4に示される通り、ビーム41
1 については電極C11、電極C12、電極C13および電極
14であり、ビーム412 については電極C21、電極C
22、電極C23および電極C24である。これらの変位検出
電極は、2本のビーム411 およびビーム412 が2軸
角速度/加速度により変位したときにこの変位量を検出
する電極であるが、この点については後で説明される。
なお、以上の音叉型水晶振動子40を捻れ式振動子に構
成する技術は周知慣用の技術に属する(USP.4,437,773
参照)。
【0013】水晶板501 および水晶板502 は、その
両側部および中央部に軸方向全長に亘って隆起部52な
い隆起部し54が形成され、結局、両側部の隆起部52
および隆起部54と中央部の隆起部53との間は溝部5
5および溝部56とされる。そして、隆起部52および
隆起部54の内側面、溝部55および溝部56の底面、
および中央の隆起部53の両側面にも、水晶振動子40
の2本のビーム411およびビーム412 に形成される
上述の変位検出電極に対向する変位検出電極が形成され
る。ここで、図5を参照するに、ビーム411 の電極C
11に対向する溝部551 の電極はC11’、電極C12に対
向する隆起部52の電極はC12’、電極C13に対向する
溝部552 の電極はC13’、電極C14に対向する隆起部
53内側面の電極はC14’である。同様に、ビーム41
2 の電極C21に対向する溝部561 の電極はC21’、電
極C22に対向する隆起部53の電極はC22’、電極C23
に対向する溝部562 の電極はC23’、電極C24に対向
する隆起部54内側面の電極はC24’である。
【0014】そして、水晶板501 および水晶板502
は水晶振動子40より剛性を高く構成する。水晶板50
1 および水晶板502 と水晶振動子40とは、図3に示
される順序に重ね合わせて3者一体に接合される。この
接合は水晶振動子40の支持部42と水晶板501 およ
び水晶板502 の支持部との間、および水晶板501
隆起部と水晶板502 の隆起部との間において行われ
る。この接合により形成される水晶板501 と水晶板5
2 との間の空間はは音叉の2本のビーム411および
ビーム412 に対してその振動を妨げることのない形状
寸法の空間とされる。
【0015】ここで、捻れ式音叉型水晶振動子の振動の
仕方を説明するに先だって、スピン軸、角速度入力軸、
出力軸、コリオリ力に関する既知の物理法則について説
明しておく。先ず、一定方向に回転しているコマにその
回転ベクトル(スピン軸)に直角方向の角速度(入力
軸)が加わると、コリオリの力によって、スピン軸、入
力軸の各々に直角な方向(出力軸)回りのトルクが生
じ、コマは回転する。これは歳差運動として周知のこと
であり、従来、ジャイロスコープに応用されている。
(昭 和58年9月10日 産業調査会出版部初版発行
「産業用センサ(応用技術・利用技術)第340頁第
(2)a項」参照)更に、コマを一定方向に回転させ
スピン軸について小さな角度で角振動させた場合、トル
クはこの角振動によって変化をする。即ち、スピン軸、
入力軸の何れにも直角な方向を軸とした角振動が生ず
る。この発明は音叉型水晶振動子を捻れ振動、即ち、小
さな角度で角振動させるものであり、これに相当する。
以下図6参照して説明する。図6は捻れ式音叉型水晶振
動子の振動モードを概念的に説明する図である。図6
(a)は角速度/加速度信号が入力されていない場合の
ビームの振動状態を示す無入力捻れ振動モードを示す。
この無入力捻れ振動モードは、図示される通り、捻れ式
音叉型水晶振動子の長さ方向軸についてビームは捻れ振
動をしている。2本のビームは、次の瞬間、図示される
変形状態からそれぞれの内側が下向きに変位すると共に
外側が上向きに変位した状態をとり、以後、両状態を交
互に捻れ振動を繰り返す。ここで、2本のビームの角振
動の向きについてみると、互いに逆向きに角振動してい
【0016】図6(b)はビームに縦方向軸回りの角速
度が印加された場合のビームの振動状態である角速度印
加振動モードを示す。2本のビームは、図6(a)の捻
れ振動に加えて、角速度印加により生じたコリオリ力に
より捻れ方向と直角な方向にも角速度の量に比例した捻
れ成分を有して歳差運動をしている状態である。図6
(c)はビームに縦方向加速度が印加された場合のビー
ムの振動状態である加速度印加振動モードを示す。ビー
ムは、図6(a)の捻れ振動に加えて、ビームの自由端
側はその慣性に起因して加えられる力の向きとは逆の向
きに屈曲する。
【0017】図7を参照して捻れ振動する水晶振動子の
ビームの振動の状態を具体的に説明する。図7(a)の
如くビームに縦方向軸回りの角速度ωの回転が加えられ
ると、ビームにコリオリ力が加えられ、捻れ方向と入力
軸の何れにも直角な方向を軸とし たトルク作用した結
果、ビームは捻れ方向と直角な方向に変位し、変位した
状態においてその自由端は縦方向に長い歳差運動をする
に到る。即ち、算用数字1→2→3→4の経路に沿って
縦方向に長い単振動をする。 図7(b)の如くビームに
横方向軸回りの角速度ωの回転が加えられる場合も同様
であり、ビームにトルクが作用した結果、ビームは捻れ
方向と直角な方向に変位し、変位した状態においてその
自由端は横方向に長い単振動、歳差運動1→2→3→4
をする。図8を参照して実際の捻れ式音叉型水晶振動子
の振動の状態を説明する。図8(c)の如くビームに縦
方向軸回りの角速度ωの回転が加えられると、2本のビ
ーム411 およびビーム412 にコリオリ力Fが加えら
れるので、これらビームは捻れ方向と直角な方向に変位
し、変位した状態でその自由端は縦方向に長い歳差運動
をするに到る。この縦方向に長い歳差運動により、2本
のビーム411 およびビーム412 は縦方向の単振動を
していることになる。
【0018】図8(d)の如くビームに横方向軸回りの
角速度ωの回転が加えられる場合も同様であり、2本の
ビーム411 およびビーム412 にコリオリ力Fが加え
られるので、これらビームは捻れ方向と直角な方向に
位し、変位した状態でその自由端は横方向に長い歳差運
動1→2→3→4をする。図8(a)は捻れ式音叉型水
晶振動子に縦方向加速度αが印加された場合のビームの
振動状態を示す。ビームは双方共加えられる加速度αの
向きとは逆の向きに同相の力を受け、その向きに屈曲す
る。
【0019】図8(b)は捻れ式音叉型水晶振動子に横
方向加速度αが印加された場合のビームの振動状態を示
す。ビームは、図8(a)の場合と同様に、加えられる
加速度αの向きとは逆の向きに同相の力を受け、その向
きに屈曲する。この発明の可変静電容量変位検出器の捻
れ式音叉型水晶振動子40は、上述した通りに捻れ振動
しながら角速度、加速度入力により変位する。ここで、
捻れ式音叉型水晶振動子がこの如く振動、変位した場
合、この発明の可変静電容量変位検出器に形成された変
位検出電極Cがどの様な関係になるかについて、特に、
図5および図8を参照して説明する。
【0020】(A) 可変静電容量変位検出器に縦方向
角速度ωが印加された場合図5および図8(c)を参照するに、 捻れ式音叉型水晶
振動子40のビーム411 およびビーム412 はコリオ
リ力Fにより捻れ方向と直角な方向にも角速度の量に比
例した捻れ成分を有するに到り、図示される如く逆相に
変位する。従って、電極C 11 相互間は接近すると共に電
極C 13 相互間は離間する一方、電極C 21 相互間は離間す
ると共に電極C 23 相互間は接近する。縦方向角速度ωの
向きが図示される向きとは逆向きの場合は、電極C 11
互間は離間すると共に電極C 13 相互間は接近する一方、
電極C 21 相互間は接近すると共に電極C 23 相互間は離間
する。
【0021】(B) 可変静電容量変位検出器に横方向
角速度ωが印加された場合図5および図8(d)を参照するに、 捻れ式音叉型水晶
振動子40のビーム411 およびビーム412 はコリオ
リ力Fにより捻れ方向と直角な方向にも角速度の量に比
例した捻れ成分を有するに到り、図示される如く逆相に
変位する。従って、電極C 12 相互間は接近すると共に電
極C 14 相互間は離間する一方、電極C 22 相互間は離間す
ると共に電極C 24 相互間は接近する。横方向角速度ωの
向きが図示される向きとは逆向きの場合は、電極C 12
互間は離間近すると共に電極C 14 相互間は接近する一
方、電極C 22 相互間は接近すると共に電極C 24 相互間は
離間する。
【0022】(C) 可変静電容量変位検出器に縦方向
加速度αが印加された場合図5および図8(a)を参照するに、 捻れ式音叉型水晶
振動子40のビーム411 およびビーム412 は、双方
共加えられる縦方向加速度αの向きとは逆の向きに同相
の力Fを受け、その向きに屈曲する。加速度αが図示さ
れる向きの場合は、電極C11相互間および電極C21相互
間は離間する一方、電極C13相互間および電極C23相互
間は接近する。加速度αが図示される向きとは逆の場合
は、電極C11相互間および電極C21相互間は接近する一
方、電極C13相互間および電極C23相互間は離間する。
【0023】(D) 可変静電容量変位検出器に横方向
加速度αが印加された場合図5および図8(b)を参照するに、 捻れ式音叉型水晶
振動子40のビーム411 およびビーム412 は、双方
共加えられる横方向加速度αの向きとは逆の向きに同相
の力Fを受け、その向きに屈曲する。加速度αが図示さ
れる向きの場合、電極C12相互間および電極C22相互間
は離間する一方、電極C14相互間および電極C24相互間
は接近する。加速度αが図示される向きとは逆の場合
は、電極C12相互間および電極C22相互間は接近する一
方、電極C14相互間および電極C24相互間は離間する。
【0024】次に、この発明の2軸角速度/加速度セン
サを図9および図10を参照して説明する。図9は縦方
向軸角速度/加速度の測定に対応し、図10は横方向軸
角速度/加速度の測定に対応する。可変静電容量型変位
検出器の合計16枚の変位検出電極は、特に図5に図示
される通りに対向して合計8個の可変容量を構成する。
これら8個の可変容量の参照記号はC11、C12、C13
14、C21、C22、C23、C24とする。これら8個の可
変容量を図9および図10に図示される通りに2個づつ
組み合わせ使用して変位検出用の差動ブリッヂ回路を4
個構成する。即ち、捻れ式音叉型水晶振動子40のビー
ム411 により形成される可変容量C11および可変容量
13を使用して第1のブリッヂ回路を構成する。ビーム
412 により形成される可変容量C21および可変容量C
23を使用して第2のブリッヂ回路を構成する。ビーム4
1 により形成される可変容量C12および可変容量C14
を使用して第3のブリッヂ回路を構成する。そして、ビ
ーム412 により形成される可変容量C22および可変容
量C24を使用して第4のブリッヂ回路を構成する。そし
て、これら差動ブリッヂ回路はその接続端子Aおよび接
続端子Bを介して、或は接続端子αおよび接続端子βを
介して交流電圧源100により交流駆動される。
【0025】ここで、可変静電容量型変位検出器の第1
のブリッヂ回路および第2のブリッ ヂ回路により縦方向
軸角速度/加速度を検出することができるが、これを図
9および図8(c)を参照して説明する。無入力の場合
は、2本のビーム41 1 およびビーム41 2 が単に捻れ
振動をしているのみであるので、可変容量C 11 と可変容
量C 13 の間に容量差は生じないし、可変容量C 21 と可変
容量C 23 の間にも容量差は生じない。この状態におい
て、第1のブリッヂ回路および第2のブリッヂ回路は平
衡している。ここで、接続端子C、D、C’およびD’
の出力電圧波形は、図11(a)に示される如く振幅一
定の出力電圧波形である。ところが、図示される向きに
角速度ωの回転が加えられると、2本のビーム411
よびビーム412 にコリオリ力Fが加えられるので、こ
れらビームは先に説明した通り捻れ方向と直角な方向に
変位し、変位した状態でその自由端は縦方向に長い歳差
運動をするに到る。従って、可変容量C 11 の静電容量は
増加するのに対して、可変容量C 13 の静電容量は逆に減
少する。そして、可変容量C 21 の静電容量は減少するの
に対して、可変容量C 23 の静電容量は増加する。図示さ
れる向きとは逆向きの角速度ωの回転が加えられると、
可変容量C 11 の静電容量は減少するのに対して、可変容
量C 13 の静電容量は逆に増加する。そして、可変容量C
21 の静電容量は増加するのに対して、可変容量C 23 の静
電容量は減少する。可変容量C11ないし可変容量C24
静電容量が上述した通りに変化することにより、接続端
子CとDの間の電圧は図11(b)に示される如くビー
ムの振動周波数により振幅変調された様な電圧波形とな
る。接続端子C’、D’の電圧は図11(c)に示され
る如くビームの振動周波数により振幅変調された様な電
圧波形となる。図11(b)に示される電圧波形と図1
1(c)に示される電圧波形とは互いに逆位相である。
【0026】これら電圧波形を検波差動回路110によ
り半波整流した結果の電圧である点F、E、J、Hの電
圧は、それぞれ、図12(a)ないし図12(d)に示
される如きものとなる。検波差動回路110の出力であ
る点Gおよび点Kの電圧を図13(a)、図13(b)
に示す。これら点GおよびKの電圧を入力電圧とする差
動回路120の出力電圧である点Lの電圧は図13
(c)に示される如きものである。図13(c)は角速
度ωの向きに左右されて、ビームの発振周波数と点Lの
電圧とが同相である場合を示す。これは図13(a)と
相似形である。ビームの発振周波数と点Lの電圧とが逆
相である場合、図13(c)とは逆になり丁度図13
(b)と相似形となる。130はビームの変位成分であ
る交流信号を検出し、この交流信号を水晶振動子の発振
周波数に同期して検出する同期検波回路であり、この同
期検波回路130の出力電圧である点Nの電圧は図13
(c)の場合、図14(a)に示されるが如きものであ
り、図13(c)と逆の場合は図14(b)に示される
が如きものである。図14(a)および図14(b)に
おいて、直線Pは角速度ωに比例した電圧を示す。とこ
ろで、詳細な説明は省略するが、一定方向に回転してい
るコマに一定の入力角速度が加わる様な場合は歳差運動
する方向も一定方向であるのに対して、この実施例の如
く往復運動する捻れ運動するビームの場合、入力角速度
が一定であっても、歳差運動する方向は単振動(=往復
運動)になる。従って、入力角速度を検出するには、単
振動(=往復運動)するビームの振動周波数と同期させ
て出力を処理する同期検波を適用する必要がある。
【0027】次に、可変静電容量型変位検出器に縦方向
加速度αが印加された図8(a)の場合について説明す
る。ビーム411 およびビーム412 は、双方共、加え
られる加速度αの向きとは逆向きに同相の力F=mαを
受け、その向きに屈曲する。この場合、可変容量C 11
静電容量は減少するのに対して可変容量C 13 の静電容量
は共に増加する一方、可変容量C 21 の静電容量は減少す
るのに対して可変容量C 23 の静電容量は増加する。その
結果、接続点CおよびC’の電圧は中立点にある場合よ
り上昇する。即ち、接続点CおよびC’の電圧は図15
(a)の如くになり、接続点DおよびD’の電圧は図1
5(b)の如くになる。
【0028】この様にして接続点Cおよび接続点D間、
接続点C’および接続点D’間に生じた変位検出信号を
半波整流した点F、E、J、Hの電圧は、図16(a)
ないし図16(d)に示される如きものになる。差動回
路121の出力電圧である点Rの電圧は図17(a)に
示される点Gの電圧に反転回路を介して図17(b)に
示される点Kの電圧を相加したものに等価的に等しい。
この点Rの電圧は図17(c)に示されるが如きもので
ある。なお、相加することにより角速度成分は相殺され
る。従って加速度零の状態における電圧を基準とすれ
ば、加速度により変化した信号を求めることができる。
【0029】以上は、図9を参照して第1のブリッヂ回
路および第2のブリッヂ回路を含む可変静電容量型変位
検出器により縦方向軸角速度/加速度を検出する説明で
あったが、図10を参照して第3のブリッヂ回路および
第4のブリッヂ回路を含む可変静電容量型変位検出器に
より全く同様に横方向軸角速度/加速度を検出すること
ができるので、これについての説明は省略する。上述の
通りにして、可変静電容量型変位検出器を4組具備し、
2組の可変静電容量型変位検出器を2対構成し、各対に
よりそれぞれ1軸角速度/加速度を検出して合計して2
軸の角速度/加速度を検出することができる
【0030】上述の可変静電容量型変位検出器の駆動
交流電圧源100により行うものであるが、駆動を直流
電圧により行うと下記の通りになる。即ち、振動子に角
速度が加わった場合、振動子はコリオリ力により必ず捻
れ方向と直角な方向にも捻れ振動成分を有してその自由
端は歳差運動をするに到るので、直流電界中においても
電極に交流電圧を発生する。しかし、加速度が加わった
場合、加速度の周波数が低いと電極に電圧が発生しにく
いことから、加速度信号の検出には交流駆動を採用する
ことが前提となる。
【0031】
【発明の効果】上述の通りであって、この発明は捻れ式
音叉型水晶振動子と、これに対向してこれとの間に可変
容量を形成する変位検出電極を形成した水晶板とにより
可変静電容量変位検出器を構成し、これにより2軸角速
度/加速度を検出するものであるので部品点数は少な
く、構造は極く単純であり、また回転部は存在しないの
で軸受けの摩耗、摩滅による寿命の制約はないものであ
ると言うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2軸角速度/加速度センサの従来例を示す図。
【図2】圧電ビーム回転体を説明する図。
【図3】この発明の可変静電容量変位検出器を説明する
図。
【図4】この発明の水晶薄板および変位検出電極を説明
する図。
【図5】この発明の可変静電容量変位検出器の横方向断
面を説明する図。
【図6】捻れ式音叉型水晶振動子の振動モードを概念的
に示す図。
【図7】捻れ式音叉型水晶振動子の振動の状態を説明す
る図。
【図8】捻れ式音叉型水晶振動子の振動の状態を説明す
る図。
【図9】この発明の2軸角速度/加速度センサを説明す
る図。
【図10】この発明の2軸角速度/加速度センサを説明
する図。
【図11】可変静電容量型変位検出器中の点の電圧を示
す図であり、(a)は2本のビームが上下方向に変位し
ていない場合の点C、D、C’、D’の電圧、(b)は
2本のビームが上下方向に単振動している場合の点C、
D’の電圧、(c)は2本のビームが上下方向に単振動
している場合の点C’、Dの電圧を示す図。
【図12】出力電圧波形を半波整流回路により半波整流
した結果の電圧であり、(a)は点Fの電圧、(b)は
点Eの電圧、(c)は点Jの電圧、(d)は点Hの電圧
を示す図。
【図13】(a)は点Gの電圧、(b)は点Kの電圧、
(c)は点Lの電圧を示す図。
【図14】位相弁別器の出力電圧である点Nの電圧を示
し、(a)は図7(a)に対応する図、(b)は図8
(b)に対応する図。
【図15】(a)は点C、C’の電圧、(b)は点D、
D’の電圧。
【図16】(a)は点Fの電圧、(b)は点Eの電圧、
(c)は点Jの電圧、(d)は点Hの電圧を示す図。
【図17】(a)は点Gの電圧、(b)は点Kの電圧、
(c)は点Rの電圧を示す図。
【符号の説明】
40 水晶薄板 41 ビーム 42 支持部 55 溝部 56 溝部 C 変位検出電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−128355(JP,A) 特開 昭62−93668(JP,A) 特開 昭61−164109(JP,A) 特開 昭61−93907(JP,A) 特開 昭60−192206(JP,A) 特開 昭60−239613(JP,A) 特開 昭60−113105(JP,A) 特開 昭60−47913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01C 19/00 - 19/72 G01P 9/04 G01P 15/125

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2本のビームを有する捻れ式音叉型水晶振
    動子を構成する水晶薄板の支持部を水晶薄板より剛性が
    高くビームの振動を妨げない形状寸法を有する2本の溝
    部を形成した水晶板2枚によりビームの振動を妨げない
    様に両側から挟み込み、2本のビームが2軸角速度/加
    速度により変位する量を検出する変位検出電極を2本の
    ビームおよび2枚の水晶板に独立して2組形成した可変
    静電容量型変位検出器を具備することを特徴とする2軸
    角速度/加速度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される2軸角速度/加速
    度センサにおいて、 角速度が印加された場合にコリオリ力により2本のビー
    ムが捻れ方向と直角な方向に入力角速度の量に比例して
    変位した状態で歳差運動することによりこの変位成分を
    検出し、加速度が印加された場合に2本のビームの加速
    度の量に比例して変位した変位成分を検出し、両検出信
    号を電気回路により処理する2軸角速度/加速度セン
    サ。
  3. 【請求項3】請求項2に記載される2軸角速度/加速度
    センサにおいて、 可変静電容量型変位検出器をビームの振動周波数より充
    分に高い安定化された交流電圧により駆動し、角速度
    印加によるビームの歳差運動の振動変位成分である交流
    信号および加速度印加によるビームの変位成分である交
    流信号を検出し、これら交流信号を水晶振発振回路の発
    振周波数に同期して検出する電気回路を具備する2軸角
    速度/加速度センサ。
  4. 【請求項4】請求項2および請求項3の内の何れかに記
    載される2軸角速度/加速度センサにおいて、捻れ式音叉型水晶振動子により形成される静電容量を可
    変静電容量型変位検出器の静電容量とし、可変静電容量
    型変位検出器を4組具備し、捻れ式音叉型水晶 振動子の
    発振周波数と比較して充分に高い安定化された変位検出
    器駆動用の交流電圧源器を具備し、2組の可変静電容量
    型変位検出器の検出信号出力の差を求める信号処理回路
    を2対具備し、各信号処理回路対について2組の可変静
    電容量型変位検出器の出力の和を求める回路を具備する
    2軸角速度/加速度センサ
  5. 【請求項5】 請求項4に記載される上述の2軸角速度
    /加速度センサにおいて、 各信号処理回路対について、角速度の印加によるビーム
    の歳差運動に伴う振動成分および加速度印加によるビー
    ムの変位成分を可変静電容量型変位検出器の交流信号出
    力として検出し、これら交流信号出力について角速度に
    対する信号処理は差動回路に入力して2組の可変静電容
    量型変位検出器の出力の差を求め、同期検波回路に水晶
    発振回路の発振周波数を印加してして同期検波を行い、
    平滑回路で駆動交流電圧の残留成分を平滑化し、加速度
    に対する信号処理は2組の可変静電容量型変位検出器の
    内の一方の交流信号出力を差動回路に入力すると共に可
    変静電容量型変位検出器の内の他方の交流信号出力を反
    転回路を介して差動回路に入力して和を求め、平滑回路
    で駆動交流電圧の残留成分を平滑化する2軸角速度/加
    速度センサ
JP5271798A 1993-10-29 1993-10-29 2軸角速度/加速度センサ Expired - Fee Related JP2926139B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5271798A JP2926139B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 2軸角速度/加速度センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5271798A JP2926139B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 2軸角速度/加速度センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07128356A JPH07128356A (ja) 1995-05-19
JP2926139B2 true JP2926139B2 (ja) 1999-07-28

Family

ID=17505007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5271798A Expired - Fee Related JP2926139B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 2軸角速度/加速度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2926139B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3498209B2 (ja) 1999-10-25 2004-02-16 株式会社村田製作所 外力検知センサ装置
JP4879252B2 (ja) 2008-12-03 2012-02-22 日立オートモティブシステムズ株式会社 角速度検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07128356A (ja) 1995-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6151964A (en) Angular velocity sensing device
US4930351A (en) Vibratory linear acceleration and angular rate sensing system
JP3342496B2 (ja) 回転速度ジャイロスコープ
US6321598B1 (en) Angular velocity sensor device having oscillators
JPH11183179A (ja) 検出器
JPH10191657A (ja) マイクロアクチュエータの相補型静電駆動装置
US7188523B2 (en) Vibrating mass gyroscope and method for minimizing bias errors therein
JP3332460B2 (ja) 角速度検出方法および振動ジャイロ
JP3307907B2 (ja) マイクロジャイロスコープ
JPH0654235B2 (ja) 振動式角速度計
JP2000074673A (ja) 複合運動センサ
JP4112684B2 (ja) 振動ジャイロ
JP2926139B2 (ja) 2軸角速度/加速度センサ
JPH02218914A (ja) 振動ジャイロ
JPH02129514A (ja) 角速度センサー
JP2001133268A (ja) 角速度センサ
JPH08327366A (ja) 振動型ジャイロスコープ
JP2869514B2 (ja) 1軸角速度/加速度センサ
JPH08184448A (ja) 角速度センサ
JPH0762616B2 (ja) 振動ジャイロ
JPH0429012A (ja) 振動ジャイロ
JP3756668B2 (ja) 複合センサ
JPH11230760A (ja) 半導体振動ジャイロセンサ
JP2521493B2 (ja) 振動ジャイロ
JP2002277247A (ja) 振動ジャイロ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990323

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees