JP3756668B2 - 複合センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ひとつのセンサを用い、このセンサの一部を伸縮振動(縦振動)させ、更に屈曲振動に変換して、特定方向に振動する固有振動を誘起し、このセンサが移動・回転することにより発生する慣性力の作用で、初期振動方向からズレた変化分を検出・制御回路により電気的に検出する方法で角速度と加速度の異なるふたつの物理量を同時に、かつ、独立して検出する複合センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、それぞれ、センサと検出・制御回路を一体とした角速度センサユニット、或いは加速度センサユニットが別々に存在して有り、これらを単独、或いは組み合わせて必要とする物理量を検出していた。その為、システム全体の大きさは非常に大きなものになっていた。
なお、角速度センサユニットと、加速度センサユニットとを組み合わせ、更に、2つの情報を積分回路等を用いて処理することで、移動体の3次元変動量を正確に知ることが出来る為、航空機の慣性航法システム、自動車の自立航法システム、軌跡記録、姿勢制御、工場内の自動搬送システムなど幅広い分野で使用される。
【0003】
それでは、従来からこれらの検出によく使用される角速度センサと加速度センサについて述べる。
角速度センサユニットでは、リング状のガラス管(共振器)の中でHe-Ne レーザ光をプラズマ放電により発生させ、ガラス管の中をCW、CCW の方向に進行する光の共振系を作る。これに、回転が印加されるとCW、CCW 光の共振器内1周に要する時間に差が生じ(サニャック効果)、2方向の光の周波数差が発生し、この時の干渉縞の移動速度と方向をフォトセンサで検出するリングレーザジャイロユニット(RLG )や、円筒形状に巻いたガラスファイバの両端からレーザ光を入射させ、前記同様、CW、CCW 光を作り、外部から回転が加えられた時、サニャック効果により発生した光の干渉を検出するファイバーオプティックジャイロユニット(FOG )が有り、近年では、価格的に安価、かつ、小型化が可能な圧電振動式角速度センサユニット(PVG )が急速に市場に出回るようになった。
【0004】
ここでは、圧電材料として水晶を用いた圧電振動式角速度センサの動作原理について、述べる。
図7は水晶を用いた従来の角速度センサの要部を示す図である。図7において、(a)は平面図、(b)は図7(a)をE方向から見た図である。同図において、1は音叉型の振動子素子(水晶板)、2−1〜2−4は励振用の電極板、3−1〜3−4は角速度検出用の電極板であり、励振用の電極板2−1〜2−4を励振電極2の構成要素とし、角速度検出用の電極板3−1〜3−4を検出電極3の構成要素としている。励振用の電極板2−1〜2−4は振動子素子1の一方の脚部1−1の表裏および左右の面に、検出用の電極板3−1〜3−4は振動子素子1の他方の脚部1−2の左右の面に形成されている。脚部1−1および1−2は、この脚部1−1および1−2に対して平行な軸線Lを有する主軸1−3から分岐されており、脚部1−1,1−2と主軸1−3とは共通の平面に位置している。
【0005】
この角速度センサにおいては、図7(b)に示されるように、励振用の電極板2−1と2−3とが端子P1に共通に接続され、励振用の電極板2−2と2−4とが端子P2に共通に接続され、この端子P1とP2との間に交流電圧(励振振動信号)eが印加される。このため、ある時は図7(b)中脚部1−1に矢印で示す如く電界が発生し、次には逆方向の電界が発生することにより、逆圧電効果により振動子素子1の一方の脚部1−1が、更に他方の脚部1−2も連動して、左右に振動(屈曲振動)する。
【0006】
ここで、脚部1−1,1−2の振動方向をX軸方向、このX軸方向と直交する紙面内の方向、すなわち主軸1−3の軸線Lの方向をY軸方向、このX−Y平面と直交する方向(振動子素子1の板面に垂直な方向)をZ軸方向とした場合、Y軸の回りに角速度が作用すると、すなわち振動子素子1がY軸の回りに回転すると、コリオリの力によりZ軸方向の振動成分が生じ、振動子素子1がZ軸方向成分をもって紙面に対し斜めに振動(屈曲振動)する。このZ軸方向の振動成分の大きさはコリオリの力に比例しているので、振動子素子1の他方の脚部1−2には圧電効果により、角速度に比例した大きさで振動の方向に応じた極の電荷が発生する。
【0007】
これにより、検出用の電極板3−1と3−4とを共通に接続した端子P3と、検出用の電極板3−2と3−3とを共通に接続した端子P4との間に電荷が発生し、コリオリの力に応じた電圧信号esが得られる。この電圧信号esの大きさによって、Y軸の回りに作用する角速度の大きさを知ることができる。また、この電圧信号esは基本的にサインカーブとして得られ、この電圧信号esの波形と励振振動信号eの波形(励振波形)とを位相比較することにより、その位相の進み遅れで角速度の方向を知ることができる。
【0008】
一方、加速度センサユニットでは、Siなど単結晶を使用して平板を形成しその片面に錘を付加する。少なくとも平板の1面に電極を構成し、この構造体をバネ構造を持つ支持体で外枠に固定する。そして、平板上に構成した電極と対向して平行に一定の間隔を維持して固定電極を配し、加速度が印加されたとき、その大きさに応じて錘にかかる慣性力で平板が変形し2電極間の距離が変動する。これを容量値変化として検出する静電容量式加速度センサユニットや、固有振動する振動子上に錘を付加した構造で、加速度が印加されたときその大きさに応じて錘にかかる慣性力により振動子の固有振動を束縛する為、振動子の振動周波数が加速度の大きさに応じて変化するのを周波数変化として検出する振動式加速度センサユニットなどがある。
【0009】
ここでは、一般に広く用いられている静電容量式加速度センサの動作原理について述べる。
Siを材料とする、いわゆる半導体センサ構造体は、フォトリソグラフィ法によりエッチングで加工される。従って、上記のセンサ構造体部分、すなわち、外枠、バネ構造をした支持体、平板及び 錘は、電極が構築された状態で立体的に一体化して形成される。そして、対向電極部分近傍には、検出・制御などの回路が構築され、センサ構造体部分を陽極接合などにより電極間ギャップを確保して固定出来る構造を有している。今、電極面に平行な一方向に加速度が発生すると、平板上の片側の面に構築された錘には慣性力が働き平板が波打つ様に変形し、それに伴い電極間ギャップも変化する。その為、二電極間の静電容量値が変化する。この変化量が加速度の大きさに応じて変化するので、これを検出すれば加速度の大きさを知ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、それぞれのセンサユニットが単独で別々に存在し、これらを組み合わせ積分回路等を付加する事で慣性航法システムや、自立航法システム等を構築していた。その為、装置全体が大きくなり、小型化が困難で有ると同時にコスト面でも高いものになっていた。
【0011】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、センサの高安定・高精度検出・小型化、および、センサユニット全体の小型化とを目的に、ひとつのセンサを用い、角速度と加速度の大きさを独立して検出し、それぞれ処理回路で出力可能とし、小型で省スペース対応、ローコストで有りながら異なった2種類の物理量を、安定、かつ、高精度で計測する能力を備えた複合センサを提供することにある。
また、完全対称の電極構成により対称的な電界発生から生み出される純粋な伸縮振動により、第1の枝部、更に、検出用枝部に純粋な屈曲振動を誘発させる事を可能とし、従来のコリオリ力を応用した圧電振動式センサの宿命とされる「振動モレ」(励振振動が、検出側に影響する現象。検出側の振動モードに影響したり、電気的に影響を与える現象で、環境温度に対し不安定な為、検出信号の信頼性、精度を著しく劣化させる。)を大幅に減少させる事の可能な複合センサを提供することにある。
なお、「振動モレ」現象は、形状構造上のアンバランス、電極構成上のアンバランス、電極間の信号リーク、駆動側、検出側の振動数差の状態などが原因とされている。この中でも、電極構成・配置について、従来の様に、励振の手段として屈曲振動を起用するならば、その電極配置上どうしてもアンバランスに構成せざるを得ず、その結果、非対称電界による励振により異常な振動モードが発生し、振動モレの大きいセンサとなる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1発明(請求項1に係る発明)は、その両端が支持固定された第1の枝部と、この第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する一方向および他方向に延びその先端が支持固定された第2および第3の枝部と、第1の枝部の一方の端部と中央部との間の枝面から第2,第3の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第4の枝部および第5の枝部と、第1の枝部の他方の端部と中央部との間の枝面から第2,第3の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第6の枝部および第7の枝部とを備え、第1の枝部の長手方向に平行な方向をX軸方向、第2,第3の枝部の長手方向に平行な方向をY軸方向、X−Y平面と直交する方向と平行な方向をZ軸方向とし、第5および第7の枝部が第1の枝部との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きく、かつ第5および第7の枝部の重心位置がX軸方向の互いに異なる方向に偏心している振動子素子(センサ)と、第2の枝部および第3の枝部の枝面に形成された励振電極により、交流電圧の印加を受けて第2の枝部および第3の枝部をY軸方向へ逆相で伸縮振動させ、この励振した伸縮振動によって第1の枝部をX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動させ、この屈曲振動によって更に第4の枝部,第5の枝部,第6の枝部および第7の枝部をX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動させる励振構造と、第4の枝部および第6の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第4の枝部および第6の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、振動子素子がY軸の回りに回転した場合、この第4の枝部および第6の枝部が慣性により生じるZ軸方向成分による屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第1の検出構造と、第5の枝部および第7の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第5の枝部および第7の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、振動子素子へZ軸方向の加速度が作用した場合、この第5の枝部および第7の枝部が慣性により生じるねじれ現象から誘発される屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第2の検出構造とを設けたものである。
【0014】
この発明によれば、励振電極に交流電圧を印加すると、第2の枝部および第3の枝部がY軸方向へ逆相で伸縮振動し、この伸縮振動によって第1の枝部がX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動し、この屈曲振動によって第4の枝部,第5の枝部,第6の枝部および第7の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動する。
この状態で、Y軸の回りに角速度が作用すると、コリオリの力がX軸と直交するZ軸方向に働き、その結果、第4の枝部,第5の枝部,第6の枝部および第7の枝部がZ軸方向成分をもって逆相で屈曲振動する。そして、この屈曲振動によって第4の枝部および第6の枝部にはZ軸方向成分に対応した電荷がその検出電極より取り出され、この取り出された電荷量に基づいてY軸の回りに作用する角速度の大きさが検出される。この時、第5,第7の枝部は電極構造から逆相モードの電荷が打ち消されるので、角速度は検出されない。
また、振動子素子へZ軸方向の加速度が作用すると、第5の枝部および第7の枝部に慣性によるねじれ現象が生じ、更に枝部が偏心しているため、ねじれが同相モードの屈曲振動を誘発する。それによる電荷を検出電極より取り出し、この取り出された電荷量に基づいて振動子素子のZ軸方向に作用する加速度の大きさが検出される。なお、第4,第6の枝部は電極構造から同相モードの電荷が打ち消されるので、加速度は検出されない。
従って、2つの物理量は独立して検出が可能となる。
【0015】
第2発明(請求項2に係る発明)は、その両端が支持固定された第1の枝部と、この第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する一方向に延びその先端が支持固定された第2の枝部と、第1の枝部の一方の端部と中央部との間の枝面から第2の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第3の枝部および第4の枝部と、第1の枝部の他方の端部と中央部との間の枝面から第2の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第5の枝部および第6の枝部とを備え、第1の枝部の長手方向に平行な方向をX軸方向、第2の枝部の長手方向に平行な方向をY軸方向、X−Y平面と直交する方向と平行な方向をZ軸方向とし、第4および第6の枝部が第1の枝部との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きく、かつ第4および第6の枝部の重心位置がX軸方向の互いに異なる方向に偏心している振動子素子(センサ)と、第2の枝部の枝面に形成された励振電極により、交流電圧の印加を受けて第2の枝部をY軸方向へ伸縮振動させ、この励振した伸縮振動によって第1の枝部をX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動させ、この屈曲振動によって更に第3の枝部,第4の枝部,第5の枝部および第6の枝部をX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動させる励振構造と、第3の枝部および第5の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第3の枝部および第5の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、振動子素子がY軸の回りに回転した場合、この第3の枝部および第5の枝部が慣性により生じるZ軸方向成分による屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第1の検出構造と、第4の枝部および第6の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第4の枝部および第6の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、振動子素子へZ軸方向の加速度が作用した場合、この第4の枝部および第6の枝部が慣性により生じるねじれ現象から誘発される屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第2の検出構造とを設けたものである。
【0016】
この発明によれば、励振電極に交流電圧を印加すると、第2の枝部がY軸方向へ伸縮振動し、この伸縮振動によって第1の枝部がX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動し、この屈曲振動によって第3の枝部,第4の枝部,第5の枝部および第6の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動する。
この状態で、Y軸の回りに角速度が作用すると、コリオリの力がX軸と直交するZ軸方向に働き、その結果、第3の枝部,第4の枝部,第5の枝部および第6の枝部がZ軸方向成分をもって逆相で屈曲振動する。そして、この屈曲振動によって3の枝部および第5の枝部はZ軸方向成分に対応した電荷がその検出電極より取り出され、この取り出された電荷量に基づいてY軸の回りに作用する角速度の大きさが検出される。この時、第4,第6の枝部は電極構造から逆相モードの電荷が打ち消されるので、角速度は検出されない。
また、振動子素子へZ軸方向の加速度が作用すると、第4の枝部および第6の枝部に慣性によるねじれ現象が生じ、更に枝部が偏心しているため、ねじれが同相モードの屈曲振動を誘発する。それによる電荷を検出電極より取り出し、この取り出された電荷量に基づいて振動子素子のZ軸方向に作用する加速度の大きさが検出される。なお、第3,第5の枝部は電極構造から同相モードの電荷が打ち消されるので、加速度は検出されない。
従って、2つの物理量は独立して検出が可能となる。
【0017】
第3発明(請求項3に係る発明)は、第2発明において、第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する一方向に延びその先端が支持固定された第2の枝部に代えて、第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する他方向に延びその先端が支持固定された第2の枝部を設けたものである。この発明によれば、第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する他方向に延びた第2の枝部がY軸方向へ伸縮振動し、第2発明と同様にして、Y軸の回りに作用する角速度およびZ軸方向に作用する加速度の大きさが検出される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に基づき詳細に説明する。
〔基本原理:第1発明〕
図1(a)はこの発明の基本原理を説明する図である。同図において、Aは振動子素子(センサ)であり、その材料は金属、セラミックス、単結晶など、どれを用いても構わないが、ここでは水晶板で説明する。振動子素子Aは第1の枝部A1と第2の枝部A2と第3の枝部A3と第4の枝部A4と第5の枝部A5と第6の枝部A6と第7の枝部A7とからなる。
【0019】
第1の枝部A1はその両端が支持固定されている。第2の枝部A2および第3の枝部A3は第1の枝部A1のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する一方向および他方向に延びその先端が支持固定されている。第4の枝部A4および第5の枝部A5は第1の枝部A1の一方の端部と中央部との間の枝面から第2の枝部A2,第3の枝部A3の長手方向と平行する一方向および他方向に延びている。第6の枝部A6および第7の枝部A7は第1の枝部A1の他方の端部と中央部との間の枝面から第2の枝部A2,第3の枝部A3の長手方向と平行する一方向および他方向に延びている。枝部A1〜A7は共通の平面に位置している。
【0020】
この振動子素子Aにおいて、第1の枝部A1の長手方向に平行な方向をX軸方向、第2の枝部A2,第3の枝部A3の長手方向に平行な方向をY軸方向、X−Y平面と直交する方向と平行な方向をZ軸方向とする。ここで、第5の枝部A5は、第1の枝部A1との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きく形成され、かつその重心位置がX軸方向の一方に偏心している。また、第7の枝部A7は、第1の枝部A1との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きく形成され、かつその重心位置がX軸方向の他方に偏心している。すなわち、この例では、枝部A5が枝部A1の付け根部から先端へ向けて枝部A1の一方の端部側に拡がる傾斜形状とされ、枝部A7が枝部A1の付け根部から先端へ向けて枝部A1の他方の端部側に拡がる傾斜形状とされている。
【0021】
なお、この例では、枝部A5を枝部A1の付け根部から先端へ向けて枝部A1の一方の端部側に拡がる傾斜形状とし、枝部A7を枝部A1の付け根部から先端へ向けて枝部A1の他方の端部側に拡がる傾斜形状としたが、図1(b)に示すように、枝部A5を枝部A1の付け根部から先端へ向けて枝部A1の他方の端部側に拡がる傾斜形状とし、枝部A7を枝部A1の付け根部から先端へ向けて枝部A1の一方の端部側に拡がる傾斜形状とするようにしてもよい。また、この例では傾斜形状としたが、必ずしも傾斜形状としなくてもよい。すなわち、第5の枝部A5および第7の枝部A7の重心位置がX軸方向の互いに異なる方向に偏心していればよく、その形状は傾斜形状に限られない。
【0022】
このように構成された振動子素子Aに対して、その第2の枝部A2の対向する枝面A21およびA22ならびに第3の枝部A3の対向する枝面A31およびA32に励振電極(図示せず)を形成する。また、第4の枝部A4の対向する枝面A41およびA42ならびに第6の枝部A6の対向する枝面A61およびA62に、角速度検出用の検出電極(図示せず)を形成する。また、第5の枝部A5の対向する枝面A51およびA52ならびに第7の枝部A7の対向する枝面A71およびA72に、加速度検出用の検出電極(図示せず)を形成する。
【0023】
そして、第2の枝部A2および第3の枝部A3に形成された励振電極へ交流電圧(励振振動信号)eを印加し、枝部A2およびA3をY軸方向へ逆相(枝部A2が伸びたとき枝部A3が縮み、次にはその逆になるように交互に)で伸縮振動させる。この励振された伸縮振動によって第1の枝部A1がX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動する。図1ではこの屈曲振動を1次の屈曲姿態で表記しているが、奇数次(1、3、5・・・・)であれば構わない。そして、第4の枝部A4、第5の枝部A5、第6の枝部A6、第7の枝部A7を第1の枝部A1の傾きが大きいところ、例えば3次モードでは後述する如く節の位置に配置することが望ましい。そうすると、この屈曲振動によって、更に第4の枝部A4、第5の枝部A5、第6の枝部A6および第7の枝部A7がX−Y平面に逆相、かつ、平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動する。
【0024】
ここで、振動子素子AがY軸の回りに回転すると、コリオリの力により振動子素子AにZ軸方向の振動成分が生じ、第4の枝部A4、第5の枝部A5、第6の枝部A6および第7の枝部A7がZ軸方向成分をもって屈曲振動する。このZ軸方向成分による屈曲振動により、角速度に比例した大きさで、かつ回転方向で変動する振動の方向成分に応じた電荷が第4の枝部A4および第6の枝部A6の検出電極から取り出され、この検出電極よりコリオリの力に応じた電圧信号esωが得られる。この電圧信号esωの大きさによって、Y軸の回りに作用する角速度の大きさを知ることができる。また、この電圧信号esωの波形と励振振動信号eの波形とを位相比較することにより、その位相の進み遅れで角速度の方向を知ることができる。
【0025】
これに対し、振動子素子AへZ軸方向(紙面前方、あるいは紙面後方)の加速度が作用すると、第5の枝部A5および第7の枝部A7は偏心しているために慣性によるねじれ現象が生じ、このねじれ現象により、同相モードでZ軸方向成分を持った屈曲振動が発生するので、加速度に比例した大きさで、かつ加速度の方向で位相が変動した電荷が第5の枝部A5および第7の枝部A7の検出電極から取り出され、この検出電極より加速度に応じた電圧信号esαが得られる。この電圧信号esαの大きさによって、Z軸方向へ作用する加速度の大きさを知ることができる。また、この電圧信号esαの波形と励振振動信号eの波形とを位相比較することにより、その位相の進み遅れで加速度の方向を知ることができる。
【0026】
この複合センサでは、第2の枝部A2および第3の枝部A3に励振電極を設けて駆動することにより、すなわち第2の枝部A2および第3の枝部A3をY軸方向へ逆相で伸縮振動させることより、第1の枝部A1をX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動させ、この第1の枝部A1の屈曲振動により第4の枝部A4、第5の枝部A5、第6の枝部A6および第7の枝部A7のX−Y平面に平行なX軸方向に振幅をもつ屈曲振動を誘動しているので、第4の枝部A4、第5の枝部A5、第6の枝部A6および第7の枝部A7の振動方向は純粋にX−Y平面に平行なX軸方向のみの成分をもった振動となり、図7に示した脚部1−1に励振電極2を設けて直接駆動する従来の振動式センサと比較して振動のもれ(励振位相の回転)を小さくすることができ、角速度を高精度で検出することができる。
【0027】
また、この複合センサでは、角速度に加えて加速度を検出することができるので、すなわち角速度と加速度の両方を1つのセンサで検出することができるので、移動体の慣性航法制御などに際して角速度センサと加速度センサとを別々に設ける必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、1つのセンサ分のスペースでよく、省スペース化を図ることができ、付随する回路の簡略化なども図られる
【0028】
図2のように第1の枝部A1を3次の振動姿態になるように第2の枝部A2および第3の枝部A3を励振したときを考慮すると、第1の枝部A1には2箇所の節と3箇所の腹をもつ屈曲振動形態であることが分かる。このとき、節の部分に注目すると、変位は最小であるが、このごく近傍では傾きが最大となる。このような位置に第4の枝部A4、第5の枝部A5、第6の枝部A6および第7の枝部A7を形成配置すると、第4の枝部A4、第5の枝部A5、第6の枝部A6および第7の枝部A7のX軸方向への振幅が大きくなり、Y軸の回りに角速度が作用した場合に得られる出力電荷が増大し、またZ軸方向へ加速度が作用した場合に得られる出力電荷も増大し、検出精度がアップする。
【0029】
〔応用例1:第2発明〕
上述した基本原理では駆動する枝部を2つとした。これに対して、応用例1では、図3に示すように、駆動する枝部を1つとする。すなわち、振動子素子Bとして、図1の枝部A3に対応する枝部を省略し、枝部A1,A2,A4,A5,A6,A7に対応する枝部B1,B2,B3,B4,B5,B6を設ける。
【0030】
〔応用例2:第3発明〕
上述した応用例1では図1の枝部A3に対応する枝部を省略した。これに対して、応用例2では、振動子素子Cとして、図4に示すように、図1の枝部A2に対応する枝部を省略し、枝部A1,A3,A4,A5,A6,A7に対応する枝部C1,C2,C3,C4,C5,C6を設ける。
【0031】
〔実施の形態1〕
図5は上述した基本原理(図1(a))に基づいて作製した角速度センサの要部を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は左側面図、同図(c)は右側面図であり、同図(d)は同図(a)を裏面側から見た図である。
【0032】
図5において、8は振動子素子(水晶板)、8−1は第1の枝部、8−2は第2の枝部、8−3は第3の枝部、8−4は第4の枝部、8−5は第5の枝部、8−6は第6の枝部、8−7は第7の枝部、8−8は外枠である。第1の枝部8−1はその両端8−1a,8−1bが外枠8−8につながっている。第2の枝部8−2は第1の枝部8−1のほゞ中央部8−1cの枝面8−1dからこの枝面8−1dと直交する一方向に延びその先端8−2aが外枠8−8につながっている。第3の枝部8−3は第1の枝部8−1のほゞ中央部8−1cの枝面8−1eからこの枝面8−1eと直交する他方向に延びその先端8−3aが外枠8−8につながっている。
【0033】
第4の枝部8−4は第1の枝部8−1の一方の端部8−1aと中央部8−1cとの間の枝面8−1dから第2の枝部8−2,第3の枝部8−3の長手方向と平行する一方向に延びている。第6の枝部8−6は第1の枝部8−1の他方の端部8−1bと中央部8−1cとの間の枝面8−1dから第2の枝部8−2,第3の枝部8−3の長手方向と平行する一方向に延びている。
【0034】
第5の枝部8−5は第1の枝部8−1の一方の端部8−1aと中央部8−1cとの間の枝面8−1eから第2の枝部8−2,第3の枝部8−3の長手方向と平行する他方向に延びている。第7の枝部8−7は第1の枝部8−1の他方の端部8−1bと中央部8−1cとの間の枝面8−1eから第2の枝部8−2,第3の枝部8−3の長手方向と平行する他方向に延びている。この場合、第1の枝部8−1の長手方向に平行な方向をX軸方向、第2の枝部8−2,第3の枝部8−3の長手方向に平行な方向をY軸方向、X−Y平面と直交する方向と平行な方向をZ軸方向とする。
【0035】
ここで、第5の枝部8−5は、第1の枝部8−1との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きくされ、かつその重心位置がX軸方向の一方に偏心している。また、第7の枝部8−7は、第1の枝部8−1との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きくされ、かつその重心位置がX軸方向の他方に偏心している。すなわち、この例では、枝部8−5が枝部8−1の付け根部から先端へ向けて枝部8−1の一方の端部側に拡がる傾斜形状とされ、枝部8−7が枝部8−1の付け根部から先端へ向けて枝部8−1の他方の端部側に拡がる傾斜形状とされている。
【0036】
このように構成された振動子素子8に対して、その第2の枝部8−2の対向する左右の枝面8−2bおよび8−2cに励振電極9(9−1,9−2)を形成している。すなわち、第2の枝部8−2の枝面8−2bに励振用の電極板9−1を、この枝面8−2bに対向する枝面8−2cに励振用の電極板9−2を形成している。また、第3の枝部8−3の対向する左右の枝面8−3bおよび8−3cに励振電極10(10−1,10−2)を形成している。すなわち、第3の枝部8−3の枝面8−3bに励振用の電極板10−1を、この枝面8−3bに対向する枝面8−3cに励振用の電極板10−2を形成している。
【0037】
また、第4の枝部8−4の対向する左右の枝面8−4aおよび8−4bに角速度検出用の検出電極11(11−1〜11−4)を形成している。すなわち、第4の枝部8−4の枝面8−4aに角速度検出用の電極板11−1および11−2を、この枝面8−4aに対向する枝面8−4bに角速度検出用の電極板11−3および11−4を形成している。また、第6の枝部8−6の対向する左右の枝面8−6aおよび8−6bに角速度検出用の検出電極12(12−1〜12−4)を形成している。すなわち、第6の枝部8−6の枝面8−6aに角速度検出用の電極板12−1および12−2を、この枝面8−6aに対向する枝面8−6bに角速度検出用の電極板12−3および12−4を形成している。
【0038】
また、第5の枝部8−5の対向する左右の枝面8−5aおよび8−5bに加速度検出用の検出電極13(13−1〜13−4)を形成している。すなわち、第5の枝部8−5の枝面8−5aに加速度検出用の電極板13−1および13−2を、この枝面8−5aに対向する枝面8−5bに加速度検出用の電極板13−3および13−4を形成している。また、第7の枝部8−7の対向する左右の枝面8−7aおよび8−7bに加速度検出用の検出電極14(14−1〜14−4)を形成している。すなわち、第7の枝部8−7の枝面8−7aに加速度検出用の電極板14−1および14−2を、この枝面8−7aに対向する枝面8−7bに加速度検出用の電極板14−3および14−4を形成している。
【0039】
図6は図5における各電極の接続関係を分かり易いように示した結線図である。図6(a)は図5(a)におけるII−II線断面図に各電極の接続関係を示した図であり、図6(b)は図5(a)におけるIII −III 線断面図に各電極の接続関係を示した図である。
【0040】
すなわち、この複合センサにおいては励振用の電極板9−1が端子T1に、9−2がT2に、10−1がT3に、10−2がT4にそれぞれ接続されている。ここでT1とT3、T2とT4は同一の極性であり、配線の関係で素子の外で接続して2端子としている。
【0041】
また、角速度検出用の電極板11−1、11−4、12−2、12−3が端子T4,T5に、角速度検出用の電極板11−2、11−3、12−1、12−4が端子T6,T7に接続されている。
【0042】
また、加速度検出用の電極板13−1と13−4が端子T10に、加速度検出用の電極板14−1と14−4が端子T11に、加速度検出用の電極板13−2と13−3が端子T8に、加速度検出用の電極板14−2と14−3が端子T9に接続されている。端子T8とT9とは振動子素子8の外側で端子T12に接続され、また端子T10とT11は振動子素子8の外側で端子T13に接続され、2端子とされている。
【0043】
なお、図5では、振動子素子8でのリード電極の引き回し状況を示すために第1の枝部8−1をY軸方向へ厚く示したが、実際にはスパッタや蒸着などによる薄膜形成が望ましい。しかし、恒弾性金属などの材料として使用する場合は薄辺に加工された圧電セラミックス板を貼付することもある。
【0044】
〔検出動作〕
端子T1とT2との間および端子T3とT4との間に交流電圧(励振振動信号)eを印加する。これにより、励振電極9の電極板9−1と9−2との間および励振電極10の電極板10−1と10−2との間に、ある時は図6(a),(b)中に矢印で示す如く電界が発生し、次には逆方向の電界が発生することにより、第2の枝部8−2と第3の枝部8−3が逆相(枝部8−2が伸びたとき枝部8−3が縮み、次にはその逆になるように交互に)でY軸方向へ伸縮振動する。この伸縮振動によって第1の枝部8−1がX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動する。この屈曲振動によって更に第4の枝部8−4,第5の枝部8−5,第6の枝部8−6および第7の枝部8−7がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動する。
【0045】
ここで、振動子素子8がY軸の回りに回転すると、コリオリの力により振動子素子8にZ軸方向の振動成分が生じ、第4の枝部8−4,第5の枝部8−5,第6の枝部8−6および第7の枝部8−7がZ軸方向成分をもって八の字型でねじれた形で屈曲振動する。このZ軸方向成分をもつ屈曲振動により、第4の枝部8−4および第6の枝部8−6の検出電極11および12より、角速度に比例した大きさでかつ回転方向により位相が変動した形で電荷が取り出される。
【0046】
この場合、電極板11−1,11−4,12−2,12−3を共通に接続した端子T4(T5)と電極板11−2,11−3,12−1,12−4を共通に接続した端子T6(T7)との間に、コリオリの力に応じた交流の電圧信号esωが得られる。
【0047】
この電圧信号esωの大きさによって、Y軸の回りに作用する角速度の大きさを知ることができる。また、この電圧信号esωの波形と励振振動信号eの波形とを位相比較することにより、その位相の進み遅れで角速度の方向を知ることができる。
【0048】
これに対し、振動子素子8へZ軸方向の加速度が作用すると、第5の枝部8−5および第7の枝部8−7に慣性によるねじれ現象が生じ、第5の枝部8−5および第7の枝部8−5より、加速度に比例した大きさでかつ加速度の方向で位相が変動した形で電荷が取り出される。
【0049】
この場合、電極板13−1,13−4,14−1,14−4を共通に接続した端子T12と電極板13−2,13−3,14−2,14−3を共通に接続した探知T13との間に交流の電圧信号esαが得られる。
【0050】
この電圧信号esαの大きさによって、Z軸方向へ作用する加速度の大きさを知ることができる。また、この電圧信号esαの波形と励振振動信号eの波形とを位相比較することにより、その位相の進み遅れで加速度の方向を知ることができる。
【0051】
なお、言うまでもないが、例えば図1(a)において、枝部A4およびA6を省略するか、A4,A6の代わりにA5,A7を対称的に付加すれば、単独の加速度センサが得られる。また、枝部A5およびA7を省略するか、A5,A7の代わりにA4,A6を対称的に付加すれば、単独の角速度センサが得られる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明によれば、第1発明に代表されるように、第2の枝部および第3の枝部をY軸方向へ伸縮振動させることより、第1の枝部をX−Y平面に平行でY軸方向へ振幅をもって屈曲振動させ、更にこの第1の枝部の屈曲振動により第4の枝部、第5の枝部、第6の枝部および第7の枝部をX−Y平面に平行でX軸方向へ振幅をもって屈曲振動させるようにしているので、第4の枝部、第5の枝部、第6の枝部および第7の枝部の振動方向は純粋にX−Y平面に平行なX軸方向のみの成分をもった振動となり、第4の枝部、第5の枝部、第6の枝部および第7の枝部の誘動振動のZ軸方向成分がきわめて小さくなり、運動停止時の状態で検出側のヌル電圧を限りなく零にすることができ、すなわち振動のもれ(励振位相の回転)を小さくして角速度を高精度で検出することができるようになる。
また、本発明によれば、角速度と加速度を同時に別々にして検出することができるので、すなわち角速度と加速度の両方を1つのセンサで独立して検出することができるので、移動体の慣性航法制御などに際して角速度センサと加速度センサとを別々に設ける必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、1つのセンサ分のスペースでよく、省スペース化を図ることができ、付随する回路の簡略化なども図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本原理(第1発明)を説明する図である。
【図2】 第1の枝部の3次の振動姿態を示す図である。
【図3】 本発明の応用例1(第2発明)を説明する図である。
【図4】 本発明の応用例2(第3発明)を説明する図である。
【図5】 基本原理に基づいて作製した角速度センサの要部を示す図である。
【図6】 図5における各電極の接続関係を分かり易いように示した結線図である。
【図7】 従来の角速度センサの要部を示す図である。
【図8】 この角速度センサにおける励振位相の回転を説明する図である。
【図9】 この角速度センサにおいて励振位相がθ゜回転した場合に検出される角速度に誤差が生じる状況を説明する図である。
【符号の説明】
A…振動子素子、A1…第1の枝部、A2…第2の枝部、A3…第3の枝部、A4…第4の枝部、A5…第5の枝部、A6…第6の枝部、A7…第7の枝部、B…振動子素子、B1…第1の枝部、B2…第2の枝部、B3…第3の枝部、B4…第4の枝部、B5…第5の枝部、B6…第6の枝部、C…振動子素子、C1…第1の枝部、C2…第2の枝部、C3…第3の枝部、C4…第4の枝部、C5…第5の枝部、C6…第6の枝部、8…振動子素子(水晶板)、8−1…第1の枝部、8−2…第2の枝部、8−3…第3の枝部、8−4…第4の枝部、8−5…第5の枝部、8−6…第6の枝部、8−7…第7の枝部、9(9−1,9−2),10(10−1,10−2)…励振電極、11(11−1〜11−4),12(12−1〜12−4),13(13−1〜13−4),14(14−1〜14−4)…検出電極。
Claims (3)
- その両端が支持固定された第1の枝部と、この第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する一方向および他方向に延びその先端が支持固定された第2および第3の枝部と、前記第1の枝部の一方の端部と中央部との間の枝面から前記第2,第3の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第4の枝部および第5の枝部と、前記第1の枝部の他方の端部と中央部との間の枝面から前記第2,第3の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第6の枝部および第7の枝部とを備え、前記第1の枝部の長手方向に平行な方向をX軸方向、前記第2,第3の枝部の長手方向に平行な方向をY軸方向、X−Y平面と直交する方向と平行な方向をZ軸方向とし、前記第5および第7の枝部が前記第1の枝部との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きく、かつ前記第5および第7の枝部の重心位置がX軸方向の互いに異なる方向に偏心している振動子素子と、
前記第2の枝部および第3の枝部の枝面に形成された励振電極により、交流電圧の印加を受けて前記第2の枝部および第3の枝部をY軸方向へ逆相で伸縮振動させ、この励振した伸縮振動によって前記第1の枝部をX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動させ、この屈曲振動によって更に前記第4の枝部,第5の枝部,第6の枝部および第7の枝部をX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動させる励振構造と、
前記第4の枝部および第6の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第4の枝部および第6の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、前記振動子素子がY軸の回りに回転した場合、この第4の枝部および第6の枝部が慣性により生じるZ軸方向成分による屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第1の検出構造と、
前記第5の枝部および第7の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第5の枝部および第7の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、前記振動子素子へZ軸方向の加速度が作用した場合、この第5の枝部および第7の枝部が慣性により生じるねじれ現象から誘発される屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第2の検出構造と
を備えたことを特徴とする複合センサ。 - その両端が支持固定された第1の枝部と、この第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する一方向に延びその先端が支持固定された第2の枝部と、前記第1の枝部の一方の端部と中央部との間の枝面から前記第2の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第3の枝部および第4の枝部と、前記第1の枝部の他方の端部と中央部との間の枝面から前記第2の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第5の枝部および第6の枝部とを備え、前記第1の枝部の長手方向に平行な方向をX軸方向、前記第2の枝部の長手方向に平行な方向をY軸方向、X−Y平面と直交する方向と平行な方向をZ軸方向とし、前記第4および第6の枝部が前記第1の枝部との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きく、かつ前記第4および第6の枝部の重心位置がX軸方向の互いに異なる方向に偏心している振動子素子と、
前記第2の枝部の枝面に形成された励振電極により、交流電圧の印加を受けて前記第2の枝部をY軸方向へ伸縮振動させ、この励振した伸縮振動によって前記第1の枝部をX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動させ、この屈曲振動によって更に前記第3の枝部,第4の枝部,第5の枝部および第6の枝部をX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動させる励振構造と、
前記第3の枝部および第5の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第3の枝部および第5の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、前記振動子素子がY軸の回りに回転した場合、この第3の枝部および第5の枝部が慣性により生じるZ軸方向成分による屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第1の検出構造と、
前記第4の枝部および第6の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第4の枝部および第6の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、前記振動子素子へZ軸方向の加速度が作用した場合、この第4の枝部および第6の枝部が慣性により生じるねじれ現象から誘発される屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第2の検出構造と
を備えたことを特徴とする複合センサ。 - その両端が支持固定された第1の枝部と、この第1の枝部のほゞ中央部の枝面からこの枝面と直交する他方向に延びその先端が支持固定された第2の枝部と、前記第1の枝部の一方の端部と中央部との間の枝面から前記第2の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第3の枝部および第4の枝部と、前記第1の枝部の他方の端部と中央部との間の枝面から前記第2の枝部の長手方向と平行する一方向および他方向に延びた第5の枝部および第6の枝部とを備え、前記第1の枝部の長手方向に平行な方向をX軸方向、前記第2の枝部の長手方向に平行な方向をY軸方向、X−Y平面と直交する方向と平行な方向をZ軸方向とし、前記第4および第6の枝部が前記第1の枝部との付け根部付近のX軸方向幅寸法よりも先端付近のX軸方向幅寸法の方が大きく、かつ前記第4および第6の枝部の重心位置がX軸方向の互いに異なる方向に偏心している振動子素子と、
前記第2の枝部の枝面に形成された励振電極により、交流電圧の印加を受けて前記第2の枝部をY軸方向へ伸縮振動させ、この励振した伸縮振動によって前記第1の枝部をX−Y平面に平行にY軸方向へ振幅をもって屈曲振動させ、この屈曲振動によって更に前記第3の枝部,第4の枝部,第5の枝部および第6の枝部をX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって屈曲振動させる励振構造と、
前記第3の枝部および第5の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第3の枝部および第5の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、前記振動子素子がY軸の回りに回転した場合、この第3の枝部および第5の枝部が慣性により生じるZ軸方向成分による屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第1の検出構造と、
前記第4の枝部および第6の枝部の枝面に形成された検出電極により、この第4の枝部および第6の枝部がX−Y平面に平行にX軸方向へ振幅をもって振動しているとき、前記振動子素子へZ軸方向の加速度が作用した場合、この第4の枝部および第6の枝部が慣性により生じるねじれ現象から誘発される屈曲振動によって生ずる電荷を取り出す第2の検出構造と
を備えたことを特徴とする複合センサ。
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