JP2923101B2 - N−長鎖アシルアミノ酸型界面活性剤の製造方法 - Google Patents

N−長鎖アシルアミノ酸型界面活性剤の製造方法

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JP2923101B2 JP3273867A JP27386791A JP2923101B2 JP 2923101 B2 JP2923101 B2 JP 2923101B2 JP 3273867 A JP3273867 A JP 3273867A JP 27386791 A JP27386791 A JP 27386791A JP 2923101 B2 JP2923101 B2 JP 2923101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−長鎖アシルアミノ
酸型界面活性剤に関する。さらに詳しくは、残存アミン
量1000ppm以下のアミノ酸と脂肪酸クロライドを
反応させることを特徴とする、N−長鎖アシルアミノ酸
型界面活性剤の製造方法に関する。
【0002】本発明方法に係る目的物であるN−長鎖ア
シルアミノ酸型界面活性剤は、低刺激性であり、しかも
静菌作用を有するため、最近広く用いられている。これ
らを含有する洗浄剤は、皮膚に対する温和な作用と優れ
た洗浄力を持つことが知られている。
【0003】
【従来の技術】N−長鎖アシルアミノ酸型界面活性剤の
製造方法としては、アミノ酸のアルカリ水溶液に脂肪酸
クロライドを反応させるショッテン−ハウマン法や、そ
の改良発明である特公昭46−8685号公報、特公昭
51−38681号公報に記載されているような親水性
溶媒を含むアミノ酸水溶液に、アルカリ存在下で脂肪酸
クロライドと反応させる方法が公知である。
【0004】現在、N−長鎖アシルアミノ酸型界面活性
剤の原料となるアミノ酸は、ニトリルを加水分解し、脱
ガス後、次の工程に用いられている。このようにして得
られたアミノ酸より製造されたN−長鎖アシルアミノ酸
型界面活性剤水溶液中には、濁り、沈澱等を生じる場合
があり、一定品質を維持することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水溶液にし
ても、濁りや沈澱等を生じることのないN−長鎖アシル
アミノ酸型界面活性剤の製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鋭意検討した結果、アミノ酸中の残存アミン量を10
00ppm以下に規定することにより、これらの課題を
解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、脂肪酸クロライドとアミノ酸とを塩基
の存在下に反応させてN−長鎖アシルアミノ酸型界面活
性剤を製造する方法において、残存アミン量1000p
pm以下のアミノ酸を用いることを特徴とする、N−長
鎖アシルアミノ酸型界面活性剤の製造方法である。
【0007】本発明方法における残存アミンとは、脂肪
酸クロライドとの反応中にアミンとして作用するものす
べてを指し、アミノ酸製造原料アミン、アンモニア、酸
アミド類を含む1級、2級アミンを意味する。本発明方
法で使用するアミノ酸中の残存アミン量は1000pp
m以下が好ましく、1000ppmより量が多いと界面
活性剤水溶液とした時濁りや沈殿等を生じて好ましくな
い。
【0008】本発明方法における脂肪酸クロライドは、
炭素数8ないし20の飽和または不飽和脂肪酸クロライ
ドで、例えば、ラウロイルクロライド、パルミトイルク
ロライド、ステアロイルクロライド、オレイルクロライ
ド等の単一組成の脂肪酸クロライドの他、ヤシ油脂肪酸
クロライド、牛脂脂肪酸クロライド等の混合脂肪酸クロ
ライドも同様に使用することができる。
【0009】本発明で用いるアミノ酸は、α−アミノ
酸、β−アミノ酸、ω−アミノ酸等の各種アミノ酸が用
いられる。例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイ
シン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、
プロリン、セリン、スレオニン、グルタミン酸、アスパ
ラギン酸、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、
β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、γ−アミノ
酪酸、σ−アミノカプロン酸等が挙げられる。
【0010】本発明で用いる塩基としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、
水酸化バリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチ
ルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられるが、特
に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが実用的であ
る。
【0011】本発明で得られるN−長鎖アシルアミノ酸
型界面活性剤は、N−長鎖アシルアミノ酸およびこれら
の塩であり、塩としては特に、ナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、および
リジン塩などの塩基性アミノ酸塩が好ましい。
【0012】本発明方法における脂肪酸クロライドとア
ミノ酸の縮合反応は、脂肪酸クロライドに対して1.0
〜1.5当量のアミノ酸水溶液に、必要により親水性有
機溶媒を加え、塩基により反応系のpHを9〜12.5
の範囲内に保持しながら、0〜50℃で脂肪酸クロライ
ドを2時間以上要して滴下することにより行われる。反
応後は反応液を酸析、水洗し、生成した食塩を除いた
後、所定量の水を加え塩基により造塩しながらpHを
7.5〜9.0に調製しN−長鎖アシルアミノ酸型界面
活性剤水溶液とすることが出来る。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0014】合成例1 (N−メチル−β−アラニンナトリウムの製造)30%
水酸化ナトリウム水溶液146.9gを70℃まで昇温
した後、β−メチルアミノプロピオニトリル水148.
8g(1.0モル)を70℃に保ちながら、4時間で滴
下した。1時間熟成後、常圧110℃で濃縮しながら脱
ガスを行った。水を加え濃度調製を行い、30%N−メ
チル−β−アラニンナトリウム水溶液396.2gを得
た。残存アミン分は290ppm(対N−メチル−β−
アラニン)であった。
【0015】実施例1 (N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウ
ム水溶液の製造) 前記合成例1で得た30%N−メチル−β−アラニンナ
トリウム水溶液41.7g(0.1モル)に水38gを
加え、30%水酸化ナトリウム水溶液により系内のpH
を11〜13に保持しながら、ラウリン酸クロライド2
0.8g(0.095モル)を室温で4時間要して滴下
した。反応後、60℃に保持しながら、酸析、湯洗した
後、30%濃度になるように水を加え、水酸化ナトリウ
ムで造塩し、pH8.0とした。30%N−ラウロイル
−N−メチル−β−アラニンナトリウム水溶液93.6
gを得た。得られた製品は無色澄明で、一週間放置後も
その品質は変わらなかった。(濁度 0.5ppm)
【0016】合成例2 (DL−グルタミン酸ナトリウムの製造)30%水酸化
ナトリウム水溶液293.8gにα−アミノグルタロジ
ニトリル水109.1g(1.0モル)を加え、還流
下、5時間反応させた。反応終了後、常圧110℃で濃
縮しながら脱ガスを行った。水を加え、濃度調製を行
い、30%DL−グルタミン酸ナトリウム水溶液52
2.3gを得た。残存アミン分は620ppm(対グル
タミン酸)であった。
【0017】実施例2 (N−ラウロイル−DL−グルタミン酸ナトリウム水溶
液の製造)前記合成例2で得た30%DL−グルタミン
酸ナトリウム水溶液63.7g(0.1モル)にアセト
ン30gと水25gを加え、30%水酸化ナトリウム水
溶液により系内のpHを11〜13に保持しながら、ラ
ウリン酸クロライド20.8g(0.095モル)を室
温で4時間滴下した。反応後、60℃に保ちながら、酸
析、湯洗後、30%濃度となるように水を加え、水酸化
ナトリウムで造塩し、pH8.0とした。30%N−ラ
ウロイル−DL−グルタミン酸ナトリウム水溶液11
4.5gを得た。得られた製品は微黄色澄明で、一週間
放置後も、その品質は変わらなかった。 (濁度
0.7ppm)
【0018】実施例3 合成例1で得たN−メチル−β−アラニンナトリウム水
溶液を用い、実施例1と同様の操作で反応した。反応
後、60℃に保ちながら、酸析、湯洗後、30%濃度と
なるように水を加え、トリエタノールアミンで造塩しp
H8.0とした。30%N−ラウロイル−N−メチル−
β−アラニントリエタノールアミン水溶液132.1g
を得た。得られた製品は無色澄明で一週間放置後もその
品質は変わらなかった。 (濁度 0.5ppm)
【0019】比較例1 合成例1と同様に反応を行った後、常圧70℃で1時間
窒素パージによる脱ガスを行った。残存アミン分は12
50ppm(対N−メチル−β−アラニン)であった。
以下、実施例1と同様に反応を行い、30%N−ラウロ
イル−N−メチル−β−アラニンナトリウム水溶液を得
た。得られた製品は製造直後は無色澄明であったが、2
日後に白濁を生じた。 (濁度 3.8ppm)
【0020】実施例4〜7 合成例1で調製したN−メチル−β−アラニンナトリウ
ム水溶液を用い、アンモニア添加実験を行った。アンモ
ニアを添加した後、実施例1に従い、30%N−ラウロ
イル−N−メチル−β−アラニン水溶液をつくり、評価
を行った。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】 注)濁度測定はJIS−K0101の方法で行った。濁
度が1.0ppm以上であれば目視により濁りが観察さ
れる。
【0022】
【発明の効果】本発明方法によって製造されたN−長鎖
アシルアミノ酸型界面活性剤を用いると、水溶液とした
場合や、液体洗浄剤に配合しても、濁りや沈澱を生じる
ことなく、常に高品質の製品を得ることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 1/10 B01F 17/28 C07C 231/02 C07C 233/46 - 233/47 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸クロライドとアミノ酸とを塩基の
    存在下に反応させてN−長鎖アシルアミノ酸型界面活性
    剤を製造する方法において、残存アミン量1000pp
    m以下のアミノ酸を用いることを特徴とする、N−長鎖
    アシルアミノ酸型界面活性剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪酸クロライドが、炭素数8ないし2
    0の脂肪酸クロライドである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 N−長鎖アシルアミノ酸型界面活性剤
    が、N−長鎖アシルアミノ酸、N−長鎖アシルアミノ酸
    アルカリ金属塩、N−長鎖アシルアミノ酸アルカノール
    アミン塩、N−長鎖アシルアミノ酸アンモニウム、およ
    びN−長鎖アシルアミノ酸塩基性アミノ酸塩から選ばれ
    る少なくとも一種である請求項1記載の製造方法。
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