JP2922615B2 - 永久磁石の製造方法 - Google Patents
永久磁石の製造方法Info
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Description
FeまたはFeおよびCoと、Bとを含むR−Fe−B系の永久
磁石の製造方法に関する。
るSm−Co系磁石でエネルギー積32MGOeのものが量産され
ている。
欠点を有する。希土類元素の中では原子量の小さい元
素、例えば、CeやPr、Ndは、Smよりも豊富にあり価格が
安い。また、FeはCoに比べ安価である。
開発され、特開昭59−46008号公報では焼結磁石が、ま
た特開昭60−9852号公報では高速急冷法によるものが開
示されている。
冶金プロセス(溶解→鋳造→インゴット粗粉砕→微粉砕
→プレス→焼結→磁石)を適用でき、しかも高い磁石特
性が得られる。しかし、インゴット粉砕に手間がかかる
ため生産性が低い。
吸蔵粉砕が利用されている。
さ、例えば30mm角程度に粉砕して原料合金塊とし、これ
を密閉容器内に封入する。
より表面を活性化して水素を吸蔵し易い状態とし、大気
圧程度の水素ガス圧力下で水素を吸蔵させ、その後、真
空中または不活性ガス雰囲気中で熱処理を施し、吸蔵さ
せた水素を放出させる。
生じて粉末化し、また、合金の耐酸化性が向上する。
金塊に水素を吸蔵させ、次いで熱処理を施した場合、表
面付近は粉末化するが、中心部付近まで粉末化すること
は難しい。このため塊状の合金が残ってしまい、続く粉
砕工程において、粉砕機へ安定して供給することが困難
となり、また、粉砕の際に大きな機械的力が必要とされ
るという問題がある。
蔵工程および熱処理工程において合金塊を均等に加熱す
ることが難しく、合金の処理温度にばらつきが生じる。
また、従来の装置では、処理用の容器への合金塊の出し
入れが必要なため、自動化ライン内へのこれらの処理の
組み込みが難しい。
−Fe−B系永久磁石を焼結法により製造する際に、容易
かつ迅速であって、しかも大量同時処理の可能な水素吸
蔵粉砕が行なえる方法を提供することを目的とする。
って達成される。
上である)、BおよびT(ただし、Tは、Fe、またはFe
およびCoである)を主成分とする複数の合金塊が封入さ
れた容器内を水素ガスを含有する雰囲気とし、前記合金
塊に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程と、 前記容器内をほぼ真空または不活性ガス雰囲気とし
て、水素を吸蔵させた前記合金塊に真空中または不活性
ガス雰囲気中で熱処理を施す熱処理工程とを有し、 前記水素吸蔵工程および前記熱処理工程において、前
記合金塊が封入された容器に運動を与えることにより、
前記合金塊同士や前記合金塊と前記容器の内壁とを衝突
させて、前記合金塊の破砕ないし粉砕を行なうことを特
徴とする永久磁石の製造方法。
から選択される少なくとも1種である上記(1)に記載
の永久磁石の製造方法。
り、前記容器に与える揺動ないし振動の周期が0.05ミリ
秒〜1分、振幅が10μm〜1mである上記(2)に記載の
永久磁石の製造方法。
た容器内をほぼ真空状態とし、前記容器に前記運動を与
えながら前記合金塊の温度を0〜600℃に保持する前処
理工程を有し、 前記水素吸蔵工程において、前記合金塊の温度を0〜
600℃に保持し、 前記熱処理工程において、前記合金塊の温度を200〜8
00℃に保持する上記(1)ないし(3)のいずれかに記
載の永久磁石の製造方法。
1000μmの粒子から構成される粉末状態となっている上
記(1)ないし(4)のいずれかに記載の永久磁石の製
造方法。
程、粉砕された合金を成形する成形工程および成形工程
により得られた成形体を焼結する焼結工程を有する上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載の永久磁石の製造
方法。
作製し、これを粉砕して30mm角程度の合金塊とする。
せて粉末化を進め、続く熱処理工程において合金から水
素を放出させて合金を安定化する。
て、合金塊が封入された容器に運動を与える。
表面付近にクラックを生じ、表面付近が粉末化する。運
動している容器内の合金塊は、互いに衝突したり容器の
壁に衝突して衝撃を受け、その表面から粉末化した部分
が崩落するため、合金塊表面は常に水素ガスにさらされ
ることになる。水素吸蔵工程では、このようにして水素
吸蔵、表面粉末化およびその崩落が進行し、合金塊の破
砕ないし粉砕が進む。
崩落した粉末には加速度が与えられているので、これら
は容器中において頻繁に移動して相互に接触ないし衝突
し、また、容器の壁とも接触ないし衝突するため、容器
内において合金の占める割合が高くても、合金塊や合金
粉末は均一に加熱される。このため、装置の大きさに対
して処理能力を大幅に向上させることができる。
砕はさらに進行し、合金塊をほぼ完全に粉末化すること
が可能である。これらの工程において得られる粉末を構
成する合金粒子には、結晶粒界を構成する希土類リッチ
相およびその周辺にクラックが生じており、機械的力を
殆どかけることなく粗粉砕が可能である。
砕機への合金の供給を安定して行なうことができ、ま
た、極めて小さい粉砕力しか必要としない。さらに、場
合によっては粗粉砕工程を省いて直接微粉砕することも
可能である。
工程を同一容器内で連続して行なうため、高い生産性が
得られる。
1種以上である)、BおよびT(ただし、Tは、Fe、ま
たはFeおよびCoである)を主成分とする複数の合金塊が
封入された容器内を水素ガスを含有する雰囲気とし、前
記合金塊に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程と、前記容器
内をほぼ真空または不活性ガス雰囲気として、水素を吸
蔵させた前記合金塊に真空中または不活性ガス雰囲気中
で熱処理を施す熱処理工程とを有し、前記水素吸蔵工程
および前記熱処理工程において、前記合金塊が封入され
た容器に運動を与えることにより、前記合金塊同士や前
記合金塊と前記容器の内壁とを衝突させて、前記合金塊
の破砕ないし粉砕を行なうことを特徴とする永久磁石の
製造方法である。
はないが、好ましくは合金インゴットを5〜100mm角程
度まで粉砕した合金塊を用いる。この粉砕は、ジョーク
ラッシャー等により行なえばよい。
する。容器の形状および寸法に特に制限はなく、形状と
しては円筒状や方形状等のいずれであってもよく、寸法
は、一回に処理される合金塊の個数や合計体積にもよる
が、通常、径が10〜200cm程度、高さないし長さが10〜1
000cm程度のものを用いればよい。
合金塊同士を衝突させたり合金塊と容器の内壁とを衝突
させたりできる運動であれば特に制限はなく、例えば回
転、揺動、振動等のいずれであってもよい。
く、また、これらが複合された運動であってよい。例え
ば、円筒状の容器を、その軸方向と鉛直方向とが一致し
ないように傾けて容器自身を自転させたり、さらにこれ
に公転運動を加えたり、あるいは円筒状の容器を直立さ
せて容器の軸と一致しない回転軸の回りを公転させた
り、さらにこれに容器自身の自転運動を加えたりするこ
とにより、容器中の合金塊に加速度を与えることができ
る。なお、公転の際の容器の軌跡は、円および楕円のい
ずれであってもよい。
れの方向であってもよく、例えば、鉛直方向の加速度を
有する運動や水平方向の加速度を有する運動、あるいは
これらが複合された運動等のいずれであってもよい。な
お、容器を超音波により振動させる場合、ホーンを容器
に密着させて振動を与えればよい。
運動であってもよい。
き、回転数は1〜1000回転/分であることが好ましい。
また、容器に与える運動が揺動運動や振動運動を含むと
き、周期は0.05ミリ秒〜1分、振幅は10μm〜1mである
ことが好ましい。
8の字やその他の幾何学的な図形となる運動など、容器
内の合金塊に加速度を与え得る運動であればどのような
ものであってもよい。
与える衝撃力を高めることも可能である。
処理工程では容器内の合金を加熱する必要があり、これ
らの加熱は、通常、容器外に設けられるヒータにより行
なわれるので、合金の昇温や降温を速やかに行なうため
に容器は金属製であることが好ましく、例えばステンレ
ス鋼等を用いることが好ましい。
で排気し、次いで合金塊を加熱する。
い状態とするためのものであり、水素吸蔵の前処理とな
るものである。
ることが好ましく、また、温度保持時間は0.1〜5時間
程度とすることが好ましい。
ようにヒータを設け、これにより容器とその中の合金を
加熱する構成とすることが好ましい。
うな運動をさせて合金塊同士を接触ないし衝突させた
り、合金塊と容器の内壁とを接触ないし衝突させたりす
ることが好ましい。このように運動する容器中において
前処理を施すことにより、後述する熱処理工程と同様に
合金を迅速かつ均一に加熱することが可能となる。
ガスを導入し、合金塊に水素を吸蔵させて破砕ないし粉
砕を進める。水素ガスの圧力は、0.05〜20気圧程度、通
常は大気圧程度でよい。また、容器内に導入するガス
は、水素ガスだけに限らず、水素ガスに加え、He、Ar等
の不活性ガスおよびその他の非酸化性ガスを含んだ混合
ガスでもよい。
とすることが好ましい。
常、0.5〜5時間程度とすることが好ましい。
り、吸蔵した水素の50〜90%程度を放出するような熱処
理を行なうことが好ましい。
て、水素吸蔵工程に引き続いて行なうことが好ましい。
この熱処理工程においても、合金が封入された容器に前
述したような運動を行なわせ、破砕ないし粉砕が進行し
ている合金塊や崩落した合金粉末を均一に加熱する。
雰囲気とすることが好ましい。
を効率的に行なうためには、200〜800℃にて0.5〜5時
間の熱処理を行なうことが好ましい。
程および水素吸蔵工程に用いた加熱手段を利用すること
ができる。
合金は、ほぼ粉末状態となっており、粉末を構成する合
金粒子の平均粒径は20〜1000μm程度である。
さらに粉砕を進める。この工程における粉砕は、いわゆ
る粗粉砕および微粉砕である。
アトライター、ボールミル等の通常の粉砕機により行な
うことができるが、鋭い粒度分布が得られ易いことか
ら、特にジェットミル等の気流式粉砕機を用いることが
好ましい。
の寸法、組成等の各種条件に応じて適当に設定すればよ
い。
てもよく、熱処理工程後の合金が粒度の揃った粉末状態
あれば、直接微粉砕を行なうこともできる。
10μm程度であることが好ましい。
は、粉砕工程により得られた合金粉末を所望の形状に成
形する。
度に特に制限はないが、例えば10kOe以上とすることが
好ましい。
/cm2程度であることが好ましい。
焼結し、永久磁石とする。
1200℃で0.5〜24時間焼結し、その後、急冷することが
好ましい。なお、焼結雰囲気は、真空またはArガス等の
不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
℃にて1〜5時間時効処理を行なう。
主成分とするものであり、その他に特に制限はないが、
良好な磁気特性を得るためには下記組成とすることが好
ましい。
よびアクチニドであり、Rとしては、Nd、Pr、Ho、Tbの
うち少なくとも1種、あるいはさらに、La、Sm、Ce、G
d、Er、Eu、Pm、Tm、Yb、Yのうち1種以上を含むもの
が好ましい。
してミッシュメタル等の混合物を用いることもできる。
織となるため、高い保磁力iHcが得られず、上記範囲を
超えるとRリッチな非磁性相が多くなり、残留磁化Brが
低下する。
範囲を超えるとiHcが低下する。
となく温度特性を改善することができる。ただし、Coが
Tの50%を超えると磁気特性が劣化するため、CoはTの
50%以下とすることが好ましい。
り、上記範囲を超えるとBリッチな非磁性相が多くなる
ため、Brが低下する。
i、Si、Cu、Ca等が全体の2重量%以下含有されていて
もよい。
種以上で置換することにより、生産性の向上および低コ
スト化が実現できる。この場合、置換量は全体の0.4重
量%以下であることが好ましい。
めに、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、
Ge、Ga、Sn、Zr、Ni、Si、Hf等の1種以上を添加しても
よい。この場合、添加量は総計で5重量%以下とするこ
とが好ましい。
系の結晶構造の主相を有する。
詳細に説明する。
%、Fe残部)の組成を有する合金インゴットを粉砕し、
約30mm角の合金塊を作製した。
空にまで排気した後、容器の軸を水平に保ってこの軸を
中心にして15回転/分で回転させながら、容器を包囲す
る電熱ヒータにより容器を加熱し、容器内の合金塊に熱
処理を施した。
器には50kgの合金塊を封入した。
した。
を1気圧とした。そして、容器を前処理工程と同様に運
動させ、また、同様に加熱しながら1時間保ち、合金塊
に水素を吸蔵させながら破砕ないし粉砕を進めた。
真空状態とし、容器内の合金の温度が600℃になるよう
にヒータで加熱して合金から水素ガスを放出させた。
た。なお、処理時間は1時間とした。
から構成される粉末となっていた。
理した合金塊は、熱処理工程後に粒径の揃った粉末状態
となっておらず、合金塊の中心部であったと思われる15
mm径程度の粗大粒子が多数認められた。これは、容器内
において合金塊中心部が露出されず、水素吸蔵が不十分
であったためと考えられる。
る際に、容易かつ迅速に水素吸蔵粉砕を行なうことがで
きる。
Claims (6)
- 【請求項1】R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素の
1種以上である)、BおよびT(ただし、Tは、Fe、ま
たはFeおよびCoである)を主成分とする複数の合金塊が
封入された容器内を水素ガスを含有する雰囲気とし、前
記合金塊に水素を吸蔵させる水素吸蔵工程と、 前記容器内をほぼ真空または不活性ガス雰囲気として、
水素を吸蔵させた前記合金塊に真空中または不活性ガス
雰囲気中で熱処理を施す熱処理工程とを有し、 前記水素吸蔵工程および前記熱処理工程において、前記
合金塊が封入された容器に運動を与えることにより、前
記合金塊同士や前記合金塊と前記容器の内壁とを衝突さ
せて、前記合金塊の破砕ないし粉砕を行なうことを特徴
とする永久磁石の製造方法。 - 【請求項2】前記容器に与える運動が、回転、揺動およ
び振動から選択される少なくとも1種である請求項1に
記載の永久磁石の製造方法。 - 【請求項3】前記容器に与える回転が1〜1000回転/分
であり、前記容器に与える揺動ないし振動の周期が0.05
ミリ秒〜1分、振幅が10μm〜1mである請求項2に記載
の永久磁石の製造方法。 - 【請求項4】前記水素吸蔵工程の前に、前記合金塊が封
入された容器内をほぼ真空状態とし、前記容器に前記運
動を与えながら前記合金塊の温度を0〜600℃に保持す
る前処理工程を有し、 前記水素吸蔵工程において、前記合金塊の温度を0〜60
0℃に保持し、 前記熱処理工程において、前記合金塊の温度を200〜800
℃に保持する請求項1ないし3のいずれかに記載の永久
磁石の製造方法。 - 【請求項5】前記熱処理工程後に、前記合金塊が平均粒
径20〜1000μmの粒子から構成される粉末状態となって
いる請求項1ないし4のいずれかに記載の永久磁石の製
造方法。 - 【請求項6】前記熱処理工程の後に、合金を粉砕する粉
砕工程、粉砕された合金を成形する成形工程および成形
工程により得られた成形体を焼結する焼結工程を有する
請求項1ないし5のいずれかに記載の永久磁石の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2270344A JP2922615B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 永久磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2270344A JP2922615B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 永久磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04147908A JPH04147908A (ja) | 1992-05-21 |
JP2922615B2 true JP2922615B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=17484954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2270344A Expired - Lifetime JP2922615B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 永久磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2922615B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6247660B1 (en) | 1998-10-07 | 2001-06-19 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Process for hydrogen-pulverizing a rare earth metal-based magnetic material, and hydrogen-pulverizing case |
JP6347598B2 (ja) * | 2013-12-06 | 2018-06-27 | 岩谷産業株式会社 | 金属の水素吸蔵方法、金属微粉末の製造方法及び磁石の製造方法 |
-
1990
- 1990-10-11 JP JP2270344A patent/JP2922615B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04147908A (ja) | 1992-05-21 |
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