JP2922325B2 - 診断薬用担体ラテックス - Google Patents

診断薬用担体ラテックス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は診断薬用担体ラテックス
に関する。さらに詳しくは、自己凝集がなく、長期間の
保存を許容し且つ非特異的凝集反応を著しく低減させる
ことのできる診断薬用、特に抗原−抗体反応を利用した
免疫血清学的診断薬用の担体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】抗原又は抗体などの血清学的活性物質を
担体に感作させ、血清中の抗体または抗原を、ラテック
スの凝集反応として検出する免疫血清学的診断方法は、
その簡便性と迅速性の故に、臨床検査の分野において多
くの種類の抗体又は抗原の検出試薬に適用されている。
【0003】これらの樹脂ラテックスに要求される性能
としては、安定なエマルジョンを形成して長期間の保存
によっても高い感度を保持すること、抗体又は抗原を感
作させる段階でラテックスが凝集しないこと、感作させ
た抗体又は抗原に対応する抗体又は抗原を反応させてラ
テックスの凝集を観察する際に陰性血清と接触しても凝
集しないこと、即ち、非特異的凝集が起こらないこと等
が必須の条件とされる。
【0004】この種の樹脂ラテックスの抗体又は抗原を
感作させる担体としては、例えば、ポリスチレン、スチ
レン−ブタジエン共重合体ラテックス等の0.05〜1
μ粒子が分散されたラテックスが一般に使用されてい
る。
【0005】しかしながら、これらのポリスチレン系ラ
テックスは、一般に乳化剤及び水溶性ラジカル重合開始
剤の存在下で乳化重合法によって製造される。このラテ
ックスの安定化が如何なる理由により達成されるかは必
ずしも明らかではないが、乳化剤の吸着、脱着平衡によ
る説明が一般的である。
【0006】すなわち、乳化剤の一部がラテックスの粒
子表面に化学的に結合あるいは吸着されており、一方残
余の吸着剤はラテックス中に遊離の状態で存在し、この
ような状態で、吸着された乳化剤と遊離の乳化剤との間
に吸着・脱着平衡が存在してラテックスの安定化が達成
されているというものである。
【0007】また、ポリスチレンラテックス粒子への抗
体又は抗原の感作は、粒子表面への抗体又は抗原の吸着
であるので、粒子表面に吸着に有利な基を持たないポリ
スチレンでは吸着した抗体又は抗原の一部が脱着し易
く、また、ポリスチレンが疎水性であることと相俟っ
て、非特異的凝集が起き易くなる。このように、従来よ
り用いられているポリスチレン粒子もしくは、スチレン
を付加した重合体粒子を免疫学的診断薬用担体として用
いた場合には診断精度に欠けるという問題を有してい
た。
【0008】一方、特開昭57−137339号公報に
は、エチレン・α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及
びその金属塩とからなる共重合体部分(A)と他の共重
合体部分(B)例えばメタクリル酸メチルとアクリル酸
n−ブチルとの共重合体部分とを有する複合粒子、およ
び該他の共重合体部分(B)からなる粒子を共に含有し
しかも複合粒子中の該他の共重合体部分(B)が水性分
散体中の(B)全体の少なくとも5重量%を占める水性
分散体組成物並びに該組成物が紙、金属あるいはプラス
チック用の透明性に優れた接着剤となりうることが開示
されている。同公報には診断薬用担体に関する記載はな
い。
【0009】他方、診断薬用担体に関しては、特開昭6
3−66464号公報に、カルボキシル基を表面に有し
かつ芳香族ビニル化合物がグラフト結合したエチレン・
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸(塩)共重合体の
粒子の懸濁液からなる診断試薬用担体ラテックスが提案
されている。この提案では芳香族ビニル化合物によりグ
ラフト変性された共重合体を用いている。
【0010】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、新規な診断
薬用担体ラテックスを提供することにある。本発明の他
の目的は、抗体−抗原反応を利用した免疫血清学的ラテ
ックス診断試薬試験に用いる非特異的凝集反応の少ない
診断薬用担体ラテックスを提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、吸光度や散乱
光強度などの光学的測定に適した診断薬用担体ラテック
スを提供することにある。本発明のさらに他の目的およ
び利点は以下の説明から明らかになろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、アクリロイル基またはメタア
クリロイル基を有する化合物でグラフト変性されたエチ
レン・α,β−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体ま
たはエチレン・α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩
共重合体からなり且つ表面にカルボキシル基を有する粒
子の懸濁液から成ることを特徴とする診断薬用担体ラテ
ックスによって達成される。以下、アクリロイル基また
はメタアクリロイル基を「(メタ)アクリロイル基」
と、またエチレン・α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸共重合体またはエチレン・α,β−エチレン性不飽和
カルボン酸塩共重合体を「エチレン・α,β−エチレン
性不飽和カルボン酸(塩)共重合体」と表現することが
ある。
【0013】本発明の診断薬用担体ラテックスの粒子を
形成する共重合体は、上記のとおり、(メタ)アクリロ
イル基を有する化合物でグラフト変性されたエチレン・
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸(塩)共重合体で
ある。
【0014】(メタ)アクリロイル基を有する化合物で
グラフト変性する前のエチレン・α,β−エチレン性不
飽和カルボン酸(塩)共重合体は好ましくはエチレン6
5ないし98重量%、より好ましくは80ないし98重
量%とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸(塩)2な
いし35重量%、より好ましくは2ないし20重量%と
の共重合体である。α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸(塩)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、そ
の塩あるいはそれらの混合物からなることができる。
【0015】α,β−エチレン性不飽和カルボン酸とし
ては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸などのα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸;これらのナトリウム塩、カリウム塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩な
どの金属塩等を例示することができる。これらのうちメ
タクリル酸またはその塩が好ましい。該共重合体はエチ
レン・α,β−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体の
中和物または部分中和物であってもよい。
【0016】また、該共重合体のメルトフローレート
(190℃、2.16Kgの荷重で測定)は、通常10な
いし700g/10分、好ましくは30ないし600g
/10分の範囲である。
【0017】本発明の診断薬用担体ラテックスの懸濁粒
子は抗原又は抗体などの免疫血清学的活性物質を化学的
に結合し得るカルボキシル基を表面に有しており、その
量は該懸濁粒子表面のカルボキシル基が通常0.01な
いし0.8mmol(ミリモル)/g(粒子)、好ましくは
0.02ないし0.5mmol/g(粒子)の範囲である。カ
ルボキシル基含有量が少なくなると非特異的凝集を起こ
し易くなる。なお、該担体ラテックスの懸濁液粒子表面
に存在するカルボキシル基の含有量は電位差滴定法によ
る酸滴定から容易に求める事が出来る。
【0018】また、上記未変性のエチレン・α,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸(塩)共重合体をグラフト変
性するのに用いられる、(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸・2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒド
ロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリ
ル酸グリシジル、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸・2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキ
シルプロピル、メタクリル酸グリシジル、ベンジル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、
N−メトキシメチルメタアクリルアミド、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、メ
タコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エ
チレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールエーテル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチル
(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アク
リレートおよびパーフルオロオクチル(メタ)アクリレ
ート等を好適な化合物として挙げることができる。
【0019】これらのうち、メタクリル酸n−ブチルお
よびメタクリル酸イソブチルが特に好適である。
【0020】また、診断薬用担体ラテックスの懸濁粒子
を構成する(メタ)アクリロイル基を有する化合物のグ
ラフト割合は、該エチレン・α,β−エチレン性不飽和
カルボン酸(塩)共重合体100重量部に対して通常、
10ないし1,000重量部、好ましくは50ないし8
00重量部の範囲である。
【0021】なお、(メタ)アクリロイル基を有する化
合物のグラフト共重合体量は、グラフト重合前後におけ
る100℃〜120℃での絶乾重量割合から算出され、
さらに示差熱分析(DSC)による45℃〜50℃にお
ける融解ピークで確認できる。
【0022】また、診断試薬用担体ラテックスの懸濁粒
子の平均粒子径は通常0.05〜1μm、好ましくは0.
1ないし0.4μmであり、その粒子径分布の狭いもの
が好ましい。また、診断試薬用担体ラテックスの固形分
含有率は通常5ないし60重量%、好ましくは10ない
し40重量%の範囲である。
【0023】また、該担体ラテックスは一般にその後の
感作操作あるいは感作ラテックスの分離に遠心分離操作
を行うため、該担体ラテックスの懸濁粒子の比重は、通
常100℃〜120℃の絶乾ポリマーの比重測定の値
(g/cm3)が0.9以上、好ましくは1.0ないし1.
2の範囲である。
【0024】本発明の診断薬用担体ラテックスは、
(1)所望の粒径の水溶液性懸濁液を得る工程および
(2)比重向上と懸濁液の機能性向上のためのグラフト
重合工程との2工程によって通常製造される。2工程の
実施順番はいずれが先でいずれが後でもよい。すなわ
ち、上記の順に工程(1)、(2)を実施して懸濁液作
製後グラフト重合を行なうかあるいは工程(1)、
(2)を逆に実施してグラフト重合品について懸濁液を
作製することもできる。
【0025】工程(1)の懸濁液作成はそれ自体公知の
方法により行うことができる。工程(2)のグラフト重
合工程は、例えば工程(1)で先ず未変性のエチレン・
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸(塩)共重合体を
準備し、この懸濁液と該懸濁液中の固形分100重量部
に対して例えば50〜800重量部の範囲の(メタ)ア
クリロイル基を含有する化合物を添加し、例えば50〜
100℃の温度に加熱し、重合開始剤を添加し、1〜6
時間グラフト重合させることにより実施できる。
【0026】グラフト重合工程を水溶媒系中で実施する
場合には、重合開始剤としては水溶性ラジカル重合開始
剤が用いられる。通常、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩や、これら過硫
酸塩とチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫
酸水素ナトリウム等のようなチオ硫酸塩、又は亜硫酸ナ
トリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の
ような亜硫酸塩とのレドックス系重合体開始剤が好まし
く用いられる。
【0027】また、グラフト工程を非水溶媒系で実施す
る場合には、通常の過酸化物やアゾビスイソブチロニト
リル、2,2−ビス(アゾバレロニトリル)の如き、半
減期温度の低い重合開始剤が好適に使用される。重合開
始剤は(メタ)アクリロイル基を有する化合物に対し
0.1〜5重量%の量で有利に用いられる。
【0028】重合温度は50〜100℃が好ましく、特
に70〜90℃が好ましい。50℃未満では重合速度が
遅くなり長時間の重合時間を要す。重合時間は重合温
度,重合条件等により適時選定されるべきであるが1〜
6時間が最適である。重合終了後に必要に応じて脱単量
体のための減圧蒸留もしくは濃度調整のための希釈又は
濃縮を行なうことができる。
【0029】本発明の診断試薬用担体ラテックスに抗原
又は抗体などの免疫血清学的活性物質を化学的に結合
(感作)させる方法としては従来から知られている方法
を採用することができる。担体ラテックスに抗体を感作
させる方法,感作ラテックスの凝集感度の測定および、
非特異的凝集の測定方法は以下の方法により行った。
【0030】(1)担体ラテックス感作法 樹脂ラテックスをリン酸緩衝液に懸濁させ、固形分濃度
5%の懸濁液を0.25ml調製する。この懸濁液に抗A
FPウサギ血清より調製したIgG分画1mg、水溶性カ
ルボジイミド5mgを加え、pH5にし、氷冷下1時間攪
拌し、IgGをラテックス表面に化学結合させる。次
に、グリシンを加え、pH8にし、遠心分離処理(2
0,000rpm、30分間)後、上澄液をとり、ヒト血清
アルブミン3重量%を含むグリシン緩衝液(pH8.
2)に再分散させ、固形分濃度0.1%の感作ラテック
スとする。
【0031】(2)凝集感度の測定法 上記感作ラテックス50μlをウシ血清アルブミン1重
量%を含むグリシン緩衝液(pH8.2)150μlで
希釈し、所定の濃度のAFPを含む試料10μlを加え
攪拌混合したのち、室温で30分間反応させる。光散乱
測定装置でこの混合液の散乱光強度を測定し、AFP濃
度と散乱光強度との関係を得た。
【0032】(3)非特異的凝集の測定法 (2)の凝集感度の測定方法でウシ血清アルブミンを除
いたグリシン緩衝液(pH8.2)で散乱光強度を測定
し、同一AFP濃度の(2)の測定による凝集感度の散
乱光強度との比較から非特異的凝集を判定した。したが
ってウシ血清アルブミンを含む緩衝液とウシ血清アルブ
ミンを含まない緩衝液での散乱光強度の差が少ない程非
特異的凝集が起こらないと判断出来る。
【0033】
【実施例】以下実施例により、本発明を詳述する。
【0034】実施例1 メタクリル酸10重量%を含むエチレン・メタクリル酸
共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製;MF
R=500g/10分)60gをトルエン220g及び
イソプロピルアルコール110gからなる混合溶媒中で
80℃に加熱し溶解した。一方、攪拌機付き耐圧反応器
に水酸化ナトリウム0.4g及びイオン交換水300g
を仕込み容器を窒素ガスで置換し、反応温度70℃〜7
2℃の範囲内にコントロールした。次いで、加熱溶解物
を添加し、1分間に10,000回転で15分間攪拌
し、ラテックス懸濁液を得た。
【0035】この懸濁液から加熱減圧下、トルエン及び
イソプロピルアルコールを除去し固形分濃度を30重量
%になるように調節した。次いで得られたラテックス懸
濁液を固形分量で20g相当量とメタクリル酸n−ブチ
ル20gを混合し全重量が200gになる様にイオン交
換水を添加した。
【0036】さらに、水酸化ナトリウムでpHを10〜
12の間に調整した。上記試料を80℃で30分間混合
攪拌後、過硫酸カリウム0.18gを含むイオン交換水
50gを1時間で滴下し、さらに80℃で1時間重合を
行なった。
【0037】重合終了後、固形分濃度で30重量%にな
るように調整し診断薬用ラテックスを得た。得られたラ
テックスは乳白色で凝集物はなく均一なラテックスであ
った。
【0038】 実施例2 メタクリル酸10重量%を含むエチレン・メタクリル酸
共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製;MF
R=500g/10分)30gとトルエン250gを重
合フラスコ内で80℃に加熱し溶解した。メタクリル酸
n−ブチル30gを添加後、触媒としてアゾビスイソブ
チロニトリル(AIBN)0.3gを含むトルエン50
gを1時間で滴下し、さらに80℃で1時間重合を行っ
た。一方、攪拌機付き耐圧反応器に水酸化カリウム0.
4gを溶解したイオン交換水300gおよびイソプロピ
ルアルコール200gを仕込み、容器を窒素ガスで置換
し、70℃〜72℃の範囲内にコントロールした。次い
で、上記重合物を添加し、1分間10,000回転で1
5分間攪拌し、ラテックス懸濁液を得た。さらに懸濁液
を加熱減圧下で固形分濃度が30重量%になるよう調節
し、診断薬用ラテックスを得た。得られたラテックスは
乳白色で凝集物はなく均一なラテックスであった。
【0039】 比較例1 エチレン−メタクリル酸共重合体をグラフト変性するの
に用いるメタクリル酸n−ブチルの変わりにスチレンモ
ノマーを使用した以外は実施例1と同様に作製し、ラテ
ックスを得た。
【0040】上記試料について該担体ラテックス感作法
により感作ラテックスを得た後、凝集感度の測定を行っ
た。結果を図1に示した。図1から本発明品が比較品に
比べ同一散乱光強度でも低いAFP濃度の測定が可能で
あり、高感度担体ラテックスであることが分る。
【0041】実施例3〜8および比較例2実施例1と同
様の方法でラテックス懸濁液を作製した。グラフト重合
方法として表1に示す様なグラフトモノマー、重合温度
に変更し、診断薬用担体ラテックスを作製した。得られ
た担体ラテックスに所定の方法に従って抗AFP抗体を
感作後、凝集感度の測定および非特異的凝集の測定を行
った。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から、実施例3〜8で得たラテックス
を使用した感作ラテックスは、ウシ血清アルブミンを含
む緩衝液と含まない緩衝液での散乱光強度の差が少な
く、非特異的凝集を低減させることがわかる。これに対
して、比較例2のラテックスを使用した感作ラテックス
は、散乱光強度の差が大きく、非特異的凝集が起こるこ
とがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の診断試薬用担体ラテックスを用
いて調製された診断試薬用担体ラテックス、即ち感作ラ
テックスは非特異的凝集が少なくかつ特異的凝集の感度
が高く、特に光学的測定法による診断システムに最適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜2および比較例1で得た担体ラテッ
クスに抗AFP抗体を感作させた感作ラテックスの凝集
反応に対する散乱光強度(Bit)とAFP濃度(ng/
ml)との関係を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロイル基またはメタアクリロイル
    を有する化合物でグラフト変性されたエチレン・α,
    β−エチレン性不飽和カルボン酸共重合体またはエチレ
    ン・α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩共重合体
    らなり且つ表面にカルボキシル基を有する粒子の懸濁液
    から成ることを特徴とする診断薬用担体ラテックス。
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