JPH0810223B2 - 診断薬用ラテツクス、その製法および該ラテツクスを用いてなる診断薬 - Google Patents

診断薬用ラテツクス、その製法および該ラテツクスを用いてなる診断薬

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JPH0810223B2
JPH0810223B2 JP6363187A JP6363187A JPH0810223B2 JP H0810223 B2 JPH0810223 B2 JP H0810223B2 JP 6363187 A JP6363187 A JP 6363187A JP 6363187 A JP6363187 A JP 6363187A JP H0810223 B2 JPH0810223 B2 JP H0810223B2
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康夫 木原
健二郎 森
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は特定の含フツ素(メタ)アクリレートからな
る診断薬用ラテツクス、その製法および該ラテツクスを
用いてなる診断薬に関するものである。
<従来の技術> 従来から免疫学的診断試薬やそれを用いた免疫反応の
測定方法について盛んに技術開発が行われている。この
ような免疫反応の測定方法としては赤血球やポリスチレ
ンラテツクスに抗原または抗体を固定してなる診断試薬
と、検査を受けるべき血清とを混合して、該血清中に存
在する抗体または抗原との免疫反応にて生じる溶血や凝
集を測定する方法がある。この測定方法は多数の検体処
理の必要性から自動化の方向に進み、微量の検体量でも
迅速に且つ精度の高い結果が得られるマイクロタイター
法(微量検査法)が広く採用されている。
しかし、従来のマイクロタイター法に使用される診断
試薬では、赤血球の如き動物由来の血球を抗原または抗
体の固定用担体として使用していたので、腐敗や変性が
生じやすく、長期にわたる保存には不向きなものであっ
た。
そこで、近年この代替品として種々の合成高分子から
なるラテツクスが固定用担体として開発されている。こ
のようなラテツクスは通常、各種乳化剤をラテツクス粒
子の安定化のために用いた乳化重合によって得られるも
ので、該乳化剤はラテツクス粒子表面に吸着した状態で
存在するものである。乳化剤が吸着したラテツクスは分
散安定性が良好である反面、診断薬用に用いた場合、免
疫反応による該ラテツクス粒子の凝集現象に悪影響を及
ぼす恐れがあり、例えば陰性血清と混合しても凝集す
る、所謂非特異凝集の原因ともなる。
そこで、乳化剤を用いずにラテツクスを得る方法も検
討されており、スチレンを乳化剤の不存在下、水中にて
重合させたのち、アルカリ性条件下で加熱処理を施す方
法(特開昭57−14610号公報)や、さらに塩素化処理を
施してラテツクス粒子の比重を大きくする方法(特開昭
60−233105号公報)などが提案されている。
しかし、抗原または抗体を固定するための担体にポリ
スチレン粒子を用いた場合には、官能基が存在しないた
めに固定化手段として吸着法に頼る必要があり、固定す
る抗原または抗体の種類の制限、pHの厳格な監視など煩
雑な操作を行う必要がある。また、吸着固定後も抗原ま
たは抗体は長期保存中に遊離しやすく、安定性の点で決
して良好な担体とはいえないものである。さらに、免疫
反応によるラテツクス粒子の凝集を短時間にて行わせる
ためには、塩素化などの処理を施して粒子自体の比重を
大きくし凝集塊の沈降速度を大きくすることが好ましい
が、上記のように吸着による固定では制限が多いので、
共有結合による固定化が望ましいものである。
<発明が解決しようとする問題点> 共有結合にて抗原または抗体を固定する場合、ラテツ
クス粒子には結合用の官能基の導入が必要である。しか
し、アクリル酸などのようにカルボキシル基を官能基と
して有する単量体を乳化共重合して導入する場合、この
ような単量体は通常、水溶性を呈するので、乳化重合す
るとラテツクス粒子形成過程で新粒子の生成を伴い、均
一粒子径(単分散性)のラテツクスを得ることができな
いものである。新粒子が存在するとラテツクス中に存在
する粒子の粒子径が不揃いとなるので、各凝集塊の沈降
速度が一定とならず、凝集像が安定しなくなり判定が困
難となるなどの問題が生じる。
従って、本発明者らは抗原または抗体を共有結合にて
固定でき、且つ新粒子を伴なわないラテツクスを開発す
べく検討を重ねた結果、種重合体粒子の存在下にて単量
体を乳化重合させるシート重合法を利用すると好結果が
得られることを見い出した。
シード重合法によってラテツクスを調製すると、比較
的粒子径の大きなラテツクス粒子を得ることができるの
で、抗原または抗体の固定できる許容量を多くすること
が可能となり、且つ粒子径が揃い単分散性のラテツクス
粒子が得られ、凝集反応に優れた再現性を有するように
なる。
一方、含フツ素系の特定単量体を用いることでラテツ
クス粒子の比重を大きくし、その結果、凝集による粒子
の沈降速度を速くでき、短時間での測定が可能となるこ
と、およびこの単量体とカルボキシル基含有単量体を前
記シート重合法にて共重合させることで抗原または抗体
の共有結合による固定化が容易となり、且つ生成するラ
テツクス粒子の単分散性が損なわれないことを見い出し
た。
さらに含フツ素系の特定単量体を用いて診断薬用ラテ
ツクスとすると、血清や尿などに含まれるタンパク質等
の吸着が極めて少なく耐汚染性にすぐれ、且つ非特異凝
集のような非特異的反応も少なくなることが判明した。
<問題点を解決するための手段> 本発明の第1の目的は、特定の含フツ素系単量体およ
びカルボキシル基含有単量体を含む単量体混合物を種重
合体粒子存在下にて共重合してなる診断薬用ラテツクス
を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記診断薬用ラテツク
スの製法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、上記にて得られた診
断薬用ラテツクスに存在するカルボキシル基を介して抗
原、抗体またはハプテンのうち少なくとも一種を共有結
合させてなる診断薬を提供することにある。
本発明の診断薬用ラテツクスは、種重合体粒子の存在
下、特定の含フツ素系単量体およびカルボキシル基含有
単量体を共重合して得ることができるが、上記種重合体
粒子には乳化剤や分散剤が吸着していないものが使用さ
れる。
このような種重合体粒子を調製するには、乳化剤や分
散剤等を使用せずに水媒体中で単量体を重合する、所謂
無乳化剤重合(Soap−Free Polymerization)を行なう
ことが好ましく、この重合によって比較的粒子径分布の
狭い単分散性の種重合体粒子を得ることができる。
種重合体粒子の組成は新粒子の生成防止のために後に
重合させる含フツ素系単量体等を吸収するもの、即ち、
疎水性の高い単量体を主成分として重合させたものであ
ればよいが、2,2,2,−トリフルオロエチル(メタ)アク
リレートおよび/または2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピル(メタ)アクリレートからなる重合体を使用するこ
とが、後に重合させる単量体との相溶性、吸収性の点か
ら好ましい。また種重合体粒子の調製には上記単量体の
ほか、副成分単量体として(メタ)アクリル酸などの共
重合性単量体を任意に共重合してもよい。
上記のようにして得られる種重合体粒子は0.05〜1μ
mの粒径を有するものが好適であり、ラテツクス状態に
て得られる。該粒径が0.05μmに満たないラテツクスを
得ることは特に無乳化剤重合では難かしく、また、あま
り粒径が小さいと後に添加する含フツ素系単量体を充分
に吸収できず、新粒子生成の原因ともなる。一方、1μ
mを超えると含フツ素系単量体等を添加、吸収させて重
合を行ない診断薬用ラテツクスを得たとしても、得られ
るラテツクス粒子の安定性が乏しくなり、非常に凝集し
やすいものとなるので好ましくない。
本発明において上記種重合体粒子存在下にて共重合す
る単量体としては、(a)2,2,2−トリフルオロエチル
(メタ)アクリレートおよび/または2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピル(メタ)アクリレートと、(b)カル
ボキシル基含有単量体との混合物が用いられる。該混合
物のうち(a)成分は本発明にて得られる診断薬用ラテ
ツクスの比重を高めて凝集反応時の沈降速度を大きく
し、短時間での測定を可能とするものであり、診断薬用
ラテツクスの比重を1.30〜1.55、ガラス転移温度を室温
以上とするように配合することが好ましい。
比重が1.30に満たないと沈降速度が小さく測定に時間
を要し、また1.55を超えると沈降速度は大きくなるが、
測定感度が悪くなったり、沈降後の凝集像が崩れやすい
などの問題を生じることがある。一方、ガラス転移温度
が室温に満たずに軟らかいものであると、得られるラテ
ツクス粒子の融着が起こりやすく、保存安定性に欠ける
ようになる場合がある。
前記(b)成分のカルボキシル基含有単量体は、診断
薬用ラテツクスに抗原、抗体またはハプテンを共有結合
にて固定するための官能基を導入するための単量体であ
って、具体的には(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、イタコン酸、フマール酸などが使用できる。
前記(a)成分単量体と(b)成分単量体との配合比
率は(a)成分100重量部に対して(b)成分1〜20重
量部する。(b)成分が1重量部に満たないと固定化の
ために必要なカルボキシル基量が不足し、抗原等の固定
化量が少なくなり、測定感度が低下する。また、20重量
部を超えると新粒子の生成を伴なうので重合反応中での
ラテツクス粒子の安定性が悪くなり、重合中に凝集しや
すくなる。
上記単量体混合物は水媒体下、種重合体粒子1〜100
重量部に対して添加し、過流酸塩の如き通常の水溶性ラ
ジカル重合開始剤を用いてシード重合法による共重合反
応を行なう。また、該共重合反応には得られるラテツク
ス粒子のガラス転移温度を高めて高温下での長期保存安
定性を向上させるために、ジビニルベンゼン、脂肪族多
価アルコールのポリ(メタ)アクリレート(例えばエチ
レングリコールジメタクリレートなど)の如き内部架橋
用単量体を5重量部以下の量で共重合することも可能で
ある。
本発明の診断薬用ラテツクスは上記のようにして得る
ことができるが、具体的な重合方法の一例を挙げると次
の通りである。
攪拌機、滴下濾斗、温度計等を備えた反応フラスコに
種重合体粒子を含む水分散液(固形分0.1〜40重量%)1
900重量部を仕込み、窒素置換を行ないながら、上記含
フツ素系単量体およびカルボキシル基含有単量体からな
る単量体混合物の一部(通常、種重合体の固形分重量に
対して300%以下の量)を添加して攪拌を続け、充分に
種重合体粒子中に吸収、膨潤させたのち、水溶性ラジカ
ル重合開始剤を添加し、反応温度を50℃〜90℃の範囲に
維持しながら共重合反応を続ける。残りの単量体混合物
は添加速度を種重合体の初期固形分重量に対して50〜2
0,000%/時間、好ましくは100〜10,000%/時間となる
ように調整しながら滴下を行ない、上記反応温度を維持
する。また、最初から単量体混合物を上記条件で滴下す
ることもできる。滴下終了後、重合反応を完全に終了さ
せるために更に数十分から数時間攪拌を続けて本発明の
診断薬用ラテツクスが得られる。
以上のようにして得られた診断薬用ラテツクスは平均
粒子径が0.7〜3.0μmの範囲のものであり、マイクロタ
イター法による凝集反応の判定に特に適するものであ
る。上記平均粒子径は重合反応に用いる種重合体粒子お
よび単量体混合物の重量から下記概算式を用いて調整す
ることができるので、得られるラテツクスの粒子径を比
較的容易に制御することができる。
以上のようにして得られた診断薬用ラテツクスは免疫
反応の測定のために、抗原、抗体またはハプテンのうち
少なくとも一種を共有結合によって固定して診断薬とし
て使用することができる。
固定に際しては予め、前記ラテツクスを蒸留水、緩衝
液などで透析や遠心分離、膜濾過の手段を施こし、未反
応単量体などを除去、洗浄したものを使用することが好
ましい。
抗原、抗体またはハプテン(以下、抗原等という)を
診断薬用ラテツクスに共有結合にて固定化するにはラテ
ツクス粒子表面に存在するカルボキシル基を利用する
が、固定方法については特に制限されることなく、従来
より知られている任意の方法によることができる。
例えば、好ましい方法の一つとして、水溶性カルボジ
イミドの存在下に抗原等の有するアミノ基とラテツクス
粒子の有するカルボキシル基とを反応させ、アミド結合
を形成させることにより結合することができる。水溶性
カルボジイミドとしては、例えば、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸
塩、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチ
ル)カルボジイミド−メト−p−トルエンスルホネート
等を挙げることができる。このような水溶性カルボジイ
ミドを用いる抗原等のラテツクス粒子への固定化は、従
来より知られている通常の条件下で行なうことができ、
ラテツクスに抗原等と共に適宜量、例えば、ラテツクス
の単位容量当りに0.01〜2mg/1mlとなるように添加さ
れ、通常、行なわれている条件、例えば、pHを6〜9に
保持して、5〜40℃程度の温度で数分ないし数十時間、
通常、1〜5時間程度反応させればよい。
本発明において用いる抗原、抗体およびハプテンとし
ては、例えば、ヒト及び動物免疫グロブリン、変性免疫
グロブリン、α−フエトプロテイン、C変性タンパク、
肝炎ウイルス関連抗原、風疹HA抗原等の各種ウイルス抗
原、トキソプラズマ、マイコプラズマ、梅毒トレポネー
マ、種々の細菌、真菌、毒素等の微生物抗原、アルブミ
ン、補体成分等の各種血漿タンパク成分、エストロゲ
ン、ヒトゴナドトロピン(HCG)等の各種ホルモン等が
挙げられ、これらの抗原成分に対する抗体等も使用する
ことができる。
また、本発明においては、ラテツクス粒子に抗原等を
固定化するに際して、その自由度を高めるために、ラテ
ツクス粒子と抗原等とをスペーサ基を介在させて共有結
合にて結合させることができる。このスペーサ基は、予
めラテツクス粒子に結合させ、この後にこのスペーサ基
と抗原等とを結合させてもよく、あるいはスペーサ基を
予め抗原等に結合させ、これをラテツクス粒子に結合さ
せてもよい。さらに、必要に応じて、ラテツクス粒子お
よび抗原等の両方に予めスペーサ基を結合させ、これら
を相互に結合させることもできる。
スペーサ基として機能する化合物は、少なくとも二官
能性の有機化合物であり、具体例として、例えば、ヘキ
サメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、キシリ
レンジアミン等のジアミン類、グリシン、β−アミノプ
ロピオン酸、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸等
のアミノアルキルカルボン酸、アミノ酸類等が好ましく
用いられるが、これらに限定されるものではない。
<発明の効果> 以上のように、本発明によれば乳化剤や分散剤を用い
ることなく比重が大きくて粒径分布の狭い診断薬用ラテ
ツクスを得ることができる。しかも、得られるラテツク
ス粒子はその表面にカルボキシル基を有しているので、
抗原、抗体またはハプテンを該カルボキシル基を介して
共有結合にて固定することができるものである。従っ
て、本発明によって得られる診断薬では、長期保存時に
上記抗原等がラテツクス粒子表面から脱着することがな
く、保存性に優れるものである。また、該診断薬は特定
の含フツ素系単量体をシード重合法によって重合してい
るので、タンパク質等の吸着も少なく非特異凝集も起さ
ないものであり、目的とする抗原−抗体反応に対して極
めて精度の高い感度を有するものである。さらに、ラテ
ツクス粒子の粒子径が揃っているので、マイクロタイタ
ー法による測定において常に一定した値を示すものであ
って、極めて再現性の高い結果が得られるものである。
<実施例> 以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明す
るが、何らこれらに限定されるものではなく、本発明の
技術的思想を逸脱しない範囲で種々の応用が可能であ
る。
実施例1 (a)種重合体粒子分散液の調製 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート230
g、アクリル酸6.9g、蒸留水543.3gをフラスコ内に仕込
み、70℃の温度で攪拌し、次に過硫酸アンモニウム0.71
1gを水9.5mlに溶解したラジカル重合開始剤水溶液を加
えて、8.5時間重合反応を行なった。重合率は約100%で
平均粒子径0.35μmの種重合体粒子分散液が得られた。
(b)診断薬用ラテツクスの調製 上記にて得た種重合体粒子分散液を蒸留水にて洗浄し
たのち固形分濃度が20重量%となるように調整した。該
分散液7.89gに蒸留水223.688gを加えて窒素置換しなが
ら、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート5
5.50gおよびアクリル酸2.92gの単量体混合物のうち3gを
添加し、70℃の温度で攪拌して過硫酸アンモニウム0.29
21gを水10mlに溶解したラジカル重合開始剤水溶液を加
え、重合反応を行なった。
残りの単量体混合物は重合開始後、5時間にわたって
滴下重合を行ない、滴下終了後、1時間熟成を行なって
ラテツクスを得た。重合率は98%であり、平均粒子径は
1.17μmであり、新粒子の生成は実質的に皆無であっ
た。
得られたラテツクスをpH8.2になるように水酸化ナト
リウム水溶液にて調整したのち、0.01Mホウ酸緩衝液(p
H8.2)にて充分に洗浄し、固形分濃度が5重量%の診断
薬用ラテツクスを得た。尚、ラテツクス粒子の比重は1.
44であった。
(c)ウサギIgGの固定 上記にて得た診断薬用ラテツクス3ml、0.01Mホウ酸緩
衝液(pH8.2)1.8ml、1−エチル−3−(3−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩水溶液(5mg/m
l)0.6ml、ウサギIgG水溶液(2mg/cc)2.1mlを混合し、
4℃にて17時間反応を行なったのち、余剰のカルボジイ
ミドを消費するために10重量%リジン水溶液2.5mlを加
えた。1時間攪拌を続けたのち、精製を行なって固形分
濃度が2.5重量%になるように調整した。
次に希釈液として0.01Mホウ酸緩衝液(0.9重量%NaC
l、0.2重量%牛血清アルブミン、0.1重量%アジ化ナト
リウムを含む)を上記ラテツクスに加え、固形分濃度が
0.5重量%となるように調整して、本発明の診断薬を得
た。
(d)免疫凝集反応 関節リウマチ因子陽性血清および陰性血清をマイクロ
タイターにて原液から希釈し、上記で得た診断薬と等容
量混合攪拌しながら、凝集像を肉眼判定した。尚、対照
のため赤血球にウサギIgGを固定したリウマチ診断薬
(富士レビオ社製PAHA)を同様に用いて結果を第1表に
示した。
(尚、完全に沈降していないと液が濁って判定できな
い。) 第1表から明らかなように本発明の診断薬は優れた測
定結果を示すものであり、凝集像は1.5時間で安定化
し、且つ明瞭なものであった。一方、対照品は少なくと
も4時間後でなければ安定な凝集像は得られなかった。
実施例2 実施例1における(a)種重合体粒子分散液の調製、
および(b)診断用ラテツクスの調製に使用した2,2,3,
3−テトラフルオロプロピルメタクリレートの代わりに
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートを同量用い
た以外は全て同様にして診断薬用ラテツクスを得た。種
重合体粒子の平均粒子径は0.37μm、診断薬用ラテツク
スの平均粒子径は1.24μmで新粒子の生成は実質的に皆
無であった。尚、診断薬用ラテツクス粒子の比重は1.36
であった。
上記で得られた診断薬用ラテツクスにモルモツトHBs
抗体(4mg/ml)を実施例1と同様の操作にて固定し、本
発明の診断薬を得た。
得られた診断薬を用い、市販のリバーセイア(HBs抗
原検出EIAキツト)によってR−PHA(逆受身血球凝集反
応)試験法を行なった。
マイクロタイターにキツト付属の緩衝液50μを分注
し、1μg/mlのHBs抗原を含有する検体25μを加え、
速やかに倍々希釈を行なった。
次に前記診断薬25μを分注して混合したのち、30秒
間振盪し、90分間および420分間静置後の凝集像を肉眼
判定した。
尚、対照のためにヒツジ赤血球に抗HBs抗体を吸置さ
せたR−PHAセルを用いて本発明の診断薬と同様の測定
を行ない、結果を第2表に示した。但し、判定は270分
間および420分間静置後に行なった。
第2表から明らかなように、本発明の診断薬は優れた
測定結果を示すものであり、対照品では90分間静置で沈
降が完全でなく、浮遊粒子が多く存在するために、270
分間静置しなければ判定不可であるのに対し、本発明の
診断薬では90分間静置で充分な感度が得られるものであ
り、迅速な判定が可能なものである。
また、上記本発明の診断薬を4℃にて6ケ月間保存し
たもの、および本発明の診断薬に安定化剤としてのグル
コースを5重量%含有させ凍結乾燥し、4℃にて6ケ月
間保存したものについて同様の凝集反応を行なって評価
した結果、保存前と全く同一の結果が得られ、長期保存
性が良好であることが判明した。
比較例1 実施例2において調製した種重合体粒子(平均粒子径
0.37μm)にモルモツトHBs抗体を同様にして固定して
診断薬を調製した。
実施例2と同様にして凝集像を判定したが、沈降に24
時間を要し、しかも凝集像が不明瞭であった。
比較例2 実施例2において調製した診断薬用ラテツクスを種重
合体粒子分散液として用い、実施例2と同様にしてさら
にシード重合を行ない平均粒子径3.46μmの診断薬用ラ
テツクスを調製し、同様にモルモツトHBs抗体を固定し
て診断薬を調製した。
実施例2と同様にして凝集像を判定したが、沈降時間
は約30分と非常に早く、抗原濃度の高い検体では凝集像
が崩れやすく、不明瞭となることもあり、感度は8倍希
釈価と若干低いものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/543 587 (56)参考文献 特開 昭61−247966(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)2,2,2−トリフルオロエチル(メ
    タ)アクリレートおよび/または2,2,3,3−テトラフル
    オロプロピル(メタ)アクリレート100重量部と、 (b)カルボキシル基含有単量体1〜20重量部、を含む
    単量体混合物が種重合体粒子存在下にて共重合されてな
    る診断薬用ラテツクス。
  2. 【請求項2】種重合体粒子が2,2,2−トリフルオロエチ
    ル(メタ)アクリレートおよび/または2,2,3,3−テト
    ラフルオロプロピル(メタ)アクリレートを主成分とす
    る重合体である特許請求の範囲第1項記載の診断薬用ラ
    テツクス。
  3. 【請求項3】水媒体下、乳化剤または分散剤を含有しな
    い種重合体粒子1〜100重量部に、 (a)2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレー
    トおよび/または2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
    (メタ)アクリレート100重量部と、 (b)カルボキシル基含有単量体1〜20重量部、を含む
    単量体混合物を添加し、水溶性ラジカル重合開始剤にて
    共重合反応させることを特徴とする診断薬用ラテツクス
    の製法。
  4. 【請求項4】種重合体粒子が2,2,2−トリフルオロエチ
    ル(メタ)アクリレートおよび/または2,2,3,3−テト
    ラフルオロプロピル(メタ)アクリレートを主成分とす
    る重合体である特許請求の範囲第3項記載の診断薬用ラ
    テツクスの製法。
  5. 【請求項5】(a)2,2,2−トリフルオロエチル(メ
    タ)アクリレートおよび/または2,2,3,3−テトラフル
    オロプロピル(メタ)アクリレート100重量部と、 (b)カルボキシル基含有単量体1〜20重量部、を含む
    単量体混合物を種重合体粒子存在下にて共重合してなる
    診断薬用ラテツクスに、該ラテツクスのカルボキシル基
    を介して抗原、抗体またはハプテンのうち少なくとも一
    種が共有結合されてなる診断薬。
  6. 【請求項6】種重合体粒子が2,2,2−トリフルオロエチ
    ル(メタ)アクリレートおよび/または2,2,3,3−テト
    ラフルオロプロピル(メタ)アクリレートを主成分とす
    る重合体である特許請求の範囲第5項記載の診断薬。
  7. 【請求項7】診断薬用ラテツクスが平均粒子径0.7〜3.0
    μmである特許請求の範囲第5項記載の診断薬。
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