JP2921310B2 - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents

積層型圧電アクチュエータ

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JP2921310B2
JP2921310B2 JP4335030A JP33503092A JP2921310B2 JP 2921310 B2 JP2921310 B2 JP 2921310B2 JP 4335030 A JP4335030 A JP 4335030A JP 33503092 A JP33503092 A JP 33503092A JP 2921310 B2 JP2921310 B2 JP 2921310B2
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JP
Japan
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piezoelectric
piezoelectric actuator
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adhesive
laminated
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哲夫 竹島
純 多保田
健 永森
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧電アクチュエータ
に関し、詳しくは、圧電体層の両面に電極(内部電極)
を配設してなる圧電アクチュエータ素子を接着剤で接着
することにより、複数枚の圧電アクチュエータ素子を積
層してなる積層型圧電アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図1
は、積層型圧電アクチュエータの一例を示す図であり、
(a)は平面断面図、(b)は側面図である。また、図
2は、その要部拡大断面図である。
【0003】この積層型圧電アクチュエータは、図1,
図2に示すように、圧電セラミックスからなる圧電体層
1の両主面に電極(内部電極)2を配設してなる圧電ア
クチュエータ素子3(図2)を接着剤4で接着して複数
枚の圧電アクチュエータ素子3を積層することにより形
成されている。なお、各圧電アクチュエータ素子3にお
いて、圧電体層1の両主面に配設された内部電極2は互
に異なる側の端部に引き出されている。
【0004】また、圧電アクチュエータ素子3を積層し
た積層体5の相対向する側面(内部電極2が引き出され
た方の側面)には外部薄膜電極6が形成されている。さ
らに、外部薄膜電極6の上には金属薄板7が配設されて
おり、この金属薄板7にはリード線8が接続されてい
る。また、このようにして形成された積層体5は、その
側面全体が外装用のコーティング剤9によりコーティン
グされている。
【0005】そして、上記のように構成された積層型圧
電アクチュエータにおいては、各圧電アクチュエータ素
子3の内部電極2が互に異なる側の端部に引き出されて
おり、圧電体層1の中央部で内部電極2が対向している
ため、内部電極2に電圧を印加すると、主として、積層
体5の両側の端部10を除いた中央部11が伸縮(変
位)する。
【0006】そのため、伸縮(変位)する中央部11と
伸縮(変位)しない端部10との境界部に応力が加わ
り、圧電体層1にクラック1aが発生して絶縁不良を引
き起こすという問題点がある。
【0007】この発明は、上記問題点を解決するもので
あり、圧電体層にクラックが発生することを防止して、
絶縁不良による故障の発生しない積層型圧電アクチュエ
ータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の積層型圧電アクチュエータは、圧電セラ
ミックスからなる圧電体層の両面に、主としてその中央
部において、圧電体層を介して互いに対向するように
極を配設してなる圧電アクチュエータ素子を接着剤で接
着することにより、複数枚の圧電アクチュエータ素子を
積層してなる積層型圧電アクチュエータにおいて、 (TA/YA)+(TC/YC)>3.4×10-11・TC ……(a) 但し、TA:接着剤層一層の厚み(m) YA:接着剤層のヤング率(N/m2) TC:圧電体層一層の厚み(m) YC:圧電体層のヤング率(N/m2) の関係を満たすことを特徴とする。
【0009】すなわち、この発明は、以下に説明するよ
うなモデルを想定して、種々検討を行うことにより完成
されたものである。
【0010】例えば、圧電セラミックスからなる圧電体
層と接着剤層がそれぞれ一層のモデルを考えた場合、図
3に示すようなモデルとして扱うことができる。なお、
理解を容易にするため、図4に要部拡大断面図を示すよ
うな積層型圧電アクチュエータの各部を参照しつつ説明
を行う。
【0011】すなわち、図3に示すモデルにおいては、
圧電体層と接着剤層の両層を合わせた変位δ(m)は次
の式により表される。 δ=d33・V …… 但し、 d33:圧電定数(m/V) V:印加電圧(V)
【0012】そして、上記モデルのギャップ面積、すな
わち、図4の積層型圧電アクチュエータにおける、一つ
の圧電アクチュエータ素子3の端部10,10の面積を
S(m2)、圧電体層1及び接着剤層4のばね定数をそ
れぞれKC,KA(N/m)とすると、 KC=(YC・S)/TC …… KA=(YA・S)/TA …… となる。
【0013】また、引張力をF(N)とすると、 δ =δC+δA …… δC=F/KC …… δA=F/KA …… となる。
【0014】そこで、,,,をに代入する
と、 δ={(TC/YC)+(TA/YA)}・(F/S) …… となる。
【0015】また、応力Tは、T=F/S(N/m2
及び式より、 T=δ/{(TC/YC)+(TA/YA)} …… となる。
【0016】δはひずみであるため、TCに比例する。
したがって、式を変形すると、 (TC/YC)+(TA/YA)=δ/T=KTC …… となる。
【0017】そこで、この式から接着剤として好まし
い条件を種々検討することにより上記の式(a)で表さ
れる条件を見出した。
【0018】すなわち、上記の式(a): (TA/YA)+(TC/YC)>3.4×10-11・TC の条件を満たす接着剤を用いて圧電アクチュエータ素子
を接着、積層することにより、内部電極2,2(図4)
間に電圧を印加した場合に、積層体5の両端部10を除
いた中央部11が伸縮(変位)するように構成された積
層型圧電アクチュエータにおいても、伸縮(変位)する
中央部11と伸縮(変位)しない両端部10との境界部
におけるクラックの発生を防止して、絶縁不良による故
障の発生を抑制することができる。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を示してその特徴を
さらに詳しく説明する。
【0020】実施例1 厚み150μm、ヤング率5.3×1010N/m2の圧電
体層(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr1-X
TiX)O3)系圧電セラミックス層)の両面に電極(内
部電極)を形成してなる圧電アクチュエータ素子を、ヤ
ング率が2.95×109N/m2のエポキシ系の接着剤
を用いて接着することにより、積層数63層の積層型圧
電アクチュエータをサンプルとして作成した。なお、接
着剤層の厚みは表1に示す範囲で変化させた。
【0021】そして、上記サンプルを用い、直流200
Vの電圧を印加して耐久試験を行った。なお、耐久性試
験においては、絶縁抵抗が1/100に低下したときを
故障発生時点と判定した。
【0022】上記耐久試験の結果を図5のグラフに示す
とともに、表1に、前記式、すなわち、(TC/YC
+(TA/YA)=δ/T=KTC におけるKの値を示
す。また、上記条件下で電圧を印加した場合に、圧電体
層(圧電セラミックス層)に加わる内部応力の理論値を
表1にあわせて示す。なお、内部応力の値を求めるにあ
たっては、δの値として、圧電体のd33定数(603×
10-12m/V)に印加電圧200Vを乗じた値(1.
21×10-7m)を用いた。
【0023】
【表1】
【0024】表1及び図5より、接着剤層の厚みが7μ
m以上、すなわち、上記式におけるKの値が3.47
×10-11以上になると、内部応力が低下するとともに
故障発生時間(MTTF)の値が顕著に大きくなること
がわかる。
【0025】実施例2 実施例1と同様の圧電体層(圧電セラミックス層)を用
い、接着剤層の厚みを6μm一定とし、接着剤(エポキ
シ系接着剤)のヤング率を表2の範囲で変化させて上記
実施例1と同様の積層型圧電アクチュエータ(サンプ
ル)を作成し、上記実施例1と同様の条件で耐久試験を
行った。その結果を図6のグラフに示すとともに、上記
式におけるKの値を表2に示す。また、上記条件下で
電圧を印加した場合に、圧電体層(圧電セラミックス
層)に加わる内部応力の理論値を表2にあわせて示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2及び図6より、ヤング率が2.55×
109N/m2以上、すなわち、式におけるKの値が
3.46×10-11以上になると、内部応力が低下する
とともに故障発生時間(MTTF)の値が顕著に大きく
なることがわかる。
【0028】なお、上記実施例1及び2より、接着剤層
の厚み、ヤング率、Kの値、及び故障発生時間(MTT
F)の関係から、K=3.4×10-11以上で故障発生
時間の値が顕著に増大することが認められるため、K=
3.4×10-11以上の条件を請求の範囲とした。
【0029】なお、この発明は、上記実施例に限定され
るものではなく、圧電体層の厚みや積層数、圧電体層を
構成する材料の組成、接着剤の種類、などに関して、こ
の発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加え
ることが可能である。
【0030】
【発明の効果】上述のように、この発明の積層型圧電ア
クチュエータは、(TA/YA)+(TC/YC)>3.4
×10-11・TC (式(a))の関係を満たすように、
所定の接着剤を用いて所定の圧電体(圧電アクチュエー
タ素子)を接着、積層するようにしているので、圧電セ
ラミックスからなる圧電体層の中央部で内部電極が対向
し、内部電極間に電圧を印加した場合に、積層体の両端
部を除いた中央部が伸縮(変位)するように構成された
積層型圧電アクチュエータにおいて、伸縮(変位)する
中央部と伸縮(変位)しない両端部との境界部において
クラックが発生することを防止して絶縁不良による故障
の発生を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層型圧電アクチュエータを示す図であり、
(a)は平面断面図、(b)は側面図である。
【図2】積層型圧電アクチュエータを示す要部拡大断面
図である。
【図3】この発明を説明するためのモデルを示す図であ
る。
【図4】この発明にかかる積層型圧電アクチュエータを
示す要部拡大断面図である。
【図5】この発明の実施例における接着剤層の厚みと故
障発生時間(MTTF)との関係を示すグラフである。
【図6】この発明の実施例における接着剤層のヤング率
と故障発生時間(MTTF)との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 圧電体層(圧電セラミックス層) 2 電極(内部電極) 3 圧電アクチュエータ素子 4 接着剤(層) 5 積層体 6 外部薄膜電極 7 金属薄板 8 リード線 9 コーティング剤 10 積層体の端部 11 積層体の中央部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 41/00 - 41/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電セラミックスからなる圧電体層の両面
    に、主としてその中央部において、圧電体層を介して互
    いに対向するように電極を配設してなる圧電アクチュエ
    ータ素子を接着剤で接着することにより、複数枚の圧電
    アクチュエータ素子を積層してなる積層型圧電アクチュ
    エータにおいて、 (TA/YA)+(TC/YC)>3.4×10-11・TC 但し、TA:接着剤層一層の厚み(m) YA:接着剤層のヤング率(N/m2) TC:圧電体層一層の厚み(m) YC:圧電体層のヤング率(N/m2) の関係を満たすことを特徴とする積層型圧電アクチュエ
    ータ。
JP4335030A 1992-11-20 1992-11-20 積層型圧電アクチュエータ Expired - Lifetime JP2921310B2 (ja)

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US7443080B2 (en) 2006-01-23 2008-10-28 Ngk Insulators, Ltd. Laminated piezoelectric/electrostrictive device
JP2018081036A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 日立オートモティブシステムズ株式会社 複合センサ装置

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