JP2921310B2 - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents
積層型圧電アクチュエータInfo
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Description
に関し、詳しくは、圧電体層の両面に電極(内部電極)
を配設してなる圧電アクチュエータ素子を接着剤で接着
することにより、複数枚の圧電アクチュエータ素子を積
層してなる積層型圧電アクチュエータに関する。
は、積層型圧電アクチュエータの一例を示す図であり、
(a)は平面断面図、(b)は側面図である。また、図
2は、その要部拡大断面図である。
図2に示すように、圧電セラミックスからなる圧電体層
1の両主面に電極(内部電極)2を配設してなる圧電ア
クチュエータ素子3(図2)を接着剤4で接着して複数
枚の圧電アクチュエータ素子3を積層することにより形
成されている。なお、各圧電アクチュエータ素子3にお
いて、圧電体層1の両主面に配設された内部電極2は互
に異なる側の端部に引き出されている。
た積層体5の相対向する側面(内部電極2が引き出され
た方の側面)には外部薄膜電極6が形成されている。さ
らに、外部薄膜電極6の上には金属薄板7が配設されて
おり、この金属薄板7にはリード線8が接続されてい
る。また、このようにして形成された積層体5は、その
側面全体が外装用のコーティング剤9によりコーティン
グされている。
電アクチュエータにおいては、各圧電アクチュエータ素
子3の内部電極2が互に異なる側の端部に引き出されて
おり、圧電体層1の中央部で内部電極2が対向している
ため、内部電極2に電圧を印加すると、主として、積層
体5の両側の端部10を除いた中央部11が伸縮(変
位)する。
伸縮(変位)しない端部10との境界部に応力が加わ
り、圧電体層1にクラック1aが発生して絶縁不良を引
き起こすという問題点がある。
あり、圧電体層にクラックが発生することを防止して、
絶縁不良による故障の発生しない積層型圧電アクチュエ
ータを提供することを目的とする。
に、この発明の積層型圧電アクチュエータは、圧電セラ
ミックスからなる圧電体層の両面に、主としてその中央
部において、圧電体層を介して互いに対向するように電
極を配設してなる圧電アクチュエータ素子を接着剤で接
着することにより、複数枚の圧電アクチュエータ素子を
積層してなる積層型圧電アクチュエータにおいて、 (TA/YA)+(TC/YC)>3.4×10-11・TC ……(a) 但し、TA:接着剤層一層の厚み(m) YA:接着剤層のヤング率(N/m2) TC:圧電体層一層の厚み(m) YC:圧電体層のヤング率(N/m2) の関係を満たすことを特徴とする。
うなモデルを想定して、種々検討を行うことにより完成
されたものである。
層と接着剤層がそれぞれ一層のモデルを考えた場合、図
3に示すようなモデルとして扱うことができる。なお、
理解を容易にするため、図4に要部拡大断面図を示すよ
うな積層型圧電アクチュエータの各部を参照しつつ説明
を行う。
圧電体層と接着剤層の両層を合わせた変位δ(m)は次
の式により表される。 δ=d33・V …… 但し、 d33:圧電定数(m/V) V:印加電圧(V)
わち、図4の積層型圧電アクチュエータにおける、一つ
の圧電アクチュエータ素子3の端部10,10の面積を
S(m2)、圧電体層1及び接着剤層4のばね定数をそ
れぞれKC,KA(N/m)とすると、 KC=(YC・S)/TC …… KA=(YA・S)/TA …… となる。
と、 δ={(TC/YC)+(TA/YA)}・(F/S) …… となる。
及び式より、 T=δ/{(TC/YC)+(TA/YA)} …… となる。
したがって、式を変形すると、 (TC/YC)+(TA/YA)=δ/T=KTC …… となる。
い条件を種々検討することにより上記の式(a)で表さ
れる条件を見出した。
を接着、積層することにより、内部電極2,2(図4)
間に電圧を印加した場合に、積層体5の両端部10を除
いた中央部11が伸縮(変位)するように構成された積
層型圧電アクチュエータにおいても、伸縮(変位)する
中央部11と伸縮(変位)しない両端部10との境界部
におけるクラックの発生を防止して、絶縁不良による故
障の発生を抑制することができる。
さらに詳しく説明する。
体層(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr1-X
TiX)O3)系圧電セラミックス層)の両面に電極(内
部電極)を形成してなる圧電アクチュエータ素子を、ヤ
ング率が2.95×109N/m2のエポキシ系の接着剤
を用いて接着することにより、積層数63層の積層型圧
電アクチュエータをサンプルとして作成した。なお、接
着剤層の厚みは表1に示す範囲で変化させた。
Vの電圧を印加して耐久試験を行った。なお、耐久性試
験においては、絶縁抵抗が1/100に低下したときを
故障発生時点と判定した。
とともに、表1に、前記式、すなわち、(TC/YC)
+(TA/YA)=δ/T=KTC におけるKの値を示
す。また、上記条件下で電圧を印加した場合に、圧電体
層(圧電セラミックス層)に加わる内部応力の理論値を
表1にあわせて示す。なお、内部応力の値を求めるにあ
たっては、δの値として、圧電体のd33定数(603×
10-12m/V)に印加電圧200Vを乗じた値(1.
21×10-7m)を用いた。
m以上、すなわち、上記式におけるKの値が3.47
×10-11以上になると、内部応力が低下するとともに
故障発生時間(MTTF)の値が顕著に大きくなること
がわかる。
い、接着剤層の厚みを6μm一定とし、接着剤(エポキ
シ系接着剤)のヤング率を表2の範囲で変化させて上記
実施例1と同様の積層型圧電アクチュエータ(サンプ
ル)を作成し、上記実施例1と同様の条件で耐久試験を
行った。その結果を図6のグラフに示すとともに、上記
式におけるKの値を表2に示す。また、上記条件下で
電圧を印加した場合に、圧電体層(圧電セラミックス
層)に加わる内部応力の理論値を表2にあわせて示す。
109N/m2以上、すなわち、式におけるKの値が
3.46×10-11以上になると、内部応力が低下する
とともに故障発生時間(MTTF)の値が顕著に大きく
なることがわかる。
の厚み、ヤング率、Kの値、及び故障発生時間(MTT
F)の関係から、K=3.4×10-11以上で故障発生
時間の値が顕著に増大することが認められるため、K=
3.4×10-11以上の条件を請求の範囲とした。
るものではなく、圧電体層の厚みや積層数、圧電体層を
構成する材料の組成、接着剤の種類、などに関して、こ
の発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加え
ることが可能である。
クチュエータは、(TA/YA)+(TC/YC)>3.4
×10-11・TC (式(a))の関係を満たすように、
所定の接着剤を用いて所定の圧電体(圧電アクチュエー
タ素子)を接着、積層するようにしているので、圧電セ
ラミックスからなる圧電体層の中央部で内部電極が対向
し、内部電極間に電圧を印加した場合に、積層体の両端
部を除いた中央部が伸縮(変位)するように構成された
積層型圧電アクチュエータにおいて、伸縮(変位)する
中央部と伸縮(変位)しない両端部との境界部において
クラックが発生することを防止して絶縁不良による故障
の発生を抑制することが可能になる。
(a)は平面断面図、(b)は側面図である。
図である。
る。
示す要部拡大断面図である。
障発生時間(MTTF)との関係を示すグラフである。
と故障発生時間(MTTF)との関係を示すグラフであ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】圧電セラミックスからなる圧電体層の両面
に、主としてその中央部において、圧電体層を介して互
いに対向するように電極を配設してなる圧電アクチュエ
ータ素子を接着剤で接着することにより、複数枚の圧電
アクチュエータ素子を積層してなる積層型圧電アクチュ
エータにおいて、 (TA/YA)+(TC/YC)>3.4×10-11・TC 但し、TA:接着剤層一層の厚み(m) YA:接着剤層のヤング率(N/m2) TC:圧電体層一層の厚み(m) YC:圧電体層のヤング率(N/m2) の関係を満たすことを特徴とする積層型圧電アクチュエ
ータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4335030A JP2921310B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | 積層型圧電アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4335030A JP2921310B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | 積層型圧電アクチュエータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06164009A JPH06164009A (ja) | 1994-06-10 |
JP2921310B2 true JP2921310B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=18283957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4335030A Expired - Lifetime JP2921310B2 (ja) | 1992-11-20 | 1992-11-20 | 積層型圧電アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2921310B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4035988B2 (ja) * | 2001-12-06 | 2008-01-23 | 株式会社デンソー | セラミック積層体及びその製造方法 |
US7443080B2 (en) | 2006-01-23 | 2008-10-28 | Ngk Insulators, Ltd. | Laminated piezoelectric/electrostrictive device |
JP2018081036A (ja) * | 2016-11-18 | 2018-05-24 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 複合センサ装置 |
-
1992
- 1992-11-20 JP JP4335030A patent/JP2921310B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06164009A (ja) | 1994-06-10 |
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