JP2920469B2 - ラジアルタイヤ - Google Patents

ラジアルタイヤ

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JP2920469B2
JP2920469B2 JP6125822A JP12582294A JP2920469B2 JP 2920469 B2 JP2920469 B2 JP 2920469B2 JP 6125822 A JP6125822 A JP 6125822A JP 12582294 A JP12582294 A JP 12582294A JP 2920469 B2 JP2920469 B2 JP 2920469B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチールコードで補強さ
れた空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】周知のようにラジア
ルタイヤはトレッドとカーカスとの間にベルト層と呼ば
れる補強部が複数層設けられ、カーカスを半径方向に締
め付けるようになっている。こうしたベルト層には複数
本の素線(フィラメント)を撚り合わせたスチールコード
が使用されている。このスチールコードには種々のタイ
プがあるが、複数本の素線を同一撚り方向、同一撚りピ
ッチに撚り合わせたいわゆる1×nとりわけ素線数が6
本以下のバンチドコードがコスト面などの利点からから
多く使用される傾向にある。ところで、タイヤに発生す
る歪は、内圧をかけることによる静的な歪と、タイヤが
動いているときの接地部分に生ずる動的な歪が複合的に
生ずる。ベルト層についてみると、スチールコードの静
的な歪はクラウンセンターの歪が最大で、ショルダー部
では自由端であるため歪はゼロとなり、これに対応して
せん断歪はコードの端で最も大きくなる。すなわち、ベ
ルト縁部で層間せん断歪が最も大きく、コードとゴムと
のセパレーション現象が起りやすい。また、動的歪は主
として曲げ歪であり、この曲げ歪はコードとゴムの伸長
・圧縮歪を生じさせ、やはりベルト縁などに集中的な歪
を発生させる。そして、コーナリング力や駆動制動力に
よってタイヤには歪が生じ、その歪は特にコーナリング
などによる横力の影響が大きく、ベルトは横力によって
面内の曲げが生じ、外側には伸長歪が、内側には圧縮歪
(コード軸方向の圧縮力)が付加される。
【0003】このような状況に対応するためには、第1
に、スチールコードがゴムと確実に一体化した複合体と
なっていなければならない。第2に素線集合体としてま
とまりがあり、高い剛性と圧縮を受けたときにバードケ
ージとなりにくいなどの良好な機械的特性を有していな
ければならない。前者について述べると、スチールコー
ドとゴムとの接着状態が完全でないと、前記のようなせ
ん断歪や曲げ歪によって容易にスチールコードとゴムと
の剥離現象を起すほか、トレッドの傷などを通して外部
から浸入した水分によりスチールコードに錆を発生さ
せ、スチールコードの著しい切断荷重の低下やセパレー
ションを早める。これに対応するためには、ゴムをスチ
ールコードの中心部まで浸透させるともに、素線の外周
にゴムがよく付着するようにする必要がある。しかし、
通常のバンチドコードでは、特殊なプレフォームを行わ
ない限り、各素線が交差せずに平行に並んだコンパクト
な形態のものとなる。このため、ゴム浸透性とゴム付着
性が不十分となりやすい。この対策として、従来、複数
本の素線をルーズに撚り合わせたもの、芯の素線を増径
して側の素線と素線間に微少な隙間を形成したもの、側
の素線の本数を減らして大きな隙間を形成したものなど
が提案されている。
【0004】後者については、素線集合体として一体性
が乏しく機械的特性が良好でない場合には、せん断歪、
伸長歪、圧縮歪の繰り返しによってコード端部にばらけ
が生じたり、疲労によって折れが生じたりし、補強材と
しての機能が不十分になる。しかし、この機能は前者の
機能(ゴム浸透性や付着力)と両立しにくく、前記のよう
にスチールコードの撚りをルーズにしたりして素線間の
隙間を大きく構成することは、複数本の素線がまとまっ
て強度メンバーとして働く特性を減殺することになるの
である。すなわち、前記のような隙間形成技術は、理論
的にはともかくとして、実際に適用したスチールコード
では、或る素線が他の素線と一点しか接触しない状態が
多く存在して撚りが不安定になったり、各素線間の隙間
が一定せず、一方に偏った状態が発生して均一なゴム浸
透性などが低下する問題が生ずる。また、コード軸方向
に圧縮力が作用した場合に、素線相互の拘束力を期待で
きないため、複数本の素線が四方、八方に開くいわゆる
バードケージ状を呈しやすく、座屈によって折れが生じ
やすくなることが問題である。また、素線間の拘束力が
弱いため、素線が断線したときに断線端末がゴム層を破
って突き出す危険がある。
【0005】なお、特公平4−13473号公報には、
2層(3+9構造)や3層(3+9+15構造)などの多層
スチールコードについてバンチドコード化したものが提
案されている。この先行技術は、芯すなわち中心層の素
線の抜けを防止する目的で、個々の素線によって形成さ
れるコイル径をコード中心線に沿って変化させ、素線が
中心層にあったり中間層ないし外層にあったりするよう
にしたものである。しかし、この先行技術はコード径が
大きくなるためベルト層には不向きであり、また、中心
層の引抜き抵抗を増加させることは可能であるが、ゴム
浸透性について考慮しておらず、コード長手方向と直角
の断面が常に多角形状に特定されたいわゆる閉輪郭型で
あり、コードが外方に開いていないためゴム浸透性が悪
くなる。また、多層構造であるため、中心層と外層の素
線長がかなり異なり、このため引っ張り荷重が作用した
ときに中心層の素線に負担が大きく加わり、疲労性が低
下する。従って、前記した2つの特性を満足させること
は事実上困難であった。
【0006】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その目的とするところは、コー
ド中心部へよくゴムが浸透するとともにゴムとの付着性
が良好で、セパレーションを的確に防止することがで
き、しかもそれでいて素線集合体としてのまとまりがよ
く、コード軸方向の圧縮圧力に強い良好な機械的特性を
有し、動的、静的な歪によく耐えることができるラジア
ルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、3本以上の素線を同一撚り方向と同一撚りピ
ッチで撚り合わせた1×n構造のスチールコードで少な
くとも部分的に補強されたラジアルタイヤにおいて、前
記スチールコードが、素線同士が交差することなく並ん
だ平行状部分と素線同士が交差した交差部分とがコード
長手方向で混在しており、素線同士の交差によって口開
きが創成されてコードの長手方向と直角の断面形状が逐
次変化し随所で開輪郭となっている構成としたものであ
る。好適には前記スチールコードはベルト層に使用され
る。この場合、素線数は3本以上かつ7本以下であり、
素線交差頻度Fが、コード長さLと撚りピッチPとの関
係において0.5≦(F×P)/L≦4.0の範囲、より
好適には0.5≦(F×P)/L≦2.0の範囲にある構
成とする。本発明によるスチールコードは、素線同士が
平行状に並んでいる部分のほか、素線がコード外径側か
らコード中心側に移動し再びコード外径側に移動した
り、コード中心側からコード外径側に移動し再びコード
中心側に移動したり、あるいはさらに外径側の隣接する
素線同士が入れ替わるというように互いに交差している
部分が所定頻度で数多く存在している。前記素線の交差
は、コード外径側素線同士の交差と、コード外径側素線
とコード中心側素線の交差を含むものであり、また、隣
接する2本以上の素線が平行なまま他の1本以上の素線
と交差している場合を含むものである。前記スチールコ
ードは、好適には、撚線機に供給される各素線の配列を
撚り口領域で周期的に変化させ、隣接する1本以上の素
線を入れ替えさせることで作られるもので、各素線の配
列を撚り口域周期的に変化させる方法は、好適には、素
線の供給長さを略一定に保ちながら軸線に対し偏心させ
たロールを通し、ついで多数の穴を同一円周上に配列し
た配線板を通すことである。
【0008】
【作用】本発明においては、スチールコードは、素線同
士が交差しないで並んだ部分と素線同士が交差する部分
がコード長手方向に混在しており、素線同士が交差しな
い部分は隣接する素線が平行に並んでいるため締まって
安定した撚り状態にあり、隣接する素線間にはほとんど
隙間は存在しない。しかし、素線同士が交差する部分で
は、隣接する素線と素線の交差によって大きなアイ状の
隙間が形成される。しかも、交差した素線は素線と素線
がお互いに拘束しあって次の平行撚り部分へと移行して
いるため、前記隙間の大きさと位置はしっかりと固定さ
れ、外力がかかっても偏ったりしない。したがってスチ
ールコードをゴム層中に埋め込んだときに、大きな隙間
を通してコード中心部にゴムがスムーズに侵入し、隙間
なく充填されるとともに、各素線の表面を確実に覆うこ
とができる。素線が交差している部分で素線同士は離間
し、かつこうした交差がコード長手方向で素線同士の組
合せを変えて反復されるため、コード長手方向と直角の
断面が特定の形を形成せずに開輪郭状を呈し、これがコ
ード長手方向で随所に成形される。このためコードの表
面積が実質的に大きくなり、ゴムとの付着力が向上し、
ゴムと一体化される。従って、ゴムとのセパレーション
現象や侵入水分による発錆が防止され、ベルト層に適用
した場合に、コーナリング時などに生ずるベルト縁部せ
ん断歪に対する耐久性を大きく向上することができる。
上記のような特性を有していながら、素線の交差した部
分では素線がお互いに拘束しあっているため、素線集合
体としてまとまりがよく、コード軸方向に圧縮力が作用
したときにも拡開せず、座屈性能を向上することができ
る。また、コード内の素線が断線を起しても交差部分の
前記拘束作用で断線素線の遊離が防止されるため、コー
ドがばらけず、ゴム層の突き抜けも生じない。素線同士
が交差することなく並んだ平行部分と素線同士が交差し
た交差部分とがコード長手方向で混在しているため、各
素線がほぼ同一長さを有することになり、引っ張り荷重
を各素線が均等に受持つことになるため疲労性も向上す
る。ことに素線交差部頻度Fを一定の範囲に設定したと
きには、ゴム浸透性、フレッティング、座屈性能、疲労
などの特性をバランスよく達成することができる。した
がって本発明によれば、内圧充填による歪、走行による
負荷時の歪、横力による伸長・圧縮歪に対する耐久性の
向上を図ることができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1は本発明を適用したラジアルタイヤを示して
おり、11はカーカス、12はトレッド、13a,13
b,13c,13dはカーカス11とトレッド12との
間に配した複数枚(この例では4枚)のベルトである。前
記ベルト13a,13b,13c,13dは平行配列の
スチールコード10の両側からゴムをトッピングしてゴ
ム層14としこれを加硫することにより作られている。
ゴムは天然ゴム、合成ゴムのいずれでもよいが、セパレ
ーションとコード耐久性の面から、50%モジュラスが10
〜40kg/cm2であることが好ましい。本発明の特徴は前記
スチールコード10にある。図3は本発明における1×
4構造の単層スチールコード10を部分的に示してい
る。1ないし4は素線であり、径が0.10〜0.45mm
で表面には黄銅、亜鉛などゴムとの親和性の良好なメッ
キが施されている。前記素線1,2,3,4は同一撚り
方向でかつ同一撚りピッチで一度に撚り合わされている
ことは通常の一括撚りスチールコードと同様である。し
かし本発明においては、通常の一括撚りコードのように
平行撚りで整然と構成されているのでなく、交差撚りが
組み込まれて故意に撚りが乱されている。すなわち、図
3のようにコード長手方向において、任意の素線同士が
交差することなく平行に並んだ部分aと、任意の素線が
お互いに交差した部分bを有し、交差部分bにはアイ状
の口開きが創成され、それによってコード軸線中心に通
じる隙間cが形成されている。前記平行部分aと交差部
分bはコード長手方向で交互に繰り返され、交差によっ
て素線の位置が様々に変化する。したがってコードは長
手方向と直角の断面形状が一様でなく、後述する図5な
いし図10のように随所で開輪郭を呈する特異なものと
なる。
【0010】図4は図3のスチールコードのある長さ範
囲Lの部分を拡大し、円周方向で90度ずつ位相をずら
して目視した状態を示しており、隙間cを形成した交差
部分bは、この長さ範囲Lにおいて3つ現われている。
すなわち、図4(a)では各素線はほぼ平行に並んでいる
が、これと90度位相のずれた面では、図4(b)のよう
にたとえば素線2と3が交差しており、それによりアイ
状に口の開いた隙間cが形成されている。また、さらに
90度位相のずれた面では、図4(c)のようにたとえば
素線3と4が交差し、それによって隙間cが形成されて
いる。さらにこれから90度位相がずれた面では図4
(d)のようにたとえば素線4と1が交差することによっ
て隙間cが形成されている。このように本発明は、ある
長さの領域で、コード周方向においても素線が交差する
部分bと素線が平行な部分aとが混在する。
【0011】図5は図1のコードを所定長さごとに切断
した断面を模式的に示している。(a)は平行部分aであ
り、各素線1,2,3,4は時計方向で平行に並んでい
る。(b)は素線1がコード中心部に落ち込む一方、素線
4が外周側に移動して素線2,3,4の間隔が広げられ
ている。(c)は再び素線1がコード中心から外周側に移動
し、素線2と3の間に割り込んでおり、これによって交
差部分が形成される。(d)は素線4がコード中心に落ち
込んでいる。(e)は素線4が再び外周側に移動し、時計
方向で1,3,4,2の順で並び、平行部分aを形成し
ている。
【0012】図6は本発明による1×3構造のスチール
コード10を示している。(a)は素線1,2,3が時計
方向に並んだ平行部分を示し、(b)は素線3がコード中
心部に落ち込んだ平行部分を示し、(c)は素線3が外周
側に移動する一方、素線1,3を割るように素線2がコ
ード中心部に落ち込んだ交差部分を示し、(d)は素線2
が外周側に移動する一方、素線3が素線1,2を割るよ
うにコード中心部に落ち込んだ交差部分を示している。
図7は本発明による1×5構造のスチールコード10を
示している。(a)は素線1,2,3,4,5が時計方向
に並んだ平行部分を示しており、(b)は素線1がコード
中心に落ち込んだ状態を示し、(c)は素線1が外周側に
移動し、素線2がコード中心に落ち込んだ交差部分を示
し、(d)は素線2が外周側に移動し、素線3が交差され
てコード中心に落ち込んだ交差部分を示し、(e)は素線
3が外周側に移動し、素線4がコード中心に落ち込んだ
交差部分を示している。このスチールコード10及び他
のいずれのにおいても、前記した図3と同じように、コ
ード長手方向において、任意の素線同士が交差すること
なく平行に並んだ部分aと、任意の素線がお互いに交差
した部分bを有し、交差部分bにはアイ状の口開きが創
成され、それによってコード軸線中心に通じる隙間cが
形成され、平行部分aと交差部分bはコード長手方向で
交互に繰り返され、交差によって素線の位置が様々に変
化する。そしてまた、図4と同じように、ある長さの領
域で、コード周方向においても素線が交差する部分bと
素線が平行な部分aとが混在し、周方向のある位相で
は、2本ないし3本の素線が交差してアイ状に口の開い
た隙間cが形成され、また、さらに位相のずれた面で
は、前記素線と別かまたは一部が共通する2本以上の素
線が交差し、それによって隙間cが形成されている。さ
らにこれから位相がずれた面でも、前記位相の素線と別
かまたは一部が共通する2本以上の素線が交差すること
によって隙間cが形成されるのである。
【0013】図8は本発明による1×6構造のスチール
コード10について、1撚りピッチ分を14等分して示
しており、(a)では素線1が中心部に位置しているが、該
素線1は素線3,4と隣接した状態で(f)ないし(h)のよ
うに順次外径側へと移動し、(i)ないし(m)のように素線
4がコード中心部へと移動している。素線2は素線1と
隣接して反時計方向に回転しているが、素線1が外径側
に移動するときに(f)ないし(n)のように割れ込みされた
状態となる。また、素線4は当初外径側に位置している
が、(i)ないし(n)のように中心部へと移動し、素線5は
(a)ないし(g)のように素線4,6と隣接しているが、素
線4が中心部に落ち込むのに伴って素線6と離間してい
る。これらにより(a)と(n)のように3本の素線が入れ替
わり、コード長手方向と直角の断面が特定形状でなく随
所に変化した開輪郭となっている。
【0014】図9は本発明による1×7構造のスチール
コードを示しており、(a)は素線1,2,3,4,5,
6,7が平行となっている部分を示し、(b)は中心にあ
った素線1が外周側に移動し素線7が入れ替わって中心
に移動した交差部分を示し、(c)は素線7が素線3と4
間に割り込むように外周に移動し、素線5が中心に移動
しつつある交差部分を示し、(d)は素線5が中心に移動
した交差部分を示している。 前記図3ないし図9のス
チールコードはベルト13a,13b,13c,13d
に最も適するコード構造である。ただし、図3ないし図
9のスチールコードはすべてのベルトに用いられる場合
に必ずしも限定されない。たとえば最もカーカスから遠
い(トレッドに近い)ベルト13dについては切断伸びが
大きなコードを使用してもよい。図10は1×9構造の
スチールコードの1撚りピッチ分を25等分して示して
おり、(a)では素線1が中心部に位置しているが、該素
線1は(b)ないし(i)のように素線2と9の間を割り込む
ように移動し、それとともに素線7が素線1に隣接しつ
つ中心側へと移動し、(j)では素線1が外周に移動し、
それまで外周側にあった素線8が(k)ないし(q)のように
中心側へと落ち込み、ついで、素線8は再び素線3と5
の間に割込み、(s)ないし(w)のように素線8と隣接して
いた素線1が再びコード中心部へと移動し、(w)ないし
(y)のように素線2が落ち込み始めている。(a)と(y)を
比べて明らかなように、素線1〜9は反時計方向に移動
しつつ1撚りピッチの間で全く入れ替わって随所に隙間
cを形成している。このコードはカーカス補強に適して
いる。
【0015】いずれにしても本発明のスチールコード1
0は、各素線が任意の順序でコード中心側と外周側の間
および外径側で移動したり、外径側の隣接する素線が入
れ替わったりする交差サイクルが反復するものであり、
素線の移動の過程で交差部分が形成され、かつその移動
時の素線割込み位置により平行部分を構成する相手方の
素線が変化するものである。素線の交差は外周側の素線
同士が交差する場合もあるし、外径側と中心側の素線が
交差することもありうる。また、素線数が5本以上の場
合、素線は平行な2本ないしそれ以上の本数の素線束が
他の1本以上の素線と交差することもある。したがっ
て、素線の外周側移動時の位置は図6ないし図10に示
すような位置に限られるものではない。しかし、いずれ
の場合も、通常の単層スチールコードと異なり、タイト
に撚られているにもかかわらず、図6ないし図10から
明らかなように素線同士の交差によって口開きが創成さ
れることが特徴であり、9本の素線を使用した図10の
例においても、全ての素線が隣接した形状(閉輪郭形状)
でなしに、コード中心部に通じる隙間を持つ開輪郭形状
部分が1撚りピッチ内で19か所も形成されている。
【0016】本発明において、あるコード長さL(mm)で
前記のように素線同士が交差して入れ替わる頻度Fは、
素線本数n(≦3)とコード撚りピッチP(mm)との関係
で、次式を満足するものとすべきである。 1)素線数nが3≦n≦6の場合 0.5≦(F×P)/L≦4.0 2)素線数nが7≦n≦14の場合 0.5≦(F×P)/L≦15.0 (F×P)/Lが0.5未満では素線の交差数が少なく、
口開きの数が少なくなるためコード中心部へのゴムの浸
透量が減少し、また素線同士の拘束力が不足するため適
当でない。しかし、(F×P)/Lが素線数7本以下のと
きに4.0を超え、また素線数が8本以上で14本以下
のときに15.0を超えるような多数である場合には、
ゴム浸透性や拘束力は良好であるものの、コードに撚り
込まれる素線の長さにアンバランスが生じて疲労性が低
下したり、フレッティング摩耗が発生しやすくなるため
これまた適当でない。前記規定範囲であれば、ゴム浸透
性、拘束力、疲労性、耐フレッティング摩耗性等の特性
をバランスよく実現することができる。より好ましい範
囲は、1)の場合に、0.5≦(F×P)/L≦2.0で
あり、2)の場合は1.0≦(F×P)/L≦10.0で
ある。本発明はコードを構成する素線の太さが同一であ
ることが基本であるが、場合によっては太さに差があっ
てもよい。なお、カーカス用としては、前記した例のほ
か、1×8、1×9、1×10、1×11、1×12、
1×13、1×14などを含むものである。しかし素線
数が15本を超える場合、開輪郭形状部分が形成されな
い多層構造となる可能性があり、その場合にはコード中
心部へのゴム侵入量が減少するため適当とはいえない。
本発明を利用したカーカスを補強用のスチールコード
は、8本以上かつ14本以下の素線を一括撚りし、各素
線がコード外径側からコード中心側に進入し再びコード
外径側に移動たり、コード中心側からコード外径側に移
動し再びコード中心側に進入したり、あるいは外径側の
隣接する素線同士が入れ替わることで素線が互いに交差
しており、その素線交差頻度Fが長さLと撚りピッチP
との関係において0.5≦(F×P)/L≦15.0の範
囲、好適には1.0≦(F×P)/L≦10.0の範囲の
構成が適している。
【0017】次に本発明によるスチールコードの製造法
を説明する。本発明によるスチールコードは、バンチャ
ー撚線機、チューブラー撚線機のいずれでも製造するこ
とができるが、いずれの撚線機を使用するときにも、撚
線機に供給する各素線の配列を撚り口領域で周期的に変
化させるものである。図11はダブルツイスト型バンチ
ャー式撚線機を用いた例を示しており、15は本体で、
クレードル152と、原動機150で駆動回転される中
空軸151,151’を有し、クレードル152と同軸
上には中空軸151,151’と一体回転する弓15
3,153を取付けており、クレードル152には巻取
りボビン156とこれよりも上流にキャプスタン155
を設け、更にこれより上流に過撚機154を配してい
る。そして、入口側の中空軸151の上流には3本以上
の複数本の素線を集合させるボイス16が設けられ、こ
のボイス16を含む撚り口領域には素線の供給長さを略
一定に保ちつつ素線配列を周期的に変化させる制御装置
17が設けられている。この制御装置17は、図12の
ように素線を挿通する穴175を同一円周上に多数明け
た配線板17dと、これより上流のロール群からなって
おり、制御装置17の上流には図示しない複数のサプラ
イボビンが設けられ、これらサプライボビンからそれぞ
れ素線が供給長さが略一定に保たれるように導出される
ようになっている。制御装置17は偏心ロール17aを
有し、該偏心ロール17aは前記配線板18よりも高い
所定のレベルに軸によって回転可能に支えられている。
この偏心ロール17aの前後には配線板18とほぼ同等
の高さレベルにフリーロール17b,17b’を配し、
上流側のフリーロール17b’より下流には、偏心ロー
ル17aと若干高さレベルの差を持ったガイドロール1
7cと前記フリーロール17bとほぼ同等のレベルのガ
イドロール17c’とが設けられている。フリーロール
17b’,17bは軸に胴長の短い多数のロール体をそ
れぞれベアリングを介して個別回転可能に取付け、それ
ぞれのロール体に素線を導く溝を設けている。これに対
しガイドロール17c,17c’はそれぞれ1本ロール
からなっていて、素線を平行状に導く多数の溝が配され
ており、上流から導かれた各素線はガイドロール17
c’に一回巻かれてからガイドロール17b’に導かれ
て一回巻かれ、それからフリーロール17bに導かれる
ようになっている。
【0018】前記偏心ロール17aは図12に2つの例
を示している。図9(a)は所定の直径Dを有する胴部1
72に同じ深さの12本の溝173を等間隔で形成し、
かつ胴部172を所定長さごとに中心線CLに対してク
ランク状に偏心させ、6つの偏心ロール部170a,1
70b,170c,170d,170e,170fを形
成したものである。図12(b)は同様に4つの偏心ロー
ル部170a,170b,170c,170dを形成し
たものである。なお、素線数が12本よりも多い場合は
当然溝数を増すもので、また、偏心ロール部数は2つ以
上であれば任意であり、たとえば3つの偏心ロール部、
5つの偏心ロール部、7つあるいは8つの偏心ロール部
を有するものなどでもよい。配線板17dの穴175は
製造するコードの素線数以上の数を等間隔でかつ同一円
周上に配していることが必要である。穴175を2つ以
上の同心円上に配列したのでは素線の位置が固定化され
てしまい、本発明の意図してような特異なコード得られ
ない。配線板17dは製造するコードの素線数に応じて
穴数の異なるものを交換してもよいし、製造が予定され
るコードの最大の素線数に応じた穴数のものを用い、そ
れら穴を適宜選択して素線を挿通してもよい。
【0019】本発明のスチールコードを製造するに当た
っては、通常のバンチドコード製造時と同じように各サ
プライボビンから素線n本(但し≧3)を繰り出すもの
で、それら素線は配線板17dからボイス16に集めら
れ、中空軸151を通りガイドロール157から弓15
3を経由し他方のガイドロール158から中空軸15
1’を介して過撚機154に導かれ、キャプスタン15
5を介して巻取りボビン156に導かれる。この状態で
中空軸151,151’を駆動して弓153を回転させ
る。素線は連続的にボイス16へ送られて束にされ、そ
の状態で中空軸151に入り、これからガイドロール1
57に到る過程で第1回の撚りが入れられ、ガイドロー
ル158から中空軸151’に到る過程で第2回の撚り
が入れられてスチールコードになり、過撚機154を通
過する間に撚りが整えられて巻取りボビン156に巻収
される。
【0020】この時に、予め、素線は制御装置17を通
り、ガイドロール17c’と17cにそれぞれ1回以上
巻き付けられ、偏心ロール17aを経てフリーロール1
7bから配線板17dの各穴に導かれる。素線の本数が
たとえば12本の場合には、素線はフリーロール17b
から図10(a)や(b)に例示する偏心ロール17aの各溝
173にそれぞれ平行状に配置する。素線本数がこれよ
りも少ない場合には、適宜偏心ロール部を選択して任意
本数ずつ配置する。たとえば素線数が3本の場合、偏心
ロール部170aないし170cあるいは170aない
し170fのいずれかを選択して異なる偏心ロール部の
溝にそれぞれ1本ずつを配せばよい。素線数が4本の場
合には、偏心ロール部170aないし170fを選択
し、異なる偏心ロール部の溝にそれぞれ1本ずつを配
し、あるいは、3つの偏心ロール部を使って2:1:
1,1:2:1、1:1:2などのように配すればよ
い。素線数が5本以上の場合も同様であり、各素線を1
本ずつ異なる偏心ロール部に配してもよいし、素線をグ
ループ分けして任意本数ずつ異なる偏心ロール部に配し
てもよい。これは偏心ロール部の数が素線本数よりも少
ない場合にもっとも当てはまる。たとえば9本の素線の
場合で、偏心ロールとして図9(a)を使用した場合に
は、3つの偏心ロール部に2本を素線を掛け、他の3つ
の偏心ロール部には1本の素線を掛ければよい。偏心ロ
ールとして図9(b)を使用した場合には、いずれかの偏
心ロール部に掛かる素線本数を3本として、たとえば2
本:2本:2本:3本に配列したり、いずれかの偏心ロー
ル部に掛かる素線本数を1本として、たとえば1本:2
本:3本:3本とするなど任意である。そして、偏心ロー
ル17aの下流の素線をフリーロール17bを介して配
線板17dに導き、同一円周上の穴175を任意に選択
して挿通する。この配線は、偏心ロール17aの端に位
置する素線を任意の穴たとえば北極位置の穴に通し、端
から次の素線を北極位置の隣の穴に通すというように時
計方向または反時計方向に順列としてもよいし、偏心ロ
ール17aの端に位置する素線を任意のたとえば北極位
置の穴に通し、端から次の素線を南極の穴に通すという
ように対角ないし対角的関係で通してもよい。こうした
配線具合と前記偏心ロール17bへの掛け方によって素
線の入れ替わりを自由に調整することができる。
【0021】このように偏心ロール17aに素線を掛け
て撚り工程を行えば、偏心ロール17aが複数の偏心ロ
ール部に分割されているためクランク運動が生じ、それ
により偏心ロール部に掛けられている素線は所定順序で
かつ周期的に張力が変化させられる。たとえば図12
(a)の状態では偏心ロール部170bの溝に掛かって
いる素線が最も張力をゆるめられ、この状態から、17
0d−170e−170f−170c−170aの順序
で張力が緩められ、図12(b)の状態では偏心ロール部
170bの溝に掛かっている素線が最も張力をゆるめら
れ、この状態から偏心ロール部170c−170d−1
70aの順序で張力がゆるめられるサイクルが繰り返さ
れる。そしてそれら素線は配線板17dの穴175に任
意の配列で通され、ボイス16に導かれて集められ本体
15に導かれて一括撚りされる。こうすれば、張力の緩
められた1本以上の素線は、それまで隣り合う素線と接
するように平行に引きそろえられられていた状態から瞬
間的に素線束の中心側に配置されて撚り合わされ、引き
続き元の張力への復帰と次の素線の張力弛緩による素線
束中心側への移動によって外周側に移動して隣接する素
線と撚り合わされる。また、外周側の素線同士も隣接す
る同士が入れ替わるように移動しながら撚り合わされ
る。こうした各素線の外周側−中心側−外周側、中心側
−外周側−中心側、外周側間という移動軌跡により、所
定順次でかつ周期的に局部的な交差撚りが繰り返される
ことになり、この局部的な交差撚りが平行撚りを乱して
隙間を形成するのである。
【0022】次に本発明の具体例を示す。
【例1】図11に示す撚線機を使用して1×5構造の本
発明スチールコードを製作した。素線は径が0.35mm
のものを使用し、撚りピッチPは18mm、撚り方向をS
とし、偏心ロールとして溝周長94.2mm、偏心量2mmの図
10(a)を使用し、素線を偏心ロール部170a:170b:170c:
170d:170e=1本:1本:1本:1本:1本の関係で掛
け、配線板として5個の穴を等間隔でかつ同一円周上に
配列したものを使用し、フリーロールを経た素線を配線
板の穴に時計方向で順次通し、バンチドコードを作成し
た。その結果、コード径1.06mm、長さ180mmでの
素線交差頻度Fが32回、コード長手方向と直角の断面
が図7のスチールコードが得られた。このスチールコー
ドについて特性を測定した。その結果、引張り強度:3
80kgf/mm2、切断荷重:139.4kgf、ゴム付着性(ピ
ール法による):90%、ゴム浸透性(ゴムに埋め込んだコ
ードの端に5気圧の空気圧を加えてコード内部の長手方
向に浸透する空気の量をcc/minで測定する方法による):
0cc/min、疲労性(3ロール法による):18787回の
特性が得られ、軸方向から荷重を掛けて目視した座屈性
試験も良好であった。この結果から、本発明のスチール
コードは、タイトに撚られているにもかかわらずゴム浸
透性がよく、交差頻度が適正であるため、疲労性、耐座
屈性などの機械的特性もも良好であることがわかる。
【0023】上記スチールコードを図1の4枚のベルト
の補強コードとして使用し、タイヤサイズ1000R2
0のラジアルタイヤを作成した。ゴムは次の配合(重量
部)とし、150℃×25minの条件で加硫した。 天然ゴム:100 HAF:50 ステアリン酸:1 ZnO:5 3C:
3 硫黄:2 加硫促進剤:1.5 老化防止剤:0.5 ベルト厚さは21mm、コード間隔は2.2mm、コード
角度は4ベルトとも20度とした。なお、カーカスには
通常のスチールコード(3+9+15×0.175+1)を13本/2.
54cmの密度で角度90度に配列した。かかるラジアル
タイヤに内圧7.5Kg/cm3を充填し、JIS標準荷重を負
荷し、速度40km/hのドラムテストを行った。比較のた
め、素線径0.35mmの素線5本を撚りピッチ18mm、S撚り
で一括撚りしたコンパクトタイプのスチールコードを上
記条件でベルトに埋め込んだラジアルタイヤについても
走行試験した。走行距離25000km相当の走行時間に
達したところでタイヤを分解し、各ベルト層におけるス
チールコードの折れと、コード縁部セパレーションを検
査した。その結果、本発明品はスチールコードの折れと
コード縁部セパレーションは0であった。これに対し、
比較品はコードの折れが15%、コード縁部セパレーシ
ョンが25%発生していた。このことから、本発明はベ
ルト縁部せん断歪に対する耐久性が高く、曲げ歪に対し
ても優れた耐力を有していることがわかる。
【0024】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1ないし請
求項3によるときには、締まって安定した撚り状態に
ある平行状部分では隣接する素線間にはほとんど隙間が
存在しないのに対して素線同士が交差する部分で大きな
隙間が形成され、しかも交差した素線は互いに拘束しあ
って次の平行撚り部分へと移行しているため、前記隙間
の大きさと位置はしっかりと固定され、外力がかかって
も偏ったりしない。したがって、コード中心部へのゴム
浸透性とゴムとの付着性を良好にすることができ、素線
同士の交差によって口開きが創成されてコードの長手方
向と直角の断面形状が逐次変化し随所で開輪郭となって
いるため、コードの表面積が実質的に大きくなり、ゴム
との付着力が向上し、ゴムと一体化される。従って、剥
離現象や侵入水分による発錆が防止され、ベルト層に適
用した場合にコーナリング時などで生ずるベルト縁部せ
ん断歪に対する耐久性を向上することができ、素線の
交差した部分では素線が互いに拘束しあっているため、
コード軸方向に圧縮力が作用したときにも拡開せず、座
屈性能を向上することができ、また、コード内の素線が
断線を起しても、交差部分の前記拘束作用で断線素線の
遊離が防止されるため、ゴム層の突き抜けが生じず、カ
レンダー工程に先立つコード定尺切断時もコードがばら
けず、取扱いが容易となり、素線同士が交差すること
なく並んだ平行状部分と素線同士が交差した交差部分と
がコード長手方向で混在しているため、各素線がほぼ同
一長さを有し、引っ張り荷重を各素線が均等に受持つこ
とになるので疲労性も向上することができ、このような
の特徴を有するため、内圧充填による歪、走行
による負荷時の歪、横力による伸長・圧縮歪に対する耐
久性のよいラジアルタイヤとすることができるというす
ぐれた効果が得られる。請求項7と8によれば、上記特
性のスチールコードを一工程で経済的に能率よく製造す
ることができるため、ベルトコストひいてはタイヤコス
トを低減できるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるラジアルタイヤの一例を示す部分
切欠正面図である。
【図2】図1のベルト層の模式的拡大図である。
【図3】本発明によるスチールコードの一例を示す側面
図である。
【図4】本発明によるスチールコードの或る長さ範囲を
90度ずつ位相をずらして示す側面図である。
【図5】図1のコードの各部の断面図である。
【図6】本発明によるスチールコードの他例を示す断面
図である。
【図7】本発明によるスチールコードの他例を示す断面
図である。
【図8】本発明によるスチールコードの他例を示す断面
図である。
【図9】本発明によるスチールコードの他例を示す断面
図である。
【図10】本発明によるスチールコードの他例を示す断
面図である。
【図11】本発明によるスチールコードの製造装置の一
例を示す説明図である。
【図12】図11の装置で使用する偏心ロールを例示す
る説明図である。
【図13】本発明で使用する配線板を例示する正面図で
ある。
【符号の説明】
1,2,3,4,5,6,7,8,9 素線 a 平行部分 b 交差部分 c 隙間 10 スチールコード 13a,13b,13c,13d ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−257385(JP,A) 特開 平4−257383(JP,A) 特開 平7−331587(JP,A) 特開 平8−113886(JP,A) 特開 平7−279067(JP,A) 特開 平3−193983(JP,A) 特開 平6−116882(JP,A) 実開 平5−30192(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 9/00 - 9/22 D07B 1/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3本以上の素線を同一撚り方向と同一撚り
    ピッチで撚り合わせた1×n構造のスチールコードで少
    なくとも部分的に補強されたラジアルタイヤにおいて、
    前記スチールコードが、素線同士が交差することなく並
    んだ平行状部分と素線同士が交差した交差部分とがコー
    ド長手方向で混在しており、素線同士の交差によって口
    開きが創成されてコードの長手方向と直角の断面形状が
    逐次変化し随所で開輪郭となっていることを特徴とする
    ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】素線数が3本以上かつ7本以下であり、素
    線交差頻度Fが、コード長さLと撚りピッチPとの関係
    において0.5≦(F×P)/L≦4.0の範囲にあるス
    チールコードがベルト層に使用されている請求項1に記
    載のラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】素線交差頻度Fが0.5≦(F×P)/L≦
    2.0の範囲にある請求項2に記載のラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】素線の交差が、コード外径側素線同士の交
    差と、コード外径側素線とコード中心側素線の交差の双
    方を含む請求項1ないし請求項3のずれかに記載のラジ
    アルタイヤ。
  5. 【請求項5】素線の交差が、隣接する2本以上の素線が
    平行なまま他の1本以上の素線と交差している場合を含
    む請求項1ないし請求項4に記載のラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】素線の直径が0.1〜0.45mmである請
    求項1ないし請求項5のいずれかに記載のラジアルタイ
    ヤ。
  7. 【請求項7】スチールコードが、撚線機に供給される各
    素線の配列を撚り口域において周期的に変化させ、隣接
    する1本以上の素線を入れ替えさせることで作られたも
    のである請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラ
    ジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】素線の配列の撚り口域における周期的な変
    化が、素線の供給長さを略一定に保ちながら軸線に対し
    て偏心させたロールを通し、ついで多数の穴を同一円周
    上で配列した配線板を通すことにより行われる請求項7
    に記載のラジアルタイヤ。
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