JP2920417B2 - 水無し平版印刷版の製造方法 - Google Patents

水無し平版印刷版の製造方法

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JP2920417B2
JP2920417B2 JP2294592A JP29459290A JP2920417B2 JP 2920417 B2 JP2920417 B2 JP 2920417B2 JP 2294592 A JP2294592 A JP 2294592A JP 29459290 A JP29459290 A JP 29459290A JP 2920417 B2 JP2920417 B2 JP 2920417B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水無し平版印刷版の製造方法に関し、特に
カバーシートのラミネート方法に関する。
〔発明の背景〕 湿し水を用いる平版印刷においては、湿し水とインキ
のバランスに細心の注意が必要であり、又湿し水による
印刷用紙の縦横膨潤度及び乾燥度による寸度変化があ
り、多色印刷においては、各色画像の原版整合が難しい
等の問題がある。したがって、この取り扱いにはかなり
の経験、熟練を要していた。
このような湿し水による問題をなくすために、湿し水
を用いない水無し平版印刷が検討され、特公昭46-16044
号、同56-23150号或は特開昭62-194255号等には積層構
成、例えばプライマー層、感光層、インキ反撥層及び保
護層よりなる水なし平版印刷版が開示、提案されてい
る。
前記印刷版の表面は、製造時から使用に到る間にこす
り、突当等で傷を負う場合があり、しばしば印刷品質に
問題を生ずるので、一般に感光層に積層したシリコーン
樹脂層上に薄い樹脂カバーシートをラミネートした傷防
止対策が行われる。
従って感光層とカバーシート層の中間に位するシリコ
ーン樹脂層は、まづ充分に感光層に接着することが必要
であり、接着作用未了のうちに自身の硬化速度が速す
ぎ、硬化が完了して接着不良となってはならない。
又樹脂カバーシートは、現像、印刷時には既に均一、
円滑かつ完全に剥離されていることが必要であり、適度
に接着力がセーブされ、しかも全面均等に接着されてい
ることが必要である。
従って前記シリコーン樹脂の硬化については、感光層
及び樹脂カバーシート層の両面に対する配慮が必要とな
る。
シリコーン層は比較的強度が弱いため傷が付き易く、
搬送ローラー等との接触により傷がつく、一方、シリコ
ーン層から未硬化のシリコーンがローラーへ付着するた
め多数回塗布するとこのような未硬化のシリコーンによ
る塗布時のハジキ故障が発生するようになる。
〔発明の目的〕
上記のような問題に対し、本発明の目的は水無し平版
印刷版の製造において、シリコーン層塗布時のローラー
との接触による傷の発生、シリコーンのローラーへの付
着等の問題の起こらない水無し平版印刷版の製造方法を
提供することである。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも感光層、
シリコーン層及びカバーシートを有する水無し平版印刷
版の製造方法において、シリコーン層を塗布後、該シリ
コーン層を搬送部材とは非接触の状態で搬送しつつ、ド
ライヤーによって必要な硬化度まで硬化させた後、前記
シリコーン層に前記カバーシートをラミネートし、次い
で前記シリコーン層を前記カバーシートを介して搬送ロ
ーラーと当接させて搬送することを特徴とする水無し平
版印刷版の製造方法によって達成される。
以下本発明について詳細に説明する。
第1図は本発明の構成を示す説明図である。
支持体1は矢印方向へ走行し、塗布機Cにより塗布液
を塗布される。本発明の場合は支持体上に感光層塗布済
みの上へシリコーン液を塗布する場合である。搬送ロー
ラーRにより導かれドライヤーDにおいて乾燥される。
ついでカバーシートロールPよりカバーシートが供給さ
れA点または点線で示したB点で乾燥後のシリコーン塗
布層の上にラミネートされ、張力調整装置Tを介してワ
インダーWに巻き取られる。
上記製造工程において、カバーシートをラミネートす
る位置を2種設定した。
A点の場合は、ドライヤーを出てまだ搬送ローラーに接
触していないうちにカバーシートがラミネートされる
が、B点の場合にはドライヤーから出た後ローラーR1
接触後カバーシートがラミネートされている。このよう
なB点でラミネートを行った場合には前記のようなシリ
コーン層の傷の発生あるいはローラーへのシリコーンの
付着等の問題が起きるのである。
本発明における感光層上設けられるシリコーン層は、
一般にシリコーンゴムが用いられ、線状あるいはある程
度架橋したオルガノポリシロキサンが好ましい。該オル
ガノポリシロキサンは、分子量が通常千ないし数十万の
ものであり、常温では液体ないしはペースト状に適度に
架橋されたものである。該オルガノポリシロキサンは架
橋の方法により縮合型と付加型があるが、本発明には縮
合型が好ましい。
前記オルガノポリシロキサンは主鎖に下記の繰返し単
位を有する。
式中、R1及びR2は各々シアノ基、ハロゲン原子、水酸
基等の置換基を有していてもよいアルキル、アリール、
アルケニル又はその組合せでありメチル基、フェニル
基、ビニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特
にメチル基が好ましい。
前記縮合反応を惹起するシリコーン架橋剤としては、
メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、メチルトリ(N−メチル、N−アセチルアミノ)
シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラ
ン、又はそのオリゴマーなどを挙げることができる。又
触媒的に有機のカルボン酸、チタン酸エステル、ナフテ
ン酸等が援用される。
尚前記オルガノポリシロキサンの中に水酸基、不飽和
基等を有する縮合かつ付加型のものを使用する事も可能
である。
又、シリコーンゴムの強度を向上させる目的で、前記
シラン類、ジラウリル酸ジブチル錫等の架橋剤或はシリ
カ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機質充填剤
を添加しても良く、充填剤としてはシリカが好ましい。
このような充填剤には分散性或は分散安定性の点から平
均粒子径500nm以下のものが好ましい。
シリコーンゴム層の膜厚は、画質及び現像性の点から
は薄い程好ましく、耐刷性、印刷汚れ等の点からは逆に
ある程度の厚さを必要とするため、一般には3〜50mg/d
m2が好ましく、5〜30mg/dm2がより好ましい。
本発明に係る塗布液に配合される溶剤或は塗布時の希
釈溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、乳酸エチル、エチレングリコールモノアセテート等
のエステル類;グリコールジメチルエーテル、グリコー
ルモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素;メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン等
のハロゲン化炭化水素等のものが使用できる。
又、支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル
類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースダイアセテート等のセルロ
ース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネートなどのプラ
スチックが挙げられるが、Cu、Al、Zn等の金属、ガラ
ス、BN、Siカーバイド、セラミックなども使用でき、こ
れらのうちAl板或は陽極酸化アルミニウム板が好まし
い。
ラミネートフィルムとしては、光−ガス透過性のもの
が好ましいが一般にはポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリスチレン、酢酸セルロースなどのプラスチックフィ
ルムが用いられる。ラミネートフィルムの厚さは12μm
以下とするのが良好な画像再現性を得る点から好まし
い。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により更に詳述するが本発明は実
施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例に用いるシリコーンゴム組成
物は下記の通りであって、感光層塗布済みのウエブ上に
塗布方法を変えて塗布を行った。シリコーンゴム組成物 シリコーンゴム(YF-3057;東芝シリコーン製) 100部 メチルトリアセトキシシラン(TSL-8180;東芝シリコー
ン製) 10部 アエロジルR-972(日本アエロジル(株)製) 3部 ジラウリル酸ブチル錫 0.8部 ヘキサン 1400部 実施例1 ドライヤー条件 温度 80℃ 時間 2分 の条件で塗布乾燥し、乾燥後、第1図に示すA点で厚さ
10μmのポリエステルフィルムをラミネートした。特に
問題はなかった。
比較例1 実施例1と同様の条件であるが、ラミネート位置を第
1図B点とした。
この場合はラミネート以前のローラーR1で一部膜剥が
れを生じた。
実施例2 第1図の装置でプライマー層、感光層、シリコーン層
を順次塗布乾燥巻取を行い、これを繰り返した。ただし
A点でラミネートする場合とB点でラミネートする場合
について別々に行った。
ドライヤー条件 温度 90℃ 時間 1分 A点でラミネートした場合には塗布〜巻取を繰り返して
も問題なかったが、B点でラミネートした場合はローラ
ーR1でのシリコーンの剥がれはなかったが、未硬化シリ
コーンがローラーに付着し、感光層塗布時ピンホール故
障が発生した。
以上の結果、ラミネート位置はB点では問題があり、
A点が優れることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明により、水無し平版印刷版の製造において、シ
リコーン層塗布時のローラーとの接触による傷の発生、
シリコーンのローラーへの付着等の問題の起こらない水
無し平版印刷版の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は水無し平版印刷版の塗布、乾燥、巻取及びカバ
ーシートのラミネート装置の構成説明図である。 C:塗布装置、D:ドライヤー P:カバーシート T:張力調整装置、W:巻取装置 A:本発明のラミネート位置 B:比較のラミネート位置 1:被塗布層を有する支持体 R:搬送ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−39325(JP,A) 特開 昭64−62647(JP,A) 特公 昭61−54222(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/11,7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも感光層、シリコーン
    層及びカバーシートを有する水無し平版印刷版の製造方
    法において、シリコーン層を塗布後、該シリコーン層を
    搬送部材とは非接触の状態で搬送しつつ、ドライヤーに
    よって必要な硬化度まで硬化させた後、前記シリコーン
    層に前記カバーシートをラミネートし、次いで前記シリ
    コーン層を前記カバーシートを介して搬送ローラーと当
    接させて搬送することを特徴とする水無し平版印刷版の
    製造方法。
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