JP3414048B2 - 水なし平版印刷版原版の製造方法 - Google Patents

水なし平版印刷版原版の製造方法

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JP3414048B2
JP3414048B2 JP11212495A JP11212495A JP3414048B2 JP 3414048 B2 JP3414048 B2 JP 3414048B2 JP 11212495 A JP11212495 A JP 11212495A JP 11212495 A JP11212495 A JP 11212495A JP 3414048 B2 JP3414048 B2 JP 3414048B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水なし平版印刷版原版
の製造方法に関するものであり、特に、刷版作製工程で
の作業性、確実性の優れた水なし平版印刷版原版を提供
し、作業性、見当精度を向上させることのできる水なし
平版印刷版原版の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーンゴム層をインキ反
撥層として使用し、湿し水を用いずに平版印刷を行なう
ための印刷版が種々提案されている。
【0003】例えば、ポジ型感光性平版印刷版として
は、特公昭54−26923号公報、特公昭56−23
150号公報などにおいて、基板上に光重合性感光層と
シリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版、ま
た、特公平3−56622号公報、特開昭61−153
655号公報などにおいて、基板上に光架橋性感光層と
シリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版など
が提案されている。
【0004】また、ネガ型感光性平版印刷版としては特
公昭61−616号公報や特公昭61−54218号公
報などにおいて、支持体上にオルトキノンジアジド化合
物を含む感光層とその上に接着層を介してシリコーンゴ
ム層を設けた水なし平版印刷版、特公昭61−5422
2号公報などにおいて、光剥離性感光層上にシリコーン
ゴム層を設けた水なし平版印刷版などが提案されてお
り、実用上優れた性能を有するものとして知られてい
る。
【0005】以上の水なし平版印刷版はいずれもシリコ
ーンゴム層が最上層になっているため生版の状態での取
扱い時の傷防止、露光時の原版フィルムとの密着性の点
からシリコーンゴム層の上に保護層を設けている。
【0006】保護層として例えば特公昭56−2315
0号公報や特公昭61−614号公報、特公昭61−1
1673号公報、特開平5−344924号公報、特開
平5−53318号公報などにおいて提案されている表
面に種々の方法により凹凸を形成した光透過性のフィル
ムをラミネートする方法があり、実用化されている。
【0007】また、特公昭63−22306号公報など
において提案されている非極性高分子層および酸素透過
防止性の被覆層を順次積層する方法がある。感光層が光
重合性の場合においてカバーフィルムを透過した酸素に
よる光重合反応の阻害を起因とした上記の問題点をを克
服している。
【0008】また、特開平5−88360号公報におい
てはアルミ合金支持体上にプライマー層、感光層、イン
キ反撥層、保護層を順次積層してなる水なし平版印刷版
原版の製造工程において基板幅よりも幅の広い保護層を
ラミネートした後はみ出した両側の保護層を連続的に切
断する方法が提案されている。この方法によりラミネー
ト時のシワの発生を抑えることができる。
【0009】また、特開昭61−27547号公報や、
特開平5−53308号公報、特開平5−323588
号公報等で提案されている酸素遮蔽性を有し、水あるい
は有機溶剤に可溶性のポリマーをシリコーンゴム層上に
塗布し、露光後、水あるいは有機溶剤で保護層を溶解除
去させる方法があるが、シリコーンゴム層上へのポリマ
ーの均一な塗布が困難であり、また、溶解除去を完全に
行えないことから実用化には到っていない。
【0010】以上のような水なし平版印刷版は露光機に
より原版フィルムと真空密着し紫外線を照射して光反応
させた後、カバーフィルム(保護層)を剥離する。そし
て自動現像機等により画線部となる部分のシリコーンゴ
ム層を剥離し印刷版となり、印刷工程へと供される。
【0011】この露光工程において使用される露光機と
しては従来は平台露光機が一般的であった。平台露光機
を用いる場合は原版フィルムの焼き付け位置を制御する
方法として版と原版フィルムにピン穴を穿孔し露光時に
ピンを通すことにより位置合せを行なう方法が一般的で
ある。
【0012】ピン穴を穿孔する際に時々支持体であるア
ルミ合金等の断面が引き伸ばされたいわゆる“バリ”が
発生することがある。
【0013】露光後カバーフィルムを剥離する際このバ
リを起点としてカバーフィルムが引き裂け、カバーフィ
ルムの剥がし残しが発生する。水なし平版印刷版の現像
は上述のとおりシリコーンゴム層をブラシ等で擦り取る
ことにより行なうので、カバーフィルムが残っていると
画線部が現像できなくなり、現像不良になるという問題
があった。現像不良となった版は再度現像する必要があ
り生産性を著しく低下させる原因となっていた。
【0014】また、近年印刷物の印刷部数が増加してお
り生産性を向上させる目的で同一絵柄を一版面上に多面
付けする方法が一般的になっている。多面付けの露光を
行なう場合は従来の平型露光機に代って殖版機を使用す
る方法が広まってきている。水なし平版印刷版において
も殖版機を使用されるようになってきている。殖版機の
場合は版を殖版台に固定する必要がある。版の固定方法
としては平台露光機と同様に版にピン穴を穿孔して殖版
台上のピンに通して位置決めした後、殖版台に設けられ
た穴から真空引きすることで版の裏面と殖版台の間を減
圧し固定する方法と、粘着テープを用いて版を殖版台に
固定する方法がある。粘着テープで版を固定する場合
は、版の咬え側のみか咬え側と咬え尻側の辺の版端から
30mmまで粘着テープを被せて貼る方法が一般的であ
る。
【0015】しかしながら殖版機は平台露光機と異なり
版よりも焼枠のほうが小さく、版面を部分的に真空引き
することになる。そのため、粘着テープで版を固定する
場合に粘着テープに添って空気がカバーフィルムの下に
入り、シリコーンゴム層とカバーフィルムの間に空気溜
まりが発生することがある。感光層が光重合性であるポ
ジ型水なし平版印刷版原版を使用する場合には酸素によ
り光重合が阻害され、シリコーンゴムと感光層の光接着
機構が働かず現像時に空気溜まり部分のシリコーンゴム
層が剥離し、原版フィルムの絵柄に関係なく画線部とな
ってしまうという問題点があった。空気溜まりの発生し
た版は印刷版として使用することができず、再度生版を
露光する必要がある。面付け数が増えるほど露光時間が
長くなり生産性を著しく低下させると共にコスト面でも
問題となっていた。
【0016】また、印刷機の版胴に平版印刷版を固定す
る方法として金属製の万力により版の端を挟持すること
により固定する方法が一般的である。万力が咥える部分
は非画線部であり、水なし平版印刷版を使用した場合は
非画線部がシリコーンゴム層なので万力から滑りやすい
という問題があった。また、近年自動版交換装置が普及
しつつあり、自動版交換装置では従来の万力よりも万力
が咥える版の長さが短くなっているため水なし平版印刷
版を使用した場合に万力から版が外れるといった問題が
顕著になっている。万力から外れた版は変形した場合は
使用不可能となり再度印刷版を作製しなければならな
い。また、外れた版が変形しなかった場合には人の手に
より再度版を万力に装着させる必要がありる。人の手に
より装着した版は多色印刷の場合に他の色の版との見当
がずれてしまい、生産性、作業性を低下させるばかりで
なく見当精度をも低下させせ問題となっていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピン穴穿孔
に伴う保護層の剥がし残しにより起こる現像不良や生産
性の低下、また、保護層とシリコーンゴム層の間にエア
ーが入り込むことによる発生する焼ボケや光重合不良と
いった問題を解決し、刷版作製工程での作業性、確実性
の優れた水なし平版印刷版原版を提供し、また版胴の万
力から水なし平版印刷版が外れやすいという問題を解決
し版胴への水なし平版印刷版の装着をより確実にするこ
とで作業性、見当精度を向上させることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、 (1)基板上に少なくとも感光層、シリコーンゴム層、
保護層を積層してなる水なし平版印刷版原版の製造方法
において、基板幅よりも幅の狭い保護層をラミネートす
ることを特徴とする水なし平版印刷版原版の製造方法。
【0019】
【0020】()基板上に少なくとも感光層、シリコ
ーンゴム層、保護層を積層してなる水なし平版印刷版原
版の製造方法において、基板上に保護層を連続的にラミ
ネートした後、少なくとも片側の端部にスリットを入れ
た後、連続的にスリットから外側の保護層を剥離するこ
とを特徴とする水なし平版印刷版原版の製造方法。
【0021】により達成される。
【0022】以下に本発明の内容を詳細に説明する。
【0023】本発明で使用される保護層用フィルムとし
ては以下のものが挙げられる。
【0024】保護フィルムは紫外線透過性を有し、50
μm以下、好ましくは10μm以下の厚みを有するもの
が好ましい。
【0025】具体的には公知の透明プラスチックフィル
ム、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデン
の供重合体、ポリアミド、ポリウレタン、セロファン、
ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、酢酸セルロースなどの透明プラスチ
ックフィルムが好ましく用いられる。
【0026】また、上記の透明プラスチックフィルムに
シリカ粒子等を含むポリマを均一に塗布するかポリマを
グラビアロール等により塗布することにより原版フィル
ムと接する側の表面を凹凸加工することが原版フィルム
との真空密着性の点で好ましい。
【0027】従来のカバーフィルムのラミネート方法を
図1をに示す模式図により説明する。
【0028】コイル状のアルミ合金支持体を連続的に走
行させ、脱脂処理し、水洗乾燥した後プライマー層、感
光層、シリコーンゴム層をこの順に公知の塗布方法によ
り連続的に塗設する。シリコーンゴム層塗設用乾燥機を
出た積層板1は図1に示すラミネーター部11に入る。
カバーフィルム3はアンワインダー2から金属ロール群
4、5、6からなる帳力制御部7を経て金属ロール10
と対向してニップするように設置されているゴムロール
9に一部ラップされた後基板上のシリコーンゴム層表面
と貼り合わされる。この際カバーフィルム3としては積
層板1と同じ幅のフィルムを用い、カバーフィルムアン
ワインダー2にセットされたコイル状原反ロールから送
り出し、EPC装置8を経てラミネート部11に導入さ
れる。EPC装置は基板の蛇行に合せてカバーフィルム
の走行位置を調整するための装置である。
【0029】カバーフィルムをラミネートされた積層板
はロータリーシャーにより走行方向の前後を断裁されパ
イラーに集積される。
【0030】本発明にかかる基板幅よりも幅の狭い保護
層あるいは基板両端から所定の位置にスリット加工を施
した保護層を有する水なし平版印刷版原版の製造方法の
具体例としては以下の方法が挙げられる。
【0031】(1)従来の方法と同様にして得られた積
層板1(シリコーンゴム層)は図1に示すラミネーター
部11に入り、従来の方法と同様にしてカバーフィルム
3をラミネートする。この際カバーフィルムアンワイン
ダー2には基板幅よりも狭い幅のカバーフィルムをセッ
トし、積層板1両端部の所定の幅だけカバーフィルムが
積層されないようにEPC装置8の位置を調整する。
【0032】以上の方法により連続的に基板の両端部か
ら所定の長さのみカバーフィルムの積層されていない水
なし平版印刷版原版を得ることができる。
【0033】もちろん、図1に示されるような装置を用
いずに非連続的に行うこともできる。
【0034】(2)従来の方法と同様にして得られた積
層板1にカバーフィルム3をラミネートする際、図2に
示すカバーフィルムのカバーフィルムアンワインダー2
には原反フィルムロール12をセットし、カバーフィル
ムアンワインダー2からカバーフィルム3を送り出しラ
ミネーター部11へと走行する際の帳力制御部7とEP
C装置8の間に設置されたスリッター13によりカバー
フィルム3の両端部から所定の位置を連続的に切断す
る。不要となった両端部のカバーフィルムは巻き取りロ
ール14により回収する。スリッター13はカバーフィ
ルムアンワインダー2と同様にEPC装置8により検知
した積層板1の蛇行に合せて位置を調整する機構となっ
ている。スリット加工により基板幅よりも狭い幅となっ
たカバーフィルム3はEPC装置8を経て、ラミネート
部11へと導入される。
【0035】カバーフィルムアンワインダーから送り出
されるカバーフィルム3は、スリット加工後の幅よりも
広いものであれば、基板幅と同一幅であってもよいし、
基板幅よりも狭くても広くてもよい。
【0036】以上の方法により連続的に基板の両端部か
ら所定の長さのみカバーフィルムの積層されていない水
なし平版印刷版原版を得ることができる。
【0037】もちろん、図2に示されるような装置を用
いずに非連続的に行うこともできる。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】()従来の方法と同様にして得られた積
層板1に従来の方法と同様にカバーフィルム3をラミネ
ートした後、図に示す支持ローラ16と対向してニッ
プするように設置されたカッター15により基板両端部
から所定の位置のカバーフィルムのみを連続的に切断し
た後、スリットから基板外側の両端のカバーフィルムを
巻き取りロール20により回収する。
【0043】カバーフィルム3は、最終的に切断する位
置よりも広いものであれば、基板幅と同一幅であっても
よいし、基板幅よりも狭くても広くてもよい。
【0044】以上の方法により連続的に基板の両端部か
ら所定の長さのみカバーフィルムの積層されていない水
なし平版印刷版原版を得ることができる。
【0045】もちろん、図4に示されるような装置を用
いずに非連続的に行うこともできる。
【0046】()従来の方法によって得られるカバー
フィルムを積層された水なし平版印刷版原版において露
光工程に供される前にカッターあるいは定規等により基
板端部から所定の位置のカバーフィルムを切断し、必要
に応じ不要となったカバーフィルムを剥離することによ
りカバーフィルムの両端部から所定の位置にカバーフィ
ルムを積層されない部分を有する水なし平版印刷版原版
を提供することができる。
【0047】カバーフィルムは、最終的に切断する位置
よりも広いものであれば、基板幅と同一幅であってもよ
いし、基板幅よりも狭くても広くてもよい。
【0048】以上の方法において形成された水なし平版
印刷版原版のカバーフィルムの積層されていない部
、少なくとも水なし平版印刷版原版の片側に設けるこ
とが必要であり、加工する辺は印刷機の版胴に版を固定
する際の咬え部、及び咬え尻部となるようにすることが
必要である。
【0049】また、カバーフィルムの積層されていない
分は、ピン穴穿孔機のピン穴よりも内側になるととも
に印刷機により規定されている版面上の印刷可能領域よ
りも外側になることが必要である。一般的にピン穴は印
刷可能領域よりも外側に位置しており、印刷可能領域の
端部は咬え及び咬え尻の版端から10〜50mmの位置
になる。
【0050】また、カバーフィルムの積層されていない
分は、殖版機において版を殖版台に固定するテープよ
りも内側に位置する必要がある。一般的にテープは版端
から30mm以内で使用している。
【0051】以上の理由からカバーフィルムを積層しな
い部分の基板端からの距離は10〜40mmが好まし
い。
【0052】上記の(1)、(2)、()の方法によ
り形成された水なし平版印刷版原版および()におい
て不要部のカバーフィルムを除去した場合は、ピン穴を
穿孔する位置にカバーフィルムがないためピン穴穿孔時
に発生したアルミ基板のバリによるカバーフィルムの引
き裂けが完全になくなりカバーフィルムの剥がし残しに
よる現像不良及びピン穴を基点とするカバーフィルムの
浮きによる焼ボケを完全に解消することができる。
【0053】また、殖版機を使用する場合に水なし平版
印刷版原版を殖版台に固定するテープに添ってカバーフ
ィルムの下側に空気が入り込む現象を解消することがで
きる。したがって、空気溜まり部が絵柄に関係なく画線
部となってしまう問題を解決することができる。
【0054】上記の(1)、(2)、及び()の方法
により形成された水なし平版印刷版原版および()に
おいて不要部のカバーフィルムを除去した場合のカバー
フィルムを積層されていない部分は空気に晒されている
ため酸素により光重合が阻害され紫外線を露光しても感
光層とシリコーンゴム層の光接着機構が働かず、現像に
よりシリコーンゴム層が剥離し、画線部となる。カバー
フィルムを積層されていない部分は印刷機の印刷可能領
域以外にあるので印刷作業にはなんら支障はない。
【0055】画線部はシリコーンゴム層と比べ万力に挟
持された時に滑りにくいため水なし平版印刷版を版胴へ
装着しやすくなり、万力からの版外れや見当合せ時の版
のずれという問題を解決することができる。
【0056】
【0057】次に本発明を適用することのできる水なし
平版印刷版原版について説明する。
【0058】本発明で言う水なし平版印刷版原版は少な
くとも基板上に感光層、シリコーンゴム層、保護層を有
することが好ましく、基板との接着性向上及びハレーシ
ョン防止のために基板と感光層の間にプライマー層を設
けても良い。
【0059】以下に各層の構成を詳細に説明する。
【0060】本発明で用いられる水なし平版用の基板に
ついて説明する。
【0061】本発明の水なし平版印刷版は通常の印刷機
にセットできる程度のたわみ性と印刷時にかかる荷重と
に耐えるものでなければならない。従って、代表的な基
板としては、コート紙、アルミニウムのような金属板、
ポリエチレンテレフタレートのようなプラスチックフィ
ルム、ゴムあるいはそれらを複合させたものを挙げるこ
とができる。これらの基板の表面にはハレーション防止
及びその他の目的で更にプライマー層などをコーティン
グすることも可能である。
【0062】プライマー層については、例えば、特開昭
60−22903号公報に提案されている種々の感光性
ポリマーを感光層を積層する前に露光して硬化せしめた
もの、特開平4−322181号公報に提案されている
メタクリル系含リンモノマを感光層を積層する前に露光
して硬化せしめたもの、特開平2−7049号公報に提
案されているメタクリル系エポキシ化合物を感光層を積
層する前に露光して硬化せしめたもの、特開昭62−5
0760号公報に提案されているエポキシ樹脂を熱硬化
せしめたもの、特開昭63−133151号公報に提案
されているゼラチンを硬膜せしめたもの、特開平1−2
82270号公報や、特開平2−21072号公報に提
案されているウレタン樹脂を用いたものなどを挙げるこ
とが出来る。この他にもカゼインを硬膜させたものも有
効である。
【0063】さらにプライマー層を柔軟化させる目的
で、前記プライマー層にガラス転移温度が室温以下であ
るポリウレタン、ポリアミド、スチレン/ブタジエンゴ
ム、カルボキシ変性スチレン/ブタジエンゴム、アクリ
ロニトリル/ブタジエンゴム、カルボキシ変性アクリロ
ニトリル/ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アク
リレートゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン、などのポリマを添加してもよい。
【0064】本発明に用いられるプライマー層の膜厚は
乾燥重量で0.1〜20g/m2 の範囲が好ましく、塗
工性、製膜性及び経済的な理由により1〜10g/m2
の範囲がさらに好ましい。
【0065】次にポジ型の感光層について説明する。
【0066】本発明に用いられる感光層は下記に示すよ
うな組成を有することが出来る。
【0067】 (1)少なくとも1個の光重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマ もしくはオリゴマ 3〜50重量部 (2)形態保持性を有するバインダーポリマ 20〜80重量部 (3)光増感剤 0.2〜20重量部 光重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマ
もしくはオリゴマとしては、1価のアルコールから誘導
された(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコール
(メタ)アクリル酸エステル、グリシジルエーテル化合
物と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレ
ート類、ウレタンアクリレート類等を挙げることができ
る。
【0068】バインダーポリマとしては、有機溶媒によ
り希釈可能であり、かつフィルム形成能のあるものであ
ればいずれも使用可能である。具体例としてはビニルポ
リマ類としてポリオレフィン類、ポリスチレン類、アク
リル酸エステルポリマおよびメタクリル酸エステルポリ
マ及び未加硫ゴム、ポリオキシド類(ポリエーテル
類)、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類
等が挙げられる。
【0069】光増感剤としては公知のもの全てを用いる
ことができる。具体例としてはベンゾフェノン誘導体、
ベンゾイン誘導体、キノン類、チオキサントン類等が挙
げられる。
【0070】また、印刷版の保存性を向上させる目的
で、微量の熱重合禁止剤を感光層に添加しておくことも
有用である。このような熱重合禁止剤の代表例として
は、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジン等が挙げられる。
【0071】更に、感光層に形態保持性を与え、上層の
シリコーンゴム層を基板面と水平な面に支持し、あるい
はシリコーンゴム層との接着性を向上させる目的で、必
要に応じてオルガノシリカ、シランカップリング剤、シ
リル化モノマーまたは有機金属化合物を感光層に混合し
ておくこともできる。
【0072】感光層の膜厚は0.1〜50μmが好まし
く、塗工性、製膜性及び経済的な理由により更に好まし
くは0.5〜10μmが好ましい。
【0073】次にネガ型の感光層について説明する。
【0074】本発明に用いられるネガ型感光層は下記に
示すような組成を有することが出来る。
【0075】 (1)キノンジアジド化合物 50〜100重量部 (2)架橋剤 5〜 50重量部 (3)バインダーポリマ 5〜100重量部 キノンジアジド化合物としては特開昭56−80046
号公報にて提案されていうような公知のキノンジアジド
化合物が挙げられる。
【0076】架橋剤としては多官能イソシアネート類、
多官能エポキシ類などが好適に使用することができる。
【0077】バインダーポリマとしてはビニルポリマ類
としてポリオレフィン類、ポリスチレン類、アクリル酸
エステルポリマおよびメタクリル酸エステルポリマ及び
未加硫ゴム、ポリオキシド類(ポリエーテル類)、ポリ
エステル類、ポリウレタン類、ポリアミド類等が挙げら
れる。
【0078】感光層の膜厚は0.1〜50μmが好まし
く、塗工性、製膜性及び経済的な理由により更に好まし
くは0.5〜10μmが好ましい。
【0079】次にシリコーンゴム層について説明する。
本発明において使用できるシリコーンゴム層は好ましく
は0.5〜50μm、現像性、網点部のインキ着肉性の
点で更に好ましくは0.5〜10μmの厚みを有しかつ
紫外線が透過しうる透明性を有するものである。
【0080】シリコーンゴム層は、、ポリオルガノシロ
キサンに、必要に応じて架橋剤および触媒を添加したシ
リコーンゴム組成物を適当な溶媒で希釈したものを、該
感光層上に塗布し、加熱乾燥して硬化させることによっ
て形成される。
【0081】本発明に好ましく用いられるシリコーンゴ
ム組成物としては、湿熱硬化型の縮合反応架橋性のシリ
コーンゴム組成物および熱硬化型の付加反応架橋性シリ
コーンゴム組成物が好ましく用いられる。
【0082】本発明に好ましく用いられる縮合反応架橋
性シリコーンゴム組成物の一般的な形態としては次のよ
うなものが挙げられる。
【0083】 (1)末端に水酸基を有するポリオルガノシロキサン 100重量部 (2)縮合反応架橋剤 3〜20重量部 (3)縮合触媒 0.01〜0.05重量部 (4)溶剤 100〜4000重量部 次に熱硬化型の付加反応架橋性のシリコーンゴム組成に
ついて説明する。
【0084】本発明で用いられるポリオルガノシロキサ
ンは、多価ハイドロジェンポリオルガノシロキサンおよ
び1分子中に2個以上の−CH=CH−基を有するポリ
オルガノシロキサンを意味し、これらは適当な溶媒に溶
かして混合溶液とした後、必要に応じて触媒や硬化遅延
剤などが加えられて未硬化(未ゴム化)のシリコーンゴ
ム組成物となる。
【0085】本発明に好ましく用いられる付加反応架橋
性のシリコーンゴム組成の一般的な形態としては次のよ
うなものが挙げられる。
【0086】 (1)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(より好ましくはビニ ル基)を少なくとも2個以上有するオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)1分子中に少なくともSiH結合を2個有するオルガノハイドロジェンポ リシロキサン 0.1〜10000重量部 (3)付加触媒 O.00001〜10重量部 (4)溶剤 100〜4000重量部 次に本発明における水なし平版印刷版原板の製造方法に
ついて説明する。基板上にスリットダイコーター、リバ
ースロールコーター、エアーナイフコーター、メーヤバ
ーコーターなどの通常のコータを用い、必要に応じてプ
ライマー層組成物を塗布し100〜300℃の温度で数
分間硬化した後、感光層組成物塗液を塗布、50〜15
0℃の温度で数分間乾燥および必要に応じて熱キュア
し、その上にシリコーンゴム層組成物を塗布し、50〜
150℃の温度で数分間熱処理してゴム硬化させて形成
する。その後、カバーフィルムをラミネートする。
【0087】このようにして製造された本発明の水なし
平版印刷版原板は、真空密着された原版フィルムを通し
て活性光線で露光される。この露光工程で用いられ光源
は通常、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンラン
プ、蛍光灯などを使うことが出来る。
【0088】露光の終わった印刷版は保護フィルムを剥
がし、現像液に浸漬し、現像パッドまたは現像用ブラシ
を用いて現像される。この場合、画像部の感光性樹脂層
及びその上のシリコーンゴム層が除去される場合と、シ
リコーンゴム層のみが除去される場合があり、これは現
像液の強さによって制御することが出来る。
【0089】本発明において用いられる現像液として
は、水なし平版印刷版の現像液として公知の物が使用で
きる。例えば、脂肪属炭化水素(ヘキサン、ヘプタ
ン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製脂
肪属炭化水素類の商標名)あるいはガソリン、灯油な
ど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、
あるいはハロゲン化炭化水素(トリクレンなど)に極性
溶媒を添加したものや極性溶媒そのものが好適である。
【0090】極性溶媒としてはアルコール類、ケトン
類、エステル類等が挙げられる。
【0091】また、クリスタルバイオレット、ビクトリ
アピュアブルー、アストラゾンレッドなどの公知の塩基
性染料、酸性染料、油溶性染料を現像液に加えて現像と
同時に画線部の染色を行なうことが出来る。
【0092】また、本発明に用いられる水なし平版印刷
版を現像する際には、例えば東レ(株)にて市販されて
いるような自動現像機を用い、上記の現像液で版面を前
処理した後に水道水などをシャワーしながら回転ブラシ
版面を擦ることによって、好適に現像することが出来
る。また、上記の現像機に代えて、温水や水蒸気を版面
に噴霧することによっても現像が可能である。
【0093】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0094】実施例1〜4 通常の方法で脱脂した厚さ0.3mm、幅800mmの
コイル状アルミ板(住友金属(株)製)に、下記のプラ
イマー 組成物を連続的に塗布し、200℃、2分間熱処
理して5μmのプライマー層を塗設した。
【0095】 〈固形成分:塗布濃度12%〉 (1)ポリウレタン樹脂(”サンプレン”LQ−SZ18;三洋化成工業(株) 製) 75重量% (2)ブロックイソシアネート(”タケネート”B830;武田薬品(株)製) 15重量% (3)エポキシ・尿素樹脂 10重量% 〈溶剤成分〉 (4)ジネチルホルムアミド 続いてこの上に、下記の組成を有する感光層組成物を連
続的に塗布し、120℃、1分間乾燥して3μmの感光
層を塗設した。
【0096】 〈固形成分:塗布濃度15%〉 (1)アジピン酸とヘキサン−1,6−ジオール、2,2−ジメチルプロパン− 1,3−ジオールとのポリエステルポリオールとイソホロンジイソシアネートと の反応によって得られたポリウレタン 39重量% (2)メタキシレンジアミン1モルとグリシジルメタクリレート4モルの付加反 応物 15重量% (3)CH2=CHCOO−(CH2)9−OCOCH=CH2 8重量% (4)トリオキシプロピレンジアミン/グリシジルメタクリレート/3−グリシ ドキシプロピルトリメトキシシラン=1/3/1mol比付加反応物 2重量% (5)光増感剤 10重量% (6)ビクトリアプアブルーBOHナフタレンスルフォン酸塩 0.5重量% (7)フタル酸 0.5重量% 〈溶剤成分〉 (8)プロピレングリコールモノメチルエーテル 続いて、この感光層の上に下記組成のシリコーンゴム層
を連続的に塗布し、115℃、2分間熱硬化して、2μ
mのシリコーンゴム層を塗設した。
【0097】 〈固形成分:8%〉 (1)両末端水酸基ポリジメチルシロキサン(重合度〜700) 90重量% (2)トリス(メチルエチルケトオキシム)ビニルシラン 9.8重量% (3)ジブチル錫ジラウレート 0.2重量% 〈溶剤成分〉 (4)”アイソパー”E(エッソ化学(株)製) 実施例1 上記のようにして得られた800mm幅の積層板に、図
1に示す方法により基板幅よりも狭い750mm幅の1
2μmの片面マット化二軸延伸ポリプロピレンフィルム
をマット化されていない面がシリコーンゴム層と接する
ようにしてラミネートし、更にロータリーシャーにて1
030mmの長さに基板を切断し両端部に基板端から2
5mmの位置までカバーフィルムの積層されていない部
分を有する1030mm×800mmサイズのポジ型水
なし平版印刷版原版を得た。
【0098】実施例2 上記のようにして得られた800mm幅の積層板に、図
2に示す方法により実施例1と同じフィルムを用いてラ
ミネートし、更にロータリーシャーにて1030mmの
長さに基板を切断し両端部に基板端から25mmの位置
までカバーフィルムの積層されていない部分を有する1
030mm×800mmサイズのポジ型水なし平版印刷
版原版を得た。
【0099】施例 上記のようにして得られた800mm幅の積層板に、図
に示す方法により実施例1と同じフィルムを使用して
ラミネートし、更にロータリーシャーにて1030mm
の長さに基板を切断し両端部に基板端から25mmの位
置までカバーフィルムの積層されていない部分を有する
1030mm×800mmサイズのポジ型水なし平版印
刷版原版を得た。
【0100】実施例4〜6 通常の方法で脱脂した厚さ0.3mmのアルミ板(住友
金属(株)製)に、下記のプライマー組成物を塗布し、
200℃、2分間熱処理して5μmのプライマー層を塗
設した。
【0101】 (1)ポリウレタン樹脂(サンプレンLQ−T1331、三洋化成工業(株)製 ) 100重量部 (2)ブロックイソシアネート(タケネートB830、武田薬品(株)製) 20重量部 (3)エポキシ・フェノール・尿素樹脂(SJ9372、関西ペイント(株)製 ) 8重量部 (4)ジメチルホルムアミド 725重量部 続いてこの上に下記の感光層組成物を塗布し、110℃
の熱風中で1分間乾燥して膜厚2μmの感光層を設け
た。
【0102】 (1)ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸とフェノールホルムア ルドヒドノボラック樹脂(住友デュレズ製、スミライトレジンPR50622) の部分エステル(元素分析法によるエステル化度25%) 100重量部 (2)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート 40重量部 (3)ジブチル錫ジアセテート 0.2重量部 (4)4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン 5重量部 (5)p−トルエンスルホン酸 0.8重量部 (6)テトラヒドロフラン 800重量部 次いでこの感光層上に以下に示す組成を有するシリコー
ンゴム組成物を塗布後、115℃の熱風中で3分間湿熱
硬化させて2μmのシリコーンゴム層を設けた。
【0103】 (1)ポリジメチルシロキサン(分子量約25,000、末端OH基) 100重量部 (2)ビニルトリ(メチルエチルケトオキシム)シラン 8重量部 (3)ジブチル錫ジアセテート 0.1重量部 (4)アイソパーE(エクソン化学(株)製) 1400重量部 実施例 上記のようにして得られた800mm幅の積層板に、図
1に示す方法により基板幅よりも狭い750mm幅の厚
さ10μmのポリプロピレンフィルム“トレファン”
(東レ(株)製)をラミネートし、更にロータリーシャ
ーにて1030mmの長さに基板を切断し両端部に基板
端から25mmの位置までカバーフィルムの積層されて
いない部分を有する1030mm×800mmサイズの
ネガ型水なし平版印刷版原版を得た。
【0104】実施例 上記のようにして得られた800mm幅の積層板に、図
2に示す方法により実施例と同じフィルムを用いてラ
ミネートし、更にロータリーシャーにて1030mmの
長さに基板を切断し両端部に基板端から25mmの位置
までカバーフィルムの積層されていない部分を有する1
030mm×800mmサイズのネガ型水なし平版印刷
版原版を得た。
【0105】
【0106】実施例 上記のようにして得られた800mm幅の積層板に、図
に示す方法により実施例と同じフィルムを使用して
ラミネートし、更にロータリーシャーにて1030mm
の長さに基板を切断し両端部に基板端から25mmの位
置までカバーフィルムの積層されていない部分を有する
1030mm×800mmサイズのネガ型水なし平版印
刷版原版を得た。
【0107】以上のようにして得られたネガ型水なし平
版印刷版原版にメタルハライドランプ(岩崎電気(株)
製アイドルフィン2000)を用い、UVメーター(オ
ーク製作所製、ライトメジャータイプUV−402A)
で11mW/cm 2 の照度で6秒間全面露光を行なった。
【0108】比較例1 実施例1と同様にして得られたカバーフィルムを有さな
い800mm幅の積層板に図1に示す方法により800
mm幅の12μmの片面マット化二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムをマット化されていない面がシリコーンゴム
層と接するようにしてラミネートし、更にロータリーシ
ャーにて1030mmの長さに基板を切断し、1030
mm×800mmサイズのポジ型の水なし平版印刷版原
版を得た。
【0109】比較例2 実施例5と同様にして得られたカバーフィルムを有さな
い800mm幅の積層板に図1に示す方法により800
mm幅の厚さ10μmのポリプロピレンフィルム“トレ
ファン”(東レ(株)製)をラミネートし、更にロータ
リーシャーにて1030mmの長さに基板を切断し、1
030mm×800mmサイズのネガ型水なし平版印刷
版原版を得た。
【0110】以上のようにして得られたネガ型水なし平
版印刷版原版にメタルハライドランプ(岩崎電気(株)
製アイドルフィン2000)を用い、UVメーター(オ
ーク製作所製、ライトメジャータイプUV−402A)
で11mW/cm 2 の照度で6秒間全面露光を行なった。
【0111】実施例1〜により長辺側にカバーフィル
ムの積層されていない部分を有するポジ型及びネガ型の
水なし平版印刷版原版が得られた。
【0112】実施例1〜、比較例1、2の水なし平版
印刷版原版の長辺側に、ピン穴穿孔機(大日本スリーン
(株)製)を用いて直径6mmの円形と短径6mm、長
径10mmの楕円形のピン穴を基板端からピン穴端まで
の距離10mmの位置に穿孔した。以上の操作を実施
例、比較例の各種類20版ずつ行なった。
【0113】次いで実施例1〜及び比較例1のポジ型
水なし平版印刷版原版について平台露光機(大日本スク
リーン製造(株)製P−804I)を用いて画像評価用
のポジフィルムを真空密着しメタルハライドランプ(岩
崎電気(株)製アイドルフィン3000)を用いて90
秒露光した。露光後カバーフィルムを手で剥離し、ピン
穴を基点としたカバーフィルムの剥がし残しの発生状況
を評価した。カバーフィルムを剥離した水なし平版印刷
版原版は自動現像機(TWL−1160K、東レ(株)
製)を使用し、前処理液としてPP−F(東レ(株)
製)、後処理液としてPA−F(東レ(株)製)を使用
して現像を行ない水なし平版印刷版を得た。現像後の版
についてピン穴起因のカバーフィルム剥がし残しによる
絵柄部の現像不良の発生状況を評価した(評価項目
A)。
【0114】実施例及び比較例2のネガ型水なし
平版印刷版原版について平台露光機(大日本スクリーン
製造(株)製P−804I)を用いて画像評価用のネガ
フィルムを真空密着しメタルハライドランプ(岩崎電気
(株)製アイドルフィン3000)を用いて60秒露光
した。露光後カバーフィルムを手で剥離し、ピン穴を基
点としたカバーフィルムの剥がし残しの発生状況を評価
した。カバーフィルムを剥離した水なし平版印刷版原版
は自動現像機(TWL−1160K、東レ(株)製)を
使用し、前処理液としてNP−1(東レ(株)製)、後
処理液としてNA−1(東レ(株)製)を使用して現像
を行ない水なし平版印刷版を得た。現像後の版について
ピン穴起因のカバーフィルム剥がし残しによる絵柄部の
現像不良の発生状況を評価した(評価項目A)。
【0115】更に実施例1〜及び比較例1のポジ型水
なし平版印刷版原版について殖版機((株)大床製作所
製OTO STEPPER)を使用し、水なし平版印刷
版原版の長辺両側に粘着テープを半端から20mmの位
置まで被せて貼ることにより版を殖版台に固定し、画像
評価用のポジフィルムを6面付け露光した。露光後カバ
ーフィルムを手で剥離し、自動現像機(TWL−116
0K、東レ(株)製)を使用し、前処理液としてPP−
F(東レ(株)製)、後処理液としてPA−F(東レ
(株)製)を使用して現像を行ない水なし平版印刷版を
得た。現像後の版について絵柄部での空気溜まりによる
光接着不良および焼きボケの発生状況を評価した。以上
の操作を実施例1〜、比較例1のそれぞれ各20版行
なった(評価項目BおよびC)。
【0116】また、実施例1〜3と比較例1のポジ型水
なし平版印刷版原版について平台露光機(大日本スクリ
ーン製造(株)製P−804I)を用いて画像評価用の
ポジフィルムを真空密着後露光した。露光後カバーフィ
ルムを手で剥離し、自動現像機(TWL−1160K、
東レ(株)製)を使用し、前処理液としてPP−F(東
レ(株)製)、後処理液としてPA−F(東レ(株)
製)を使用して現像を行ない水なし平版印刷版を得た。
得られた印刷版を自動版交換装置付きの枚葉印刷機(三
菱重工(株)製ダイヤG型菊全4色機)に取り付け万力
からの版外れ及び見当精度の評価を行なった(評価項目
DおよびE)。
【0117】以上の評価結果を表1に示す。
【0118】
【表1】 表1に示すとおり、比較例1及び2においてピン穴起因
のカバーフィルムの剥がし残しが発生し、絵柄部が現像
不良となっているのに対して、実施例1〜については
ピン穴起因のカバーフィルムの剥がし残しによる現像不
良が全く発生せず、本発明の効果が得られた。
【0119】また、比較例1においては殖版機で空気溜
まりによる光接着不良及び焼きボケが発生しているのに
対して、実施例1〜については空気溜まりが全く発生
せず空気溜まりによる光接着不良や焼きボケも全く発生
せず本発明の効果が得られたことが確認できた。
【0120】さらに、比較例1では枚葉印刷機の万力か
らの版外れ及び見当精度不良が発生しているのに対し
て、実施例1〜3では版外れ、見当精度不良という問題
は発生せず本発明の効果が得られたことがわかる。
【0121】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成されたもの
で、ピン穴穿孔に伴う保護層の剥がし残しにより起こる
現像不良や生産性の低下、また、保護層とシリコーンゴ
ム層の間にエアーが入り込むことにより発生する焼ボケ
や光重合不良といった問題を解決し、刷版作製工程での
作業性、確実性の優れた水なし平版印刷版原版を提供
し、また版胴の万力から水なし平版印刷版が外れやすい
という問題を解決し版胴への水なし平版印刷版の装着を
より確実にすることで作業性、見当精度を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水なし平板印刷版原版の製造方法の
一例(1)および従来の方法を示す概略図である。
【図2】 本発明の水なし平板印刷版原版の製造方法の
他の例(2)を示す概略図である。
【図3】 本発明の水なし平板印刷版原版の製造方法の
他の例(3)を示す概略図である
【符号の説明】
3 カバーフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも感光層、シリコーン
    ゴム層、保護層を積層してなる水なし平版印刷版原版の
    製造方法において、基板幅よりも幅の狭い保護層をラミ
    ネートすることを特徴とする水なし平版印刷版原版の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に少なくとも感光層、シリコーン
    ゴム層、保護層を積層してなる水なし平版印刷版原版の
    製造方法において、基板上に保護層を連続的にラミネー
    トした後、少なくとも片側の端部にスリットを入れ
    後、連続的にスリットから外側の保護層を剥離すること
    を特徴とする水なし平版印刷版原版の製造方法。
  3. 【請求項3】 スリットを連続的に入れることを特徴と
    する請求項2記載の水なし平版印刷版原版の製造方法
  4. 【請求項4】 スリットから外側の保護層を連続的に剥
    離することを特徴とする請求項2記載の水なし平版印刷
    版原版の製造方法
  5. 【請求項5】 端から10〜40mmの部分の保護層に
    スリットを入れることを特徴とする請求項2記載の水な
    し平版印刷版原版の製造方法
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