JP3007183B2 - 湿し水不要感光性平版印刷版の製版方法 - Google Patents

湿し水不要感光性平版印刷版の製版方法

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JP3007183B2
JP3007183B2 JP14273791A JP14273791A JP3007183B2 JP 3007183 B2 JP3007183 B2 JP 3007183B2 JP 14273791 A JP14273791 A JP 14273791A JP 14273791 A JP14273791 A JP 14273791A JP 3007183 B2 JP3007183 B2 JP 3007183B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿し水不要感光性平版
印刷版の製版方法に関し、更に詳しくは、ハイライト、
シャドー部の再現性が向上した湿し水不要感光性平版印
刷版の製版方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来、湿し水不要感光性平版印刷版は、
支持体上に感光層、シリコーンゴム層をこの順に被覆し
て形成され、一般にはこの上にカバーフィルムが設けら
ている。このような版材料を現像する場合には、通常有
機溶剤系又は水系の現像液を用いて現像され、印刷版を
形成している。
【0003】一方、このような湿し水不要感光性平版印
刷版の現像を有機溶剤系又は水系の現像液の現像液を用
いることなく、簡単にしかも迅速に現像できる技術が、
特公昭56−4908号公報に開示されており、この方
法は、2枚のシートの間にシリコーンゴム層と光硬化性
感光層の2層をはさんでなる複合シートからなる平版印
刷版原板を適宜露光後、2枚のシートを剥離することを
特徴とする平版印刷版の製造法である。
【0004】しかしながら、この方法で得られた印刷版
は、ハイライト、べたの抜けが今一つ充分でなく、この
点を解決するためにシリコーンゴム層とカバーシート間
の接着性を上げると、シャドーがつぶれるという問題が
発生し、これらを両立させることは非常に困難である。
【0005】そこで、本発明者等は、この問題について
更に一層研究を続けた結果、シリコーンゴム層とカバー
シート間で露光部における接着性を弱めることで解決で
きることを見出し、かつこの接着性を弱める手段として
光剥離性の接着層をシリコーンゴム層とカバーシートと
の間に設けることにより、本発明を完成した。
【0006】
【発明の目的】従って、本発明の目的は、ラチチュード
を拡大してシャドーの再現性を向上させることができ、
かつハイライトベタの現像性とのバランスを良好にする
ことが出来る湿し水不要感光性平版印刷版の製版方法を
提供することにある。
【0007】
【発明の構成】本発明の上記目的は、(1)基体上に光
硬化性接着層、シリコーンゴム層、光剥離性接着層及び
カバーシートを順次設けることにより形成された湿し水
不要感光性平版印刷版を画像露光後、前記カバーシート
を剥離することにより現像することを特徴とする湿し水
不要感光性平版印刷版の製版方法。
【0008】(2)前記第1項の記載において、基体上
に光剥離性接着層、シリコーンゴム層、光硬化性接着層
及びカバーシートを順次設けることを特徴とする湿し水
不要感光性平版印刷版の製版方法。
【0009】(3)前記第1項又は第2項において、カ
バーシートを剥離した後、得られた印刷版の後処理を行
なうことを特徴とする湿し水不要感光性平版印刷版の製
版方法。
【0010】(4)前記第1項、第2項又は第3項にお
いて、カバーシートを剥離した後、得られた印刷版の補
助現像を行なうことを特徴とする湿し水不要感光性平版
印刷版の製版方法によってそれぞれ達成される。以下、
本発明について更に詳しく説明する。
【0011】本発明は、光硬化性接着層、シリコーンゴ
ム層、光剥離性接着層及びカバーシートを順次設けるこ
とにより形成された湿し水不要感光性平版印刷版を画像
露光後、前記カバーシートを剥離して現像することによ
り、ラチチュードの拡大されハイライト、シャドーの再
現性に優れたポジ型の印刷版を得ることができる。
【0012】また上記光硬化性接着層と光剥離性接着層
とを入れ換えて設けることによりネガ型の印刷版が得ら
れる。更に現像はカバーシートを剥離することにより行
なうが、その後、更に後処理を行なうことにより一層良
好な印刷版が得られる。
【0013】更にまたカバーシートの剥離後、補助現像
することにより一層再現性の向上した印刷版が得られ
る。本発明によって得られるポジ型の湿し水不要感光性
平版印刷版は、一例が図1に示される構成を有してお
り、基体1上にプライマー層2、感光層3、シリコーン
ゴム層4、感光層5及びカバーシート6が順次設けられ
ている。
【0014】図1において、感光層3が光硬化性接着層
であり、感光層5が光剥離性接着層である場合、即ち下
層が光硬化性接着層であり、上層が光剥離性接着層であ
る場合にポジ型の湿し水不要感光性平版印刷版が得ら
れ、またこの逆の構成である感光層3が光剥離性接着層
であり、感光層5が光硬化性接着層である場合、即ち下
層が光剥離性接着層であり、上層が光硬化性接着層であ
る場合には、ネガ型の湿し水不要感光性平版印刷版が得
られる。
【0015】前記各感光層3、5の上面又は下面には、
接着性層を設けることができ、この接着性層には粘着性
物、例えば「粘着(粘接着)の新技術、その用途各種応
用製品の開発」経営開発センター出版部編に記載されて
いる粘着性物を含有させることができ、またこの粘着性
物を感光層に含有させることもできる。
【0016】本発明に係る感光層に用いられる光硬化性
接着層としては、種々の感光性物質が用いられるが、ま
ずシアゾ樹脂としては、ジアゾ樹脂の種々のものを含む
が、好ましくは、p−ジアゾジフェニルアミンとホルム
アルデヒドとの縮合物で代表されるジアゾ樹脂であっ
て、水溶性であっても有機溶媒可溶性のものであっても
よいが、好ましくは特公昭47−1167号及び同57
−43890号公報等に記載されているような水不溶性
かつ通常の有機溶媒可溶性のものが使用される。特に好
ましくは下記の一般式〔1〕で示されるジアゾ樹脂であ
る。
【0017】
【化1】
【0018】〔式中、R1 、R2 およびR3 は、水素原
子、アルキル基、又はアルコキシ基を示し、R4 は水素
原子、アルキル基又はフェニル基を示す。XはPF6
はBF4 を示し、Yは−NH−、−S−又は−O−を示
す。〕
【0019】本発明に用いられるジアゾ樹脂におけるジ
アゾモノマーとしては、例えば4−ジアゾジフェニルア
ミン、1−ジアゾ−4−N,N−ジメチルアミノベンゼ
ン、1−ジアゾ−4−N,N−ジエチルアミノベンゼ
ン、1−ジアゾ−4−N−エチル−N−ヒドロキシエチ
ルアミノベンゼン、1−ジアゾ−4−N−メチル−N−
ヒドロキシエチルアミノベンゼン、1−ジアゾ−2,5
−ジエトキシ−4−ベンゾイルアモノベンゼン、1−ジ
アゾ−4−N−ベンジルアミノベンゼン、1−ジアゾ−
4−モルホリノベンゼン、1−ジアゾ−2,5−ジメト
キシ−4−p−ト
【0020】リルメルカプトベンゼン、1−ジアゾ−2
−エトキシ−4−N,N−ジメチルアミノベンゼン、p
−ジアゾジメチルアニリン、1−ジアゾ−2,5−ジブ
トキシ−4−モルホリノベンゼン、1−ジアゾ−2,5
−ジエトキシ−4−モルホリノベンゼン、1−ジアゾ−
2,5−ジメトキシ−4−モルホリノベンゼン、1−ジ
アゾ−2,5−ジエトキシ−4−p−トリルメルカプベ
ンゼン、1−ジアゾ−4−N−エチル−N−ヒドロキシ
エチルアミノベンゼン、1−ジアゾ−3−エトキシ−4
−N−メチル−N−ベンジルアミノベンゼン、1−ジア
ゾ−3−クロロ−
【0021】4−N,N−ジエチルアミノベンゼン、1
−ジアゾ−3−メチル−4−ピロリジノベンゼン、1−
ジアゾ−2−クロロ−4−N,N−ジメチルアミノ−5
−メトキシベンゼン、1−ジアゾ−3−メトキシ−4−
ピロリジノベンゼン、3−メトキシ−4−ジアゾジフェ
ニルアミン、3−エトキシ−4−ジアゾジフェニルアミ
ン、3−(n−プロポキシ)−4−ジアゾジフェニルア
ミン、3−(イソプロポキシ)−4−ジアゾジフェニル
アミン等が挙げられる。
【0022】前記ジアゾモノマーとの縮合剤として用い
られるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ポロピオンアルデヒド、ブチル
アルデヒド、イソブチルアルデヒドまたはベンズアルデ
ヒド等が挙げられる。
【0023】更に陰イオンとあいては、塩素イオンやテ
トラクロロ亜鉛酸等を用いることにより水溶性のジアゾ
樹脂を得ることができ、また四フッ化硼素、六フッ化燐
酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、4,4′
−ビフェニルジスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼン
スルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、2−メト
キシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスル
ホン酸等を用いることにより、有機溶剤可溶性のジアゾ
樹脂を得ることができる。特に好ましくは、六フッ化燐
酸からなるジアゾ樹脂が用いられる。
【0024】ジアゾ樹脂は、皮膜形成性樹脂、特に水酸
基を有する高分子化合物と混合して使用するのが好まし
い。特に好ましくは、高分子化合物として、側鎖に脂肪
族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トと他の共重合し得るモノマーとの共重合体が挙げられ
る。これら以外にも、必要に応じてポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ
樹脂、ノボラック樹脂、天然樹脂等を添加してもよい。
【0025】この他ジアゾニウム塩と併用される結合剤
としては種々の高分子化合物が使用され得るが、好まし
くは特開昭54−98613号公報に記載されているよ
うな芳香族性水酸基を有する単量体、例えばN−(4−
ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒド
ロキシフェニル)メタクリルアミド、o−,m−,また
はp−ヒドロキシスチレン、o−,m−,またはp−ヒ
ドロキシフェニルメタクリレ−ト等と他の単量体との共
重合体、
【0026】米国特許第4,123,276号明細書に
記載さているようなヒドロキシエチルアクリレート単位
またはヒドロキシエチルメタクリレート単位を主なる繰
り返し単位として含むポリマー、シェラック、ロジン等
の天然樹脂、ポリビニルアルコール、米国特許第3,7
51,257号明細書に記載されているポリアミド樹
脂、米国特許第3,660,097号明細書に記載され
ている線状ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールの
フタレート化樹脂、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンから縮合されたエポキシ樹脂、酢酸セルロース、セ
ルロースアセテートフタレート等のセルロース類が含有
される。
【0027】アルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック
樹脂、フェノール性水酸基を有するビニル系重合体、特
開昭55−57841号公報に記載されている多価フェ
ノールとアルデヒド又はケトンとの縮合樹脂等が挙げら
れる。ノボラック樹脂としては、例えばフェノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド樹
脂、特開昭55−57841号公報に記載されているよ
うなフェノール・クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮
合樹脂、特開昭55−127553号公報に記載されて
いるようなp−置換フェノールとフェノールもしくは、
クレゾールとホルムアルデヒドとの共重合樹脂等が挙げ
られる。
【0028】またこれらの感光性組成物には、上記の素
材のほか、必要に応じて染料、顔料等の色素、感脂化
剤、可塑剤、界面活性剤、有機酸、酸無水物、露光によ
り酸を発生し得る化合物を添加することができる。これ
らの結合剤は感光性組成物の固形分中に40〜99重量
%、好ましくは50〜95重量%含有される。またジア
ゾ樹脂は1〜60重量%、好ましくは3〜30重量%含
有される。これらの感光性組成物には、その他の染料、
顔料等の色素、感脂化剤、可塑剤、界面活性剤などを添
加することができる。
【0029】(2)重合体の主鎖又は側鎖に−CH=C
H−CO−基を有する高分子化合物を含む感光性組成物 このような高分子化合物としては、重合体の主鎖又は側
鎖に感光性基として−CH=CH−CO−を含むポリエ
ステル類、ポリアミド類、ポリカーボネート類のような
感光性重合体を主成分とするもの(例えば米国特許第
3,030,208号、同第3,707,373号及び
同第3,453,237号に記載されているような化合
物);
【0030】シンナミリデンマロン酸等の(2−プロペ
リデン)マロン酸化合物及び二官能性グリコール類から
誘導される感光性ポリエステル類を主成分としたもの
(例えば米国特許第2,956,878号及び同第3,
173,787号の各明細書に記載されているような感
光性重合体);
【0031】ポリビニールアルコール、澱粉、セルロー
ス及びその類似物のような水酸基含有重合体のケイ皮酸
エステル類(例えば米国特許第2,690,966号、
同第2,752,372号、同第2,732,301号
等の各明細書に記載されているような重合体)等が挙げ
られる。これらの感光性組成物には、他の増感剤、安定
化剤、可塑剤、顔料や染料等を含有させることができ
る。
【0032】(3)付加重合性不飽和化合物からなる光
重合性組成物 この組成物は、好ましくは、(a)少なくとも2個の末
端ビニル基を有する単量体、(b)光重合開始剤及び
(c)バインダーとしての高分子化合物からなる。
【0033】この成分(a)のビニル単量体としては、
特公昭35−5093号、同35−14719号、同4
4−28727号の各公報に記載されている。例えばポ
リオールのアクリル酸又はメタクリル酸エステル、即ち
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート等、あるいはメチレン
ビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)ア
クリルアミドのようなビス(メタ)アクリルアミド類、
あるいはウレタン基を含有する不飽和単量体、
【0034】例えばジ−(2´−メタクリロキシエチ
ル)−2,4−トリレンジウレタン、ジ−(2−アクリ
ロキシエチル)トリメチレンジウレタン等のようなジオ
ールモノ(メタ)アクリレートとジイソシアネートとの
反応生成物等が挙げられる。前記成分(b)の光重合開
始剤としては、前記の一般式〔1〕で示される化合物が
使用し得るが、他の種類のものでも使用できる。
【0035】例えば、前記のJ.Kosar著「ライト
・センシシティブ・システムズ」第5章に記載されてい
るようなカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化
物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハ
ロゲン化合物、光還元性色素などがある。更に具体的に
は英国特許第1,459,563号に開示されている。
【0036】光重合開始剤としては、次のようなものを
使用することができる。ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−
α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体、ベ
ンゾフェノン、2,4-ジクロルベンゾフェノン、o-ベンゾ
イル安息香酸メチル、4,4'- ビス(ジメチルアミノ)ベ
ンゾフェノン、4,4'- ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ
ェノン等のベンゾフェノン誘導体、
【0037】2-クロルチオキサントン、2-イソプロピル
チオキサントン等のチオキサントン誘導体、2-クロルア
ントラキノン、2-メチルアントラキノン等のアントラキ
ノン誘導体、N-メチルアクリドン、N-ブチルアクリドン
等のアクリドン誘導体、α,α−ジエトキシアセトフェ
ノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル
化合物、ハロゲン化合物等。
【0038】更に、成分(c)のバインダーとしては、
公知の種々のポリマーを使用することができる。具体的
なバインダーの詳細は、米国特許第4,072,527
号に記載されている。この他、前述のジアゾニウム塩と
併用されるときに用いられる結合剤が用いられる。これ
らの光重合性組成物には、熱重合禁止剤、可塑剤、染料
や顔料等を含有させることができる。
【0039】(4)アジド基を含む感光性組成物 感光性アジド化合物としては、アジド基が直接またはカ
ルボニル基又はスルホニル基を介して芳香環に結合して
いる芳香族アジド化合物が好ましく使用される。
【0040】例えば、米国特許第3,096,311号
明細書に記載されているようなポリアジドスチレン、ポ
リビニル−p−アジドベンゾアート、ポリビニル−p−
アジドベンザール、特公昭45−9613号公報に記載
のアジドアリールスルフォニルクロリドと不飽和炭化水
素系ポリマーとの反応生成物、又特公昭43−2101
7号、同44−229号、同44−22954号、同4
5−24915号の各公報に記載されているような、ス
ルホニルアジドやカルボニルアジドを持つポリマー等が
挙げられる。
【0041】前記感光性組成物に添加される感脂化剤、
界面活性剤、増感剤、安定化剤、熱重合禁止剤、可塑
剤、染料や顔料等の色素などの添加剤類は、その種類に
よって添加量は異なるが、概して感光性塗布液に含まれ
る感光性組成物に対して、0.01〜20重量%、好ま
しくは0.05〜10重量%が適当である。
【0042】本発明において好ましく用いられる染料
は、塩基性染料および油溶性染料がある。具体的には、
ビクトリア・ピュア・ブルー・BOH、ビクトリア・ブ
ルー・BH、メチル・バイオレット、アイゼン・マラカ
イトグリーン(以上、保土ケ谷化学工業製)、パテント
・ピュア・ブルー・VX、ローダミン・B、メチレン・
ブルー(以上、住友化学工業製)等の塩基性染料、並び
にスーダン・ブルー・II、ビクトリア・ブルー・F4
R(以上、B.A.S.F製)オイル・ブルー・#60
3、オイル・ブルー・BOS、オイル・ブルー・IIN
(以上、オリエント化学工業製)等の油溶性染料が挙げ
られる。
【0043】また本発明に係わる光剥離性接着層に用い
られる光剥離化合物としては、o−キノンジアジ化合物
や酸分解性のエーテル化合物、エステル化合物が挙げら
れる。 (1)o−キノンジアジド化合物の具体例としてoは、
例えば特開昭47−5303号、同48−63802
号、同48−63803号、同49−38701号、同
56−1044号、同56−1045号、特公昭41−
11222号、同43−28403号、同45−961
0号、同49−17481号、米国特許第2,797,
213号、同第3,046,120号、同第3,18
8,210号、同第3,454,400号、同第3、5
44,323号、同第3,573,91
【0044】7号、同第3,674,495号、同第
3,785,825号、英国特許第1,227,602
号、同第1,251,345号、同第1,267,00
5号、同第1,329,888号、同第1,330,9
32号、ドイツ特許第854,890号等があり、酸分
解性化合物の例としては、特開昭60−37549号、
同60−10247号、同60−3625号等に記載さ
れているものを挙げることができ、更にこれらの化合物
を単独或いは組み合わせて感光成分として好ましく適用
することができる。
【0045】これらの感光成分には、芳香族ヒドロキシ
化合物のo−キノンジアジドカルボン酸エステル、芳香
族アミノ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸、o−
キノンジアジドカルボン酸アミド等が包含され、またこ
れらo−キノンジアジド化合物を単独で使用したもの、
他の樹脂と混合し、この混合物を感光層として設けたも
のが使用される。
【0046】(2)酸により分解し得る結合を有する化
合物としては、例えば≡C−O−C≡結合や≡Si−O
−C≡結合を有する化合物あるいは≡C−O−CO−結
合や≡Si−O−CO−結合を有する化合物などが挙げ
られる。
【0047】≡C−O−C≡結合を有する具体的化合物
には、例えばアセタール又はケタール基を有する化合
物、特開昭51−120714号公報に記載のオルトカ
ルボン酸エステル基及び/又はカルボン酸アミドアセタ
ノール基を有する化合物、特開昭53−133429号
公報に記載の主鎖にアセタール又はケタノール基を有す
るポリマー、特開昭55−12995号公報に記載のエ
タノールエーテル基を含有する化合物、特開昭55−1
26236号公報に記載のN−アシルイミノ炭酸塩基を
有する化合物、あるいは特開昭56−17345号公報
に記載の主鎖にオルトカルボン酸エステル基を有するポ
リマー等を挙げることが出来る。
【0048】また≡Si−O−C≡結合を有する具体的
化合物には、例えば特開昭60−37549号、同60
−52845号あるいは同60−121446号公報に
記載の化合物などを挙げることが出来る。またエステル
基を有する具体的化合物には、例えば特開昭60−36
25号あるいは同60−10247号公報に記載の化合
物などを挙げることができる。
【0049】これらの酸により分解し得る結合を有する
化合物の中では≡Si−O−C≡結合を有する化合物が
好ましい。中でも、特開昭60−121446号公報に
記載の≡Si−O−C≡結合を少なくとも1個有し、な
お且つ親水性基を少なくとも1個有する化合物が、特に
好ましい。これらの酸により分解し得る化合物は、1種
類のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用
いてもよい。これらの酸により分解し得る化合物の含有
量は感光性レジスト形成組成物の全固形分に対し5〜7
0重量%が好ましく、特に好ましくは10〜50重量%
である。
【0050】さらに酸により分解し得る化合物には、活
性光線の照射により酸を生成する化合物を含むことが必
要である。このような化合物としては、多くの公知化合
物及び混合物、例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム
塩、スルホニウム塩、及びヨードニウムのBF4 - 、P
6 - 、SbF6 - 、SiF6 2- 、ClO4 - などの
塩、有機ハロゲン化合物、オルトキノンジアジドスルホ
ニルクロリド、及び有機金属/有機ハロゲン化合物も活
性光線の照射の際に酸を形成又は分離する活性光線感受
性成分として使用することが出来る。
【0051】原理的には遊離基形成性開始剤として知ら
れるすべての有機ハロゲン化合物をハロゲン水素酸を形
成し得る感光性化合物として使用することが出来る。そ
のような化合物の例は米国特許3,515,552号、
同3,536,489号、同3,779,778号及び
西ドイツ国特許公開公報第2,243,621号に記載
されている。
【0052】また、例えば西ドイツ国特許公開公報2,
610,842号、特開昭54−74728号、同55
−77742号、同57−16323号、同60−36
26号公報に記載の光分解により酸を発生させる化合物
も使用することが出来る。また、更に特開昭50−36
209号公報に記載されているo−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸ハロゲニドも使用することが出来
る。
【0053】また、本発明において適当な染料と組み合
わせて前記のトリハロメチル基を有する化合物に加え
て、さらにo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸
ハロゲニドあるいは特開昭55−6244号、同59−
218442号公報などに記載のo−ナフトキノンジア
ジド系の化合物を併用すると露光の際、未露光部と露光
部の間に経時安定性のよい明瞭な可視的コントラストが
得られる。
【0054】これらの活性光線の照射により酸を発生し
得る化合物の含有量は、その化学的性質及び感光性樹脂
層の組成あるいは物性に依って広範囲に変えることがで
きるが、感光性樹脂層の固形分の全重量に対して約0.
1〜約10重量%の範囲が適当であり、好ましくは0.
2〜5重量%の範囲である。本発明の感光性組成物に
は、以上に説明した各素材のほか、必要に応じて更に染
料、顔料、可塑剤などを添加することができ、また更
に、使用目的に応じて必要であるならば、いわゆる増感
剤(前記酸を発生し得る化合物の酸発生効率を増大させ
る化合物)などを添加することもできる。
【0055】このような添加化合物としては、例えばナ
フタリン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、
ピレン、ペリレン、p−ジニトロベンゼン、p−ニトロ
ジフェニル、p−ニトロアニリン、2,4−ジニトロア
ニリン、ピクラミド、2−クロロ−4−ニトロアニリ
ン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、p−ニト
ロフェノール、9−アントラアルデヒド、ベンゾフェノ
ン、ジベンザルアセトン、p,p´−ジメチルアミノベ
ンゾフェノン、ミヒラーズケトン、1,4−ナフトキノ
ン、アントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、
アンスロン、1,9−ベンズアンスロン、3−メチル−
1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン等が挙げら
れる。その他アクリジン色素、メロシアニン色素、スチ
リル色素等が挙げられ、さらに、この場合必要に応じて
アミン系化合物を加えることもできる。
【0056】この他(4)光硬化により粘着性を低下さ
せ、光剥離性をもたらすタイプ、及び(5)ジアゾ化合
物またはアジド化合物を用い、光分解により発生した窒
素ガスが接着性を低下させるタイプ等を用いることが出
来る。
【0057】本発明に用いられるシリコーンゴムとして
は、次のような一般式〔2〕で示される繰り返し単位を
有する分子量数千〜数十万の主鎖中又は主鎖の末端に水
酸基を有する線状有機ポリシロキサンを主成分とするも
のが好ましい。
【0058】
【化2】
【0059】ここでnは2以上の整数、Rは炭素数1〜
10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ
ル基、ビニル基、アリール基、シラノール基(OH基)
であり、Rの60%以上がメチル基であるものが好まし
い。なお上記シラノール基(OH基)は主鎖中または主
鎖の末端のどちらにあってもよいが、末端にあることが
好ましい。本発明に用いられるシランカップリング剤
(またはシリコーン架橋剤)としては、下記の一般式
〔3〕に示されるものが好ましい。 一般式〔3〕 Rn SiX4-n
【0060】(式中、nは1〜3の整数であり、Rはア
ルキル、アリール、アルケニルまたはこれらの組み合わ
された一価の基を表し、またこれらの基はハロゲン、ア
ミン、ヒドロキシ、アルコキシ、アリーロキシ、チオー
ル等の官能基を有してもよい。Xは−OH、−OR2
−OAc、−O−N=C(R2 )R3 、−Cl、−B
r、−I等の置換記を表す。ここでR2 、R3 は上記の
Rと同じものを表し、R2 、R3 はそれぞれ同じであっ
ても異っていてもよい。またAcはアセチル基を表
す。)で示されるシラン化合物である。
【0061】つまり本発明において有用なシリコーンゴ
ムは、このようなシリコーン・ベースポリマーと、上記
に挙げるようなシリコーン架橋剤との縮合反応によって
得られるものである。
【0062】本発明に用いられるシランカップリング剤
の具体例としては、HN〔(CH2 3 Si(OMe)
3 2 、ビニルトリエトキシラン、Cl(CH2 3
i(OMe)3 、CH3 Si(OAc)3 、HS(CH
2 3 si(OMe)3 、ビニルトリス(メチルエチル
ケトオキシム)シラン等が挙げられる。
【0063】前記のシリコーンゴムは市販品としても入
手でき、例えば東芝シリコーン社製YE−3085等が
ある。またその他の有用なシリコーンゴムは、前述の如
きベース・ポリマーと、次のような一般式〔4〕で示さ
れる繰り返し単位を有するシリコーンオイルとの反応、
あるいはRの3%程度がビニル基であるシリコーンのベ
ース・ポリマーとの付加反応、あるいは該シリコーンオ
イル同士の反応によっても得ることができる。
【0064】
【化3】
【0065】(式中、Rは式1で示されるポリマーの置
換基であるRと同義であり、mは2以上の整数、nは0
または1以上の整数である。)このような架橋反応によ
ってシリコーンゴムを得るためには、架橋反応を触媒を
用いて行う。この触媒としては、錫、亜鉛、コバルト、
鉛、カルシウム、マンガン、等の金属の有機カルボン酸
塩、例えばラウリル酸ジブチルスズ、錫(II)オクト
エート、ナフテン酸コバルト等、あるいは塩化金酸等が
用いられる。
【0066】またシリコーンゴムの強度を向上させ、印
刷作業中に生じる摩擦力に耐えるシリコーンゴムを得る
ためには、充填剤(フィラー)をこんごうすることもで
きる。予めフィラーの混合されたシリコーンゴムは、シ
リコーンゴムストック、あるいはシリコーンゴムデイス
バージョンとして市販されており、本発明のようにコー
テイングによりシリコーンゴム膜を得ることが好ましい
場合には、RTVあるいはLTVシリコーンゴムのデイ
スバージョンが好んで用いられる。このような例として
は、トーレシリコーン社製Syl off 23、SR
X−257、SH237等のペーパーコーテイング用シ
リコーンゴムデイスバージョンがある。
【0067】本発明においては、縮合架橋タイプのシリ
コーンゴムを用いることが好ましい。シリコーンゴム層
には、更に接着性を向上させるためにアミノ基を有する
シランカップリング剤を含有していることが好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば次のよ
うなものがある。
【0068】 (a)H2 NCH2 CH2 NH(CH 23 Si(OCH3 3 (b)H2 NCE2 CH2 NH(CH 23 Si(OCH3 2 (CH3 ) (C)H2 N(CH 23 Si(OE)3但しEはエチ
ル基である。
【0069】本発明に用いられるシリコーンゴム層中に
は、更に光増感剤を少量含有させることができる。本発
明に用いられるシリコーンゴム層は、シリコーンゴムを
適当な溶媒に溶解した後、感光層上に塗布、乾燥する。
【0070】カバーフィルムの剥離角度(θ)は、0〜
150°、好ましくは0〜60°であり、また剥離速度
は1〜200mm/secであり、好ましくは10〜1
00mm/secである。本発明において、湿し水不要
感光性平版印刷版を剥離現像した場合、上側の感光層成
分が現像後もシリコーンゴム層上に残る場合があり、そ
の結果印刷すると汚れが発生する。
【0071】これを防ぐために本発明では湿し水不要感
光性平版印刷版を剥離現像した後、この版面を有機又は
無機の溶剤、界面活性剤、アルカリ剤等を含有するクリ
ーナー液で洗浄する。このクリーナー液の適用手段は、
シャワー、スプラー、浸漬、塗布等のいづれの方法を用
いてもよく、またブラシ、スポンジ、ウェス等による擦
りを加えることも好ましい。
【0072】またクリーナー液の代わりに粘着シートを
貼り付け、ついで剥離する方法、粘着性ロールに付着さ
せる等の方法で版面の残留成分を除去することもでき
る。粘着性物は、前述の刊行物に記載されているものを
好ましく用いることができる。この他、本発明に用いら
れる湿し水不要感光性平版印刷版の耐刷性を向上させる
ために、熱処理、全面露光、塩基処理、その他の方法を
用いることができる。
【0073】本発明においては、剥離現像した場合、網
点部の剥離方向側に現像不良が発生する傾向があり、こ
れを防止するために補助現像を行なう。この第1の方法
としては、粘着シートを貼り付け、ついで剥離する方
法、粘着性ロールに付着させる等の方法で版面の残留成
分を除去することである。第2の用法としては、補助現
像を行なうことである。即ち、公知の湿し水不要感光性
平版印刷版の現像方法を適用することである。
【0074】本発明に用いられる現像液としては、通常
用いられる湿し水不要感光性平版印刷版の現像に用いら
れるものが使用され、有機溶剤系又は水系の現像液が用
いられる。この水系現像液としては、、例えば特開昭6
1−275759号等の公報に記載されているもので、
水を30重量%以上、好ましくは50重量%〜98重量
%と、有機溶剤、界面活性剤を含む現像液を挙げること
ができ、更に好ましくはアルカリ剤を含有する。
【0075】本発明にもちいられる現像液に添加される
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界
面活性剤、カチオン界面活性剤および両性イオン界面活
性剤が用いられる。またクリスタルバイオレット、アス
トラゾンレット等の染料を現像液に加えて現像と同時に
画像部の染色を行うこともできる。
【0076】現像は、例えば上記のような現像液を含む
現像用パッドでこすったり現像液を版面に注いだ後に現
像ブラシで擦る等の方法で行うことができる。本発明に
用いられる支持体としては、通常の平版印刷機にセット
できるたわみ性と印刷時に加わる荷重に耐えるものであ
ることが好ましく、例えばアルミニウム、亜鉛、銅、鋼
等の金属板、及びクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミ
ニウム及び鉄等がメッキまたは蒸着された金属板、紙、
プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂コート紙、ア
ルミニウム等の金属箔が張られた紙等が挙げられる。こ
れらのうち好ましいものはアルミニウム板である。上記
接着性向上のための支持体自体に対する処理は特に限定
されるものではなく、各種粗面化処理等を含む表面処理
が含まれる。
【0077】このような表面処理としては、例えばアル
ミニウム板の表面を珪酸塩で処理する方法(米国特許第
2,714,066号)、有機酸塩で処理する方法(米
国特許第2,714,066号)、ホスホン酸およびそ
れらの誘導体で処理する方法(米国特許第3,220,
832号)、ヘキサフルオロジルコン酸カリウムで処理
する方法(米国特許第2,946,683号)、陽極酸
化する方法および陽極酸化後、アルカリ金属珪酸塩の水
溶液で処理する方法(米国特許第3,181,461
号)等がある。
【0078】支持体にはプライマー層を有していてもよ
く、該プライマー層には例えばポリエステル樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、
エポキシ樹脂、アクリレート系共重合体、酢酸ビニル系
共重合体、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエン、ポ
リ酢酸ビニル等が挙げられる。
【0079】これらのプライマー層には、前記露光によ
り酸を発生する化合物及び酸により変色あるいは褪色す
る染料を添加することができる。また上記プライマー層
を構成するアンカー剤としては、例えば前記シランカッ
プリング剤、シリコーンプライマー等を用いることがで
き、また有機チタネート等も有効である。
【0080】本発明の版材を構成する各層の厚さは、支
持体から順に以下の通りである。即ち支持体は50〜4
00μm、好ましくは100〜300μm、感光層が光
硬化性接着層のときは0.05〜10μm、好ましくは0.5〜
5μm、シリコーンゴム層は0.1 〜10μm、好ましく
は0.5〜2μmであり、更に感光層が光剥離性接着層の
ときは0.1 〜10μm、好ましくは0.5 〜2μmであ
り、カバーシートは1〜30μm、好ましくは2〜10
μmである。本発明の湿し水不要の版材は、例えば、次
のようにして製造される。
【0081】支持体上に、リバースロールコータ、エア
ーナイフコータ、メーヤバーコータ等の通常のコータあ
るいはホエラーのような回転塗布装置を用い、プライマ
ー層を構成すべき組成物溶液を塗布乾燥し架橋硬化させ
る。次いで感光層を構成すべき組成物溶液を塗布乾燥す
る。
【0082】上記感光層上にシリコーンゴム溶液を同様
な方法で塗布し、通常100〜120℃の温度で数分間
熱処理して、充分に硬化せしめてシリコーンゴム層を形
成する。更に感光層を塗布乾燥した後、ラミネーターを
用いてカバーシートを設ける。
【0083】露光用の光源は、紫外線を豊富に発生する
水銀灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハ
ライドランプ、蛍光灯等が用いられる。
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて更に詳しく説
明するが、本発明は、これらの例に限定されるものでは
ない。 実施例−1 通常の方法で脱脂したスムーズアルミ板上に下記の組成
のプライマー層を、硬化後の膜厚が15μmになるよう
に塗布し乾燥した後、高圧水銀ランプ(出力80W/c
m)を用いて露光し硬化させた。なお、部は重量部を表
す。以下、同様。
【0084】〔プライマー層組成物〕 2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸メチルのモル比が40/6 0の共重合体 100部 トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート 80部 2,4−ジエチルチオキサントン 4部 p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル 4部 黄色顔料(KET−YELLOW402、大日本インキ化学社製) 8部 白色顔料(酸化亜鉛、FINEX−25、堺化学社製) 25部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 600部 次に上記プライマー層上に下記の組成の感光性組成物を
塗布し、100℃で2分間乾燥して厚さ0.2μmの感
光層を形成した。
【0085】〔感光性組成物〕 (1)ジアゾ樹脂−1 70部 (2)2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−(4−ヒドロキシフェニル) メタクリルアミド、アクリル酸のモル比50/47/3の共重合体 50部 (3)ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製、染料) 1部 (4)メチルセロソルブ 900部
【0086】ジアゾ樹脂−1の合成 なお、ジアゾ樹脂−1は、以下のようにして合成した。
p−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩14.5g(50ミ
リモル)を氷冷下で40.9gの濃硫酸に溶解した。こ
の反応液に1.35g(45ミリモル)のパラホルムア
ルデヒドを反応温度が10℃を超えないようにゆっくり
添加した。この反応混合物を氷冷下、500ミリリット
ルのエタノールに滴下し、生じた沈澱を濾過した。エタ
ノールで洗浄後、この沈澱物を100ミリリットルの純
水に溶解し、この液に6.8gの塩化亜鉛を溶解した冷
濃厚水溶液を加えた。
【0087】生じた沈澱を濾過した後、エタノールで洗
浄し、これを150ミリリットルの純水に溶解した。こ
の液に8gのヘキサフルオロリン酸アンモニウムを溶解
した冷濃厚水溶液を加えた。生じた沈澱を濾取し、水洗
した後、乾燥してジアゾ樹脂−1を得た。次いで上記感
光層上に下記シリコーンゴム組成物を乾燥重量で2.0
g/m2 になるように塗布し、90℃で10分間乾燥
し、光硬化性接着層とシリコーンゴム層を有する材料
(これを材料Aという。)を形成した。
【0088】〔シリコーンゴム層組成物〕 (1)両末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサン(分子量52,000) 100部 (2)トリアセトキシメチルシラン 10部 (3)ジブチル錫ラウレート 0.8部 (4)アイソパーG(エッソ化学製) 900部 一方、6μのポリプロピレンフィルム上に以下の光剥離
性接着層組成物を0.1μの厚さで塗設した(これを材
料Bという。)。
【0089】〔上側感光層(光剥離性)組成〕 o−ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−2,5−スルホン酸クロライドとピ ロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合物(縮合率40モル%) 1重量部 2−エチルヘキシルアクリレート/1,1,3,3−テトラメチル−N−ブチル /メタクリルアミド(モル比=80/18/2)の共重合体 2重量部 この材料Bの塗布面と前記材料Aのシリコーンゴム層の
面とを重ね合わせながら、80℃でラミネートした。
【0090】更にポリプロピレンフィルム上には、スチ
レン/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート(モ
ル比=30/40/25)の共重合樹脂を粉砕して粒径
5〜20μmの粒子を分取し、この粉体を0.05g/
2 でパウダリングした。このようにして得られた湿し
水不要感光性平版印刷版を光源として2KWメタルハラ
イドランプを用いてポジフィルムを密着しながら画像露
光した。
【0091】次に図2に示される方法により剥離現像を
行なった。露光済の湿し水不要感光性平版印刷版の裏面
を減圧吸引して固定した後、余剰のポリプロピレンフィ
ルム6を回転可能なローラ8に巻付け剥離角度θ=0°
で100mm/secで剥離した。
【0092】これにより図3に示されるように、ポリプ
ロピレンフィルム6側には画像部の上側感光層(光剥離
性)5とシリコーンゴム層42が接着しており、また非
画像部7には上側感光層5のみがポリプロピレンフィル
ム6側に接着し、一方基体1側には画像部には下側感光
層(光硬化性)3が接着すると共に非画像部においては
下側感光層3とシリコーンゴム層41とが接着した印刷
版が得られる。この印刷版はスクリーン線数100線の
網点2〜98%が再現され、印刷物も良好なものであっ
た。
【0093】実施例2 実施例1記載のジアゾ樹脂を50重量部用いた以外は、
実施例1と同様にして湿し水不要感光性平版印刷版を得
た。これを実施例1と同様に露光、現像を行なったとこ
ろ、網点部81の剥離方向83側にシリコーンゴム層の
残り82が図4に示されるように発生し、網点再現性は
5〜95%であった。
【0094】この網点再現性を向上させるために処理後
の印刷版にブチルアクリレート−ブチルメタクリレート
共重合体(共重合比=14:4)の組成物を6μポリプ
ロピレンフィルムに厚さ1μで塗設したフィルムと塗布
面と前記印刷版のシリコーンゴム層とを重なるように合
わせて80℃で熱ラミネートした。
【0095】その後、最初に剥離した場合の剥離方向8
3とは逆方向に剥離した。剥離条件は実施例1と同じで
ある。この結果網点再現性が改善されて100線の網点
2〜98%が再現され、印刷物も良好なものであった。
【0096】実施例3 実施例2で剥離現像したときに発生したシリコーンゴム
層残りのある版を図5で示される処理装置を用いて剥離
方向と版の搬送方向が同一になるように搬送し処理を行
なった。処理液は、25℃の水を用い、処理時間は10
秒であり、搬送スピードは25mm/secで処理し
た。この結果100線2〜99%が再現された良好な印
刷版が得られた。ついで、処理液を下記のものに変更し
て処理を行なったが、画質には変化は見られなかった。
【0097】 〔処理液〕 水 100重量部 ベンジルアルコール 2重量部 ノニオン界面活性剤(花王(株)製、エマルゲン147) 2重量部 クリスタルバイオレット 0.1重量部 この処理により画像部が染色され、検版性の良い印刷版
が得られた。
【0098】実施例4 実施例1記載の感光性組成物として、下記のものを用
い、感光層の厚さを1μ5した以外は、実施例1と同様
にして湿し水不要感光性平版印刷版を作製した。
【0099】 〔感光性組成物〕 グリシジルメタクリレート/キシレンジアミン(=4:1)の付加物 3重量部 アジピン酸とヘキサン−1,6-ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3− ジオールとのポリエステルポリオールとイソホロンジイソシアネートとのポリ ウレタン 1重量部 ミヒラー氏ケトン 0.2重量部 この湿し水不要感光性平版印刷版を剥離現像して得られ
た印刷版はスクリーン線数100線の網点2〜98%が
再現され、印刷物も良好なものであった。
【0100】実施例5 実施例2で作製した粘着面を有するポリプロピレンフィ
ルム上に実施例1で用いたジアゾ樹脂を含む感光性組成
物を塗布、乾燥し、0.1μの厚さを有する感光層(光
硬化性)を形成した。一方、基体上に下記の感光性塗布
液を被覆した後、乾燥し光剥離性の感光層を形成し、こ
の上に実施例1で用いたものと同じシリコーンゴム層を
設けた。
【0101】 〔感光性塗布液組成〕 一般式〔5〕で示されるp−キシレングリコール、テトラエチレングリコールと ジクロロジメチルシランとのシリルエーテル化合物(特開昭60−12144 6号公報記載の化合物) 1重量部
【0102】
【化4】
【0103】 重量平均分子量 Mw=14,000、X/Y=50/50(モル比) フェノールとm−クレゾールとp−クレゾールとホルムアルデヒドとの共重縮合 樹脂(フェノール、m−クレゾール及びp−クレゾールの各々のモル比が2. 0:4.8:3.2、重量平均分子量 Mw=8,000、分散度Mw/Mn =6.2、Mnは数平均分子量である。) 1重量部 2−トリクロロメチル−5−〔β−(2−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4 −オキサジアゾール〔特開昭60−138539号公報に記載の例示化合物( 1)〕 0.1重量部
【0104】こようにして作製された前記感光層塗布面
とシリコーンゴム層を合わせ、70℃でラミネートして
ネガ型の湿し水不要感光性平版印刷版を得た。ついで、
実施例1で用いたポジフィルムに代えてネガフィルムを
用い、同様に露光、剥離現像した。
【0105】現像後、130℃で3分熱処理した。画像
部のシリコーンゴム層が除去され、また非画像部では、
シリコーンゴム層を有する印刷版が得られた。この印刷
版は100線2〜98%が再現されていた。しかし、印
刷すると非画像部にわずかにかぶり状の汚れが発生した
ので、エタノールで湿したウェスで軽く擦り洗浄したと
ころ、汚れは解消された。
【0106】実施例6 実施例5のシリルエーテル化合物に代えてo−ナフトキ
ノン−(1,2)−ジアジド−2,5−スルホン酸クロ
ライドとピロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合
物(重量平均分子量Mw=1,700、縮合率40モル
%)用い、剥離現像後に、以下の組成液を用いて実施例
3の処理装置にしたがって処理した以外は、実施例5と
同様に行なった。
【0107】 〔組成液〕 Aケイ酸カリウム水溶液(SiO2 26重量%含有) 6重量部 ペレックスNB−L(アニオン界面活性剤、花王(株)製) 5重量部 水 100重量部 この印刷版は100線2〜98%が再現されていた。し
かし、印刷すると非画像部にわずかにかぶり状の汚れが
発生したので、エタノールで湿したウェスで軽く擦り洗
浄したところ、汚れは解消された。
【0108】
【発明の効果】本発明は、光硬化性接着層、シリコーン
ゴム層、光剥離性接着層及びカバーシートを順次設ける
ことにより形成された湿し水不要感光性平版印刷版を画
像露光後、前記カバーシートを剥離して現像することに
より、ラチチュードの拡大されハイライト、シャドーの
再現性に優れたポジ型の印刷版を得ることができる。ま
た上記光硬化性接着層と光剥離性接着層とを入れ換えて
設けることによりネガ型の印刷版が得られる。
【0109】更に現像はカバーシートを剥離することに
より行なうが、その後、更に後処理を行なうことにより
一層良好な印刷版が得られる。更にまたカバーシートの
剥離後、補助現像することにより一層再現性の向上した
印刷版が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる剥離現像し得る湿し水不要
感光性平版印刷版を示す断面図である。
【図2】湿し水不要感光性平版印刷版の剥離現像の状態
を模型的に示す断面図である。
【図3】湿し水不要感光性平版印刷版の剥離現像の状態
を示す断面図である。
【図4】網点のシリコーンゴム層残りの状態を示す正面
図である。
【図5】処理装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体 2 プライマー層 3 感光層 4、41、42 シリコーンゴム層 5 感光層 6 カバーシート 7 非画像部 8 ローラ 81 網点 82 シリコーンゴム層残り 83 剥離方向 11 版材料 12 湿し水不要感光性平版印刷版 13 ロール 14 シャワー 15 ブラシ 16 処理液
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−66304(JP,A) 特開 昭48−94503(JP,A) 特開 昭53−42808(JP,A) 特開 昭55−134854(JP,A) 特開 昭51−134204(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に光硬化性接着層、シリコーンゴ
    ム層、光剥離性接着層及びカバーシートを順次設けるこ
    とにより形成された湿し水不要感光性平版印刷版を画像
    露光後、前記カバーシートを剥離することにより現像す
    ることを特徴とする湿し水不要感光性平版印刷版の製版
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、基体上に光剥
    離性接着層、シリコーンゴム層、光硬化性接着層及びカ
    バーシートを順次設けることを特徴とする湿し水不要感
    光性平版印刷版の製版方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、カバー
    シートを剥離した後、得られた印刷版の後処理を行なう
    ことを特徴とする湿し水不要感光性平版印刷版の製版方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3におい
    て、カバーシートを剥離した後、得られた印刷版の補助
    現像を行なうことを特徴とする湿し水不要感光性平版印
    刷版の製版方法。
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