JP2920132B1 - 段付環状部材及び内外輪両部材の製造方法 - Google Patents

段付環状部材及び内外輪両部材の製造方法

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JP2920132B1
JP2920132B1 JP1638498A JP1638498A JP2920132B1 JP 2920132 B1 JP2920132 B1 JP 2920132B1 JP 1638498 A JP1638498 A JP 1638498A JP 1638498 A JP1638498 A JP 1638498A JP 2920132 B1 JP2920132 B1 JP 2920132B1
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Abstract

【要約】 【課題】 鍛造によって成形した段付環状部材の大径円
筒部と小径円筒部との各内径と外径との同心度を高精度
に加工できるとともに、内径側と外径側の切削加工を省
略して、直接研削加工を行える製造方法を提供する。 【解決手段】 円盤状素材34に鍛造もしくは押出し加
工を施して、大径円筒部35と小径円筒部38とを結合
部42を介して同軸に連結した段付環状部材43を成形
する鍛造方法において、円盤状素材の一面側に製品大径
部の内径より僅かに小径の凹部35Aを、他面側に凸部
36を有するカップ状素材37に成形した後、凸部にダ
イスと押出しポンチが相対的に移動しない前方押出し加
工を施して段付環状部材の小径円筒部側を成形し、凹部
の内面を前方押出し加工方式でしごきもしくは押出し加
工を施して凹部の内径を製品大径部の内径と同一大きさ
に成形し、小径円筒部の内径側の底板部38を打ち抜い
て大径円筒部と小径円筒部との凹部を連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍛造によって一個
の素材から大径円筒部と小径円筒部とを有する段付環状
部材及び大小2個の環状部材を製造する場合において、
内径と外径の同心度が高精度で、内径側と外径側に切削
加工を施すことなくそのまま研削加工を行うことができ
る段付環状部材及び内外輪両部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鍛造によって一個の素材から外輪部材及
び内輪部材を製造する方法として、図8及び図9に示す
ような方法が既に知られている。すなわち、図8におい
て、8は製品に必要な大きさに切断された素材で、これ
に据え込み加工を施して円盤状素材9に成形し、次い
で、その上面側の中央に凹部10Aを有するカップ状素
材10を粗成形する。ここで、このカップ状素材10の
外径は前記外輪部材の外径となり、前記凹部10Aの内
径は前記内輪部材の内径となるように成形される。
【0003】更に、前記カップ状素材10の底部10B
を打ち抜いて円筒形状素材11に加工した後、大径円筒
部12と小径円筒部13とを接続部(段部)14を介し
て同軸に連結した段付環状部材15に成形される。ここ
で、該段付環状部材15の前記大径円筒部12が前記外
輪部材に、また接続部14を介してつながる下方向へ押
し出された前記小径円筒部13が内輪部材にそれぞれ相
当する部分である。
【0004】そして、前記段付環状部材15から外輪部
材17と内輪部材18を作る場合には、その接続部14
を打ち抜いてリング状のスクラップ16を除去すること
により同時に作製する。この場合、前記底部10Bの打
ち抜きは、段付環状部材15の接続部14を打ち抜いて
リング状のスクラップ16を除去することにより、内外
両輪部材17,18を同時に作製する工程で実施しても
かまわない。なお、上記公知技術に対して、特開昭52
−119463号公報には、歩留りの向上を図った技術
が開示されている。
【0005】また、図9は他の従来例で、所要の大きさ
に切断された材料19を据え込みを行って円盤状素材2
0に成形し、次いで、型打ち鍛造を行って予成形素材2
1から大径円筒部22Aと小径円筒部22Bとからなる
段付有底素材22とする。次に、該素材22に対しその
底部22Cをポンチにより孔明けを行って段付環状部材
23に成形する。そして、前記段付環状部材23を分離
して外輪部材24と内輪部材25を形成するとゝもに、
前記外輪部材24の接続部26を打ち抜いてスクラップ
として廃棄される。なお、上記公知技術に対して、特開
昭56−113827号公報には、歩留りの向上を図っ
た技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鍛造等で段
付環状部材を押し出す場合、この押出し加工には、ダイ
スと押出しポンチとの位置関係によって、図5に示すよ
うな後方押出し(ダイス2の中に押出しポンチ3が入っ
てきて、素材Mは押出しポンチ3の押し込む方向と反対
側に押し出される)と、図6に示すような前方押出し
(ダイス5の中に予め押出しポンチ4をセットしてお
き、素材Mを押込みポンチ6で押し込んで、押込みポン
チ6での押し込む方向と同じ方向に素材Mを押し出す)
とに分けられるが、環状部材の内径と外径の同心度を精
度良く得るには、ダイス5と押出しポンチ4が相対的に
移動せず、またそれらを保持する機構の剛性に影響され
ない図6に示す前方押出しの方が有利である。
【0007】すなわち、後方押出しでは、図5に示すよ
うに、ダイス2に対し押出しポンチ3が相対的に移動す
るため、両者の心合わせ精度を高く出来ないことや、押
出しポンチ3を保持する機械摺動部のがたつきや成形中
の負荷による機械のたわみがダイス2と押出しポンチ3
との心ずれを大きくする。然るに、環状部材の外径寸法
はダイスの内径2Aによって規制され、また内径寸法は
押出しポンチ3の成形部3Aの径によって規制されるた
め、環状部材Cの内径と外径との同心度は押出しポンチ
3とダイス2との心合わせ精度に直接影響される。その
ため、後方押出し方式では、環状部材Cの内径と外径と
の同心度を高精度にできない。
【0008】これに対し、前方押出しでは、図6に示す
ように、ダイス5の中に押出しポンチ4がセットされる
ため、ダイス5と押出しポンチ4との同心精度はダイス
5,押出しポンチ4ならびに両者の間に挿入されるノッ
クアウトリング7の加工精度のみで決定される。したが
って、これらの工具類を高精度に仕上げれば、環状部材
Cの内径と外径の同心度を高精度にすることが可能であ
る。
【0009】また、図7は前後方押出し加工を示したも
ので、その構成は前記図6に示す前方押出し加工とほぼ
同一であるが、ただ押込みポンチ6の成形部6Aの側面
とダイス5の成形穴5Aとの間に、素材Mが押出される
ための間隙が設けられている点で相違するのみである。
【0010】そこで、図7の(イ)に示すように、前記
ダイス5の成形穴5Aに入れられた素材Mは、図7の
(ロ)に示すように、押込みポンチ6が前進して圧縮力
が加えられると、該押込みポンチ6の押込み方向と同一
方向および反対方向の空間部内にそれぞれ押し出され
て、図7の(ハ)に示すように、底面部C1 および接続
部C2を介して上下に筒部を有する段付環状素材Cに成
形される。そして押出し成形後、前記段付環状素材Cは
ノックアウトスリーブ7の前進により外部に排出され
る。
【0011】然るに、前記図8及び図9に示すような、
大径円筒部と小径円筒部とを同軸に連結した前記段付環
状部材15,23を成形する場合において、図5に示す
後方押出し方式では、大径円筒部12,22Aと小径円
筒部13,22Bのそれぞれの部分で、また図7に示す
前後方押出し方式では、小径円筒部側を前方押し出し加
工で成形することで、小径円筒部13,22Bの内径と
外径との同心度を高精度にすることは可能であるが、大
径円筒部側はダイス5に対して押込みポンチ6が入って
くる後方押し出し方式となるため、大径円筒部12,2
2Aの内径と外径との同心度を高精度にすることができ
ないという問題があった。このことは、2個の環状部材
17,18及び24,25を製造した場合においても、
その外輪部材と内輪部材の内径と外径との同心度が精度
良く得られない、といった前記と同様の問題がまだ残っ
ていた。
【0012】更には、従来の方法で段付環状部材から内
外両輪部材を製造する場合、図8の10B,16に示す
スクラップの打ち抜き工程あるいは図9の22C,26
に示すスクラップの打ち抜き加工では、打ち抜き面に大
きな破断部分が発生する。すなわち、これを図10の打
ち抜き加工図で説明すると、段付環状部材15の大径円
筒部12から結合部14を打ち抜いて、大径円筒部12
と、結合部14を有する小径円筒部13とに分離する場
合、打抜き金型の打抜きポンチ31の外径に対しダイス
32の孔径が大きいため、打ち抜き過程で段付環状部材
15の変形が、前記打抜きポンチ31の外周側とダイス
32の孔の内周側を結ぶ面に集中し、最終的には破断が
ダイス32の孔の内周面近傍で発生する。その結果、打
ち抜いた大径円筒部12の破断部分はその内径より拡大
して寸法精度が悪化し、同様に小径円筒部13について
も結合部14を打ち抜いた破断部分は、小径円筒部13
の外径より縮小して寸法精度が悪化する、といった問題
点がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の問題点を解決するために成されたもので、鍛造に
よって1個の素材から成形した段付環状部材の外輪部材
対応の大径円筒部と内輪部材対応の小径円筒部との各内
径と外径との同心度を高精度に加工できるとゝもに、そ
の内径側と外径側の切削加工を省略して、直接研削加工
を行うことができる製造方法を提供するのが目的であ
り、その要旨は、前工程で形成した円盤状素材に鍛造も
しくは押出し加工を施して、大径円筒部と小径円筒部と
を結合部を介して同軸に連結した段付環状部材を成形す
る鍛造方法において、前記円盤状素材の一面側に製品大
径部の内径より僅かに小径の凹部を、他面側に凸部を有
するカップ状素材に成形した後、該凸部にダイスと押出
しポンチが相対的に移動しない前方押出し加工を施して
前記段付環状部材の小径円筒部側を成形し、次いで、大
径円筒部側の前記凹部の内面を前方押出し加工方式でし
ごきもしくは押出し加工を施して該凹部の内径を製品大
径部の内径と同一大きさに成形し、次いで、前記小径円
筒部の内径側の底板部を打ち抜いて前記大径円筒部と小
径円筒部との両凹部を連通させることを特徴とする段付
環状部材の製造方法にある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1乃至図4に示
す実施例により詳細に説明するに、図1において、
(I)に示す33は製品に必要な大きさに切断された素
材で、これに据え込み加工(II)を施して円盤状素材3
4に成形する。次いで、前後方押出し加工(III)によ
り、上部に大径円筒部35および下部に該大径円筒部3
5より小径な円形凸部36を同軸に有するカップ状素材
37に粗成形する。ここで、前記大径円筒部35の外径
は後述する外輪部材の外径となり、下部の前記円形凸部
36の外径は内輪部材の外径となるように成形する。ま
た、大径円筒部35側の凹部35Aの内径は外輪部材の
内径より僅かながら小径とする。
【0015】つぎに、前記カップ状素材37の円形凸部
36に、図2に示す前方押出し加工(IV)を行って、凹
部38Aを有する内輪部材側となる小径円筒部38に成
形する。すなわち、図2において、39は前記大径円筒
部35の外径と同一径の成形穴39Aおよび前記円形凸
部36の外径と同一径の成形穴39Bを有するダイス
で、40はこのダイス39の成形穴39B内に同軸に固
定された押出しポンチであり、該押出しポンチ40の外
径は内輪部材の内径と同一大きさに設定されている。な
お、図中41は押込みポンチである。
【0016】そこで、前記カップ状素材37の円形凸部
36は、押込みポンチ41の圧縮力により前記ダイス3
9と押出しポンチ40の空間部に押し出されて凹部38
Aを有する小径円筒部38に成形され、その凹部38A
の内径は内輪部材側の内径となる。ここで、前記小径円
筒部38はダイス39の中に押出しポンチ40が固定さ
れる前方押出し方式で加工が行われるため、ダイス39
と押出しポンチ40との同心精度は高く、従って、前記
小径円筒部38の内径と外径の同心度を高精度にするこ
とが可能である。
【0017】つぎに、前記(IV)で形成された大径円筒
部35と小径円筒部38とを結合部42で同軸に連結さ
れた段付環状部材43を上下反転(V)した後、図3に
示すように、しごき加工を行って、該段付環状部材43
の大径円筒部35の凹部35Aの内径を外輪部材の内径
に成形する。
【0018】すなわち、図3において、44は前記大径
円筒部35の外径と同一径の成形穴44Aを有するダイ
スで、45はこのダイス44の成形穴44A内に同軸に
固定されたしごきポンチであり、該しごきポンチ45の
外径は外輪部材の内径と同一大きさに設定されており、
46は押込みポンチである。そこで、前記段付環状部材
43に押込みポンチ46の圧縮力が加えられると、しご
きポンチ45の外径は外輪部材の内径と同一に設定され
ているが、前記段付環状部材43の大径円筒部35の凹
部35Aの内径は、前述したように、前記外輪部材の内
径より僅かながら小径に形成されているので、前記段付
環状部材43の凹部35Aの内径はこのしごき加工によ
り拡大されて、外輪部材の内径に成形されるのである。
【0019】ここでは、大径円筒部35はダイス44の
中に押出しポンチがセットされる前方押出し方式と同様
の金型構造で加工を行うため、上記のように、大径円筒
部35の内径と外径の同心度を高精度とすることが可能
である。またこの際、前記押込みポンチ46の内径を、
段付環状部材43の小径円筒部38の外径より幾分大き
な環状のポンチとすることにより、前記小径円筒部38
は大径円筒部35の前記しごき加工中何ら大径円筒部3
5の変形には寄与せず、又自身も変形しないので、段付
環状部材43の小径円筒部38と大径円筒部35との同
軸は悪化せず、その同心度を高精度にすることが可能で
ある。
【0020】つぎに、前記段付環状部材43の打抜き工
程(VI)で、大径円筒部35と小径円筒部38とに分離
されるとゝもに、該小径円筒部38の底面部38Bを打
抜きスクラップとして切り離すことにより内輪部材3
8’を成形する。次いで(VII)の工程で、前記(VI)で
分離された大径円筒部35の結合部42を打ち抜き、環
状スクラップを切り離して外輪部材35’を製造する。
ここで、前記(VI)及び(VII)の工程はいずれも前記前
方押出し方式と同様、ダイスの中に打ち抜きポンチがセ
ットされる方式で行われるため、ダイスと打ち抜きポン
チとの同心精度は良く、内輪部材38’,外輪部材3
5’のそれぞれについて内径と外径の同心精度が悪化す
ることはない。
【0021】図4は前記(VII)で示す大径円筒部35か
ら結合部42を打ち抜く金型を示したもので、同図にお
いて、47は大径円筒部35の外径と同径のダイス、4
8は該ダイス47内に固定された打抜きポンチであり、
該打抜きポンチ48その外径は大径円筒部35の内径と
同径に設定されており、49は円筒状の押込みポンチで
ある。なお、(VIII)に示すように、前記(IV)で形成さ
れた段付環状部材43の大径円筒部35の凹部35Aに
しごき加工を行った後、小径円筒部38の底面部38B
をスクラップとして打抜くことにより、大径円筒部35
と小径円筒部38との凹部35A,38Aが連通状態の
段付円筒部材50を成形することもできる。
【0022】更に、本発明では、前記(IV)の工程にお
いて、カップ状素材37の円形凸部36に前方押し出し
加工で凹部38Aを有する小径円筒部38を成形する場
合、同時に同図に示すように、前記小径円筒部38の凹
部38Aの底面部38Bと対応する反対面(大径円筒部
35側)に、前記凹部38Aの内径と同径の浅い穴i及
び内輪,外輪両部材を製造する場合には、前記大径円筒
部35と小径円筒部38との結合部42の上下の対向面
には、それぞれ小径円筒部38の外径と大径円筒部35
の内径と同一寸法の浅い環状くぼみj,kを形成する。
【0023】この形成された浅い穴i,浅い環状くぼみ
j,kの作用によって、例えば1例として、図4に示す
打抜き金型により、図1の (VII)に示す大径円筒部3
5の結合部42を打ち抜く場合、通常押込みポンチ49
の内径は打抜きポンチ48の外径より大きいが、この押
込みポンチ49の内径に関係なく、打ち抜き過程で大径
円筒部35の変形が打抜きポンチ48の外周側と結合部
42の浅い環状くぼみkの残部の段差mの外周側nを結
ぶ面に集中する。したがって、大径円筒部35の環状ス
クラップとなる結合部42を打ち抜いた部分(せん断
部)が、大径円筒部35の内径より拡大して内径寸法精
度を悪化させることはない。
【0024】
【実験例】外径22.2mm、内径17.8mmの外輪
部材と、外径12.8mm、内径7.9mmの内輪部材
を従来の製造方法と本発明の製造方法で夫々作製した。
従来の製造方法で作製した場合、安定して得られた外輪
部材の外径と内径の中心軸のずれは、0.06mm程度
が最小の限界であったが、本発明の製造方法で作製した
外輪部材と内輪部材それぞれの外径と内径の中心軸のず
れは、安定して0.02mm以下のものが得られた。
【0025】また、一例として外輪部材を例にとると、
従来の製造方法で作製した外輪部材の内径面側の円筒度
は、スクラップ切り離し面の大きな破断面のために内径
がこの部分で大きく拡大し、かつ切り離し面が大きく荒
れているために測定不能であったが、本発明の製造方法
で作製した外輪部材の内径面側の円筒度は、スクラップ
を打ち抜いて切り離した面も含めて0.04mm以下で
あった。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る製造方法は、上記のような
構成であるから、一個の素材から鍛造により、内径と外
径の同心度が高精度の大径円筒部と小径円筒部を有する
段付環状部材および内径と外径の同心度が高精度の外輪
部材と内輪部材を得ることができるとゝもに、打ち抜き
部や切り離し部の寸法精度の良い外輪部材と内輪部材を
得ることができる。そして又、従来の鍛造方法では、前
記段付環状部材及び外輪部材と内輪部材の夫々につい
て、内径側と外径側の切削加工を省略しそのまま研削加
工を行うことが困難であったものが、本発明方法によれ
ば、上記効果によって、内径側と外径側の切削加工を省
略しそのまま研削加工を行なうことができ、後加工工程
の省略や加工コストの低減が図られる、といった諸効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法による加工工程を示す説明図であ
る。
【図2】前方押出し加工開始時と加工完了時の説明断面
図である。
【図3】前向しごき途中としごき完了時の説明断面図で
ある。
【図4】環状部材の結合部の打ち抜き開始時と打ち抜き
途中の説明断面図である。
【図5】汎用の後方押出し加工の概略断面図である。
【図6】汎用の前方押出し加工の概略断面図である。
【図7】汎用の前後方押出し加工の概略断面図である。
【図8】従来の段付環状部材から内輪,外輪両部材を作
製する製造工程図である。
【図9】従来の段付環状部材から内輪,外輪両部材を作
製する製造工程図である。
【図10】従来の段付環状部材の結合部の打抜き前と打
抜き完了時の説明断面図である。
【符号の説明】
33 素材 34 円盤状素材 35 大径円筒部 35A 凹部 36 凸部 37 カップ状素材 38 小径円筒部 38A 凹部 38B 底板部 39 ダイス 40 押出しポンチ 41 押込みポンチ 42 結合部 43 段付環状部材 50 段付円筒部材
フロントページの続き (72)発明者 中田 光昭 富山県高岡市石丸708ー16 エヌケイ精 圧株式会社内 (72)発明者 岡本 覚 富山県高岡市石丸708ー16 エヌケイ精 圧株式会社内 (72)発明者 入澤 捷史 富山県高岡市石丸708ー16 エヌケイ精 圧株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−13247(JP,A) 特開 昭51−18258(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21K 1/04 B21J 5/06 B21K 21/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前工程で形成した円盤状素材に鍛造もし
    くは押出し加工を施して、大径円筒部と小径円筒部とを
    結合部を介して同軸に連結した段付環状部材を成形する
    鍛造方法において、前記円盤状素材の一面側に製品大径
    部の内径より僅かに小径の凹部を、他面側に凸部を有す
    るカップ状素材に成形した後、該凸部にダイスと押出し
    ポンチが相対的に移動しない前方押出し加工を施して前
    記段付環状部材の小径円筒部側を成形し、次いで、大径
    円筒部側の前記凹部の内面を前方押出し加工方式でしご
    きもしくは押出し加工を施して該凹部の内径を製品大径
    部の内径と同一大きさに成形し、次いで、前記小径円筒
    部の内径側の底板部を打ち抜いて前記大径円筒部と小径
    円筒部との両凹部を連通させることを特徴とする段付環
    状部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前工程で形成した円盤状素材に鍛造もし
    くは押出し加工を施して、大径円筒部と小径円筒部とを
    結合部を介して同軸に連結した段付環状部材を成形し、
    その後前記大径円筒部と小径円筒部との切り離しを行っ
    て外輪部材と内輪部材を同時に製造する鍛造方法におい
    て、前記円盤状素材の一面側に製品大径部の内径より僅
    かに小径の凹部を、他面側に凸部を有するカップ状素材
    に成形した後、該凸部にダイスと押出しポンチが相対的
    に移動しない前方押出し加工を施して前記段付環状部材
    の小径円筒部側を成形し、次いで、大径円筒部側の前記
    凹部の内面を前方押出し加工方式でしごきもしくは押出
    し加工を施して該凹部の内径を製品大径部の内径と同一
    大きさに成形し、次いで、前記小径円筒部の大径円筒部
    からの切り離しと、該小径円筒部の内径側の底板部及び
    小径円筒部と大径円筒部との結合部を夫々打ち抜いて、
    外輪部材と内輪部材を同時に製造することを特徴とする
    内外輪両部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 大径円筒部と小径円筒部とを結合部を介
    して同軸に連結した段付環状部材の成形時に、小径円筒
    部の押出し側と反対面に小径円筒部の内径と同径の浅い
    穴を形成し、また前記結合部の両端面側に内径側と外径
    側はそれぞれ小径円筒部の外径と大径円筒部の内径と同
    一大きさとした浅い環状くぼみを成形することを特徴と
    する請求項2記載の内外輪両部材の製造方法。
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