JP2916919B1 - インピーダンスボンド - Google Patents

インピーダンスボンド

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JP2916919B1 JP14608498A JP14608498A JP2916919B1 JP 2916919 B1 JP2916919 B1 JP 2916919B1 JP 14608498 A JP14608498 A JP 14608498A JP 14608498 A JP14608498 A JP 14608498A JP 2916919 B1 JP2916919 B1 JP 2916919B1
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Abstract

【要約】 【課題】 一次コイル及びインピーダンスボンド導線の
接続部分の緩みを防止する。 【解決手段】 インピーダンスボンドのケース1に両側
端子3が取付けられている。両側端子3は、軸部9と端
子部10とを一体に有している。軸部9は、ケース1内
でトランス2の一次コイル6をねじ止めするものであ
り、廻り止めを施してケース1に保持されている。端子
部10は、ケース1の外部に突出する軸部9の外端に取
付けられ、インピーダンスボンド導線8のケーブル8a
がはんだによって直付けされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道線路の複軌条
式軌道回路の境界点に設置するインピーダンスボンドに
関する。
【0002】
【従来の技術】インピーダンスボンドは、ケース内にト
ランスが内蔵されたものである。インピーダンスボンド
の基本構成を図5に示す。図5において、トランス20
の成層鉄心21に一次コイル22と二次コイル23とが
巻かれ、一次コイル22は2個に分かれ、各巻線に流れ
る帰線電流によって生ずる磁束が互いに打消すように配
置される。一次コイル22の導体には平角銅板が用いら
れ、巻線は5〜10回位である。二次コイル23は、扁
平形の導線でその巻数は一次コイル22と同一巻数で一
次コイル22、22の間に挿入される。三次コイルを設
けてコンデンサを接続する場合もある。インピーダンス
ボンドをレールに接続する導線をインピーダンスボンド
導線という((株)交友社 吉村寛ほか1名、信号 p
172〜173 昭和41年4月15日発行参照)。
【0003】従来、インピーダンスボンドの一次コイル
22、二次コイル23及び鉄心21は、図6,7に示す
ようにケース24内に収容され、冷却及び絶縁のため、
ケース24内には絶縁油を充填して密封し、ケース24
の外壁に設けた両側端子25、中性点端子26には、そ
れぞれ一次コイル22の導板を接続し、二次端子27に
は、二次コイル23の銅線を接続していた。
【0004】両側端子25は、軸部28と口出線29に
よって接続された端子部30とからなり、一次コイル2
2は軸部28にねじ止めされ、軸部28は絶縁筒31を
介し、ナットを用いてケース24に締付け、インピーダ
ンスボンド導線のケーブルは、端子部30にねじ止めさ
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、両側端子2
5の軸部28および絶縁筒31の断面形状は、円形また
は円筒であり、軸部29を絶縁筒31内に挿通し、この
絶縁筒31をケースの外壁に開口された軸孔に挿通し、
構造上パッキン、樹脂板を介してナット32でケース2
4に締付けられるものであるため、経年的にいずれは緩
むことになる。
【0006】この問題は、インピーダンスボンド導線に
ついてもあてはまる。インピーダンスボンド導線の取付
けに際してもインピーダンスボンド導線の端子を両側端
子25の端子部30にねじ止めするものである限り、経
年的にいずれは緩むことにならざるを得ない。
【0007】もっとも、インピーダンスボンドの保守を
定期的に行って両側端子25及びインピーダンスボンド
導線取付用のナット、ねじの増し締めを行えば、特別に
問題となることはないが、実際には人手不足のためにイ
ンピーダンスボンドの保守を定期的に行うのが難しいの
が実情であり、このため、ねじの緩みによる発熱が原因
となって列車を停止させる事故が時折発生しており、こ
の事故は今後増々増加する傾向にある。
【0008】本発明の目的は、一次コイル又はインピー
ダンスボンド導線の端子部分に緩みが生じないインピー
ダンスボンドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるインピーダンスボンドにおいては、両
側端子の対を有するインピーダンスボンドであって、両
側端子は、軸部と、端子部とを一体に有し、軸部は、イ
ンピーダンスボンドのケースに内蔵されたトランスの一
次コイルを接続するものであり、廻り止めを施してケー
スに支持され、端子部は、ケースより外部に突出させた
軸部の外端に固定され、インピーダンスボンド導線のケ
ーブルを直付けするものである。
【0010】また、軸部は、絶縁筒に内装されたもので
あり、絶縁筒は、軸部とケース間を電気的に絶縁するも
のであり、回り止めを施してケースに支持され、絶縁筒
の回り止めは、軸部の回り止めになるものである。
【0011】また、軸部は、軸上に異形部を有し、異形
部は、軸の周面又は周面一部に形成された円形とは違う
部分であり、ケースの軸孔内に挿入されて軸部の廻り止
めとなり、軸部は、ナットを用いてケースに緊締されて
いるものである。
【0012】また、絶縁筒は、周上に異形部を有し、異
形部は、軸の周面又は周面一部に形成された円形とは違
う部分であり、絶縁筒の廻り止めとなり、軸部の異形部
は、絶縁筒の軸孔に嵌合し、絶縁筒の異形部は、ケース
の軸孔に嵌合させたものである。
【0013】また、インピーダンスボンド導線のケーブ
ルは、端子部にはんだ付けされたものである。
【0014】また、インピーダンスボンド導線は、イン
ピダンスボンドのケースに取り付けたブラケットに保持
され、インピーダンスボンド導線のケーブルは、端子部
と同じ高さの位置に支えられているものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明によるインピーダン
スボンドの実施の形態を図によって説明する。図1、2
において、ケース1内にトランス2が内蔵されている。
トランス2の両側端子3、中性点端子4、二次端子5
は、ケース1の壁面に取付けられ、両側端子3、中性点
端子4にはトランス2の一次コイル6がそれぞれねじ止
めされ、二次端子5には二次コイル7がねじ止めされて
いる。
【0016】両側端子3は、対をなし、ケース1の両側
方に張り出して取付けられ、それぞれの両側端子3、3
には図1に示すようにインピーダンスボンド導線8が接
続される。
【0017】図3において、両側端子3は、軸部9と、
軸部9の外端に固定された端子部10とを一体に有する
ものであり、軸部9は、絶縁筒13の軸孔に挿通され、
絶縁筒13は、ケース1の軸孔11に挿通され、ケース
1の内外面に介装されたシール12a、12bを挾み、
ケース1の内側から絶縁筒13に絶縁座13aを外装
し、絶縁筒13のフランジ13bと絶縁座13a間でケ
ース1をはさみ、一次コイル6を締め付ける一方のナッ
ト17で絶縁座13aをケース1側に圧着している。
【0018】本発明において、軸部9は、軸上の一部に
異形部14を有し、絶縁筒13は、その周上に異形部1
6を有している。この異形部14,16は、円形断面と
は異なる形状の部分であり、例えば図4(a)〜(d)
に示すような角形、楕円形、円弧、切欠きなどを軸また
は筒の周面又はこれらの周面一部に形成したものであ
る。異形部14は、絶縁筒13の軸孔に嵌合させる部
分、異形部16は、ケース1の軸孔11に嵌合させる部
分である。異形部16の軸孔の内形およびケース1の軸
孔11の内形は、それそれ異形部16、14が適合する
形状に設定され、絶縁筒13はケース1に対し、また、
軸部9は絶縁筒13に対して回転方向に係止される。
【0019】このように、異形部16と異形部14と
は、結局軸部9の廻り止めとなり、したがって、ナット
17は緩まず、さらには、一次コイル6を軸部9に緊締
するねじが緩まず、ひいてはねじの緩みに起因する発熱
は生じない。
【0020】また、本発明において、インピーダンスボ
ンド導線8は、ケース1に取り付けてその側方に張り出
したブラケット15に保持させ、インピーダンスボンド
導線8のケーブル8aを端子部10と同じ高さに支えて
ケースの一側と平行に配設し、さらに、インピーダンス
ボンド導線8のケーブル8aの先端は、端子部10の側
面の穴内に挿し込み、はんだ付けにより端子部10に直
付けして一体に固定している。
【0021】はんだを用いてインピーダンスボンド導線
8のケーブル8aを端子部10に直付けすることによっ
てインピーダンスボンド導線8と端子部10との接続部
分には経年的に緩みが生ずることがなく、また、インピ
ーダンスボンド導線8のケーブル8aは、ブラケット1
5で端子部と同じ高さの位置に支えられ、両側端子3か
らのびるインピーダンスボンド導線8の一定の長さの部
分はケース1と同じ高さで平行に配列されるために、ケ
ーブル8aのはんだ付け部分には無理な力を受けること
がない。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によるときには、一
次ケーブル及びインピーダンスボンド導線を接続する端
子部分に緩みが生ぜず、したがって、インピーダンスボ
ンド設置後の保守管理の手数を簡略化できる効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す一部断面平面図であ
る。
【図2】本発明の一実施形態を示す一部断面側面図であ
る。
【図3】両側端子の拡大図である。
【図4】(a)〜(d)は異形部の形状を例示したもの
であり、図3のA−A線に相当する部分の断面拡大図で
ある。
【図5】インピーダンスボンドの基本構成を示す図であ
る。
【図6】従来のインピーダンスボンドの一部断面平面図
である。
【図7】従来のインピーダンスボンドの一部断面側面図
である。
【符号の説明】
1 ケース 2 トランス 3 両側端子 4 中性点端子 5 二次端子 6 一次コイル 7 二次コイル 8 インピーダンスボンド導線 9 軸部 10 端子部 11 軸孔 12 シール 13 絶縁筒 14 異形部 15 ブラケット 16 異形部 17 ナット

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両側端子の対を有するインピーダンスボ
    ンドであって、 両側端子は、軸部と、端子部とを一体に有し、 軸部は、インピーダンスボンドのケースに内蔵されたト
    ランスの一次コイルを接続するものであり、廻り止めを
    施してケースに支持され、 端子部は、ケースより外部に突出させた軸部の外端に固
    定され、インピーダンスボンド導線のケーブルを直付け
    するものであることを特徴とするインピーダンスボン
    ド。
  2. 【請求項2】 軸部は、絶縁筒に内装されたものであ
    り、 絶縁筒は、軸部とケース間を電気的に絶縁するものであ
    り、回り止めを施してケースに支持され、絶縁筒の回り
    止めは、軸部の回り止めになるものであることを特徴と
    する請求項1に記載のインピーダンスボンド。
  3. 【請求項3】 軸部は、軸上に異形部を有し、 異形部は、軸の周面又は周面一部に形成された円形とは
    違う部分であり、軸部の廻り止めとなり、 軸部は、ナットを用いてケースに緊締されているもので
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のインピー
    ダンスボンド。
  4. 【請求項4】 絶縁筒は、周上に異形部を有し、 異形部は、軸の周面又は周面一部に形成された円形とは
    違う部分であり、絶縁筒の廻り止めとなり、 軸部の異形部は、絶縁筒の軸孔に嵌合し、絶縁筒の異形
    部は、ケースの軸孔に嵌合させたものであることを特徴
    とする請求項3に記載のインーピダンスボンド。
  5. 【請求項5】 インピーダンスボンド導線のケーブル
    は、端子部にはんだ付けされたものであることを特徴と
    する請求項1、2又は3に記載のインピーダンスボン
    ド。
  6. 【請求項6】 インピーダンスボンド導線は、インピー
    ダンスボンドのケースに取り付けたブラケットに保持さ
    れ、インピーダンスボンド導線のケーブルは、端子部と
    同じ高さの位置に支えられていることを特徴とする請求
    項3に記載のインピーダンスボンド。
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